JP5394026B2 - 表面処理無機酸化物、並びにそれを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

表面処理無機酸化物、並びにそれを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、表面処理により疎水化された無機酸化物、該無機酸化物を含むゴム組成物、及び、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
シリカなどの無機酸化物は、ゴム組成物や樹脂組成物への充填剤をはじめとして各種の用途に用いられている。無機酸化物には、粒子表面にヒドロキシル基を有する親水性無機酸化物があり、例えば、シリカの場合、粒子表面にシラノール基(Si−OH)を有している。このように粒子表面にヒドロキシル基が存在すると、その影響により無機酸化物の粒子が凝集しやすく、分散性に劣るという問題がある。そのため、親水性無機酸化物を疎水化剤で表面処理することにより疎水化してなる表面処理無機酸化物(以下、疎水性無機酸化物ということもある。)が知られている。
ところで、一般に、空気入りタイヤにおいては、低燃費性、良好な耐摩耗性、高グリップ力などの要求性能がある。そのうち、低燃費性の向上のためには、タイヤを構成するゴム組成物のヒステリシスロスを低減して低発熱性にすることが有効である。そこで、タイヤ用ゴム組成物において、充填剤としてのカーボンブラックをシリカで置換し、更にシランカップリング剤(硫黄含有有機シラン化合物)を配合することが行われている。
しかしながら、空気入りタイヤの低燃費化は、最近ますますその要求レベルが高くなっており、ゴム組成物のヒステリシスロスを従来にも増して低減することが求められる。その一方で、タイヤとしての良好な耐摩耗性を確保するため、ゴム組成物には優れた補強性も要求される。このような観点から、充填剤として用いられる上記無機酸化物の更なる改良が望まれる。
下記特許文献1には、チオシアネート基またはスルフィド結合を持ったアルコキシシラン化合物によって表面処理した無水酸化物の製造方法、及びそのゴム組成物への配合が提案されている。しかしながら、この文献は、シリカ自体の貯蔵安定性を向上するために、スルフィドシランカップリング剤等の有機珪素化合物を用いた所定の変性法によってシリカを表面処理することを開示したものであり、このようなシリカではゴム組成物中での分散性が不十分であり、低燃費性の改良効果が小さい。
下記特許文献2には、補強性を損なうことなく、シリカの分散性を向上させるために、3−オクタノイルチオ−プロピルトリアルコキシシランで表面処理したシリカをゴム組成物に配合することが提案されている。このような特定のシランカップリング剤で表面処理することによってシリカの分散性を向上することはできるものの、これのみではゴムへの分散性が不十分であり、低燃費性、耐摩耗性の改良効果が小さい。
下記特許文献3には、有機珪素化合物によって所定の疎水化度に表面処理されたシリカをジエン系ゴムに配合、混練してなるゴム組成物が開示されている。この文献では、上記部分疎水化したシリカとともに、シランカップリング剤を配合することが開示されているが、シランカップリング剤はゴム混合時に添加されている。そのため、シリカの分散性が不十分であり、低発熱性の改良効果が小さく、補強性も十分とは言えない。
下記特許文献4には、タイヤを構成するゴム組成物において、充填剤としてのシリカとともに、ビスー(3ートリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のシリカカップラーと、n−オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水化剤とを配合することが開示されている。しかしながら、この文献は、上記シリカカップラーと疎水化剤を、ゴム混合時にシリカとともに配合するものであって、シリカを予め表面処理するものではない。
下記特許文献5には、ジエン系ゴムに予め疎水化されたシリカを配合したゴム組成物を用いてなるタイヤが開示されており、予め疎水化されたシリカとして、シランカップリング剤としてのオルガノメルカプトシランと、疎水化剤としてのアルコキシアルキルシランを用いて処理したシリカが開示されている。しかしながら、このように疎水化剤としてアルコキシアルキルシランを用いると、表面処理時にシリカとの反応によって揮発性のアルコールが発生する。そのため、環境問題の点から、このような揮発性有機化合物(VOC)を極力発生しない表面処理が望ましい。
特開平05−017705号公報 WO2005/049493 特開平08−176345号公報 特開平10−001565号公報 特開2001−354805号公報
本発明は、以上の点に鑑み、揮発性有機化合物の発生を低減することができる表面処理によって得られ、かつゴム組成物に配合した場合に優れた低発熱性と耐摩耗性を付与することができる表面処理無機酸化物、並びに、これを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る表面処理無機酸化物は、下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、脂肪酸、ポリエーテル、高級アルコール及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の疎水化剤とで表面処理されたものである。
(R(RSi−A …(1)
式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Aは硫黄原子を含む官能基、m=1〜3、m+n=3である。
本発明に係るゴム組成物は、上記表面処理無機酸化物とゴムとを混合してなるものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いてなるゴム部分を有するものである。
本発明の表面処理無機酸化物であると、硫黄含有有機シラン化合物とともに、上記特定の疎水化剤で粒子表面が処理されているため、ゴム組成物に配合したときの分散性に優れ、低発熱性に優れるとともに、補強性が改善されることで耐摩耗性に優れる。
より詳細には、硫黄含有有機シラン化合物による表面処理だけの無機酸化物では、ゴムへの分散性に乏しい。また、ゴムとの反応部位を持たない疎水化剤だけで表面処理した無機酸化物では、ゴムとの補強性に乏しい。ゴムとの反応部位を持つ硫黄含有有機シラン化合物と、疎水化剤とで予め表面処理したことにより、ゴムへの補強性とゴムへの分散性を兼ね備えた疎水性無機酸化物となり、低発熱性と耐摩耗性において顕著な相乗効果が得られる。なお、ゴム混合時に、無機酸化物と硫黄含有有機シラン化合物及び疎水化剤を添加、混合したのでは、このような優れた効果は得られず、予め表面処理することによって、上記効果が得られるものである。
