JP3491819B2 - 成形後の表面性状に優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

成形後の表面性状に優れたアルミニウム合金板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形後の表面性状
に優れ、自動車、鉄道車両及び航空機等の輸送機用パネ
ルとしての用途に適するAl−Mg−Si系アルミニウ
ム合金板に関する。
【0002】
【従来の技術】6000系(Al−Mg−Si系)アル
ミニウム合金板材は、耐食性及び常温での成形加工性が
比較的優れ、人工時効処理により高強度が得られること
から、成形性あるいは軽量化、薄肉化が要求される用途
に適している。Al−Mg−Si系合金板材は、通常、
均質化処理後、熱間圧延し、続いて必要に応じて中間焼
鈍した後、冷間圧延を施して所定厚の板材とし、これに
溶体化焼入れを施し、さらにその後必要に応じてスキン
パス、ストレッチ等を施して製造される。
【0003】ところが、Al−Mg−Si系合金板材に
対し成形加工を行ったとき、特開平7−228956号
公報又は特開平8−232052号公報に記載されてい
るように、板表面にリジングマークと呼ばれる表面荒れ
が発生することが問題となっている。このリジングマー
クが発生すると、表面が極めて美麗であることが要求さ
れる自動車用外板パネル等の用途には外観不良として使
用できず、また、リジングマークは塗装を行った場合特
に目立つようになるため、成形加工後気付かれないまま
塗装工程に進み、塗装後に初めて認識されることもあ
る。つまり製品になって初めて現れることがあるという
困った特性を持っている。
【0004】前記特開平7−228956号公報及び特
開平8−232052号公報は、Al−Mg−Si系合
金板材についてリジングマークの発生を防止する方法に
関し、前者が、均質化処理後350〜450℃の温度ま
で冷却して熱間圧延を開始し、200〜300℃の温度
で熱間圧延を終了し、必要に応じて中間焼鈍を行った
後、冷間圧延、溶体化焼入れを施すというもの、後者
が、均質化処理後450℃以下の温度まで冷却して熱間
圧延を開始し、200〜350℃の温度で熱間圧延を終
了し、必要に応じて350〜420℃の中間焼鈍を行っ
た後、冷間圧延、溶体化焼入れ、さらに最終加熱処理を
施すというものであり、いずれも熱間圧延温度を低めに
設定し、同時にその他の各工程の処理条件も厳密に制御
し、それによってリジングマークの発生を防止しようと
いうものである。
【0005】成形加工時に板表面に発生するリジングマ
ーク等による表面性状の劣化を防止するためには、製品
形状を変更し成形加工をより緩い条件で行うことが必要
となるが、製品形状の変更は一般に成形加工条件のきび
しい部位の曲率半径を小さくすることとなり、これでは
所期製品形状を実現することができない。一方、成形加
工時に表面性状の劣化が発生した場合、板表面をペーパ
ー等で研磨することにより表面性状のある程度の修正は
可能ではあるが、製造工程が増えコスト増となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平7−228
956号公報及び特開平8−232052号公報では、
いずれも熱間圧延温度を低めに設定し、同時にその他の
各工程の処理条件も厳密に制御することにより、リジン
グマークの発生を防止している。しかし、特開平7−2
28956号公報ではリジングマークが発生しなかった
とされるプレス加工の変形量の開示がなく、特開平8−
232052号公報ではプレス加工のシミュレーション
として高々2%の引張変形が行われたに過ぎない(つま
り、高々2%の引張変形に相当する成形加工により発生
するリジングマークを防止することが意図されているに
過ぎない)。
【0007】本発明は、意匠性に優れる成形加工品に対
する需要の高まり、及び成形加工条件が今まで以上にき
びしい方向に向かいつつある状況に鑑み、よりきびしい
加工条件下でリジングマークの発生による表面性状劣化
が生じない、Al−Mg−Si系アルミ合金板を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形後の表
面性状に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板
の製造方法は、Si:0.2〜1.8%、Mg:0.2
