JP4792140B2 - モールドプレス成形型及び光学素子の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形型及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスレンズなどの光学素子、特に、偏心精度が極めて高く、光ピックアップ、小型撮像機器などに用いられる精密光学素子を成形するためのモールドプレス成形型及び光学素子の製造方法に関する。
ガラスなどの成形素材を、加熱により軟化し、所定形状に精密加工した上下一対の成形型でプレス成形することにより、レンズなどの光学素子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1には、コマ収差が極めて小さいマイクロレンズなどを成形する成形型が記載されている。ここでは、上型及び下型の接近方向を第1の胴型によって規制しながら、第1の胴型の外周に配置された第2の胴型に上型と下型が当接するまで加圧し、成形体と成形型の冷却を、第2の胴型の上下方向の熱収縮量がガラス成形体の熱収縮量以上になる条件下で行うことにより、ガラス成形体を更に加圧している。
特許文献2には、胴型内径と一対の金型の外径の案内部を二段にし、前記胴型の端部に近い、径の大きな第一の部分の金型とのクリアランスを、キャビティに近い、径の小さな第二の部分に比べて小さくし、更に、前記胴型の径の大きな第一の部分に比べて、胴型の第一の部分とはめあう金型の長さを短くしたレンズ用金型が開示されている。これによって、一対の金型の中心軸の一致精度を上げたままで、スムーズに組み込みができるようにしている。
特開2002−29763号公報 実公平4−14429号公報
携帯端末用小型撮像機器や光ピックアップなどに用いられる光学レンズは、極めて高い光学性能が要求され、高精度な非球面レンズとする必要がある。また、レンズ系の小型化と高性能化を両立させるため、従来のものに比べて、曲率半径が小さく、レンズ面周辺部のレンズ面の傾斜角度が40度以上、場合によっては50度以上となる。このような非球面レンズは、従来の非球面レンズに比べ、偏心精度や肉厚精度に対する許容誤差が非常に小さく、精密モールドプレスが困難になる。
なお、光学素子の偏心精度は、一般には、光学素子の光学機能面である第1面の軸と第2面の軸との距離(シフト、成形時の上下型の水平方向のずれに対応する)、第1面の軸と第2面の軸との傾き(ティルト)などによって評価される。
更に、デジタルカメラや携帯端末などのうち、高精度な小径撮像レンズや、光ピックアップ用レンズのうち、NA0.6以上の対物レンズの場合などは、第1面と第2面のシフトが10μm以下、ティルトが3min以下、好ましくは1〜2min以下の範囲としなければならない。そのため、精密プレス成形に用いる成形型においては、レンズの各面を成形する2つの型と、これらを挿入保持する胴型とのクリアランスを小さくすることにより、型間の相対的な位置精度を高めている。
また、小径撮像レンズや光ピックアップレンズなどのレンズ外径は、直径5mm以下、場合によっては、3mm以下の小径となる。このような小径レンズを、芯取り等の後加工工程なしに得るためには、プレス型の型径や胴型の内周径が細径になる。このように、クリアランスが小さいことに加えて、細径の成形型でプレス成形する必要があるため、成形型の組立や分解、プレス成形などに際し、成形型の挿入や摺動をスムーズに行うことが非常に難しくなり、成形型にカケや折れなどの破損が発生しやすくなる。
特許文献1に記載された成形型によれば、加圧成形時の上下型の傾き(ティルト)が少ない良好な精度のレンズが得られると記載されている。しかしながら、径の小さいレンズを成形しようとするとき、上型径が小さくなるため、著しく破損しやすい上型形状となる。特に、上型を第1胴型に挿入する際のわずかな傾きなどによって上型に欠けや折れが生じやすい。
また、型素材は、セラミックスや超硬など、高硬度材(難削材)であるため、胴型の内周面が、例えば、径φ3mm以下の長い穴である場合、要求される寸法精度(穴径)や形状精度(穴の真円度、円筒度、直角度など)を満足するように、数ミクロン以下の加工誤差で製作することは容易ではない。
特許文献2に記載された金型は、キャビティに近い部分の金型の外径を、他の部分より小さくして二段にし、金型と胴型のはめあいの案内を、クリアランスを適切に設定することにより、キャビティから遠い外径の大きな部分で行うように構成している。これにより、一対の金型の中心軸の一致精度を上げた状態のままで、スムーズに金型を胴型に組み込むことができるようになっている。実際、このような構造を用いると、胴型の径の小さな部分では、一対の金型との接触がない状態でプレス成形が行えるため、一対の金型の破損が少なくなると思われる。
