JP5382276B1 - 鏡筒一体型レンズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

溶融ガラス滴成形法を用い、材質が金属からなる鏡筒(100)にガラス成形体(50)を一体的に成形する鏡筒一体型レンズの製造方法であって、第2円筒状開口部(102)側から、貫通開口部に上型円柱状型(23)を挿入し、溶融ガラス滴(50)が接続開口部(103)に圧接するように溶融ガラス滴(50)を下型円柱状型(12)と上型円柱状型(23)とにより加圧成形する。

Description

本発明は、鏡筒一体型レンズの製造方法に関する。
鏡筒の内部にガラス成形体を一体的に形成した光学部品が、特開平03−265529号公報(特許文献1)および特開平08−75973号公報(特許文献2)に開示されている。
いずれの文献においても、球形状のレンズ素材を準備し、鏡筒の内部においてレンズ素材を軟化点以上の温度に加熱し、形成のために加圧する製造方法が開示されている。
特開平03−265529号公報 特開平08−75973号公報
上記光学部品の製造方法においては、あらかじめ球形状のレンズ素材を準備する必要がある。このレンズ素材を準備する工程においては、光学部品としてのレンズを準備する工程であるため、高い製造技術と製造コストが必要となる。
また、上記製造工程によって得られた球形状のレンズ素材に対して、さらに、鏡筒の内部の所定位置に配置する工程、および、加熱および形成工程が必要となる。その結果、製造プロセスに多くの工程が必要となる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、製造工程の短縮を図ることが可能な鏡筒一体型レンズの製造方法を提供することにある。
この発明に基づいた鏡筒一体型レンズの製造方法においては、溶融ガラス滴成形法を用い、材質が金属からなる鏡筒にガラス成形体を一体的に成形する鏡筒一体型レンズの製造方法であって、上記溶融ガラス滴成形法は、下型と上型とを用い、上記下型上に溶融ガラス滴を滴下した後、上記下型と上記上型とにより上記溶融ガラス滴を加圧成形する方法である。
上記下型は、上端面に上記溶融ガラス滴を加圧する光学面を有し上記上型側に向かって延びる下型円柱状型を含み、上記上型は、上記下型円柱状型に対して対向し、下端面に上記溶融ガラス滴を加圧する光学面を有し上記下型側に向かって延びる上型円柱状型を含む。
上記鏡筒は、軸方向に延びる貫通開口部を含み、上記貫通開口部は、上記下型側に位置し、上記溶融ガラス滴の成形時に、上記下型円柱状型が挿入される第1円筒状開口部と、上記上型側に位置し、上記溶融ガラス滴の成形時に、上記上型円柱状型が上記上型円柱状型の周囲に対して隙間が生じるように挿入され、上記第1円筒状開口部の直径よりも大きい直径を有する第2円筒状開口部と、上記第1円筒状開口部と上記第2円筒状開口部とを連結する接続開口部とを有する。
当該鏡筒一体型レンズの製造方法は、上記貫通開口部の上記第1円筒状開口部側から、上記下型円柱状型の上端部が上記第1円筒状開口部の軸方向の途中に位置し上記第1円筒状開口部の上記接続開口部側の内周面の一部が露出するように、上記貫通開口部に上記下型円柱状型を挿入する工程と、上記下型円柱状型の上記上端面と上記第1円筒状開口部の露出した開口面によって囲まれた領域において、上記接続開口部の露出した開口面には接触しないように、かつ、上記鏡筒の上記第1円筒状開口部の上端を起点として表面張力により略球面形状となるように、上記第2円筒状開口部側から所定量の上記溶融ガラス滴を滴下させる工程と、上記第2円筒状開口部側から、上記貫通開口部に上記上型円柱状型を挿入し、上記溶融ガラス滴が上記接続開口部に圧接するように上記溶融ガラス滴を上記下型円柱状型と上記上型円柱状型とにより加圧成形する工程とを含む。
この発明に基づいた鏡筒一体型レンズの製造方法によれば、製造工程の短縮を図ることが可能な鏡筒一体型レンズの製造方法を提供することを可能とする。
実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造方法のフローチャートである。 実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造装置を用いた製造フローの第1模式図である。 実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造装置を用いた製造フローの第2模式図である。 実施の形態1に用いる鏡筒の平面図である。 実施の形態1に用いる鏡筒の、図4中のV−V線矢視断面図である。 実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図である。 実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図である。 実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズの断面図である。 溶融ガラス滴の滴下経過時間と溶融ガラス滴および鏡筒の温度変化との関係を示す図である。 実施の形態2に用いる鏡筒の断面図である。 図10中のXIで囲まれた領域の拡大断面図である。 実施の形態2の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図である。 