〜1.6%を含有するAl−Mg−Si系アルミニウム
合金鋳塊を均質化熱処理後熱間圧延するに際し、熱間圧
延終了温度を再結晶温度以上として、かつ熱間圧延の最
終パス時の歪速度を8000〜16000%/secと
し、熱間圧延後のミクロ組織を等軸状再結晶粒とするこ
とを特徴とする。なお、本発明で等軸状再結晶粒とは、
板面に平行な面及び圧延方向に垂直な面の両方におい
て、観察される再結晶粒の平均アスペクト比が1〜3の
範囲内にあることを意味する。具体的にいえば、次のよ
うになる。 1≦dL/dLT≦3 1≦dL/dST≦3 dL;板の長さ方向に測定した粒径(L方向は一般的に
圧延方向、L−LT面が圧延面となる) dLT;板の幅方向に測定した粒径 dST;板厚方向に測定した粒径 また、本発明における歪速度の定義は、歪速度=ロール
による圧延率(%)÷ロールを板が通過する時間(秒)
とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るAl−Mg−Si系
アルミニウム合金板の製造方法では、熱間圧延後は、中
間焼鈍を行い又は中間焼鈍を行うことなく、冷間圧延を
行い、その後溶体化処理及び焼入れを行って製品板とす
る。熱間圧延後、中間焼鈍及び冷間圧延を省略して溶体
化処理及び焼入れを行うこともできる。次に、本発明に
係るAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の製造方法
の各工程について、その好ましい条件とともにより詳細
に説明する。
【0010】熱間圧延 熱間圧延(粗熱間圧延及び仕上げ熱間圧延)の圧延開始
温度を400℃以上、均質化処理温度(例えば470〜
540℃)以下とし、熱間圧延終了温度を再結晶温度以
上、例えば280〜450℃と設定し、熱間圧延の最終
パス時の歪速度を8000〜16000%/秒に設定す
る。この条件で熱間圧延した後、直ちにコイルに巻き上
げることにより、アルミニウム合金板は再結晶し、等軸
状の再結晶粒を得ることができる。熱間圧延開始温度を
400℃以上とするのは、熱間圧延終了温度を再結晶温
度以上とするためである。熱間圧延終了温度を再結晶温
度以上(本発明に係るアルミニウム合金の場合、ほぼ2
80℃以上)とするのは、熱間圧延終了後に等軸状の再
結晶粒を得るためである。熱間圧延終了後のミクロ組織
が等軸状の再結晶粒でなければ(例えば熱間圧延ファイ
バー組織や再結晶ファイバー組織、再結晶伸張粒)、そ
のミクロ組織の影響が溶体化処理後も残り、製品板にリ
ジングマークが発生しやすくなる。一方、熱間圧延終了
温度の上限は450℃以下とし、圧延終了後に生じた再
結晶粒の粗大化を防ぐのが望ましい。この段階で再結晶
粒が粗大化すると、冷間圧延及び溶体化処理によっても
なかなか微細化せず、成形加工時に板表面に生じるオレ
ンジピールの原因となる。熱延終了後の再結晶粒の粗大
化防止は、特に冷間圧延を省略して、あるいは冷間圧延
率を低くして製品板を厚くする場合は必須となる。
【0011】また、熱間圧延の最終パス時の歪速度の下
限を8000%/secとするのは、アルミニウム合金
板に強加工を与えて熱間圧延終了後に等軸状の再結晶粒
を得るためであり、上限を16000%/secとする
のは、粗大な再結晶粒の生成を防止するためである。仕
上げ熱間圧延を複数段の連続式で行う場合、各パスの歪
速度を50〜16000%/secとし、仕上げ熱間圧
延の間、再結晶が繰り返し起こるようにすれば、再結晶
粒が微細化し、かつ製品板のリジングマーク防止に一層
効果的である。さらに、仕上げ熱間圧延で再結晶を起こ
させるためには、各パスの圧延率を30%以上とするこ
とが望ましい。
【0012】中間焼鈍 熱間圧延の開始部に当たるコイルの先端部位近傍と熱間
圧延の終了部に当たるコイルの後端部位近傍のミクロ組
織は、熱間圧延が安定して行われる定状部位(コイル長
手方向の中央部位)のミクロ組織とは異なる場合が多
い。熱間圧延終了後、さらにコイルのどの部位でも同じ
ようなミクロ組織(等軸状再結晶粒)を実現し、製品板
のリジングマークのが発生を防止するには、必要に応じ
て中間焼鈍を行うとよい。好ましい中間焼鈍条件は、加
熱速度:10℃/hr以上、保持条件:350〜580
℃で5秒以上、冷却速度:保持温度から30℃までを1
0℃/hr以上である。
【0013】冷間圧延 溶体化処理後のアルミニウム合金板の等軸状再結晶粒の
粒径を45μm以下に微細化するため、好ましくは冷間
