JP2007055870A - 光学素子成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】割れやカン等の不良が発生しにくく、高い良品率で光学素子を製造することができる光学素子成形型を提供する。
【解決手段】光学素子成形型1は成形面13を有する。成形面13は第1成形面14と第2成形面15とを含む。第1成形面14は成形面の中央部分に位置する。第1成形面14は光学素子の光学機能面を形成するための面であり、凹状又は凸状である。第2成形面15は第1成形面14の外周に連なるように設けられている。第1成形面14の表層と第2成形面15の表層とは相互に異なる材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は光学素子成形型及びそれを用いた光学素子の製造方法に関する。
近年、ガラス光学素子の製造方法として、精密プレス成形法が注目されている。精密成型法とは、セラミックスや金属材料で形成された成形型を用いて加熱・軟化されたガラス母材をプレス成形することにより光学素子を得る方法である。
ガラス母材のプレス成形工程では、ガラス母材及び成形型がガラスの軟化点近傍といった高い温度にまで加熱される。そのため、成型された光学素子と成形型とが融着するおそれがある。このような問題に鑑み、例えば特許文献1には、成型面の全面がイリジウム等によりコーティングされた超硬合金製の金型が開示されている。
特開平5−178627号公報
しかしながら、成型面の全面がイリジウム等によりコーティングされた成形型を用いて光学素子を形成する場合、割れやカン(ヒビ)等の不良が発生しやすく、十分に高い良品率が得られないという問題がある。この問題は、硬度・剛性が低いリン酸塩系ガラス、弗リン酸塩系のガラス製の光学素子を形成する場合に特に顕著に表れる。
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、割れやカン等の不良が発生しにくく、高い良品率で光学素子を製造することができる光学素子成形型を提供することにある。
本発明に係る光学素子成形型は、ガラス母材をプレスして光学機能面を有する光学素子を成形するためのものである。本発明に係る光学素子成形型は、成形面を有し、その成形面は第1成形面と第2成形面とを有する。第1成形面は成形面の中央部分に位置する。第1成形面は光学素子の光学機能面を形成するための面であり、凹状又は凸状である。一方、第2成形面は第1成形面の外周に連なるように設けられている。本発明に係る光学素子成形型では、第1成形面の表層と第2成形面の表層とは相互に異なる材料からなる。
第2成形面は第1成形面よりもガラス母材に対する離型性が高い性質を有することが好ましい。例えば、第1成形面の表層が実質的に貴金属合金からなる一方、第2成形面の表層が実質的にイリジウム又は炭素からなるものであってもよい。尚、貴金属合金とは、イリジウム(Ir)中にレニウム(Re)及びオスミウム(Os)のうち少なくとも一方を含む合金を主成分とする合金をいう。
本発明に係る光学素子成形型では、第2成形面が第1成形面との接触端から半径方向外方に向かって上方又は下方に傾斜するテーパー面に形成されていることが好ましい。具体的には、第2成形面は第1成形面の周縁接続端とのなす角度が3度以上6度以下であることが好ましい。
本発明に係る光学素子の製造方法は、本発明に係る光学素子成形型を用いてガラス母材をプレスすることにより光学素子を得ることを特徴とする。
本発明によれば、割れやカン等の不良が発生することを抑制することができるので、高い良品率で光学素子を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)図1は本実施形態1に係る下型1の概略断面図である。
図2は本実施形態1に係る上型2の概略断面図である。
図3は下型1及び上型2がセットされた光学素子の製造装置30の要部を表す概略断面図である。
尚、図1及び図2では、説明の便宜上、薄膜11、12、21、22が実際よりも厚く描画されている。
図1に示すように、光学素子成形型としての下型1は柱状(詳細には角柱状又は円柱状)である。下型1の頂面(図1において上側の面)は成形面13に構成されている。成形面13は、その中央部に設けられた第1成形面14と、第1成形面14の外周に、第1成形面14を囲うように連接された第2成形面15を有する。第1成形面14は光学素子の光学機能面を形成するための面である。成形される光学素子の光学機能面が凸状である場合は第1成形面14は凹状に形成され、一方、光学機能面が凹状である場合は第1成形面14は凸状に形成される。第1成形面14は球面状であっても非球面状であってもよい。
