JP4668657B2 - モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4668657B2
JP4668657B2 JP2005088057A JP2005088057A JP4668657B2 JP 4668657 B2 JP4668657 B2 JP 4668657B2 JP 2005088057 A JP2005088057 A JP 2005088057A JP 2005088057 A JP2005088057 A JP 2005088057A JP 4668657 B2 JP4668657 B2 JP 4668657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
pressing
die
load
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005088057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006265060A (ja
JP2006265060A5 (ja
Inventor
尚之 繁野
靖弘 米田
慎一郎 広田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2005088057A priority Critical patent/JP4668657B2/ja
Publication of JP2006265060A publication Critical patent/JP2006265060A/ja
Publication of JP2006265060A5 publication Critical patent/JP2006265060A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4668657B2 publication Critical patent/JP4668657B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/60Aligning press die axes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/69Controlling the pressure applied to the glass via the dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type

Description

本発明は、ガラスレンズなどの光学素子、特に、光ピックアップや小型撮像機器などに用いられる、偏心精度、肉厚精度、面精度などの光学的要求精度のきわめて高い光学素子を、高精度に成形するためのモールドプレス成形装置、及び成形型の製造方法に関する。
ガラスなどの成形素材を、加熱により軟化し、所定形状に精密加工した上下一対の成形型でプレス成形することにより、レンズなどの光学素子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
ここで、特許文献1には、上型の押圧面に押圧突起を設けた光学素子成形用型が開示されている。このような特許文献1では、固定型(胴型)と上型に摺動嵌合部があると、レンズの両機能面の球心が光軸と一致せず、レンズに偏心が生じることになるため、これを避けるために、上型を胴型に設けた傾斜輪帯に圧接するとともに、上型の押圧面に突起を設けることにより、上型の押圧点が中心からずれても傾斜輪帯への圧接を確保するようにしている。
また、特許文献2には、上型、下型、案内型、及び押し板を備え、押し板は、加圧前には上型の上面に接触し、加圧時には案内型の上面に接触するプレス成形装置が開示されている。このようなプレス成形装置によれば、面精度、偏心、中心肉厚、及び外径精度に超高精度が要求される非球面レンズをプレス加工できると記載されている。
特公平4−42338号公報 特公平2−28460号公報
光ピックアップや、携帯端末用の小型撮像機器などに用いられる光学素子は、光学的要求性能が極めて高く、その多くは両非球面形状を有する。特に、記録密度の高い大容量光記録用ピックアップにおいては、光源波長を短波長側(450nm以下など)にすることが求められ、また、対物レンズとしては、開口数の大きな(NA0.7以上など)非球面レンズを用いることが求められている。
このようなレンズは、従来のものに比べて、曲率半径が小さく、光軸に直交する面に対するレンズ面の傾き角が40度以上、場合によっては50度以上となる。このため、偏心感度が極めて高くなり、レンズの第1面の軸と、第2面の軸との一致性(同軸性)を厳しく管理しなければならず、製造公差に余裕がない。例えば、第1面の軸と第2面の軸との水平方向への軸ずれは10μm以内、特に、高開口数のものでは0〜5μm程度の範囲としなければならず、このような狭い公差範囲で高度の同軸性を確保しなければならない。
これらの精密レンズを安定に生産するためには、モールドプレス成形型において、胴型内での上下型の水平方向のずれ(以下、「シフト」ともいう)を抑えるために、胴型と上下型のクリアランスを小さくすることが必要であり、さらに、そのようなタイトなクリアランスでも生じ得る上下型の相対的な倒れ(以下、「ティルト」ともいう)を抑制することも必要となってくる。
ところで、特許文献1に開示された成形型では、摺動嵌合部を設けず、結果として胴型による上下型の位置規制を行わない。このため、球面レンズの成形には差し支えないが、両非球面レンズの成形には不適であるという問題がある。
両非球面レンズを高精度に成形するには、上下型の成形面のそれぞれひとつしかない中心軸をいかに一致させるか(上下型のシフトとティルトをどう抑制するか)が課題となるが、特許文献1の成形型は、上型の倒れを積極的に許容する構造であり、上記課題については何ら検討されていない。
また、特許文献2に開示された成形装置では、押し板を介して上型を上方から加圧し、案内型(胴型)内に滑動させ、押し板の下面を案内型の上面に当接させることにより、上型の上面と案内型の上面とに同一平面を形成させ、上型と下型の傾きを防止できると記載されている。このとき、上型と押し板が一体構造ではないので、プレス成形後の冷却時にレンズの収縮に上型が追従するため、高い面精度のレンズが得られるとの記載もある。
