JP5639325B2 - アルミニウム合金板 - Google Patents
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Description
特に、自動車のフード、フェンダー、ドア、ルーフ、トランクリッドなどのパネル構造体に使用されるアウタパネル(外板)やインナパネル(内板)等のパネルには、アルミニウム(Al)合金材の中でも高強度な、例えば、Al−Mg−Si系合金材(JIS H 4000で規定される6000系のAl合金材(以下、「JIS6000系Al合金材」という。))などを用いたAlパネル材の適用が検討されている。
例えば、特許文献5によれば、プレス成形に先立って大きな加工変形を受ける部位を予め加熱することで軟質化し、成形性の向上を図っている。
また、特許文献5に記載されている方法でも、近年、益々厳しさを増している需要者の要望を満たすまでには至っておらず、例えば、自動車メーカーなどから更なる成形性の向上が求められている。
そのため、本発明では、Mg−Si系化合物の析出を促進させるよう制御することとした。このように制御してMg−Si系化合物を形成させると、成形時の当該Mg−Si系化合物周囲の歪の蓄積を促進することができる。その結果、動的回復が容易になるので、温間成形において局部伸びが増大し、高温成形性が向上することになる。また、Siのみでなる析出物は、単体であると(他の元素と結合していないと)硬質化し、破壊の起点として作用するため、Siが多く添加されると高温成形性が低下する傾向にある。そのため、Siの添加を抑制することとした。
図1に示すように、本発明のアルミニウム合金板は、Mgの含有量を0.57質量%以上4.5質量%以下、Siの含有量を0.33質量%以上2.5質量%以下の範囲とし、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金板であって、さらに、下記の条件(A)または条件(B)を満たすとともに、Mg−Si系化合物を含み、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率を1〜5%に規制し、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比を1.0以下に規制している。
以下、前記した条件等について詳細に説明する。
「Mgの含有量を0.57質量%以上4.5質量%以下」
Mgは、SiとともにMg−Si系化合物を形成し、強度の向上に寄与する。Mgが0.57質量%未満であると、強度の向上に寄与するMg−Si系化合物の生成量が少ないため、十分な強度を得ることができない。一方、Mgが4.5質量%を超えると、Mg2Siの総面積率(すなわち、Mg−Si系化合物の占める面積率)が大きくなりすぎ、粗大な化合物が形成されるので好ましくない。なお、Mgの好ましい含有量は、前記と同様の理由から、その下限値は、好ましくは0.76質量%以上、より好ましくは0.95質量%以上であり、その上限値は、好ましくは3.45質量%以下、より好ましくは2.72質量%以下、さらに好ましくは、1.68質量%以下である。
「Siの含有量を0.33質量%以上2.5質量%以下」
Siは、MgとともにMg−Si系化合物を形成し、強度の向上に寄与する。Siが0.33質量%未満であると、強度の向上に寄与するMg−Si系化合物の生成量が少ないため、十分な強度を得ることができない。一方、Siが2.5質量%を超えると、Siのみでなる析出物の占める面積率の比が大きくなりすぎ、破壊の起点が多くなりすぎるため、高温成形性が低下する。なお、Siの好ましい含有量は、前記と同様の理由から、その下限値は、好ましくは0.44質量%以上、より好ましくは0.55質量%以上であり、その上限値は、好ましくは1.65質量%以下、より好ましくは1.28質量%以下、さらに好ましくは、0.86質量%以下である。
「条件(A);[{0.578×(Mgの含有量)}≦(Siの含有量)≦{0.578×(Mgの含有量)+0.3}、ただし、条件(A)において、Mgの含有量は0.57〜3.8質量%]、または、条件(B);[{0.578×(Mgの含有量)−0.4}≦(Siの含有量)<{0.578×(Mgの含有量)}、ただし、条件(B)において、Mgの含有量は0.57〜4.5質量%、Siの含有量は0.33〜2.2質量%]を満たす」
条件(A)において、(Siの含有量)が{0.578×(Mgの含有量)+0.3}を超えると、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が大きくなりすぎる。その結果、破壊の起点が多くなりすぎるため、高温成形性が低下する。なお、より好ましくは、(Siの含有量)≦{0.578×(Mgの含有量)+0.2}、さらに好ましくは、(Siの含有量)≦{0.578×(Mgの含有量)+0.1}である。
なお、条件(A)におけるMgの含有量の上限値は、好ましくは2.85質量%以下、より好ましくは2.21質量%以下であり、条件(B)におけるSiの含有量の上限値は、好ましくは1.65質量%以下、より好ましくは1.28質量%以下である。
「0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率が1〜5%」
本発明者らが本発明を完成するにあたって、高温成形性と、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、の関係を種々調査した結果、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率の増加にともない高温成形性が向上するが、ある量を超えると高温成形性が低下することを見出した。
