JP2007099525A - 精密プレス成形用プリフォーム、レンズ、プリズムとそれら製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズやプリズムなどのように光の屈折により光学素子としての機能を発現する近赤外光吸収機能を有する素子を精密プレス成形で安定して、即ち、屈折率のバラツキを抑えて作製するための精密プレス成形用プリフォームを提供すること、光学的性能のバラツキの少ない近赤外光吸収機能を備えるレンズやプリズム、ならびに前記光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム、レンズおよびプリズム。精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形することを含む、光学素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はCCDやCMOSなどの半導体撮像素子の色感度補正機能を有する精密プレス成形品を作製するためのガラス製プリフォーム、前記ガラスからなるレンズやプリズムとそれら製造方法に関する。
CCDやCMOSなどの半導体撮像素子は、分光感度が可視域から近赤外域まで伸びている。そのため、この近赤外域をフィルタによりカットし、分光感度を人間の視感度に近似させ、色再現を良好にする手段が用いられている。一方、フィルタの紫外域側の吸収が可視域まで及ぶと、今度は画像が暗くなってしまうことになる。したがってこの種のフィルタは、400〜520nmの光の透過率が可能な限り高く、近赤外線の吸収が大きいことが必要とされる。
このようなフィルタ用の材料としては特許文献1に開示されている近赤外線吸収フィルタ用ガラスが知られている。
特開平10−194777号公報
近年、カメラ機能付き携帯電話のように撮像装置を搭載した小型モバイル機器の普及により、撮像光学系の超小型化が求められている。この要求に応えるための手法として、近赤外光吸収ガラスで結像光学系を構成する光学素子を作製し、撮像素子の色感度補正機能と結像機能を兼備した光学素子とする方策が考えられる。このように光学素子に複数の機能を持たせることで部品点数を少なくし、撮像光学系の占めるスペースをより小さくすることができる。さらに、光学素子自体の小型化も望まれる。超小型の光学素子を研削や研磨で作製することは難しく、生産性の向上やコストダウンを見込めないから、上記方法に代わり、精密プレス成形法を用いて超小型の光学素子を量産することが望まれる。
精密プレス成形法では、プレス成形素材としてプレス成形品と等質量のプリフォームと呼ばれるガラス予備成形体を作製し、このプリフォームを加熱し、プレス成形型でプレスして光学素子の全体の形状を成形するとともに型成形面をガラスに精密に転写して光学機能面を高精度に形成する。
従来、近赤外光吸収フィルタは近赤外光吸収ガラスを平板に加工したものを使用していたが、上記のように近赤外光吸収フィルタ機能付きのレンズやプリズムを作るには、レンズ、プリズムの形状を精密に形成することに加え、各素子を構成するガラスの屈折率を高精度に定める必要がある。平板状のフィルタの場合、フィルタ全体が光学的に均質であれば、フィルタを構成するガラスの屈折率値が個々のフィルタ毎に変動しても大きな問題にはならない。しかし、精密プレス成形でレンズやプリズムを製造する場合は個々のガラスやプリフォームの屈折率値にバラツキがあると、いくら光学素子の形状や寸法を精密に作っても得られる素子の性能にバラツキが生じ、所望の結像性能を得ることが難しくなる。
銅含有の近赤外光吸収ガラスは、良好な近赤外光吸収特性を実現しつつ、ガラスの化学的耐久性、耐候性を高めるためにフツリン酸塩系組成をベースにすることが望まれる。ところが、フツリン酸塩ガラスの主要な成分であるフッ素は、高温下において高い揮発性を示す。そして、ガラスを熔融し、成形する過程で揮発が進むことによりガラス中の揮発性物質の濃度が低下し、時間経過とともに屈折率が変動するという問題が生じる。
このような状態でガラスを製造すると屈折率がバラツキ、上記観点から優れた性能を有する光学素子の製造に支障をきたすことになる。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、レンズやプリズムなどのように光の屈折により光学素子としての機能を発現する近赤外光吸収機能を有する素子を精密プレス成形で安定して、即ち、屈折率のバラツキを抑えて作製するための精密プレス成形用プリフォームを提供すること、光学的性能のバラツキの少ない近赤外光吸収機能を備えるレンズやプリズム、ならびに前記光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は以下のとおりである。
