JPH08209277A - 焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金 - Google Patents
焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金Info
- Publication number
- JPH08209277A JPH08209277A JP3920795A JP3920795A JPH08209277A JP H08209277 A JPH08209277 A JP H08209277A JP 3920795 A JP3920795 A JP 3920795A JP 3920795 A JP3920795 A JP 3920795A JP H08209277 A JPH08209277 A JP H08209277A
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- Japan
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- aluminum alloy
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- Pending
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い焼付け硬化性を必要とする自動車部品等
に使用される焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金を
提供する。 【構成】 横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に下記式で
定義される換算濃度Ｘ（at％）を示す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有し、かつＭｇ
０．３〜１．２at％、Ｆｅ０．１at％以下、Ｍｎ０．２
at％以下、Ｃｕ０．３at％以下、Ｃｒ０．１at％以下、
Ｔｉ０．０５at％以下、残部Ａｌと不可避的不純物から
なるアルミニウム合金板。 Ｘ＝Ｍｇat％＋０．９７６×Ｃｕat％＋１．０５×Ｆｅ
at％＋１．０７×Ｍｎat％＋１．１１×Ｃｒat％＋１．
２１×Ｔｉat％………
に使用される焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金を
提供する。 【構成】 横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に下記式で
定義される換算濃度Ｘ（at％）を示す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有し、かつＭｇ
０．３〜１．２at％、Ｆｅ０．１at％以下、Ｍｎ０．２
at％以下、Ｃｕ０．３at％以下、Ｃｒ０．１at％以下、
Ｔｉ０．０５at％以下、残部Ａｌと不可避的不純物から
なるアルミニウム合金板。 Ｘ＝Ｍｇat％＋０．９７６×Ｃｕat％＋１．０５×Ｆｅ
at％＋１．０７×Ｍｎat％＋１．１１×Ｃｒat％＋１．
２１×Ｔｉat％………
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高い焼付け硬化性を必
要とする自動車部品に使用される焼付け硬化性に優れた
アルミニウム合金に関するものである。
要とする自動車部品に使用される焼付け硬化性に優れた
アルミニウム合金に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年自動車部品において、車体重量を軽
量化するためにアルミニウム合金板が採用されている。
この材料として有力な候補であるＡｌ−Ｍｇ−Ｓｉ系ア
ルミニウム合金板は、Ｔ4 処理後成形され、塗装した後
の焼付け（ベーキング）加熱時の時効硬化（ベークハー
ド）が可能なため、自動車車体のアウター材への使用が
検討されているが、その際問題になるのが焼付け処理前
の成形性、及び焼付け処理による硬化量である。なお上
記成形性とは例えば伸び、エリクセン値、深絞り性、張
出し性などであり、また焼付け硬化量とは焼付け処理前
後におけるは引張強さ、耐力、硬度などのそ増加分をい
う
量化するためにアルミニウム合金板が採用されている。
この材料として有力な候補であるＡｌ−Ｍｇ−Ｓｉ系ア
ルミニウム合金板は、Ｔ4 処理後成形され、塗装した後
の焼付け（ベーキング）加熱時の時効硬化（ベークハー
ド）が可能なため、自動車車体のアウター材への使用が
検討されているが、その際問題になるのが焼付け処理前
の成形性、及び焼付け処理による硬化量である。なお上
記成形性とは例えば伸び、エリクセン値、深絞り性、張
出し性などであり、また焼付け硬化量とは焼付け処理前
後におけるは引張強さ、耐力、硬度などのそ増加分をい
う
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし実際の使用にお
いては低温、短時間での塗装、焼付けによる時効処理に
より十分な焼付け硬化性（ベークハード性）は得られて
いない。これまで上記Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ系合金であるＪ
ＩＳ６０００系合金ではＪＩＳ６０６１（Ａｌ−０．６
wt％Ｓｉ−０．１wt％Ｍｇ−０．２８wt％Ｃｕ−０．２
wt％Ｃｒ）合金が用いられていたが、１８０℃、３０分
の時効処理では耐力の時効硬化量は４０ＭＰａ程度であ
った。
いては低温、短時間での塗装、焼付けによる時効処理に
より十分な焼付け硬化性（ベークハード性）は得られて
いない。これまで上記Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ系合金であるＪ
ＩＳ６０００系合金ではＪＩＳ６０６１（Ａｌ−０．６
wt％Ｓｉ−０．１wt％Ｍｇ−０．２８wt％Ｃｕ−０．２
wt％Ｃｒ）合金が用いられていたが、１８０℃、３０分
の時効処理では耐力の時効硬化量は４０ＭＰａ程度であ
った。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、ＪＩＳ６０００系合金に対する各種添加元
素の選択と成分範囲の限定により、低温で焼付け硬化性
に優れたアルミニウム合金を開発したものである。
検討の結果、ＪＩＳ６０００系合金に対する各種添加元
素の選択と成分範囲の限定により、低温で焼付け硬化性
に優れたアルミニウム合金を開発したものである。
