JP4695313B2 - 鏡筒付き光学素子の成形型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、成形型内にセットした鏡筒内に光学素材(ないしはガラス素材)を配置し、上型と下型で加熱し加圧することにより、鏡筒内に光学素子(ないしはガラス成形品)が一体成形された鏡筒付き光学素子を成形するための成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学素材(ないしはガラス素材)を加熱炉内で加熱軟化した後、上型と下型で加熱し加圧して光学素子(ないしはガラス成形品)を成形するにあたって、胴型と上型と下型とを備えた成形型内に鏡筒をセットするとともに、この鏡筒内に光学素材(ないしはガラス素材)を配置し、前記上型と下型で光学素材(ないしはガラス素材)を挟み込んで加熱し加圧することにより、光学素材(ないしはガラス素材)を外周方向に流動させて、その外周縁を鏡筒の内周面に密着結合させ、鏡筒内に光学素子を一体成形させるといった鏡筒付き光学素子の製造方法が用いられるようになった(特開平4−21528号公報)。
【0003】
図5は従来技術による鏡筒付き光学素子の成形型を示すものである。
図5に示す成形型は、胴型1と上型2と下型3とを備え、胴型1に設けた鏡筒配置部1Cに鏡筒10を配置するとともに、この鏡筒10内に配置した光学素材20を、前記上型2と下型3とで挟み込んで加熱し加圧することにより、上型2と下型3の転写面2A、3Aを光学素材20に転写して光学機能部を形成するとともに、光学素材20を外周方向に流動させてその外周縁を鏡筒10の内周面に密着結合させ、鏡筒付き光学素子を成形する。
なお図5に示す従来例では、胴型1として、上下に分割された胴型1A、1Bを結合して使用し、成形された鏡筒付き光学素子を取出すときには、前記胴型1A、1Bを離して、鏡筒配置部1Cに配置される鏡筒付き光学素子を取出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の成形型の如く、胴型1の鏡筒配置部1Cに配置した鏡筒10内に光学素子を成形する場合、成形型にセットされた鏡筒10の位置がズレて鏡筒内に一体成形される光学素子が光軸ズレしないように、▲1▼鏡筒10の外径に合わせて胴型1の鏡筒配置部1C内径を設計するとともに、▲2▼胴型1の内径に合わせて下型3(上型2)の外径が設計、若しくは下型3(上型2)の外径に合わせて胴型1の内径が設計してある。
しかしながら、鏡筒10に衝撃を与えることなく下型3の外周に嵌合するために、鏡筒10の外径と胴型1の鏡筒配置部1C内径には設計上のガタが取ってあるとともに(例えば10μm程度、鏡筒配置部内径を鏡筒外径より大きくしてあり)、下型3(上型2)を胴型内で摺動させるために、下型3(上型2)の外径と胴型1の内径に設計上のガタが取ってある(例えば10μm程度、胴型内径を上型及び下型外径より大きくしてある)。そしてこれら、▲1▼鏡筒10の外径と胴型1の鏡筒配置部1C内径ととのガタ、及び▲2▼胴型1の内径と下型3(上型2)の外径とのガタとが原因となって、特に小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合には、鏡筒(10)に対して下型3の転写面3A(上型2の転写面2A)が位置ズレして、鏡筒10内に形成される光学素子に光軸ズレが発生していた。
さらに従来技術による成形型では、胴型1の鏡筒配置部1Cによって保持された鏡筒1の内周面に下型2の転写面2Aに載置された光学素子が一体成形されるため、鏡筒10の筒長と鏡筒配置部1Cとのガタによって、鏡筒10の内周面に形成される光学素子の軸方向の位置ズレが発生する虞もあった。
【0005】
一方、特開昭60−129220では、下型に鏡筒を載置した成形型が開示されている。図6は、特開昭60−129220で開示された成形型を示すものであり、下型3の底面上31に載置した鏡筒内に下型3の嵌合部32と上型2の嵌合部21を摺動させ、前記底面上31に設けたスペーサー4によって上型2と下型3の軸方向の位置を調整しながら、上型2の転写面2Aと下型3の転写面3Aとで鏡筒内に配置された光学素材(ないしはガラス素材)20を挟み込んで加熱し加圧することによって、鏡筒内に一体成形された光学素子を製造するものである。しかしながら、この成形型では、上型2と下型3の中心軸の位置決め、つまり鏡筒内に成形される光学素子の光軸が、鏡筒10の内周面と上型2及び下型3の嵌合部(21、32)との接触で行っており、鏡筒10に大きな負荷がかかっていた。特に、小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合、鏡筒10の壁厚が薄いため、鏡筒10の強度の面から不具合が生じていた。つまり鏡筒10に大きな負荷がかかるために、鏡筒10が変形したり、また鏡筒10の変形によって鏡筒内に一体成形される光学素子の位置決めが正確に行えないなど、精度的に不具合があった。
【0006】
そこで、この発明は、鏡筒付き光学素子の製造にあたって、光学素子の光軸ズレが少なく、しかも鏡筒の内周面に形成される光学素子の軸方向位置を一定にできる鏡筒付き光学素子の成形型を提供とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明は、筒状の胴型と、この胴型内を摺動する上型と下型とを備えた成形型内に鏡筒をセットするとともに、この鏡筒内に光学素材を配置し、転写面を有する上型と下型とで光学素材を挟み込んで加熱し加圧することにより鏡筒内に光学素子を一体成形する鏡筒付き光学素子の成形型において、前記上型と下型に、胴型の内径と同等に設計した外径部を設け、この外径部を前記胴型内で軸方向にのみ摺動可能に嵌合させることで、上型と下型の軸垂直方向の位置決めをし、上型と下型の中心軸を一致させ、さらに前記下型に鏡筒を載置する基準面を形成するとともに、前記鏡筒内に嵌合され鏡筒を保持する嵌合部を上型又は/及び下型に形成し、この嵌合部の先端に転写面を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好適な実施例を図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、この発明の第1の実施例における鏡筒付き光学素子の成形型の断面図を示すものであり、胴型1と上型2と下型3とを備えた成形型内にセットされた鏡筒10の、上方先端側の内周面に光学素子を密着結合させた鏡筒付き光学素子を成形するための成形型を示す。
この成形型は、筒状の胴型1と、円柱状の上型2と下型3とを備え、筒状の胴型1内を摺動する上型2と下型3とによって、鏡筒10内に配置される光学素材(ないしはガラス素材)20を挟み込んで加熱し加圧することにより、光学素材20に転写面2A、3Aを転写して光学機能面を形成するとともに、光学素材20を外周方向に流動させてその外周縁を鏡筒10の内周面に密着結合させ、鏡筒内に光学素子が一体成形された鏡筒付き光学素子を製造する。
なお成形型として、タングステンカーバイドのような硬質の金属部材からなる胴型1、上型2、下型3を用いることが好ましい。
【0010】
この実施例による成形型は、図2に示すように、転写面3Aを有する下型3に、鏡筒10が載置される基準面31と、前記鏡筒10の内周に嵌合する嵌合部32とを設けてある。
なお図中の鉛直方向に延びる中心軸Aは、胴型1の内周の中心軸であり、この中心軸Aに、鏡筒内に形成される光学素子の光軸が一致するように、円筒状の胴型1内周を摺動する円柱状の上型2及び下型3の外径を胴型1の内径に合わせて設計し、さらに転写面2A、3Aをそれぞれ上型2、下型3の中央部分に位置するように形成している。つまり鏡筒10を、下型3に形成された嵌合部32に嵌合するとともに、同じく下型3に形成された基準面31に載置することで、下型3に保持された鏡筒10の位置ズレが防止され、鏡筒内10に一体成形される光学素子の光軸ズレや位置ズレが防止される。
【0011】
この実施例では、下型3の上面の中央部分を軸方向に突出させて円柱状の嵌合部32を形成し、この嵌合部32を円筒状の鏡筒内に挿入し、鏡筒10の内周に嵌合することで、嵌合部32の先端(上面)中央部分に形成された転写面3Aを鏡筒内に挿入するとともに、前記鏡筒10の内径に合わせて嵌合部32の外径を設計することによって、嵌合部32の外周に保持される鏡筒10の位置ズレを防止する。またこの下型3の上面の嵌合部外周に円周状の基準面31を形成し、この基準面31に鏡筒10を載置することによって、鏡筒10内に嵌合された嵌合部32の先端(上面)中央部分に形成されている転写面3Aが鏡筒10の光学素子形成位置に配置されるように、鏡筒10の軸方向の配置位置を調節する。
なお、基準面31と嵌合部32の外周面とが垂直に交わるように形成され、この基準面31に載置され、かつ嵌合部32に嵌合された鏡筒10の中心軸が、中心軸Aに対して傾かないように鏡筒10が保持される。
【0012】
さらに上型2及び下型3は、胴型1の内径と同等に設計した外径部2B、3Bを有し、この外径部2B、3Bが前記胴型内で軸方向にのみ摺動可能に嵌合されているため、上型2の中心軸は胴型1の内周面と外径部2Bとの接触(密着)によって位置決めされ、下型3の中心軸は胴型1の内周面と外径部3Bとの接触(密着)によって位置決めされる。つまり外径部2B及び3Bによって、胴型内に配置される上型(2)と下型(3)の軸垂直方向の位置決めがされている。
【0013】
なおこの実施例でも、下型3(上型2)を胴型内で摺動させるため、下型3(上型2)の外径と胴型1の内径に設計上のガタが取ってあり(例えば10μm程度、内径を外径より大きくしてあり)、鏡筒10に衝撃を与えることなく嵌合部32の外周に鏡筒10を嵌合するため、鏡筒10の内径と嵌合部32の外径には設計上のガタが取ってある(例えば10μm程度、内径を外径より大きくしてある)。
【0014】
図3は、この実施例で使用される下型3において、鏡筒10に嵌合される嵌合部32を説明する図である。図に示すLは鏡筒の内径、Lは嵌合部の外径を示す。図3に示すように、鏡筒10内に嵌合部32を嵌合するとともに、基準面32に鏡筒10を載置することによって、鏡筒10が保持されている。
従って、嵌合部32の外周に保持された鏡筒10の位置ズレによって嵌合部32の上面に設けられた転写面3Aが鏡筒10に対して位置ズレし、鏡筒内に一体成形される光学素子が光軸ズレすることがないように、嵌合部32の外径Lを鏡筒の内径Lに合わせて設計してある。
【0015】
ここで、特に小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合に、鏡筒10内に一体成形される光学素子の光軸ズレの原因となる、設計上のガタについて考察する。
図5に示す従来技術のように、胴型1の内周面に摺動する下型に転写面3Aが設けられるとともに、鏡筒10は胴型1の鏡筒配置部1Cに配置される成形型を使用して小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合、胴型1に対して鏡筒10が位置決めされ保持されているため、▲1▼鏡筒10の外径と胴型1の鏡筒配置部1Cの内径とのガタ、及び▲2▼胴型1の内径と下型3(上型2)の外径とのガタとの、2つの要因によって、鏡筒10に対して転写面3A(転写面2A)が位置ズレして、鏡筒内に一体成形される光学素子に光軸ズレが発生する。
【0016】
これに対して、この実施例では、基準面31に載置された鏡筒10は、転写面3Aを有する下型3の上面中央部分が軸方向に突出して形成された嵌合部32に嵌合されることによって、鏡筒10が保持(位置決め)されている。つまり鏡筒10は、胴型1でなく下型3に対して位置決めされ保持されている。なお鏡筒10は、下型3にのみ保持され、胴型1とは非接触状態に配置されている。
従って、この発明による成形型を使用して小型の鏡筒付き光学素子を製造した場合、鏡筒10に対する転写面3Aの位置ズレは、鏡筒の内径Lと嵌合部32の外径Lとのガタのみが原因となる。従って、胴型1の内径と下型3(上型2)の外径とのガタによる鏡筒10の位置ズレの要因が取り除かれる。このため鏡筒内に一体成形される光学素子の光軸ズレの度合が減少する。
【0017】
また、上型2と下型3とは共に胴型1の内周面に密着して摺動可能な外径部2B及び3Bが設けられており、この外径部2B及び3Bによって胴型内の上型2及び下型3の軸方向の動きが案内され、上型2及び下型3の中心軸が位置決めされる。つまり鏡筒10に負荷をかけることなく、上型2及び下型3の中心軸、つまり鏡筒内に一体成形される光学素子の光軸を決めることができる。従って、鏡筒10には、上型2及び下型3による軸方向以外の方向への負荷がかかる虞がない。
【0018】
すなわちこの実施例では、転写面3Aを有する下型3に基準面31と嵌合部32を形成し、転写面3Aを先端(上面)中央部分に備えた嵌合部32を鏡筒10内に挿入し嵌合するとともに、前記鏡筒10を基準面31に載置することによって、下型3に対して鏡筒10を位置決めする。つまり転写面3Aが鏡筒10の光学素子形成位置に配置されるように、下型3に鏡筒10が保持される。
そして下型3に保持された鏡筒10に対して、鏡筒内(下型3の転写面3Aの上)に光学素材20を配置し、この光学素材20を下型3の転写面3Aと上型の転写面2Aとで挟み込んで加熱し加圧し、鏡筒10内に光学素子を一体成形することによって鏡筒10に対する光学素子の光軸ズレ及び軸方向の位置ズレを防止し、特に小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合に問題となる設計上のガタによる光軸ズレを著しく軽減する。
【0019】
図4は、この発明の第2の実施例における鏡筒付き光学素子の成形型の断面図を示すものであり、胴型1と上型2と下型3とを備えた成形型内にセットされる鏡筒10の下方先端側の内周面に、光学素子を密着結合させた鏡筒付き光学素子を成形するための成形型を示す。
第1の実施例と同様にこの実施例でも、筒状の胴型1と、円柱状の上型2と下型3とを備え、筒状の胴型1内を摺動する上型2と下型3とによって、鏡筒10内に配置される光学素材(ないしはガラス素材)20を挟み込んで加熱し加圧することにより、光学素材20に転写面2A、3Aを転写して光学機能面を形成するとともに、光学素材20を外周方向に流動させてその外周縁を鏡筒10の内周面に密着結合させ、鏡筒内に光学素子が一体成形された鏡筒付き光学素子を製造する。
【0020】
この実施例では、下型3の先端(上面)の中央部分に設けられた転写面3Aの外周に鏡筒10を載置するための基準面31が設けられている。
なおこの実施例においても、鏡筒10内の光学素子形成位置に転写面3Aが配置されるよう、基準面31が鏡筒10の軸方向の位置調節を行っている。また鏡筒10内に一体成形される光学素子の光軸のズレや傾きが発生しないように、基準面31は下型3の上面の中央部分に形成された転写面3Aの外周に、転写面3Aを中心とした円周状に形成されるとともに、下型3の中心軸に対して水平に形成され、前記基準面31に載置された鏡筒10が、下型3の中心軸に対して傾かないように形成されている。つまり鏡筒内に一体成形される光学素子の光軸が傾かないように成形型内に鏡筒10がセットされる。
【0021】
またこの実施例では、鏡筒10の下方先端側の内周面に光学素材20を密着結合するため、上型2に鏡筒10内周に挿入されて嵌合される嵌合部21を形成し、この嵌合部21の先端(下面)の中央部分に転写面2Aを形成してある。
上型に形成した嵌合部21は、上型2の下面中央部を軸方向に突出させて形成したものであって、嵌合部21の先端に形成された転写面2Aを、鏡筒内の光学素子形成位置にまで案内する。
【0022】
上型2に形成された嵌合部21の外径は、鏡筒10の内径に合わせて設計され、この嵌合部21に鏡筒10を嵌合することによって、成形型内にセットされる鏡筒10のセット位置を決め、鏡筒内に一体成形される光学素子の光軸ズレを防止する。
【0023】
つまり第2の実施例では、転写面3Aを有する下型3に基準面31を形成し、この基準面31に鏡筒10を載置することで、前記基準面31で鏡筒10を保持するとともに、転写面3Aを鏡筒10の光学素子形成位置に配置し、この鏡筒内(転写面3Aの上)に光学素材20を配置した後、転写面2Aを先端(下面)中央部分に備えた上型2の嵌合部21を鏡筒10内に嵌合して挿入し、鏡筒内に配置された光学素材20を下型3の転写面3Aと上型の転写面2Aとで挟み込んで加熱し加圧し、鏡筒10内に光学素子を一体成形することによって、鏡筒10に対する光学素子の軸方向の位置ズレや光軸ズレを防止する。
【0024】
すなわち、上述した第1及び第2の実施例の成形型によれば、鏡筒10の先端内周面に一体成形される光学素子を光軸ズレ、位置ズレなく形成した鏡筒付き光学素子を製造することができる。
【0025】