[1] フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
[2] P2O5 10〜40質量%、フッ化物に換算して、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2を合計で15〜75質量%、LiF、NaFおよびKFを合計で1〜30質量%をさらに含み、外割りでCuO 0.5〜8質量%を添加したガラスからなる[1]に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
[3] 前記ガラスが、任意成分として、フッ化物に換算して、MgF2 0〜20質量%、CaF2 0〜20質量%、SrF2 0〜30質量%、BaF2 0〜30質量%、LiF 0〜20質量%、NaF 0〜10質量%、KF 0〜10質量%を含むことを特徴とする[2]に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
[4] 精密プレス成形によりレンズまたはプリズムを成形するための[1]〜[3]のいずれかに記載の精密プレス成形用プリフォーム。
[5] フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなるレンズ。
[6] P2O5 10〜40質量%、フッ化物に換算して、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2を合計で15〜75質量%、LiF、NaFおよびKFを合計で1〜30質量%をさらに含み、外割りでCuO 0.5〜8質量%を添加したガラスからなる[5]に記載のレンズ。
[7] 前記ガラスが、任意成分として、フッ化物に換算して、MgF2 0〜20質量%、CaF2 0〜20質量%、SrF2 0〜30質量%、BaF2 0〜30質量%、LiF 0〜20質量%、NaF 0〜10質量%、KF 0〜10質量%を含むことを特徴とする[6]に記載のレンズ。
[8] フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなるプリズム。
[9] [1]〜[4]のいずれかに記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形することを含む、光学素子の製造方法。
[10]プリフォームの加熱および精密プレス成形を酸素含有ガス雰囲気中で行う[9]に記載の製造方法。
[11]精密プレス成形を、貴金属製の膜または貴金属含有合金性の膜をコートしたプレス成形型を使用して行う、[9]または[10]に記載の製造方法。
本発明によれば、レンズやプリズムなどのように光の屈折により光学素子としての機能を発現する近赤外光吸収機能を有する素子を精密プレス成形で安定して作製するための精密プレス成形用プリフォームを提供することができる。さらに本発明によれば、光学的性能のバラツキの少ない近赤外光吸収機能を備えるレンズやプリズムを提供することができる。加えて、本発明によれば、これら光学素子の製造方法を提供することができる。
本発明の精密プレス成形用プリフォームは、フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームである。
但し、前記フツリン酸塩ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる。即ち、本発明におけるフツリン酸塩ガラスは、フッ化物のフッ素(F-)の一部が酸素(O2-)で置換されたガラスを包含し、フッ素(F-)の一部が酸素(O2-)での置換量は、最大で、ガラスにフッ素物として含有され得るカチオン成分の全量をフッ化物とし、その総量の70質量%までとする。ガラスに含まれるカチオンの内、リン以外は、フッ素物として含有され得るカチオン成分である。尚、Cuは後述するように外割りで計算されるので、例えフッ化物としてガラスに含有されたとしても、上記フッ素物として含有され得るカチオン成分には含まれない。
上記本発明のプリフォームでは、ガラスにフッ化物として含まれ得るカチオンの一部が酸化物に置換されたガラスからなることがある。しかし、その場合でも、上記ZnF2およびAlF3の含有量の範囲は、それら酸化物に置換されたカチオン成分もフッ化物に換算して、それぞれ1〜15質量%および0〜2質量%とする。
尚、フッ化物の総量の70質量%までを酸化物に置換可能であるのは、その範囲であれば、所望の透過率特性を得られるからである。