つまり、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率が1%より小さいと、動的回復が起こりにくくなり、温間での局部伸びが低下し、高温成形性が低下する。一方、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率が5%より大きいと、粗大な化合物の形成により高温成形性が低下する。なお、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率は、好ましくは2.0%以上4.0%以下とする。
「前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が1.0以下」
本発明者らが本発明を完成するにあたって、高温成形性と、前記した総面積率(「0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率」をいう。)と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、の関係を種々調査した結果、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が減少するのにともなって高温成形性が向上することを見出した。
すなわち、前記した総面積率に対して、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率((0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率)/(0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率)+(0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率))を抑制する方向に材質を小さくするのが望ましい。
前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が1.0より大きいと、破壊の起点が多くなりすぎ、高温成形性が低下する。なお、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比は、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下とする。
「不可避的不純物」
なお、本発明のアルミニウム合金板においては、不可避的不純物としてFeを挙げることができる。本発明においては不可避的不純物であるFeを1.5質量%以下で含有していても、奏する効果に支障を来たさないため、これを含有することを許容する。
「0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の個数密度が3000個/mm2以上」
0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の個数密度が少なすぎると、動的回復が起こりにくくなり、温間での局部伸びが低下し、高温成形性が低下する。したがって、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物数密度は、3000個/mm2以上とするのが好ましく、5000個/mm2以上とするのがより好ましい。
「0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が3000個/mm2以下」
0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が多すぎると、破壊の起点が多くなりすぎ、高温成形性が低下する。したがって、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度は、3000個/mm2以下とするのが好ましく、1000個/mm2以下とするのがより好ましい。
本発明のアルミニウム合金板は、Feを、0質量%を超え0.3質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下、Mnを、0質量%を超え0.1質量%以下、より好ましくは0.02質量%以上0.1質量%以下、Crを、0質量%を超え0.5質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下、Zrを、0質量%を超え0.5質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下、Vを、0質量%を超え0.3質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下、Tiを、0質量%を超え0.2質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上0.2質量%以下、Znを、0質量%を超え0.01質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上0.01質量%以下、の群より選択される少なくとも1種を、前記した含有量で含有させるのが好ましい。
次に、図2を参照して本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法について詳細に説明する。参照する図2は、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法の内容を示すフローチャートである。
以下、各工程の内容について詳細に説明する。
なお、このようなアルミニウム合金板の製造方法とすれば、生成されるMg−Si系化合物とSiのみでなる析出物の比率、つまり、Mg−Si系化合物の占める面積率とSiのみでなる析出物の占める面積率とを合計した総面積率、総面積率における、Siのみでなる析出物の占める面積率の比、を適切な範囲に制御することができ、これにより、温間成形時におけるMg−Si系化合物周囲の歪の蓄積を促進することが可能となる。その結果、動的回復を容易とし、かつ破壊を起こりにくくすることができるので、温間成形において局部伸びが増大し、高温成形性を向上させたアルミニウム合金板を製造することができる。
「鋳塊製造工程S1」
