JP2022087807A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

Figure 2022087807000001
【課題】優れたオフロード走破性能を示すとともに、低燃費性能や耐摩耗性能も両立し得るタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムを40~80質量%含むゴム成分を含むゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤであって、前記ゴム組成物が下記(1)~(3)を満たし、前記トレッドが、(4)~(6)を満たす、タイヤ。
(1)30℃におけるtanδ:A≧0.18
(2)23℃における破断時伸びに対する80℃における破断時伸びの比B:0.9≦B≦1.4
(3)LAT試験機で測定した、比較例1のタイヤを100とする耐摩耗性指数C:110≦C≦140
(4)クラウン部のランド比に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比の比D:0.80≦D≦2.00
(5)周方向主溝の最大溝深さE(mm):5≦E≦20
(6)25≦(B×C/A)×(D/E)≦200
【選択図】図1

Description

本発明はタイヤ、とりわけ、オフロード走破性能に優れたタイヤに関する。
過酷地地域を走行するタイヤには高い耐久性が求められ、特に、耐チッピング性能への要求が高い。これまで、耐チッピング性能は室温での引張試験により、破断時伸びEB(%)等を指標に評価されてきた(特許文献1)。
特開2007-56137号公報
しかし、過酷地地域の走破にはオフロード走破性能が重要であり、タイヤゴムの物性である破断時伸びEB(%)等だけで評価しきれるものではない。また、過酷地地域で使用されるタイヤにおいても、低燃費性能や耐摩耗性能が要求されるが、オフロード走破性能は、低燃費性能や耐摩耗性能とトレードオフの関係にある。
本発明は、優れたオフロード走破性能を示すとともに、低燃費性能や耐摩耗性能も両立し得るタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、所定量のイソプレン系ゴムを含むゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤにおいて、トレッドのゴム組成物の物性を所定のものとし、かつ、トレッドのパターンを所定の特徴を有するものとした上で、前記物性と前記トレッドパターンの特徴とが一定の関係を有するように調整することにより、上記課題が解決できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]イソプレン系ゴムを40~80質量%含むゴム成分を含むゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤであって、
前記ゴム組成物が下記条件(1)~(3)を満たし、
(1)30℃におけるtanδ(tanδ30℃)をAとするとき、A≧0.18
(2)23℃における破断時伸び(EB23℃)に対する80℃における破断時伸び(EB80℃)の比(EB80℃/EB23℃)をBとするとき、0.9≦B≦1.4
(3)LAT試験機で測定した、比較例1のタイヤを100とする耐摩耗性指数をCとするとき、110≦C≦140
前記トレッドが、タイヤ赤道に中心を有し、かつ、トレッド接地面幅の1/3の幅を有するクラウン部と、その両端に位置し、かつ、前記トレッド接地面幅の1/3の幅を有する一対のショルダー部とを有し、前記クラウン部と前記ショルダー部とが、下記条件(4)を満たし、
(4)クラウン部のランド比(LANDCr)に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比(LANDSh)の比(LANDSh/LANDCr)をDとするとき、0.80≦D≦2.00
前記トレッドが、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1つの周方向主溝を有し、前記周方向主溝が下記条件(5)を満たし、
(5)周方向主溝の最大溝深さをE(mm)とするとき、5≦E≦20
前記A、前記B、前記C、前記Dおよび前記Eが下記式(6)を満たす、
(6)25≦(B×C/A)×(D/E)≦200
タイヤ、
[2]前記イソプレン系ゴムが天然ゴムである、上記[1]記載のタイヤ、
[3]前記ゴム組成物がゴム成分100質量部に対しシリカ10~50質量部を含む、上記[1]または[2]記載のタイヤ、
[4]前記シリカの窒素吸着比表面積が120~200m2/gである、上記[3]記載のタイヤ、
[5]前記ゴム組成物がゴム成分100質量部に対しカーボンブラック10~70質量部を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤ、
[6]前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が120~200m2/gである、上記[5]記載のタイヤ、
[7]前記ゴム組成物がシリカ100質量部に対しシランカップリング剤2~20質量部を含む、上記[3]~[6]のいずれかに記載のタイヤ、
[8]前記Dが、0.90<D<1.08である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のタイヤ、
[9]前記LANDShが60~80である、上記[1]~[8]のいずれかに記載のタイヤ、
[10]前記一対のショルダー部のうち、サイドウォールの外面に凸状の標識が設けられた側のショルダー部のランド比をステンシルLANDShとし、反対側のショルダー部のランド比を非ステンシルLANDShとするとき、ステンシルLANDSh<非ステンシルLANDShである、上記[1]~[9]のいずれかに記載のタイヤ、
[11]前記周方向主溝が、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ状または波状である、上記[1]~[10]のいずれかに記載のタイヤ、
[12]前記周方向主溝の溝深さが、前記周方向溝部分におけるトレッド踏面の位置からタイヤ半径方向内側に向かってトレッド端に至るまでの距離の50~80%に相当する深さである、上記[1]~[11]のいずれかに記載のタイヤ、
に関する。
本発明のタイヤは、優れたオフロード走破性能を示すとともに、低燃費性能や耐摩耗性能も両立し得る。
本開示のタイヤの一例についてのトレッドパターンの展開図である。 本開示のタイヤの一例についてのトレッドパターンの展開図である。 本開示のタイヤの一例についてのトレッドパターンの展開図である。
本開示の一実施形態であるタイヤについて、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本開示を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