精密プレス成形とは精密に加工したプレス成形型成形面を精密にガラスに転写し、レンズ面などの光学機能面をプレス成形で形成するとともに、成形品全体の形状もプレス成形で形成する方法である。また、プリフォームとは精密プレス成形品と等質量のガラスからなり、精密プレス成形に適した形状に予備成形されたガラス成形体のことである。例えば、レンズなどのように回転対称性を有する成形品を作る場合は、プリフォームの形状も回転対称性を有する形状とし、回転対称軸の方向からプリフォームをプレスしてレンズ形状に成形することが適当である。さらに凹形状の成形面を有するプレス成形型を使用する場合、プレス成形時にガストラップと呼ばれる型成形面とガラスの間に雰囲気ガスが閉じ込められてガラスの充填が不十分になるトラブルを解消するため、型成形面の曲率に対し、前記型成形面によりプレスされるプリフォーム表面の曲率を調整することが適当である。型成形面の曲率半径よりも前記プリフォーム表面の曲率半径を小さくすればガストラップを防止することができる。このようにプリフォームは精密プレス成形に適した形状に予備成形されたものである。
本発明のプリフォームは、良好な化学的耐久性、耐候性、近赤外光吸収特性を得るため、フツリン酸塩ガラスをベースにしてCuカチオンを導入したガラスからなるものとする。しかし、フツリン酸塩ガラスには上記メリットはあるが、一方で揮発性の著しいフッ素を主要成分とするため、熔融、成形の過程で揮発によりフッ素が失われると、時間経過とともに屈折率が変動してしまうという問題も潜在する。本発明では、この問題を解決するために、ガラスのAlF3の量を2質量%以下に抑える。
AlF3は化学的耐久性の向上に有効な成分であるが、熔融ガラス中で他の成分との粘度差が大きく、AlF3が過剰に存在するとガラスの高均質化が難しくなり、屈折率変動の要因になったり、熔融温度が高くなり、ガラスからの揮発が助長され、屈折率が変動しやくなる。そこで、フッ化物に換算してAlF3の量を0〜2質量%、好ましくは0〜1質量%、より好ましくは0〜0.9質量%、さらに好ましくは0〜0.8質量%、一層好ましくは0〜7質量%、なお一層好ましくは導入しないことにより、上記フッ素の揮発に起因する問題を低減、解消する。
ただし、AlF3量を減少させるとガラスの化学的耐久性も低下するため、前記耐久性低下を補うためにフッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2を導入する。ZnF2はガラスを安定化させ、化学的耐久性を向上させる働きをするが、1質量%未満ではその効果を発揮できず、15質量%を越えると失透傾向が強まる。そのため、ZnF2の導入量は前記範囲にする。
プリフォームを構成する前記フツリン酸塩ガラスの中で好ましいものは、P2O5 10〜40質量%(P2O5は酸化物換算で決定される)、フッ化物に換算して、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2を合計で15〜75質量%、LiF、NaFおよびKFを合計で1〜30質量%をさらに含み、外割りでCuO 0.5〜8質量%を添加したガラスである。
以下、このガラスについて詳説するが、特記しない限り各成分の含有量、合計含有量は質量%にて表示する。
P2O5はガラスネットワーク形成成分であり、ガラス化を可能にしつつ化学的耐久性を良好に保つため、その含有量を前記範囲とすることが好ましい。P2O5の含有量は、好ましくは、14〜39質量%の範囲である。
MgF2、およびCaF2は化学的耐久性を維持しつつ、ガラスを安定化させる働きをし、SrF2およびBaF2は化学的耐久性を維持する働きをする。MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2の合計量が15%に満たないと上記効果を得ることが難しくなり、75%を超えると失透しやすくなる。したがって、前記合計量は、上記範囲をすることが好ましい。この合計量は、好ましくは、20〜70質量%の範囲である。
MgF2およびCaF2はそれぞれ20%を超えると熔融温度が高くなりすぎるので、各々0〜20%の範囲で導入することが好ましい。MgF2の含有量は、好ましくは、1〜20質量%の範囲である。
SrF2およびBaF2はそれぞれ30%を超えると、失透しやすくなるので、各々0〜30%の範囲で導入することが好ましい。SrF2およびBaF2の含有量は、好ましくは、それぞれ5〜25質量%の範囲である。
LiF、NaF、KFは熔融温度を低下し、揮発量を低下させるとともに、Cu2+からCu+への価数変化を抑える働きをする。このような効果を得るため、LiF、NaF、KFを合計量で1%以上導入することが好ましい。しかし、この合計量が30%を超えると化学的耐久性が悪化する傾向がある。よって、これらの合計量は1〜30%とすることが好ましく、3〜28質量%の範囲であることがより好ましい。
