JP5395900B2 - 車両 - Google Patents

車両 Download PDF

Info

Publication number
JP5395900B2
JP5395900B2 JP2011518548A JP2011518548A JP5395900B2 JP 5395900 B2 JP5395900 B2 JP 5395900B2 JP 2011518548 A JP2011518548 A JP 2011518548A JP 2011518548 A JP2011518548 A JP 2011518548A JP 5395900 B2 JP5395900 B2 JP 5395900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
pneumatic tire
tire
vehicle
dimple
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011518548A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010143644A1 (ja
Inventor
秀彦 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2011518548A priority Critical patent/JP5395900B2/ja
Publication of JPWO2010143644A1 publication Critical patent/JPWO2010143644A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5395900B2 publication Critical patent/JP5395900B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/18Tyre cooling arrangements, e.g. heat shields
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0008Compositions of the inner liner
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C13/00Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C13/00Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
    • B60C13/02Arrangement of grooves or ribs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C17/00Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C17/00Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
    • B60C17/0009Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C17/00Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
    • B60C17/0009Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts
    • B60C17/0036Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts comprising additional reinforcements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、車両に関し、詳しくは、走行中の空気入りタイヤの発熱を遅らせて耐久性を向上させることが可能な技術に関する。
タイヤは、走行によりゴム部に周期的な歪が生じ、そのエネルギーの一部が熱に変換されて発熱する。特に、空気圧が低下した状態で走行を続けると、各部の歪が大きくなり発熱も大きくなる。タイヤのゴム温度がある値を超えると、ゴムの破壊が始まる。従って、タイヤの耐久性を高めるために、走行中のタイヤの温度を低く抑えることが有効である。
また、近年では、利便性、安全性及び車室スペースの拡大等を目的として、ランフラットタイヤが普及している。ランフラットタイヤは、各サイドウォール部の内側に断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具えたサイド補強型のものが良く知られている(例えば、下記特許文献1参照)。このようなランフラットタイヤは、例えばパンク時でも、サイド補強ゴム層が空気圧に代わってタイヤ荷重を支え、ひいてはサイドウォール部のたわみが制限される。これは、タイヤの発熱を遅らせる。従って、ランフラットタイヤは、パンク状態でも例えば60〜80km/hの速度で50〜100km程度を継続して走行できる(以下、このような走行を「ランフラット走行」と呼ぶことがある。)。
しかしながら、ランフラットタイヤといえども、空気圧が低下したランフラット走行時には、サイド補強ゴム層が走行距離に比例して発熱し、限界走行距離を超えると該サイド補強ゴム層が熱劣化により破壊する。
特開2006−182318号公報
ランフラット走行や低空気圧走行を含めて、タイヤの発熱による破壊を遅らせるには、タイヤ各部の剛性を高め、ひずみを小さくすれば良い。しかしながら、このような方法で強化されたタイヤは、縦バネが過度に上昇し、乗り心地の悪化やタイヤ重量の増大を招く欠点があった。
そこで本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、乗り心地の悪化やタイヤ重量の増大を招くことなく、走行時のタイヤの発熱を抑制して耐久性を向上させうる車両を提供することを主たる目的としている。
本願の第1発明は、空気入りタイヤを装着した車両であって、前記空気入りタイヤは、少なくとも一方のサイドウォール部の外表面に、多数のディンプルが形成される一方、前記空気入りタイヤを外側から冷却する気体を吹き出す冷却装置を具え、前記空気入りタイヤは、各サイドウォール部に、断面略三日月状のサイド補強ゴム層が設けられたランフラットタイヤであり、前記サイド補強ゴム層は、平均径が1〜30μm、かつ、平均長さが0.1〜30mmの石炭ピッチ系炭素繊維を含有していることを特徴としている。
又本願の第2発明は、空気入りタイヤを装着した車両であって、前記空気入りタイヤは、サイドウォール部の外表面の少なくとも一部が0.40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する良熱伝導ゴムを用いて形成される一方、前記良熱伝導ゴムが設けられたサイドウォール部外側から冷却する気体を吹き出す冷却装置を具えており、前記良熱伝導ゴムは、平均径が1〜30μm、かつ、平均長さが0.1〜30mmの石炭ピッチ系炭素繊維を含有していることを特徴としている。
又前記第1、第2発明において、前記冷却装置は、空気入りタイヤの空気圧が予め定めた値以下になったときに前記気体を前記空気入りタイヤに向けて吹き出すのが好ましい。
又前記第1、第2発明において、前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気を空気入りタイヤに向けて吹き出す吹出口を有するダクトを具えるのが好ましい。
又前記第1、第2発明において、前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気をブレーキ装置に向けて吹き出す吹出口を有するダクトと、空気入りタイヤの空気圧が低下したときに前記ダクトを流れる空気の少なくも一部を前記空気入りタイヤに向けて吹き出させる切換具とを含むことが好ましい。
本願の第1発明では、空気入りタイヤのサイドウォール部の外表面に、多数のディンプルが形成される。該ディンプルにより、サイドウォール部の表面積が増加され、タイヤから大気への放熱が効果的に促進される。また、ディンプルは、タイヤの周囲に空気の乱流を発生させる。この乱流により、タイヤから大気への放熱がさらに促進される。しかも、本発明の車両には、このような放熱性に優れた空気入りタイヤを外側から冷却するための気体を吹き出す冷却装置が設けられる。
又本願の第2発明では、空気入りタイヤのサイドウォール部の外表面の少なくとも一部が、0.40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する良熱伝導ゴムを用いて形成される。従って、走行により生じた熱が良熱伝導ゴムを介してサイドウォール部の外表面にまで伝導しやすい。また本発明の車両には、良熱伝導ゴムが設けられたサイドウォール部を外側から冷却するための気体を吹き出す冷却装置が設けられる。これによって、タイヤ内部の熱が外部に効率良く放出される。
従って、第1発明、及び第2発明においては、ともに、タイヤの縦バネ定数などを過度に上昇させることなく、走行中のタイヤの発熱を効果的に抑制することができる。とりわけ、低空気圧走行時等においてタイヤの発熱を遅らせることができ、ひいては耐久性を向上させることができる。特に空気入りタイヤがランフラットタイヤである場合、ランフラット継続走行距離及び/又はランフラット走行速度を顕著に増大させることができる。