しかしながら、ここに開示された金型には以下の問題がある。すなわち、一対の金型(上型、下型とする)には、フランジが形成されており、このフランジのそれぞれが胴型の両端に当接することによって、上下型の接近が規制され、プレスが終了する。この後、金型と成形素材は冷却されて、成形素材が固化してから成形体を取り出すことになるが、その冷却過程で、成形素材が収縮すると、金型の成形面と成形体が離れてしまうため、面形状がくずれてしまう。これは、上下型のフランジが、胴型端部に規制され、それ以上接近することができないからである。
このような金型は、成形体の面精度をさして要求されない用途であれば利用しうるが、上述の用途に用いられるような精度の高いモールドレンズには到底採用できない。
そこで、特許文献2に示される上型のフランジ部を切除し、上型が成形体の冷却時の収縮に追従できるようにすることが考えられる。しかしながら、そのようにすると、上型フランジによる胴型上面への当接が無くなることから、胴型と上型の同軸性を維持している機能が失われる。すなわち、上型は、胴型との摺動クリアランスによって許容される範囲内で、胴型内での倒れが生じやすくなり、成形されるレンズにおいては、第1面と第2面の傾き(ティルト)が劣化する。これは、要求精度の高い上記用途のレンズに対しては問題であり、摺動クリアランスを小さくするだけでは避けられないものである。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、型破損を防止しつつ、摺動型の摺動クリアランスを小さくするとともに、摺動型の倒れを抑制し、偏心精度の高い光学素子を成形できるモールドプレス成形型及び光学素子の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のモールドプレス成形型は、対向する成形面が形成された摺動型及び静止型と、前記摺動型及び前記静止型をそれぞれ両端側から挿入可能とし、プレス成形時に少なくとも前記摺動型を摺動ガイドする胴型とを備えるモールドプレス成形型において、前記摺動型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部とを備え、前記摺動型における大径部の軸方向の長さをL1とし、前記摺動型における小径部の軸方向の長さをL2とするとき、L1>L2が成り立ち、前記静止型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部と、当該大径部よりも径が大きいフランジ部とを備え、前記静止型における大径部の軸方向の長さをL4とするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1との間に、L4<0.5L1が成り立ち、前記胴型は、前記摺動型の大径部を収容して摺動ガイドする第一内周大径部と、前記摺動型の小径部を収容する第一内周小径部と、前記静止型の小径部を収容する第二内周小径部と、前記静止型の大径部を収容する第二内周大径部とを備え、前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とし、前記摺動型の小径部と前記胴型の第一内周小径部とのクリアランスをC2とし、前記静止型の小径部と前記胴型の第二内周小径部とのクリアランスをC3とするとき、C1<C2、C3>C1、C3>C2が成り立ち、前記摺動型が、10μm以下の摺動クリアランスをもって、前記胴型に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さをLとし、前記胴型の軸方向の全長をSとするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1との間に、=L1、L1≧0.5Sが成り立ち、前記静止型は、前記胴型の第二内周大径部に前記静止型の大径部が収容されたときに、前記静止型のフランジ部が前記胴型に当接することによって、前記静止型と前記胴型の相互位置が規定される構成としてある。
このように構成すれば、型破損を防止しつつ、摺動型の摺動クリアランスを小さくするとともに、摺動型が小さな摺動クリアランスで摺動ガイドされる範囲を長くすることができる。これにより、摺動型の倒れを抑制し、偏心精度の高い光学素子を成形することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、L=L1が成り立つ構成としてある