しかしながら、用いるプレス装置の駆動精度に起因し、プレスヘッド(成形装置において、成形型、又は特許文献2でいう押し板を押圧する部材)は、正確に鉛直に動作するとは限らず、プレスヘッドの軸と、成形型の軸心との間には、わずかな倒れ(傾き)が生じる場合がある。さらに、プレスヘッドは、成形装置内において加熱されて熱変形する。このため、特許文献2において、押し板を加圧するプレスヘッドは必ずしも鉛直方向から押し板に当接しない。
したがって、プレスヘッドの押圧面が押し板との間に角度をもって押し付けられると、プレスヘッドの押圧面に影響されて、押し板、及び成形型が傾いてしまう。
このように、高精度の両非球面レンズの成形のためには、上下型の相互の位置規制を厳密に行うとともに、そのような位置規制を行ったとしても、プレス軸の駆動精度、押圧面の水平精度などに起因して、上下型の成形面の中心軸が相互にずれる(シフト、ティルト)のを防止する方策がさらに必要となる。
このため、本出願人は、先に出願した特願2004−237481号において、図10に、その概略を示すように、プレスヘッドに押圧されて、上型10の上面と、胴型30の上面とに当接する介在部材40を備えた成形型を提案している。
この成形型によれば、押圧により介在部材40の下面が、上型10の上面と、胴型30の上面とを一致させることによって、成形体50の正確な肉厚精度と、偏心精度とを達成することができるだけでなく、介在部材40と、プレスヘッドとを実質的に点で接触させることにより、プレス装置の駆動精度や、プレスヘッドの倒れが生じた場合にも、それが成形型に与える影響を抑止し、成形偏心精度を高くすることができる。
しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、このような成形型にあっても、今後、ますます厳しくなってくると思われる光学製品に要求される高い精度に応えるには、未だ改善の余地が残されているという知見を得るに至った。
すなわち、成形型を押し切ったときに(介在部材の下面が、胴型の上面に当接したとき)、さらに荷重をかけることにより、胴型は、下型のフランジに押し付けられることによって、下型との相互位置が定まり、胴型と下型との間の倒れは実質的にゼロになり、また、そのように鉛直に位置が保持された胴型に対して介在部材の下面が当接し、上型の上面と、胴型の上面とを同一平面とすれば、上下型の相互位置が画定して、上下型のティルトは実質的に解消するものと思われるが、図11(a)に示すように、上型10がプレスヘッド90により荷重を受けて下方に移動している間、胴型30には、それが嵌合している下型20とのクリアランスの範囲内で、若干の倒れが生じる自由度がある。
このような押圧の途中に生じた胴型の倒れは、成形型を押し切ったときに完全に解消するとは限らず、図11(b)に示すように、胴型30に倒れが生じたまま押し切った状態となってしまう可能性がある。このときの胴型の倒れδは、実際にはごくわずかなものであり、従来は問題視されることなく見落とされてきたが、本発明者らの鋭意検討の結果、このような胴型の倒れがあり得ることが判明し、高精度のプレス成形に悪影響を及ぼすことが見出された。
そして、このわずかながらの胴型の倒れさえも抑制することができれば、レンズなどの光学素子をより高精度に成形できるという知見を得るに至り、このような知見に基づいてさらなる鋭意検討を重ねたところ、成形型を押し切ったときの胴型の倒れを修正するためには、介在部材とプレスヘッドとの接点が点接触であるだけでなく、その接点が移動することによって、介在部材の姿勢を修正できるようにすることが有効であることを見出した。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、成形型を押圧することによって成形型の内部に配置した成形素材をプレス成形するにあたり、主として、上下型のティルトを効果的に抑制して、偏心精度、肉厚精度、面精度が極めて高い高精度の光学素子(例えば、ガラスレンズ)などの成形体を得ることができるモールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のモールドプレス成形装置は、成形型を押圧することにより、前記成形型の内部に配置した成形素材をプレス成形するモールドプレス成形装置であって、駆動手段に連結されて、プレス荷重を与える押圧部材と、前記押圧部材に形成された挿通孔に遊嵌状に挿通されたピンにより、前記押圧部材の先端側に取り付けられ、前記押圧部材に対して揺動可能に接触するとともに、前記押圧部材に押圧されてプレス荷重を伝達する荷重伝達部材とを備える構成としてある。
このような構成とすることにより、成形型を押圧したときの抗力により押圧部材に対する荷重伝達部材の姿勢を揺動させて、プレス荷重を印可する方向を適宜修正し、成形型(胴型)の姿勢を修正することができる。
また、前記荷重伝達部材が、前記押圧部材に形成された挿通孔に遊嵌状に挿通されたピンにより、前記押圧部材の先端側に取り付けられている構成とすることで、成形型を押圧したときに反作用として受ける抗力によって、ピンを回動軸として荷重伝達部材が回動する動きと、挿通孔とピンとの遊びの範囲で荷重伝達部材が回動する動きとが組み合わされて、荷重伝達部材が押圧部材に対して揺動するようになる。
また、本発明のモールドプレス成形装置は、前記押圧部材が、前記荷重伝達部材に対して実質的に一点で接触することにより、前記荷重伝達部材が、前記押圧部材に対して揺動する構成とすることができる。
このような構成とすれば、簡易な構成により、成形型を押圧したときの抗力が作用する方向に応じて、プレス荷重を印加する方向が変化するように荷重伝達部材を揺動させながら、押圧部材が与えるプレス荷重を伝達することができる。
また、本発明のモールドプレス成形装置は、前記押圧部材と前記荷重伝達部材との間に球面を有する硬質部材が設けられ、前記成形型を押圧する際に、前記硬質部材は前記押圧部材と面接触するとともに前記荷重伝達部材と点接触する構成とすることができる。