また、本発明の表面処理無機酸化物であると、疎水化剤として、脂肪酸、ポリエーテル、高級アルコール及び界面活性剤を用いており、これらは、アルコキシアルキルシランのように粒子表面のヒドロキシル基と反応して揮発性のアルコールを発生するものではないので、揮発性有機化合物の発生を低減することができ、環境に優しい。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明において表面処理対象となる無機酸化物は、粒子表面にヒドロキシル基を有するもの(即ち、親水性無機酸化物)であり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、タルク、珪藻土などが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。無機酸化物としては特にシリカが好ましく、シリカとしては、湿式沈殿法シリカ、湿式ゲル化法シリカ、乾式シリカなどが挙げられる。
本発明で用いられる硫黄含有有機シラン化合物は、粒子表面のヒドロキシル基に結合されるものであり、上記一般式(1)に示すように、無機酸化物のヒドロキシル基(シリカの場合、シラノール基)と反応し得るアルコキシ基と、ゴムポリマーと反応し得る硫黄原子を含む官能基Aとを有するものである。
式(1)中、Rは、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。また、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rについて、上記アルキルポリエーテル基とは、−O−(R−O)−R(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキル基、k=1〜20であることが好ましい。)で表される。
また、式(1)中の官能基Aとしては、下記一般式(2)〜(4)が好ましいものとして挙げられる。
−R−S−R−Si(R(R …(2)
−R−SH …(3)
−R−S−CO−R …(4)
式中、R,Rは、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基であり、より好ましくは、炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、炭素数1〜16のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。Rは、炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜9のアルキル基である。xは2〜8であり、より好ましくは2〜4である。なお、xは通常分布を有しており、即ち、硫黄連鎖結合の数が異なるものの混合物として一般に市販されており、xはその平均値を表す。なお、R、R、m、nは、上記式(1)と同じである。
官能基Aが上記式(2)で表されるスルフィドシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどが好ましいものとして挙げられる。
官能基Aが上記式(3)で表されるメルカプトシランカップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びデグサ社製「VP Si363」(R:OC、R:O(CO)−C1327、R:−(CH−、m=平均1、n=平均2、k=平均5)などが好ましいものとして挙げられる。
官能基Aが上記式(4)で表される保護化メルカプトシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどが好ましいものとして挙げられる。
本発明で用いられる疎水化剤は、粒子表面のヒドロキシル基に対して水素結合等の相互作用によって結合ないし吸着されるものであり、脂肪酸、ポリエーテル、高級アルコール及び界面活性剤の少なくとも1種が用いられる。ここで、疎水化剤という語は、無機酸化物表面の極性を表面処理によって小さく、即ち親水性をより小さくするものという意味で用いる。
上記脂肪酸は、親水性のカルボキシル基で無機酸化物表面のヒドロキシル基と水素結合し、炭化水素基で疎水性を発揮することから、疎水化剤として作用する。脂肪酸としては、炭素数が5以上のものが好ましく、より好ましくは炭素数5〜30、更に好ましくは炭素数10〜30、特に好ましくは炭素数10〜20のものである。脂肪酸としては、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でもよく、また直鎖構造でも分岐構造を持つものでもよい。具体的には、ヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、セロチン酸等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ポリエーテルは、エーテル結合又は末端のヒドロキシル基で無機酸化物表面のヒドロキシル基と水素結合し、アルキレン基を含む全体が表面処理前のヒドロキシル基に対して親水性を小さくすることから、疎水化剤として作用する。ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが好ましく用いられる。ポリアルキレングリコールの平均分子量は特に限定されないが、500〜20000であることが好ましく、より好ましくは1000〜10000である。ここで、平均分子量は、GPC測定でポリスチレン換算値で表される数平均分子量である。
上記高級アルコールは、末端のヒドロキシル基で無機酸化物表面のヒドロキシル基と水素結合し、炭化水素基で疎水性を発揮することから、疎水化剤として作用する。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の炭素数12以上(より好ましくは炭素数12〜30)の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられ、これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記界面活性剤は、親水基で無機酸化物表面のヒドロキシル基と水素結合ないし吸着し、親油基により疎水性を発揮することから、疎水化剤として作用する。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、スルホン酸金属塩、アルキル硫酸塩等が挙げられる。金属塩としては、例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩等のアルキルトリメチルアンモニウム塩や、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩などのアルキルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩としては、臭化物や塩化物が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメテルアミンオキサイド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等のアルキルアミンオキサイド、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のアルキルアミノ脂肪酸塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート等の多価アルコールの脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