このように構成すれば、摺動型の大径部における摺動クリアランスC1と、摺動型の大径部における軸方向の長さL1の関係で、摺動型の最大倒れ角を規定し、所望の偏心精度を充足する光学素子が得られる。すなわち、C1とL1によって、成形される光学素子のティルトを制御することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、好ましくは、前記静止型は、前記大径部よりも径が大きいフランジ部を備え、前記胴型の第二内周大径部に前記静止型の大径部が収容されたときに、前記静止型のフランジ部が前記胴型に当接することによって、前記静止型と前記胴型の相互位置が規定される構成としてある
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記摺動型を前記胴型に対して所定量挿入したときに、前記摺胴型の一部が、前記胴型の一部と同一平面となり、前記所定量を超えて更に前記摺動型が胴型内に挿入可能である構成とすることができる。
このように構成すれば、胴型内への摺胴型の挿入量を一定に制御することができ、更に、その後の、成形体の収縮に対して摺動型が追従することができることから、成形体の収縮による面精度の劣化を防止できる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とするとき、L1≧C1/sinθ(ただし、θ≦3min)が成り立つ構成とするのが好ましい。
このように構成すれば、摺動型の大径部における摺動クリアランスC1と、摺動型の大径部における軸方向の長さL1との選択により、ティルトが3min以内を充足する光学素子を得ることができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とし、前記摺動型の小径部と前記胴型の内周小径部とのクリアランスをC2とするとき、C1<C2が成り立つ構成としてある
このように構成すれば、摺動型の小径部が胴型との接触で破損する可能性を、より効果的に低下させることができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記摺動型を上型、前記静止型を下型とし、前記上型を前記胴型に対して所定量挿入したとき、前記上型の上面が、前記胴型の上面と同一平面となる平面を備える構成とするのが好ましい。
このように構成すれば、プレス成形の際、上型の上面と胴型の上面を同一平面とすることにより、上型の倒れを更に抑制することができる。更に、上型の挿入量を一定に規制することができるので、成形体の肉厚精度を高めることができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記胴型の第二内周大径部の内径が、前記胴型の第一内周大径部の内径よりも小さい構成とするのが好ましい。
このように構成すれば、成形型の組立、分解過程で、第二内周大径部における静止型の摺動が繰り返し行われることになっても、その摺動時の摺動摩擦抵抗を小さくすることができ、胴型と静止型との間でのカジリや磨耗を抑止することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記摺動型の大径部の直径をD1とし、前記摺動型の小径部の直径をD2とし、前記静止型の小径部の直径をD3とし、前記静止型の大径部の直径をD4とするとき、D1≧2・D2、D4≧2・D3が成り立つ構成とするのが好ましい。
このように構成すれば、摺動型及び静止型自体の剛性が高まり、プレス成形時や、成形型の組立、分解過程において型が破損することを防止できる。
また、本発明における光学素子の製造方法は、成形素材を軟化した状態でプレス成形する光学素子の製造方法において、上記のいずれかに記載のモールドプレス成形型を用いる方法としてある。
このような方法にすれば、型破損を防止しつつ、摺動型の倒れを抑制し、偏心精度や肉厚精度の高い光学素子を成形することができる。
また、本発明における光学素子の製造方法は、成形素材を成形型内に供給して、前記成形素材が加熱により軟化した状態で成形型によりプレス成形し、得られた成形体を冷却することによる光学素子の製造方法において、前記成形体を成形型内で冷却し、かつ、冷却中に、成形体の収縮に追従して、前記摺動型が前記胴型内で移動する方法とすることができ、より好ましくは、前記成形素材が加熱により軟化した状態で、前記摺動型の少なくとも一部が、前記胴型の少なくとも一部と同一平面となるように、前記摺動型を前記胴型内に所定の圧力で挿入する工程を含む方法とすることができる。
このような方法とすれば、偏心精度や肉厚精度に加え、更に、球面や非球面の面精度を高く維持することができる。