このような構成とすれば、押圧部材に荷重伝達部材が揺動しながら接触することによって、押圧部材の先端が摩耗・変形してしまうのを避けることができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、対向する成形面を有する上型及び下型と、前記上型と前記下型とを収容し、前記上型と前記下型との水平方向の相互位置を規制する胴型とを備えた成形型の内部に成形素材を配置して、プレス成形する成形体の製造方法であって、駆動手段に連結されて前記成形型にプレス荷重を与える押圧部材と、前記押圧部材に形成された挿通孔に遊嵌状に挿通されたピンにより、前記押圧部材の先端側に取り付けられ、前記押圧部材に対して揺動可能に接触するとともに、前記押圧部材に押圧されてプレス荷重を伝達する荷重伝達部材と、前記荷重伝達部材との接触を維持しつつ、前記成形型を押圧する介在部材とを用い、前記押圧部材により、前記荷重伝達部材と前記介在部材とを介して、前記成形型を押圧する方法としてある。
このような方法とすることにより、プレス荷重が印加されて上型が押し下げられる際に胴型の倒れが生じたとしても、プレス荷重を印可する方向を適宜修正し、介在部材の姿勢を成形型に対して水平に維持することによって胴型の倒れを解消し、成形体を形状再現性よく高精度に製造することができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記押圧部材と、前記荷重伝達部材とが、実質的に一点で接触している方法とすることができる。
このような構成とすれば、簡易な構成により、成形型を押圧したときの抗力が作用する方向に応じて、プレス荷重を印加する方向を変化させることができ、より確実に、介在部材の姿勢を水平にして、胴型の倒れを解消することができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記成形型を押圧するに際して、前記荷重伝達部材と、前記介在部材との接点を移動させる方法とすることができる。
このような方法とすれば、荷重伝達部材と介在部材との接点、すなわち、介在部材へのプレス荷重の印加点を移動させることで、介在部材にプレス荷重が印加される方向を修正することができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記成形型を押圧するに際して、前記荷重伝達部材と、前記介在部材との相対角度を変化させる方法とすることができる。
このような方法とすれば、荷重伝達部材と、介在部材との相対角度を変化させることにより、その相対角度の変化に応じて、介在部材にプレス荷重が印加される方向を修正することができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記介在部材が、前記成形型を押圧する押圧平面を有しており、前記成形型を押圧するに際して、前記押圧平面が、前記胴型の上面と、前記上型の上面とを同一平面とする方法とすることができる。
このような方法とすれば、介在部材の押圧平面を、上型の上面と、胴型の上面とが同一平面を形成するように密着した状態で当接させるだけで、上型と胴型との相互位置を画定することができる。
また、本発明の成形体の製造方法は、前記成形型を押圧するに際して、前記胴型の上面と、前記上型の上面とが同一平面となった後に、さらに、前記成形型を押圧する方法とすることができる。
このような方法とすれば、プレス荷重の印加によるタイトな圧着により、上下型のティルトを高度に抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、成形型を押圧することにより、成形型の内部に配置した成形素材をプレス成形するに際し、プレス荷重が印加されて上型が押し下げられる際に胴型の倒れが生じたとしても、プレス荷重を印可する方向を適宜修正して、介在部材の姿勢を成形型に対して水平に維持することにより、少なくとも成形型を押し切った時点で、胴型の倒れが解消されるようにすることができる。
その結果、上下型の同軸性が高度に確保され、偏心精度、肉厚精度、面精度などが高いレベルで要求される光学素子(例えば、ガラスレンズ)などの成形体を、形状再現性よく高精度に製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、図1は、本実施形態において、モールドプレス成形装置(以下、単に「成型装置」という)によりプレス成形を行うに際し、成形型を押し切った状態を示す概略断面図である。
本実施形態における成形装置は、成形型Mを押圧してプレス荷重を印加することによって、成形型Mの内部に配置された成形素材50をプレス成形し、所望の形状に成形された成形体51を得るためのものであり、図1に示すような成形型Mを用いて好適に実施できる。
図1に示す成形型Mは、上型10、下型20、及び胴型30を備えて構成され、下型20と、下型20に対して相対的に近接、離間するように胴型30により摺動ガイドされる上型10との間で、成形素材50がプレス成形されるようにしてある。
成形型M(上型10、下型20、及び胴型30)は、例えば、炭化ケイ素、ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化チタンなどのサーメット、又はこれらの表面にダイヤモンド、耐熱金属、貴金属合金、炭化物、窒化物、硼化物、酸化物などを被覆したものなどの硬質素材を用いて、所定の形状に形成することができる。
上型10は、大径部12、及び小径部13を備え、小径部13は、大径部12と軸心が一致するように、大径部12の下面中央から下方に突出して形成されており、大径部12の外周面と、小径部13の外周面とは、軸心に対して平行としてある。また、小径部13の下型20と対向する下面には、成形面14が形成されており、成形面14の中心(非球面の場合は、非球面中心をいう)は、大径部12及び小径部13の軸心と一致するように形成される。
上型10の上面は、成形型Mを押し切ったとき、すなわち、図1に示す状態において、少なくとも胴型30の上面と隣接する外縁部分を、上型10の軸心と垂直で、かつ、平滑に平面加工するとともに、胴型30上面も同様に、胴型30の軸心と垂直で、かつ、平滑に平面加工して、これらが同一平面を形成するようにしてある。
一方、下型20は、フランジ部21、大径部22、及び小径部23を備えている。フランジ部21は、大径部22の下側に、水平方向に張り出すように形成されており、フランジ部21の上面は、下型20の軸心と垂直で、かつ、平滑に平面加工されており、フランジ部21の上面が当接する胴型30の下面についても、胴型30の軸心と垂直で、かつ、平滑に平面加工されている。