実施の形態2の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図である。 実施の形態2の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズの断面図である。 実施の形態3に用いる鏡筒の断面図である。 図15中のXVIで囲まれた領域の拡大断面図である。 実施の形態3の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図である。 図17中のXVIIIで囲まれた領域の拡大断面図である。 実施の形態3の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図である。 実施の形態3の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズの断面図である。
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
(実施の形態1)
以下、図1〜図3を参照して、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法について説明する。図1は、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法のフローチャート、図2および図3は鏡筒一体型レンズの製造装置を用いた製造フローの模式図であり、図2は下型に溶融ガラス滴を滴下する工程(S104)における状態を示し、図3は、滴下した溶融ガラス滴を下型と上型とでプレスする工程(S106)における状態を示している。
(鏡筒一体型レンズの製造装置)
図2、図3に示すガラス成形体の製造装置は、溶融ガラス滴50をプレスするための成形金型として、下型10と上型20とを有している。
上型20は、基材22を有し、この基材22には、後述する下型10に設けられる下型円柱状型12に対して対向し、下型10側に向かって延びる上型円柱状型23を含む。この上型円柱状型23の下端面には、溶融ガラス滴50をプレスする光学面(凹面)23aが形成されている。上型円柱状型23の直径は、約1.5mm〜約4mm程度である。
基材22の材質は、溶融ガラス滴50をプレス成形する成形金型の材質として公知の材質の中から、条件に応じて適宜選択して用いることができる。好ましく用いることができる材質として、たとえば、各種耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素等)、カーボンを含んだ複合材料等が挙げられる。
下型10は、基材11を有し、この基材11には、上型円柱状型23に対して対向し、上型20側に向かって延びる下型円柱状型12を含む。この下型円柱状型12の上端面には、溶融ガラス滴50をプレスする光学面(凹面)12aが形成されている。下型円柱状型12の直径は、約1mm〜約3mm程度である。
下型10の基材11の材質は、上型20の基材22と同様の材質の中から適宜選択して用いればよい。下型10の基材11の材質と上型20の基材22の材質は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
下型10と上型20は、図示しない加熱手段によってそれぞれ所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段は、公知の加熱手段を適宜選択して用いることができる。たとえば、下型10や上型20の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、外側に接触させて使用するシート状のヒーター、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等が挙げられる。下型10と上型20とをそれぞれ独立して温度制御できるように構成することがより好ましい。
下型10は、図示しない駆動手段により、溶融ガラス滴50を受けるための位置(滴下位置P1)と、上型20と対向してプレス成形を行なうための位置(加圧位置P2)との間を、ガイド65に沿って移動可能に構成されている(図2、図3中の矢印S方向)。
上型20は、図示しない駆動手段により、溶融ガラス滴50をプレスする方向(図2、図3中の上下方向(矢印F方向))に移動可能に構成されている。なお、ここでは、上型20のみがプレス方向に移動する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、下型10がプレス方向に移動する構成としてもよいし、下型10と上型20の両方がプレス方向に移動する構成としてもよい。
また、滴下位置P1の上方には、溶融ガラス滴50を滴下するための滴下ノズル63が配置されている。滴下ノズル63は、溶融ガラス61を貯留する溶融槽62の底部に接続され、図示しない加熱手段によって加熱されることで、先端部から溶融ガラス滴50が滴下するように構成されている。
(鏡筒100)
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態において用いる鏡筒100の構造について説明する。図4は、本実施の形態に用いる鏡筒100の平面図、図5は、本実施の形態に用いる鏡筒100の、図4中のV−V線矢視断面図である。