本実施形態1では、第1成形面14の表層と第2成形面15の表層とは相互に異なる材料で形成されている。具体的には、図1に示すように、第1成形面14及び第2成形面15を含む成形面13の全体に第1薄膜11を形成すると共に、第1成形面14を除いて第2成形面15のみに、第1薄膜11とは異なる第2薄膜12を形成してもよい。さらに具体的には、第1薄膜11は実質的に貴金属合金からなるものであってもよい。また、第2薄膜12は実質的にイリジウム又は炭素からなるものであってもよい。一般的に、イリジウム薄膜及び炭素薄膜はそれぞれ貴金属合金薄膜よりもガラスに対する離型性が高い性質を有する。尚、本明細書において、貴金属合金とは、イリジウム(Ir)中にレニウム(Re)及びオスミウム(Os)のうち少なくとも一方を含む合金を主成分とする合金をいう。具体的には、レニウム(Re)を2重量%以上30重量%以下含むイリジウム(Ir)合金、オスミウム(Os)を2重量%以上40重量%以下含むイリジウム(Ir)合金、レニウム(Re)を2重量%以上30重量%以下含み、且つオスミウム(Os)を2重量%以上40重量%以下含むイリジウム(Ir)合金、若しくは、レニウム(Re)を2重量%以上30重量%以下、及び/又はオスミウム(Os)を2重量%以上40重量%以下含み、且つロジウム(Rh)を1重量%以上10重量%以下含むイリジウム(Ir)合金等であってもよい。
第1薄膜11は例えばスパッタ法等により形成することができる。第2薄膜12は例えばスパッタ法により成形面13の全体に薄膜を形成した後、第1成形面14部分のみをポリッシュ(研磨)することにより形成することができる。
図2に示す光学素子成形型としての上型2は図1に示す下型1と同様に、柱状(詳細には角柱状又は円柱状)である。下型2の頂面(図2において上側の面)は成形面23に構成されている。成形面23は、その中央部に設けられた第1成形面24と、第1成形面24の外周に、第1成形面24を囲うように連接された第2成形面25を有する。第1成形面24は光学素子の光学機能面を形成するための面である。成形される光学素子の光学機能面が凸状である場合は第1成形面24は凹状に形成され、一方、光学機能面が凹状である場合は第1成形面24は凸状に形成される。第1成形面24は球面状であっても非球面状であってもよい。
本実施形態1では、第1成形面24の表層と第2成形面25の表層とは相互に異なる材料で形成されている。具体的には、図2に示すように、第1成形面24及び第2成形面25を含む成形面23の全体に第1薄膜21を形成すると共に、第1成形面24を除いて第2成形面25のみに、第1薄膜21とは異なる第2薄膜22を形成してもよい。さらに具体的には、第1薄膜21は実質的に貴金属合金からなるものであってもよい。また、第2薄膜22は実質的にイリジウム又は炭素からなるものであってもよい。
下型1及び上型2は、図3に示すように、成形面13と成形面23とが対向すると共に、成形面13の中心軸と成形面23の中心軸とが一致するように配置される。図3に示すように、製造装置30は平坦な基台上に設けられた板状の第1加熱部材4を有する。第1加熱部材4の上には下型1が設置される。第1加熱部材4の内部には複数のヒーター4a、温度検知用の電熱対(図示せず)及び温度制御用の電熱対(図示せず)が設けられており、ヒーター4aから供給される熱によって下型1を加熱・温度調節可能に構成されている。
第2加熱部材5は第1加熱部材4に対向するように設けられている。板状の第2加熱部材5には上型2が、成形面13と成形面23とが対向するように設置される。第2加熱部材5の内部には複数のヒーター5a、温度検知用の電熱対(図示せず)及び温度制御用の電熱対(図示せず)が設けられており、ヒーター5aから供給される熱によって上型2を加熱・温度調節可能に構成されている。上型2が設置される面と反対側の第2加熱部材5の面は駆動軸7の一端に接続されたフランジ6に固定されている。駆動軸7の他端は例えばオイルシリンダ、エアーシリンダ、サーボモーター等の押圧手段(図示せず)に接続されており、上型2は下型1に対して(図3において上下方向に)変位可能とされている。
下型1及び上型2の周囲には、第1加熱部材4に固定された筒状の胴型3が設けられている。下型1の外径と上型2の外径とは同一とされており、胴型3の内径は下型1及び上型2の外径より若干大きくされている。すなわち、胴型3は下型1及び上型2に精密なクリアランスで嵌合しており、上型2は胴型3内部を摺動可能である。この胴型3を設けることによって下型1と上型2との心ずれ(偏心ずれ、詳細には平行偏心ずれ、傾き偏心ずれ)を抑制することができる。尚、下型1、上型2、及び胴型3は例えばタングステンカーバイド(WC)等により形成することができる。
