JP2008105899A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
フツリン酸ガラスからなる光学素子を精密プレス成形により製造する場合に、光学素子表面に生じるクモリや白濁等を低減または抑制して、その歩留まりを向上させ、効率よく光学素子を製造することができる方法を提供する。
【解決手段】
フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、プレス成形型で精密プレス成形することにより光学素子を製造する方法であって、プレス成形型の成形面の少なくとも一部が、非炭素系成形面材料からなることを特徴とする光学素子の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は光学素子の製造方法に関する。
精密プレス成形法はモールドオプティクス成形法とも呼ばれ、所望の光学特性を有するガラスをプリフォームと呼ばれる形状に予め成形し、このプリフォームを加熱、軟化し、プレス成形型を用いて精密プレス成形して光学素子を製造する方法である(例えば、特許文献1参照)。
上記精密プレス成形法によれば、ガラス製の非球面レンズ、回折格子、マイクロレンズ、レンズアレイなど、従来の研削、研磨による方法では量産性に乏しい光学素子を比較的低コストで多量に供給することができる。
特開2002−249337号公報
ところで、低分散特性を有するレンズ等や、CCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色感度を補正する近赤外光吸収フィルタ等を作製しようとする場合、フツリン酸ガラスが好ましく用いられている。
フツリン酸ガラスは一般にホウ酸塩ガラスやケイ酸塩ガラスに比べてガラス転移温度が低いため、プレス成形温度を低くすることができ、精密プレス成形に有利なガラスと考えられる。
しかし、フツリン酸ガラスからなるプリフォームの精密プレス成形は、ホウ酸塩ガラスやケイ酸塩ガラスからなるプリフォームよりもプレス成形温度を低温に設定できるものの、得られた光学素子の表面にクモリや白濁が生じて歩留まりが低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情のもとで、フツリン酸ガラスからなる光学素子を精密プレス成形により製造する場合に、光学素子表面へのクモリや白濁等の発生を低減または抑制して、効率よく光学素子を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、フツリン酸ガラスからなる光学素子を精密プレス成形により製造する場合に、表面にクモリや白濁が生じる理由を検討した結果、以下の(a)および(b)の知見を得るに至った。
(a)精密プレス成形では、プレス成形型を用いて、プレス成形温度が600℃を超えるようなガラスからフツリン酸ガラスのようにプレス成形温度が低いガラスまで多種多様なガラスを成形している。このように広い温度域に対応できるプレス成形型として、SiCを型材とするものが用いられており、このプレス成形型の成形面には、離型膜として、SiCとの相性のよい炭素離型膜がコートされている。
ところが、上記プレス成形型を用いてフツリン酸ガラス製プリフォームを精密プレス成形する場合、ガラスに含まれるフッ素またはフッ素化合物と型成形面にコートした炭素離型膜との反応が起こり、光学素子の表面にクモリや白濁が生じることがある。
前記反応を抑制するためにプレス成形温度をさらに低下させることも考えられるが、プ
レス成形温度を低下させると、ガラス粘度が上昇して成形時にガラスが破損してしまう。
(b)フツリン酸ガラスがCuイオンを含む場合は、フッ素成分に加え、Cuイオンが光学素子表面におけるクモリや白濁の発生に関与すると考えられる。Cuイオンは比較的還元されやすく、ガラス中を移動しやすいので、精密プレス成形時に高温でプレス成形型表面の炭素系離型膜に接触することによりガラス中のCuイオンが還元され、この還元反応に起因する析出物がガラス表面に付着してクモリの原因になる。
上記知見を基に、本発明者がさらに検討したところ、成形面の少なくとも一部が非炭素系成形面材料からなるプレス成形型で精密プレス成形することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、プレス成形型で精密プレス成形することにより光学素子を製造する方法であって、
プレス成形型の成形面の少なくとも一部が、非炭素系成形面材料からなることを特徴とする光学素子の製造方法、
(2)フツリン酸ガラスがカチオン成分としてLiイオンを含む上記(1)に記載の光学素子の製造方法、
(3)フツリン酸ガラスがカチオン成分としてさらにMgイオン、Caイオン、SrイオンおよびBaイオンから選ばれる2種以上の成分を含む上記(2)に記載の光学素子の製造方法、
(4)フツリン酸ガラスのガラス転移温度(Tg)が470℃以下である上記(2)または(3)に記載の光学素子の製造方法、