本発明に係る表面処理無機酸化物は、親水性無機酸化物の粒子表面のヒドロキシル基に結合された上記硫黄含有有機シラン化合物と、粒子表面のヒドロキシル基に対して水素結合等の相互作用により結合・吸着された脂肪酸、ポリエーテル、高級アルコール及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の疎水化剤とを有するものである。
かかる表面処理無機酸化物は、親水性無機酸化物を上記の硫黄含有有機シラン化合物と疎水化剤とで表面処理することにより得られる。好ましくは、まず、硫黄含有有機シラン化合物で粒子表面を処理した後、次いで、疎水化剤で表面処理することである。このような順番で処理することにより、粒子表面のヒドロキシル基に反応によって結合させる硫黄含有有機シラン化合物を確実に結合させることができる。
表面処理方法は特に限定されるものではなく、通常の疎水化表面処理方法に準じて行うことができる。例えば、ミキサーやブレンダー中で、親水性無機酸化物を攪拌しながら、硫黄含有有機シラン化合物を添加して反応させ、次いで、疎水化剤を添加して攪拌すればよい。なお、これらの表面処理は、水やイソプロピルアルコールなどの溶媒中にシリカを分散させた状態で行うこともできるが、溶媒を用いることなく、乾式工程で表面処理を行うことが、最終工程で溶媒を除去する必要がないことから好ましい。
硫黄含有有機シラン化合物の使用量は、親水性無機酸化物100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは4〜15重量部である。硫黄含有有機シラン化合物の使用量が少なすぎると、ゴム組成物に配合したときの補強性向上効果に劣る。また、その使用量が多すぎると、コストが高く不経済であるとともに、疎水化剤の無機酸化物表面に対する結合量が少なくなる。
疎水化剤の使用量は、親水性無機酸化物100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10重量部である。疎水化剤の使用量が少なすぎると、ゴム組成物に対する分散性の向上効果に劣る。また、その使用量が多すぎると、コストが高く不経済である。
硫黄含有有機シラン化合物と疎水化剤の重量比は、10:1〜1:3であることが好ましく、より好ましくは6:1〜1:1である。硫黄含有有機シラン化合物の比率が多すぎると、ゴム組成物に対する分散性の向上効果が低くなり、逆に、疎水化剤の比率が多すぎると、ゴム組成物に配合したときの補強性向上効果に劣る。
本発明に係るゴム組成物は、上記のようにして予め表面処理された無機酸化物とゴムとを混合してなるものである。粒子表面に結合・吸着された疎水化剤により、主としてゴム組成物中での分散性を向上することができる。また、これとは別に粒子表面に結合された硫黄含有有機シラン化合物が、上記官能基Aでゴムポリマーと結合することにより、主として補強性を向上することができる。そのため、該表面処理無機酸化物を配合したゴム組成物であると、その優れた分散性により低発熱性に優れるとともに、補強性が改善されることで耐摩耗性に優れる。これに対し、ゴム混合時に、無機酸化物と硫黄含有有機シラン化合物及び疎水化剤を添加、混合したのでは、粒子表面への疎水化剤の十分な結合・吸着がなされず、また硫黄含有有機シラン化合物との相乗効果も得られないことから、ゴム組成物として全く異なるものであり、上記の優れた効果も得られない。
上記ゴムとしては、硫黄含有有機シラン化合物の官能基Aと反応し得る不飽和結合を持つジエン系ゴムが好適である。ジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。
上記ゴムに対する表面処理無機酸化物の配合量は、特に限定されず、ゴム組成物の用途などに応じて適宜設定することができる。一般には、ゴム100重量部に対し、5〜200重量部にて用いることができる。また、例えば、タイヤ用ゴム組成物であれば、ジエン系ゴム100重量部に対し、10〜150重量部で用いることができ、より好ましくは20〜100重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、軟化剤、可塑剤、活性剤、カーボンブラック等の他の充填剤、滑剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。また、本発明に係る表面処理無機酸化物は、未処理のシリカ等、公知の無機酸化物、又は公知のシランカップリング剤と併用することもできる。該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー等の混合機を用いて混練し作成することができる。ゴム組成物の用途は、特に限定されないが、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。
該ゴム組成物をタイヤに用いる場合、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。特には、空気入りタイヤのトレッドゴム部に用いられることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(表面処理シリカ1(比較例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ(東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」)1000gを入れて攪拌し、硫黄含有有機シラン化合物A(デグサ社製「Si75」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)80gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ1を得た。
(表面処理シリカ2(比較例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ(東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」)1000gを入れて攪拌し、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ2を得た。