本開示の一実施形態であるタイヤは、イソプレン系ゴムを40~80質量%含むゴム成分を含むゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤであって、前記ゴム組成物が下記条件(1)~(3)を満たし、前記トレッドが、タイヤ赤道に中心を有し、かつ、トレッド接地面幅の1/3の幅を有するクラウン部と、その両端に位置し、かつ、前記トレッド接地面幅の1/3の幅を有する一対のショルダー部とを有し、前記クラウン部と前記ショルダー部とが、下記条件(4)を満たし、前記トレッドが、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1つの周方向主溝を有し、前記周方向主溝が下記条件(5)を満たし、前記A、前記B、前記C、前記Dおよび前記Eが下記式(6)を満たすタイヤである。
(1)30℃におけるtanδ(tanδ30℃)をAとするとき、A≧0.18
(2)23℃における破断時伸び(EB23℃)に対する80℃における破断時伸び(EB80℃)の比(EB80℃/EB23℃)をBとするとき、0.9≦B≦1.4
(3)LAT試験機で測定した、比較例1のタイヤを100とする耐摩耗性指数をCとするとき、110≦C≦140
(4)クラウン部のランド比(LANDCr)に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比(LANDSh)の比(LANDSh/LANDCr)をDとするとき、0.80≦D≦2.00
(5)周方向主溝の最大溝深さをE(mm)とするとき、5≦E≦20
(6)25≦(B×C/A)×(D/E)≦200
理論に拘束されることは意図しないが、本開示のタイヤにおいては優れたオフロード走破性能とともに低燃費性能や耐摩耗性能が両立するが、その理由としては、以下が考えられる。すなわち、本開示のタイヤでは、上記A(tanδ30℃)、上記B(EB80℃/EB23℃)、上記C(耐摩耗性指数)、上記D(LANDSh/LANDCr)および上記E(最大溝深さ)のそれぞれが所定の範囲内にあることを前提に、さらに、タイヤのゴム組成物の物性に係る上記A~上記Cで構成される「B×C/A」の値と、タイヤのトレッドパターンに係る上記D~上記Eで構成される「D/E」の値との積が所定の範囲内に収まることを要求している。このため、タイヤのゴム組成物の物性に係る「B×C/A」の値と、タイヤのトレッドパターンに係る「D/E」の値とが、互いに他を律して、いずれも所定の範囲内に収まることとなり、このような条件も相まって、オフロード走破性能、低燃費性能および耐摩耗性能の両立に寄与しているものと考えられる。
前記イソプレン系ゴムは、天然ゴムであることが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、シリカ10~50質量部を含むことが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記シリカの窒素吸着比表面積は、120~200m2/gであることが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラック10~70質量部を含むことが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、120~200m2/gであることが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記ゴム組成物は、シリカ100質量部に対し、シランカップリング剤2~20質量部を含むことが好ましい。本開示の効果がより発揮される傾向にある。
前記Dは、0.90<D<1.08であることが好ましい。Dの値をこのような範囲とすることで、大きな接地圧が作用するクラウン部と、大きな横力が作用するショルダー部との剛性差が小さくなるので、直進走行時および旋回走行時の安定した走行が可能となり、軟弱路や硬質路での操縦安定性が向上する傾向がある。
前記LANDShは、60~80であることが好ましい。大きな横力が作用するショルダー部の剛性を高めることで、操縦安定性が向上する傾向がある。
前記一対のショルダー部のうち、サイドウォールの外面に凸状の標識が設けられた側のショルダー部のランド比をステンシルLANDShとし、反対側のショルダー部のランド比を非ステンシルLANDShとするとき、ステンシルLANDSh<非ステンシルLANDShであることが好ましい。タイヤは、通常、ステンシル側を車両外側に向けて装着されるが、ステンシル側と非ステンシル側とでショルダー部のランド比をこのように違えることで、オフロード走破性能と操縦安定性が両立する傾向がある。なお、ステンシルとは、個々のタイヤのサイドウォール部の一方の側に付された、製造時期などを表した記号である。
前記周方向主溝は、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ状または波状であることが好ましい。周方向主溝がこのようなジグザグ状または波状であることで、軟弱路や硬質路でも、より路面を的確にとらえることができ、操縦安定性が向上する傾向がある。
前記周方向主溝の溝深さは、前記周方向溝部分におけるトレッド踏面の位置からタイヤ半径方向内側に向かってトレッド端に至るまでの距離の50~80%に相当する深さであることが好ましい。周方向主溝の溝深さをこのような範囲とすることで、タイヤの摩耗寿命を延長し、かつ、チッピングを抑制することができる傾向がある。
[ゴム組成物]
本開示のタイヤのトレッドを構成するゴム組成物について、以下、説明する。
<ゴム成分>
本開示のゴム成分は、本開示の効果の観点から、イソプレン系ゴムを40~80質量%含むゴム成分を含む。また、本開示のゴム成分は、イソプレン系ゴム以外のゴム成分を含み、そのようなゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等を挙げることができる。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
イソプレン系ゴムのゴム成分中の含有量は、本開示の効果の観点から、好ましくは45質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは55質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上である。また、イソプレン系ゴムの含有量は、本開示の効果の観点から、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)などが挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するものなど)などが挙げられる。なかでもS-SBRが好ましい。SBRは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態で使用できるS-SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)などによって製造販売されるS-SBRが挙げられる。
