JP2014105118A - 光学素子成形型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス素材17をプレスして、光学面を含む第1面および第2面と、これらの外周側の側面とを有し、第1面および側面と、第2面および側面とが、角面部を介して接続された光学素子を成形するための光学素子成形型10であって、平坦面成形面13eおよび第1レンズ面成形面12cを有する第1型部11と、第2レンズ面成形面15eを有する第2型部15と、側面成形面14bを有する側型部14と、を備え、第1型部11および第2型部15は、平坦面成形面13eの外周部から突出して外側に向かう傾斜面を含むテーパ状成形面13dを有する。
【選択図】図2
Description
ガラスモールド成形によれば、光学素子の光学面の中心軸と、光学素子の側面となる外周面の中心軸とが同軸となるように、同時成形を行うことにより、芯取り不要な光学素子を成形することができる。
このような光学素子成形型として、例えば、特許文献1には、光学面を成形する上型および下型と、光学素子の側面を成形する外径型とを用いて、光学素子の光学面と側面とを同時に成形する光学素子成形装置が記載されている。
また、特許文献2には、光学素子の光学面の一方を成形する上型と、光学素子の光学面の他方を成形する下型と、光学面の他方の外周部の平坦面と側面とを成形する素材保持部材とを備えることにより、光学素子の光学面と側面とを同時に成形する光学素子の型セットが記載されている。
また、特許文献3には、上型と下型とを胴型に挿入して構成するプレス成形型において、上型の外径を下型の外径よりも大きくしておき、胴型に上型、下型をそれぞれ嵌め込む内径差に相当するテーパ状の段部の形状を形成しておき、この段部によって成形品の下型側の角部の形状を成形するガラス製光学素子の製造方法が記載されている。
また、特許文献4には、光学面を成形する上型および下型の間に、光学素子の光学面の外周の平坦面および傾斜面を形成するリング部材と、光学素子に側面を成形するスリーブとを備えることにより、光学素子の光学面と側面とを同時に成形する光学素子の成形用型が記載されている。
特許文献1に記載の技術のように、上下型と外径型とを用いて光学面とレンズの側面とを同時に成形し、芯取り不要なレンズを成形する場合、上下型と外径型とで形成される成形空間の隅部にガラスを充填させることが難しい。このため、成形されたレンズの上下面と側面との角部に、成形面と接触することなく硬化した自由面が形成されてしまう。この自由面は、成形面に密着していないため、不定形の滑らかな湾曲面になっている。
このような自由面が形成されたレンズを、例えば、撮像機器などに組込むと、自由面に到達した光が自由面で内面反射して、ゴーストが発生するため、光学性能が損なわれてしまうという問題がある。
特許文献2に記載の技術のように、光学素子の端面の平坦面と側面とを一体で形成した素材保持部材を用いた成形方法では、成形によるガラス変形過程で素材保持部材の成形面にガラスが接触すると隅部付近に気体が閉じ込められてしまう。このため、隅部の形状を完全に転写させることは困難である。したがって、特許文献1と同様に、光学素子の角部に自由面が形成されてしまうという問題がある。
なお、成形品の角部に自由面を残したまま成形を完了し、脱型後の成形品に面取り加工を施して、自由面を除去することも考えられる。この場合、面取り加工に要する費用が発生するため製造コストが増大してしまうという問題がある。
特許文献3に記載の技術では、型構造上、ガラス製光学素子の上下面のどちらか一方と側面とをつなぐ角部の形状しか成形することができないという問題がある。
また、このような型構成では、胴型の段部の成形面と下型の成形面との高さ位置を厳密に合わせる必要がある。このため、例えば、下型の老朽化等により、下型の成形面の再加工が必要となると、成形面の高さがずれるため、胴型の再加工も必要となって、型改造が大がかりになってしまうという問題がある。
また、特許文献4に記載の技術では、リング部材を、下型とスリーブとのなす隅部に配置するため、成形品の角部の形状の制御が可能である。
一方、角部は、有効径外になるため、光学素子の小径化、低コスト化のためには、光学素子の外周部においてできるだけ狭い領域に形成することが好ましい。ところが、特許文献4では、リング部材を用いるため、このような狭小な角部を形成しようとすると、リング部材が細くなりすぎて、製造が難しくなる。また、そのようなリング部材を製造できたとしても強度が保てなくなるため、耐久性に欠ける部材になってしまう。
このように、特許文献4に記載の技術では、従来、面取り加工や角丸め加工などによって設けている微小な角部の形状を形成できないという問題がある。
図1(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の光学素子成形型で製造される光学素子の一例を示す模式的な、左側面図、光軸を含む断面図、および右側面図である。図2(a)は、本発明の実施形態の光学素子成形型の構成を示す模式的な断面図である。図2(b)は、図2(a)におけるA部の拡大図である。図3は、本発明の実施形態の光学素子成形型の第1型部および側型部の構成を示す模式的な分解断面図である。図4は、本発明の実施形態の光学素子成形型を用いて成形を行う光学素子成形装置の構成を示す模式的な断面図である。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、レンズ1は、光学面として、凹レンズ面である第1レンズ面2aと、凹レンズ面である第2レンズ面4(第2面)とが、互いにレンズ光軸Oに沿う方向に離間して配置された両凹レンズである。