小径部23は、大径部22と軸心が一致するように、大径部22の上面中央から上方に突出して形成され、大径部22の外周面と、小径部23の外周面は、軸心に対して平行としてある。また、小径部23の上型10と対向する上面には、成形面24が形成されており、成形面24の中心は、少なくとも大径部22及び小径部23の軸心と一致するように形成される。
このような上下型10,20のそれぞれに形成される成形面14,24は、成形しようとする光学素子の形状をもとに、精密な形状加工を施すことによって形成することができる。したがって、成形面14,24は、図示する例には限られず、凹面、凸面、平面のいずれでであってもよい。また、成形面14,24には、成形素材50との離型性にすぐれた膜を形成するのが好ましく、例えば、貴金属膜、炭素膜、水素化炭素膜などの公知の離型膜を形成することができる。
また、胴型30には、上型10の大径部12を収容して、プレス成形時に上型10を摺動ガイドするとともに、下型20の大径部22を収容可能となるようにされた内周大径部32、及び上型10の小径部13と、下型20の小径部23とを収容する内周小径部33が形成されている。
胴型30は、成形型Mを組み立てる際や、プレス成形の際に、上下型10,20の水平方向の相対位置を規制するためのものであり、胴型30と上下型10,20とのクリアランスは、要求される光学素子の偏心精度を考慮すると10μm以下、特に、5μm以下とすることが好ましいが、成形しようとするレンズなどの光学素子に要求される光学性能に応じて、さらに小さくすることもできる。
また、内周大径部32のうち、上型10の大径部12が収容される部分は、その軸方向の長さを、上型10の大径部12の軸方向の長さよりも長くして、図1に示すように、成形型Mを押し切ったとき(上型10の上面と、胴型30の上面とがほぼ同一面となったとき)に、上型10の大径部12の下面と、内周小径部32の上面との間に、所定寸法以上の隙間Gが形成されるようにするのが好ましい。このような隙間Gが形成されることにより、成形型Mを押し切って、いったん成形体51の肉厚を決めた後であっても、成形体51に必要な荷重(上型10の自重のみでもよい)を付与し続けることができ、成形体51の熱収縮に追従した上型10の下降を許容することができる(後述する図6(5)参照)。
なお、このような空隙Gを設ける場合、胴型30には、隙間Gが形成される位置に胴型30を貫通する通気孔34を設けておくのが好ましく、これにより、隙間Gの体積の増減に対して、隙間G内の雰囲気ガスの導通が行われるようにすることができる。
本実施形態において、このような成形型Mを押圧してプレス成形する際には、図1に示すように、上型10の上面に介在部材40を載置させた状態で、プレス荷重を印可する。
介在部材40は、平滑に平面加工された下面を有している。前述したように、上型10の少なくとも胴型30の上面と隣接する外縁部分と胴型30上面は、同一平面を形成するように平滑に平面加工されており、介在部材40の下面が、型10の上面と、胴型30の上面との両方に密着した状態で当接したとき、すなわち、成形型Mを押し切ったときに、上型10の上面と、胴型30の上面とを同一平面とする。このように、介在部材40の下面は、成形型Mを押圧する押圧平面として機能する。
介在部材40を上型10の上面に載置するにあたっては、図示するように、上型10の上面に凸部11を設けるとともに、介在部材40の下面には、上型10に設けた凸部11を収容する凹部41を設けることによって、介在部材40の脱落や、位置ずれなどを防止することができる。この場合には、凹部41を除く介在部材の下面を平滑に平面加工しておけばよい。
また、介在部材40には、その厚み方向に貫通し、上型10の上面を型外の空間に連通させる通気孔42が設けられている。これにより、上型10と介在部材40とで囲まれた部分が気密状態になるのを避け、成形素材50(成形体51)の体積収縮に追従する上型10の下降を妨げないようにしてある。
なお、介在部材40に設ける通気孔42は、介在部材40の下面の押圧平面としての機能を損なわない範囲で、介在部材40の下面に溝や切り欠きなどを形成することによって設けることもできる。
また、介在部材40の上面のほぼ中央には、球面状の突起43が形成されており、この突起43にプレス荷重が印加される。
すなわち、本実施形態において、成型装置は、プレス荷重を与える押圧部材1と、この押圧部材1に押圧されて、押圧部材1が与えるプレス荷重を伝達する荷重伝達部材2とを備えており、図1に示すように、荷重伝達部材2が介在部材40の上面に形成された突起43に実質的に点で接触した状態で、介在部材40にプレス荷重が伝達され、このときの接点がプレス荷重の印加点となる。
成型装置は、荷重伝達部材2と介在部材40との接触を維持しつつ、荷重伝達部材2と介在部材40とを介して、押圧部材1により成形型Mを押圧する。
図1に示す例において、押圧部材1は、図示しないエアシリンダー、又は油圧シリンダーなどの駆動手段に連結されており、鉛直方向に沿って上下動可能とされた棒状の部材として構成されている。また、荷重伝達部材2は、押圧部材1が荷重伝達部材2を押圧するときに、押圧部材1に対して揺動可能に接触するように構成されており、成形型Mを押圧したときの抗力によって押圧部材1に対する姿勢を揺動させながら、押圧部材1が与えるプレス荷重を伝達できるようにされている。
より具体的には、荷重伝達部材2は、図示するように、押圧部材1の先端を覆う断面コの字型の箱状の部材として構成することができ、ピン3によって押圧部材1の先端側に取り付けられている。このとき、押圧部材1、及び荷重伝達部材2のそれぞれには、例えば、縦長の孔とするなどしてピン3を遊嵌状に挿通可能とした挿通孔4a,4bが形成されており、これらの挿通孔4a,4bに、ピン3が遊嵌状に挿通されている。
また、押圧部材1の先端面、すなわち、荷重伝達部材2との対向面は、球面状に形成されており、成形型Mを押圧する際に、荷重伝達部材2に対して実質的に一点で接触しながら、押圧部材1が荷重伝達部材2を押圧するようにしてある。
このようにして、荷重伝達部材2を押圧部材1に取り付けることにより、成形型Mを押圧したときに反作用として受ける抗力によって、ピン3を回動軸として荷重伝達部材2が回動する動き(図2(a)参照)と、挿通孔4a,4bとピン3との遊びの範囲で荷重伝達部材2が回動する動き(図2(b)参照)とが組み合わされて、荷重伝達部材2が押圧部材1に対して揺動する。