また、本発明における別の光学素子の製造方法は、対向する成形面が形成された摺動型及び静止型と、前記摺動型及び前記静止型をそれぞれ両端側から挿入可能とし、プレス成形時に少なくとも前記摺動型を摺動ガイドする胴型とを備えるモールドプレス成形型により光学素子を製造するにあたり、前記摺動型が、10μm以下の摺動クリアランスをもって前記胴型に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さをLとし、前記摺動クリアランスをCとし、得ようとする光学素子のもつ2つの光学機能面の相互の傾き角の許容値がθであるとき、L≧C/sinθを満たすようなLとCとを選択することにより、前記摺胴型及び胴型の寸法を決定する方法としてある。
このような方法とすることによって成形型の寸法を決定し、精度を管理することで、レンズの偏心精度やレンズの光学性能の品質管理を間接的に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、型破損を防止しつつ、摺動型の摺動クリアランスを小さくするとともに、摺動型が小さな摺動クリアランスで摺動ガイドされる範囲を長くすることができる。その結果、摺動型の倒れを抑制し、偏心精度や肉厚精度の高い光学素子を成形することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[モールドプレス成形型(第一実施形態)]
図1は、本発明の第一実施形態に係るモールドプレス成形型の断面図、図2は、摺動ガイド長、クリアランス及びティルトの関係を示す説明図である。
図1に示すように、モールドプレス成形型(以下、単に成形型という)は、上型10と、下型20と、胴型30とを備えて構成されている。
上型10及び下型20は、上型10と下型20の間で成形素材(例えば、ガラスプリフォーム)40をプレス成形するために、あるいは、成形素材40の供給や成型品の取り出しに際して成形型を分解するために、胴型30に対して上下動可能となっている。
なお、本実施形態の成形型では、成形素材を上下型間で加圧して成形するプレス成形時において、上型10が摺動し、下型20が静止しており、上型10を摺動型、下型20を静止型とする。
上型10は、最も径の大きい大径部11と、大径部11の下端から下方に突出する小径部12とを備えている。上型10の成形面13は、小径部12の先端に形成されており、成形面中心(非球面の場合、非球面中心)と、大径部11及び小径部12の外周面の軸心は一致している。ここで、大径部11の直径はD1、小径部12の直径はD2である。
上型10の形状に対応し、胴型30の上部には、上型10の大径部11を収容して、プレス成形時に摺動ガイドする第一内周大径部31と、上型10の小径部12を収容する第一内周小径部を含む内周小径部32とが形成されている。ここで、胴型30の内周面の軸心は、すべて一致するように加工される。なお、第一内周大径部31の内径はD1、内周小径部32の第一内周小径部の内径はD2である(特記しないかぎり、径の値は摺動クリアランス分を含めずに表記する)。
ここで、上型10の大径部11の軸方向の長さをL1、小径部12の軸方向の長さをL2とするとき、L1>L2である。このようにすると、胴型30の上端開口から上型10を挿入したとき、まず、上型10の大径部11が胴型30に接触し、胴型30の第一内周大径部31に摺動ガイドされた後に、径の小さい上型10の小径部12が胴型30の内周小径部32の第一内周小径部に(接触する寸法の場合には)接触することができる。この条件が確保されることにより、上型10の小径部12が胴型30内に不意に接触して傷つくことが抑制できる。これは、上型10の小径部12の径が小さい場合(例えば、得ようとするレンズが5mm以下の場合など)に、特に有効である。
このとき、L1/(L1+L2)≧0.6、更には、L1/(L1+L2)≧0.7であることがより好ましい。
また、小径部12及びその先端の成形面13の破損をより確実に防ぐためには、D2/D1≧0.25であることが好ましい。ただし、小径レンズを成形するにあたり、大径部11の直径D1を小径部12の直径D2と同程度の直径にすると、上型10の剛性や強度が弱まり、プレス成形時や、成形型の組立、分解過程において、カジリ等に起因して型が破損する虞があることから、上型10の剛性や強度を高めるために、大径部11の直径D1は、小径部12の直径D2の2倍以上(D1≧2・D2)とすることが好ましい。