この鏡筒100は、円筒形状を有し、軸A方向に延びる貫通開口部110を含む。高さは、約3mm〜約5mm程度、外径直径は、約3mm〜約6mm程度である。
貫通開口部110は、第1円筒状開口部101と、第2円筒状開口部102と、接続開口部103とを有している。第1円筒状開口部101は、下型10側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、下型円柱状型12が挿入される。第2円筒状開口部102は、上型20側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、上型円柱状型23の周囲に対して隙間が生じるように挿入され、第1円筒状開口部101の直径(内径。図4のφD1)よりも大きい直径(内径。図4のφD2)を有する。接続開口部103は、第1円筒状開口部101と第2円筒状開口部102とを連結する。
本実施の形態において、接続開口部103として、第1円筒状開口部101から第2円筒状開口部102に向かうにしたがって直径(内径)が大きくなるテーパ面が形成されている。
本実施の形態において、第1円筒状開口部101、第2円筒状開口部102、および接続開口部103の軸方向に沿った長さは、第1円筒状開口部101は、約1.0mm程度、第2円筒状開口部102は、約2.5mm程度、接続開口部103は、約0.5mm程度である。
鏡筒100に用いる材料としては、基材11および基材22と同じ材料を用いることができる。好ましい材料としては、溶融ガラス滴50の熱膨張係数(約11.3×10−6)に近似する熱膨張係数を有する材料が挙げられる。たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼(たとえば、SUS430(熱膨張係数:10.4×10−6))、フェライト系ステンレス鋼(たとえば、下村特殊精工株式会社 製品名SF20T(熱膨張係数:11.0×10−6))を用いるとよい。
(鏡筒一体型レンズの製造方法)
以下、図1に示すフローチャートに従い、また、適宜、図6から図9を参照しながら、鏡筒一体型レンズの製造方法について説明する。図6は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図、図7は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図、図8は、本実施の形態1の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズの断面図、図9は、溶融ガラス滴の滴下経過時間と溶融ガラス滴および鏡筒の温度変化との関係を示す図である。
まず、図6に示すように、下型10上に鏡筒100を供給する(工程S101)。下型10に鏡筒100を載置した状態では、貫通開口部110に下型円柱状型12が挿入される。貫通開口部110に下型円柱状型12が挿入された状態では、下型円柱状型12の上端部が、鏡筒100の第1円筒状開口部101の軸方向の略中間に位置し、第1円筒状開口部101の接続開口部103側の内周面の一部が露出する。次に、予め所定温度に温度制御された下型10からの伝熱で、鏡筒100を所定温度に加熱する(工程S102)。なお、下型円柱状型12と第1円筒状開口部101との間に生じる隙間による軸ずれの発生を防止するため、下型円柱状型12に対する鏡筒100の位置決めを行なうためのガイド部材を設けてもよい。
所定温度とは、加圧成形によってガラス成形体に良好な転写面(光学面)を形成できる温度を適宜選択すればよい。下型10、上型20および鏡筒100の温度が低すぎると、ガラス成形体に大きなしわが発生しやすく、また、転写面の形状精度が悪化する場合がある。逆に、必要以上に温度を高くしすぎると、ガラス成形体との間に融着が発生しやすく、下型10、上型20および鏡筒100の寿命が短くなるおそれがある。
実際には、ガラスの種類や、形状、大きさ、下型10、上型20および鏡筒100の材質、大きさ等種々の条件によって適正な温度が異なるため、実験的に適正な温度を求めておくことが好ましい。通常は、使用するガラスのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−100℃からTg+100℃程度の温度に設定することが好ましい。下型10、上型20および鏡筒100の加熱温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、下型10および鏡筒100を滴下位置P1に移動し(工程S103)、滴下ノズル63から溶融ガラス滴50を滴下する(工程S104)(図2参照)。溶融ガラス滴50の滴下は、溶融ガラス61を貯留する溶融槽62に接続された滴下ノズル63を所定温度に加熱することによって行なう。滴下ノズル63を所定温度に加熱すると、溶融槽62に貯留された溶融ガラス61は、自重によって滴下ノズル63の先端部に供給され、表面張力によって液滴状に溜まる。滴下ノズル63の先端部に溜まった溶融ガラスが一定の質量になると、重力によって滴下ノズル63から自然に分離し、溶融ガラス滴50となって下方に落下する。
滴下ノズル63から滴下する溶融ガラス滴50の質量は、滴下ノズル63の先端部の外径などによって調整可能であり、ガラスの種類等によるが、0.1g〜2g程度の溶融ガラス滴を滴下させることができる。また、直径1mm〜4mm程度の細孔を設けた、溶融ガラス滴を微小化する部材を、滴下ノズル63と下型11との間に設置することにより、1mg〜200mgの溶融ガラス滴を滴下させることができる。