ここで、図2(a)は、ピン3に平行な方向から荷重伝達部材2を見た断面に相当し、ピン3を回動軸として荷重伝達部材2が回動する状態を概念的に示している。また、図2(b)は、ピン3に直交する方向から荷重伝達部材2を見た断面に相当し、挿通孔4a,4bとピン3との遊びの範囲で荷重伝達部材2が回動する状態を概念的に示している。
本実施形態において、荷重伝達部材2は、成形型Mを押圧したときの抗力によって押圧部材1に対する姿勢を揺動させながら、押圧部材1が与えるプレス荷重を伝達できるものであれば、その具体的な構成は、図1に示す例には限られない。
例えば、押圧部材1と、荷重伝達部材2との間には、図3に示す変形例のように、球面を有するコマ状の硬質部材5を配置することもできる。この硬質部材5は、押圧部材1の硬度と同等以上の硬度を有し、押圧部材1の先端に一体に設けてもよく、図示するように別体としてもよい。また、硬質部材5は押圧部材1と面接触するとともに荷重伝達部材2と点接触する。このような硬質部材5を、押圧部材1と、荷重伝達部材2との間に設けておけば、通常、ステンレスなどで形成される押圧部材1に、荷重伝達部材2が揺動しながら接触することによって、押圧部材1の先端が摩耗・変形してしまうのを避けることができる。
なお、荷重伝達部材2や、これを押圧部材1に取り付けるピン3、さらには、図3に示す変形例において、押圧部材1と荷重伝達部材2との間に配置する硬質部材5は、押圧部材1よりも硬い超硬合金などの素材や、成形型Mと同様の素材により形成することができる。また、特に図示しないが、荷重伝達部材2や、硬質部材5は、成形型Mを押圧していないときに、みだりに動いてしまうのを防止する目的で、成形型Mを押圧するときの荷重伝達部材2の揺動を妨げない程度に、バネなどによって鉛直方向下方に向けて付勢しておくのが好ましい。
また、本実施形態は、図4に示すように変形実施することもできる。
図4に示す変形例において、荷重伝達部材2は、ほぼ円柱状に形成されている。そして、押圧部材1の下端側に形成した収容部1aに、荷重伝達部材2の一部(上端側)を収容した状態で、荷重伝達部材2を押圧部材1に取り付けるようにしてある。このとき、図1に示す例と同様に、荷重伝達部材2は、挿通孔4a,4bにピン3を遊嵌状に挿通することによって、押圧部材1に取り付けることができる。また、押圧部材1と荷重伝達部材2とが、実質的に一点で接触するように、押圧部材1と接触する荷重伝達部材2の上端は球面状に加工してもよく、図示するように、球面を有する硬質部材5を、押圧部材1と荷重伝達部材2との間に配置してもよい。
本実施形態は、成形型Mを押圧するに際して、上型10を押し下げる途中で、下型20と胴型30とのクリアランスの範囲内で生じ得る胴型30の倒れを解消するために、介在部材40へのプレス荷重の印加点を移動させて、少なくとも成形型Mを押し切った時点において、介在部材40の姿勢が修正されるようにするものである。
以下、本実施形態において、プレス成形を行う際の具体的な手順の一例を示しつつ、このような本実施形態の動作について説明する。
ここで、図5〜図6は、本実施形態において、プレス成形を行う際の具体的な手順の一例を示す説明図であり、図7は、本実施形態の動作を概念的に示す説明図である。
まず、プレス成形に先だって、成形型Mの内部に、ガラスプリフォームなどの成形素材50を配置する。
具体的には、胴型30内に上型10が組み込まれ、その上に介在部材40が載置された状態で、胴型30の位置を支持手段80により固定しておとともに、載置台70を下降させて胴型30から下型20を抜き出す。そして、下型20の成形面24の上に、例えば、図示しない吸着パッド付きのオートハンドなどにより、成形素材50を供給する(図5(1))。
このとき、載置台70に設けられた開口部71から雰囲気ガスを吸引することにより、載置台70上に下型20を密着、固定し、下型20が位置ずれを起こさないようにしておくのが好ましい。また、成形素材50は室温で供給してもよく、所定温度に加熱してから供給してもよい。
次いで、載置台70を上昇させ、胴型30内に下型20を組み込む。胴型30内に下型20が組み込まれ、胴型30の下面に、下型20のフランジ部21の上面が当接すると、成形素材50の厚みによって、上型10の上面が、胴型30の上面より高い位置に押し上げられ、その上に介在部材40が載置された状態となる(図5(2)参照)。
内部に成形素材50が配置されて組み立てられた成形型Mは、そのまま載置台70に載置された状態で、又は図示しない把持具などにより、支持台75に移送されて、その後の処理が施される。
なお、図示する例では、成形型Mを支持する面が水平に維持された支持台75に成形型Mを移送して、その後の処理を施す例を挙げている。
次に、成形型Mは加熱工程に処され、任意の加熱手段により成形型Mごと成形素材50を加熱して、プレス成形に適した温度とする(図5(3)参照)。このときの加熱条件は、用いる成形素材50によっても異なるが、成形素材50の温度が、プレス成形に適した温度域、例えば、粘度にして10〜10dPa・s相当の温度となるような条件とする。加熱工程での加熱処理が行われた後、支持台75上に水平に支持された成形型Mは、そのままの状態でプレス工程に送られる。
プレス工程では、図示しない駆動手段により押圧部材1を下降させ、成形型Mの上方から荷重伝達部材2を介在部材40に当接させ、成形型Mにプレス荷重を印加する。このときのプレス荷重は、通常、50〜200kgf程度である。
プレス荷重が印可されると、介在部材40に押圧された上型10は、胴型30に摺動ガイドされて押し下げられながら、加熱工程における加熱処理によって十分軟化した状態にある成形素材50を加圧する。そして、成形型Mを押し切ったところで(介在部材40の下面が胴型30の上面に当接したところで)、上型10による成形素材50への加圧は実質的に停止され、これにより、いったん成形素材50(成形体51)の肉厚が決定される(図5(4)参照)。
なお、後述するように、成形素材50(成形体51)は、その後の冷却工程において体積が収縮し、そのときの肉厚が最終的な肉厚となる。
このとき、介在部材40の下面に密着した状態で当接している上型10の上面と、胴型30の上面とが同一平面を形成することにより、上型10と胴型30との相互位置が画定される。さらに成形型Mを押圧して、プレス荷重を印加し続けることによって、胴型30は、支持台75上に水平に支持された下型20のフランジ部21にタイトに圧着され、下型20と胴型30との相互位置関係が画定される。