プレス成形に際し、上型10を胴型30の上端開口部から挿入すると、上型10の大径部11が胴型30の第一内周大径部31によって摺動ガイドされる。上型10の大径部11と胴型30の第一内周大径部31との間には、10μm以下、好ましくは5μm以下のクリアランスC1が確保されており、このクリアランスC1を摺動可能な範囲で極力小さくすことにより、胴型30内での上型10のシフトや、胴型30内における上型10の倒れ(ティルト)を制限することができる。
また、上型10における大径部11のプレス軸方向の長さ(L1)は、成形型の寸法から許容される範囲で大きくすることが有利である。
ここで、上型10が10μm以内のクリアランスで胴型30に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さを「摺動ガイド長L」とすると、L=L1の場合、C1とL1の関係で、上型10の最大倒れ角が決定されることになるからである(図2参照)。
一方、胴型30の軸方向の長さをSとするとき、同長さSは、胴型30の形状に応じて上型10を摺動ガイドできる理論的な最大値となるが、本発明では、胴型30の軸方向の長さSの少なくとも1/2以上を、上型10(摺動型)の摺動ガイドに適用する。すなわち、
L≧0.5S (1)
を充足する。L=L1であれば、L1≧0.5Sである。また、L1≧0.6Sであることがより好ましい。
更に、大きなティルト抑制効果を得るためには、Sの60%以上を摺動ガイド長Lとして用いる。すなわち、
L≧0.6S (2)
とすることが好ましく、これにより、摺動型の倒れを更に抑制し、得られる光学素子の偏心精度を向上させることができる。
更には、成形型全体の高さHに対し、L≧0.5Hとすることが好ましい。すなわち、成形型の設計においては、高さ成分の半分以上を偏心性能に寄与するLに対して充当することが好ましい。
また、前述したように、成形するレンズにおいて、小型化と高性能化との両立を実現するにあたり、許容されるティルトの上限がθであるとき、L1の長さは、下記の条件式を充足することが好ましい。
L1≧C1/sinθ (3)
ここで、θ≦3minであることが好ましい。すなわち、図2において許容される上型10の倒れ角の上限がθであるとき、sinθ=C/Lであるから、L≧C/sinθを満たすような摺動ガイド長Lを選択すればよい。
換言すれば、摺動型が10μm以下の摺動クリアランスをもって、胴型30に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さをLとし、摺動クリアランスをCとし、得ようとする光学素子のもつ2つの光学機能面の相互の傾き角の許容値がθであるとき、L≧C/sinθを満たすような、LとCを選択すれば、偏心精度が一定以上のレンズが製造できることになるため、これをレンズの光学性能の品質管理の指標として適用することができる。
特に、非球面を有するレンズにおいては、レンズの有する2つのレンズ面の相互の傾きがレンズの光学性能に与える影響が大きく、更に、組み合わせて使用するレンズにおいては、個々のレンズの測定が容易でない。このため、このようなレンズの製造に用いる成形型の精度や寸法をもってレンズの品質管理を行うのは有利であり、この場合に、上記成形型のL、Cの値をレンズの偏心精度の管理指標、評価指標とするのは、非常に有効な方法となる。
上型10の小径部12は、胴型30の内周小径部32の第一内周小径部に収容され、そのクリアランスC2は、10μm以上、例えば10〜50μmの範囲とすることができる。すなわち、C1C2とすることができる。このようにすると、上型10の小径部12が胴型30との接触で破損する可能性をより効果的に抑止できる。
一方、クリアランスC2も、クリアランスC1と同様に10μm以下とすることも可能である。この場合、胴型30内における上型10の倒れ(ティルト)を規制する摺動ガイド長Lは、(L1+L2)となり、L1のみで上型10のティルトを規制する場合に比べ、摺動ガイド長を長くし、ティルトをより小さくすることができる。この場合においても、(L1+L2)は、成形型の寸法から許容される範囲内で大きくすることが好ましい。つまり、L=L1+L2として、上記(1)式、又は(2)式を適用できる。ただし、この場合には、上型10の大径部11、小径部12、胴型30の第一内周大径部31、内周小径部32などの同軸度を高くする必要がある。
一方、下型20は、胴型30の内周面と接触、又は摺動する部位のうち最も直径が大きい部位である大径部21と、この大径部21よりも直径が小さく、かつ、先端に成形面24が形成された小径部23を有している。また、下型20は、好ましくは、図示するような大径部21よりも直径が大きいフランジ部22とを備えており、フランジ部22の上面は胴型30の下面と当接し、大径部21は胴型30に収容される。図1の構成では、大径部21の上端から小径部23が突出しており、その先端に成形面24が形成されている。下型20は、成形面中心(非球面の場合、非球面中心)と大径部21の軸心が一致するように加工されており、また、フランジ部22の上面は、成形面24の中心軸と垂直で、かつ、平滑に平面加工されている。
