JP2007091514A - 成形型組及びそれを用いたガラス被成形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子の成形が可能な成形型組を提供する。
【解決手段】成形型組2は、上型10と、下型20と、第1の胴型30とを備えている。第1の胴型30は、ガラス材50をプレス成形時に、下フランジ部23の第2当接面23aに当接していた第1の胴型30の下端面33が第2当接面23aから浮上して、第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13の第1当接面13aに当接するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は成形型組及びそれを用いたガラス被成形物の製造方法に関する。
従来、ガラス光学素子やガラス製の成形型といったガラス素子の成形方法として、一対の成形型を用いたプレス成形法が提案されている(例えば、特許文献1、2等)。
例えば、ガラス製の成形型やメニスカスレンズ、カップリングレンズといったL/Dが比較的大きく、頂面及び底面と周面との高い直交度が要求される柱状(例えば、円柱状)のガラス素子をプレス成形法により作製する場合、上下一対の成形型と共に、上型と下型との間に設けられ、上型と下型が摺動可能に挿入される(言い換えれば、上型と下型との間で上下方向に変位可能な)胴型が用いられる。胴型の内径は上型及び下型(以下、「上型及び下型」を総称して「上下型」とすることがある。)の外径とほぼ等しく、胴型の垂直度はもっぱら上下型の外周面と胴型の内周面とにより補償されている。
特開平7−2535号公報 特開昭61−232238号公報
しかしながら、ガラス素子のプレス成形工程においては、ガラス材及び各成形型をそのガラス軟化温度近傍まで高温に加熱する必要がある。このため、上下型と胴型との焼き付きを抑制する観点から、プレス成形工程において上下型と胴型とが焼きバメされない程度に、胴型の内径を上下型の外径よりも若干大きくしておかなければならない。よって、ガラス素子の加熱工程やプレス成形工程において、胴型が上下型の垂直軸に対して傾いてしまう虞がある。従って、従来の上下型と、上下型の間で上下方向に変位可能な胴型とにより構成される成形型組及びそれを用いた製造方法では、頂面及び底面と周面との高い直交度(直交性)を実現することが困難であるという問題がある。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子の成形が可能な成形型組及び製造方法を提供することにある。
本発明に係る第1の成形型組は、円筒状の胴型と、胴型に上方から摺動可能に挿入され、下面に第1の成形面が形成された上型と、胴型に下方から摺動可能に挿入され、上面に第2の成形面が形成された下型とを備えており、胴型内に上型と下型とにより区画形成された内部空間に装入されたガラス材を、第1の成形面、第2の成形面、及び胴型の内周面でもってプレス成形するためのものである。上型は、先端に第1の成形面が形成され、胴型に摺動可能に挿入される円柱状の上型本体部と、上型本体部の基端に連接され、胴型の上端面に当接可能で、且つ第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部とを有する。下型は、先端に第2の成形面が形成され、胴型に摺動可能に挿入される円柱状の下型本体部と、下型本体部の基端に連接され、胴型の下端面に当接可能で、且つ第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部とを有する。胴型は、ガラス材のプレス成形時に、下フランジ部の第2当接面に当接していた胴型の下端面が下フランジ部の第2当接面から浮上して、胴型の上端面が上記上フランジ部の第1当接面に当接するように構成されている。
本発明に係る第2の成形型組は、円筒状の胴型と、胴型に上方から摺動可能に挿入され、下面に第1の成形面が形成された上型と、胴型に下方から摺動可能に挿入され、上面に第2の成形面が形成された下型とを備えており、胴型内に上型と下型とにより区画形成された内部空間に装入されたガラス材を、第1の成形面、第2の成形面、及び胴型の内周面でもってプレス成形するためのものである。上型は、先端に第1の成形面が形成され、胴型に摺動可能に挿入される円柱状の上型本体部と、上型本体部の基端に連接され、胴型の上端面に当接可能で、且つ第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部とを有する。下型は、先端に第2の成形面が形成され、胴型に摺動可能に挿入される円柱状の下型本体部と、下型本体部の基端に連接され、胴型の下端面に当接可能で、且つ第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部とを有する。胴型の高さは、内部空間の体積がガラス材の体積と等しくなるときの上フランジ部と下フランジ部との間のプレス距離よりも小さく、且つ、ガラス材のプレス時に、ガラス材の熱膨張による胴型の焼きバメにより胴型が下フランジ部から浮上したときの胴型下端面から下フランジ部の第2当接面までの距離をプレス距離から差し引いた値よりも大きく設定されている。