図1は、第1発明の車両の一実施形態を示す平面模式図である。 図2は、その前右車輪付近の要部拡大図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4は、第1発明の車両に用いられる空気入りタイヤの断面図である。 図5は、そのサイドウォール部の一部を拡大して示す部分側面図である。 図6は、サイドウォール部のディンプルを示す部分斜視図である。 図7は、図5のA−A断面図である。 図8は、ディンプルを通過する空気の流れを説明する空気入りタイヤの側面図である。 図9(a)、(b)は、ディンプルの他の実施形態を示す断面図である。 図10は、第1発明の車両の他の実施形態を示す平面模式図である。 図11は、その前右車輪付近の要部拡大図である。 図12は、走行距離指数とタイヤ内部温度との関係を示すグラフである。 図13は、第2発明の車両の一実施形態を示す平面模式図である。 図14は、その前右車輪付近の要部拡大図である。 図15は、図14のA−A断面図である。 図16は、第2発明の車両に用いられる空気入りタイヤの断面図である。 図17は、第2発明の車両に用いられる空気入りタイヤの他の実施形態を示す断面図である。
1A、1B 車両
1a 車体
2、2FR、2FL、2RR、2RL 車輪
3A、3B 空気入りタイヤ
3b サイドウォール部
7 空気圧監視装置
8 冷却装置
9 ダクト
9i 空気導入口
9o 吹出口
10 切換具
11 アクチュエータ
13 ディンプル
14 制御装置
15 切替弁
SG サイドウォールゴム
G 気体
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、第1発明に係る車両1Aの一実施形態の平面模式図が示される。該車両1Aは、例えば四輪の自動車(乗用車)であって、車体1aには四つの車輪2、即ち、前右車輪2FR、前左車輪2FL、後右車輪2RR及び後左車輪2RLが装着される。
また、図2には前右車輪2FRの側面図を、図3にはその上面図をそれぞれ代表して示す。各車輪2は、空気入りタイヤ3Aと、該空気入りタイヤ3Aが組み付けられるホイールリム4とを含んで構成される。
前記空気入りタイヤ3Aは、図4に拡大して示されるように、路面と接地するトレッド部3aと、その両端部からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3bと、各サイドウォール部3bに連なりかつホイールリム4に載置されるビード部3cと、各ビード部3cに埋設された非伸張性のビードコア3dで両端が折り返された有機繊維コードからなるカーカスプライからなるカーカス3eと、該カーカス3eの外側かつトレッド部3aの内方に配された金属コードからなるベルト層3fとが設けられる。
本実施形態の空気入りタイヤ3Aは、前記カーカス3eの内側かつ各サイドウォール部3bに断面略三日月状のサイド補強ゴム層3gが配されたランフラットタイヤである。前記サイド補強ゴム層3gには、通常走行時の乗り心地の著しい悪化を防止しつつ、サイドウォール部3bの曲げ剛性を高めてランフラット走行時のタイヤの縦撓みを抑制するために、比較的硬質のゴム組成物が好適に用いられる。このサイド補強ゴム層3gのJISデュロメータA硬さは、好ましくは60゜以上、より好ましくは65゜以上であり、又その上限は好ましくは95゜以下、より好ましくは90゜以下である。なお、タイヤの内腔面3iには、空気非透過性に優れたインナーライナが配されている。
以上のようなランフラットタイヤは、パンク時でも直ちに走行不能に陥ることなく、例えば80km/hの高速度で最寄りのガソリンスタンド等の安全な駐停車場所までの距離(例えば50〜100km程度)を走行することができる。ただし、本発明の車両1Aは、ランフラットタイヤを必須の構成要件とするものではない。
また、空気入りタイヤ3Aの少なくとも一方、本実施形態では両方のサイドウォール部3bの外表面に、多数のディンプル13が形成される。
前記サイドウォール部3bの外表面は、便宜上、ホイールリム4に装着されたタイヤ3を軸方向から見たときに視認される領域とする。
また、「ディンプル」は、「溝」とは明確に区別される。溝は、平面視において、幅に対する長さが大きいため、内部で空気の滞留が生じやすい。一方、ディンプルは、平面視において、短径に対する長径の比が小さく、溝のような空気の滞留が生じ難いという利点がある。空気の滞留は、タイヤの放熱性を低下させるからである。なお、「長径」とは、ディンプルが無限遠から見られたときの輪郭内に画かれうる最長線分の長さであり、「短径」とは、この最長線分と直交する方向における線分の長さである。
特に限定されるものではないが、ディンプル13には、短径に対する長径の比が3.0以下のものが好適であり、とりわけ2.0以下、さらに好ましくは1.5以下が特に好ましい。なお、平面視において円形のディンプルでは、この比は1.0になる。
図5には、図4のタイヤ3のサイドウォール部3bを平面に展開した拡大側面図、図6にはその部分斜視図、図7には、図5のA−A断面図(ディンプルの中心を通る断面)が示される。本実施形態のディンプル13は、円形の表面形状を有する。ディンプル13の表面形状とは、該ディンプルが無限遠から見られたときの輪郭形状を意味する。
図6及び図7から明らかなように、ディンプル13はタイヤ内部側へと凹まされている。これにより、サイドウォール部3bの表面積は、ディンプル13がないと仮定されたときのそれよりも大きくなる。これは、タイヤ3との空気との接触面積を大きくし、放熱を促進させる。
本実施形態のディンプル13は、図7に示されるように、リング状のスロープ面13aと、該スロープ面13aの内方端に連なるほぼ平坦な面からなる円形の底面13bとを具える。
図8には、タイヤ3の側面図が示され、二点鎖線で該タイヤ3の周囲の空気の流れが示されている。タイヤ3の回転による車両の進行により、ディンプル13を横切って空気が流れる。この空気の一部は、スロープ面13aに沿ってディンプル13内に流入する。空気がディンプル13に流入するとき、その流れに渦が生じる。換言すれば、ディンプル13の入口において乱流が生じる。この乱流は、サイドウォール部3bの熱の大気への放出を効果的に促進する。従って、熱によるタイヤのゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離等の損傷が長期に亘って抑制される。
また、渦を形成した空気は、ディンプル13の内部において、スロープ面13a及び底面13bに沿って流れる。この空気は、円滑にディンプル13から流出する。従って、サイドウォール部3bにディンプル13を形成したタイヤ3では、サイドウォール部に凸部を設けたような従来タイヤに比べて、空気の滞留が生じ難く放熱効果において優位性がある。
ディンプル13の寸法等は、特に限定されるものではないが、例えば、ディンプル13の直径Dは、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上、さらに好ましくは6mm以上、最も好ましくは8mm以上が望ましい。このようなディンプル13には、十分に空気が流入して前記乱流を発生させ得る。他方、ディンプル13の直径Dは、過度に大きくなると配設個数が限られてしまうので、その上限は、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは40mm以下、特に好ましくは30mm以下、最も好ましくは18mm以下が望ましい。なお、非円形ディンプルの直径については、この非円形ディンプルの面積と同一の面積を有する円形ディンプルのそれとして求められる。また、ディンプル13には、直径が異なる2種以上のディンプルが含まれても良い。この場合、ディンプルの平均直径も、前記数値範囲内にあるのが望ましい。
また、ディンプル13の深さeは、ディンプル13のスロープ面13aの上縁間を継ぐ直線13cと最深部との最短距離であり、例えば0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上、最も好ましくは1.0mm以上が望ましい。これにより、表面積を大きくし、放熱性を高めるディンプル13を提供できる。なお、サイドウォール部3bのゴム厚さなどに鑑みれば、ディンプル13の深さeは、好ましくは4mm以下、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下が特に好ましい。なお、ディンプル13には、深さが異なる2種類以上が含まれても良い。
また、ディンプル13の深さeと直径Dとの比(e/D)は、好ましくは0.01以上0.5以下が好ましい。このようなディンプル13は、十分な乱流を生じさせる。かかる作用をさらに高めるために、前記比(e/D)は。好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上が望ましく、またその上限は好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下が特に好ましい。
図7に示されるように、ディンプル13の断面形状は略台形である。換言すれば、ディンプル13の形状は円錐台形である。このディンプル13では、深さeの割には容積が大きい。従って、十分な容積と小さな深さeとが両立される。小さな深さeが設定されることにより、サイドウォールゴム等、サイドウォール部3bの外表面を覆っているゴムに十分な厚さを確保できる。
図7において符号αで示されているのは、スロープ面13aの角度である。この角度αは、10°以上70°以下が好ましい。角度αがこの範囲にあるディンプル13では、十分な容積と小さな深さeとが両立され、空気の滞留を防いで円滑な流れが確保される。このような観点より、前記角度αは、より好ましくは20°以上、さらに好ましくは25°以上が望ましく、またその上限は、好ましくは60°以下、さらに好ましくは55°以下が特に好ましい。