圧延率は50%以上とする。これにより、成形時のオレ
ンジピールの発生が防止される。なお、上記の中間焼鈍
を行った場合は、固溶度が高く冷間圧延での加工硬化度
が高くなり、溶体化処理での再結晶粒は微細化されやす
い。従って、冷延率は30%以上で十分である。
【0014】溶体化処理及び焼入れ 好ましい溶体化処理条件は、500℃までの加熱速度が
10℃/分以上(より好ましくは30℃/分以上)であ
る。また、十分に溶体化処理するため500〜580℃
で数秒〜20分保持することが望ましい。好ましい焼入
れ条件(冷却速度)は、保持温度から30℃までを30
℃/分以上である。焼入れ条件をこのように設定するこ
とにより、冷却途中での粒界上への析出物を生成を抑制
し、成形時での粒界破断を防止し、成形加工性を高くす
ることができる。また、人工時効で高い強度を得るため
には、特開平5−112839号公報のごとく、焼入れ
後そのまま70〜140℃の温度で0.5〜48hr保
持することが望ましい。あるいは、特公平5−7460
号公報のごとく、焼入れ後72hr以内に40〜120
℃の温度で8〜36hrの低温で熱処理を加えることが
望ましい。
【0015】成分組成の面でいえば、本発明の方法は、
Si:0.2〜1.8%、Mg:0.2〜1.6%を含
有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合
金のほか、必要に応じて、さらにZn:0.005〜
1.0%、Cu:1.0%以下、Ti:0.001〜
0.1%のいずれか1種又は2種以上、B:1〜30
0ppm、Be:0.1〜100ppmの1種又は2
種、Mn:1.0%以下、Cr:0.3%以下、Z
r:0.15%以下、V:0.15%以下のうちから1
種又は2種以上を合計で0.01〜1.5%、以上〜
のいずれか又はこれらを組み合わせて含有するアルミ
ニウム合金など、Si:0.2〜1.8%、Mg:0.
2〜1.6%を含有するAl−Mg−Si系アルミニウ
ム合金全てに適用し得る。Al−Mg−Si系合金の組
成を上記のように規定した理由は下記のとおりである。
【0016】Mg:MgはSiとともに強度を付与する
元素であるが、0.2%未満では人工時効で十分な強度
が得られず、一方、1.6%を越えると成形性が低下す
る。従って、Mg含有量は0.2〜1.6%の範囲とす
る。 Si:SiはMgとともに強度を付与する元素である
が、0.2%未満では人工時効で十分な強度が得られ
ず、一方、1.8%を越えると伸びが低くなり、成形性
が低下する。従って、Si含有量は0.2〜1.8%の
範囲とする。なお、人工時効で高い強度を得るには、M
gとSiとの含有量の割合を、Si/Mg≧0.65と
することが望ましい。
【0017】Zn:Znは人工時効時においてMgZn
を微細かつ高密度に析出させ高い強度を実現させる。
ただし、0.005%未満では十分な強度が得られず、
一方1.0%を越えると耐食性が顕著に低下するため、
含有量は0.005〜1.0%の範囲とする。 Cu:Cuは人工時効時にMgSiを微細にかつ高密
度に析出させ、高い強度を実現させる。しかし、1.0
%を越えると耐食性及び溶接性が顕著に低下するため、
含有量は1.0%以下とする。 Ti:Tiは鋳塊の結晶粒を微細化し、成形性を向上さ
せるために添加する元素であるが、0.001%未満で
は効果がなく、一方、0.1%を越えて添加されると粗
大な晶出物を形成し、成形性を低下させる。このため、
Ti含有量は0.001〜0.1%の範囲とする。
【0018】B:BはTiと同様に鋳塊の結晶粒を微細
化し、成形性を向上させるために添加する合金である
が、1ppm未満の添加では効果がなく、300ppm
を越えて含有されると粗大な晶出物を形成し、成形性を
低下させる。このため、B含有量は1〜300ppmの
範囲とする。 Be:Beは空気中におけるアルミニウム溶湯の再酸化
を防止するため、必要があれば0.1ppm以上含有さ
せる。しかし、100ppmを越えると材料硬度が増大
し成形性が低下するため、Be含有量は0.1〜100
ppmの範囲とする。
【0019】Mn、Cr、Zr、V:これらの成分は均
質化熱処理時及びその後の熱間圧延時にAl20Cu
Mn、Al12MgCr、AlZr、AlMg
Zn等の分散粒子を生成する。これらの分散粒子は
再結晶後の粒界移動を妨げる効果があるため、微細な結
晶粒を得ることができる。しかし、過剰な添加は溶解鋳
造時に粗大な不溶性金属間化合物を生成しやすく、成形