鋳塊製造工程S1では、Mgの含有量を0.57質量%以上4.5質量%以下、Siの含有量を0.33質量%以上2.5質量%以下の範囲とし、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金板であって、条件(A);[{0.578×(Mgの含有量)}≦(Siの含有量)≦{0.578×(Mgの含有量)+0.3}、ただし、条件(A)において、Mgの含有量は0.57〜3.8質量%]、または、条件(B);[{0.578×(Mgの含有量)−0.4}≦(Siの含有量)<{0.578×(Mgの含有量)}、ただし、条件(B)において、Mgの含有量は0.57〜4.5質量%、Siの含有量は0.33〜2.2質量%]、を満たすとともに、Mg−Si系化合物を含むアルミニウム合金の鋳塊を製造する。
「均質化熱処理工程S2」
均質化熱処理工程S2では、鋳塊製造工程S1で製造した鋳塊を均質化熱処理する。均質化熱処理を行うことで、鋳塊組織中の結晶粒内の偏析をなくすことができる。
なお、均質化熱処理工程S2における均質化熱処理温度は、500℃以上融点未満とするのが好ましい(条件(a))。
均質化熱処理温度が500℃未満であると、鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、高温成形性が低下する。一方、均質化熱処理温度が融点を超えると、バーニングが生じるため、表面品質が劣る。
また、均質化熱処理工程S2における均質化熱処理時間は、2時間以上とするのが好ましい(条件(b))。
均質化熱処理時間が2時間未満であると、鋳塊の粒内偏析を十分になくすことができず、これが破壊の起点として作用するため、高温成形性が低下する。なお、均質化熱処理時間が30時間を超えても、均質化熱処理の効果が飽和するため、経済的に好ましくないので、均質化熱処理時間は30時間以下とするのが好ましい。
かかる条件の少なくとも一つを満たすことにより、生成されるMg−Si系化合物とSiのみでなる析出物の比率をより適切化できるので、温間成形において局部伸びがより増大し、高温成形性をさらに向上させたアルミニウム合金板を製造することができる。
「熱間圧延工程S3」
熱間圧延工程S3では、均質化熱処理工程S2で均質化熱処理した鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板を製造する。なお、本発明においては、均質化熱処理工程S2後、熱間圧延工程S3での熱間圧延開始までの所要時間を20分間以内とする必要がある。かかる所要時間が20分間より長いと、Siのみでなる析出物の析出が促進され、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が大きくなりすぎるとともに、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が高くなりすぎる。
「冷間圧延工程S4」
冷間圧延工程S4では、熱間圧延工程S3で製造した熱間圧延板を冷間圧延して冷間圧延板を製造する。
「溶体化処理工程S5」
溶体化処理工程S5では、冷間圧延工程で製造した冷間圧延板を溶体化処理する。ここで、溶体化処理工程S5における溶体化処理温度を470℃以上、かつ、溶体化処理工程S5後の冷却速度を50℃/分以上とするのが好ましい(条件(c))。
溶体化処理温度が470℃未満であると、Siのみでなる析出物の再固溶が不完全となり、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が大きくなりすぎるとともに、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が大きくなりすぎるため、高温成形性が低下する。なお、溶体化処理温度の上限値は融点未満であればよい。
また、冷却速度が50℃/分より小さいと、冷却過程でSiのみでなる析出物が析出するために、前記した総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が大きくなりすぎるとともに、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が大きくなりすぎるため、高温成形性が低下する。なお、冷却速度が速いほど温間成形性が良好となる。したがって、冷却速度の上限値は500℃/分以下とするのが好ましく、2500℃/分以下とするのがより好ましい。なお、このような高速冷却は、水冷若しくはガス冷却によって行うことができる。
0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率、および、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の測定は、厚さ1mmのNo.1〜25に係るアルミニウム合金板に対して圧延面から0.25mm深さまで機械研磨により削り落とし、その研磨面をEPMA(日本電子製JXA−8000シリーズ、測定条件は加速電圧20kV)により行った。測定エリアは、約0.1〜0.2mm2程度、測定時の倍率は600倍であった。計測対象は、0.5μm以上の粒子を測定した。なお、計測対象を0.5μm以上としたのは、装置の分解能によりそれ以下の粒子の検出は困難なためである。測定により検出された全粒子のうち、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率、および、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率を以下の要領で抽出した。
なお、分析濃度はat%で記載するのが一般的であるが、これを質量%に換算するときは、下記式(1)〜(5)により換算すればよい。
