JPH0680003A

JPH0680003A - 空気入りタイヤ

Info

Publication number: JPH0680003A
Application number: JP4234659A
Authority: JP
Inventors: Katsutoshi Tani; 勝利谷
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1992-09-02
Filing date: 1992-09-02
Publication date: 1994-03-22

Abstract

(57)【要約】【目的】タイヤの回転抗力を低減させるとともに、タ
イヤ重量を低減させて車両の燃費を向上させる。【構成】トレッド部１と、これに連なる一対のサイド
ウォール部２と、各サイドウォール部２に連流するビー
ド部３とを具える空気入りタイヤである。サイドウォー
ル部２の外表面に、曲面形状をなす多数の窪み４を、周
方向に全体にわたって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は空気入りタイヤなかで
もそのサイドウォール部の改良に関するものであり、タ
イヤの回転抗力を低減させるとともに、タイヤ重量を低
減させて、車両の燃費を向上させるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気入りタイヤでは、それのサイ
ドウォール部の外表面を、必要な表示を施す部分を除い
て、凹凸のない平坦表面とすることが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、近年の車両
の高性能化にともなって、とくには、タイヤの高速回転
時にそれのサイドウォール部の外表面に沿って発生する
境界層の発達および剥離に起因する、タイヤの回転に対
する空気抵抗、ひいては、この空気抵抗が車両の燃費に
及ぼす影響がしばしば問題にされるに至っている。そこ
で、この発明は、空気入りタイヤのサイドウォール部に
発生する境界層の発達を最小限にとどめて、その境界層
の剥離を防止することによって、タイヤのサイドウォー
ル部に作用する空気抵抗を低減させ、併せて、サイドウ
ォール部それ自身の重量も低減させて、車両の燃費を有
効に向上させることができる空気入りタイヤを提供す
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明の空気入りタイ
ヤは、とくに、サイドウォール部の外表面に、実質的に
曲面形状をなす多数の窪みを、それの周方向の全体にわ
たって形成したものであり、ここで好ましくは、前記窪
みを、サイドウォール部の、タイヤ半径方向の幅の50％
以上の範囲にわって形成する。

【０００５】

【作用】この空気入りタイヤでは、タイヤの回転によっ
て発生する境界層を、サイドウォール部に形成したそれ
ぞれの窪み内へ吸込むことにより、サイドウォール部の
壁面近くの流れの遅い部分を除去して境界層の発達をお
くらせて、境界層の剥離を生じ難くすることができるの
で、タイヤの回転に対する空気抵抗を有効に低減させる
ことができ、このことは、窪みの形成領域を、サイドウ
ォール部の、タイヤ半径方向の幅の50％以上の範囲とし
た場合にとくに顕著である。

【０００６】しかもここでは、多数の窪みの形成によっ
て、サイドウォール部、ひいては、タイヤの重量をも低
減させることができるので、前述した空気抵抗の低減と
併せて、車両の燃費を効果的に改善することができる。

【０００７】

【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１はこの発明の実施例を示す、空気入りタイ
ヤの部分側面図であり、図中１はトレッド部を、２は、
トレッド部１の半径方向内方側に連なるサイドウォール
部を、そして３は、サイドウォール部２のさらに内方側
に連流するビード部をそれぞれ示す。

【０００８】ここでは、サイドウォール部２の外表面
に、曲面形状をなす多数の窪み４を周方向の全体にわた
って形成し、好ましくは、窪み４の形成範囲を、サイド
ウォール部２の、タイヤ半径方向の幅の50％以上、より
好適には、60〜80％の範囲とする。すなわち、それが50
％未満では、サイドウォール部２の壁面からの、境界層
の剥離を十分に防止することができず、逆に、80％を越
えると、窪み４を形成する加硫金型の製作コストが嵩む
他、サイドウォール部２に対する外観デザインの設計の
自由度が小さくなりすぎる。なおここで、各窪み４の形
状を曲面形状とするのは、窪み４の特定箇所への応力集
中を回避するためである。

【０００９】ところで、各窪み４は、球面形状の他、図
２に断面図で示すような楕円面形状、放物面形状、双曲
面形状などとすることもでき、また、各窪み４の曲率半
径Ｒは２mm前後とすることが好ましい。これは、その曲
率半径Ｒが1.5mm 以下では、窪み４がサイドウォールク
ラックの発生源となるおそれが高く、またそれを10mm前
後の大きな寸法としたときは、外観品質が低下すること
による。

【００１０】さらに、窪み４の最大深さは、約0.2 〜
0.5mmの範囲とすることが好ましい。すなわち、それが
0.2mm未満では、境界層を十分に吸い込むことができ
ず、0.5mm を越えると、風切り音が増加し、また外観品
質が低下することになる。

【００１１】ちなみに、発明タイヤのサイズを 205/55
Ｒ16とし、窪みの形状を球面形状とするとともに、その
球面の曲率半径を 2.5mm、深さを 0.2mmとし、また、窪
みの形成領域を、サイドウォール部の半径方向幅の80
％、窪みの形成密度を、サイドウォール部の外表面積の
70％とした場合におけるタイヤそれ自身の低燃費性能
は、それを車両に装着して、プルービンググランドを 1
80km/hの速度で、一回平均６分間走行し、これを各々５
回繰返したところ、表１に示す通りとなった。なお表中
の従来タイヤは、サイドウォール部に窪みを設けない点
を除いて発明タイヤと同一のものであり、また、表中の
指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとする。

【００１２】

【表１】表１に示すところによれば、発明タイヤでは、窪みによ
る境界層の吸い込みおよび、タイヤ重量の低減に基づ
き、タイヤの低燃費性能を有効に向上させ得ることが明
らかである。

【００１３】

【発明の効果】かくして、この発明によれば、サイドウ
ォール部に形成した窪みによって境界層を吸い込むこと
により、回転するタイヤの空気抵抗を低減させることが
できるので、窪みの形成によるタイヤ重量の低減と相俟
って、タイヤの燃費性能を有効に向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す、タイヤの部分側面
図である。

【図２】窪みの断面形状を例示する図である。

【符号の説明】

１トレッド部２サイドウォール部３ビード部４窪み

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トレッド部と、これに連なる一対のサイ
ドウォール部と、各サイドウォール部に連続するビード
部とを具える空気入りタイヤであって、サイドウォール部の外表面に、曲面形状をなす多数の窪
みを、周方向の全体にわたって形成してなる空気入りタ
イヤ。
【請求項２】前記窪みを、サイドウォール部の、タイ
ヤ半径方向の幅の50％以上の範囲にわたって形成してな
る請求項１記載の空気入りタイヤ。