SBRのスチレン含量は、本開示の効果が十分得られるという理由から、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、当該スチレン含量は、良好な発熱性の観点から、15質量%以下が好ましく、13質量%以下がより好ましい。なお、本明細書におけるSBRのスチレン含量は、1H-NMR測定により算出される。
SBRのビニル含量は、良好なウェットグリップ性能の観点から、30モル%以上が好ましく、33モル%以上がより好ましく、35モル%以上がさらに好ましい。また、当該ビニル含量は、発熱性を抑える観点から、45モル%以下が好ましく、42モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。なお、本明細書において、SBRのビニル含量とはSBRにおけるブタジエン部の1,2-結合単位量のことを示し、赤外吸収スペクトル分析法によって測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能およびグリップ性能等の観点から、20万以上が好ましく、30万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましく、50万以上が特に好ましい。また、Mwは、架橋均一性等の観点から、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
SBRのゴム成分中の含有量は、本開示の効果の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、SBRの含有量は、発熱性を抑える観点から、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス1,4結合含有率が50%未満のBR(ローシスBR)、シス1,4結合含有率が90%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRのなかでも、耐摩耗性能に優れるという理由から、ハイシスBRが好ましい。BRは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR150L、JSR(株)製のBR730等が挙げられる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)製のBUNA-CB25等が挙げられる。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のVCR-303、VCR-412、VCR-617等が挙げられる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの活性末端に縮合アルコキシシラン化合物を有するブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。このような変性BRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性)、住友化学(株)製のS変性ポリマー(シリカ用変性)等が挙げられる。
BRのゴム成分中の含有量は、本開示の効果の観点から、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、BRの含有量は、耐チッピング性能の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
BRのシス1,4結合含有率(シス含量)は、耐久性や耐摩耗性能の観点から、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましく、95質量%以上がより好ましい。シス含量が高い方が、ポリマー鎖が規則正しく配列されることから、ポリマー同士の相互作用が強くなりゴム強度が向上し、悪路走行時の耐摩耗性能が向上すると考えられる。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能およびグリップ性能等の観点から、40万以上が好ましく、45万以上がより好ましく、50万以上がさらに好ましい。また、Mwは、架橋均一性等の観点から、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。
(その他のゴム成分)
本開示に係るゴム成分として、前記のイソプレン系ゴム、SBRおよびBR以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これらその他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<充填剤>
充填剤としては、タイヤ工業で通常使用するものを好適に使用することができる。そのような充填剤の具体例としては、カーボンブラック、シリカなどが挙げられる。充填剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的なものを適宜利用することができる、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が120m2/g以上の小粒子カーボンブラックが好ましい。イソプレン系ゴム、SBR、およびBRの各相の境界近傍に小粒子カーボンブラックを分散させ、SBRとカーボンブラックとの接触を増加させることで、各相間の結びつきを強くし、過酷地走行時に発生する衝撃をより効果的に吸収し得るゴム組成物とすることができる。また、小粒子カーボンブラックの使用により、ゴム組成物に対する補強効果が向上し、耐摩耗性能および耐チッピング性能が向上すると考えられる。
小粒子カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐摩耗性能の観点から、125m2/g以上がより好ましく、130m2/g以上がさらに好ましく、135m2/g以上がさらに好ましい。また、窒素吸着比表面積の上限は特に限定されないが、加工性の観点から、200m2/g以下が好ましく、190m2/g以下がより好ましく、180m2/g以下がさらに好ましい。なお、窒素吸着比表面積は、JIS K 6217-2「ゴム用カーボンブラック-基本特性-第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」に準じて測定することができる。
カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、耐摩耗性能の観点から、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、発熱性を抑制する観点から、70質量部以下が好ましく、65質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
(シリカ)
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐久性や破断時伸びの観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、シリカの窒素吸着比表面積は、低燃費性および加工性の観点から、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるシリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-93に準じて測定された値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐久性や破断時伸びの観点から、10質量部以上が好ましく、13質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい。また、シリカの含有量は、耐摩耗性能の観点から、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、35質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、タイヤ工業において、従来、シリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXTなどのメルカプト系(メルカプト基を有するシランカップリング剤)、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、十分なフィラー分散性の改善効果や、粘度低減等の効果が得られるという理由から、2質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。また、十分なカップリング効果、シリカ分散効果が得られず、補強性が低下するという理由から、シランカップリング剤の含有量は、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
(その他の充填剤)
前記以外の他の充填剤としては特に限定されず、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルクなどが挙げられ、これらの充填剤は単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<その他の配合剤>
本実施形態のトレッド用ゴム組成物は、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、老化防止剤、加工助剤、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤などを適宜含有することができる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては特に限定されず、ゴム分野で使用されているものが使用可能であり、例えば、キノリン系、キノン系、フェノール系、フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、充填剤等の分散性、破断時伸び、混練効率の観点から、6.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、4.0質量部以下がさらに好ましい。
(加工助剤)
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。具体的には、例えば、ストラクトール社製のEF44、WB16等の脂肪酸石鹸系加工助剤が挙げられる。加工助剤の配合割合は、ゴム成分の総量100質量部あたり、0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。加工助剤は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(ワックス)
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化の抑制の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(ステアリン酸)
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加硫速度の観点から、0.2質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、加工性の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(酸化亜鉛)
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加硫速度の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(軟化剤)
軟化剤としては、例えば、プロセスオイルや植物油脂等のオイル、液状ジエン系重合体、樹脂、エステル系可塑剤等が挙げられる。これらの軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、オイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、またはその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3.0×103以上、より好ましくは4.0×103以上であり、好ましくは1.0×105以下、より好ましくは1.5×104以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。液状ジエン系重合体としては、例えば、サートマー社、(株)クラレ等の製品を使用できる。
樹脂(レジン)としては、タイヤ工業で汎用されているものであれば特に限定されず、ロジン系樹脂、クマロンインデン樹脂、α-メチルスチレン系樹脂、テルペン系樹脂、p-t-ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、C5樹脂、C9樹脂等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、東亞合成(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂の軟化点は、本開示の効果の観点から、-45℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、60℃以上がさらに好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、軟化点の上限は特に限定されないが、180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましく、120℃以下がさらに好ましい。なお、樹脂の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