第1レンズ面2aおよび第2レンズ面4の面形状は特に限定されず、例えば、球面、非球面などの適宜の凹面を採用することができる。図1(a)、(b)、(c)では、第1レンズ面2aの曲率半径の方が第2レンズ面4の曲率半径よりも小さい場合の例を示しているが、曲率半径の大きさの関係はこのような関係には限定されない。
第1レンズ面2aの外周には、レンズ光軸Oに直交する平面からなる平坦面2bが隣接して形成されている。
平坦面2bと第2レンズ面4との間には、レンズ光軸Oを中心とする円筒面状のレンズ側面6(側面)が、長さh6にわたって形成されている。
第2レンズ面4とレンズ側面6とのなす角部には、第2レンズ面4の外周部から径方向外側に向かうにつれて拡径しつつ平坦面2bの方に傾斜するテーパ面からなる角面部5が形成されている。
本実施形態では、平坦面2b、レンズ側面6に対する内角がいずれも135°となって、互いに等しくなるようにしている。すなわち、本実施形態では、一例として、レンズ側面6に対する傾斜角θ3(図1(b)参照)を45°にしている。
角面部5の傾斜量は、第2レンズ面4の外縁部に対してなす内角が120°〜150°であることが好ましい。同様に、レンズ側面6に対してなす内角が120°〜150°であることが好ましい。
本実施形態では、一例として、レンズ側面6に対する傾斜角θ5(図1(b)参照)を45°にしている。
このため、本実施形態における角面部3、5は、レンズ1の角部を全周にわたってC面取りしたのと同じ形状を有している。
また、レンズ光軸Oに沿う方向の他方の端面である第2面は、第2レンズ面4のみから構成されている。
角面部3は、平坦面2bの外周部とレンズ側面6の一方の端部とを接続する面になっている。
角面部5は、第2レンズ面4の外周部とレンズ側面6の他方の端部とを接続する面になっている。
レンズ1のレンズ有効径は、第1レンズ面2a、第2レンズ面4の外径よりもわずかに内側に設定されている。このため、平坦面2b、角面部3、5は、いずれも有効径外に位置している。
レンズ1の小径化のためには、角面部3、5の形成範囲は、できるだけ狭くなるようにすることが好ましいが、レンズ1の欠け防止や鏡枠組み付け時の干渉防止等で適宜設定して良い。例えば、図1(b)に示すように、角面部3、5の径方向の幅をそれぞれd3、d5とすると、いずれも、0.03mm〜0.5mmの範囲とすることが好ましい。
第1レンズ面2a、第2レンズ面4は、光学面として機能するために必要な面精度を有する平滑面になっている。
一方、平坦面2b、角面部3、5、およびレンズ側面6は、内面反射を防止するため、第1レンズ面2a、第2レンズ面4よりも表面粗さが大きい粗面として形成されている。
平坦面2b、角面部3、5の好ましい表面粗さとしては、算術平均粗さRaで、0.1μm〜1.6μmであることが好ましい。
ガラス素材17は、レンズ1を構成するガラス硝材を、レンズ1の成形に必要な質量だけ秤量して塊状に形成したものである。図2では、ガラス素材17を球状に描いているが、ガラス素材17の形状は球形状には限定されず、楕円体状、円板状、レンズ1の外形に近似した形状などの適宜形状も採用することができる。
ガラス素材17の製造方法は、例えば、成形加工、母材からの研削・研磨加工など適宜の製造方法を採用することができる。
下型12は、円筒面状の外周面12eを有する基部12dの中心に、外周面12eよりも小径の外径を有する軸状部12bが立設された段付き円柱状の部材である。
軸状部12bの先端部には、レンズ1の第1レンズ面2aの形状を成形する凸面形状の第1レンズ面成形面12c(軸方向成形面、光学面成形面)が設けられている。
端面型13の下端面13f、上端面13cは中心軸線Pに直交する平面からなる。
端面型13の中心部には、下型12の軸状部12bを進退移動可能に嵌合する孔部13bが中心軸線Pに沿って貫通されている。
上端面13cには、孔部13bと同軸とされ直径D13bを有する円領域に、レンズ1の平坦面2bの形状を成形するための平面からなる平坦面成形面13e(軸方向成形面)と、レンズ1の角面部3の形状の成形するためのテーパ面からなり平坦面成形面13eの外周に接続するテーパ状成形面13d(角面部成形面)とからなる凹部が形成されている。
すなわち、テーパ状成形面13dは、上端面13cから平坦面成形面13eに向かって縮径するテーパ面である。テーパ状成形面13dの勾配は、上端面13cの法線と角度θ3をなす勾配である。
テーパ状成形面13dの外径になっている直径D13dは、成形に用いるガラス素材の成形収縮等を考慮して、レンズ側面6の外径D6と同寸法、または外径D6よりわずかに大きい寸法に設定することができる。
上端面13cの表面粗さは、算術平均粗さRaで、0.1μmから3.2μmであることが好ましい。
平坦面成形面13e、テーパ状成形面13dは、レンズ1の平坦面2b、角面部3に粗面形状を転写するため、粗面加工されている。