また鏡筒10の中間内周面に光学素子を形成する場合は、下型3の上面に鏡筒10が載置される基準面31を設けるとともに、この基準面31に載置された鏡筒内に嵌合する嵌合部を上型2及び下型3に設け(嵌合部21、嵌合部32)、これら嵌合部21、32の先端に転写面2A、3Aを設ければよい。なお下型3に形成される基準面31は、第1の実施例の下型3と同様に嵌合部32の外周に設けられ、嵌合部32の先端(上面)に形成された転写面3Aが鏡筒10の光学素子形成位置に配置されるよう軸方向の位置を調節する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、筒状の胴型と、この胴型内を摺動する上型と下型とを備えた成形型内に鏡筒をセットするとともに、この鏡筒内に光学素材を配置し、前記上型と下型で光学素材を挟み込んで加熱し加圧することで鏡筒内に光学素子を一体成形する鏡筒付き光学素子の成形型において、下型に鏡筒を載置する基準面を形成するとともに、鏡筒の内径に合わせて外径を設計した嵌合部を上型又は/及び下型に形成し、この嵌合部に鏡筒の内周を嵌合するとともに基準面に鏡筒を載置し、鏡筒を保持することによって、前記鏡筒内に一体成形される光学素子の位置ズレや光軸ズレを防止することができた。またこの発明による成形型では、転写面を設けてある嵌合部に鏡筒を嵌合し、鏡筒を保持(位置決め)するため、特に小型の鏡筒付き光学素子を製造する場合に問題となる設計上のガタによる光軸ズレを著しく軽減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による成形型の断面図。
【図2】図1に示す成形型の下型の断面図。
【図3】下型の嵌合部の断面図。
【図4】本発明の第2実施例による成形型の断面図。
【図5】従来技術による成形型の断面図。
【図6】他の従来技術による成形型の断面図。
【符号の説明】
1 胴型
2 上型
2A 転写面(上型の転写面)
2B 外径部(上型の外径部)
21 嵌合部
3 下型
3A 転写面(下型の転写面)
3B 外径部(下型の外径部)
31 基準面
32 嵌合部
10 鏡筒
20 光学素材(ないしはガラス素材)

Claims (3)

  1. 筒状の胴型(1)と、この胴型内を摺動する上型(2)と下型(3)とを備えた成形型内に鏡筒(10)をセットするとともに、この鏡筒内に光学素材(20)を配置し、転写面(2A)を有する上型(2)と転写面(3A)を有する下型(3)とで光学素材(20)を挟み込んで加熱し加圧することにより鏡筒内に光学素子を一体成形する鏡筒付き光学素子の成形型において、
    前記上型(2)と下型(3)に、前記胴型(1)の内径と同等に設計した外径部(2B、3B)を設け、この外径部(2B、3B)を前記胴型内で軸方向にのみ摺動可能に嵌合させることで、上型(2)と下型(3)の軸方向に対する垂直方向の位置決めをし、上型(2)と下型(3)の中心軸を一致させ、
    さらに、前記下型(3)に鏡筒(10)を載置する基準面(31)を形成するとともに、
    前記鏡筒(10)内に嵌合される嵌合部を上型(2)又は下型(3)に形成し、この嵌合部(21又は32)の先端に嵌合部(21又は32)より小径の凸部を形成して、この凸部に転写面(2A又は3A)を設け
    転写面(2A)と転写面(3A)によって押圧された光学素材が前記鏡筒(10)の内周面に固着されると同時に光学素子に整形されることを特徴とする鏡筒付き光学素子の成形型。
  2. 下型(3)の上面の中央部分を軸方向に突出させて嵌合部(32)を形成するとともに、下型(3)の上面の嵌合部外周に嵌合部(32)の外周面と垂直に交わる基準面(31)を形成し、前記嵌合部(32)を鏡筒(10)の内周に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の鏡筒付き光学素子の成形型。
  3. 下型3の上面に、下型(3)の中心軸に対して垂直に交わる基準面(31)を形成するとともに、上型(2)の下面の中央部分を軸方向に突出させて嵌合部(21)を形成し、前記基準面(31)に鏡筒(10)を載置することを特徴とする請求項1に記載の鏡筒付き光学素子の成形型。
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