JP5112120B2 - 光学素子の製造方法とその製造用金型組立体 - Google Patents

光学素子の製造方法とその製造用金型組立体 Download PDF

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本発明は光学素子、特に非回転対称体の光学素子の製造方法とその製造用金型組立体に関する。
高精度に形成された光学素子は、精密光学機器等に組み込まれて使用される。特に、非回転対称体の光学素子は、センサー集光、光ファイバ通信、照明などの用途に広く利用されている。
この種光学素子の製造方法として、略円柱形状の一対の上型と下型、及び円筒形状の胴型で構成された金型組立体を用いて光学素子を得る方法が知られている。例えば、成形素材を金型組立体の中に配置し、加熱軟化させた状態で押圧して、光学素子を成形する。
このとき、例えば特許文献1のように、光学素子の偏心、例えば、非回転対称体の光学素子における光学面の回転ズレを抑えるため、上型と下型に対して回転防止手段を用いた金型組立体が用いられている。
この回転防止手段としては、上型及び下型に一対の回転防止ピンと一対のブッシュとをそれぞれ固定して使用している。
特開平10−67524号公報
しかしながら、一般的な構成例である、略円柱形状の上型と下型、及び円筒形状の胴型を組み合わせだけでは、胴型の内周面の中心軸に対して上型と下型の相対的な回転量を規制することができない。
また、特許文献1では、一対のピンとブッシュとを上型及び下型に取り付けるためには、成形面以外の部位を使う必要があるが、成形面以外の部位には余裕が少ないためピンの径を小さくしなければならない。一方、成形素材を押圧変形させる際、上型及び下型には加圧力として大きな負荷が加わる。成形状態によってはピンにも大きな荷重が加わり、変形又は破損するおそれが生じる。
さらに、ピン及びブッシュを挿入する非貫通の小径孔を形成するには放電加工を用いる必要があり、高精度に位置決めして仕上げることが困難である。また、その加工には多くの時間を要し加工コストが増加する等の課題があった。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、光学面の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑制して高精度な非回転対称体の光学素子を製造し得る光学素子の製造方法とその製造用金型組立体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
熱可塑性の成形素材を金型組立体の内部に配置し加熱軟化させた状態で押圧変形させ光学素子を製造する光学素子の製造方法において、
前記金型組立体は上型、下型、胴型、回転防止部材、補助型を備えており、
前記胴型は円形の貫通孔を有しており、
前記上型及び前記下型は、対向する夫々の端面に成形面が設けられ、側面部が前記胴型の貫通孔に嵌合可能であり、さらに、それぞれの側面部には中心軸と平行に切り欠き部を有しており、
前記下型は、前記回転防止部材が載置される段付部を有しており、
前記回転防止部材は前記胴型の内周面と前記上型及び前記下型の切り欠き部とで囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、且つ、嵌合する前記胴型の中心軸と直交方向の断面が略D形状を有しており、
前記補助型は、前記胴型の貫通孔、前記下型、前記回転防止部材で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、その略中央に前記胴型の中心軸に沿う方向に貫通孔が設けられており、
前記貫通孔が設けられている前記補助型の内周面は、矩形状または多角形状を有しており、
前記光学素子は、非回転対称体であり、
前記下型と前記回転防止部材と前記補助型とを前記胴型の貫通孔に嵌め込み、前記成形素材を前記下型の成形面上に載置した後、前記上型を前記胴型の貫通孔に嵌め込んで前記金型組立体を組み立てる工程と、
前記成形素材を加熱軟化させた状態で前記上型の成形面及び前記下型の成形面で押圧して変形させて所望の形状に成形する工程と、を有することを特徴とする。
請求項に係る発明は、
熱可塑性の成形素材を型本体内部に配置し加熱軟化させた状態で押圧変形させ光学素子を製造する光学素子の製造用金型組立体において、
金型組立体は上型、下型、胴型、回転防止部材、補助型を備えており、
前記胴型は円形の貫通孔を有しており、
前記上型及び前記下型は、対向する夫々の端面に成形面が設けられ、側面部が前記胴型の貫通孔に嵌合可能であり、
さらに、それぞれの側面部には中心軸と平行に切り欠き部を有しており、
前記下型は、前記回転防止部材が載置される段付部を有しており、