図7において符号dで示されているのは、底面13bの直径である。底面13bの直径dと、ディンプル13の直径Dとの比(d/D)は0.40以上0.95以下が好ましい。このような比(d/D)を有するディンプル13では、十分な容積と小さな深さeとが両立されうる。このような観点より、前記比(d/D)は、とりわけ0.55以上、より好ましくは0.65以上が望ましく、またその上限は好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.80以下が望ましい。
ディンプル13の容積は、1.0mm以上400mm以下が好ましい。このようなディンプル13は、十分な乱流を生じさせ得る。かかる作用をさらに高めるために、前記容積は、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上が望ましく、またその上限は好ましくは300mm以下、より好ましくは250mm以下が望ましい。
全てのディンプル13の容積の合計値は、300mm以上5000000mm以下が好ましい。前記合計値が300mm以上のタイヤ3は、十分な放熱性を発揮しうる。かかる作用をさらに高めるために、前記合計値は。好ましくは600mm以上、より好ましくは800mm以上が望ましく、またその上限は好ましくは1000000mm以下、より好ましくは500000mm以下が望ましい。
前記各ディンプル13の面積は、3mm以上4000mm以下が好ましい。このようなディンプル13は、十分な乱流を生じさせ得る。かかる作用をさらに高めるために、前記面積は、より好ましくは12mm以上、特に好ましくは20mm以上が望ましく、またその上限は好ましくは2000mm以下、より好ましくは1300mm以下が望ましい。なお、本明細書において、各ディンプル13の面積は、ディンプル13の輪郭で囲まれた領域の面積を意味し、本実施形態のように、円形のディンプル13の場合、下式によって算出される。
S(面積)= (D /2)×π
また、ディンプル13の占有率は、10%以上85%以下が好ましい。本明細書において、ディンプル13の占有率Yは、下式によって算出される。
Y(%)=(S1/S2)×100
上記式において、”S1”は基準領域に含まれるディンプル13の面積、”S2”はディンプル13がないと仮定されたときの基準領域の表面積である。また、基準領域は、サイドウォール部3bの外表面の主要な領域として、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さHの20%以上かつ80%以下の領域とする。このように、サイドウォール部3bの外表面におけるディンプル13の占有率Yを10%以上とすることにより、十分な放熱性を確保できる。かかる作用をさらに向上させるために、前記占有率Yは、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上が望ましく、またその上限は好ましくは80%以下、さらに好ましくは75%以下が望ましい。
図5に示されるように、隣接するディンプル13同士の最小の間隔Kは、0.05mm以上20mm以下が好ましい。前記間隔Kが小さくなると、サイドウォール部3bの外表面を構成するサイドウォールゴムの耐外傷性などが低下するおそれがあり、逆に、間隔Kが大きくなると、放熱効果が相対的に低下しやすい。このような観点より、前記間隔Kは、より好ましくは0.10mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上望ましく、またその上限は好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下が望ましい。
ディンプル13の総数は、50個以上5000個以下が好ましい。これにより、十分な放熱性とサイドウォールゴムの耐外傷性とが確保される。とりわけ、前記総数は、より好ましくは100個以上、さらに好ましくは150個以上が望ましく、またその上限は好ましくは2000個以下、さらに好ましくは1000個以下が望ましい。なお、このディンプル総数は、片側のサイドウォール部での数とする。
また、ディンプル13は、円形のものに代えて、又は円形のものと共に、非円形のディンプルを含むことができる。典型的な非円形のディンプルの平面形状として、多角形、楕円、長円及び/又は涙形(ティアドロップタイプ)を挙げることができる。ただし、タイヤ3は回転するので、そのサイドウォール部3bに設けられたディンプル13に対する空気の流れ方向は一定ではない。従って、このタイヤ3には、方向性を有さないディンプル13、すなわち本実施形態のような平面形状が円であるディンプル13が最も好ましい。
図5に良く表されているように、本実施形態のタイヤ3では、多数のディンプル13がタイヤ周方向及びタイヤ半径方向に多段多列かつ千鳥状に配置されている。この配置は、タイヤ周方向に連続している。従って、1個のディンプル13の周囲にはこれを囲むように6個のディンプル13が隣接している。このようなディンプル配置は、乱流の発生箇所が均一に分布し、サイドウォール部3bの外表面で均一に熱が放出され、優れたタイヤ冷却効果を発揮させる。ただし、多数のディンプル13がランダムに配置されても良い。
図9には、他の実施形態のディンプル13の断面図が示される。図9(a)のものは円形のディンプルであり、その断面形状が半径Rの球の一部を構成するように、円弧状に形成されている。ディンプル13内を通過する空気の流れを円滑とするために、前記半径Rは、好ましくは3mm以上200mm以下であるのが望ましい。
また、図9(b)のものも、円形のディンプル13であり、その断面形状は、曲率半径R1の第一曲面13Aと、その両側に連設された曲率半径R2の第二曲面13Bとから構成されている。第一曲面13Aと第二曲面13Bとは滑らかに接続されており、いわゆるダブルラジアスタイプのディンプルである。特に限定されるものではないが、ディンプル13内を通過する空気の流れを円滑とするために、曲率半径R1と曲率半径R2との比(R1/R2)は、好ましくは0.1以上0.8以下が望ましい。比(R1/R2)が0.1以上であるディンプル13では、空気が円滑に流れる。このような観点より、前記比(R1/R2)は、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上が望ましく、またその上限は好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下が望ましい。
前記ホイールリム4は、図3に示されるように、略円筒状をなし前記空気入りタイヤ3Aが装着されるリム部4aと、該リム部4aに一体に固着又は成形されたディスク部4bとを有する。ディスク部4bは、ブレーキロータ5aとブレーキパッドを有するキャリパ5bとを含むブレーキ装置5を介してハブ(図示せず)に固着される。また、ハブは、軸受等を介してナックル6に取り付けられる。また、ナックル6は、サスペンション装置Sを介して車体1aに上下動かつ旋回可能に設けられている。
また、図1に示されるように、車両1Aには、各車輪2の空気圧を監視する空気圧監視装置7が設けられる。空気圧監視装置7としては、例えば直接式又は間接式が知られている。
直接式の空気圧監視装置7には、各車輪2にタイヤの空気圧を検出する圧力センサーが組み入れられる。該圧力センサーは、例えば空気バルブと一体に構成される場合がある。圧力センサーによって検出された空気圧に対応する電気信号は、無線又はスリップリングなどを介した信号線にて車体側の制御装置14(後述)へと送られる。
また、間接式の空気圧監視装置7には、各車輪2の回転速度を検出するセンサーが用いられる。該センサーの出力信号は、マイクロコンピュータ等の制御装置14に入力される。そして、この信号を用いて所定の演算を行うことにより、空気圧が低下した車輪2が特定される。即ち、間接式の空気圧監視装置7では、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下すると、その動的回転半径が小さくなる(つまり、正常な空気圧を有する他の車輪に比して回転速度が増加する)ことを利用し、4輪の回転速度比等から空気圧が減少した車輪2を特定するものである(例えば特許第4028848号公報などを参照)。
なお、間接式の空気圧監視装置は、構造が簡単である反面、検出精度の問題や四輪全ての空気圧が低下したときには検知できない等の問題がある。他方、直接式の空気圧監視装置では、間接式のようなデメリットがない反面、装置コストが増加するおそれがあるので、使用する車両に応じ、これらを適宜使い分けるのが望ましい。
車両1Aには、空気入りタイヤ3Aを外側から冷却する気体Gを吹き出す冷却装置8が設けられる。また、本実施形態では、この冷却装置8は、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下したときに運転されるように構成される。従って、本実施形態の車両1Aでは、空気圧が低下した状態で走行する発熱しやすいタイヤ3に、外部から気体Gを吹き付けてその熱を奪い冷却できる。しかも、タイヤ3のサイドウォール部3bの外表面には、ディンプル13が形成されているので、冷却装置8との相乗作用により、タイヤ3の耐久性が臨界的に向上する。
従って、本実施形態の車両においては、タイヤ3の縦バネ定数などを過度に上昇させることなく(つまり、乗り心地の著しい悪化を招くことなく)、低空気圧走行する空気入りタイヤ3Aの発熱を抑え、耐久性を有意に向上させ得る。また、本実施形態のように、空気入りタイヤ3Aがランフラットタイヤである場合、そのランフラット継続走行距離及び/又はランフラット走行速度を顕著に増大させることができる。