本発明に係る製造方法はL/Dが0.5以上(好ましくは0.7以上)のガラス被成形物を製造するための方法である。本発明に係る製造方法には、円筒状の胴型と、胴型に上方から摺動可能に挿入され、先端に第1の成形面が形成された円柱状の上型本体部、及び上型本体部の基底に連接され、胴型の上端面に当接可能で、且つ第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部を備えた上型と、胴型に下方から摺動可能に挿入され、先端に第2の成形面が形成された円柱状の下型本体部、及び下型本体部の基底に連接され、胴型の下端面に当接可能で、且つ第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部を備えた下型とを備えた成形型組を用いる。
本発明に係る製造方法は、胴型内に上型と下型とにより区画形成された内部空間にガラス材を装入する工程と、ガラス材を加熱して、ガラス材を胴型に焼きバメさせて胴型の下端面を下フランジ部の第2当接面から浮上させる工程と、少なくとも胴型の上端面が上フランジ部の第1当接面に当接するまで上型を降下させてガラス材をプレスする工程とを備えている。
尚、本明細書において「成形面と平行なフランジ部」とは、詳細には、成形面の基準平面と平行であるフランジ部のことをいう。また、「L/D」とは、円柱状のガラス素子の高さを底面の直径で割った値のことをいう。
本発明によれば頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子の製造が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る成形型組は、例えば、ガラス製の成形型や、メニスカスレンズ、カップリングレンズといった比較的L/Dが大きく、頂面及び底面と周面との高い直交度が要求される柱状(例えば、円柱状)のガラス素子の成形に好適なものである。具体的には、L/Dが0.5以上(好ましくは0.7以上)のガラス素子の成形に好適なものである。以下、図面を参照しながら本実施形態に係る成形型組及びそれを用いた光学素子の製造方法について詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る製造装置(プレス装置)1の要部の構成を表す断面図である。
本実施形態に係る製造装置1は、成形型組2と、上加熱板60と、下加熱板63と、基盤64と、プレス器62とを備えている。成形型組2は、それぞれ例えば超鋼合金等で形成された上型10と、下型20と、第1の胴型30と、第2の胴型40とを備えている。
上型10は円柱状の上型本体部12と、上型本体部12の基底に連接された上フランジ部13とを有する。上フランジ部13は円盤状に形成されており、上型本体部12よりも大きな外径を有する。また、上型本体部12の頂面には鏡面に仕上げられた第1の成形面11が形成されている。第1の成形面11と上フランジ部13の第1当接面13aとは平行である。尚、第1の成形面11はガラスの融着を抑制する貴金属(例えば、白金)等からなる離型膜により被覆されていてもよい。尚、本明細書において「鏡面」とは、入射光が効率良くレンズを通過しレンズ表面での散乱や異常な偏向が発生しない面状態をいい、具体的には面粗さ(Ra)が10nm以下の面をいう。面粗さ(Ra)はレーザー干渉計や触針式の表面粗さ計など汎用測定器を用いて測定することができる。
一方、下型20は、上型本体部12の外径と略同一の外径を有する円柱状の下型本体部22と、その下型本体部22の基底に連接された下フランジ部23とを有する。下フランジ部23は円盤状に形成されており、下型本体部22よりも大きな外径を有する。また、下型本体部22の頂面には鏡面に仕上げられた第2の成形面21が形成されている。第2の成形面21と下フランジ部23の第2当接面23aとは平行である。尚、第2の成形面21はガラスの融着を抑制する貴金属(例えば、白金)等からなる離型膜により被覆されていてもよい。
下型20は基盤64の上に設置された下加熱板63の上に配置されている。下加熱板63には1又は複数の(例えば3つの)ヒーター61が埋設されており、そのヒーター61により下型20が加熱される仕組みとなっている。
一方、下型20に対向して配置された上型10は上加熱板60に取り付けられている。上加熱板60には1又は複数の(例えば3つの)ヒーター61が埋設されており、そのヒーター61により上型10が加熱される仕組みとなっている。また、上加熱板60はプレス器62に取り付けられており、そのプレス器62の機能により上型10は下型20に対して相対的に上下に変位可能となっている。