【０００５】即ち本発明は、Ｓｉ，Ｍｇ，Ｆｅ，Ｍｎ，
Ｃｕ，Ｃｒ，Ｔｉを含み、残部Ａｌからなる合金におい
て、横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に下記式で定義さ
れる換算濃度Ｘ（at％）を示す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有し、Ｍｇ０．３
〜１．２at％、Ｆｅ０．１at％以下、Ｍｎ０．２at％以
下、Ｃｕ０．３at％以下、Ｃｒ０．１at％以下、Ｔｉ
０．０５at％以下、残部がＡｌと不可避的不純物からな
ることを特徴とするものである。 Ｘ＝Ｍｇat％＋０．９７６×Ｃｕat％＋１．０５×Ｆｅat％＋１．０７×Ｍｎat ％＋１．１１×Ｃｒat％＋１．２１wt％Ｔｉ………
Ｃｕ，Ｃｒ，Ｔｉを含み、残部Ａｌからなる合金におい
て、横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に下記式で定義さ
れる換算濃度Ｘ（at％）を示す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有し、Ｍｇ０．３
〜１．２at％、Ｆｅ０．１at％以下、Ｍｎ０．２at％以
下、Ｃｕ０．３at％以下、Ｃｒ０．１at％以下、Ｔｉ
０．０５at％以下、残部がＡｌと不可避的不純物からな
ることを特徴とするものである。 Ｘ＝Ｍｇat％＋０．９７６×Ｃｕat％＋１．０５×Ｆｅat％＋１．０７×Ｍｎat ％＋１．１１×Ｃｒat％＋１．２１wt％Ｔｉ………
【０００６】
【作用】本発明の焼付け硬化性に優れたアルミニウム合
金は、上記の如く、Ｓｉ，Ｍｇ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｃｕ，Ｃ
ｒ，Ｔｉを含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなり、
横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に上記式で定義される
換算濃度Ｘ（at％）を表す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有することによ
り、焼付け硬化処理前後の耐力増加分が５０ＭＰａ以上
の優れた硬化量を有し、及び焼付け処理前の伸びが２６
％以上の優れた特性を有するアルミニウム合金が得られ
る。
金は、上記の如く、Ｓｉ，Ｍｇ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｃｕ，Ｃ
ｒ，Ｔｉを含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなり、
横軸にＳｉ濃度（at％）、縦軸に上記式で定義される
換算濃度Ｘ（at％）を表す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有することによ
り、焼付け硬化処理前後の耐力増加分が５０ＭＰａ以上
の優れた硬化量を有し、及び焼付け処理前の伸びが２６
％以上の優れた特性を有するアルミニウム合金が得られ
る。
【０００７】しかしてＳｉ量が０．６at％未満では、塗
装、焼付け処理前の十分な強度が得られず、Ｓｉ量が
１．９at％を越えると粒界割れが生じやすく、成形性が
低下する。またＸが０．４８at％未満では、十分な焼付
け硬化性が得られず、１．２８at％を越えると焼付け硬
化性が低下し始めるので、いずれにしても十分な焼付け
硬化性が得られない。
装、焼付け処理前の十分な強度が得られず、Ｓｉ量が
１．９at％を越えると粒界割れが生じやすく、成形性が
低下する。またＸが０．４８at％未満では、十分な焼付
け硬化性が得られず、１．２８at％を越えると焼付け硬
化性が低下し始めるので、いずれにしても十分な焼付け
硬化性が得られない。
【０００８】またＭｇが１．２at％を越えると焼付け硬
化性が劣化し、０．３at％未満では十分な強度が得られ
ない。Ｃｕが０．３at％を越えると成形性が阻害される
とともに耐食性が劣化する。なおこの耐食性とは、耐糸
錆性、耐大気腐食性、耐応力腐食割れ性をいう。Ｔｉが
０．０５at％を越えても、Ｍｎが０．２at％を越えて
も、Ｃｒが０．１at％を越えても、またＦｅが０．１at
％を越えても大きな金属間化合物が晶出するので成形性
が劣化する。
化性が劣化し、０．３at％未満では十分な強度が得られ
ない。Ｃｕが０．３at％を越えると成形性が阻害される
とともに耐食性が劣化する。なおこの耐食性とは、耐糸
錆性、耐大気腐食性、耐応力腐食割れ性をいう。Ｔｉが
０．０５at％を越えても、Ｍｎが０．２at％を越えて
も、Ｃｒが０．１at％を越えても、またＦｅが０．１at
％を越えても大きな金属間化合物が晶出するので成形性
が劣化する。
【０００９】
【実施例】以下本発明を実施例について説明する。図１
に●印で示す本発明例１〜１０及び×印で示す比較例１
１〜３５（比較例２２，２６はＣｕの含有量が条件から
外れる）、即ち表１に示す組成の合金を通常の方法で鋳
造し、所定の均質化を行い、３５０〜４００℃での熱延
後冷間圧延により厚さ１mmの板材とした。その後５５０
℃で溶体化処理を行った。これについてＴ4 処理後に引
張試験を行い、続いて１８０℃×３０分の焼付け処理に
相当する加熱処理後に引張試験を行い、得られた耐力増
加量（硬化量）を表２に示す。またこの焼付け処理前の
伸びの測定結果も表２に示す。
に●印で示す本発明例１〜１０及び×印で示す比較例１
１〜３５（比較例２２，２６はＣｕの含有量が条件から
外れる）、即ち表１に示す組成の合金を通常の方法で鋳
造し、所定の均質化を行い、３５０〜４００℃での熱延
後冷間圧延により厚さ１mmの板材とした。その後５５０
℃で溶体化処理を行った。これについてＴ4 処理後に引
張試験を行い、続いて１８０℃×３０分の焼付け処理に
相当する加熱処理後に引張試験を行い、得られた耐力増
加量（硬化量）を表２に示す。またこの焼付け処理前の
伸びの測定結果も表２に示す。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】表２から判るように本発明例によるもの
は、焼付け硬化時の硬化量が高く、５５ＭＰａ以上と高
い値を示し、さらに焼付け処理前の伸びも２６％以上と
高い。これに対し比較例によるものは、焼付け硬化量が
低いか、焼付処理前の伸びが低く又は両特性共に低い。
は、焼付け硬化時の硬化量が高く、５５ＭＰａ以上と高
い値を示し、さらに焼付け処理前の伸びも２６％以上と
高い。これに対し比較例によるものは、焼付け硬化量が