(表面処理シリカ3(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ(東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」)1000gを入れて攪拌し、硫黄含有有機シラン化合物A(デグサ社製「Si75」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)80gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ3を得た。
(表面処理シリカ4(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ラウリン酸(ナカライテスク株式会社製)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ4を得た。
(表面処理シリカ5(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、オレイン酸(ナカライテスク株式会社製)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ5を得た。
(表面処理シリカ6(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、硫黄含有有機シラン化合物A80gに代えて、硫黄含有有機シラン化合物B(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製「A−1891」、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)80gを噴霧し、その他は同様にして、表面処理シリカ6を得た。
(表面処理シリカ7(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、硫黄含有有機シラン化合物A80gに代えて、硫黄含有有機シラン化合物C(GEシリコーンズ社製「NXT」、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)80gを噴霧し、その他は同様にして、表面処理シリカ7を得た。
(表面処理シリカ8(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製「PEG6000S」、数平均分子量=8300)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ8を得た。
(表面処理シリカ9(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ポリプロピレングリコール(ナカライテスク株式会社製「ポリプロピレングリコール#2000」、数平均分子量=2000)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ9を得た。
(表面処理シリカ10(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、アニオン性界面活性剤(ラインケミー社製「アクチプラストPP」、脂肪酸亜鉛塩)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ10を得た。
(表面処理シリカ11(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、カチオン性界面活性剤(ナカライテスク株式会社製、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ11を得た。
(表面処理シリカ12(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、両性界面活性剤(花王ケミカル株式会社製「アンヒトール20AB」、ラウリン酸アミドプロピルベタイン)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ12を得た。
(表面処理シリカ13(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、高級アルコール(花王ケミカル株式会社製「カルコール8098」、ステアリルアルコール)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ13を得た。
(表面処理シリカ14(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ノニオン性界面活性剤D(花王ケミカル株式会社製「アミノーンL−02」、ラウリン酸ジエタノールアミド)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ14を得た。
(表面処理シリカ15(実施例)の作製)
表面処理シリカ3の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ノニオン性界面活性剤E(ストラクトール社製「WB222」、脂肪酸エステル)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ15を得た。
(表面処理シリカ16(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ(東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」)1000gを入れて攪拌し、硫黄含有有機シラン化合物B(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製「A−1891」、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)80gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。ノニオン性界面活性剤E(ストラクトール社製「WB222」、脂肪酸エステル)30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ16を得た。
(表面処理シリカ17(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ(東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」)1000gを入れて攪拌し、硫黄含有有機シラン化合物F(デグサ社製「VP Si363」、アルキルポリエーテル基含有メルカプトシラン)80gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ17を得た。
(表面処理シリカ18(実施例)の作製)