(5)フツリン酸ガラスがカチオン成分としてCuイオンを含む上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法、
(6)フツリン酸ガラスのガラス転移温度(Tg)が400℃以下である上記(5)に記載の光学素子の製造方法、および
(7)非炭素系成形面材料が、遷移金属、シリコンおよび鉛から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学素子の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、フツリン酸ガラスからなる光学素子を精密プレス成形により製造する場合に、成形面の少なくとも一部が、非炭素系成形面材料からなるプレス成形型を用いることから、光学素子表面へのクモリや白濁等の発生を低減または抑制して効率よく光学素子を製造することができる。
本発明の光学素子の製造方法は、
フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、プレス成形型で精密プレス成形することにより光学素子を製造する方法であって、
プレス成形型の成形面の少なくとも一部が、非炭素系成形面材料からなることを特徴とするものである。
(出発材料であるフツリン酸ガラスからなるプリフォーム)
先ず、本発明の光学素子の製造方法において用いられるフツリン酸ガラスからなるプリフォームについて説明する。
プリフォームとしては、例えば、以下の(1)〜(3)の方法、すなわち、
(1)ガラス原料を熔解して熔融ガラスを作製した後、該熔融ガラスを流出口から流出し、鋳型に鋳込んでガラス体に成形、アニールした後、ガラス体を切断、研削、研磨してプリフォームにする方法(以下、プリフォームの製法Iという)、
(2)ガラス原料を熔解して熔融ガラスを作製した後、該熔融ガラスを流出口から流出し、熔融ガラス流からプリフォーム1個分に相当する量の熔融ガラス塊を分離し、ガラスが冷却する過程でプリフォームに成形する方法(以下、プリフォームの製法IIという)、
(3)ガラス原料を熔解して熔融ガラスを作製した後、該熔融ガラスを流出口から流出し、熔融ガラス流から熔融ガラス塊を分離し、ガラスが冷却する過程でガラス塊に成形し、このガラス塊を研磨してプリフォームに成形する方法(以下、プリフォームの製法IIIという)
で得られるものを用いることができる。
プリフォームの製法II、IIIでは、ガラスを浮上させながら冷却し、成形することが望ましい。このように浮上しながら成形することにより、ガラス表面に発生するシワを防止し、ガラスが固化する過程でおきるカン割れも防止することができる。
プリフォームは、目的とする光学素子に対応する形状と重量を有するように作製する。例えば、光学素子としてレンズを製造する場合、プリフォーム形状を球状または回転対称軸を一つ有する形状とすることが望ましい。このようなプリフォームを回転対称軸に沿う方向にプレスすることにより、ガラスを均等に延ばして偏肉のないレンズを成形することができる。
プリフォームには、精密プレス成形時にガラスが成形型内に十分押し広げられるよう、その表面に炭素含有膜をコートしてもよい。ただし、該炭素含有膜とガラス中のフッ素成分とが反応することによっても、光学素子の表面にクモリや白濁等が発生すると考えられるため、プリフォームは、その表面に炭素含有膜がコートされていない、ガラスが露出したものを用いることが好ましい。
上記プリフォームを構成するフツリン酸ガラスとしては、低分散特性を利用するCuイオンを含まないものと、Cuイオンを添加して近赤外線吸収特性を付与したものとに大別することができる。
低分散特性を利用するCuイオンを含まないフツリン酸ガラスの好ましい態様としては、
カチオン%表示にて、
5+ 10〜45%、
Al3+ 5〜30%、
Mg2+ 0〜20%、
Ca2+ 0〜25%、
Sr2+ 0〜30%、
Ba2+ 0〜33%、
Li 0〜30%、
Na 0〜10%、
0〜10%、
3+ 0〜5%、
3+ 0〜15%、
を含有するとともに、
-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)が0.25〜0.85であるフツリン酸ガラス(以下、ガラスIという)を挙げることができる。
ガラスIは、屈折率(nd)が1.40〜1.58、アッベ数(νd)が67以上の光学特性を実現するガラスとしても好ましい。ガラスIは製造安定性を考慮すると、アッベ数(νd)が90以下になるように組成調整することがより好ましい。
また、製造安定性の観点から2価カチオン成分(R2+)としてCa2+、Sr2+およびBa2+のうち2種以上を含むものが好ましい。
2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が1カチオン%以上であるものが好ましく、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の含有量がそれぞれ1カチオン%以上であるものがより好ましい。