また、前記したEPMA装置の分析により得られた0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物、および0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の総個数を測定面積で除することで0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物および0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度を得た。
なお、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率を、表3においては、「X」と表示し、この総面積率における、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比を、表3においては、「Y」と表示した。
また、溶体化処理後のNo.1〜25に係るアルミニウム合金板からブランクを切り出し、図3に示すプレス機を用いて、温間成形試験により、成形高さ(破断に至るまでのパンチ深さの最大値/mm)を測定し、高温成形性を評価した。なお、図3は、高温成形性の測定方法を説明するための模式図である。
なお、ブランク1は、縦幅120mm、横幅120mmの長さで、切断加工により作製し、このブランク1を、パンチ:50mmφ−肩R4.5mm、ダイス:54.5〜56.0mmφ−肩R8〜10mm、日本工作油社製の潤滑材CF853を用いて、しわ押さえ荷重0.11MPa(1.2kg/cm2)、パンチ速度80mm/minの条件で深絞り試験を行った。
表3に、Mg−Si系化合物の占める面積率と、Siのみでなる析出物の占める面積率、これらを合計した総面積率、0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の個数密度、0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度の測定結果、および、高温成形性の評価結果を示す。
No.17に係るアルミニウム合金板は、Mgの含有量およびSiの含有量に関して、条件(A)および条件(B)が本発明の要件を満たさなかったため、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.18に係るアルミニウム合金板は、Mgの含有量およびSiの含有量が条件(B)を満たさなかったため、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.19に係るアルミニウム合金板は、Mgの含有量およびSiの含有量が条件(A)を満たさなかったため、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.21に係るアルミニウム合金板は、添加したCuの含有量が多すぎたために、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.22に係るアルミニウム合金板は、均質化熱処理工程後に行う熱間圧延工程での熱間圧延開始までの所要時間が短すぎたために、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.23に係るアルミニウム合金板は、均質化熱処理工程後に行う熱間圧延工程での熱間圧延開始までの所要時間が長すぎたために、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.24に係るアルミニウム合金板は、溶体化処理温度が低かったために、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
No.25に係るアルミニウム合金板は、溶体化処理工程後の冷却速度が遅かったために、高温成形性の評価が好ましくない結果となった。
S2 均質化熱処理工程
S3 熱間圧延工程
S4 冷間圧延工程
S5 溶体化処理工程
Claims (4)
- Mgの含有量を0.57質量%以上1.68質量%以下、
Siの含有量を0.33質量%以上0.86質量%以下の範囲とし、
残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金板であって、
条件(A);[{0.578×(Mgの含有量)}≦(Siの含有量)≦{0.578×(Mgの含有量)+0.3}]、または、
条件(B);[{0.578×(Mgの含有量)−0.4}≦(Siの含有量)<{0.578×(Mgの含有量)}]、を満たすとともに、Mg−Si系化合物を含み、
0.5μm以上の大きさの前記Mg−Si系化合物の占める面積率と、0.5μm以上の大きさの前記Siのみでなる析出物の占める面積率と、を合計した総面積率が1〜5%であり、
前記総面積率における、前記0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の占める面積率の比が1.0以下である
ことを特徴とするアルミニウム合金板。 - 前記0.5μm以上の大きさのMg−Si系化合物の個数密度が3000個/mm2以上、かつ、
前記0.5μm以上の大きさのSiのみでなる析出物の個数密度が3000個/mm2以下、
であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金板。 - Feを、0質量%を超え0.3質量%以下、Mnを、0質量%を超え0.1質量%以下、Crを、0質量%を超え0.5質量%以下、Zrを、0質量%を超え0.5質量%以下、Vを、0質量%を超え0.3質量%以下、Tiを、0質量%を超え0.2質量%以下、Znを、0質量%を超え0.01質量%以下の群より選択される少なくとも1種を、前記した含有量で含有させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金板。
- Cuを、0質量%を超え1.5質量%以下で含有させたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のアルミニウム合金板。
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