表面処理シリカ17の作製において、ステアリン酸30gに代えて、イソステアリン酸(東京化成工業製)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ18を得た。
(表面処理シリカ19(実施例)の作製)
表面処理シリカ17の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製「PEG6000S」)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ19を得た。
(表面処理シリカ20(実施例)の作製)
表面処理シリカ17の作製において、ステアリン酸30gに代えて、アニオン性界面活性剤(ラインケミー社製「アクチプラストPP」、脂肪酸亜鉛塩)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理シリカ20を得た。
(表面処理クレー1(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにクレー(サウスイースタン製「クラウンクレー」)1000gを入れて攪拌し、硫黄含有有機シラン化合物A(デグサ社製「Si75」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)100gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理クレー1を得た。
(表面処理クレー2(実施例)の作製)
表面処理クレー1の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製「PEG6000S」、数平均分子量=8300)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理クレー2を得た。
(表面処理クレー3(実施例)の作製)
表面処理クレー1の作製において、ステアリン酸30gに代えて、ノニオン性界面活性剤E(ストラクトール社製「WB222」、脂肪酸エステル)30gを添加し、その他は同様にして、表面処理クレー3を得た。
(ゴム組成物の評価1)
バンバリーミキサーを使用し、下記表1〜4に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表1〜4の各成分の詳細は以下の通りである。
・SSBR:スチレン−ブタジエンゴム、バイエル製「VSL5025−OHM」、
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産製「BR150B」、
・シリカ:東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」、
・硫黄含有有機シラン化合物A:デグサ社製「Si75」、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
・硫黄含有有機シラン化合物B:モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製「A−1891」、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
・硫黄含有有機シラン化合物C:GEシリコーンズ社製「NXT」、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、
・硫黄含有有機シラン化合物F:デグサ社製「VP Si363」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」、
・ラウリン酸:ナカライテクス株式会社製、
・オレイン酸:ナカライテクス株式会社製、
・ポリエチレングリコール:三洋化成工業株式会社製「PEG6000S」、数平均分子量=8300、
・ポリプロピレングリコール:ナカライテスク株式会社製「ポリプロピレングリコール#2000」、数平均分子量=2000、
・アニオン性界面活性剤:ラインケミー社製「アクチプラストPP」、脂肪酸亜鉛塩、
・カチオン性界面活性剤:ナカライテスク株式会社製、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、
・両性界面活性剤:花王ケミカル株式会社製「アンヒトール20AB」、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、
・高級アルコール:花王ケミカル株式会社製「カルコール8098」、ステアリルアルコール、
・ノニオン性界面活性剤D:花王ケミカル株式会社製「アミノーンL−02」、ラウリン酸ジエタノールアミド、
・ノニオン性界面活性剤E:ストラクトール社製「WB222」、脂肪酸エステル。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対して、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華1号」)3重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)2重量部、プロセスオイル(JOMO製「プロセスオイルX−140」)40重量部、ワックス(日本精鑞製「OZOACE0355」)2重量部、硫黄(鶴見化学工業製「5%油入微粉末硫黄」)1.5重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)1.8重量部、加硫促進剤(大内新興化学製「ノクセラーD」)2.0重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物を用いて、キャップ/ベース構造のトレッドを有するタイヤのキャップトレッドに適用し、205/65R15 94Hの空気入りラジアルタイヤを常法に従い製造し、低燃費性と耐摩耗性を評価した(使用リム:15×6.5JJ)。また、両者のバランス(耐摩耗性/低燃費性)を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・低燃費性:空気圧230kPa、荷重450kgfとして、転がり抵抗測定用の1軸ドラム試験機にて23℃で80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。結果は、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、従って低燃費性に優れることを示す。
・耐摩耗性:各タイヤを2000ccのFF車に装着して、2500km毎に前後ローテーションさせながら、10000km走行後の残溝深さを測定した。残溝は4本のタイヤの平均値とし、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
・耐摩耗性/低燃費性:低燃費性と耐摩耗性のバランスの指標であり、(耐摩耗性/低燃費性)×100により算出した。この値が高いほど良好である。