その結果、プレス荷重の印加によるタイトな圧着が、上型10と胴型30との相互位置、及び下型20と胴型30との相互位置を画定することになり、これによって、上下型10,20のティルトを抑制することができる。
しかしながら、プレス荷重が印加されて上型10が押し下げられる際に、胴型30はフリーの状態となっているため、押圧部材1が正確に鉛直方向から成形型Mを押圧するように厳格に制御されていないと、胴型30と下型20とのクリアランスが許容する範囲で、胴型30には若干の倒れが生じ得る。このような胴型30の倒れが生じてしまうと、成形型Mを押し切ったときの上下型10,20の同軸性を確保することが困難となり、このときに肉厚がいったん決定される成形体51の偏心精度、肉厚精度、面精度などに悪影響を及ぼしてしまう。
したがって、上下型10,20のティルトを抑制し、その同軸性を高めて成形体51を高精度に成形するには、上型10を押し下げている途中で胴型30に倒れが生じたとしても、そのような倒れが、少なくとも成形型Mを押し切った時点で解消されている必要がある。
このため、本実施形態では、前述したように、押圧部材1により成形型Mを押圧する際に、押圧部材1に対して揺動可能な荷重伝達部材2によりプレス荷重を伝達するようにするとともに、荷重伝達部材2が介在部材40の上面に形成された突起43に実質的に点で接触した状態を維持しつつ、荷重伝達部材2と介在部材40とを介して、押圧部材1により成形型Mを押圧するようにしている。
すなわち、成形型Mを押し切った後も成形型Mを押圧し続け、精度高く平滑に平面加工された介在部材40の下面を、同様に平面加工された胴型30の上面と、上型10の上面とに圧着させることは、胴型30の倒れを解消し、上下型10,20の相互位置を修正するのに有効であるが、図7(a)に示すように、胴型30に倒れが生じていると、その倒れ具合に応じて介在部材40も水平面に対して傾いた状態で成形型Mを押圧することになり、このままでは胴型30の倒れを解消することができない。
このとき、水平面に対して傾いている介在部材40の姿勢を、水平に修正できれば、これに伴って胴型30の倒れも解消することができ、このためには、介在部材40へのプレス荷重の印加点を、介在部材40の姿勢を修正する位置に移動させればよい。
本実施形態によれば、荷重伝達部材2が、介在部材40との接触を維持しつつ、揺動可能に成形型Mを水平とされた支持台75の支持面に押しつけるように、介在部材40にプレス荷重を伝達する。このため、介在部材40が支持台75の支持面に対して平行となる方向(介在部材40の姿勢が成形型に対して水平となる方向)にプレス荷重が印加されるように、荷重伝達部材2が揺動することによって、荷重伝達部材2と、介在部材40との相対角度を変化させることができる。
これにより、図7(b)に示すように、荷重伝達部材2と介在部材40との接触点、すなわち、介在部材40へのプレス荷重の印加点がスムーズに移動し、このようなプレス荷重の印加点の移動によって、図中矢印方向の成分が生じるように、プレス荷重が印加される方向が変化して、介在部材40の姿勢が修正される。そして、これに伴って、胴型30の傾きも解消される。
その後、成形型Mは冷却工程に処され、成形素材50(成形体51)のガラス転移点付近、又はそれ以下の温度まで降温する。
このとき、成形素材50(成形体51)は冷却されて、その体積が収縮するが、前述したように、上型10の大径部12の下面と、内周小径部32の上面との間に、所定寸法以上の隙間Gを形成するとともに、胴型30には、隙間Gが形成される位置に通気孔34を設けておき、隙間G内の雰囲気ガスの導通が行われるようにしておけば、成形体51の熱収縮に追従して上型10が下降し、成形素材50(成形体51)と、上下型10,20の成形面14,24との密着を維持した状態で冷却することができる(図6(5)参照)。
これにより、成形素材50(成形体51)と成形面14,24との密着が解かれることによる面精度の悪化を防止することができ、成形素材50(成形体51)の面精度を良好に維持することができる。
冷却工程を終えると、成形型Mは、そのままの位置で、又は図示しない把持具などにより、先に成形型Mの内部に成形素材50を配置する作業を行った載置台70に移送され、分解されて成形体51が取り出される。
なお、図示する例では、成形型Mを載置台70に移送して分解する例を挙げている。
成形体51を成形型Mから取り出すには、前述したのと同様にして、胴型30の位置を支持手段80により固定しておとともに、載置台70を下降させて胴型30から下型20を抜き出し、図示しない吸着パッド付きのオートハンドなどにより、成形体51を吸引保持して、下型20の成形面24上から取り出せばよい(図6(6),(7)参照)。
成形体51が取り出された成形型Mには、前述したようにして、新たな成形素材50を配置して、同様の手順を繰り返すことにより、プレス成形を連続的に行うことができる。
このようにしてプレス成形を行えば、成形型Mを押圧するに際して、上型10を押し下げる途中で胴型30の倒れが生じても、この胴型30の倒れが、少なくとも成形型Mを押し切ったときに解消されているので、上下型10,20の同軸性を高めて、偏心精度、肉厚精度、面精度に優れた光学素子などの成形体51を製造することが可能となり、たとえ、製造しようとする成形体51(光学素子)が両非球面レンズであったとしても、第1レンズ面と第2レンズ面との同軸性を損なうことなく、高精度に成形することができる。
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例]
光学ガラス(屈折率nd:1.69350、アッベ数νd:53.2、ガラス転移温度Tg:520℃)を溶融状態から滴下して予備成形し、球形状のガラスプリフォームを用意した。
一方、図1に示す成形型を用いて、この成形型に上記ガラスプリフォームを収容し、図1に示すようにして、荷重伝達部材と介在部材とを介して、押圧部材により成形型を押圧してプレス成形を行うことにより、光記録用ピックアップ対物レンズを成形した。
成形工程において、成形型が加熱部を経て、プレス室に到達したときに、成形型近傍の温度がガラス粘度107.5dp・s(600℃相当)になるように加熱した。そして、プレス室では、図1に示すような押圧部材1、及び押圧部材1に対して揺動可能に接触するように取り付けられた荷重伝達部材2により成形型を押圧した。このとき、成形型に印加するプレス荷重は60kgfとした。