上型10と下型20との間には、上型本体部12及び下型本体部22が挿入される円筒状の第1の胴型30が設けられている。第1の胴型30は上型本体部12及び下型本体部22の外径と略同一の内径を有する。詳細には、第1の胴型30の内径は上型本体部12及び下型本体部22の外径よりも若干大きい。また、上型本体部12及び下型本体部22の外周面及び第1の胴型30の内周面は鏡面に仕上げられている。このため、上型本体部12及び下型本体部22は第1の胴型30内部を摺動できるようになっている。言い換えれば、第1の胴型30は上型10と下型20との間で上下方向に変位可能となっており、上フランジ部13及び下フランジ部23により抜け止めされている。
第1の胴型30の外側には、第1の胴型30の外径よりも大きな外径を有する円筒状の第2の胴型40が設けられている。第2の胴型40は第1の胴型30よりも長く形成されており、端面が上加熱板60又は下加熱板63に当接可能になっている。この第2の胴型40は、プレス工程において、上型10の変位を所定位置で停止させるための部材である。
尚、成形型組2を含む製造装置1の要部は不活性ガス雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)のチャンバー(図示せず)内に設置されている。
次に、本実施形態に係る製造装置1を用いてガラス素子を製造する工程について図2〜図5を参照しながら詳細に説明する。尚、説明の便宜上、図2〜図5には、成形型組2の要部のみを描画している。
まず、図2に示すように上型10と下型20と第1の胴型30とにより形成される内部空間にガラス材(ガラスプリフォーム)50を装入する。その後、ヒーター61によって、装入されたガラス材50を成形型組2と共にガラス材50の軟化温度近傍まで加熱する(加熱工程)。
図3はガラス材50の加熱が完了した状態を表す図である。
加熱工程において、ガラス材50は径方向及び高さ方向に熱膨張する。成形型組2もガラス材50と同様に径方向及び高さ方向に熱膨張するが、所定の温度以上で異常熱膨張するガラスからなるガラス材50の熱膨張量は成形型組2の熱膨張量よりも遙に大きい。このため、ガラス材50は、第1の胴型30に焼きバメされると共に、高さ方向に熱膨張することにより第1の胴型30の下端面33が下フランジ部23の第2当接面23aから浮上する。従って、図3に示すように、第1の胴型30の下端面33と下フランジ部23の第2当接面23aとの間には、例えば高さh1のギャップが生じる。
加熱後、プレス器62により上型10を下型20方向に変位させることによりガラス材50をプレスする。
図4はガラス材50をプレスする工程を表す図である。
図5はガラス材50のプレスが完了した状態を表す図である。
図4に示すように、本実施形態では、第1の胴型30は、ガラス材50をプレスする工程において、第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13の第1当接面13aに当接するように形成されている。すなわち、本実施形態では、第1の胴型30は、第1の胴型30の高さL1が、第1の胴型30内に上型10と下型20とによって区画形成された内部空間の体積とガラス材50の体積とが等しくなるときの(言い換えれば、プレス完了時の)上フランジ部13と下フランジ部23との間の距離L2(図5参照)よりも小さくなるように形成されている。
また、第1の胴型30は、第1の胴型30の高さL1が上記距離L2と浮上量h1との和よりも小さくなるように形成されている。言い換えれば、第1の胴型30は、高さL1がh1を距離L2から差し引いた値よりも大きくなるように形成されている。すなわち、本実施形態では、第1の胴型30は、L2<L1<L2−h1を満たすように形成されている。
このため、上型10は、第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13の第1当接面13aに当接した状態で、図4に示す状態からさらに下方に推し進められ、ガラス材50をプレスすることとなる。その結果、図5に示すように、第1の胴型30の下端面33と下フランジ部23との間の距離はh1よりも小さいh2となる。
このように、ガラス材50をプレスする工程において、第1の胴型30は、上型本体部12及び下型本体部22の外周面と当接すると共に、その外周面と直交する上フランジ部13の第1当接面13aとも当接する。すなわち、第1の胴型30の垂直度は、プレス工程において、上型本体部12及び下型本体部22の外周面と第1の胴型30の内周面31と、さらには上フランジ部13の第1当接面13aと第1の胴型30の上端面32とにより高精度に補償されることとなる。従って、本実施形態に係る製造装置1(成形型組2)によれば、頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子を成形することができる。