図3に示す製造装置30の主要部分は不活性ガス雰囲気に維持されるチャンバー(図示せず)内に設けられている。
次に、この製造装置30を用いて光学素子を成型する工程を説明する。まず、図3に示すように、下型1、上型2、及び胴型3により囲まれた空間内にガラス製の母材8を挿入する。母材8の挿入後、ヒーター4a、5aを用いて下型1、上型2、胴型3、及び母材8を加熱する。加熱は母材8が軟化点近傍の温度又はそれ以上の温度になるまで行う。母材8が所定の温度まで加熱された後、押圧手段(図示せず)により上型2を(図3において下方向に)駆動し、母材8をプレス成形することにより光学素子を得る。プレス後、得られた光学素子は、上型2を介して、押圧手段(図示せず)によって所定の圧力で押圧された状態で常温近辺まで冷却され、製造装置30から取り出される。
図4はプレス後の冷却工程を表す部分断面図である。
プレス後の冷却工程において、光学素子は温度の低下と共に収縮する。光学素子の収縮量は光学素子(レンズ)の中心から離れた箇所ほど大きくなる。具体的には、図4中に矢印で示すように、レンズの中央部分よりも第2成形面15と接する周辺部分の方が収縮量が大きくなる。この中央部分と周辺部分との収縮量の差に起因して、冷却工程において第1成形面14と第2成形面15との境界部分から割れやカンが発生するおそれがある。
例えば、従来技術のように、下型の成形面全体(第1成形面及び第2成形面)にイリジウム等の薄膜を形成した場合、第1成形面の光学素子に対する離型性と第2成形面の離型性とは同一である。また、プレス工程及び冷却工程において、光学素子は下型1と上型2とによって押圧された状態にある。このため、第2成形面と光学素子との間で融着が発生しやすい。第2成形面と光学素子との間で融着が発生すると、光学素子の収縮が阻害されるため、冷却工程において第1成形面14と第2成形面15との境界部分から割れやカンが発生しやすくなる。
一方、本実施形態1では、第1成形面14の表層と第2成形面15の表層とが相互に異なる材料で形成されている。具体的には、第1成形面14の表層は第1薄膜11により構成されており、第2成形面15の表層は第2薄膜12により構成されている。上型2についても下型1と同様に、第1成形面24の表層と第2成形面25の表層とが相互に異なる材料で形成されている。具体的には、第1成形面24の表層は第1薄膜21により構成されており、第2成形面25の表層は第2薄膜22により構成されている。このため、第1成形面14(24)と第2成形面15(25)との成形される光学素子に対する離型性を異ならしめることができる。例えば、成形される光学素子に対する第1成形面14(24)の離型性よりも第2成形面15(25)の離型性を高くすることができる。
第1成形面14(24)の離型性よりも第2成形面15(25)の離型性を高くすることによって、第2成形面15(25)と光学素子との間で融着が起こることを効果的に抑制することができる。このため、冷却工程における光学素子の収縮が阻害されることを抑制することができる。従って、第1成形面14と第2成形面15との境界部分8aにおける割れやカンの発生を効果的に抑制することができる。その結果、高い良品率で光学素子を製造することができる。
第1成形面14(24)よりも第2成形面15(25)の離型性を高くするために、例えば、第1薄膜11(21)を貴金属合金薄膜とし、且つ第2薄膜12(22)をイリジウム薄膜又は炭素薄膜により構成しても構わない。
尚、本明細書において、離型性が高いとは、離型温度差が小さいことをいう。以下、離型温度差の測定方法について、図5を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の方法は、複数の硝種について離型温度差を測定比較することにより、複数の硝種の離型性を相対的に評価する方法である。
図5は離型温度差を測定する工程を表す断面図である。
図5(A)に要部を示す離型温度差測定装置40は離型温度差を測定するための装置である。まず、測定装置40の構成について説明する。測定装置40は基台の上に設置された第1加熱部材41と、第1加熱部材41の上に配置された下型42と、第1加熱部材41に対向するように設置された第2加熱部材46と、第2加熱部材46の一方面側に、下型42と対向するように設置された上型45とを有する。第2加熱部材46の他方面はフランジ47に固定されている。フランジ47は押圧手段(図示せず)に接続されており、押圧手段(図示せず)によって上型45は下型42に対して変位可能とされている。
下型42は第1加熱部材41に固定されておらず、下型42は第1加熱部材41に対して変位可能である。下型42の上型45と対向する側の表面には、評価測定する膜が成膜されている。一方、上型45の下型42と対向する側の面には突出部45aが設けられている。