低いか、焼付処理前の伸びが低く又は両特性共に低い。
【００１３】また溶体化処理温度を４５０℃と５００℃
で行い、また上記焼付け処理の温度と時間を変えた結
果、上記と同様の傾向を示した。さらに一部の試料につ
き板厚を０．７mm、２．０mmと変えて行ったが、その結
果は全く変わらなかった。
で行い、また上記焼付け処理の温度と時間を変えた結
果、上記と同様の傾向を示した。さらに一部の試料につ
き板厚を０．７mm、２．０mmと変えて行ったが、その結
果は全く変わらなかった。
【００１４】
【発明の効果】このように本発明によれば、焼付け硬化
性に優れたアルミニウム合金板が得られ、高い焼付け硬
化性を必要とする自動車部品等に使用できる等顕著な効
果を奏する。
性に優れたアルミニウム合金板が得られ、高い焼付け硬
化性を必要とする自動車部品等に使用できる等顕著な効
果を奏する。
【図１】Ｓｉ濃度（at％）と、Ｃｕ，Ｍｇ，Ｆｅ，Ｍ
ｎ，Ｃｒ，Ｔｉの換算濃度Ｘ（at％）で表わされる本発
明合金の組成範囲を示す線図である。
ｎ，Ｃｒ，Ｔｉの換算濃度Ｘ（at％）で表わされる本発
明合金の組成範囲を示す線図である。
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｓｉ，Ｍｇ，Ｆｅ，Ｍｎ，Ｃｕ，Ｃｒ，
Ｔｉを含み、残部Ａｌからなる合金において、横軸にＳ
ｉ濃度（at％）、縦軸に下記式で定義される換算濃度
Ｘ（at％）を表す図１において、 第１点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ０．４８at％ 第２点 Ｓｉ０．６at％、Ｘ１．２８at％ 第３点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ１．２８at％ 第４点 Ｓｉ１．９at％、Ｘ０．４８at％ を結ぶ線で囲まれた四角形内の組成を有し、さらにＭｇ
０．３〜１．２at％、Ｆｅ０．１at％以下、Ｍｎ０．２
at％以下、Ｃｕ０．３at％以下、Ｃｒ０．１at％以下、
Ｔｉ０．０５at％以下、残部がＡｌ及び不可避的不純物
からなることを特徴とする焼付け硬化性に優れたアルミ
ニウム合金。 Ｘ＝Ｍｇat％＋０．９７６×Ｃｕat％＋１．０５×Ｆｅat％＋１．０７×Ｍｎat ％＋１．１１×Ｃｒat％＋１．２１×Ｔｉat％………
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3920795A JPH08209277A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3920795A JPH08209277A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209277A true JPH08209277A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12546697
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3920795A Pending JPH08209277A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209277A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6716390B2 (en) | 1999-12-17 | 2004-04-06 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Aluminum alloy extruded material for automotive structural members |
| JP2007070653A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-22 | Kobe Steel Ltd | 化成処理性に優れたアルミニウム合金材およびその洗浄方法 |
| JP2007302952A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Toyama Univ | Ａｌ−Ｍｇ−Ｇｅ系のアルミニウム基合金及びそれを用いたアルミニウム合金材 |
| JP2009007617A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 温間成形用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-02-03 JP JP3920795A patent/JPH08209277A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6716390B2 (en) | 1999-12-17 | 2004-04-06 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Aluminum alloy extruded material for automotive structural members |
| JP2007070653A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-22 | Kobe Steel Ltd | 化成処理性に優れたアルミニウム合金材およびその洗浄方法 |
| JP4681398B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-05-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 化成処理性に優れたアルミニウム合金材およびその洗浄方法 |
| JP2007302952A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Toyama Univ | Ａｌ−Ｍｇ−Ｇｅ系のアルミニウム基合金及びそれを用いたアルミニウム合金材 |
| JP2009007617A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Kobe Steel Ltd | 温間成形用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
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