例えば、ガラス材50を加熱する工程において、製造装置1のチャンバー内に温度ムラが発生し、第1の胴型30が傾いて浮上した場合であっても、本実施形態では、プレス工程において第1の胴型30の上端面32と、第1の成形面11と平行な上フランジ部13の第1当接面13aとが当接するため、第1の胴型30の傾きが是正される。このため、このようなケースにおいても頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子の成形が可能である。
それに対して、第1の胴型30の高さL1がL2からh1を差し引いた値よりも小さい場合は、プレス工程において第1の胴型30の上端面32と上フランジ部13の第1当接面13aとが当接しないため、第1の胴型30が傾いて浮上した場合は、図6に示すように、第1の胴型30が傾いた状態のままプレス工程が進行、完了する。このため、第1の胴型30の高さL1がL2からh1を差し引いた値よりも小さい場合は、頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子を安定して成形することが困難となる。
尚、第1の胴型30の設計は、例えば、ガラス材50の熱膨張係数(例えば、ガラス転移点から軟化温度までの平均熱膨張係数)、ガラス材50の寸法形状、使用温度帯域における成形型組2の熱膨張係数等から高さL1を算出することにより行うことができる。
尚、本実施形態では、第2の胴型40により上型の変位を所定位置で停止させる構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2の胴型40を設けず、サーボモータ等の位置決め機能を有するプレス器62を用いてもよい。
(実施例1)
上記実施形態に係る製造装置1と同様の製造装置を用いて、5つのガラス被成形物サンプルを成形した。本実施例1では、ガラス材50としては硼珪酸バリューム系ガラス(ガラス転移点:516℃、屈伏点:553℃)を用いた。ガラス材50の熱線膨張係数を株式会社リガク製Thermal Analysis Station TAS100で測定したところ、ガラス材50の100℃〜300℃における熱膨張係数は93×10-7/℃であった。ガラス転移点(516℃)〜屈伏点(553℃)における熱線膨張係数は920×10-7/℃であった。ガラス材50は外径が6.78mm、高さ8.5mmの円柱状とした。
成形型組2(上型10、下型20、及び第1の胴型30)はタングステンカーバイドを主成分とした超硬合金製とした。尚、成形型組2の屈伏点(553℃)までの熱線膨張係数は、ほぼ一定で58×10-7/℃であった。上型10の頂面に形成された第1の成形面11は凸形状非球面(ベースR=5.518)とし、一方、下型20の第2の成形面21は平面形状とした。第1の胴型30は内径6.8mm、高さ(L1)17.03mmの円柱状とした。目標とするガラス被成形物のL/Dは1.19とした。
上記ガラス材50の形状寸法、及び熱線膨張係数から、成形温度(590℃)では、常温時より高さ方向に0.1mm、径方向に0.079mm熱膨張することが算出された。また、上述のように第1の胴型30の熱線膨張係数は58×10-7/℃であることから、第1の胴型30は、成形温度(590℃)では、常温時より内径が0.023mm熱膨張することが算出された。この結果から、成形温度(590℃)において、ガラス材50は第1の胴型30に焼きバメされて0.10mm下フランジ部23から浮上することが算出された。尚、第1の胴型30の長さ(L1=17.03mm)はこの結果から、プレス工程途中において第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13に当接し、その状態でさらにプレスされるように設定されたものである。
以上説明したようなガラス材50及び成形型組2を用いて実際に5つのサンプルの成形テストを行った。まず上型10と下型20と第1の胴型30とにより形成された内部空間にガラス材50を装入し、成形温度(590℃)になるまで加熱した。加熱完了後、成形温度(590℃)にて5分間保持し、その後、プレス器62により圧力980Nで上型10を加圧してガラス材50をプレスした。プレス完了後、加圧状態のままガラス材50及び成形型組2をガラス転移点(516℃)まで冷却し、その後室温まで徐冷した。
成型されたガラス被成形物の設計値に対する凹面側の偏差(Fig、Acc)と、平面側は平面度を超精密3次元計測器(松下電器製、UA3P)を用いて計測した。また外形精度の円筒度、真円度、およびレンズ外径を基準にした成形面の直角度については、真円度測定器(テーラーホブソン(株)、タリロンド202)を用いて計測した。下記表1に測定結果を示す。
Figure 2007091514
(比較例1)
第1の胴型30の高さ(L1)を、プレス工程において第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13に当接しないような高さにした以外は、上記実施例1と同様の成形型組2を用いて同様の成型実験を行った。その結果を上記表1に併記した。