加工時の破壊の起点となり、成形性を低下させる原因と
なる。また、Zrの過剰添加はミクロ組織を針長状にし
やすく、特定方向の破壊靭性及び疲労特性さらには成形
性を劣化させる。このため、Mn、Cr、Zr、Vそれ
ぞれの添加量は、1.0%、0.30%、0.15%、
0.15%以下、合計では1.5%以下とする。
【0020】Fe:不純物として含まれるFeは、Al
CuFe、Al12(Fe,Mn)Cu、(F
e,Mn)Al等の晶出物を生成する。これらの晶出
物は破壊靭性及び疲労特性に対して有害であり、Fe含
有量が0.5%を越えると顕著に破壊靭性、疲労特性及
び成形性が低下するため、Fe含有量は0.5%以下と
する。なお、晶出物としては、Fe系以外のAlCu
Mg、AlCu、MgSi等の可溶のものがあ
り、これらは溶体化処理及び焼入れで十分にAlマトリ
ックス中に再固溶させることが望ましい。その他の不純
物:Niは0.05%以下に制限する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)Mg0.5%、Si1.3%、Zn0.0
5%、Cu0.1%、Ti0.06%、B:5ppm、
Be:30ppm、Mn0.05%、Cr0.25%を
含み、残部Al及び不純物からなるアルミニウム合金を
溶解鋳造し、460mm厚の鋳塊とし、次に540℃×
4hrの均質化熱処理を行った後、表1に示す種々の条
件で熱間圧延し、1.5〜2.5mm厚の板として巻き
上げた。なお、仕上げ圧延の各パスの歪速度は全て10
0%/秒以上、各パスの圧延率は全て30%以上になる
ように設定した。ここで、板端から100mの位置で板
幅の中央部からサンプリングを行い、ミクロ結晶粒の形
態を観察した。続いて、中間焼鈍することなく冷間圧延
し、1.0mm厚の板とした。この板を500℃に加熱
し(平均加熱速度は約100℃/分)、続いて500〜
550℃に30秒間保持した後、水焼入れした(平均冷
却速度は約100℃/s)。この製品板を室温で3カ月
間放置した後、板端から100mの位置で板幅の中央部
からサンプリングを行い、ミクロ結晶粒径の測定と材料
特性を評価を行った。その結果を表1にあわせて示す。
【0022】
【表1】
【0023】なお、表1の各材料特性は次のようにして
測定した。熱延後のミクロ結晶粒の形態;サンプリング
した板材の表面を0.05〜0.1mmまで機械研磨
し、その表面、板厚1/4部位、板中心部位を光学顕微
鏡(偏光板使用)を用いて観察し、ラインインターセプ
ト法により3方向の粒径(dL、dLT、dST)を測定し
た。1測定ライン長は200μmとし、各方向毎に1視
野当り各5本で計5視野観察した。なお、表面部位のd
STは板厚方向に研磨後の表面から200μmまでの範囲
を測定した。各部位での平均粒径(dL、dLT、dST)
を求め、各部位のアスペクト比(dL/dLT、dL/dS
T)を算出した。表2ではこのアスペクト比がいずれも
1〜3のとき等軸状、いずれかが3を越えるとき伸長状
と記載した。 製品板のミクロ結晶粒径;上記と同様の手法により各部
位での平均粒径(dL、dLT、dST)を求め、それらを
全て平均して当該板材のミクロ結晶粒径とした。 引張特性;JIS−Z2241に準拠し、常温大気中で
JIS5号試験片を用いて、LT方向(圧延方向に対し
て90゜方向)に引張速度5mm/分にて行った。
【0024】リジングマークの評価;製品板をw200
×l180mmサイズ(w200が圧延方向に平行)に
切断後、φ50.8mmの球頭ポンチを用いて、10m
m高さまで張り出した。他の成形条件はロックビード状
態、使用油は鋼板用潤滑油、ポンチ速度250mm/分
とした。成形試験後、板表面(ポンチ接触側とは反対側
の表面)の平面歪加工領域を目視観察し、リジングマー
クが発生した場合を×、リジングマークの判別困難な場
合を○と評価した。 オレンジピールの評価;引張試験において、20%引張
変形した後、板表面に梨地模様が顕著に観察される場合
を×、梨地模様が判別困難な場合を○と評価した。
【0025】表1より分かるように、熱間圧延条件が本
発明に規定する範囲内であり、熱延後のミクロ組織が等
軸状再結晶粒となっていたNo.1〜5は、製品板の成
形試験でリジングマークが発生せず、特にミクロ結晶粒
径が45μm以下のNo.1〜3はオレンジピールの発
生もない。一方、熱間圧延条件が本発明に規定する範囲
外で、熱延後のミクロ組織が伸長状のNo.6〜No.