より具体的に述べると、本実施形態の冷却装置8は、図1に示されるように、一端側に空気を取り込む空気導入口9iを有し、かつ、他端側に前記空気を吹き出す吹出口9oを有するダクト9と、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下したときにダクト9を流れる空気の少なくも一部を前記空気入りタイヤ3Aに向けて吹き出させる切換具10と、この切換具10等を制御する制御装置14とを含んで構成される。
図1に示されるように、ダクト9の空気導入口9iは、例えば車両1Aのフロントグリル部やボンネットバルジ(ともに図示せず)等において、前方で開口するように設けられる。これにより、ファン等を駆動させることなく、車両の走行によって自然に空気導入口9iに空気を取り込むことができる。但し、ファンなどを負荷することは差し支えない。また、ダクト9への異物の進入を防止するために、空気導入口9iには、エアフィルタf等が装着されるのが望ましい。
本実施形態のダクト9は、例えば空気導入口9iの下流側で4本に分岐し、かつ、それぞれの分岐管9aないし9dは4つの各車輪2の近傍までのびている。また、各分岐管9aないし9dの最下流側には、ダクト9で導いた空気を吹き出す吹出口9oが設けられる。この実施形態においては、図3に示されるように、各分岐管9aないし9dの吹出口近傍部分は、屈曲変形自在な可撓部22として構成されている。
本実施形態の切換具10は、図2ないし3に示されるように、直線移動式のアクチュエータ11からなる。アクチュエータ11は、流体圧を利用するもの又は電動機の回転運動を直線運動に変換して利用するもの等、種々のタイプのものが採用できる。
アクチュエータ11は、ホイールハウスカバー19及びサスペンション装置Sに干渉しないよう、例えば前記車体1aのシャシー等に固着された筒状の本体11aと、該本体11aから出没自在なロッド部11bとを含む。この実施形態において、アクチュエータ11は、ロッド部11bが車体1aの長さ方向に移動するよう取り付けられる。ただし、具体的な取り付け態様は、種々変形することができるのは言うまでもない。また、ロッド部11bの先端は、ダクト9の吹出口9o近傍に連結具12を介して固着される。
また、アクチュエータ11は、初期状態として、そのロッド部11bを縮めた位置にある。このとき、ダクト9の吹出口9oは、ブレーキ装置に向けられた位置Aに配置される。より具体的には、吹出口9oの中心軸線CLがブレーキ装置5のブレーキロータ5aのロータ面と交差(本実施形態ではほぼ直交)するように配置される。
他方、図3に仮想線で示されるように、アクチュエータ11は、ロッド部11bを伸ばすことにより、ダクト9の吹出口9oを移動させ、空気入りタイヤ3Aに向けられた位置Bに配置することができる。より具体的には、吹出口9oの中心軸線CLが空気入りタイヤ3Aの内側のサイドウォール部3bと交差するように配置される。つまり、冷却装置8の吹出口9oからサイドウォール部3bのディンプル13に向けて空気が吹き出しされる。
低空気圧走行時やランフラット走行時には、一般的なホイールアライメント等の影響により、タイヤ3のタイヤ赤道Cよりも車両内側部分の発熱が特に大きくなる傾向がある。従って、吹出口9oは、本実施形態のように、空気入りタイヤ3Aのタイヤ赤道Cよりも車両内側部分かつ前記ディンプル13に向けて空気を吹きつけるのが望ましい。
ただし、吹出口9oを空気入りタイヤ3Aの上部に設け、トレッド部3aに空気を吹き付けることもできる。また、各分岐管に複数個の吹出口9oを設け、例えばトレッド部3aとサイドウォール部3bとに同時に空気を吹き付けるようにして空気入りタイヤ3Aをより効率的に冷却しても良い。
前記制御装置14には、図1に示されるように、各車輪2に設けられた空気圧監視装置7の検知信号が入力される。そして、制御装置14は、入力された検知信号に基づいて、空気圧が予め定めた値以下になった空気入りタイヤ3Aを、低空気圧又はパンクしたタイヤとして判断しかつ特定するとともに、そのタイヤ用の切換具10を制御し、ダクト9の空気の少なくとも一部を当該空気入りタイヤ3Aに向けて吹き出させることができる。
以上のように構成された本実施形態の冷却装置8の作用について述べる。
先ず、車両1Aの各車輪2が適正な空気圧P2で通常走行している場合、タイヤ3の発熱は耐久性に影響を与えない程度と考えられる。従って、この状態では、制御装置14は、切換具10を特に切り換えない。従って、ダクト9の空気導入口9iから取り込まれた空気は、各分岐管9aないし9dを経てそれぞれの車輪2のブレーキ装置5に吹き付けられる。これにより、ブレーキ装置5が冷却され、その制動効果が高められる。
次に、走行中の釘踏み等により、例えば前右車輪2FRの空気入りタイヤ3Aの空気圧がP1まで低下した場合、制御装置14は、空気圧監視装置7からの検知信号に基づいて、前右車輪2FRの空気入りタイヤ3Aの空気圧が、予め定められた空気圧以下になったと判断し、その切換具10に駆動信号を出力してロッド部11bを伸張させる。これにより、図3に仮想線で示されるように、分岐管9aの吹出口9oが空気入りタイヤ3Aのサイドウォール部3bに向けられた位置Bへ切り換えられる。従って、車両1Aの走行中には、分岐管9aを流れる全ての空気を低空気圧の空気入りタイヤ3Aのディンプル13が設けられたサイドウォール部3bに吹き付けてこれを冷却することができる。
従って、本実施形態の冷却装置8は、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下していない車両の通常走行時には、ダクト9を流れる空気を各車輪2に装備されたブレーキ装置5に向けて吹き付けることにより、その制動効果を高める。一方で、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下した場合には、ダクト9を流れる空気を当該空気入りタイヤ3Aに向けて吹き出して冷却し、その温度上昇を遅らせる。なお、正常な空気圧が満たされている空気入りタイヤ3Aを有する車輪については、これまで通り、ブレーキ装置5に空気が吹き付けられるので、ブレーキ装置5の過熱を継続して防止することができる。
冷却装置8が作動する前記空気圧P1は、タイヤがランフラットタイヤである場合、その発熱が最も深刻であるパンク状態に設定されることが望ましい。他方、タイヤが非ランフラットタイヤである場合、前記空気圧P1は、規格等で設定された正規内圧(例えば、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" 等)よりも低い空気圧(例えば正規内圧の50%程度)に設定することができる。
前記気体Gは、本実施形態では空気が用いられているが、空気入りタイヤ3Aを冷却しうるものであれば空気以外でも種々の気体を採用できる。例えば、車両1Aに、空気以外の気体を収容したガスボンベ等を搭載し、この気体Gを低空気圧の空気入りタイヤ3Aに吹き付けることもできる。
また、気体Gは、走行中の空気入りタイヤ3Aを冷却するために、タイヤの温度、特にトレッド部3aやサイドウォール部3bの温度よりも低温であることが必要である。このような実情に鑑み、気体Gは、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下の温度で空気入りタイヤ3Aに向けて吹き出されることが望ましい。なお、図1に示されるように、空気温度を低下させるために、ダクト9の途中にインタークーラ等の熱交換器20などを含ませることができる。
また、上記実施形態では、空気入りタイヤ3Aの空気圧がP1に低下したときに直ちに切換具10を切り換えて空気入りタイヤ3Aに空気を吹き付けているが、このような実施形態に限定されるものではない。例えば、空気入りタイヤ3Aの空気圧がP1に低下したときから所定の時間を遅延させた後に切換具10の駆動信号を出力することもできる。このような態様では、タイヤが十分に発熱した後に空気を空気入りタイヤ3Aに吐出するよう切り換えることで、ぎりぎりまでブレーキ装置5を冷却することができる。
図10及び図11には、第1発明の車両1Aの他の実施形態が示される。
この実施形態では、ダクト9の各分岐管9aないし9dの下流側に、切換具10としての切替弁15が接続されている。また、切替弁15には、吹出口9oがブレーキ装置に向けられた位置Aにある第1の分岐管16と、吹出口9oが空気入りタイヤ3Aのサイドウォール部3bに向けられた位置Bにある第2の分岐管17とが接続される。前記切替弁15は、例えば電磁弁であって、制御装置14によってダクト9を流れる空気を、第1の分岐管16又は第2の分岐管17に切り換えて吐出させることができる。
この実施形態の冷却装置8は、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下していない通常走行時には、制御装置14は、ダクト9の空気が第1の分岐管16に流れるように切替弁15を切り換える。これにより、ダクト9を流れる空気を各車輪2に装備されたブレーキ装置5に向けて吹き付けることができ、制動効果を高め得る。
一方、一つの空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下した場合、制御装置14は、空気圧が低下した車輪2の切替弁15に弁切換信号を出力、ダクト9の空気が、その第2の分岐管17に流れるように切り換える。これにより、ダクト9を流れる空気は、当該空気入りタイヤ3Aのディンプル13が設けられたサイドウォール部3bに向けて吹き出され、ひいては低空気走行時の空気入りタイヤ3Aを冷却することができる。
なお、切替弁15には、第1の分岐管16及び第2の分岐管17の双方に空気を送給しうるとともにそれらの吐出比率を変えることができる弁が採用されても良い。このような実施形態では、例えば、低空気走行時には、ダクト9の空気を、例えば空気入りタイヤ3Aに80%、ブレーキ装置に20%といった割合で吹き付け、状況に応じて空気入りタイヤ3A及びブレーキ装置5の双方の発熱を防止することもできる。