Figure 0005394026
Figure 0005394026
Figure 0005394026
Figure 0005394026
結果は表1〜4に示すとおりであり、実施例1〜18であると、硫黄含有有機シラン化合物と上記特定の疎水化剤とで表面処理したシリカを用いたことにより、シリカの分散性向上によるヒステリシスロスの低減によって、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れていた。また、補強性も改善されることで耐摩耗性にも優れていた。
これに対し、比較例2〜6,10〜23のように、ゴム混合時に、シリカと硫黄含有有機シラン化合物と疎水化剤を添加して混合したものでは、低燃費性の改善効果が小さいか、又はほとんど得られず、また耐摩耗性が悪化していた。
また、シリカを予め表面処理するも、硫黄含有有機シラン化合物のみで表面処理した表面処理シリカ1を用いた比較例7では、低燃費性の改善効果が実施例のものに比べて明らかに劣っていた。また、これにステアリン酸を追加した比較例8では、低燃費性の更なる改善効果はなく、耐摩耗性が悪化してしまった。また、予めステアリン酸で表面処理しただけの表面処理シリカ2を用い、硫黄含有有機シラン化合物をゴム混合時に添加した比較例9では、低燃費性及び耐摩耗性ともに不十分であった。
以上のように、実施例1〜18であると、硫黄含有有機シラン化合物と特定の疎水化剤とで表面処理したシリカを用いたことにより、これら表面処理の単なる組合せとは到底いえない程の、当業者の予測を超える優れた低燃費性と耐摩耗性の向上効果が得られた。
(ゴム組成物の評価2)
バンバリーミキサーを使用し、下記表5に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表5の各成分について、クレーはサウスイースタン製「クラウンクレー」であり、その他の成分は表1〜4と同じである。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対して、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華1号」)3重量部、プロセスオイル(JOMO製「プロセスオイルX−140」)40重量部、ワックス(日本精鑞製「OZOACE0355」)2重量部、硫黄(鶴見化学工業製「5%油入微粉末硫黄」)1.5重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)1.8重量部、加硫促進剤(大内新興化学製「ノクセラーD」)2.0重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物を用いて、上記ゴム組成物の評価1と同様に、空気入りラジアルタイヤを作製し、低燃費性と耐摩耗性を評価した。結果を表5に示す(結果は、比較例24の値を100とした指数で表示)。
Figure 0005394026

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、脂肪酸、ポリエーテル、高級アルコール及び界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の疎水化剤とで表面処理された表面処理無機酸化物と、
    ゴムと、
    を混合してなるゴム組成物。
    (R(RSi−A …(1)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Aは硫黄原子を含む官能基、m=1〜3、m+n=3である。)
  2. 前記一般式(1)中のAが、下記一般式(2)〜(4)のいずれかである請求項1記載のゴム組成物
    −R−S−R−Si(R(R …(2)
    −R−SH …(3)
    −R−S−CO−R …(4)
    (式中、R,Rはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、xは2〜8である。)
  3. 前記表面処理無機酸化物が、粒子表面を前記硫黄含有有機シラン化合物で処理した後、前記疎水化剤で処理したものであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 前記疎水化剤が、炭素数5〜30の脂肪酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記疎水化剤が、ポリアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記疎水化剤が、脂肪酸金属塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルベタイン、脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミドからなる群より選択される少なくも1種の界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴムがジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるゴム部分を有する空気入りタイヤ。
  9. 下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、
    ポリアルキレングリコール、アルキルアンモニウム塩、アルキルベタイン及び脂肪族アルカノールアミドからなる群から選択される少なくとも1種の疎水化剤とで表面処理されたことを特徴とする表面処理無機酸化物。
    (R(RSi−A …(1)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Aは硫黄原子を含む官能基、m=1〜3、m+n=3である。)
  10. 前記硫黄含有有機シラン化合物が粒子表面のヒドロキシル基に結合され、前記疎水化剤が粒子表面のヒドロキシル基に対して相互作用により結合又は吸着されたことを特徴とする請求項9記載の表面処理無機酸化物。
  11. 前記一般式(1)中のAが、下記一般式(2)〜(4)のいずれかである請求項9又は10記載の表面処理無機酸化物。
    −R−S−R−Si(R(R …(2)
    −R−SH …(3)
    −R−S−CO−R …(4)
    (式中、R,Rはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、xは2〜8である。)
  12. 粒子表面を前記硫黄含有有機シラン化合物で処理した後、前記疎水化剤で処理したものであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の表面処理無機酸化物。
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