9はリジングマークが発生し、成形加工後の表面性状の
程度は低いことが分かる。
【0026】(実施例2)実施例1と同じアルミニウム
合金を溶解鋳造し、460mm厚の鋳塊とし、次に54
0℃×4hrの均質化熱処理を行った後、表2に示す種
々の条件で熱間圧延し、2.5mm厚の板として巻き上
げた。なお、仕上げ圧延の各パスの歪速度は全て100
%/秒以上、各パスの圧延率は全て30%以上になるよ
うに設定した。ここで、板端から10mの位置で板幅の
中央部からサンプリングを行い、ミクロ結晶粒の形態を
観察した。続いて、表2に示す加熱速度で保持温度まで
昇温し、同じく表2に示す保持条件で中間焼鈍を行った
後、室温まで冷却し(保持温度から室温までの冷却速度
は加熱速度と同じとした)、続いて冷間圧延して1mm
厚の板とした。この板を550℃の溶体化温度に加熱し
て30秒間保持した後、水焼入れした(平均冷却速度は
約100℃/s)。この製品板を室温で3カ月間放置し
た後、板端から10mの位置で板幅の中央部からサンプ
リングを行い、ミクロ結晶粒径の観察と材料特性を評価
を行った。その結果を表2にあわせて示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より分かるように、中間焼鈍を行った
場合でも、熱間圧延条件が本発明に規定する範囲内であ
り、熱延後のミクロ組織が等軸状再結晶粒となっていた
No.10〜13は、製品板の成形試験でリジングマー
クが発生しない。また、ミクロ結晶粒径は45μm以下
であるためオレンジピールの発生もない。一方、熱間圧
延条件が本発明に規定する範囲外で、中間焼鈍条件が好
ましい条件を外れ、熱延後のミクロ組織が伸長状となる
No.14はリジングマークが発生し、成形加工後の表
面性状の程度は低いことが分かる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、成形後の表面性状に優
れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−9674(JP,A) 特開 昭56−105461(JP,A) 特開 昭63−109146(JP,A) 特表2003−518192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/04 - 1/057 C22C 21/00 - 21/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:0.2〜1.8%(mass%、
    以下同じ)、Mg:0.2〜1.6%を含有するAl−
    Mg−Si系アルミニウム合金鋳塊を均質化処理後熱間
    圧延するに際し、熱間圧延終了温度を再結晶温度以上と
    して、かつ熱間圧延の最終パス時の歪速度を8000〜
    16000%/secとし、熱間圧延後のミクロ組織を
    等軸状再結晶粒とすることを特徴とする、成形後の表面
    性状に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延後、中間焼鈍を省略して冷間圧
    延を行い、その後溶体化処理及び焼入れを行い、45μ
    m以下の等軸状再結晶粒径を有するアルミニウム合金板
    とすることを特徴とする、請求項1に記載された成形後
    の表面性状に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】 仕上げ熱間圧延の各パスの歪速度を50
    〜16000%/secとすることを特徴とする、請求
    項1又は2に記載された成形後の表面性状に優れたアル
    ミニウム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱間圧延開始温度を450℃以上、均質
    化熱処理温度以下とするとともに、熱間圧延終了温度を
    280〜450℃とすることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載された成形後の表面性状に優れたア
    ルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 仕上げ熱間圧延の各パスの圧延率を30
    %以上とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    かに記載された成形後の表面性状に優れたアルミニウム
    合金板の製造方法。
  6. 【請求項6】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金
    が、さらにZn:0.005〜1.0%、Cu:1.
    0%以下、Ti:0.001〜0.1%の1種又は2種
    以上、B:1〜300ppm、Be:0.1〜100
    ppmの1種又は2種、Mn:1.0%以下、Cr:
    0.3%以下、Zr:0.15%以下、V:0.15%
    以下のうちより1種又は2種以上を合計で0.01〜
    1.5%、以上〜のいずれか又はこれらを組み合わ
    せて含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれ
    かに記載された成形後の表面性状に優れたアルミニウム
    合金板の製造方法。
  7. 【請求項7】 自動車パネル用であることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載された成形後の表面性状
    に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
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