図6に示すように、本実施の形態においては、第2円筒状開口部102側から所定量の溶融ガラス滴50が滴下される。滴下した溶融ガラス滴50は、下型円柱状型12の上端面と第1円筒状開口部101の露出した内周面によって囲まれた領域において、接続開口部103の内周面には接触しないように、かつ、鏡筒100の第1円筒状開口部101の上端(第1円筒状開口部101と接続開口部103との境界線である内周円)を起点として表面張力により略球面形状となる。
このように、滴下した溶融ガラス滴50が第1円筒状開口部101の上端を起点として表面張力により略球面形状となるのは、接続開口部103として、第1円筒状開口部101から第2円筒状開口部102に向かうにしたがって直径(内径)が大きくなるテーパ面が形成されていることによる。また、接続開口部103があることにより、第1円筒状開口部101の上端を起点として、鏡筒100と同軸の球面形状が容易に得られやすい。
以上のように、滴下した溶融ガラス滴50が鏡筒100の第1円筒状開口部101の上端を起点として表面張力により略球面形状となることによって、下型10と上型20とで溶融ガラス滴50を加圧成形する際に、球面形状の溶融ガラス滴50が押圧され、図7で示されるように接続開口部103の部分まで押し広げられ圧接される。その結果、接続開口部がない場合と比べて加圧力を加えやすくなるとともに、溶融ガラス滴と接着、圧着されるため、接着強度が高くなる。
また、滴下した溶融ガラス滴50が第1円筒状開口部101の上端を起点として表面張力により略球面形状となることによって、滴下した溶融ガラス滴50が鏡筒と接触しない表面積が大きくなり、鏡筒と接触することによって起こる溶融ガラス滴50の温度低下及びそれに伴う硬化を防ぐことができる。その結果、高い温度及び流動性を保った状態で加圧され接続開口部103に押し広げられるので、高い接着強度を得ることができる。
尚、テーパー面の角度は特に制限されない。また接続開口部103は、必ずしも本実施の形態のように、第1円筒状開口部101から第2円筒状開口部102に向かうにしたがって直径(内径)が大きくなるテ―パ面でなくてもよく、第1円筒状開口部101と第2円筒状開口部102とを接続する、半径方向に広がる平坦面であってもよい。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。たとえば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。ガラスの熱膨張係数は、上記したように、約11.3×10−6程度であるが、これに限らず、9〜13×10−6程度であればよい。
次に、下型10を加圧位置P2に移動し(工程S105)、図7に示すように、上型20を下方に移動して、鏡筒100の第2円筒状開口部102側から、貫通開口部110に上型円柱状型23を挿入し、溶融ガラス滴50が接続開口部103に圧接するように溶融ガラス滴50を下型10の下型円柱状型12と上型20の上型円柱状型23とにより加圧成形する(工程S106)。
ここで、本実施の形態においては、上記したように、溶融ガラス滴50の熱膨張係数と鏡筒100の熱膨張係数とは略同一である。なお、熱膨張係数が略同一とは、熱膨張係数の差が2×10−6以内の場合を意味する。
そこで、溶融ガラス滴50を下型円柱状型12と上型円柱状型23とにより加圧成形する工程は、溶融ガラス滴50を滴下させた工程の後、溶融ガラス滴50の温度と鏡筒100の温度とが略同一となる時間の経過後に行なう。
図9に示すように、溶融ガラス滴50の滴下直後の溶融ガラス滴50のガラス温度GTと鏡筒100の鏡筒温度MTとの差(TD1)は大きい。ガラス温度GTと鏡筒100の鏡筒温度MTとの差は数100℃になる。この温度差を保持したまま下型円柱状型12と上型円柱状型23とにより、溶融ガラス滴50を加圧成形した場合、滴下された溶融ガラス滴が冷却される過程において、溶融ガラス滴50と鏡筒100との間に隙間が生じやすく、溶融ガラス滴50と鏡筒100との間に高い接合強度が得られない場合がある。
図9に示すように、溶融ガラス滴50の滴下から時間が経過すると、溶融ガラス滴50のガラス温度GTは下型円柱状型12に滴下した直後から急激に低くなる(下型円柱状型12および鏡筒100への熱移動)。一方、鏡筒100の温度は上昇する(溶融ガラス滴50からの熱移動)。
このガラス温度GTおよび鏡筒100が適正(略同じ温度:図9においては、TD2で示される程度の温度差)となった状態において、溶融ガラス滴50を下型円柱状型12と上型円柱状型23とにより加圧成形する。これにより、溶融ガラス滴50と鏡筒100とは略同じ熱膨張係数を有することから、加圧成形によって溶融ガラス滴50が冷却される過程においても同じ割合で収縮する。
その結果、溶融ガラス滴50と鏡筒100との接合面の間において、その接合面が離れることはなく、溶融ガラス滴50と鏡筒100との間において高い接合強度を得ることが可能となる。
本実施の形態において、図9に示す、滴下からプレス開始までの時間は、約3秒〜約4秒であり、プレス(加圧成形)開始からプレス完了までの時間は、約2秒〜約3秒である。