以上第1発明の車両1Aの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施できる。さらに他の変形例として、本発明には次のような態様が少なくとも含まれる。
[変形例1]
上記実施形態では、冷却装置8がブレーキ装置をも冷却するものを示した。しかしながら、冷却装置8は、ブレーキ装置に代えて、過給器のタービンやラジエータなどの車両搭載発熱機器に向けて空気の一部を吹き出すこともできる。
[変形例2]
上記実施形態では、全ての車輪2に、気体Gを吐出しうる吹出口9oを設けたが、例えばFF車の場合、駆動輪でかつ軸重が大きくしかも配管が容易な前輪にのみ冷却装置8を設けることもできる。
[変形例3]
上記実施形態では、制御装置14によって空気入りタイヤ3Aへの空気の吹出を自動的にコントロールする態様を示した。しかしながら、運転席に、冷却装置駆動用の操作スイッチ(図示省略)を設け、この信号を制御装置14に入力させても良い。このような実施形態では、運転席からの遠隔操作により、空気を任意のタイヤに強制的にかつ手動で吹き付けることができる。
[変形例4]
冷却装置8は、空気入りタイヤ3Aの空気圧が低下する前であっても、空気入りタイヤ3Aを外側から冷却する気体を吹き出すことができる。この場合でも、タイヤの発熱が抑えられるので、エネルギーロスが減り、転がり抵抗が小さくなる。よって、車両1Aの燃費を向上させることができる。
(実施例A)
第1発明の効果を確認するために、下記の車両を使用してランフラット走行テストが行われた。各車両とも、表に記載以外は実質的に同仕様である。車両のスペックは、次の通りである。
排気量:4300ccの国産後輪駆動車両
タイヤサイズ(全輪):245/40R18のランフラットタイヤ
ディンプルの仕様:表1の通り
前輪荷重:5.29kN
後輪荷重:5.39kN
前輪キャンバー角:1度(ネガティブ)
冷却装置具備
また、ランフラット走行テストでは、前右車輪を空気圧ゼロのパンク状態(他の3輪は230kPa)として、平均走行速度80km/hで乾燥アスファルト路面の高速走行テストコース(天候:晴れ、気温24℃)を連続走行させ、タイヤが破壊するまでのランフラット走行距離が調べられた。実施例の車両では、テスト走行中、冷却装置を常時作動させ、平均風速約50.4km/hでパンクさせたタイヤの車両内側のサイドウォール部に空気を吹き付けた。また、比較例1A(ディンプル無し、かつ、冷却装置の運転無し)、比較例2A(ディンプル無し、かつ、冷却装置の運転有り)及び比較例3A(ディンプル有りかつ冷却装置の運転無し)についても合わせて性能がテストされた。結果は、比較例2Aの走行距離を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。また、図12には、代表例として、比較例1A、2A及び実施例1Aの走行距離指数とタイヤ温度との関係を示す。前記温度は、温度センサーによってタイヤの空気バルブ近傍で測定されたタイヤ内部の雰囲気温度である。
Figure 0005395900
テストの結果、実施例の車両では、ランフラット走行中の温度上昇が長期に亘って抑えられていることがはっきりと確認できた。これにより、顕著な耐久性の向上が期待できる。
次に、第2発明の車両1Bを説明する。
図13は、第2発明に係る車両1Bの一実施形態の平面模式図である。該車両1Bは、本例では、前記車両1Aと同様、四輪の自動車(乗用車)であって、車体1aには四つの車輪2、即ち、前右車輪2FR、前左車輪2FL、後右車輪2RR及び後左車輪2RLが装着される。又各車輪2は、図14、15に示されるように、空気入りタイヤ3Bと、該空気入りタイヤ3Bが組み付けられるホイールリム4とを含んで構成される。
ここで前記第1発明の車両1Aと、第2発明の車両1Bとは、装着される空気入りタイヤにおいて相違している。具体的には、第1発明の車両1Aに装着される空気入りタイヤ3Aは、少なくとも一方のサイドウォール部3bの外表面に多数のディンプル13が形成されることを要件とするのに対して、第2発明の車両1Bに装着される空気入りタイヤ3Bは、サイドウォール部3bの外表面の少なくとも一部が0.40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する良熱伝導ゴムを用いて形成されることを要件としている。
前記空気入りタイヤ3Bは、図16に拡大して示されるように、前記空気入りタイヤ3Aと同様、トレッド部3aと、サイドウォール部3bと、ビード部3cと、カーカス3eと、ベルト層3fとを具える。
本例では、前記空気入りタイヤ3Bが、前記空気入りタイヤ3Aと同様、前記カーカス3eの内側かつ各サイドウォール部3bに断面略三日月状のサイド補強ゴム層3gが配されたランフラットタイヤとして形成された場合が示されている。しかし、第2発明の車両1Bも、ランフラットタイヤを必須の構成要件とするものではない。
前記空気入りタイヤ3Bは、トレッド部3aのベルト層3fの外側に配されたトレッドゴムTGと、サイドウォール部3bのカーカス3eの外側に配されてタイヤ半径方向内外にのびるサイドウォールゴムSGと、該サイドウォールゴムSGに連なりビード部3cに配されるビードゴムBGとを具える。
又、少なくとも一方のサイドウォール部3bの外表面の少なくとも一部が0.40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する良熱伝導ゴムを用いて形成される。本実施形態の空気入りタイヤ3Bは、タイヤ赤道Cの両側に配される一対のサイドウォールゴムSGのそれぞれが前記良熱伝導ゴムで形成されている。これにより、サイドウォール部3bの外表面が良熱伝導ゴムによって形成される。このような良熱伝導ゴムは、例えば、基材ゴムと、この基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含むゴム組成物を架橋することによって容易に得ることができる。
従って、空気入りタイヤ3Bでは、走行により生じたタイヤ内部の熱、例えば低内圧走行時又は完全なパンクでのランフラット走行時等に生じるサイド補強ゴム層3gの熱は、カーカス3eを介して隣接する良熱伝導ゴムからなるサイドウォールゴムSGを経て容易にサイドウォール部3bの外表面にまで伝導し、大気と接触することでタイヤ外部へと放出される。従って、空気入りタイヤ3Bの走行中の温度上昇が抑制され、タイヤの耐久性が向上する。
上記作用をより効率的に発現させるために、良熱伝導ゴムの熱伝導率は、より好ましくは0.45W/(m・K)以上、さらに好ましくは0.70W/(m・K)以上が特に望ましい。一方、熱伝導率を高めるために熱伝導性物質を多量に配合すると、耐摩耗性が悪化する他、ゴム硬度及び損失正接tanδが大きくなり、乗り心地や転がり抵抗を悪化させるおそれがある。このような観点より、良熱伝導ゴムの熱伝導率の上限は、好ましくは4.0W/(m・K)以下が好適である。
なお、本実施形態の空気入りタイヤ3Bでは、トレッドゴムTG及びビードゴムBGは、いずれも熱伝導率が0.40W/(m・K)未満の非良熱伝導ゴムから形成されている。従って、本実施形態の空気入りタイヤ3Bも、乗り心地の悪化や、路面と接地するトレッドゴムTGやホイールリム4と接触するビードゴムBGの耐摩耗性を損ねることがない。
一方、前記サイド補強ゴム層3gについては、その少なくとも一部、好ましくは全部が、前記良熱伝導ゴムを用いて形成されても良い。この場合、サイド補強ゴム層3gの熱がより効果的にサイドウォール部3bの外表面に伝導し、放熱効果がより一層向上する。
また、本明細書において、ゴム材の熱伝導率は、京都電子工業社の測定機「QTM−D3」にて以下の条件で測定される値とする。
測定温度:25℃
測定時間:60秒
試験片:板状で縦100mm、横50mm、厚さ10mmとし、表面は平滑とする。
良熱伝導ゴムの前記基材ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリクロロプレン(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン−イソプレン共重合体及びイソプレン−ブタジエン共重合体が例示される。これらは1種又は2種以上が併用されてもよい。耐クラック性及び加工性の観点から、基材ゴムには、ジエン系ゴムが好ましい。とりわけ、基材ゴムの全量に対するジエン系ゴムの量の比率は40質量%以上が好ましく、さらに好ましくは60質量%以上が望ましい。
前記熱伝導性物質としては、金属粉末、金属酸化物粉末(例えば真球状アルミナ)、金属繊維及び炭素繊維が例示される。熱伝導性物質の単体での熱伝導率は、好ましくは100W/(m・K)以上、より好ましくは120W/(m・K)以上が望ましい。
特に好ましい熱伝導性物質は、石炭ピッチ系炭素繊維である。石炭ピッチ系炭素繊維の原料は、分子が一方向に配向した液晶である。従って、この炭素繊維は、高い熱伝導率を有し、とりわけ繊維の軸方向における熱伝導率は500W/(m・K)以上のものが好適である。このような炭素繊維が基材ゴム中に分散することで、高い熱伝導性を有する良熱伝導ゴムが容易に得られる。
前記石炭ピッチ系炭素繊維は、ピッチ繊維に黒鉛化処理が施されることで得られる。ピッチ繊維の原料としては、コールタール、コールタールピッチ及び石炭液化物が例示される。石炭ピッチ系炭素繊維の製法の一例が、特開平7−331536号公報に開示されている。
また、前記石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子が層状に積み重なった構造を有するものが特に好適である。好ましい石炭ピッチ系炭素繊維の具体例としては、三菱樹脂社の商品名「K6371」を挙げることができる。