エステル系可塑剤としては、前記植物油;グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル等の合成品や植物油の加工品;リン酸エステル(ホスフェート系、これらの混合物等);が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
軟化剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、軟化剤の含有量は、耐ブロック性能および耐摩耗性能の観点から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫剤として硫黄を使用する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保し、良好なグリップ性能および耐摩耗性能を得るという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、劣化の観点からは、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレクシス社製のDURALINK HTS(1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)等の硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、およびグアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジンが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫速度を確保するという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上が好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、ブルーミングを抑制するという観点から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
<条件(1)>
本開示のゴム組成物のtanδ30℃(A)は、0.18以上である。tanδは低燃費性の指標であり、その値は小さいほど低燃費性において好ましいが、本開示においては、本開示の効果の観点から、tanδ30℃(A)は0.18以上であることが要求される。tanδ30℃(A)の値は、本開示の効果の観点から、0.19以上が好ましく、0.20以上がより好ましい。また、tanδ30℃(A)の値は、0.25未満が好ましく、0.24以下がより好ましく、0.23以下がさらに好ましい。なお、tanδ30℃は、後記実施例の欄に記載の方法により求められる。
tanδ30℃(A)は、タイヤ工業における常法により、調節することができ、ゴム組成物に配合される薬品(特に、ゴム成分、充填剤、軟化剤、硫黄、加硫促進剤、シランカップリング剤)の種類や量を調整することで実施することができる。例えば、不飽和結合の少ないゴム成分を使用したり、ゴム成分と相溶性の高い軟化剤を使用したり、変性ゴムを使用したり、充填材としてシリカを使用したり、可塑剤としてのオイルを減らしたり、硫黄を増やしたり、加硫促進剤を増やしたり、シランカップリング剤を増やしたりすると、tanδ30℃(A)は小さくなる傾向がある。したがって、当業者は、目標とするtanδ30℃(A)の値に応じて、適宜、調節することが可能である。
<条件(2)>
本開示のゴム組成物の23℃における破断時伸び(EB23℃)に対する80℃における破断時伸び(EB80℃)の比(EB80℃/EB23℃=B)の値は、0.9≦B≦1.4の範囲内である。各EBの値は、それぞれの温度(80℃または23℃)におけるゴム組成物の破断のし難さの指標であって、いずれも大きい程優れている。本開示においては、本開示の効果の観点から、EB23℃に対するEB80℃の比(B)が0.9≦B≦1.4の範囲内であることが要求される。Bの値は、本開示の効果の観点から、1.0以上であることが好ましく、1.1以上であることがより好ましい。一方、Bの値は、本開示の効果の観点から、1.3以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましい。なお、各EBの値は、後記実施例の欄に記載の方法により求められる。
EB23℃およびEB80℃の値は、タイヤ工業における常法により、調節することができ、ゴム組成物に配合される薬品(特に、ゴム成分、充填剤、軟化剤、硫黄、加硫促進剤、シランカップリング剤)の種類や量を調整することで実施することができる。例えば、EB23℃の値は、一例として、充填剤の含有量を少なくする、または、軟化剤の含有量を多くすることで大きくなる傾向がある。また、EB80℃の値は、一例として、NRの含有量を多くすることで大きくなる傾向がある。したがって、当業者は、目標とするEB80℃/EB23℃(B)の値に応じて、適宜、調節することが可能である。
<条件(3)>
本開示のゴム組成物のLAT試験機で測定した、比較例1のタイヤを100とする耐摩耗性指数(C)は、110≦C≦140である。耐摩耗性指数は、一般に、大きい方が耐摩耗性能に優れるため好ましいが、本開示においては、本開示の効果の観点から、耐摩耗性指数(C)が110≦C≦140であることが求められる。耐摩耗性指数(C)の値は、本開示の効果の観点から、115以上であることが好ましく、120以上であることがより好ましい。また、耐摩耗性指数(C)の値は、本開示の効果の観点から、135以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましく、125以下であることがさらに好ましい。なお、耐摩耗性指数の値は、後記実施例の欄に記載の方法により求められる。
耐摩耗性指数(C)は、タイヤ工業における常法により、調節することができ、ゴム組成物に配合される薬品(特に、ゴム成分、充填剤、軟化剤、硫黄、加硫促進剤、シランカップリング剤)の種類や量を調整することで実施することができる。例えば、ゴム成分としてBRの含有量を多くしたり、充填剤の含有量を多くしたり、加硫剤の含有量を少なくしたりすると、耐摩耗性能は大きくなる傾向がある。したがって、当業者は、目標とする耐摩耗性指数(C)の値に応じて、適宜、調節することが可能である。