第1加熱部材41には複数のヒーター41aが埋設されている。同様に、第2加熱部材46にも複数のヒーター46aが埋設されており、これらヒーター41a及び46aによって下型42及び上型45を加熱することができる。
図5(A)に示す測定装置40の要部は不活性ガス雰囲気のチャンバー(図示せず)中に設けられている。
この装置を用いて、複数の硝種の離型温度差を測定比較することができる。尚、上型45、下型42の材質、上型45の成型面の材質、上型45の突出部45aの形状、下型42の重量等は、測定比較しようとする硝種で同様でさえあればあれば、何ら限定されるものではない。下型42及び上型45の材質は例えばタングステンカーバイド(WC)であってもよい。上型45の表面は例えば貴金属合金でコートされていてもよい。
次に、測定装置40を用いた離型温度差の測定工程について詳細に説明する。まず、ヒーター41a、46aから供給される熱により、下型42、上型45、及び下型42上に設置された所定体積のガラスプリフォーム44を加熱する。加熱はガラスプリフォーム44が成形温度に達するまで行う。ここで「成形温度」とはガラスプリフォーム44の粘性が107.65P(ポワズ)になる温度をいう。ガラスプリフォーム44が成形温度に達した段階で、押圧手段(図示せず)を駆動させて、下型42及び上型45でガラスプリフォーム44をプレスする(図5(A))。プレスは上型45の突出部45aがガラスプリフォーム44に十分に食い込むまで行う。プレス完了後、押圧手段(図示せず)により、上型45を上昇させる(図5(B))。この際、第1加熱部材41に固定されていない下型42は、図5(B)に示すように、ガラスプリフォーム44及び上型45と共に図5(A)において持ち上げられる。下型42が持ち上げられた状態でヒーター41a及び46aの電源を切り、チャンバー(図示せず)内で冷却する。そして、下型42が上型45から離れ、下方に落下する際の温度を測定する(図5(C))。その結果得られた温度を成形温度から差し引いた値が離型温度差となる。尚、下型42が持ち上がらなかった場合は離型温度差は0℃となる。
同様の実験を同様の測定装置40を用いて、複数の硝種のガラスプリフォーム44について繰り返し行うことにより、その複数の硝種の離型温度差を測定比較することができる。測定された離型温度差が小さいほど離型性が優れていると評価することができる。
例として、下型42、上型45をタングステンカーバイド(WC)とし、上型45の表面を貴金属合金でコートした測定装置40を用いて、硼珪酸系ガラス、硼珪酸バリウム系ガラスに対する各種薄膜の離型温度差を測定した。下記表1にその結果を示す。
Figure 2007055870
表1に示す結果の通り、貴金属合金薄膜、イリジウム薄膜、炭素薄膜について離型温度差を測定比較したところ、貴金属合金薄膜が最も離型温度差が大きくなり、炭素薄膜が最も小さくなった。すなわち、炭素薄膜が最も離型性が高く(離型しやすく)、貴金属合金薄膜が最も離型性が低くかった(離型しにくかった)。
(実施形態2)図6は本実施形態2に係る下型1の概略断面図である。
図7は本実施形態2におけるプレス後の冷却工程を表す部分断面図である。
尚、本実施形態2の説明において、図2及び図3は共通に参照する。また、実質的に同じ機能を有する構成要素を共通に参照符号で説明し、説明を省略する。
本実施形態2に係る下型1は、成形面13の形状を除いては、実施形態1に係る下型と同一の形態を有する。以下、成形面13の形状について詳細に説明する。
本実施形態2に係る下型1では、第1成形面14が凹面であり、第2成形面15は第1成形面14との接触端から半径方向外方に向かって上方(第1成形面14の凹方向と反対方向)に傾斜するテーパー面に形成されている。言い換えれば、第1成形面14と第2成形面15とのなす角度(図6においてL1とL2のなす角度θ1)が、レンズ中心面と第1成形面14とのなす角度(図6においてL1とL3のなす角度θ2)よりも小さい。尚、本明細書において「レンズ中心面」とは成形されるレンズ(光学素子)の光軸を法線とする面をいう。
このため、冷却工程において第2成形面15と光学素子とが融着することがさらに効果的に抑制される。また、光学素子の収縮により、光学素子の周縁部分(第2成形面15と接触する部分)は大きく素子中心方向に移動するが、第2成形面15がテーパー面に形成されているため、第2成形面15と光学素子の周縁部分との間の摩擦が抑制され、光学素子の周縁部分はスムーズに移動する。このため、図7に示すように、冷却工程において、第1成形面14と第2成形面15との境界部分8aに大きな歪みが発生することを抑制することができる。従って、光学素子の割れやカンの発生が効果的に抑制される。その結果、高い良品率で光学素子を製造することができる。