前記石炭ピッチ系炭素繊維の平均径は、特に限定されるものではないが、基材ゴム中での良好な分散性を得るために、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上が望ましく、またその上限は好ましくは80μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下が望ましい。
前記石炭ピッチ系炭素繊維の平均長さも、特に限定されるものではないが、基材ゴム中での良好な分散性を得るために、0.1mm以上、より好ましくは1mm以上、さらに好ましくは4mm以上が望ましく、またその上限は好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下、さらに好ましくは10mm以下が望ましい。
なお、前記平均径及び平均長さは、サイドウォールゴムSGの断面が電子顕微鏡で観察されることで測定されうる。
サイドウォールゴムSGの熱伝導性及び空気入りタイヤ3Bの乗り心地の観点より、石炭ピッチ系炭素繊維のアスペクト比(平均長さ/平均径)は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上が望ましい。他方、炭素繊維の分散性の観点より、前記アスペクト比の上限は好ましくは2000以下、より好ましくは1000以下が特に好ましい。
前記良好な熱伝導率を得るために、熱伝導性物質の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上が望ましい。他方、熱伝導性物質の配合量が過剰になると、サイドウォールゴムSGのゴム硬度及び損失正接tanδが大きくなる傾向があり好ましくない。このような観点より、熱伝導性物質の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下が望ましい。
良熱伝導ゴムのゴム組成物は、硫黄を含む。硫黄により、ゴム分子同士が架橋される。硫黄ととも又は硫黄に代えて、他の架橋剤が用いられてもよい。また、良熱伝導ゴムは電子線によって架橋がなされてもよい。
さらに、良熱伝導ゴムのゴム組成物は、硫黄と共に加硫促進剤を含んでも良い。加硫促進剤としては、例えばスルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が用いらる。特に好ましい加硫促進剤は、スルフェンアミド系加硫促進剤である。スルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。
また、前記ゴム組成物は、補強材を含んでも良い。典型的な補強材は、カーボンブラックであり、例えばFEF、GPF、HAF、ISAF及び/又はSAF等が用いられ得る。サイドウォールゴムSGの強度の観点から、カーボンブラックの配合量は、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上が望ましい。他方、ゴム組成物の混練性の観点より、前記カーボンブラックの配合量の上限は好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下が望ましい。
また、良熱伝導ゴムのゴム組成物には、カーボンブラックと共に又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。シリカには、乾式シリカ又は湿式シリカが用いられ得る。さらに、良熱伝導ゴムのゴム組成物には、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス又は架橋助剤等が必要に応じて添加される。
本例では、サイドウォール部3bの外表面が、従来タイヤと同様の平滑面(一部に、文字、図形、記号等の標章を含む微細な凹凸状の装飾部分を含んでいても良い。)で形成された場合が示されている。しかしながら、前記放熱効果をさらに高めてタイヤの温度上昇を抑えるために、図17に示すように、サイドウォール部3bの外表面に、前記車両1Aにおいて説明したディンプル13と同構成の多数のディンプル13を形成することができる。
次に、前記空気入りタイヤ3Bをリム組みするホイールリム4としては、前記車両1Aにおいて説明したホイールリム4と同構成のものが好適に採用できる。このホイールリム4も、前記車両1Aの場合と同様、ブレーキロータ5aとキャリパ5bとを含むブレーキ装置5を介してハブ(図示せず)に固着される。また、ハブは、軸受等を介してナックル6に取り付けられるとともに、このナックル6は、サスペンション装置Sを介して車体1aに上下動かつ旋回可能に設けられている。
又第2発明の車両1Bには、前記良熱伝導ゴムで形成されたサイドウォールゴムSGの外表面に気体Gを吹き付けてタイヤを外側から冷却する冷却装置8が設けられる。本例では、前記図13に示されるように、車両1Bには、前記車両1Aと同様、各車輪2の空気圧を監視する空気圧監視装置7が設けられており、前記空気入りタイヤ3Bの空気圧が低下したとき、前記冷却装置8が運転するように構成されている。この車両1Bに用いる空気圧監視装置7及び冷却装置8も、前記車両1Aにおいて説明した空気圧監視装置7、及び冷却装置8と同構成のものが好適に採用できる。
このように、第2発明の車両1Bにおいても、空気圧が低下した状態で走行する発熱しやすいタイヤ3Bのサイドウォール部3bに、外部から気体Gを吹き付けるため、その熱を奪い冷却できる。しかも、タイヤ3Bのサイドウォール部3bの外表面は良熱伝導ゴムによって形成されているため、冷却装置8との相乗作用により、タイヤ3Bの内部の熱がより効果的に放熱され、タイヤの耐久性が臨界的に向上する。
従って、車両1Bにおいても、タイヤ3Bの縦バネ定数などを過度に上昇させることなく(つまり、乗り心地の著しい悪化を招くことなく)、低空気圧走行する空気入りタイヤ3Bの発熱を抑え、耐久性を有意に向上させ得る。特に、ランフラットタイヤである場合、そのランフラット継続走行距離及び/又はランフラット走行速度を顕著に増大させることができる。
以上第2発明の車両1Bの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施できる。さらに他の変形例として、本発明には次のような態様が少なくとも含まれる。
[変形例1]
上記実施形態では、冷却装置8がブレーキ装置をも冷却するものを示した。しかしながら、冷却装置8は、ブレーキ装置に代えて、過給器のタービンやラジエータなどの車両搭載発熱機器に向けて空気の一部を吹き出すこともできる。
[変形例2]
上記実施形態では、全ての車輪2に、気体Gを吐出しうる吹出口9bを設けたが、例えばFF車の場合、駆動輪でかつ軸重が大きくしかも配管が容易な前輪にのみ冷却装置8を設けることもできる。
[変形例3]
上記実施形態では、制御装置14によって空気入りタイヤ3Bへの空気の吹出を自動的にコントロールする態様を示した。しかしながら、運転席に、冷却装置駆動用の操作スイッチ(図示省略)を設け、この信号を制御装置14に入力させても良い。このような実施形態では、運転席からの遠隔操作により、空気を任意のタイヤに強制的にかつ手動で吹き付けることができる。
[変形例4]
冷却装置8は、空気入りタイヤ3Bの空気圧が低下する前であっても、空気入りタイヤ3Bを外側から冷却する気体を吹き出すことができる。この場合でも、タイヤの発熱が抑えられるので、エネルギーロスが減り、転がり抵抗が小さくなる。よって、車両1Bの燃費を向上させることができる。
[変形例5]
サイドウォールゴムSGは、タイヤ軸方向内外の複数層で形成し、その最も外側の層が良熱伝導ゴムで形成され、他の層は非良熱伝導ゴムから形成されても良い。
(実施例B)
第2発明の効果を確認するために、下記の車両を使用してランフラット走行テストが行われた。各車両とも、表に記載以外は実質的に同仕様である。車両のスペックは、次の通りである。
排気量:4300ccの国産後輪駆動車両
タイヤサイズ(全輪):245/40R18のランフラットタイヤ
タイヤ構造:図16の通り
タイヤの各ゴム部の熱伝導率:表2,3の通り
前輪荷重:5.29kN
後輪荷重:5.39kN
前輪キャンバー角:1度(ネガティブ)
冷却装置具備
また、各実施例、比較例の仕様は次の通りである。
[実施例Bのタイヤ]
60質量部の天然ゴム(RSS#3)、40質量部のポリブタジエン(宇部興産社の商品名「BR150B」)、20質量部のFEFカーボンブラック(三菱化学社の商品名「ダイヤブラックE」)、熱伝導性物質として表2、3記載の質量部の石炭ピッチ系炭素繊維(三菱樹脂社の商品名「K6371T」)、1.5質量部の老化防止剤(住友化学社の商品名「アンチゲン6C」)、1.0質量部の他の老化防止剤(住友化学社の商品名「アンチゲンFR」)、3質量部の酸化亜鉛(三井金属鉱業社の商品名「酸化亜鉛2種」)及び1.0質量部のステアリン酸(日本油脂社の商品名「椿」)をバンバリーミキサーで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物をオープンロールで混練しつつ、このゴム組成物に5質量部の粉末硫黄(軽井沢硫黄社)、2質量部の加硫促進剤(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーNS」)及び2質量部の加硫促進助剤(田岡化学工業社の商品名「タッキロールV200」)を添加した。このゴム組成物を押し出して、サイドウォールゴム用のゴムシートを得た。このゴムシートと他のゴム部材とをアッセンブリーし、ローカバー(未架橋タイヤ)を得た。そして、このローカバーを金型に投入し、加圧及び加熱して、実施例のランフラットタイヤが製造された。なお、トレッドゴム及びビードゴムについては、非良熱伝導ゴムから形成した。サイド補強ゴム層については、上記石炭ピッチ系炭素繊維を表2、3の仕様で配合し熱伝導率を調整した。また、サイド補強ゴム層の最大厚さは10mmとした。