前記回転防止部材は前記胴型の内周面と前記上型及び前記下型の切り欠き部で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、且つ、嵌合する前記胴型の中心軸と直交方向の断面が略D形状を有しており、
前記補助型は、前記胴型の貫通孔、前記下型、前記回転防止部材で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、その略中央に前記胴型の中心軸に沿う方向に貫通孔が設けられており、
前記貫通孔が設けられている前記補助型の内周面は、矩形状または多角形状を有しており、
前記光学素子は、非回転対称体であることを特徴とする。
本発明によれば、光学面の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑制して高精度な非回転対称体の光学素子を製造することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[成形装置の説明]
図1は、加熱成形状態にある光学素子の製造装置の部分概念を示す図である。
この製造装置10は、大気圧下又は不活性ガス(Arガス等)、窒素ガス(N等)の置換下で稼動でき、真空装置を必要としない一般的なものである。この製造装置10は、金型組立体20を挟んで対向配置された上側プレート12及び下側プレート14と、上側プレート12を下側プレート14に向けて(矢印A方向に)押圧する加圧装置21と、を有している。
下側プレート14は基台15に固定されており、上側プレート12は加圧装置21に連結されている。上側プレート12には、上側カートリッジヒータ16が内蔵されている。また、下側プレート14には、下側カートリッジヒータ18が内蔵されている。金型組立体20は、下側プレート14及び上側プレート12を介して夫々のヒータ16,18で加熱される。なお、カートリッジヒータ16,18の代わりに、赤外線ランプを金型組立体20の側面周辺に配置しても構わない。
金型組立体20は、加熱、成形、冷却の各工程が実行されて成形品としてのレンズアレイ32(図4A、図4B等参照)が得られる。成形工程では、金型組立体20は、上側プレート12と下側プレート14との間に挟持された状態で加圧装置21により押圧成形される。
なお、この金型組立体20の詳細については後述する。また、この金型組立体20の図において、各部材の嵌合部には視認可能な程度のクリアランスが図示されているが、これは説明の便宜からである。
[第1の実施の形態]
図2A、図2Bは、常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図、図3A、図3Bは、加熱下での成形後の状態を示す図、図4A、図4Bは、得られた光学素子の状態を示す図である。
金型組立体20は、従来の型構成で使用される上型22、下型24、及び胴型としてのスリーブ26に加え、回転防止部材27を備えている。スリーブ26は上下方向(押圧方向)に貫通孔26aを有する円筒形状を有している。この貫通孔26aに、上型22と下型24が夫々挿入されて嵌合可能な形状を有している。
上型22と下型24が嵌合された状態では、上型22の側面円周部22a、下型24の側面円周部24a、スリーブ26の貫通孔26aの内周面の各中心軸Oが一致するようになっている。
上型22と下型24とは対向する面に夫々成形面22b,24bが設けられている。この成形面22b,24bの外周側も成形面であるが、これは平坦面22c,24cに形成されている。
上型22と下型24の側面部には、中心軸Oと平行方向に夫々切り欠き部22d,24dが設けられている。この切り欠き部22d,24dは平坦面に形成されている。
上型22及び下型24の各成形面22b,24bには、成形される光学素子の光学面に対応した2個の小レンズ成形面220,220、240,240が配置されている。
小レンズ成形面220、240の配置位置は、切り欠き部22d,24dの平面部を基準に位置決めされる。すなわち、切り欠き部22d,24dを位置合わせした状態で、上型22と下型24の成形面22b,24bを対向配置したときに夫々の小レンズ成形面220、240が所望の位置にくるように形成しておく。
回転防止部材27は、スリーブ26の貫通孔26aの内周面と上型22及び下型24の切り欠き部22d,24dとで囲まれた空間に嵌合可能な形状を有している。本実施形態では、円柱体が中心軸Oと平行な方向に切断され、中心軸Oと直交方向の断面が略D形状をなしている。
なお、略D形状の角部は、欠け等を防止するため、面取りあるいはラウンド(丸め処理)を設けてもよい。
この回転防止部材27によれば、成形面22b,24b以外の領域にその中心軸Oと直交方向の断面を比較的広くとることができ、強度面の耐荷重値を高めることができる。なお、回転防止部材27の中心軸O方向の長さはスリーブ26の長さ以下に設定する。これは、成形時に上型22等の移動量を規制しないようにするためである。
また、上型22、下型24、スリーブ26、及び回転防止部材27の材料は、超硬合金、炭化珪素、ステンレス鋼などが用いられる。さらに、小レンズ成形面220、240の形状は、切削加工、研削加工、研磨加工等の中から適当な処理を選択して製作することができる。
上型22及び下型24間に配置される成形素材30は、熱可塑性材料としての光学ガラスからなる。本実施形態では、光学ガラスとして(L−BSL7(株)オハラ製) (ガラス転移点498℃、屈伏点549℃)を用いている。また、成形素材30の体積は製造される光学素子の体積と一致させている。この成形素材30の形状は、溶融ガラスを滴下して得られるガラス塊状のゴブ形状である。なお、成形素材30として、合成樹脂等の熱可塑性材料を用いてもよい。
次に、光学素子の製造方法について説明する。
製造工程は、組み立て工程、加熱工程、成形工程、及び冷却工程を有している。
まず、金型組立体20の組み立て工程について説明する。
スリーブ26の貫通孔26aに下型24を嵌合させる。次いで、回転防止部材27を、スリーブ26の貫通孔26aの内周面と下型24の切り欠き部24dとで囲まれた空間に嵌めこむ。
成形素材30を下型24の成形面24bの上に載置する。このとき、成形素材30の位置は、下型24の成形面24bの中心部に対して、成形素材30の中心が一致するように位置決めする。
この状態で、上型22をその成形面22bが成形素材30に向くようにスリーブ26の貫通孔26aに嵌合させる。上型22と下型24は、スリーブ26の貫通孔26aに挿入されると、上型22の中心軸線と下型24の中心軸線とがスリーブ26の中心軸線Oに一致した状態となる。
この状態で、上型22の小レンズ成形面220と下型24の小レンズ成形面240とは、予め設定された配置関係になる。ここでは、2つの小レンズ成形面220,240の周方向の位置が一致するようになっている。
次いで、スリーブ26を介して上型22と下型24とで成形素材30を挟み込むことで、金型組立体20が得られる。
次に、加熱工程について説明する。
光学素子の製造装置10内に、成形素材30を組み付けた金型組立体20を搬入する。
製造装置10内の下側プレート14と上側プレート12は、内蔵されたカートリッジヒータ16、18によって温度が上昇する。こうして、金型組立体20と成形素材30とが成形温度に達するように、下側プレート14と上側プレート12を介して金型組立体20を所定時間加熱する。
このとき、成形温度は使用するガラスの屈伏点温度よりも高い温度に設定する。これにより、成形温度下において成形素材30は軟化状態になる。
次に、図3A及び図3Bに基づき成形工程について説明する。
成形温度に保持された状態で、加圧装置21により下側プレート14と上側プレート12とを相対的に接近させ、金型組立体20を加圧する。
すると、下型24と上型22で挟まれた成形素材30は、変形しながら金型内の空間部に充填されていく。変形が進行すると、成形素材30に光学面が形成される。
成形素材30が変形する過程では、上型22の成形面22bと下型24の成形面24bはスリーブ26の貫通孔26aの内周面により、中心位置のずれが抑制され、横ずれ方向の相対位置が固定される。
さらに、上型22の成形面22bと下型24の成形面24bは、回転防止部材27により中心軸Oに対する周方向の回転ずれが抑制され、軸周りの回転方向の相対位置が固定される。そして、所望形状が得られた段階で加圧を止めれば、光学素子としてのレンズアレイ32の成形が完了する。なお、レンズアレイ32の所望形状を得るためには、上側プレート12の移動量を制御してもよいし、加圧力と加圧時間を制御するようにしてもよい。
また、本実施形態において、回転防止部材27はその長さがスリーブ26の長さ以下に設定されているため、成形完了時に他部材と干渉することがない。
次に、冷却工程について説明する。
この冷却工程では、加熱された光学素子(レンズアレイ32)を軟化状態から固化状態に移行させ、形状を安定させることを目的としている。
このために、図示しない冷却装置により金型組立体20を冷却する。冷却時には、成形されたレンズアレイ32の転写性確保と歪低減のため、ある程度の加圧状態が必要になる。なお、この加圧力は成形品に割れが発生しない程度の範囲で設定するのがよい。
金型組立体20及び成形された光学素子(レンズアレイ32)が常温付近まで冷却されると、冷却が完了する。冷却が完了した後、金型組立体20から上型22を外して分解すると、光学素子(レンズアレイ32)を得ることができる。
次に、図4A及び図4Bに基づき、成形された光学素子(レンズアレイ32)について説明する。
このレンズアレイ32は非回転対称の光学面32aを持っている。この非回転対称の光学面32aとして、本実施形態では、2個の小レンズが径方向に配列されたレンズアレイ状になっている。
このレンズアレイ32の外径は平面視で円形状である。また、その外周面32bは円弧状で自由な形状になっている。これは、レンズアレイ32の外周面32bは金型の成形面と非接触で成形されるためである。
以上において、本実施形態では、非回転対称の光学素子として、図4A及び図4Bのようなレンズアレイ32について説明したがこれに限らない。さらに、非回転対称体の光学素子の形状、ガラスの種類、成形素材の形状、製造工程の順序等については内容が限定されることはない。
例えば、光学素子の外形形状は、用途及び鏡枠への取り付け状態に応じて、円形以外にも矩形状、多角形状でも構わない。また、光学素子の光学面は、例えばレンズアレイ32の場合、小レンズ部の形状および数を要求性能に応じて変更することができる。さらに、レンズアレイ32以外では、トーリック面、自由曲面などの非回転対称面としてもよい。
また、上型22及び下型24はそれぞれ単一部品で構成されているが、複数の別体部品を組み合わせて構成してもよい。例えば、上型22の場合、成形面22bを有する基本部品に小レンズ成形面220を有する入れ子型部品を嵌合させて構成したものでもよい。
また、成形素材30の形状は、ゴブ形状以外にも、平行平板形状、レンズ形状、ボール形状、或いはロッド形状等のものを用いることができる。
さらに、製造工程は、組立工程、加熱工程、成形工程、冷却工程を有する場合について説明したが、これに限らない。例えば、自動組立装置と組み合わせれば組立工程と加熱工程の順序を入れ替えることも可能であり、加熱工程後に組立工程を入れた順序で製造しても構わない。
また、後工程として、光学素子は外形寸法を確保するため、必要であれば芯取り工程を追加して、余分な外径部分を削り落としてもよい。また、反射防止機能などの副次的な機能を付加する場合は、後工程で光学素子の表面にコーティング処理を行うとよい。
本実施形態によれば、従来の型構成すなわち略円柱形状の型部品で構成された金型組立体を流用しつつ、成形される光学素子(32)の光学面(32a)の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑えることができる。また、回転防止部材27の変形および破損の防止を図り、精度の良い非回転対称体の光学素子(32)を得ることができる。さらに、金型の加工精度を確保しつつ、加工コストの抑制を図ることができる。
[第2の実施の形態]
本実施形態においては、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、主に相違点について記載する。なお、第1の実施形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
図5A、図5Bは、常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図、図6A、図6Bは、加熱下での成形後の状態を示す図、図7A、図7Bは、得られた光学素子の状態を示す図である。
下型24は、一方の端面に成形面24bと反対側の端面にフランジ部25が設けられている。このフランジ部25は回転防止部材27が載置可能になっている。
これにより、組み立て状態において、下型24のフランジ部25に回転防止部材27の端面が当て付いた状態になる。さらに、その外周側でスリーブ26の下側端面がフランジ部25に当て付けられる。なお、上型22においても下型24と同様にフランジ部25を設けても構わない。
図5A、図6Aに示すように、上型22にフランジ部23を設けた場合は、このフランジ部23を、成形工程において機械的なストッパーとして機能させることが可能である。
図7A及び図7Bに示すように、成形された光学素子(レンズアレイ32)は非回転対称の光学面32aを持つ。この非回転対称の光学面32aとして、本実施形態ではそれぞれの光学面32aに2個の小レンズが径方向に配列されたレンズアレイ状になっている。
このレンズアレイ32の外形は平面視で円形状であり、その外周面32bは自由形状になっている。これは、前記と同様に、レンズアレイ32の外周面32bは、金型の成形面と非接触で成形されるためである。
本実施形態によれば、成形される光学素子(32)の光学面(32a)の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑制等することができる。さらに、下型24に設けたフランジ部25により、金型組立体20の移動や搬送時に、回転防止部材27やスリーブ26の脱落を防止することができる。
本実施形態では、組立工程、加熱工程、成形工程、冷却工程で各装置に金型組立体20が移送され、各装置の間に段差や間隙が生じている場合に特に有効である。
[第3の実施の形態]
本実施形態においては、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、主に相違点について記載する。なお、第1の実施形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
図8A、図8Bは、常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図、図9A、図9Bは、加熱下での成形後の状態を示す図、図10A、図10Bは、得られた光学素子の状態を示す図である。
本実施形態では、金型組立体20に補助型28を組み合わせることが可能である。この補助型28は、スリーブ26の貫通孔26aの内周面と回転防止部材27の側面とで囲まれた空間に嵌め込まれ、下型24の成形面24b、24cの上に載置される。この補助型28は、略中央にスリーブ26の中心軸Oに沿う方向に円形の貫通孔28aが設けられている。外周部は一部が切り欠かれた円環状をなしている。
この補助型28の貫通孔28aは、その内周面を成形工程での光学素子(レンズアレイ32)の外周面32bの変形規制部として利用される。
次に、作用について簡単に説明する。
組立工程では、補助型28を、スリーブ26の貫通孔26aの内周面26aに嵌合させた状態で、下型24の成形面24bの上に載置する。このとき、補助型28は回転防止部材27の側面により中心軸Oに対する回転方向の向きが固定される。
成形工程では、下型24と上型22で挟まれた成形素材30は変形しながら、下型24の成形面24b、上型22の成形面22b、及び補助型28の内周面で囲まれた空間内に充填される。こうして、光学素子(レンズアレイ32)が成形される。
本実施形態では、補助型28の貫通孔28aの内周面を軟化した成形素材30の変形規制部としている。このため、成形素材30の変形は補助型28の内周面に沿って進む。なお、補助型28の内周面は平面視で円形をなしている。このため、成形素材30が上型22、下型24、及び補助型28で構成される空間に充填されると、成形される光学素子(レンズアレイ32)の外周面32bは平面視で円形状になる。
本実施形態によれば、成形される光学素子(32)の光学面(32a)の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑制等することができる。また、補助型28を設けたことにより、光学素子(レンズアレイ32)の外形寸法を制御することが可能となる。これにより、後工程の心取り工程をなくすことができる。
[第4の実施の形態]
本実施形態においては、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、主に相違点について記載する。なお、第1の実施形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、前述した各実施形態で用いた回転防止部材27の熱線膨張係数αを、上型22、下型24、及びスリーブ26の熱線膨張係数αよりも大きくする点が特徴である。
例えば、金型組立体20の各構成部材にタングステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合金を使用する場合、各構成部材を、構成物質の含有比率の異なるグレード間、あるいは、含有物質の異なるタイプから選択することで、材料の熱線膨張係数を変えることができる。
例えば、市販の超硬合金は熱線膨張係数が4×10−6〜8×10−6mm/mm・℃の範囲にある。よって、この範囲内で熱線膨張係数の小さめの材料と大きめの材料を選択して使用すればよい。
そして、選択した材料間の熱線膨張係数の差から、スリーブ26の貫通孔26aの内周面の内径寸法に対する下型24と回転防止部材27を合わせた断面の外形寸法の差分を設定する。この差分はクリアランス量に相当している。
また、常温下での差分量(クリアランス量)は、成形温度下での差分量が0に近くなるよう、回転防止部材27の熱膨張分を考慮して設定する。クリアランス量が小さくなると、上型22と下型24の各成形面の横ずれ、及び回転ずれは小さくなる。
一般に、成形温度下では回転防止部材27、上型22、及び下型24の熱膨張によってスリーブ26は大きな応力を受けやすくなる。この際、スリーブ26の破損を防止するため該スリーブ26の貫通孔26aの内周面に部分的なスリットを設けてもよい。スリーブ26に応力が発生した場合、スリット部が変形するため応力が緩和でき、破損しにくくなる。
本実施形態によれば、成形される光学素子の光学面の横ずれ及び回転ずれに関わる偏心を抑制等することができる。また、回転防止部材27の熱線膨張係数αを上型22、下型24、及びスリーブ26の熱線膨張係数αよりも大きくしたため、成形工程での上型22と下型24との偏心をより小さく抑制することができる。
加熱成形状態にある光学素子の製造装置の部分概念を示す図である。 第1実施形態の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。 第2実施形態の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。 第3実施形態の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の常温下での金型組立体の組み立て状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の加熱下での成形後の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。 同上の得られた光学素子の状態を示す図である。
符号の説明
10 光学素子の製造装置
12 上側プレート
14 下側プレート
15 基台
16 上側カートリッジヒータ
18 下側カートリッジヒータ
20 金型組立体
21 加圧装置
22a 側面円周部
22b 成形面
22c 平坦面
22d 切り欠き部
220 小レンズ成形面
23 フランジ部
24 下型
24a 側面円周部
24b 成形面
24c 平坦面
24d 切り欠き部
240 小レンズ成形面
25 フランジ部
26 スリーブ
26a 貫通孔
27 回転防止部材
28 補助型
28a 貫通孔
30 成形素材
32 レンズアレイ
32a 光学面
32b 外周面

Claims (2)

  1. 熱可塑性の成形素材を金型組立体の内部に配置し加熱軟化させた状態で押圧変形させ光学素子を製造する光学素子の製造方法において、
    前記金型組立体は上型、下型、胴型、回転防止部材、補助型を備えており、
    前記胴型は円形の貫通孔を有しており、
    前記上型及び前記下型は、対向する夫々の端面に成形面が設けられ、側面部が前記胴型の貫通孔に嵌合可能であり、さらに、それぞれの側面部には中心軸と平行に切り欠き部を有しており、
    前記下型は、前記回転防止部材が載置される段付部を有しており、
    前記回転防止部材は前記胴型の内周面と前記上型及び前記下型の切り欠き部とで囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、且つ、嵌合する前記胴型の中心軸と直交方向の断面が略D形状を有しており、
    前記補助型は、前記胴型の貫通孔、前記下型、前記回転防止部材で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、その略中央に前記胴型の中心軸に沿う方向に貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔が設けられている前記補助型の内周面は、矩形状または多角形状を有しており、
    前記光学素子は、非回転対称体であり、
    前記下型と前記回転防止部材と前記補助型とを前記胴型の貫通孔に嵌め込み、前記成形素材を前記下型の成形面上に載置した後、前記上型を前記胴型の貫通孔に嵌め込んで前記金型組立体を組み立てる工程と、
    前記成形素材を加熱軟化させた状態で前記上型の成形面及び前記下型の成形面で押圧して変形させて所望の形状に成形する工程と、
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 熱可塑性の成形素材を型本体内部に配置し加熱軟化させた状態で押圧変形させ光学素子を製造する光学素子の製造用金型組立体において、
    金型組立体は上型、下型、胴型、回転防止部材、補助型を備えており、
    前記胴型は円形の貫通孔を有しており、
    前記上型及び前記下型は、対向する夫々の端面に成形面が設けられ、側面部が前記胴型の貫通孔に嵌合可能であり、
    さらに、それぞれの側面部には中心軸と平行に切り欠き部を有しており、
    前記下型は、前記回転防止部材が載置される段付部を有しており、
    前記回転防止部材は前記胴型の内周面と前記上型及び前記下型の切り欠き部で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、且つ、嵌合する前記胴型の中心軸と直交方向の断面が略D形状を有しており、
    前記補助型は、前記胴型の貫通孔、前記下型、前記回転防止部材で囲まれた空間に嵌合可能な形状を有しており、その略中央に前記胴型の中心軸に沿う方向に貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔が設けられている前記補助型の内周面は、矩形状または多角形状を有しており、
    前記光学素子は、非回転対称体である
    ことを特徴とする光学素子の製造用金型組立体。
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