本実施形態では、平坦面成形面13e、テーパ状成形面13dの表面粗さは、平坦面2b、角面部3と同様、算術平均粗さRaで、0.1μm〜1.6μmであることが好ましい。
粗面加工の加工方法としては、例えば、放電加工、研削加工などの加工方法を挙げることができる。
本実施形態では、側型部14の外周面14aの外径は、端面型13の外周面13aと外径と同径とされている。また、側型部14の中心には、直径D14bの円孔が中心軸線P方向に貫通されており、この円孔の内周面によって、レンズ側面6の形状を形成する側面成形面14b(外周成形面)が構成されている。
側面成形面14bの内径D14bは、成形に用いるガラス素材の成形収縮等を考慮し、レンズ側面6の外径D6と同寸法、または外径D6よりわずかに大きい寸法に設定することができる。
本実施形態では、下端面14c、上端面14dは、いずれも、上端面13cと同程度の表面粗さを有する粗面として形成されている。
基部15g上において軸状部15hの外周側となる領域には、中心軸線Pに直交する平面からなるフランジ面15fが形成されている。
テーパ状成形面15dは、中心軸線Pを中心とする直径D15dの円状の外径を有し、型合わせ面15cから、第2レンズ面成形面15eに向かって縮径するテーパ面である。テーパ状成形面15dの勾配は、型合わせ面15cの法線に対して角度θ5をなす勾配である。
テーパ状成形面15dの外径D15dは、成形に用いるガラス素材の成形収縮等を考慮して、レンズ側面6の外径D6と同寸法、または外径D6よりわずかに大きい寸法に設定することができる。
型合わせ面15cは、本実施形態では、成形時に側型部14の上端面14dと当接する平面部であり、上端面13cと同程度の表面粗さを有する粗面として形成されている。
スリーブ16において、上端面16dから段差部16fまでの内周部には、端面型13、側型部14、第2型部15の軸状部15hをそれぞれ中心軸線Pに沿う方向に移動可能に外嵌する型挿入穴部16cが形成されている。
また、段差部16fから下端面16aまでの内周部には、下型12の外周面12eを中心軸線Pに沿う方向に移動可能に外嵌する貫通孔部16bが形成されている。
スリーブ16の側面には、型挿入穴部16cに貫通する気体排出孔16e(気体流出部)が複数設けられている。
気体排出孔16eの型挿入穴部16c側の開口の位置は、成形時に第1型部11、側型部14、および第2型部15の各成形面で囲まれる成形空間S内の気体を光学素子成形型10の外部に排出できる位置であれば、特に限定されないが、成形品が形成される位置の側方であることが好ましい。
また、気体排出孔16eの型挿入穴部16c側の開口の位置は、成形完了時における型合わせ面15cと上端面14dとの当接位置や、下端面14cと上端面13cとの当接位置に面していることがより好ましい。
本実施形態における気体排出孔16eの位置は、一例として、スリーブ16に装着した状態の第2型部15の型合わせ面15cの下方において、成形完了時に側型部14の側方となる位置に設けている。
また、ガラス素材17と接触する成形面である、第1レンズ面成形面12c、平坦面成形面13e、テーパ状成形面13d、側面成形面14b、第2レンズ面成形面15e、およびテーパ状成形面15dの表面には、ガラスとの離型性を向上させるために離型膜が形成されている。離型膜としては、ガラス成形に好適な適宜の離型膜を採用することができる。本実施形態においては、離型膜の一例として、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)のコーティングが施されている。
図4は、本発明の実施形態の光学素子成形型を用いて成形を行う光学素子成形装置の構成を示す模式的な断面図である。図5(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の光学素子成形型を用いた成形動作を示す動作説明図である。図6(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の光学素子成形型の作用を説明する模式図である。図7(a)、(b)は、比較例の光学素子成形型の作用を説明する模式図である。
型セット組立工程では、図2(a)に示すように、光学素子成形型10の成形空間S内にガラス素材17を配置して、型セットである光学素子成形型組立体18を組み立てる。
すなわち、スリーブ16の貫通孔部16bに、軸状部12bを上方に向けて下型12を挿入し、下端面12aと下端面16aとを合わせて配置する。
スリーブ16の上方からは、型挿入穴部16c内に、端面型13、側型部14、ガラス素材17を順次挿入する。このとき、段差部16fには、端面型13の下端面13fを対向させ、端面型13の上端面13cには、側型部14の下端面14cを対向させる。また、ガラス素材17は、端面型13の平坦面成形面13eと孔部13bとが交差して形成される稜線部に載置する。
段差部16fは、下型12の基部12dの上端面よりも上方に位置し、下型12の軸状部12bは、端面型13の孔部13bに貫入され、中心軸線Pと同軸となるように径方向に位置決めされている。第1レンズ面成形面12cは、平坦面成形面13eよりも下方に位置している。