[タイヤ]
以下、適宜図面を参照しながら、本開示のタイヤを説明する。なお、本開示のタイヤは、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示のタイヤは、上記ゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドが、タイヤ赤道に中心を有し、かつ、トレッド接地面幅の1/3の幅を有するクラウン部と、その両端に位置し、かつ、前記トレッド接地面幅の1/3の幅を有する一対のショルダー部とを有し、前記クラウン部と前記ショルダー部とが、下記条件(4)を満たし、前記トレッドが、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1つの周方向主溝を有し、前記周方向主溝が下記条件(5)を満たし、前記A、前記B、前記C、前記Dおよび前記Eが下記式(6)を満たすタイヤである。
(4)クラウン部のランド比(LANDCr)に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比(LANDSh)の比(LANDSh/LANDCr)をDとするとき、0.80≦D≦2.00
(5)周方向主溝の最大溝深さをE(mm)とするとき、5≦E≦20
(6)25≦(B×C/A)×(D/E)≦200
本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法は、正規状態で測定された値である。正規状態とは、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、そのタイヤにリム組可能であり、リム/タイヤの間でエア漏れを発生させない最小径のリムのうち、最も幅の狭いものを指すものとする。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合は、正規内圧を250kPaとする。
なお、「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば“最大負荷能力”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。なお、前記の規格体系において定めを持たないサイズのタイヤの場合、正規荷重WL(kg)は、正規状態で測定されたタイヤ断面幅をWt(mm)、タイヤ断面高さをHt(mm)、タイヤ外径をDt(mm)としたとき、下記式(1)および(2)により見積もることが可能である。前記のタイヤ断面幅Wtは、前記の状態において、タイヤ側面に模様または文字などがある場合にはそれらを除いたものとしてのサイドウォール外面間の最大幅である。前記のタイヤ断面高さHtは、ビード部底面からトレッド最表面までの距離であり、タイヤの外径とリム径の呼びとの差の1/2である。
V={(Dt/2)2-(Dt/2-Ht)2}×π×Wt ・・・(1)
L=0.000011×V+175 ・・・(2)
<条件(4)>
本開示のタイヤにおいて、クラウン部のランド比(LANDCr)に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比(LANDSh)の比(LANDSh/LANDCr=D)は、0.80≦D≦2.00の範囲内である。ランド比は、これを高めることでクラウン部やショルダー部の剛性を高めることができるが、本開示においては、本開示の効果の観点から、クラウン部とショルダー部のランド比の差を所定の範囲内にして、両者の剛性差を小さくすることが好ましい。LANDSh/LANDCr(D)の値は、0.85以上が好ましく、0.90以上がより好ましい。また、LANDSh/LANDCr(D)の値は、1.90以下が好ましく、1.80以下がより好ましく、1.70以下がさらに好ましく、1.60以下がさらに好ましく、1.50以下がさらに好ましく、1.40以下がさらに好ましく、1.30以下がさらに好ましく、1.20以下がさらに好ましく、1.10以下がさらに好ましく、1.08以下がさらに好ましい。
本明細書において、ランド比とは、各溝、および、サイプがある場合にはサイプを含めて、すべてを埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の合計接地面積Sbの割合(%)である。なお、サイプとは、幅が2.0mm以下、好ましくは0.5~1.5mmの細い切り込みをいう。例えば、図1~図3は、それぞれ、本開示のタイヤの一例についての、トレッドのパターンの展開図である。図1において、枠で囲われ、かつ、陰影を施された部分が、正規荷重をかけた場合のトレッド踏面を表している。前記トレッド踏面について、そのトレッド接地面幅TWを3等分する2本の直線によって分割された、中央に位置するクラウン部、および、その両側に位置する一対のショルダー部の全体についてランド比が計算される。例えば、図1において、クラウン部のランド比は66.12%と計算でき、一対のショルダー部の全体についてのランド比は70.60%と計算できる。同様に、図2において、クラウン部のランド比は66.40%と計算でき、一対のショルダー部の全体についてのランド比は63.84%と計算でき、図3において、クラウン部のランド比は42.12%と計算でき、一対のショルダー部の全体についてのランド比は73.05%(=(71.64%+74.46%)/2)と計算できる。なお、図1~図3において、上方がステンシル側であり、下方が非ステンシル側である。
前記LANDCrは、本開示の効果の観点から、40以上であることが好ましく、45以上であることがより好ましく、一方、70以下であることが好ましく、65以下であることがより好ましい。
前記LANDShは、本開示の効果の観点から、45以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、一方、80以下であることが好ましく、75以下であることがより好ましい。
<条件(5)>
本開示のタイヤにおいて、周方向主溝の最大溝深さ(E)(mm)は、5≦E≦20の範囲である。周方向主溝の最大溝深さは、元来、乾燥路面での操縦安定性とウェットグリップ性能のバランスに影響を与えるが、本開示においては、本開示の効果の観点から、所定の範囲内に調節されるものである。周方向主溝の最大溝深さ(E)は、6mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、8mm以上がさらに好ましい。また、周方向主溝の最大溝深さ(E)は、18mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、13mm以下がさらに好ましい。
<式(6)>