以下、ガラスIの組成について詳説するが、各カチオン成分の割合をモル比をベースにしたカチオン%で表示するとともに、各アニオン成分の割合もモル比をベースにしたアニオン%で表示するものとする。
5+はガラスのネットワークフォーマーとして重要なカチオン成分であり、10%未満ではガラスの安定性が低下し、45%超ではP5+を酸化物原料で導入する必要があるため酸素比率が大きくなり目標とする光学特性を満たさない。したがって、その量を10〜45%とする。P5+の好ましい範囲は10〜45%、より好ましい範囲は10〜40%である。なお、P5+の導入にあたって、PClを使用することは、ガラスの熔融容器等の構成材料である白金を侵食したり、揮発が激しいことから、製造安定性の観点から適当でなく、このためリン酸塩として導入することが好ましい。
Al3+はフツリン酸塩ガラスの安定性を向上させる成分であり、5%未満では安定性が低下し、また30%超ではガラス転移温度(Tg)及び液相温度(LT)が大きく上昇するため、成形温度が上昇し成形時の表面揮発による脈理が強く生じるため、その量を5〜30%とする。Al3+の好ましい範囲は7〜28%である。
2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の導入は安定性の向上に寄与するが、これらのうち2種以上、より好ましくはCa2+、Sr2+およびBa2+のうち2種以上を導入する。2価カチオン成分(R2+)の導入効果をより高める上から、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量を1カチオン%以上とすることが好ましい。またそれぞれの上限値を超えて導入すると安定性は急激に低下する。Ca2+、Sr2+は比較的多量に導入できるがMg2+、Ba2+の多量の導入は特に安定性を低下させる。しかしBa2+は低分散を保ちつつ高屈折率を実現できる成分であるため安定性を損なわない範囲で多く導入するのが好ましい。
上記理由により、Mg2+の量は0〜20%とし、1〜15%とすることが好ましく、Ca2+の量は0〜25%とし、1〜20%とすることが好ましく、Sr2+の量は0〜30%とし、1〜25%とすることが好ましく、Ba2+の量は0〜33%とし、1〜25%とすることがより好ましい。
Liは安定性を損なわずにガラス転移温度(Tg)を下げる成分であるが、その量が30%超ではガラスの耐久性を損ない、同時に加工性も低下する。したがって、その量を0〜30%とする。
上述したように、一般にフツリン酸ガラスはガラス転移温度が低いため、精密プレス成形温度も低く設定できるが、精密プレス成形型表面との反応性に富むフッ素成分を含むことから、精密プレス成形温度をある程度低くして、成形型表面とガラスとの界面反応による光学素子表面へのクモリや白濁が起きないように注意する必要がある。このような観点
から、プレス成形温度を低下させる効果のあるLiを1%以上導入することが好ましい。したがって、その含有量は1〜30%が好ましく、2〜30%がより好ましく、3〜30%がさらに好ましく、4〜30%がいっそう好ましい。
ガラスIがLiを含む場合、アルカリ金属イオンのうち特にLiの相対量を多くすることにより、熱膨張率が比較的小さく、また比較的優れた耐水性を示すガラスを得ることができる。
また、ガラスIがLiを1%以上含む場合、Liを含まないガラスに比べてガラス熔解温度を50℃程度低くすることができるので、熔解時において容器からの白金溶け込みによるガラスの着色、泡の混入、脈理発生といった不具合も低減、解消することができる。
さらに、ガラスIがLiを含む場合、ガラス転移温度を低くすることにより、プリフォームの精密プレス成形におけるガラスの加熱温度を低下させることができ、ガラスとプレス成形型との反応が緩和されたり、プレス成形型の寿命を延ばすことができるなどの効果を得ることもできる。
Na、KはそれぞれLiと同様にガラス転移温度(Tg)を低下させる効果があるが同時に熱膨張率をLiに比べてより大きくする傾向がある。またNaF、KFは水に対する溶解度がLiFに比べて非常に大きい事から耐水性の悪化ももたらすため、Na、Kの量はそれぞれ0〜10%とする。Na、Kの量はともに0〜5%が好ましく、それぞれ導入しないことがより好ましい。
3+はガラスの安定性、耐久性を向上させる効果があるが、5%超では安定性が逆に悪化し、ガラス転移温度(Tg)も大きく上昇するため、その量を0〜5%とする。Y3+の量は0〜3%が好ましく、0.5〜3%がより好ましい。
3+はガラス化成分なのでガラスを安定化させる効果があるが、過剰の導入は耐久性の悪化を招きまたB3+の増加に伴い、ガラス中のO2-も増加するため目標とする光学特性を達成しにくくなることから、その量を0〜15%とする。ただし、BFとして溶解中に揮発しやすく、脈理の原因となるため、その量を0〜10%とすることが好ましく、0〜5%とすることがより好ましい。ガラスの揮発性低減を優先する場合は、0〜0.5%とすることが好ましく、導入しないことがより好ましい。