次に、型挿入穴部16cの上方から、軸状部15hを下方に向けて、軸状部15hを挿入し、フランジ面15fを上端面16d上に載置する。このとき、第2レンズ面成形面15eとガラス素材17の上端部とは離間しており、非接触状態である。
以上で、型セット組立工程が終了する。
光学素子成形装置50は、光学素子成形型組立体18を搬入する搬入口20aと、光学素子成形型組立体18を搬出する搬出口20bとを側面に備える成形室20と、加熱・加圧ステージ51、冷却ステージ52とを備える。
加熱・加圧ステージ51、冷却ステージ52は、成形室20内において、搬入口20aから搬出口20bに向かってこの順に隣接して配置されている。
搬入口20a、搬出口20bは、それぞれシャッター21、29によって開閉可能とされ、閉止時には成形室20の気密が保たれる。
成形室20には、成形室20内の雰囲気を不活性ガスGによって不活性ガス置換するため、図示略の不活性ガス供給部に接続された不活性ガス供給口20cと、成形室20を真空引きするため、図示略の真空ポンプに接続された真空引き管路20dとが設けられている。
不活性ガス供給口20cから供給される不活性ガスGの例としては、例えば、窒素ガス、Arガスなどを採用することができる。
加熱・加圧ステージ51の概略構成は、光学素子成形型組立体18を載置して光学素子成形型組立体18を下方から加熱する下加熱板22と、下加熱板22との間に光学素子成形型組立体18を挟んで光学素子成形型組立体18を上方から加熱するとともに光学素子成形型組立体18を上方から加圧して第2型部15の高さ方向の位置を保持する上加熱板23と、上加熱板23に加圧力を伝達する加圧機構であるエアーシリンダー24とを備える。
下加熱板22、上加熱板23の内部には、カートリッジヒータが内蔵され、加熱温度を適宜値に設定したり、温度制御したりすることができる。
下加熱板22の中心部には、カートリッジヒータと干渉しない位置において、下加熱板22上に載置された光学素子成形型組立体18の下型12を下方から突き上げて、第1レンズ面成形面12cの昇降および加圧を行う突き上げロッド25が貫通されている。
突き上げロッド25は、突き上げロッド25の下方に設けられた図示略のエアーシリンダーによって駆動される。
下温調板26、上温調板27の内部には、カートリッジヒータが内蔵され、冷却温度が制御可能になっている。
レンズ1の形状(図1(a)、(b)、(c)参照)は、第1面2側では、第1レンズ面2aが曲率半径1.26mm、球欠径φ2.1mmの凹球面であり、角面部3の幅d3が0.1mm、傾斜角θ3が45°のテーパ面になっている。第2面側では、第2レンズ面4が曲率半径7.2mm の凹球面であり、角面部5の幅d5が0.1mm、傾斜角θ5が45°のテーパ面になっている。
このため、角面部3、5は、C面取り0.1mmの形状に相当している。
また、レンズ1のレンズ側面6の外径D6は3.3mm、レンズ1の中心厚t(第1レンズ面2aと第2レンズ面4との面間隔)は0.4mmである。
レンズ1の成形に用いるガラス素材17は、L−BSL7(商品名;(株)オハラ製、At(屈伏点):549℃、Tg(ガラス転移点):498℃)の球形の研磨品とし、ガラス素材17の直径は2.36mmである。
このとき、下加熱板22、上加熱板23は、予め所定温度(例えば、580℃)に加熱しておく。また、突き上げロッド25は下加熱板22の上面以下の高さに配置されている。
このとき、成形空間Sは、気体排出孔16eによって、光学素子成形型10の外部と連通している。
所定時間、例えば、90秒経過して、ガラス素材17がその屈伏点を超える温度に加熱されると、ガラス素材17は、加圧により変形可能な軟化ガラス17Aとなる。
そこで、図5(b)に示すように、突き上げロッド25を突き上げて、下型12を押し上げる。このとき、側型部14は自重で段差部16fに載置されて位置決めされているので、下型12のみが上方に移動する。
これにより、第1レンズ面成形面12cが平坦面成形面13eより突出し、軟化ガラス17Aが下方から突き上げられて、第1レンズ面成形面12cと第2レンズ面成形面15eとの間に挟まれる。
第2型部15は、エアーシリンダー24によって下方に加圧され、位置が固定されている。このため、軟化ガラス17Aは、第1レンズ面成形面12cおよび第2レンズ面成形面15eを介して加圧され、第1レンズ面成形面12cおよび第2レンズ面成形面15eに沿って流動し変形し始める。
こうして成形空間Sが徐々に縮小し、軟化ガラス17Aは径方向外方に押し出されるように延展され、第1レンズ面成形面12c、第2レンズ面成形面15eとの接触面積が拡大していく。成形空間S内の不活性ガスGは、気体排出孔16eから順次外部に排出されていく。
側型部14の上端面14dと第2型部15の型合わせ面15cとの隙間が狭くなるにつれ、径方向に広がる軟化ガラス17Aは、側面成形面14bとも接触していく。
このようにして、軟化ガラス17Aは、次第に成形空間Sの隅部に向かって変形を続ける。
軟化ガラス17Aは、溶融状態に比べれば、粘度が高いため、自由面17aはあまり大きな曲率をとることができない。
本実施形態では、隅部にテーパ状成形面13dが設けられているため、自由面17aと隅部との間の隅部隙間Eの断面形状が、自由面17aの凸形状に略沿う弓形になっている。このため、テーパ状成形面13dが省略された直角の隅部の場合に比べて、自由面17a上の各点から近接する隅部までの距離のばらつきが低減されている。