LiFの好ましい量は0〜20%の範囲であり、より好ましくは1〜20質量%の範囲である。NaFおよびKFの好ましい量は各々0〜10%の範囲であり、より好ましくは各々0〜8質量%の範囲である。この範囲とすることで、アルカリ金属成分の総量が制限される中で、Liイオンがガラスの安定性を損なうことなく、熔融性を向上する効果に優れるからである。
以上のガラス成分においても、前述のように、フッ化物の総合計量の70%までを酸化物に置換することが可能である。
Cu2+はCuOに換算して0.5〜8%の範囲で外割り添加する。この量のCu2+を添加することで、良好な近赤外光吸収特性、耐失透性を得つつ、可視光域における透過率を高く維持したガラスが得られる。
なお、本発明のプリフォームは、環境負荷を低減する上から鉛フリーのガラスからなることが好ましい。
本発明のプリフォームは、ガラス原料を熔融、清澄、均質化して連続的に鋳型に流し込み、板状に成形し、アニールした後、切断、研削、研磨して作ることができる。
次に、本発明のレンズ、プリズムについて説明する。
本発明のレンズは、フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2、0〜1質量%のAlF3およびCuイオンを含む近赤外光吸収フツリン酸塩ガラスからなる。
また、本発明のプリズムは、フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2、0〜1質量%のAlF3およびCuイオンを含む近赤外光吸収フツリン酸塩ガラスからなる。
上記レンズ、プリズムともに、構成するガラスの組成範囲の意味および好ましい組成範囲は、前記プリフォームを構成するガラスと同様である。
前記レンズやプリズムは、上記プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する方法で作製してもよいし、ガラスを研削、研磨して作ってもよい。
本発明のレンズおよびプリズムは、前日のプリフォームの説明において説明したように熔融状態のガラスからの揮発量を抑制できるガラスからなるので、著しい揮発物濃度の低下による製品ごとの屈折率変動を抑えることができ、屈折率が安定化され、結果的に光学素子としての性能も安定化した、製品群が得られる。
本発明の光学素子(例えば、レンズやプリズム)の製造方法は、前記精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形することを含む方法である。精密プレス成形により、前記レンズやプリズムを生産性よく製造することができる。精密プレス成形法やプレス成形型には公知の方法や型を使用することができる。
尚、Cu含有ガラスからなるプリフォームを精密プレス成形するために還元性の環境下で加熱するとガラス表面近傍のCuイオンが還元されることによると思われるクモリが光学素子の表面に生じることがある。例えば、フォーミングガス雰囲気中で精密プレス成形する場合や、成形面に炭素含有膜をコートした成形型を使用する場合、クモリが生じやすくなる。
このような問題を回避するには、プリフォームを非還元性環境下で加熱、精密プレス成形を行えばよい。本発明の光学素子の製造方法の好ましい態様は、酸素含有ガス雰囲気中でプリフォームを加熱、精密プレス成形する方法であり、他の好ましい態様は、貴金属製の膜または貴金属含有合金性の膜をコートしたプレス成形型を使用して精密プレス成形する方法である。酸素含有ガスとしては空気、窒素と酸素の混合ガスなどを例示することができる。また貴金属製の膜または貴金属含有合金性の膜をコートする場合、成形型の基材として好ましいものはWCなどの超硬材料、サーメットなどを例示することができる。上記好ましい態様の例としては、酸素含有ガス雰囲気中でプリフォームを加熱し、貴金属製の膜または貴金属含有合金性の膜をコートしたプレス成形型を使用して精密プレス成形する方法がある。
このようにして近赤外光吸収機能を有し、半導体撮像素子の色感度補正機能を有するレンズやプリズムなどの光学素子を安定して提供することができる。
このような光学素子としては、非球面レンズ、マイクロレンズ、レンズ機能付きプリズムなどを例示することができる。
レンズおよびプリズムを含む光学素子の表面には、必要に応じて反射防止膜や赤外光反射防止膜などの光学多層膜を形成してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
まず、フッ化物、酸化物、リン酸塩などの原料を使用して表1に示すNo.1〜4の各ガラスが得られるよう原料を調合し、十分撹拌して均質化した後、熔融容器内に導入して780〜880℃に加熱、熔融し、清澄、均質化して熔融ガラスを用意した。
次いで、熔融ガラスを乾燥雰囲気中で鋳型に連続して鋳込み、板状ガラスに成形するとともに、得られた板状ガラスを連続式徐冷炉に入れてアニールした。