なお、高品質な光学ガラスを安定して製造する上から、ガラスIにおいて、P5+、Al3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、LiおよびY3+の合計量をカチオン%で95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
ガラスIは、上記したカチオン成分以外にTi、Zr、Zn、La、Gdなどのランタノイドなどをカチオン成分として本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。
また、Si4+をガラスを安定化させる目的で導入することができるが、熔解温度が低いために過剰に導入すると熔け残りを生じさせたり、熔解時に揮発が多くなり製造安定性を損なうことになる。したがって、Si4+の量を0〜10%とすることが好ましく、0〜8%とすることがより好ましく、0〜5%とすることがさらに好ましい。
アニオン成分の割合としては、所望の光学特性を実現しつつ、優れた安定性を有する光
学ガラスを得るために、F-とO2-の合計量に対するF-の含有量のモル比F-/(F-+O2-)を0.25〜0.85とする。アニオン中におけるF-とO2-の合計量を100%にすることが好ましい。
ガラスIは、その屈折率(nd)が1.40〜1.58であり、アッベ数(νd)が67以上、好ましくは67〜90、より好ましくは70〜90である。
ガラスIは、着色剤を添加する場合を除いて、可視光域において高い透過率を示す。ガラスIは、両面が平坦かつ互いに平行な厚さ10mmの試料に、前記両面に対して垂直方向から光を入射したときの波長400nm〜2000nmにおける透過率(試料表面における反射損失を除く)が80%以上、好ましくは95%以上の光透過率特性を示す。
ガラスIのガラス転移温度(Tg)は、470℃以下とすることが好ましく、430℃以下とすることがより好ましい。
ガラスIは優れた耐水性、化学的耐久性を示すので、プリフォームを作製してから精密プレス成形に供するまでの間、長期に保存してもプリフォーム表面が変質することがない。また、光学素子の表面も変質しにくいので、長期にわたり表面が曇らない良好な状態で光学素子を使用することもできる。
ガラスIは、例えば、リン酸塩原料、フッ化物原料などを使用し、これら原料を秤量、調合して白金合金製の熔融容器に供給し、加熱、熔融した後、清澄、均質化し、パイプから流出、成形して得ることができる。
一方、Cuイオンを添加して近赤外線吸収特性を付与したフツリン酸ガラスは、CCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正用フィルタ材料として好適であり、このガラスを用いてプリフォームを作製し、精密プレス成形により表面に回折格子を有するフィルタや非球面レンズなどの各種レンズを成形することができる。回折格子を有するフィルタはモアレ除去機能を有するローパスフィルタと色補正機能を有する近赤外線カットフィルタの2つの機能を有する光学素子となり、非球面レンズなどのレンズは、結像機能と近赤外線カットフィルタの2つの機能を有する光学素子となる。
Cuイオンを添加して近赤外線吸収特性を付与したフツリン酸ガラスの好ましい態様としては、
カチオン%表示で、P5+ 11〜45%、Al3+ 0〜29%、Li、NaおよびKを合計で0〜43%、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+を合計で14〜50%、Cu2+ 0.5〜13%含み、さらにアニオン%表示でF 17〜80%を含むフツリン酸ガラス(以下、ガラスIIという)を挙げることができる。上記組成においてアニオン成分の残量はすべてO2-とすることが好ましい。
以下、ガラスIIの組成について詳説するが、各カチオン成分の割合をモル比をベースにしたカチオン%で表示するとともに、各アニオン成分の割合もモル比をベースにしたアニオン%で表示するものとする。
ガラスIIにおいて、P5+はフツリン酸ガラスの基本成分であり、Cu2+の赤外域の吸収をもたらす重要な成分である。P5+の含有量が11%未満では色が悪化して緑色を帯び、逆に45%を超えると耐候性、耐失透性が悪化する。したがって、P5+の含有量は11〜45%とすることが好ましく、20〜45%とすることがより好ましく、23〜40%とすることがさらに好ましい。
Al3+はフツリン酸ガラスの耐失透性と耐熱性、耐熱衝撃性、機械的強度、化学的耐久性を向上させる成分である。ただし、29%を越えると近赤外吸収特性が悪化する。したがって、Al3+の含有量を0〜29%とすることが好ましく、1〜29%とすることがより好ましく1〜25%とすることがさらに好ましく、2〜23%とすることがより一層好ましい。