溶融ガラス滴50(プレス成形後は、ガラス成形体50)が所定の温度にまで冷却されると、上型20を上方に移動して加圧を解除する。ガラスの種類や、ガラス成形体50の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常は、ガラスのTg近傍の温度まで冷却してから加圧を解除することが好ましい。
溶融ガラス滴50を加圧するために負荷する荷重は、常に一定であってもよいし、時間的に変化させてもよい。負荷する荷重の大きさは、製造するガラス成形体のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。また、上型20を上下移動させる駆動手段に特に制限はなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。
その後、上型20を上方に移動して退避させ、図8に示す、鏡筒一体型レンズ150を回収し(工程S107)、鏡筒一体型レンズ150の製造が完成する。その後、引き続いて鏡筒一体型レンズ150の製造を行なう場合は、下型10上に、再度、鏡筒100を供給し(工程S101)、以降の工程を繰り返せばよい。
以上、本実施の形態の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法によれば、溶融ガラス滴に対するレンズ光学面の成形工程とレンズの鏡筒への一体化工程とを同時に行なうことができる。これにより、製造工程の短縮を図ることが可能な鏡筒一体型レンズの製造方法を提供することを可能としている。
また、滴下した溶融ガラス滴50が、接続開口部103の開口面には接触しないように、かつ、鏡筒100の第1円筒状開口部101の上端(第1円筒状開口部101と接続開口部103との境界線である内周円)を起点として表面張力により略球面形状となるように滴下することにより、滴下した溶融ガラス滴50に加圧を加えやすくなり、加圧された溶融ガラス滴と接続開口部103との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
更に、溶融ガラス滴および鏡筒の材料の選択において、熱膨張係数の観点を導入するとともに、加圧プレス工程における、滴下からプレス開始までの時間、および、プレス開始からプレス完了までの時間を調節することにより、溶融ガラス滴と鏡筒との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
(実施の形態2)
以下、図10〜図14を参照して、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法について説明する。なお、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法においては、鏡筒の形状に特徴があり、鏡筒一体型レンズの製造装置および製造方法は、上記実施の形態1と同じである。よって、ここでは、本実施の形態における鏡筒200の構造について詳細に説明する。
図10は、本実施の形態に用いる鏡筒200の断面図、図11は、図10中のXIで囲まれた領域の拡大断面図、図12は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図、図13は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図、図14は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズ250の断面図である。
(鏡筒200)
図10および図11を参照して、本実施の形態において用いる鏡筒200の構造について説明する。なお、図10は、図4中のV−V線矢視断面に相当する図である。
この鏡筒200は、円筒形状を有し、軸A方向に延びる貫通開口部210を含む。高さは、約3mm〜約5mm程度、外径直径は、約3mm〜約6mm程度である。
貫通開口部210は、第1円筒状開口部201と、第2円筒状開口部202と、接続開口部203とを有している。第1円筒状開口部201は、下型10側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、下型円柱状型12が挿入される。第2円筒状開口部202は、上型20側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、上型円柱状型23の周囲に対して隙間が生じるように挿入され、第1円筒状開口部201の直径(内径)よりも大きい直径(内径)を有する。接続開口部203は、第1円筒状開口部201と第2円筒状開口部202とを連結する。
図11を参照して、本実施の形態において、接続開口部203は、第1円筒状開口部201に接続し、第1円筒状開口部201から第2円筒状開口部202に向かうにしたがって直径が大きくなるテーパ面203aと、このテーパ面203aと第2円筒状開口部202とを接続し、半径方向に広がる平坦面203bとを有している。
本実施の形態において、第1円筒状開口部201、第2円筒状開口部202、および接続開口部203の軸方向に沿った長さは、第1円筒状開口部201は、約1.0mm程度、第2円筒状開口部202は、約2.5mm程度、接続開口部203は、約0.5mm程度である。