実施例1と比較例1とでは、レンズ両面の形状精度については大差がなかったものの、真円度、円筒度、直交度については実施例1により成型されたレンズの方が優れていることがわかった。特に直交度については2倍以上優れた結果が得られた。
(実施例2)
上記実施形態に係る製造装置1と同様の製造装置を用いて、5つのガラス被成形物を成形した。本実施例1では、ガラス材50としては硼珪酸バリューム系ガラス(ガラス転移点:690℃、屈伏点:725℃)を用いた。ガラス材50の熱線膨張係数を株式会社リガク製Thermal Analysis Station TAS100で測定したところ、ガラス材50の100℃〜300℃における熱膨張係数は64×10-7/℃であった。ガラス転移点(690℃)〜屈伏点(725℃)における熱線膨張係数は490×10-7/℃であった。ガラス材50は外径が12.3mm、高さ9.5mmの円柱状とした。
成形型組2(上型10、下型20、及び第1の胴型30)はタングステンカーバイドを主成分とした超硬合金製とした。尚、成形型組2の屈伏点(725℃)までの熱線膨張係数は、ほぼ一定で58×10-7/℃であった。上型10の頂面に形成された第1の成形面11は凸形状非球面(ベースR=10.448)とし、一方、下型20の第2の成形面21は平面形状とした。第1の胴型30は内径12.4mm、高さ(L1)17.50mmの円柱状とした。目標とするガラス被成形物のL/Dは0.81とした。
尚、実施例1と同様に、第1の胴型30の長さ(L1=17.50mm)は、プレス工程途中において第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13に当接し、その状態でさらにプレスされるように設定されたものである。
以上説明したようなガラス材50及び成形型組2を用いて実際に5つのサンプルの成形テストを行った。まず上型10と下型20と第1の胴型30とにより形成された内部空間にガラス材50を装入し、成形温度(780℃)になるまで加熱した。加熱完了後、成形温度(780℃)にて13分間保持し、その後、プレス器62により圧力1700Nで上型10を加圧してガラス材50をプレスした。プレス完了後、加圧状態のままガラス材50及び成形型組2をガラス転移点(690℃)まで冷却し、その後室温まで徐冷した。取り出されたガラス被成形物を650℃で8時間保持し、その後2.5℃/minの速度でアニールした。
成型されたガラス被成形物の設計値に対する凹面側の偏差(Fig、Acc)と、平面側は平面度を超精密3次元計測器(松下電器製、UA3P)を用いて計測した。また外形精度の円筒度、真円度、およびレンズ外径を基準にした成形面の直角度については、真円度測定器(テーラーホブソン(株)、タリロンド202)を用いて計測した。下記表2に測定結果をまとめる。
Figure 2007091514
(比較例2)
第1の胴型30の高さ(L1)を、プレス工程において第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13に当接しないような高さにした以外は、上記実施例2と同様の成形型組2を用いて同様の成型実験を行った。その結果を上記表2に併記した。
実施例1と比較例1とでは、レンズ両面の形状精度については大差がなかったものの、真円度、円筒度、直交度については実施例1により成型されたレンズの方が優れていることがわかった。直交度及び平面度については特に優れた結果が得られた。
以上、実施例1、2及び比較例1、2の結果より、プレス工程において第1の胴型30の上端面32が上フランジ部13に当接するように第1の胴型30を形成することにより外径精度(直交度、平面度等)の優れたガラス被成形物が得られることがわかった。
以上説明したように、本発明に係る成形型組によれば頂面及び底面と周面との直交度が高いガラス素子の成形が可能であるため、ガラス製の成形型、メニスカスレンズやカップリングレンズといったL/Dの比較的大きな光学素子等の製造に有用である。
製造装置1の要部の構成を表す断面図である。 ガラス材50を装入した状態を表す断面図である。 ガラス材50の加熱が完了した状態を表す断面図である。 ガラス材50をプレスする工程を表す断面図である。 ガラス材50のプレスが完了した状態を表す断面図である。 第1の胴型30の高さL1がL2からh1を差し引いた値よりも小さい場合のプレス工程を表す断面図である。
符号の説明
1 製造装置
2 成形型組
10 上型
11 第1の成形面
12 上型本体部
13 上フランジ部
13a 第1当接面
20 下型
21 第2の成形面
22 下型本体部
23 下フランジ部
23a 第2当接面
30 第1の胴型
31 内周面
32 上端面
33 下端面
40 第2の胴型
50 ガラス材
60 上加熱板
61 ヒーター
62 プレス器