Li、NaおよびKはガラスの熔融性、耐失透性を改善させ、可視光域の透過率を向上する成分であるが、合計で43%を超えると、ガラスの耐久性、加工性が悪化する。したがって、Li、NaおよびKの合計含有量を0〜43%とすることが好ましく、0〜40%とすることがより好ましく、0〜36%とすることがさらに好ましい。
アルカリ成分の中でもLiは上記作用に優れており、Liの量を15〜30%とすることがより好ましく、20〜30%とすることがさらに好ましい。このようにLi成分を導入することによりガラス転移温度を低下させる(好ましくは400℃以下にする)ことができる。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+はガラスの耐失透性、耐久性、加工性を向上させる有用な成分であるが、過剰導入により耐失透性が低下するので、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+およびZn2+の合計量を14〜50%にすることが好ましく、20〜40%にすることがより好ましい。
Mg2+含有量は0.1〜10%が好ましく、1〜8%がより好ましい。 Ca2+含有量は0.1〜20%が好ましく、3〜15がより好ましい。
Sr2+含有量は0.1〜20%が好ましく、1〜15%がより好ましい。
Ba2+含有量は0.1〜20%が好ましく、1〜15%がより好ましく、1〜10%がさらに好ましい。
Cu2+は近赤外光吸収特性の担い手である。その量が0.5%未満では近赤外吸収が小さく、逆に13%を越えると耐失透性が悪化する。したがって、Cu2+の含有量は0.5〜13%が好ましく、0.5〜10%がより好ましく、0.5〜5%がさらに好ましく、1〜5%がより一層好ましい。
-はガラスIIにおいてガラスの融点を下げ、耐候性を向上させる重要なアニオン成分である。F-を含有することによって、ガラスの熔融温度を下げ、Cu2+の還元を抑え、所要の光学特性を得ることができる。17%未満では耐候性が悪化し、逆に80%を越えるとO2-の含有量が減少するため1価のCuによる400nm付近の着色を生じる。従ってF-の含有量を17〜80%とすることが好ましい。上記特性を一層向上させる上から、F-の量を25〜55%にすることがより好ましく、30〜50%にすることがさらに好ましい。
2-はガラスIIにおいて重要なアニオン成分であり、全アニオン成分のF-を除く残部全量をO2-成分で構成することが好ましい。したがって、O2-の好ましい量は上記F-の好ましい量を100%から差し引いた範囲となる。O2-が少な過ぎると2価のCu2+が還元され1価のCuとなるため短波長域、特に400nm付近の吸収が大きくなってしまい、緑色を呈するようになる。逆に過剰になるとガラスの粘度が高く、熔融温度が高くなるため透過率が悪化する。なお、Pb、Asは有害性が強いから、使用しないことが望ましい。
ガラスIIは、ガラス転移温度(Tg)を400℃以下とすることが好ましく、390℃以下とすることがより好ましく、380℃以下とすることがさらに好ましい。上述したように、Cuイオンを含むフツリン酸ガラスをプレス成形すると、Cuイオンの還元反応に起因して光学素子表面にクモリが発生すると考えられるため、プレス成形温度を低下させて、成形型表面とガラスとの界面反応を抑制することが好ましいが、ガラスIIのガラス転移温度を400℃以下にすることにより、プレス成形温度も低下させることができる。
ガラスIIの好ましい透過率特性は以下のとおりである。
波長500〜700nmの分光透過率において透過率50%を示す波長が615nmである厚さに換算し、波長400〜1200nmの分光透過率が下記のような特性を示すものである。
波長400nmで78%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上、
波長500nmで85%以上、好ましくは88%以上、より好ましくは89%以上、
波長600nmで51%以上、好ましくは55%以上、より好ましくは56%以上、
波長700nmで12%以下、好ましくは11%以下、より好ましくは10%以下、
波長800nmで5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.2%以下、より一層好ましくは2%以下、
波長900nmで5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.2%以下、より一層好ましくは2%以下、
波長1000nmで7%以下、好ましくは6%以下、より好ましくは5.5%以下、さらに好ましくは5%以下、より一層好ましくは4.8%以下、
波長1100nmで12%以下、好ましくは11%以下、より好ましくは10.5%以下、さらに好ましくは10%以下、
波長1200nmで23%以下、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、さらに好ましくは20%以下である。