本開示のタイヤにおいて、前記A(tanδ30℃)、前記B(EB80℃/EB23℃)、前記C(耐摩耗性指数)、前記D(LANDSh/LANDCr)および前記E(最大溝深さ)は、(B×C/A)×(D/E)で示される値が、25≦(B×C/A)×(D/E)≦200の範囲内である。ここで、上記A(tanδ30℃)、上記B(EB80℃/EB23℃)および上記C(耐摩耗性指数)はいずれも、トレッドのゴム組成物の物性に係る値である一方、上記D(LANDSh/LANDCr)および上記E(最大溝深さ)はトレッドパターンに係る値である。
本開示のタイヤでは、トレッドのゴム組成物の物性に係る上記A~上記Cで構成される「B×C/A」の値と、トレッドパターンに係る上記D~上記Eで構成される「D/E」の値との積が、25~200の範囲内に収まることを要求しているので、トレッドのゴム組成物の物性に係る「B×C/A」の値と、トレッドパターンに係る「D/E」の値とが、互いに他を律しながら、結果として、いずれも所定の範囲内に収まることとにより、本開示の効果が達成されているものと考えられる。
(B×C/A)×(D/E)で示される値は、26以上が好ましく、35以上がより好ましく、45以上がさらに好ましく、55以上がさらに好ましい。また、(B×C/A)×(D/E)で示される値は、190以下が好ましく、180以下がより好ましく、175以下がさらに好ましい。
(ステンシルLANDShと非ステンシルLANDSh
本開示のタイヤは、前記一対のショルダー部のうち、サイドウォールの外面に凸状の標識が設けられた側のショルダー部のランド比をステンシルLANDShとし、反対側のショルダー部のランド比を非ステンシルLANDShとするとき、ステンシルLANDSh<非ステンシルLANDShであることが好ましい。通常、車両内側となる非ステンシル側のショルダー部のランド比を高めることで、オフロード走破性能と操縦安定性が両立する傾向があるからである。
(周方向主溝の形態)
本開示のタイヤにおいて、前記周方向主溝は、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ状または波状であることが好ましい。ここで、ジグザグ状とは、周方向主溝の中心線が複数の折れ曲がり部を有し、前記折れ曲がり部においてタイヤ幅方向のエッジ成分を有することをいう。また、波状とは、周方向主溝の中心線が波状に蛇行していることをいう。いずれの場合も、周方向主溝は、その中心線がタイヤ幅方向に振幅を有している。図1の周方向主溝や図2の周方向主溝はジグザグ状の例である。一方、図3の周方向主溝はジグザグ状ではなく、直線状である。周方向主溝がジグザグ状または波状であることで、軟弱路や硬質路でも、より路面を的確にとらえることができ、操縦安定性が向上する傾向がある。
(周方向主溝の溝深さ)
本開示のタイヤにおいて、前記周方向主溝は、その溝深さが、周方向溝部分におけるトレッド踏面の位置からタイヤ半径方向内側に向かってトレッド端に至るまでの距離(F)の50~80%に相当する深さであることが好ましい。周方向主溝の溝深さをこのような範囲とすることで、タイヤの摩耗寿命を延長し、かつ、チッピングを抑制することができる傾向がある。前記周方向主溝の溝深さは、前記距離Fの55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。また、前記周方向主溝の溝深さは、前記距離Fの75%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。
[タイヤの製造]
本開示のタイヤは、一般的な方法で製造できる。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なタイヤ工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、架橋剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、架橋剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより、未加硫のゴム組成物を製造する。
さらに、上記で得られた未加硫のゴム組成物を、トレッドの形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成形することにより未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより製造することができる。
[用途]
本開示のタイヤは、特にカテゴリーは限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバス等の重荷重用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、ランフラットタイヤ、非空気入りタイヤ等にも使用することができるが、その特性から、特に、過酷地地域用のタイヤ、オフロード用のタイヤとして、好適に使用することができる。
実施例に基づいて、本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらのみに限定されるものではない。
<各種薬品>
実施例および比較例で使用した各種薬品について説明する。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のSBR1502(スチレン含量23.5質量%、ビニル含量16質量%、非油展)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(Mw:44万、ハイシスBR、シス-1,4結合含量:96%)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のN134(N2SA:143m2/g)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース355
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミン、6PPD)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸「つばき」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS))
実施例および比較例
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得た。さらに、得られた混練物を前記のバンバリーミキサーにより、排出温度150℃で4分間、再度混練りした(リミル)。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで、試験用加硫ゴム組成物を作製した。
また、表1に示すパターンに従い、前記の未加硫ゴム組成物を所定の形状の口金を備えた押し出し機でタイヤトレッドの形状に押し出し成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、プレス加硫することにより、試験用タイヤ(265/50R20)を製造した。なお、周方向主溝の形状は、いずれもジグザグ状であった。