次いで、成形型を冷却部に移送し、ガラス転移温度以下まで降温させた。このとき、ガラスの熱収縮に追従して上型が自重で下降し、成形面とガラスとの密着が保たれていた。その後、成形型を分解して、成形体を取り出した。
このような連続成形により、二十個のレンズを得た。これらのレンズにつて波面透過収差の測定を行い、得られた測定データに基づいて、それぞれのレンズについて第1面と第2面の傾き偏心(ティルト)を求めたところ、図8に示す結果となった。すなわち、本実施例により得られた対物レンズはいずれもティルトが1.25min以下であり、所定の規定値を満たすものであった。
[比較例]
本発明に係る荷重伝達部材2を備えていない円柱状のプレスヘッドを用いた以外は、実施例と同様の成形を行って二十個のレンズを得、それぞれのレンズについてティルトを求めたところ、図9に示す結果となった。
図9から明らかなように、上記実施例では現れなかったティルト1.5min以上のレンズが3割以上含まれ、ティルトが悪化したことが判る。
以上の結果により、本発明が、ティルト(偏心精度)の抑制に顕著な効果があることがわかる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前述した実施形態では、介在部材40の上面に突起43を設けて、これをプレス荷重印可部としたが、荷重伝達部材2が介在部材40に接触した状態を維持しながら揺動し、介在部材40に対してプレス荷重が印可される方向を変えて、介在部材40の姿勢を水平に修正することができれば、荷重伝達部材2と介在部材40との接触態様は特に制限されず、荷重伝達部材の下面に球面状の突起を設け、介在部材40の上面は平面とすることができる。
また、このとき、荷重伝達部材2と介在部材40とは、実質的に一点で接触してれば、介在部材40に対してプレス荷重が印可される方向をスムーズに変えることができるため好ましいが、介在部材40の姿勢を水平に修正するように、プレス荷重が印加される方向を変えることができれば、荷重伝達部材2と介在部材40とが一点で接触するものには限られない。
さらに、本発明の成形装置は、種々の様式の成形装置に適用させることができる。例えば、成形型を、加熱室、プレス室、冷却室を含む複数の処理室に移送し、順次、加熱、プレス、冷却を含む処理を施すことにより、成形型の内部に配置した成形素材をプレス成形する、成形型移送式の成形装置に適用してもよく、また、押圧部材1などのプレス手段に成形型Mを固定してプレス成形を行う、成形型固定式の成形装置に適用してもよい。
本発明は、光学素子(例えば、ガラスレンズ)などの成形体をプレス成形するためのモールドプレス成形型や成形体の製造方法に適用される。特に、偏心精度などが極めて高く、光ピックアップや小型撮像機器に用いることができる高精度な光学素子を製造するのに好適である。
本発明に係るモールドプレス成形装置の一実施形態によりプレス成形を行うに際し、成形型を押し切った状態を示す概略断面図である。 荷重伝達部材が揺動する状態を概念的に示す説明図である。 本発明に係るモールドプレス成形装置の一実施形態の変形例を示す概略断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形装置の一実施形態の他の変形例を示す概略断面図である。 プレス成形を行う際の具体的な手順の一例を示す説明図である。 プレス成形を行う際の具体的な手順の一例を示す説明図である。 本発明に係るモールドプレス成形装置の一実施形態の動作を概念的に示す説明図である。 実施例における測定結果を示すグラフである。 比較例における測定結果を示すグラフである。 成形型の一例を示す概略断面図である。 本発明が解決しようとする課題を概念的に示す説明図である。
符号の説明
1 押圧部材
2 荷重伝達部材
10 上型
20 下型
30 胴型
40 介在部材
50 成形素材
51 成形体
M 成形型

Claims (9)

  1. 成形型を押圧することにより、前記成形型の内部に配置した成形素材をプレス成形するモールドプレス成形装置であって、
    駆動手段に連結されて、プレス荷重を与える押圧部材と、
    前記押圧部材に形成された挿通孔に遊嵌状に挿通されたピンにより、前記押圧部材の先端側に取り付けられ、前記押圧部材に対して揺動可能に接触するとともに、前記押圧部材に押圧されてプレス荷重を伝達する荷重伝達部材と
    を備えることを特徴とするモールドプレス成形装置。
  2. 前記押圧部材が、前記荷重伝達部材に対して実質的に一点で接触することにより、前記荷重伝達部材が、前記押圧部材に対して揺動することを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形装置。
  3. 前記押圧部材と前記荷重伝達部材との間に球面を有する硬質部材が設けられ、前記成形型を押圧する際に、前記硬質部材は前記押圧部材と面接触するとともに前記荷重伝達部材と点接触することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形装置。
  4. 対向する成形面を有する上型及び下型と、前記上型と前記下型とを収容し、前記上型と前記下型との水平方向の相互位置を規制する胴型とを備えた成形型の内部に成形素材を配置して、プレス成形する成形体の製造方法であって、
    駆動手段に連結されて前記成形型にプレス荷重を与える押圧部材と、
    前記押圧部材に形成された挿通孔に遊嵌状に挿通されたピンにより、前記押圧部材の先端側に取り付けられ、前記押圧部材に対して揺動可能に接触するとともに、前記押圧部材に押圧されてプレス荷重を伝達する荷重伝達部材と、
    前記荷重伝達部材との接触を維持しつつ、前記成形型を押圧する介在部材とを用い、
    前記押圧部材により、前記荷重伝達部材と前記介在部材とを介して、前記成形型を押圧することを特徴とする成形体の製造方法。