即ち、波長700〜1200nmの近赤外線の吸収は大きく、波長400〜600nmの可視光線の吸収は小さい。ここで、透過率とは互いに平行かつ光学研磨した2つの平面を有するガラス試料を想定し、前記平面の一方に垂直に光を入射したとき、前記平面の他方から出射した光の強度を、前記入射光の試料入射前における強度で割った値であり、外部透過率とも呼ばれる。
このような特性によりCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色補正を良好に行うことができる。
ガラスIIは、得ようとするガラス組成に対応する原料を秤量、調合して白金合金製の熔融容器等に供給し、加熱、熔融し、清澄、均質化することにより得ることができる。
(用いられるプレス成形型)
次に、本発明の光学素子の製造方法で用いられるプレス成形型について説明する。
本発明の光学素子の製造方法で用いられるプレス成形型は、成形面の少なくとも一部が非炭素系成形面材料からなるものである。
プレス成形型は、成形面の少なくとも一部が非炭素系成形面材料からなるものであればよいが、成形面の全面が非炭素系成形面材料からなるものであることが好ましい。
非炭素系成形面材料は、遷移金属、シリコンおよび鉛から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
遷移金属としては、白金、タングステン、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、タンタル、ニッケル、クロム、チタン、ニオブ、バナジウムおよびモリブデンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
非炭素系成形面材料は、合金であってもよく、合金としてはPt−Ir−Cr合金、Pt−Ir合金、Ir−Re合金、Pd−W合金、Rh−Ta合金、W−Ru合金、Ru−Re合金、Os−Rh合金、Pt−Re合金、Pt−Ru合金、Re−Ta合金、Ir―Ru−Ta合金、Ru−Re−W合金、Pt−W合金、Pt−Ta合金、Ru−W−Re−Ta合金、Pt−Rh合金、Pt−Pd−Ru合金、Pt−Ir−Ru−Pd合金、Pt−Ir−Pd−Rh合金およびPt−Ir−Rh−Pd−Ru合金等から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
上述したように、フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、プレス成形型で精密プレス成形すると、成形型表面の炭素離型膜とガラス中のフッ素成分とが反応したり、ガラス中のCuイオンが還元されることによって、得られる光学素子の表面にクモリや白濁が生じ易いが、上記非炭素系成形面材料は、ガラス中のフッ素成分やCuイオンと反応しにくいため、光学素子表面へのクモリや白濁の発生を低減し、防止することができる。
上記非炭素系成形面材料からなる成形面の形成方法としては、型材と呼ばれる高耐熱性、高剛性、高加工性を有する材料を、目的とする光学素子の表面形状に精密に対応する面を有する型形状に成形し、上記面上に、非炭素系成形面材料からなる膜を直接または中間層を介して形成する方法を挙げることができる。
上記型材としては、超硬合金、サーメット、セラミックス、石英などを使用することができる。超硬合金としては、タングステンカーバイドを主成分とするもの、チタンカーバイドを主成分とするもの、チタンナイトライドを主成分とするもの、上記超硬合金でバインダーフリーのものを例示することができ、サーメットとしては、チタンナイトライドを主成分とするもの、チタンカーバイドを主成分とするものを例示することができ、セラミックスとしてはタングステンカーバイドの焼結体を例示することができる。
中間層は型本体と非炭素系成形面材料からなる膜の密着性を高める機能を果たす。そのため、中間層を構成する材料は、用いる型材と非炭素系成形面材料を考慮して適宜選択すればよい。例えば、用いる非炭素系成形面材料と共通する元素を含む合金などが好ましい。中間層は1層に限定されず、複数の層で構成してもよい。
中間膜や非炭素系成形面材料からなる膜は、例えば、スパッタ法、蒸着法等により形成することができる。
非炭素系成形面材料からなる膜の膜厚は、0.05〜100μmが好ましく、0.05〜50μmがより好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましい。
(精密プレス成形)
次に、本発明の光学素子の製造方法において用いられる精密プレス成形について説明する。
本発明の光学素子の製造方法においては、フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、上述したプレス成形型で精密プレス成形する。
フツリン酸ガラスとして上述のガラスIを用いる場合、精密プレス成形雰囲気は、酸素含有雰囲気、窒素ガスなどの不活性雰囲気および不活性ガスに水素ガスを混合したフォー