鏡筒200に用いる材料としては、基材11および基材22と同じ材料を用いることができる。好ましい材料としては、溶融ガラス滴50の熱膨張係数(11.3×10−6)に近似する熱膨張係数を有する材料が挙げられる。たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼(たとえば、SUS430(熱膨張係数:10.4×10−6))、フェライト系ステンレス鋼(たとえば、下村特殊精工株式会社 製品名SF20T(熱膨張係数:11.0×10−6))を用いるとよい。
上記構造を有する鏡筒200を用いて、鏡筒一体型レンズを製造した場合には、図12に示すように、実施の形態1の場合と同様に、溶融ガラス滴50は、下型円柱状型12の上端面と第1円筒状開口部201の露出した内周面によって囲まれた領域において、接続開口部203には接触しないように、かつ、鏡筒200の第1円筒状開口部201の上端(第1円筒状開口部201と接続開口部203との境界である内周円)を起点として表面張力により略球面形状となる。
その後、図13に示すように、溶融ガラス滴50の下型円柱状型12と上型円柱状型23とによる加圧成形時には、テーパ面203aから平坦面203bに向けて溶融ガラス滴50が押し広げられる。
このように、鏡筒200に半径方向に広がる平坦面203bを設けておくことで、接続開口部がテ―パ面だけの場合と比べて、下型円柱状型12と上型円柱状型23とによる加圧成形時に、溶融ガラス滴50に対して加圧力をより加えやすくなる。また、実施の形態1と同様に、溶融ガラス滴50の熱膨張係数と鏡筒200の熱膨張係数とは略同一であり、溶融ガラス滴50のガラス温度GTおよび鏡筒100の温度が適正(略同じ温度)となった状態において、溶融ガラス滴50を下型円柱状型12と上型円柱状型23とにより加圧成形する。その結果、後の冷却工程において、溶融ガラス滴50と鏡筒200との接合面の間において、その接合面が離れることはなく、溶融ガラス滴50と鏡筒100との間において高い接合強度を得ることが可能となる。
その後、実施の形態1と同様に、上型20を上方に移動して退避させ、図14に示す、本実施の形態における鏡筒一体型レンズ250を回収する。
以上、本実施の形態の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法によれば、実施の形態1と同様に、溶融ガラス滴に対するレンズ光学面の成形工程とレンズの鏡筒への一体化工程とを同時に行なうことができる。これにより、製造工程の短縮を図ることが可能な鏡筒一体型レンズの製造方法を提供することを可能としている。
また、溶融ガラス滴および鏡筒の材料の選択において、熱膨張係数の観点を導入するとともに、加圧プレス工程における、滴下からプレス開始までの時間、および、プレス開始からプレス完了までの時間を調節することにより、溶融ガラス滴と鏡筒との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
また、鏡筒200に半径方向に広がる平坦面203bを設けておくことで、溶融ガラス滴50と鏡筒200との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
(実施の形態3)
以下、図15〜図20を参照して、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法について説明する。なお、本実施の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法においては、鏡筒の形状に特徴があり、鏡筒一体型レンズの製造装置および製造方法は、上記実施の形態1と同じである。よって、ここでは、本実施の形態における鏡筒300の構造について詳細に説明する。
図15は、本実施の形態に用いる鏡筒300の断面図、図16は、図15中のXVIで囲まれた領域の拡大断面図、図17は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴を滴下した状態を示す断面図、図18は、図17中のXVIIIで囲まれた領域の拡大断面図、図19は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法における、溶融ガラス滴の加圧状態を示す断面図、図20は、本実施の形態の鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズ350の断面図である。
(鏡筒300)
図15および図16を参照して、本実施の形態において用いる鏡筒300の構造について説明する。なお、図15は、図4中のV−V線矢視断面に相当する図である。
この鏡筒300は、円筒形状を有し、軸A方向に延びる貫通開口部310を含む。高さは、約3mm〜約5mm程度、外径直径は、約3mm〜約6mm程度である。
貫通開口部310は、第1円筒状開口部301と、第2円筒状開口部302と、接続開口部303とを有している。第1円筒状開口部301は、下型10側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、下型円柱状型12が挿入される。第2円筒状開口部302は、上型20側に位置し、溶融ガラス滴50の成形時に、上型円柱状型23の周囲に対して隙間が生じるように挿入され、第1円筒状開口部301の直径(内径)よりも大きい直径(内径)を有する。接続開口部303は、第1円筒状開口部301と第2円筒状開口部302とを連結する。
図16を参照して、本実施の形態において、第1円筒状開口部301には、第1円筒状開口部301の接続開口部303側の端部に、半径方向内側に向かって突出する凸部301aが設けられている。この凸部301aは、第1円筒状開口部301の内周面の全周において環状に設けられてもよいし、所定の配置ピッチで間欠的に設けられてもよい。
また、接続開口部303として、凸部301aに連接し、直径(内径)が第1円筒状開口部301よりも大きく第2円筒状開口部302よりも小さい側壁部303aと、この側壁部303aと第2円筒状開口部302とを接続し、半径方向に広がる平坦面303bとを有している。
本実施の形態において、第1円筒状開口部301、第2円筒状開口部302、および接続開口部303の軸方向に沿った長さは、第1円筒状開口部301は、約1.0mm程度、第2円筒状開口部302は、約2.5mm程度、接続開口部303は、約0.5mm程度である。
鏡筒300に用いる材料としては、基材11および基材22と同じ材料を用いることができる。好ましい材料としては、溶融ガラス滴50の熱膨張係数(11.3×10−6)に近似する熱膨張係数を有する材料が挙げられる。たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼(たとえば、SUS430(熱膨張係数:10.4×10−6))、フェライト系ステンレス鋼(たとえば、下村特殊精工株式会社 製品名SF20T(熱膨張係数:11.0×10−6))を用いるとよい。
上記構造を有する鏡筒300を用いて、鏡筒一体型レンズを製造した場合には、図17に示すように、実施の形態1の場合と同様に、溶融ガラス滴50は、下型円柱状型12の上端と第1円筒状開口部301の露出した開口面によって囲まれた領域において、接続開口部303には接触しないように、かつ、鏡筒300の第1円筒状開口部301の上端(突起部301aの接続開口部303側の端部)を起点として表面張力により略球面形状となる。
その後、図19に示すように、溶融ガラス滴50の下型円柱状型12と上型円柱状型23とによる加圧成形時には、平坦面303bに向けて溶融ガラス滴50が押し広げられる。この際、第1円筒状開口部301に設けられた凸部301aは、溶融ガラス滴50の内部に向かって食い込む状態となる。
このように、鏡筒300に半径方向に広がる平坦面303bを設けておくことで、下型円柱状型12と上型円柱状型23とによる加圧成形時に、溶融ガラス滴50に対して加圧力を加えやすくなる。また、実施の形態1と同様に、溶融ガラス滴50の熱膨張係数と鏡筒200の熱膨張係数とは略同一であり、溶融ガラス滴50のガラス温度GTおよび鏡筒100が適正(略同じ温度)となった状態において、溶融ガラス滴50を下型円柱状型12と上型円柱状型23とにより加圧成形する。その結果、後の冷却工程において、溶融ガラス滴50と鏡筒200との接合面の間において、その接合面が離れることはなく、溶融ガラス滴50と鏡筒100との間において高い接合強度を得ることが可能となる。
さらに、凸部301aが溶融ガラス滴50の内部に向かって食い込むことにより、鏡筒300に対するガラス成形体50の引き抜き耐力を向上させることができる。
その後、実施の形態1と同様に、上型20を上方に移動して退避させ、図20に示す、本実施の形態における鏡筒一体型レンズ350を回収する。
以上、本実施の形態の形態における鏡筒一体型レンズの製造方法によれば、実施の形態1と同様に、溶融ガラス滴に対するレンズ光学面の成形工程とレンズの鏡筒への一体化工程とを同時に行なうことができる。これにより、製造工程の短縮を図ることが可能な鏡筒一体型レンズの製造方法を提供することを可能とする。
また、溶融ガラス滴および鏡筒の材料の選択において、熱膨張係数の観点を導入するとともに、加圧プレス工程における、滴下からプレス開始までの時間、および、プレス開始からプレス完了までの時間を調節することにより、溶融ガラス滴と鏡筒との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
また、鏡筒300に半径方向に広がる平坦面303b、および、第1円筒状開口部301に設けられた凸部301aを設けておくことで、溶融ガラス滴50と鏡筒300との間において高い接合強度を得ることを可能としている。
なお、上記各実施の形態においては、溶融ガラス滴50の熱膨張係数と鏡筒100,200,300の熱膨張係数とが略同一である材料をそれぞれ用いる場合について説明しているが、これに限定されるものではない。たとえば、溶融ガラス滴の熱膨張係数よりも、鏡筒の熱膨張係数が大きい場合(熱膨張係数の差が2×10−6を超える場合)には、冷却工程において、ガラス成形体の収縮率よりも鏡筒の収縮率の方が大きいため、両者の収縮率を調整することで、鏡筒がガラス成形体の周囲を圧縮する構造を得ることができる。
また、溶融ガラス滴の熱膨張係数よりも、鏡筒の熱膨張係数が小さい場合(熱膨張係数の差が2×10−6を超える場合)であっても、両者の収縮率を調整することで、鏡筒一体型レンズの製造は可能である。収縮は熱膨張係数×温度差によって決まるため、上型による加圧成形時点での溶融ガラス滴の温度と鏡筒の温度の関係を適切に選択・調整すれば、冷却完了時のガラス成形体と鏡筒の間にできる隙間を最小化することができる。