63 下加熱板
64 基盤

Claims (6)

  1. 円筒状の胴型と、該胴型に上方から摺動可能に挿入され、下面に第1の成形面が形成された上型と、上記胴型に下方から摺動可能に挿入され、上面に第2の成形面が形成された下型とを備え、該胴型内に該上型と該下型とにより区画形成された内部空間に装入されたガラス材を、上記第1の成形面、上記第2の成形面、及び上記胴型の内周面でもってプレス成形するための成形型組であって、
    上記上型は、先端に上記第1の成形面が形成され、上記胴型に摺動可能に挿入される円柱状の上型本体部と、該上型本体部の基端に連接され、上記胴型の上端面に当接可能で、且つ上記第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部とを有し、
    上記下型は、先端に上記第2の成形面が形成され、上記胴型に摺動可能に挿入される円柱状の下型本体部と、該下型本体部の基端に連接され、上記胴型の下端面に当接可能で、且つ上記第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部とを有し、
    上記胴型は、上記ガラス材のプレス成形時に、上記下フランジ部の第2当接面に当接していた該胴型の下端面が該下フランジ部の第2当接面から浮上して、該胴型の上端面が上記上フランジ部の第1当接面に当接するように構成されている成形型組。
  2. 円筒状の胴型と、該胴型に上方から摺動可能に挿入され、下面に第1の成形面が形成された上型と、上記胴型に下方から摺動可能に挿入され、上面に第2の成形面が形成された下型とを備え、該胴型内に該上型と該下型とにより区画形成された内部空間に装入されたガラス材を、上記第1の成形面、上記第2の成形面、及び上記胴型の内周面でもってプレス成形するための成形型組であって、
    上記上型は、先端に上記第1の成形面が形成され、上記胴型に摺動可能に挿入される円柱状の上型本体部と、該上型本体部の基端に連接され、上記胴型の上端面に当接可能で、且つ上記第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部とを有し、
    上記下型は、先端に上記第2の成形面が形成され、上記胴型に摺動可能に挿入される円柱状の下型本体部と、該下型本体部の基端に連接され、上記胴型の下端面に当接可能で、且つ上記第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部とを有し、
    上記胴型の高さは、上記内部空間の体積が上記ガラス材の体積と等しくなるときの上記上フランジ部と上記下フランジ部との間のプレス距離よりも小さく、且つ、上記ガラス材のプレス時に、該ガラス材の熱膨張による上記胴型の焼きバメにより該胴型が上記下フランジ部から浮上したときの該胴型下端面から該下フランジ部の第2当接面までの距離を上記プレス距離から差し引いた値よりも大きく設定されている成形型組。
  3. 請求項1又は2に記載された成形型組において、
    上記第1の成形面と、上記第2の成形面と、上記胴型の内周面とが鏡面である成形型組。
  4. 円筒状の胴型と、該胴型に上方から摺動可能に挿入され、先端に第1の成形面が形成された円柱状の上型本体部、及び該上型本体部の基底に連接され、上記胴型の上端面に当接可能で、且つ上記第1の成形面と平行に形成された第1当接面を有する上フランジ部を備えた上型と、上記胴型に下方から摺動可能に挿入され、先端に第2の成形面が形成された円柱状の下型本体部、及び該下型本体部の基底に連接され、上記胴型の下端面に当接可能で、且つ上記第2の成形面と平行に形成された第2当接面を有する下フランジ部を備えた下型とを備えた成形型組を用いてL/Dが0.5以上のガラス被成形物を製造する方法であって、
    上記胴型内に上記上型と上記下型とにより区画形成された内部空間にガラス材を装入する工程と、
    上記ガラス材を加熱して、該ガラス材を上記胴型に焼きバメさせて該胴型の下端面を上記下フランジ部の第2当接面から浮上させる工程と、
    少なくとも上記胴型の上端面が上記上フランジ部の第1当接面に当接するまで上記上型を降下させて上記ガラス材をプレスする工程と、
    を備えたガラス被成形物の製造方法。
  5. 請求項4に記載された製造方法において、
    上記ガラス被成形物は光学素子である製造方法。
  6. 請求項4に記載された製造方法において、
    上記ガラス被成形物は成形型である製造方法。
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JP2014088299A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Ohara Inc 光学素子の製造方法

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