本実施形態2では第1成形面14が凹状である場合について説明したが、第1成形面14は凸面であってもよい。第1成形面14が凸面である場合、第2成形面15は第1成形面14との接触端から半径方向外方に向かって下方(第1成形面14の凸方向と反対方向)に傾斜するテーパー面に形成されていることが好ましい。そうすることによって、光学素子と第2成形面15との融着を効果的に抑制することができる。
また、上型2も下型1と同様に、第2成形面25は第1成形面24との接触端から半径方向外方に向かって上方又は下方に傾斜するテーパー面に形成されていることが好ましい。
本実施形態2のように第2成形面15をテーパー面とすることによる効果は、第1成形面14とレンズ中心面とのなす角θ2が大きくなるにつれて大きくなる。言い換えれば、第1成形面14の曲率が高くなるほど得られる効果も高くなる。このため、例えば、下型1の第1成形面14の曲率と上型2の第1成形面24の曲率とに差がある場合、少なくとも第1成形面の曲率の大きい方の金型の第2成形面をテーパー面とすることが好ましい。例えば、第1成形面14の曲率の方が第2成形面24の曲率よりも大きい場合は、第2成形面24を少なくともテーパー面とすることが好ましい。
以上、実施形態1、2を例に挙げて説明した本発明に係る光学素子成形型はガラス製の光学素子全般の製造に有用なものである。具体的には、本発明に係る光学素子成形型は珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、硼リン酸塩系ガラス、弗リン酸塩系ガラス等からなる光学素子の製造に有用である。その中でも、割れやカンが発生しやすいリン酸塩系ガラス、弗リン酸塩系ガラス等からなる光学素子の製造に特に有用である。
以上説明したように、本発明に係る光学素子成形型を用いることにより、高い良品率で光学素子を製造することができるため、光学レンズ、光学プリズム等の光学素子の製造等に有用である。
下型1の概略断面図である。 上型2の概略断面図である。 下型1及び上型2がセットされた光学素子の製造装置30の要部を表す概略断面図である。 実施形態1におけるプレス後の冷却工程を表す部分断面図である。 離型温度差を測定する工程を表す断面図である。 実施形態2に係る下型1の概略断面図である。 実施形態2におけるプレス後の冷却工程を表す部分断面図である。
符号の説明
1、45 下型
2、42 上型
3 胴型
4、41 第1加熱部材
4a、5a、41a、46a ヒーター
5、46 第2加熱部材
6、47 フランジ
7 駆動軸
8 母材
11、21 第1薄膜
12、22 第2薄膜
13、23 成形面
14、24 第1成形面
15、25 第2成形面
30 製造装置
40 測定装置

Claims (6)

  1. ガラス母材をプレスして光学機能面を有する光学素子を成形するための、成形面を有する光学素子成形型であって、
    上記成形面は、その中央部分に位置する、上記光学素子の光学機能面を形成するための凹状又は凸状の第1成形面と、該第1成形面の外周に連なる第2成形面とを有し、
    上記第1成形面の表層と上記第2成形面の表層とは相互に異なる材料からなる光学素子成形型。
  2. 請求項1に記載された光学素子成形型において、
    上記第2成形面は上記第1成形面よりも上記ガラス母材に対する離型性が高い性質を有する光学素子成形型。
  3. 請求項1に記載された光学素子成形型において、
    上記第1成形面の表層は実質的に貴金属合金からなる一方、上記第2成形面の表層は実質的にイリジウム又は炭素からなる光学素子成形型。
  4. 請求項1に記載された光学素子成形型において、
    上記第2成形面は上記第1成形面との接触端から半径方向外方に向かって上方又は下方に傾斜するテーパー面に形成されている光学素子成形型。
  5. 請求項4に記載された光学素子成形型において、
    上記第2成形面は上記第1成形面の周縁接続端とのなす角度が3度以上6度以下である光学素子成形型。
  6. 請求項1に記載された光学素子成形型を用いてガラス母材をプレスすることにより光学素子を得ることを特徴とする光学素子の製造方法。
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JP2008105899A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Hoya Corp 光学素子の製造方法

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