上記鏡筒一体型レンズの製造方法により製造された鏡筒一体型レンズは、デジタルカメラ等の撮像レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、光通信用のカップリングレンズ等の各種光学素子として用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 下型、11,22 基材、12 下型円柱状型、20 上型、23 上型円柱状型、50 溶融ガラス滴(ガラス成形体)、61 溶融ガラス、62 溶融槽、63 滴下ノズル、65 ガイド、100,200,300 鏡筒、101,201,301 第1円筒状開口部、102,202,302 第2円筒状開口部、103,203,303 接続開口部、110,210,310 貫通開口部、150,250,350 鏡筒一体型レンズ、203a テーパ面、203b,303b 平坦面、301a 凸部、303a 側壁部。

Claims (7)

  1. 溶融ガラス滴成形法を用い、材質が金属からなる鏡筒にガラス成形体を一体的に成形する鏡筒一体型レンズの製造方法であって、
    前記溶融ガラス滴成形法は、
    下型と上型とを用い、前記下型上に溶融ガラス滴を滴下した後、前記下型と前記上型とにより前記溶融ガラス滴を加圧成形する方法であり、
    前記下型は、上端面に前記溶融ガラス滴を加圧する光学面を有し前記上型側に向かって延びる下型円柱状型を含み、
    前記上型は、前記下型円柱状型に対して対向し、下端面に前記溶融ガラス滴を加圧する光学面を有し前記下型側に向かって延びる上型円柱状型を含み、
    前記鏡筒は、軸方向に延びる貫通開口部を含み、
    前記貫通開口部は、
    前記下型側に位置し、前記溶融ガラス滴の成形時に、前記下型円柱状型が挿入される第1円筒状開口部と、
    前記上型側に位置し、前記溶融ガラス滴の成形時に、前記上型円柱状型が前記上型円柱状型の周囲に対して隙間が生じるように挿入され、前記第1円筒状開口部の直径よりも大きい直径を有する第2円筒状開口部と、
    前記第1円筒状開口部と前記第2円筒状開口部とを連結する接続開口部と、を有し、
    当該鏡筒一体型レンズの製造方法は、
    前記貫通開口部の前記第1円筒状開口部側から、前記下型円柱状型の上端部が前記第1円筒状開口部の軸方向の途中に位置し前記第1円筒状開口部の前記接続開口部側の内周面の一部が露出するように、前記貫通開口部に前記下型円柱状型を挿入する工程と、
    前記下型円柱状型の前記上端面と前記第1円筒状開口部の露出した開口面によって囲まれた領域において、前記接続開口部の露出した開口面には接触しないように、かつ、前記鏡筒の前記第1円筒状開口部の上端を起点として表面張力により略球面形状となるように、前記第2円筒状開口部側から所定量の前記溶融ガラス滴を滴下させる工程と、
    前記第2円筒状開口部側から、前記貫通開口部に前記上型円柱状型を挿入し、前記溶融ガラス滴が前記接続開口部に圧接するように前記溶融ガラス滴を前記下型円柱状型と前記上型円柱状型とにより加圧成形する工程と、を含む鏡筒一体型レンズの製造方法。
  2. 前記溶融ガラス滴の熱膨張係数と前記鏡筒の熱膨張係数とは、略同一であり、
    前記溶融ガラス滴を前記下型円柱状型と前記上型円柱状型とにより加圧成形する工程は、前記溶融ガラス滴を滴下させた工程の後、前記溶融ガラス滴の温度と前記鏡筒の温度とが略同一となる時間の経過後に行なう、請求項1に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
  3. 前記接続開口部は、
    前記第1円筒状開口部と前記第2円筒状開口部とを接続し、前記第1円筒状開口部から前記第2円筒状開口部に向かうにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有する、請求項1または2に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
  4. 前記接続開口部は、
    前記第1円筒状開口部に接続し、前記第1円筒状開口部から前記第2円筒状開口部に向かうにしたがって内径が大きくなるテーパ面と、
    前記テーパ面と前記第2円筒状開口部とを接続し、半径方向に広がる平坦面とを有する、請求項1または2に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
  5. 前記第1円筒状開口部は、その上端部に、半径方向内側に向かって突出する凸部を有する、請求項1または2に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
  6. 前記接続開口部は、前記凸部に接続し、前記第1円筒状開口部より内径の大きい側壁と、前記側壁と前記第2円筒状開口部とを接続し、半径方向に広がる平坦面とを有する、請求項5に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
  7. 前記凸部は、前記第1円筒状開口部の内周面の全周において環状に設けられているか、または所定の間隔で間欠的に設けられている、請求項5または6に記載の鏡筒一体型レンズの製造方法。
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