[比較例2A]
表1の比較例2Aと同一であり、サイドウォールゴムを非良熱伝導ゴムで形成した空気入りタイヤを全輪に具え、かつ、冷却装置の運転を行った。
[比較例3B]
サイドウォールゴムを良熱伝導ゴムで形成した空気入りタイヤを全輪に具え、かつ、冷却装置の運転を行わなかった。
また、ランフラット走行テストでは、前右車輪を空気圧ゼロのパンク状態(他の3輪は230kPa)として、平均走行速度80km/hで乾燥アスファルト路面の高速走行テストコース(天候:晴れ、気温24℃)を連続走行させ、タイヤが破壊するまでのランフラット走行距離が調べられた。実施例の車両では、テスト走行中、冷却装置を常時作動させ、平均風速約50.4km/hでパンクさせたタイヤの車両内側のサイドウォール部に空気を吹き付けた。また、結果は、比較例2Aの走行距離を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表2、3に示す。
Figure 0005395900
Figure 0005395900
テストの結果、実施例の車両では、ランフラット走行中の温度上昇が長期に亘って抑えられた結果、顕著な耐久性の向上を期待しうることが確認できた。


Claims (20)

  1. 空気入りタイヤを装着した車両であって、
    前記空気入りタイヤは、少なくとも一方のサイドウォール部の外表面に、多数のディンプルが形成される一方、
    前記空気入りタイヤを外側から冷却する気体を吹き出す冷却装置を具え
    前記空気入りタイヤは、各サイドウォール部に、断面略三日月状のサイド補強ゴム層が設けられたランフラットタイヤであり、
    前記サイド補強ゴム層は、平均径が1〜30μm、かつ、平均長さが0.1〜30mmの石炭ピッチ系炭素繊維を含有していることを特徴とする車両。
  2. 前記ディンプルの平面形状が円である請求項1に記載の車両。
  3. 前記ディンプルの直径が6mm以上18mm以下であり、かつ前記ディンプルの深さが0.5mm以上3.0mm以下である請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記石炭ピッチ系炭素繊維のアスペクト比(平均長さ/平均径)は、100〜2000である請求項1記載の車両。
  5. 前記気体は、前記ディンプルが設けられたサイドウォール部の外表面に向けて吹き付けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記気体は、タイヤ赤道よりも車両内側に位置するトレッド部に向けて吹き付けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の車両。
  7. 前記冷却装置は、空気入りタイヤの空気圧が予め定めた値以下になったときに前記気体
    を前記空気入りタイヤに向けて吹き出す請求項1乃至6のいずれかに記載の車両。
  8. 前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気を空気入りタイヤに向けて吹き出す吹出口を有するダクトを具える請求項1乃至7のいずれかに記載の車両。
  9. 前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気をブレーキ装置に向けて吹き出す吹出口を有するダクトと、
    空気入りタイヤの空気圧が低下したときに前記ダクトを流れる空気の少なくも一部を前記空気入りタイヤに向けて吹き出させる切換具とを含む請求項1乃至8のいずれかに記載の車両。
  10. 空気入りタイヤを装着した車両であって、
    前記空気入りタイヤは、サイドウォール部の外表面の少なくとも一部が0.40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する良熱伝導ゴムを用いて形成される一方、
    前記良熱伝導ゴムが設けられたサイドウォール部を外側から冷却する気体を吹き出す冷却装置を具えており、
    前記良熱伝導ゴムは、平均径が1〜30μm、かつ、平均長さが0.1〜30mmの石炭ピッチ系炭素繊維を含有していることを特徴とする車両。
  11. 前記良熱伝導ゴムの熱伝導率が0.45W/(m・K)以上である請求項10記載の車両。
  12. 前記良熱伝導ゴムの熱伝導率が0.70W/(m・K)以上である請求項10記載の車両。
  13. 前記サイドウォール部の外表面に、多数のディンプルが形成された請求項10乃至12のいずれかに記載の車両。
  14. 前記ディンプルの平面形状が円である請求項10乃至13のいずれかに記載の車両。
  15. 前記ディンプルの直径が6mm以上18mm以下であり、かつ前記ディンプルの深さが0.5mm以上3.0mm以下である請求項10乃至14のいずれかに記載の車両。
  16. 前記空気入りタイヤは、各サイドウォール部に、断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層が設けられたランフラットタイヤである請求項10乃至15のいずれかに記載の車両。
  17. 前記サイド補強ゴム層の少なくとも一部が、前記良熱伝導ゴムを用いて形成されている請求項16記載の車両。
  18. 前記冷却装置は、空気入りタイヤの空気圧が予め定めた値以下になったときに前記気体
    を前記空気入りタイヤに向けて吹き出す請求項10乃至17のいずれかに記載の車両。
  19. 前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気を前記空気入りタイヤに向けて吹き出す吹出口を有するダクトを具える請求項10乃至18のいずれかに記載の車両。
  20. 前記冷却装置は、一端側に空気を取り込む空気導入口を有し、かつ、他端側に前記空気をブレーキ装置に向けて吹き出す吹出口を有するダクトと、
    空気入りタイヤの空気圧が低下したときに前記ダクトを流れる空気の少なくも一部を前記空気入りタイヤに向けて吹き出させる切換具とを含む請求項10乃至19のいずれかに記載の車両。

JP2011518548A 2009-06-12 2010-06-09 車両 Expired - Fee Related JP5395900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011518548A JP5395900B2 (ja) 2009-06-12 2010-06-09 車両

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009141342 2009-06-12
JP2009141342 2009-06-12
JP2009148963 2009-06-23
JP2009148963 2009-06-23
PCT/JP2010/059742 WO2010143644A1 (ja) 2009-06-12 2010-06-09 車両
JP2011518548A JP5395900B2 (ja) 2009-06-12 2010-06-09 車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010143644A1 JPWO2010143644A1 (ja) 2012-11-22
JP5395900B2 true JP5395900B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43308899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011518548A Expired - Fee Related JP5395900B2 (ja) 2009-06-12 2010-06-09 車両

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8590937B2 (ja)
EP (1) EP2439086B1 (ja)
JP (1) JP5395900B2 (ja)
KR (1) KR20120025524A (ja)
CN (1) CN102802969A (ja)
BR (1) BRPI1010706A2 (ja)
RU (1) RU2523881C2 (ja)
WO (1) WO2010143644A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140319901A1 (en) * 2013-04-25 2014-10-30 GM Global Technology Operations LLC Vehicle tire and wheel assembly with insulating member
EP3002133B1 (en) * 2013-06-11 2019-12-04 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Non-pneumatic tire
DE102014224924B4 (de) 2014-12-04 2023-11-16 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Vorrichtung zur Erwärmung eines Fahrzeug-Reifens