上記各ガラスとも熔融、成形時の揮発量が比較的少ないため、板状ガラスの一端と多端における屈折率(nd)の差(絶対値)は0.0001以内であった。
その後、板状ガラスを切断、研削、研磨して所定質量の球状プリフォームに加工した。
このようにして得られたプリフォームを厚さ1.6mmの平板に精密プレス成形し、アニールした後、分光透過率を測定した。波長400nm、500nm、700nmにおける透過率を表1に示す。
次に、球状プリフォームを上型、下型、前記上下型を挿入可能にしたスリーブ型を備えるプレス成形型を用いて、精密プレス成形し、凸メニスカス形状の非球面レンズを作製した。なお、精密プレス成形時の雰囲気は空気、プレス成形型はWCの成形面に白金合金膜をコートしたものを使用した。
上記レンズを構成する各ガラスの屈折率(nd)は、1.4500〜1.6000の範囲にあって、5桁以上の有効数字で精密に定まっているので、レンズの形状精度と合わせ、結像性能の優れた半導体撮像素子の色感度補正用レンズとして使用することができる。
同様にして光学系の軸を直角に曲げるための直角プリズムを、前記各プリフォームを使用して精密プレス成形した。これらプリズムも形状精度とともに屈折率が高精度に定まっているので、優れた光学性能を備えている。
上記実施例のNo.1のガラスを使用して、100個のプリフォームを作製し、このプリフォームを屈折率測定に適したプリズム形状に精密プレス成形し、得られた100個のプリズムの屈折率(ne)を測定した。その結果、有効数字5桁で屈折率が揃ったものが得られ、本発明により、光学的性能のバラツキの少ない光学素子が得られることを示した。
以上のように、揮発性が低く、耐候性に優れたガラスを使用してプリフォーム、レンズを作製しているので、屈折率のバラツキの少ない色感度補正用の光学素子を実現することができる。
Figure 2007099525

Claims (11)

  1. フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  2. P2O5 10〜40質量%、フッ化物に換算して、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2を合計で15〜75質量%、LiF、NaFおよびKFを合計で1〜30質量%をさらに含み、外割りでCuO 0.5〜8質量%を添加したガラスからなる請求項1に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  3. 前記ガラスが、任意成分として、フッ化物に換算して、MgF2 0〜20質量%、CaF2 0〜20質量%、SrF2 0〜30質量%、BaF2 0〜30質量%、LiF 0〜20質量%、NaF 0〜10質量%、KF 0〜10質量%を含むことを特徴とする請求項2に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  4. 精密プレス成形によりレンズまたはプリズムを成形するための請求項1〜3のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  5. フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなるレンズ。
  6. P2O5 10〜40質量%、フッ化物に換算して、MgF2、CaF2、SrF2およびBaF2を合計で15〜75質量%、LiF、NaFおよびKFを合計で1〜30質量%をさらに含み、外割りでCuO 0.5〜8質量%を添加したガラスからなる請求項5に記載のレンズ。
  7. 前記ガラスが、任意成分として、フッ化物に換算して、MgF2 0〜20質量%、CaF2 0〜20質量%、SrF2 0〜30質量%、BaF2 0〜30質量%、LiF 0〜20質量%、NaF 0〜10質量%、KF 0〜10質量%を含むことを特徴とする請求項6に記載のレンズ。
  8. フッ化物に換算して1〜15質量%のZnF2および0〜2質量%のAlF3を含むフツリン酸塩ガラス(但し、前記ガラスに含まれるフッ化物は、70質量%まで酸化物であることができる)に、さらにCuイオンを含有する近赤外光吸収ガラスからなるプリズム。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、精密プレス成形することを含む、光学素子の製造方法。
  10. プリフォームの加熱および精密プレス成形を酸素含有ガス雰囲気中で行う請求項9に記載の製造方法。
  11. 精密プレス成形を、貴金属製の膜または貴金属含有合金性の膜をコートしたプレス成形型を使用して行う、請求項9または10に記載の製造方法。
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