ミングガスなどの還元性雰囲気のいずれであってもよい。また、フツリン酸ガラスとして上述のガラスIIを用いる場合、精密プレス成形雰囲気は、Cuイオンの還元を防止する上から酸素含有雰囲気、例えば清浄な空気中で精密プレス成形することが好ましい。
精密プレス成形の好ましい態様としては、以下に示す精密プレス成形法1と2とを示すことができる。
(精密プレス成形法1)
精密プレス成形法1は、プレス成形型にプリフォームを導入し、プレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するものである。
精密プレス成形法1においては、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また上記ガラスが、好ましくは1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却した後、プレス成形型から光学素子を取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、光学素子を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
精密プレス成形法2は、予熱したプレス成形型に、加熱したプリフォームを導入して精密プレス成形するものである。
精密プレス成形法2によれば、上記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度を有する光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度は、プリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、プレス成形型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形法2において、プリフォームを構成するガラスが10dPa・s以下、より好ましくは10dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらにプリフォームを構成するガラスが105.5〜10dPa・sの粘度を示す温度に予熱することがより好ましく、105.5dPa・s以上10dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時又はプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なお、プレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温するが、前記ガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
精密プレス成形法2においては、プレス成形後、ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形法1または2により精密プレス成形された光学素子は、プレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。光学素子がレンズ等である場合は、必要に応じて表面に反射防止膜を形成したり、近赤外反射膜をコートしてもよい。
得られる光学素子において、光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面(レンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する)というが、上記精密プレス成形法1や精密プレス成形法2などのプレス成形法によれば、プレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより光学機能面を形成することができ、光学機能面の面形状を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
したがって、本発明の方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、回折格子付きレンズ、プリズム、レンズ付きプリズム、回折格子およびフィルタ(回折格子付きフィルタも含む)などの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高い生産性のもとに製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)ガラスの作製
表1〜表3に示す組成を有する各フツリン酸ガラスが得られるよう、リン酸塩、フッ化物、酸化物、炭酸塩、水酸化物を適宜、秤量し、十分混合してガラス原料を調合した。調合したガラス原料を白金ルツボに入れて蓋をし、800〜1250℃で熔融し、清澄、均質化して各熔融ガラスを得た。
Figure 2008105899
Figure 2008105899
Figure 2008105899
(2)プリフォームの作製