  5. 前記押圧部材と、前記荷重伝達部材とが、実質的に一点で接触していることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  6. 前記成形型を押圧するに際して、前記荷重伝達部材と、前記介在部材との接点を移動させることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  7. 前記成形型を押圧するに際して、前記荷重伝達部材と、前記介在部材との相対角度を変化させることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  8. 前記介在部材が、前記成形型を押圧する押圧平面を有しており、前記成形型を押圧するに際して、前記押圧平面が、前記胴型の上面と、前記上型の上面とを同一平面とすることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  9. 前記成形型を押圧するに際して、前記胴型の上面と、前記上型の上面とが同一平面となった後に、さらに、前記成形型を押圧することを特徴とする請求項に記載の成形体の製造方法。
JP2005088057A 2005-03-25 2005-03-25 モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法 Active JP4668657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005088057A JP4668657B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005088057A JP4668657B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006265060A JP2006265060A (ja) 2006-10-05
JP2006265060A5 JP2006265060A5 (ja) 2008-06-05
JP4668657B2 true JP4668657B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=37201404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005088057A Active JP4668657B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4668657B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008047552A1 (en) 2006-09-28 2008-04-24 Kyocera Corporation Portable terminal and method for controlling the same
JP2017019671A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 オリンパス株式会社 光学素子の製造装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000264652A (ja) * 1999-03-19 2000-09-26 Olympus Optical Co Ltd 光学素子の成形装置および成形方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000264652A (ja) * 1999-03-19 2000-09-26 Olympus Optical Co Ltd 光学素子の成形装置および成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006265060A (ja) 2006-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4666677B2 (ja) モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法
JP5059019B2 (ja) モールドプレス成形型、及び成形体の製造方法
JP4780982B2 (ja) モールドプレス成形装置および光学素子の製造方法
JP5317962B2 (ja) ガラス成形体の製造方法およびモールドプレス成形装置
JP5021196B2 (ja) モールドプレス成形型、光学素子の製造方法、及び凹メニスカスレンズ
JP4668657B2 (ja) モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法
JP5458822B2 (ja) 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法
JP4549820B2 (ja) モールドプレス成形型及びその製造方法、並びに光学素子の製造方法
JP4559784B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP4490761B2 (ja) モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法
JP3618983B2 (ja) 光学素子の成形方法及びその装置
JP2008239467A (ja) モールドプレス成形型、及び成形体の製造方法
JP4792140B2 (ja) モールドプレス成形型及び光学素子の製造方法
JP6037795B2 (ja) 光学素子成形型
WO2021006194A1 (ja) ガラスレンズ成形型
JP2011132096A (ja) 光学素子の成形装置及び成形方法
JP4508804B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP4118668B2 (ja) プレス成形用成形装置及びそれを用いた成形体の製造方法
JP4508501B2 (ja) 光学ガラス素子の成形型
JPH11157853A (ja) 光学素子の成形方法および成形型
JP4373278B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP2004083394A (ja) ガラス成形体の製造方法
JP2007055870A (ja) 光学素子成形型
JPH0379300B2 (ja)
JP2007091514A (ja) 成形型組及びそれを用いたガラス被成形物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4668657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250