また、テーパ状成形面13dは、自由面17aの中心部の接線方向に略沿っている。このため、自由面17aの中心部がテーパ状成形面13dに滑らかに接していく。さらに、側面成形面14bとテーパ状成形面13dとのなす角と、平坦面成形面13eとテーパ状成形面13dとのなす角とが鈍角であるため、これらによるV字状の隙間も浅くなっている。これらが相俟って、隅部においても、軟化ガラス17Aが各成形面に沿って移動しやすくなり、軟化ガラス17Aが、側面成形面14b、テーパ状成形面13d、および平坦面成形面13eに密着していく。このため、隅部では、軟化ガラス17Aによって不活性ガスGが閉じ込められることなく、円滑に排出されていく。
このような隙間C1に軟化ガラス17Aが侵入すると、成形バリが発生するが、隙間C1の大きさは、最大でも上端面13c、下端面14cの表面粗さの和程度であるため、軟化ガラス17Aが侵入することはない。光学素子のガラス成形では、成形空間Sに開口する隙間が、20μm以下であれば、軟化ガラスの侵入を防止できる。
また、側型部14および下型12は、型挿入穴部16cと移動可能に嵌合しているため、外周面14a、12eと型挿入穴部16cとの間には、不活性ガスGが流通可能な隙間C2(気体流出部)が形成されている。
隅部隙間Eに残留する不活性ガスGは、隅部隙間Eが縮小するにつれて、隙間C1、C2を通して、型挿入穴部16cの内周部に排出されてから、気体排出孔16e(図5(c)等参照)を通して光学素子成形型10の外部に排出される。このため、隙間C1、C2を有しない場合に比べて、不活性ガスGが格段に排出されやすくなるため、自由面17aがより容易に消失する。
この比較例は、光学素子成形型10の側型部14、端面型13に代えて、下型100を用いた例であり、自由面17aが成形品に残ってしまう場合の例である。
下型100は、平坦面成形面13e、側面成形面14bに対応して、それぞれ平坦面成形面100a、側面成形面100bを備え、隅部の断面が直角になっている。また、下型100は、型分割されていないため、平坦面成形面100a、側面成形面100bに開口する隙間は形成されていない。
突き上げロッド25の移動動作は、第1レンズ面成形面12cと第2レンズ面成形面15eとの面間距離が成形収縮を考慮してレンズ1の中心厚に一致する位置まで到達した時点で停止する。
本実施形態では、突き上げロッド25の停止位置は、側型部14の上端面14dが第2型部15の型合わせ面15cに当接したときに、第1レンズ面成形面12cと第2レンズ面成形面15eとの適正な面間距離が得られるようになっている。
なお、本実施形態では、上端面14dと型合わせ面15cとは、上端面13cと同様な粗面になっているため、互いに当接した場合に、下端面14cと上端面13cとの間に形成される隙間C1と同様な隙間が構成される。このため、当接時の上端面14dと型合わせ面15cとの間にも気体流出部が形成されることになる。
この場合における上端面14dと型合わせ面15cとの間の隙間は、成形空間S内の気体が外部に流出可能な気体流出部を構成している。
特に図示はしないが、側面成形面14b、テーパ状成形面15d、および第2レンズ面成形面15eによって形成される成形空間Sの上側の隅部でも同様にして、軟化ガラス17Aが各成形面に密着する状態が形成される。
このため、軟化ガラス17Aには、テーパ状成形面13d、平坦面成形面13e、第1レンズ面成形面12c、テーパ状成形面15d、第2レンズ面成形面15e、および側面成形面14bのそれぞれの面形状が転写される。
以上で、成形工程が終了する。
加熱・加圧ステージ51において、下加熱板22、上加熱板23の設定温度をガラス転移点以下の所定温度(例えば、450℃)に変更して、冷却を開始する。
軟化ガラス17Aの温度がガラス転移点以下の所定温度に低下するまで冷却したら、突き上げロッド25を下降させる。このとき、下型12、端面型13、側型部14も下降する。
突き上げロッド25を下加熱板22の上面以下の高さに下降したら、エアーシリンダー24を上昇させて、加熱・加圧ステージ51による光学素子成形型組立体18の挟持状態を解除する。
そして、光学素子成形型組立体18を冷却ステージ52の下温調板26と上温調板27との間に搬送する。
次に、下温調板26および上温調板27を温度制御して、光学素子成形型組立体18を冷却する。
脱型作業が可能となる温度まで冷却したら、シャッター29を開放して、光学素子成形型組立体18を搬出口20bから光学素子成形装置50の外部に搬出する。
以上で冷却工程が終了する。
このようにして、レンズ1が製造される。
本実施形態では、角面部3、5の表面粗さは、成形面の表面粗さが転写されることで、角部が自由面からなる場合に比べて大きくなるため、テーパ状成形面13d、15dの表面粗さを適宜に設定することで、角面部3、5における内面反射によるゴーストの発生が防止される。
また、自由面は、成形面の形状が転写されないことにより表面がきわめて平滑である上に、R形状の曲面として形成される。このような表面がR形状の曲面は、強い集光作用を伴い、ゴーストになった場合の輝度が上昇してしまう。本実施形態では、こうした自由面が形成されないことでもゴーストの影響が低減される。