US9623848B2 (en) 2015-08-18 2017-04-18 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle brake cooling apparatus, and methods of use and manufacture thereof
GB2563661B (en) * 2017-06-23 2020-08-05 Ogab Ltd Brake duct system and method
WO2019060517A1 (en) * 2017-09-22 2019-03-28 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc TIRE PROVIDED WITH TEXTURED SURFACE, METHOD OF MANUFACTURE, AND TEXTURED MOLD
CN108790633A (zh) * 2018-06-09 2018-11-13 安徽华兴车辆有限公司 一种汽车轮胎温度监控控制系统
EP3825675B1 (en) * 2018-07-18 2024-01-10 Horiba, Ltd. Vehicle testing device
JP6537030B1 (ja) * 2019-01-30 2019-07-03 住友ゴム工業株式会社 ランフラットタイヤ
CA3131494A1 (en) 2019-04-24 2020-10-29 Alcon Inc. Valve cooling and noise suppression
CN110065346B (zh) * 2019-05-17 2021-03-09 高盟宸 适用于新能源汽车的车轮装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH058620A (ja) * 1991-07-04 1993-01-19 Bridgestone Corp タイヤの使用方法
JPH07290916A (ja) * 1994-04-22 1995-11-07 Calsonic Corp タイヤ温度制御装置
JP2006193058A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ冷却装置
JP2008273288A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The ランフラット用空気入りタイヤ

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2540043A (en) * 1948-08-30 1951-01-30 Lloyd L Felker Ventilated tire
US3256920A (en) * 1964-08-14 1966-06-21 Byers J Harold Method for increasing the traction of vehicle tires with icy road surfaces
US4343338A (en) * 1981-02-25 1982-08-10 Caterpillar Tractor Co. Tire cooling system and method
US4771822A (en) * 1987-05-15 1988-09-20 Barbosa Ricardo A Automobile tire, radiator and brake cooling system with passenger compartment water heater
JPH0328409A (ja) 1989-06-27 1991-02-06 Taiyo Kogyo Kk フロートフェンス
JPH04238703A (ja) 1991-01-10 1992-08-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JPH0680003A (ja) * 1992-09-02 1994-03-22 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP3031197B2 (ja) 1994-04-11 2000-04-10 三菱化学株式会社 ピッチ系炭素繊維
BR9903977A (pt) 1998-09-09 2000-10-10 Goodyear Tire & Rubber Pneumático de operação plana
CN1533411A (zh) * 2002-07-31 2004-09-29 横滨橡胶株式会社 橡胶组合物和使用它的充气轮胎
JP2006182318A (ja) 2004-12-28 2006-07-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ組立体
DE102006011919A1 (de) * 2005-03-15 2006-09-21 Ugo Lepore System für die Steuerung der Haftung eines Fahrzeugs
RU2329903C1 (ru) * 2007-04-17 2008-07-27 Рязанский военный автомобильный институт имени генерала армии В.П. ДУБЫНИНА Устройство жидкостного охлаждения автомобильных шин
CN102149379A (zh) 2008-07-10 2011-08-10 安吉翁生物医药有限公司 调节肝细胞生长因子(分散因子)活性的方法和肝细胞生长因子(分散因子)活性的小分子调节剂组合物
RU2501666C2 (ru) 2008-11-12 2013-12-20 Сумитомо Раббер Индастриз, Лтд. Транспортное средство с пневматическими шинами и способ охлаждения шин в указанном транспортном средстве
JP5399064B2 (ja) 2008-12-29 2014-01-29 住友ゴム工業株式会社 ランフラットタイヤ
JP5249993B2 (ja) * 2010-06-18 2013-07-31 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH058620A (ja) * 1991-07-04 1993-01-19 Bridgestone Corp タイヤの使用方法
JPH07290916A (ja) * 1994-04-22 1995-11-07 Calsonic Corp タイヤ温度制御装置
JP2006193058A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ冷却装置
JP2008273288A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The ランフラット用空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
EP2439086A1 (en) 2012-04-11
CN102802969A (zh) 2012-11-28
EP2439086A4 (en) 2013-04-10
KR20120025524A (ko) 2012-03-15
WO2010143644A1 (ja) 2010-12-16
RU2523881C2 (ru) 2014-07-27
US8590937B2 (en) 2013-11-26
BRPI1010706A2 (pt) 2016-03-15
EP2439086B1 (en) 2014-05-07
RU2011150656A (ru) 2013-07-20
US20120067475A1 (en) 2012-03-22
JPWO2010143644A1 (ja) 2012-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5395900B2 (ja) 車両
JP5395739B2 (ja) 車両
JP5399064B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5222250B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5317667B2 (ja) 空気入りタイヤ
KR101654942B1 (ko) 공기 타이어
JP6733308B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2015199465A (ja) 空気入りタイヤ
JP4931433B2 (ja) 建設車両用空気入りタイヤ
JP7215642B2 (ja) タイヤ
JP2011005894A (ja) 空気入りタイヤ
JP5629159B2 (ja) ランフラットタイヤ及びその製造方法
EP4008568B1 (en) Tire
JP7395124B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2020158501A1 (ja) ランフラットタイヤ
JP7190896B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2023013934A (ja) タイヤ
JP2022087807A (ja) タイヤ
JP2009132234A (ja) ランフラットタイヤ
JP2009137446A (ja) ランフラットタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees