JP5436820B2 - 表面処理無機酸化物、並びにそれを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

表面処理無機酸化物、並びにそれを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、表面処理により疎水化された無機酸化物、該無機酸化物を含むゴム組成物、及び、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
シリカなどの無機酸化物は、ゴム組成物や樹脂組成物への充填剤をはじめとして各種の用途に用いられている。無機酸化物には、粒子表面にヒドロキシル基を有する親水性無機酸化物があり、例えば、シリカの場合、粒子表面にシラノール基(Si−OH)を有している。このように粒子表面にヒドロキシル基が存在すると、その影響により無機酸化物の粒子が凝集しやすく、分散性に劣るという問題がある。そのため、親水性無機酸化物を疎水化剤で表面処理することにより疎水化してなる表面処理無機酸化物(以下、疎水性無機酸化物ということもある。)が知られている。
ところで、一般に、空気入りタイヤにおいては、低燃費性、良好な耐摩耗性、高グリップ力などの要求性能がある。そのうち、低燃費性の向上のためには、タイヤを構成するゴム組成物のヒステリシスロスを低減して低発熱性にすることが有効である。そこで、タイヤ用ゴム組成物において、充填剤としてのカーボンブラックをシリカで置換し、更にシランカップリング剤(硫黄含有有機シラン化合物)を配合することが行われている。
しかしながら、空気入りタイヤの低燃費化は、最近ますますその要求レベルが高くなっており、ゴム組成物のヒステリシスロスを従来にも増して低減することが求められる。その一方で、タイヤとしての良好な耐摩耗性を確保するため、ゴム組成物には優れた補強性も要求される。このような観点から、充填剤として用いられる上記無機酸化物の更なる改良が望まれる。
下記特許文献1には、チオシアネート基またはスルフィド結合を持ったアルコキシシラン化合物によって表面処理した無水酸化物の製造方法、及びそのゴム組成物への配合が提案されている。しかしながら、この文献は、シリカ自体の貯蔵安定性を向上するために、スルフィドシランカップリング剤等の有機珪素化合物を用いた所定の変性法によってシリカを表面処理することを開示したものであり、このようなシリカではゴム組成物中での分散性が不十分であり、低燃費性の改良効果が小さい。
下記特許文献2には、補強性を損なうことなく、シリカの分散性を向上させるために、3−オクタノイルチオ−プロピルトリアルコキシシランで表面処理したシリカをゴム組成物に配合することが提案されている。このような特定のシランカップリング剤で表面処理することによってシリカの分散性を向上することはできるものの、これのみではゴムへの分散性が不十分であり、低燃費性、耐摩耗性の改良効果が小さい。
一方、下記特許文献3には、シリカをアミノアルキルシラン化合物で処理し、その後、カルボン酸、アルキルケテンダイマーおよびジイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の疎水化剤と反応させて得られる疎水性シリカが提案されている。しかしながら、この文献は、一般塗料における光老化防止性能の向上等を目的として単にシリカの疎水性を高めたものにすぎず、ゴムや樹脂の耐摩耗性向上および機械的強度の補強性向上の点も課題として挙げられているものの、実際にゴム組成物に配合すると、耐摩耗性に劣り、低発熱性の点でも不十分である。
また、下記特許文献4には、有機珪素化合物によって所定の疎水化度に表面処理されたシリカをジエン系ゴムに配合、混練してなるゴム組成物が開示されている。この文献では、上記部分疎水化したシリカとともに、シランカップリング剤を配合することが開示されているが、シランカップリング剤はゴム混合時に添加されている。そのため、シリカの分散性が不十分であり、低発熱性の改良効果が小さく、補強性も十分とは言えない。
下記特許文献5には、ジエン系ゴムに予め疎水化されたシリカを配合したゴム組成物を用いてなるタイヤが開示されており、予め疎水化されたシリカとして、オルガノメルカプトシランとアルコキシアルキルシランを用いて処理したシリカが開示されている。このようにメルカプトシランカップリング剤とアルコキシアルキルシランを用いて表面処理したシリカは開示されているが、低発熱性と補強性の点で更なる改良が求められる。
下記特許文献6には、タイヤを構成するゴム組成物において、充填剤としてのシリカとともに、ビスー(3ートリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のシリカカップラーと、n−オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水化剤とを配合することが開示されている。しかしながら、この文献は、上記シリカカップラーと疎水化剤を、ゴム混合時にシリカとともに配合するものであって、シリカを予め表面処理するものではない。
特開平05−017705号公報 WO2005/049493 特開2006−117445号公報 特開平08−176345号公報 特開2001−354805号公報 特開平10−001565号公報
上記特許文献1〜5のように、従来シリカ等の無機酸化物を表面処理することは知られており、また、かかる表面処理したシリカをゴム組成物に配合することも知られている。しかしながら、無機酸化物をシランカップリング剤と有機シラン化合物と脂肪酸とで予め処理してなる表面処理無機酸化物は知られておらず、従って、それをゴム組成物に配合して空気入りタイヤを形成することも知られていなかった。
本発明は、以上の点に鑑み、ゴム組成物に配合した場合に優れた低発熱性と耐摩耗性を付与することができる表面処理無機酸化物、並びに、これを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る表面処理無機酸化物は、粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に結合された下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に下記一般式(2)で表される有機シラン化合物を介して結合された脂肪酸とを有するものである。
(R(RSi−R−S−R …(1)
(R(RSi−R …(2)
式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは水素又は炭素数1〜18のアシル基であり、m=1〜3、m+n=3である。また、式(2)中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは−R−SH又は−R−(NH−R10−NHであり、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基であり、p=1〜3、p+q=3、r=0〜5である。
本発明に係るゴム組成物は、上記表面処理無機酸化物とゴムとを混合してなるものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いてなるゴム部分を有するものである。
本発明の表面処理無機酸化物であると、硫黄含有有機シラン化合物とともに、有機シラン化合物を介して粒子表面に結合された疎水化剤としての脂肪酸を有するため、ゴム組成物に配合したときの分散性に優れ、低発熱性に優れるとともに、補強性が改善されることで耐摩耗性に優れる。
より詳細には、硫黄含有有機シラン化合物による表面処理だけの無機酸化物では、ゴムへの分散性に乏しい。また、有機シラン化合物と脂肪酸だけで表面処理した無機酸化物では、ゴムとの反応部位を持たないため、ゴムとの補強性に乏しい。有機シラン化合物を介して結合された疎水化剤としての脂肪酸と、ゴムとの反応部位を持つ硫黄含有有機シラン化合物とを粒子表面に結合した状態に備えることで、ゴムへの補強性とゴムへの分散性を兼ね備えた疎水性無機酸化物となり、低発熱性と耐摩耗性において顕著な相乗効果が得られる。なお、ゴム混合時に、無機酸化物と硫黄含有有機シラン化合物及び脂肪酸を添加、混合したのでは、このような優れた効果は得られず、予め表面処理することによって、上記効果が得られるものである。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明において表面処理対象となる無機酸化物は、粒子表面にヒドロキシル基を有するもの(即ち、親水性無機酸化物)であり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、タルク、珪藻土などが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。無機酸化物としては特にシリカが好ましく、シリカとしては、湿式沈殿法シリカ、湿式ゲル化法シリカ、乾式シリカなどが挙げられる。
本発明で用いられる上記硫黄含有有機シラン化合物は、粒子表面のヒドロキシル基に結合されるものであり、上記一般式(1)に示すように、無機酸化物のヒドロキシル基(シリカの場合、シラノール基)と反応し得るアルコキシ基と、ゴムポリマーと反応し得る官能基としてのメルカプト基(アシル基で保護されてもよい。)とを有するものである。
式(1)中、Rは、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。また、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rについて、上記アルキルポリエーテル基とは、−O−(R−O)−R(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキル基、k=1〜20であることが好ましい。)で表される。Rは、炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。
は、上記のように水素又は炭素数1〜18のアシル基である。式(1)で表されるシラン化合物は、Rが水素の場合はメルカプトシランカップリング剤であり、Rがアシル基の場合は保護化メルカプトシランカップリング剤である。アシル基の炭素数は5〜9であることが好ましい。
式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物として、好適な具体例を挙げれば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びデグサ社製「VP Si363」(R:OC、R:O(CO)−C1327、R:−(CH−、R:H、m=平均1、n=平均2、k=平均5)などのメルカプトシランカップリング剤、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシランなどの保護化メルカプトシランカップリング剤が挙げられ、これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる上記有機シラン化合物は、粒子表面のヒドロキシル基に結合されるものであり、上記一般式(2)に示すように、無機酸化物のヒドロキシル基(シリカの場合、シラノール基)と反応し得るアルコキシ基と、脂肪酸との結合部位としてメルカプト基又はアミノ基を持つ。
式(2)中、Rは、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。また、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。Rについて、上記アルキルポリエーテル基とは、−O−(R−O)−R(ここで、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキル基、k=1〜20であることが好ましい。)で表される。
は、上記のように、−R−SH(式中、Rは炭素数1〜16のアルキレン基)、又は、−R−(NH−R10−NH(式中、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基、r=0〜5)である。
前者のようにRがメルカプト基を有する場合、式(2)のシラン化合物は、式(1)と同様に硫黄含有有機シラン化合物となる。この場合、式(1)のRが水素であると、式(1)及び(2)ともにメルカプトシランカップリング剤となるため、両者同じ化合物を用いることもできる。すなわち、この場合、式(1)と(2)のシラン化合物として同じ化合物を用いて、無機酸化物の表面に結合させた後、そのうちの一部のシラン化合物に対して脂肪酸を結合させるようにしてもよい。もちろん、式(1)のRがアシル基のものを組み合わせて用いることもできる。
一方、後者のようにRがアミノ基を有する場合、式(2)のシラン化合物はアミノシラン化合物となる。この場合も、式(1)のRとしては水素とアシル基のいずれのものと組み合わせてもよい。Rが水素であって式(1)のシラン化合物がメルカプト基を有する場合、脂肪酸は、式(2)のアミノ基だけでなく、式(1)のメルカプト基にも反応し得るが、通常はアミノ基との反応が優位に進むため、式(2)のシラン化合物に優先的に結合する。但し、式(1)のシラン化合物に結合してもよく、その場合も本発明に包含される。
上記Rは、炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。また、Rは、炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。R10は、炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。更に、rは、より好ましくは0〜2である。
式(2)で表される有機シラン化合物として、好適な具体例を挙げれば、アミノシラン化合物として、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられ、特に好ましくは2−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。また、式(2)で表される有機シラン化合物として、メルカプトシラン化合物としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びデグサ社製「VP Si363」(R:OC、R:O(CO)−C1327、R:−(CH−SH、p=平均1、q=平均2、k=平均5)などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
上記脂肪酸は、有機シラン化合物のアミノ基又はメルカプト基と反応結合することにより有機シラン化合物を介して粒子表面のヒドロキシル基に結合されるものである。脂肪酸としては、無機酸化物に高い疎水性を付与するために、炭素数が5以上であることが好ましく、より好ましくは炭素数が10以上の化合物である。炭素数の上限は特に限定されないが、通常は30以下であり、好ましくは20以下である。
脂肪酸としては、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖構造でも分岐構造を持つものでもよい。具体的には、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニル酸等が挙げられ、これらはいずれか1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係る表面処理無機酸化物は、無機酸化物の粒子表面のヒドロキシル基に結合された上記硫黄含有有機シラン化合物と、粒子表面のヒドロキシル基に上記有機シラン化合物を介して結合された脂肪酸とを有するものである。かかる表面処理無機酸化物は、親水性無機酸化物を上記硫黄含有有機シラン化合物と有機シラン化合物と脂肪酸とで表面処理することにより得られる。好ましくは次の製造方法により得られるものである。
(A)粒子表面を、まず、上記式(1)の硫黄含有有機シラン化合物と上記式(2)の有機シラン化合物とで処理し、次いで、脂肪酸で処理する方法、
(B)粒子表面を、まず、上記式(1)の硫黄含有有機シラン化合物で処理し、次いで、上記式(2)の有機シラン化合物で処理し、その後、脂肪酸で処理する方法、
(C)粒子表面を、まず、上記式(2)の有機シラン化合物で処理し、次いで、上記式(1)の硫黄含有有機シラン化合物で処理し、その後、脂肪酸で処理する方法。
このようにして得られた表面処理無機酸化物であると、上記3つの処理剤を全て同時に無機酸化物に添加して表面処理する場合に比べて、硫黄含有有機シラン化合物と有機シラン化合物の粒子表面に対する結合をより確実にし、かつ有機シラン化合物に対する脂肪酸の結合をより確実にすることができ、低発熱性と耐摩耗性の向上効果を高めることができる。上記の中でも特に製造方法(B)が硫黄含有有機シラン化合物の無機酸化物に対する結合をより確実なものとして、優れた補強性を確保できることから好ましい。
なお、表面処理の具体的手法自体は特に限定されるものではなく、通常の疎水化表面処理方法に準じて行うことができる。例えば、ミキサーやブレンダー中で、無機酸化物を攪拌しながら、上記3成分を適宜添加すればよい。なお、これらの表面処理は、水やイソプロピルアルコールなどの溶媒中にシリカを分散させた状態で行うこともできるが、溶媒を用いることなく、乾式工程で表面処理を行うことが、最終工程で溶媒を除去する必要がないことから好ましい。
上記式(1)の硫黄含有有機シラン化合物の使用量は、親水性無機酸化物100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは4〜15重量部である。硫黄含有有機シラン化合物の使用量が少なすぎると、ゴム組成物に配合したときの補強性向上効果に劣る。また、その使用量が多すぎると、コストが高く不経済であるとともに、脂肪酸を導入するための上記式(2)の有機シラン化合物の無機酸化物表面に対する結合量が少なくなる。
上記式(2)の有機シラン化合物の使用量は、親水性無機酸化物100重量部に対して0.8〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。有機シラン化合物の使用量が少なすぎると、ゴム組成物に対する分散性の向上効果に劣る。また、その使用量が多すぎると、コストが高く不経済であるとともに、上記式(1)の硫黄含有有機シラン化合物の無機酸化物表面に対する結合量が少なくなる。
式(1)の硫黄含有有機シラン化合物と式(2)の有機シラン化合物のモル比は、10:1〜1:5であることが好ましく、より好ましくは8:1〜1:1である。式(1)の化合物の比率が多すぎると、ゴム組成物に対する分散性の向上効果が低くなり、逆に、式(2)の化合物の比率が多すぎると、ゴム組成物に配合したときの補強性向上効果に劣る。
本発明に係るゴム組成物は、上記のようにして予め表面処理された無機酸化物とゴムとを混合してなるものである。式(2)の有機シラン化合物との結合反応によって粒子表面に固着された脂肪酸の疎水性基としての炭化水素基により、主としてゴム組成物中での分散性を向上することができる。また、これとは別に粒子表面に結合された硫黄含有有機シラン化合物が、そのメルカプト基にてゴムポリマーと結合することにより、主として補強性を向上することができる。そのため、該表面処理無機酸化物を配合したゴム組成物であると、無機酸化物の優れた分散性により低発熱性に優れるとともに、補強性が改善されることで耐摩耗性に優れる。これに対し、ゴム混合時に、無機酸化物と上記硫黄含有有機シラン化合物、有機シラン化合物及び脂肪酸を添加、混合したのでは、上記有機シラン化合物を介した脂肪酸の無機酸化物表面への固着構成は得られず、硫黄含有有機シラン化合物との相乗効果も得られないことから、ゴム組成物として全く異なるものであり、上記の優れた効果も得られない。
上記ゴムとしては、硫黄含有有機シラン化合物のメルカプト基ないし保護化メルカプト基と反応し得る不飽和結合を持つジエン系ゴムが好適である。ジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。
上記ゴムに対する表面処理無機酸化物の配合量は、特に限定されず、ゴム組成物の用途などに応じて適宜設定することができる。一般には、ゴム100重量部に対し、5〜200重量部にて用いることができる。また、例えば、タイヤ用ゴム組成物であれば、ジエン系ゴム100重量部に対し、10〜150重量部で用いることができ、より好ましくは20〜100重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記の他、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、軟化剤、可塑剤、活性剤、カーボンブラック等の他の充填剤、滑剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。また、本発明に係る表面処理無機酸化物は、未処理のシリカ等、公知の無機酸化物、又は公知のシランカップリング剤と併用することもできる。該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー等の混合機を用いて混練し作成することができる。ゴム組成物の用途は、特に限定されないが、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。
該ゴム組成物をタイヤに用いる場合、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。特には、空気入りタイヤのトレッドゴム部に用いられることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[表面処理無機酸化物の作製]
各作製例で用いた成分の詳細は以下の通りである。
・シリカ:東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」、
・クレー:サウスイースタン社製「クラウンクレー」、
・珪藻土:昭和化学工業株式会社製「ラヂオライトF」、
・シラン化合物A:モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製「A−1891」、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
・シラン化合物B:東レ・ダウコーニング株式会社製「Z−6011」、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
・シラン化合物C:東レ・ダウコーニング株式会社製「Z−6023」、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
・シラン化合物D:GEシリコーンズ社製「NXT」、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、
・シラン化合物E:デグサ社製「VP Si363」、
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」、
・ラウリン酸(ドデカン酸):ナカライテスク株式会社製。
(表面処理シリカ1(比較例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ1を得た。
(表面処理シリカ2(比較例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gを噴霧した。続いて、シラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gを噴霧し、20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ2を得た。
(表面処理シリカ3(比較例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物D(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)60gを噴霧した。20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ3を得た。
(表面処理シリカ4(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gとシラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gの混合液を噴霧した。更にステアリン酸30gを添加し、撹拌を続けて温度を120℃に上昇させた。30分間攪拌を続け、表面処理シリカ4を得た。
(表面処理シリカ5(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gとシラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gの混合液を噴霧した。20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。次いで、ステアリン酸30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ5を得た。
(表面処理シリカ6(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gを噴霧して、20分間撹拌を続けた。次いで、シラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gを噴霧し、20分間撹拌した。その後、ステアリン酸30gを添加し、20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ6を得た。
(表面処理シリカ7(実施例)の作製)
表面処理シリカ6の作製において、シラン化合物Bに代えて、シラン化合物C(3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を用い、その他は同様にして、表面処理シリカ7を得た。
(表面処理シリカ8(実施例)の作製)
表面処理シリカ6の作製において、シラン化合物Aに代えて、シラン化合物D(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)を用い、その他は同様にして、表面処理シリカ8を得た。
(表面処理シリカ9(実施例)の作製)
表面処理シリカ6の作製において、シラン化合物Aに代えて、シラン化合物D(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)を用い、シラン化合物Bに代えてシラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)を用い、その他は同様にして、表面処理シリカ9を得た。
(表面処理シリカ10(実施例)の作製)
表面処理シリカ6の作製において、ステアリン酸に代えて、ラウリン酸を用い、その他は同様にして、表面処理シリカ10を得た。
(表面処理シリカ11(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物E(アルキルポリエーテル基含有メルカプトシラン)60gとシラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gの混合液を噴霧した。20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。次いで、ステアリン酸30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ11を得た。
(表面処理シリカ12(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物E(アルキルポリエーテル基含有メルカプトシラン)60gを噴霧して、20分間攪拌を続けた。次いで、シラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gを噴霧し、20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。その後、ステアリン酸30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ12を得た。
(表面処理シリカ13(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにシリカ1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)60gを噴霧して、20分間攪拌を続けた。次いで、シラン化合物E(アルキルポリエーテル基含有メルカプトシラン)20gを噴霧し、20分間攪拌を続け、温度を120℃に上昇させた。その後、ステアリン酸30gを添加し、更に30分間攪拌を続け、表面処理シリカ13を得た。
(表面処理クレー1(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーにクレー1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)60gを噴霧した。続いて、シラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gを噴霧し、20分間攪拌した。次に、ステアリン酸30gを添加し、20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理クレー1を得た。
(表面処理珪藻土1(実施例)の作製)
100℃に予熱したヘンシェルミキサーに珪藻土1000gを入れて攪拌し、シラン化合物A(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)60gを噴霧した。続いて、シラン化合物B(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)20gを噴霧し、20分間攪拌した。次に、ステアリン酸30gを添加し、20分間撹拌を続け、温度を120℃に上昇させた。更に30分間攪拌を続け、表面処理珪藻土1を得た。
[ゴム組成物の評価1]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表1の各成分の詳細は以下の通りである。
・SSBR:スチレン−ブタジエンゴム、バイエル製「VSL5025−OHM」、
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産製「BR150B」、
・シリカ:東ソーシリカ株式会社製「ニップシールAQ」、
・シラン化合物A:モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製「A−1891」、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
・シラン化合物B:東レ・ダウコーニング株式会社製「Z−6011」、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
・シラン化合物C:東レ・ダウコーニング株式会社製「Z−6023」、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
・シラン化合物D:GEシリコーンズ社製「NXT」、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」、
・ラウリン酸:ナカライテスク株式会社製。
各ゴム組成物には、共通配合として、ジエン系ゴム100重量部に対して、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華1号」)3重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)2重量部、プロセスオイル(JOMO製「プロセスオイルX−140」)40重量部、ワックス(日本精鑞製「OZOACE0355」)2重量部、硫黄(鶴見化学工業製「5%油入微粉末硫黄」)1.5重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)1.8重量部、加硫促進剤(大内新興化学製「ノクセラーD」)2.0重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物を用いて、キャップ/ベース構造のトレッドを有するタイヤのキャップトレッドに適用し、205/65R15 94Hの空気入りラジアルタイヤを常法に従い製造し、低燃費性と耐摩耗性を評価した(使用リム:15×6.5JJ)。また、両者のバランス(耐摩耗性/低燃費性)を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・低燃費性:空気圧230kPa、荷重450kgfとして、転がり抵抗測定用の1軸ドラム試験機にて23℃で80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。結果は、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、転がり抵抗が小さく、従って低燃費性に優れることを示す。
・耐摩耗性:各タイヤを2000ccのFF車に装着して、2500km毎に前後ローテーションさせながら、10000km走行後の残溝深さを測定した。残溝は4本のタイヤの平均値とし、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
・耐摩耗性/低燃費性:低燃費性と耐摩耗性のバランスの指標であり、(耐摩耗性/低燃費性)×100により算出した。この値が高いほど良好である。
Figure 0005436820
結果は表1に示すとおりであり、実施例1〜7であると、式(1)の硫黄含有有機シラン化合物と式(2)の有機シラン化合物と脂肪酸とで表面処理した疎水性シリカを用いたことにより、シリカの分散性向上によるヒステリシスロスの低減によって、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れていた。また補強性も改善されることで耐摩耗性にも優れていた。
これに対し、比較例2〜6のように、ゴム混合時に、シリカと、硫黄含有有機シラン化合物や有機シラン化合物、脂肪酸を添加して混合したものでは、比較例1に対し、低燃費性の改善効果は得られないか、小さく、また耐摩耗性が悪化していた。
また、シリカを予め表面処理するも、メルカプトシラン化合物や保護化メルカプトシラン化合物のみで表面処理した表面処理シリカ1,3を用いた比較例7,10では、ゴムへの分散性に乏しく、低燃費性の改善効果が実施例に対して明確に劣っていた。また、これにアミノシラン化合物とステアリン酸をゴム混合時に添加した比較例8,11では、低燃費性の更なる改善効果はなく、耐摩耗性が悪化してしまった。
一方、予めメルカプトシラン化合物とアミノシラン化合物で表面処理しただけの疎水性シリカ2を用いた比較例9では、ゴムへの分散性に乏しく、低燃費性の改善効果が小さかった。
以上のように、実施例1〜7であると、硫黄含有有機シラン化合物とともに、有機シラン化合物を介して粒子表面に結合された脂肪酸を有する疎水性シリカをタイヤトレッドに用いたことにより、これら表面処理の単なる組合せとは到底いえない程の、当業者の予測を超える優れた低燃費性と耐摩耗性の向上効果が得られた。
[ゴム組成物の評価2]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表2の各成分について、クレーはサウスイースタン社製「クラウンクレー」であり、その他の成分は表1と同じである。また、共通配合として各ゴム組成物に配合した添加剤も、上記ゴム組成物の評価1と同様である。
得られた各ゴム組成物を用いて、上記ゴム組成物の評価1と同様に、空気入りラジアルタイヤを作製し、低燃費性と耐摩耗性を評価した。結果を表2に示す(結果は、比較例12の値を100とした指数で表示)。
Figure 0005436820
[ゴム組成物の評価3]
バンバリーミキサーを使用し、下記表3に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表3の各成分について、珪藻土は昭和化学工業株式会社製「ラヂオライトF」であり、その他の成分は表1と同じである。また、共通配合として各ゴム組成物に配合した添加剤も、上記ゴム組成物の評価1と同様である。
得られた各ゴム組成物を用いて、上記ゴム組成物の評価1と同様に、空気入りラジアルタイヤを作製し、低燃費性と耐摩耗性を評価した。結果を表3に示す(結果は、比較例16の値を100とした指数で表示)。
Figure 0005436820
[ゴム組成物の評価4]
バンバリーミキサーを使用し、下記表4に示す配合に従い、各成分を添加混合してゴム組成物を調製した。表4の各成分について、シラン化合物Eはデグサ社製「VP Si363」であり、その他の成分は表1と同じである。また、共通配合として各ゴム組成物に配合した添加剤も、上記ゴム組成物の評価1と同様である。
得られた各ゴム組成物を用いて、上記ゴム組成物の評価1と同様に、空気入りラジアルタイヤを作製し、低燃費性と耐摩耗性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005436820

Claims (10)

  1. 粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に結合された下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に下記一般式(2)で表される有機シラン化合物を介して結合された脂肪酸とを有する表面処理無機酸化物と、ゴムと、を混合してなるゴム組成物
    (R(RSi−R−S−R …(1)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは水素又は炭素数1〜18のアシル基であり、m=1〜3、m+n=3である。)
    (R(RSi−R …(2)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは−R−SH又は−R−(NH−R10−NHであり、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基であり、p=1〜3、p+q=3、r=0〜5である。)
  2. 前記表面処理無機酸化物が、粒子表面を、前記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、前記一般式(2)で表される有機シラン化合物とで処理した後、前記脂肪酸で処理することにより得られたものである請求項1記載のゴム組成物
  3. 前記表面処理無機酸化物が、粒子表面を、前記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物で処理し、次いで前記一般式(2)で表される有機シラン化合物で処理した後、前記脂肪酸で処理することにより得られたものである請求項1記載のゴム組成物
  4. 前記脂肪酸が、炭素数5〜30の脂肪酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物
  5. 前記ゴムがジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるゴム部分を有する空気入りタイヤ。
  7. 粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に結合された下記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、粒子表面に処理することで当該粒子表面のヒドロキシル基に下記一般式(2)で表される有機シラン化合物を介して結合された脂肪酸とを有する表面処理無機酸化物。
    (R(RSi−R−S−R …(1)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、R は炭素数1〜18のアシル基であり、m=1〜3、m+n=3である。)
    (R(RSi−R …(2)
    (式中、Rは炭素数1〜3のアルコキシ基、Rは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基、Rは−R−SH又は−R−(NH−R10−NHであり、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、Rは炭素数1〜16のアルキレン基、R10は炭素数1〜4のアルキレン基であり、p=1〜3、p+q=3、r=0〜5である。)
  8. 粒子表面を、前記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物と、前記一般式(2)で表される有機シラン化合物とで処理した後、前記脂肪酸で処理することにより得られたものである請求項記載の表面処理無機酸化物。
  9. 粒子表面を、前記一般式(1)で表される硫黄含有有機シラン化合物で処理し、次いで前記一般式(2)で表される有機シラン化合物で処理した後、前記脂肪酸で処理することにより得られたものである請求項記載の表面処理無機酸化物。
  10. 前記脂肪酸が、炭素数5〜30の脂肪酸であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の表面処理無機酸化物。
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