このように、本実施形態では、ゴースト防止のために自由面を除去加工する必要がないので、光学性能に優れるレンズ1を安価に製造することができる。
特に本実施形態では、光学面である第1レンズ面2a、第2レンズ面4以外の外表面が、角面部3、5を含めていずれも粗面になっているため、内面反射が格段に抑制され、ゴーストの発生を確実に防止することができる。
次に、本実施形態の第1変形例の光学素子成形型について説明する。
図8は、本発明の実施形態の第1変形例の光学素子成形型の構成を示す模式的な断面図である。図9は、本発明の実施形態の第1変形例の光学素子成形型で製造される光学素子の一例を示す模式的な断面図である。
レンズ1Aは、上記実施形態のレンズ1の角面部3、5に代えて、角面部3A、5Aを備える。
角面部3Aは、平坦面2bの外周部とレンズ側面6の一方の端部とを、レンズ光軸Oを含む断面において円弧状に接続する湾曲面であるR面からなる。
角面部5Aは、第2レンズ面4の外周部とレンズ側面6の他方の端部とを、レンズ光軸Oを含む断面において円弧状に接続する湾曲面であるR面からなる。
角面部3A、5Aの断面内における曲率半径r3A、r5Aは、必要なレンズ有効径が確保されれば、特に限定されないが、例えば、0.03mm〜0.5mmとすることが好ましい。角面部3A、5Aの曲率半径r3A、r5Aは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
端面型13Aは、レンズ1Aの角面部3Aを成形するため、端面型13のテーパ状成形面13dに代えて、R面成形面13g(角面部成形面、傾斜面、断面円弧状のR面)を備える。
R面成形面13gは、上端面13cから平坦面成形面13eに向かって縮径し、中心軸線Pを通る断面が円弧状のR面である。変形例では、R面成形面13gは、平坦面成形面13eの外周部から突出し、外側に向かうにつれて平坦面成形面13eに対する傾斜が0°〜90°まで連続的に変化する傾斜面になっている。
このため、スリーブ16内で側型部14を重ねると、R面成形面13gは、側型部14の側面成形面14bと滑らかに接続する位置関係にある。
R面成形面13gの曲率半径の大きさは、成形収縮を考慮して角面部3Aの曲率半径r3Aが得られるように、角面部3Aの曲率半径r3Aと同じかまたはわずかに大きい設定とされる。
R面成形面13gは、上記実施形態のテーパ状成形面13dと同様の粗面として形成されている。
R面成形面15iは、型合わせ面15cから第2レンズ面成形面15eに向かって縮径し、中心軸線Pを通る断面が円弧状のR面である。本変形例では、R面成形面15iは、第2レンズ面4の外周部から突出し、外側に向かうにつれて第2レンズ面4の外周部の径方向の接線に対する傾斜が0°から漸次増大し、型合わせ面15cと90°をなして交差するように、連続的に変化する傾斜面になっている。
このため、スリーブ16内で側型部14が型合わせされると、R面成形面15iは、側型部14の側面成形面14bと滑らかに接続する位置関係にある。
R面成形面15iの曲率半径の大きさは、成形収縮を考慮して角面部5Aの湾曲の曲率半径r5Aが得られるように、角面部5Aの曲率半径r5Aと同じかまたはわずかに大きい設定とされる。
R面成形面15iは、上記実施形態のテーパ状成形面15dと同様の粗面として形成されている。
また、R面成形面13g、15iの傾斜は、平坦面成形面13e、第2レンズ面成形面15eに滑らかに接続しており、R面成形面13g、15iの円弧状の頂部に向かうにつれて、連続的に傾斜が増大するため、軟化ガラス17Aが円滑に移動する。
このため、軟化ガラス17AがR面成形面13g、15iと密着して、これら成形面の形状が転写される。これにより、レンズ1Aの角部には光学性能を損なう自由面が形成されることがない。
したがって、上記実施形態と同様にして、角面部3A、5Aの内面反射が格段に抑制され、ゴーストの発生を防止することができる。
次に、本実施形態の第2変形例の光学素子成形型について説明する。
図10は、本発明の実施形態の第2変形例の光学素子成形型の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
レンズ1Bは、上記実施形態のレンズ1の角面部3に代えて、角面部3Bを備える。
角面部3Bは、上記実施形態の角面部3が径方向内側に平行移動されたのと同じ形状のテーパ面3aと、このテーパ面3aとレンズ側面6との間に中心軸線Pに直交する平面として形成された平面部3bとからなる。
テーパ面3aおよび平面部3bは、いずれも上記実施形態の角面部3と同様の粗面である。
角面部3Bは、平坦面2bとレンズ側面6とを、テーパ面3aと平面部3bとからなる2面によって接続する場合の例になっている。また、角面部の一部に傾斜面を有する場合の例になっている。
端面型13Bは、レンズ1Bの角面部3Bを成形するため、上記実施形態のテーパ状成形面13dを径方向内側に平行移動したのと同様な形状に形成されている。すなわち、本変形例では、上記実施形態の上端面13cに代えて、上端面13cの内周の径が縮小された平面部13hを備える。
光学素子成形型10Bの組立時において、平面部13hは、その大部分を占める外周部分が側型部14の下端面14cと当接し、側面成形面14bよりも内側に突出した内周部分が、角面部3Bのうち平面部3bを成形する角面部成形面になっている。