このようにして得られた熔融ガラスを予熱した金型に鋳込み、徐冷してガラス成形体を
得、該ガラス成形体を切断、研削、研磨して、球状形状を有する各精密プレス成形用プリフォームを作製した。なお、熔融ガラスをパイプから滴下し、ガラス滴を成形型上で浮上させながらプリフォームに成形してもよいし、パイプから流出する熔融ガラスを所要量分離してガラス塊を得、該ガラス塊を成形型上で浮上させながらプリフォームに成形してもよい。
プリフォーム表面には炭素含有膜等のコートは行わず、全表面がガラスが露出した状態とした。
(3)精密プレス成形による非球面レンズの製造
上記プリフォームを精密プレス成形する成形型として、上型、下型、胴型からなる成形型を複数用意した。各成形型は、その本体がそれぞれ表4に示す型材からなり、また、その成形面は、それぞれ表4に示す成形面材料を用いて、スパッタ法により、いずれも厚さが0.1〜50μmの範囲になるように型材上に膜状に形成したものである。
Figure 2008105899
(精密プレス成形法1による非球面レンズの製造)
(2)で得た各プリフォームを上記各成形型に導入し、プリフォームを構成するガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度までプレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形した。
その後、成形型内のガラスが1016dPa・sの粘度を示す温度まで冷却した後、プレス成形型から非球面レンズを取り出した。
(精密プレス成形法2による非球面レンズの製造)
(2)で得た各プリフォームを構成するガラスが10dPa・sの粘度を示す温度までプリフォームを予熱した。このプリフォームを、プリフォームの構成するガラスが1010〜1012dPa・sの粘度を示す温度まで加熱した各成形型中に導入して、精密プレス成形した。
その後、成形型内のガラスが1016dPa・sの粘度を示す温度まで冷却した後、プレス成形型から非球面レンズを取り出した。
なお、上記各方法において、精密プレス成形雰囲気はいずれも清浄化した空気とした。
このようにして低分散特性を有するフツリン酸ガラスからなる非球面レンズや近赤外光吸収特性を有するCuイオンを含有するフツリン酸ガラスからなる非球面レンズを製造した。得られたレンズの表面にはいずれもクモリや白濁は見られなかった。
このようにして凸メニスカス形状、凹メニスカス形状、両凹形状、両凸形状、平凸形状、平凹形状の各種形状を有する非球面レンズを作製した。
同様にして、DVDやCDなどの光記録式媒体のデータ書き込み、読み込み用光学系を構成するマイクロレンズを作製することもできる。
こうして作製したレンズは心取り加工してもよいし、心取り加工が不要なように、予めレンズを固定する際の基準面が光軸と所定の位置関係、角度になるように規定して精密プレス成形してもよい。
なお上記例ではレンズを製造したが、回折格子やフィルタ(回折格子付きフィルタも含む)、プリズムなどを精密プレス成形により製造することもできる。
得られた光学素子表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を形成してもよい。
本発明によれば、フツリン酸ガラスからなる光学素子を精密プレス成形により製造する場合に、光学素子表面へのクモリや白濁等の発生を低減または抑制して、効率よく光学素子を製造する方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. フツリン酸ガラスからなるプリフォームを加熱し、プレス成形型で精密プレス成形することにより光学素子を製造する方法であって、
    プレス成形型の成形面の少なくとも一部が、非炭素系成形面材料からなることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. フツリン酸ガラスがカチオン成分としてLiイオンを含む請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. フツリン酸ガラスがカチオン成分としてさらにMgイオン、Caイオン、SrイオンおよびBaイオンから選ばれる2種以上の成分を含む請求項2に記載の光学素子の製造方法。
  4. フツリン酸ガラスのガラス転移温度(Tg)が470℃以下である請求項2または請求項3に記載の光学素子の製造方法。
  5. フツリン酸ガラスがカチオン成分としてCuイオンを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  6. フツリン酸ガラスのガラス転移温度(Tg)が400℃以下である請求項5に記載の光学素子の製造方法。
  7. 非炭素系成形面材料が、遷移金属、シリコンおよび鉛から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
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