得られた試験用加硫ゴム組成物および試験用タイヤについて下記の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<粘弾性試験>
試験用加硫ゴム組成物について、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度30℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、tanδ(tanδ30℃)を測定した。
<引張特性>
試験用加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じて、23℃および80℃の温度で、引張試験を実施し、それぞれ、23℃における破断時伸びEB23℃(%)および80℃における破断時伸びEB80℃(%)を測定した。
<耐摩耗性指数>
LAT試験機(Laboratery Abration and Skid Tester、(株)平泉洋行製のゴム摩耗試験機「LAT100」)を用い、荷重40N、速度20km/h、スリップアングル6°の条件にて、各加硫ゴムシート(加硫後のゴム組成物)の容積損失量を測定した。比較例1の配合ゴムの容積損失量を100とし、下記計算式により、各配合の耐摩耗性能指数を算出した。数値が大きいほど耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の配合の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
<オフロード走破性能>
各試験用タイヤを、下記の条件で、排気量3600ccの四輪駆動車の全輪に装着した。そして、テストドライバーが、当該四輪駆動車を、泥で形成された軟質路面および岩場路面のオフロードのテストコースを走行させた。テストドライバーは、このときのトラクション、泥や岩を掴む力、走行安定性等に関する走行特性を、官能により評価した。結果は、比較例1を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
リム:20×8.5J
内圧:255kPa
荷重:正規荷重の54%
Figure 2022087807000002
表1の結果より、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、オフロード走破性能に優れるとともに、低燃費性の指標であるtanδ30℃(A)および耐摩耗性能の指標である耐摩耗性指数(C)においても、優れた値を維持しているものであることがわかる。
本開示によれば、優れたオフロード走破性能を示すとともに、低燃費性能や耐摩耗性能も両立し得るタイヤを提供することができる。

Claims (12)

  1. イソプレン系ゴムを40~80質量%含むゴム成分を含むゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤであって、
    前記ゴム組成物が下記条件(1)~(3)を満たし、
    (1)30℃におけるtanδ(tanδ30℃)をAとするとき、A≧0.18
    (2)23℃における破断時伸び(EB23℃)に対する80℃における破断時伸び(EB80℃)の比(EB80℃/EB23℃)をBとするとき、0.9≦B≦1.4
    (3)LAT試験機で測定した、比較例1のタイヤを100とする耐摩耗性指数をCとするとき、110≦C≦140
    前記トレッドが、タイヤ赤道に中心を有し、かつ、トレッド接地面幅の1/3の幅を有するクラウン部と、その両端に位置し、かつ、前記トレッド接地面幅の1/3の幅を有する一対のショルダー部とを有し、前記クラウン部と前記ショルダー部とが、下記条件(4)を満たし、
    (4)クラウン部のランド比(LANDCr)に対する、一対のショルダー部全体についてのランド比(LANDSh)の比(LANDSh/LANDCr)をDとするとき、0.80≦D≦2.00
    前記トレッドが、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1つの周方向主溝を有し、前記周方向主溝が下記条件(5)を満たし、
    (5)周方向主溝の最大溝深さをE(mm)とするとき、5≦E≦20
    前記A、前記B、前記C、前記Dおよび前記Eが下記式(6)を満たす、
    (6)25≦(B×C/A)×(D/E)≦200
    タイヤ。
  2. 前記イソプレン系ゴムが天然ゴムである、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物がゴム成分100質量部に対しシリカ10~50質量部を含む、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記シリカの窒素吸着比表面積が120~200m2/gである、請求項3記載のタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物がゴム成分100質量部に対しカーボンブラック10~70質量部を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が120~200m2/gである、請求項5記載のタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物がシリカ100質量部に対しシランカップリング剤2~20質量部を含む、請求項3~6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記Dが、0.90<D<1.08である、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記LANDShが60~80である、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ。
  10. 前記一対のショルダー部のうち、サイドウォールの外面に凸状の標識が設けられた側のショルダー部のランド比をステンシルLANDShとし、反対側のショルダー部のランド比を非ステンシルLANDShとするとき、ステンシルLANDSh<非ステンシルLANDShである、請求項1~9のいずれか1項に記載のタイヤ。
  11. 前記周方向主溝が、タイヤ幅方向に振幅を有するジグザグ状または波状である、請求項1~10のいずれか1項に記載のタイヤ。
  12. 前記周方向主溝の溝深さが、前記周方向溝部分におけるトレッド踏面の位置からタイヤ半径方向内側に向かってトレッド端に至るまでの距離の50~80%に相当する深さである、請求項1~11のいずれか1項に記載のタイヤ。
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