平面部13hにおいて、側面成形面14bよりも内側に突出した内周部分の幅w13hは、側面成形面14bと平面部13hとで形成される内角が90°の隅部に自由面が形成されないように、0mmより大きく、0.05mm以下であることが好ましい。内周部分の幅w13hが0.05mmを越えると、軟化ガラス17Aが隅部に充填されなくなるため、自由面が発生してしまう。
平面部13hの表面粗さは、上記実施形態の上端面13cと同様としている。このため、平面部13hの外周部分は、側型部14の下端面14cとの間に気体流出部を形成している。また、平面部13hの内周部分は、レンズ1Bの平面部3bを粗面とする表面粗さを有している。
特に本変形例では、テーパ状成形面13dと側面成形面14bとの間に、平面部13hによる段部が形成されている。このため、製作誤差、摩耗、組立誤差などによって、端面型13Bと側型部14との同軸度がずれた場合に、テーパ状成形面13dの外周部が、下端面14cに接する組立状態になるのを防止することができる。
これにより、テーパ状成形面13dと側面成形面14bとの間に、径方向外方に突出する鋭角のV字状の成形空間にガラスが周り込んで、側型部14からレンズ1Bが取り出せなくなることを防止することができる。
次に、本実施形態の第3変形例の光学素子成形型について説明する。
図11は、本発明の実施形態の第3変形例の光学素子成形型の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
レンズ1Cは、上記実施形態のレンズ1の角面部3に代えて、角面部3Cを備える。
角面部3Cは、上記第2変形例の角面部3Bの平面部3bを光軸方向に沿って移動されたのと同じ形状の平面部3eと、この平面部3eとテーパ面3aとの間にレンズ側面6の外径よりもわずかに小径の円筒面3dと、円筒面3dと平坦面2bとを接続するテーパ面3aとからなる。
平面部3e、円筒面3d、およびテーパ面3aは、いずれも上記実施形態の角面部3と同様の粗面である。
角面部3Cは、平坦面2bとレンズ側面6とを、テーパ面3a、円筒面3d、および平面部3eからなる3面によって接続する例になっている。
端面型13Cは、レンズ1Cの角面部3Cを成形するため、上記第2変形例の平面部13hを側型部14に向かう軸方向に平行移動したのと同様な形状に形成されている。すなわち、本変形例では、上記第2変形例の平面部13hとテーパ状成形面13dとの間に、円筒面3dの形状を成形する円筒状成形面13iを備える。ただし、側型部14の軸方向長さは、円筒状成形面13iの長さだけ短縮しておく。
円筒状成形面13iの表面粗さは上記実施形態のテーパ状成形面13dと同様としている。
また、平面部13hを有するため、上記第2変形例と同様に、円筒状成形面13iと側面成形面14bとの間に、径方向外方に突出する成形空間にガラスが周り込んで側型部14からレンズ1Cが取り出せなくなることを防止することができる。
次に、本実施形態の第4変形例の光学素子成形型について説明する。
図12は、本発明の実施形態の第4変形例の光学素子成形型の主要部の構成を示す模式的な断面図である。
基部31gは、基部15gと同様の外径を有しその厚さを低減した円板状部分である。
軸状部31hは、先端部に第2レンズ面4を有し、第2レンズ面4の外径に等しい外径を有し、基部31gの中心に立設されている。
このため、基部15gのフランジ面31fは、径方向内側では軸状部31hの外周面31aまで延ばされている。
管状部32hの軸方向の他端部には、上記実施形態と同様の型合わせ面15c、テーパ状成形面15dが形成されている。
管状部32hの中心部には、上型31の軸状部31hの外周面31aに着脱可能に嵌合する孔径を有する孔部32bが形成されている。ただし、外周面31aと孔部32bとの間に形成される隙間は、成形時に軟化ガラス17Aが侵入しない隙間になっている。
フランジ部32gは、上型31の基部31gと重ねたときに第2型部15の基部15gと同厚さとなる厚さを有している。フランジ部32gの一端側にフランジ面15fに当接する平面からなる上端面32fが形成され、他端側には、フランジ面15fが形成されている。
本変形例によれば、上型31と、角面部形成型32とを別々に加工することができるため、第2レンズ面成形面15eが隣接しない状態で、第2レンズ面成形面15eの研磨加工と、型合わせ面15cとテーパ状成形面15dとの粗面加工とを、それぞれ別個に行うことができるため、型加工が容易となる。
また、光学素子は、ガラス素材をプレス成形して外形を形成する光学素子であれば、レンズには限定されない。例えば、プリズム、ミラー、フィルタ、基板などの光学素子であってもよい。いずれの場合も、光学有効領域の表面は曲率を有していてもよいし、曲率を有しない平面であってもよい。また、曲率を有する場合には凸面でも凹面でもよい。
角面部成形面を有しない成形面で成形される光学素子の角面部は、切削加工や研磨加工などによって成形後に角面部の形状を形成してもよい。この場合、角面部成形面によって成形された角面部は、切削加工や研磨加工を必要としないため、両方の角面部を切削加工や研磨加工により形成する場合に比べて、製造コストが安価になる。
また、角面部に自由面が形成されていても、光学素子の使用時に自由面に光束が到達しないことが分かっている場合には、自由面を含む角面部を残しておいてもよい。例えば、適宜の開口絞りが存在するなどして入射側の光束径が小さいような場合に、入射側の端面に形成される角面部に内面反射が起こるような光束が到達しないことが分かっている場合がある。
また、複数の型部分に分割された型構造では、型分割の仕方は、上記の分割以外の単位、個数に分割してもよい。
また、互いに当接される型部分が密着する構成の場合に、少なくともいずれかの型部分に溝部を設けて気体流出部を形成することも可能である。この場合、成形空間Sに開口する開口の大きさは、成形時の軟化ガラス17Aが侵入しない大きさとする。
この場合、置換室内の雰囲気を不活性ガス置換した状態で、光学素子成形型組立体を搬入口20aから搬入し、あるいは搬出口20bから搬出することで、成形室20を常時不活性ガス置換した状態とすることが可能である。
このような装置構成では、成形室20内に、2つの光学素子成形型組立体を投入して、連続的に成形を継続することができるため好ましい。
例えば、上記第4変形例の第2型部30は、上記実施形態、第3変形例でも使用可能である。
また、上記実施形態の第2型部15に代えて上記第1変形例の第2型部15Aを用いることにより、第1面側に角面部3を、第2面側に角面部5Aを有する光学素子を成形することも可能である。
また、上記第2、第3変形例で説明したテーパ状成形面13dをR面成形面13gに置き換えることも可能である。
2 第1面
2a 第1レンズ面(光学面)
2b 平坦面
3、3A、3B、3C、5、5A 角面部
3a テーパ面
3b、3e 平面部
3d 円筒面
4 第2レンズ面(第2面、光学面)
6 レンズ側面(側面)
10、10A、10B、10C、10D 光学素子成形型
11、11A、11B、11C 第1型部
12 下型
12c 第1レンズ面成形面(軸方向成形面、光学面成形面)
13、13A、13B、13C 端面型
13c、14d 上端面
13d、15d テーパ状成形面(角面部成形面、傾斜面、断面円弧状のR面)
13e 平坦面成形面(軸方向成形面)
13g、15i R面成形面(角面部成形面、傾斜面)
13h 平面部(角面部成形面)
13i 円筒状成形面(角面部成形面)
14 側型部
14b 側面成形面(外周成形面)
14c 下端面
15、15A、30 第2型部
15c 型合わせ面
15d テーパ状成形面(角面部成形面、傾斜面)
15e 第2レンズ面成形面(軸方向成形面、光学面成形面)
16 スリーブ
16b 貫通孔部
16c 型挿入穴部
16e 気体排出孔(気体流出部)
17 ガラス素材
17a 自由面
17A 軟化ガラス
18、18A 光学素子成形型組立体
20 成形室
31 上型
32 角面部形成型
50 光学素子成形装置
51 加熱・加圧ステージ
52 冷却ステージ
C1、C2 隙間(気体流出部)
E 隅部隙間
G 不活性ガス
O レンズ光軸
P 中心軸線
S 成形空間
Claims (5)
- 加熱されたガラス素材を1軸方向にプレスして、該1軸方向に互いに離間して配置され光学面を含む第1面および第2面と、前記第1面および前記第2面の間の外周側に形成された側面とを有し、前記第1面および前記側面と、前記第2面および前記側面とが、それぞれ角面部を介して接続された光学素子を成形するための光学素子成形型であって、
少なくとも前記第1面を形成する軸方向成形面を有する第1型部と、
少なくとも前記第2面を形成する軸方向成形面を有する第2型部と、
前記側面を形成する外周成形面を有する側型部と、
を備え、
前記第1型部および前記第2型部の少なくとも一方は、
前記角面部を成形するために前記軸方向成形面の外周部から突出して外側に向かう傾斜面を含む角面部成形面を有する、光学素子成形型。 - 前記第1型部および前記第2型部の少なくとも一方の前記軸方向成形面は、
前記光学素子の前記光学面を成形する光学面成形面と、
該光学面成形面の外周部に隣接され、前記光学素子の光学面の外周に前記1軸方向に交差する平坦面を形成する平坦面成形面と
を有し、
前記第1型部および前記第2型部の少なくとも一方は、
前記光学面成形面を有する中心型部と、
前記平坦面成形面および前記角面部成形面を有する外周型部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型。 - 前記角面部成形面は、
前記軸方向成形面において前記光学面を成形する部位に比べて粗面とされている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子成形型。 - 前記第1型部および前記第2型部の少なくとも一方と前記側型部との間に、前記ガラス素材が配置される成形空間から、該成形空間内の気体が外部に流出可能な気体流出部が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子成形型。 - 前記角面部成形面の前記傾斜面は、
テーパ面または断面円弧状のR面である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子成形型。
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