下型20の形状に対応し、胴型30の下部には、下型20の大径部21を収容する第二内周大径部33が形成されている。下型20の大径部21が胴型30に収容されたとき、フランジ部22の上面が、胴型30の下面と当接する。胴型30の下面は、胴型30の軸心と垂直で、かつ、平滑に平面加工されている。
胴型30の第二内周大径部33は、下型20の大径部21と狭いクリアランスC4(10μm以下、好ましくは5μm以下)で嵌合することが好ましい。したがって、胴型30の下側開口から下型20を挿入し、両者の上記平滑面を密着させることによって、胴型30と下型20の相互位置が高精度に規定される。そして、プレス成形時は、下型20がこの状態で静止しているため、胴型30と下型20の間のティルトは実質的にゼロとなる。
下型20の大径部21の直径D4は、上型10の大径部11の直径D1と同じでもよいが、下型20の大径部21の直径D4は、上型10の大径部11の直径D1よりも小さくすることが好ましい。下型20の大径部21の直径D4を上型10の大径部11の直径D1よりも小さくすることで、プレス中に胴型30の下面と下型20のフランジ部22の上面とが圧接する領域が大きくなるため、下型20の倒れをより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、胴型30の下面が、下型20のフランジ部22の上面に当接することにより、両者が一体となり、相互位置が画定することから両者の間のティルトが防止できるが、このような当接関係以外であっても、静止型(下型20)と胴型30とが一体に保持されることでティルトが防止できる構造であれば、種々の態様が適用可能である。例えば、下型20の大径部21の下面と、胴型30の下面を精度よく平面加工し、同様に加工した載置台上に固定してもよい。
ここで、例えば、後述するような連続的にプレス成形を行って光学素子を製造する過程(図4参照)では、上型10が挿嵌された胴型30に向けて、成形素材40を成形面24に配した下型20を挿入して成形型の組立てを行い、プレス成形後の型分解、レンズ取出しは、上型10が胴型30に挿嵌されたままの状態で下型20を取り出すことにより行うことができる。この場合、成形型の組立、分解過程で、下型20の摺動が繰り返し行われることになり、プレス成形時における上型10と胴型30との間の摺動量よりも、下型20と胴型30との間の摺動量の方が大きくなる。このため、胴型30と下型20との間に生じる摺動摩擦抵抗を小さくして、胴型30と下型20との間でのカジリや磨耗を抑止することが、生産を安定して行う上で重要となる。
胴型30と下型20との間に生じる摺動摩擦抵抗は、摺動径が小さく、摺動長が短いほど小さくすることができ、これによって摺動時の相互のかじりや磨耗を抑制することができるが、このためには、胴型30の第二内周大径部33の内径が、第一内周大径部31の内径よりも小さくなっている方が好ましい。また、このようにすれば、下型20の大径部21の直径D4を、上型10の大径部11の直径D1よりも小さくすることができ、前述した下型20の倒れの抑制にも有効となる。
胴型30の内周小径部32は、上部の第一内周小径部に上型10の小径部12が収容され、下部の第二内周小径部に下型20の小径部23が収容される構造となっている。内周小径部32の第二内周小径部においては、下型20の成形面24を包囲する部分、すなわち、レンズの側面を形成する部分とのクリアランスをC3とすると、C3C1、C3C2とすることができる。このようにすると、下型20を胴型30に組み込む際に、成形面24の周縁のカケを防止できる。
なお、下型20の大径部21の高さL4は、胴型30との垂直精度を出すために必要な高さであり、下型20における小径部23の軸方向の長さをL3とすると、L3<L4が好ましい。
また、上型10の大径部11と、下型20の大径部21の高さ成分の配分を考慮したとき、摺動型である上型10の方を静止型である下型20より高くすることが好ましく、より具体的には、L4<L1とすることが好ましい。より好ましくは、L4<0.5L1である。
また、下型20の高さをL5としたとき、L5は大径部21の高さL4と小径部23の高さL3とフランジ部22の高さとの総和となるが、このL5は、フランジ部22の直径D5よりも小さいことが好ましい。こうすることで、下型20の重心を比較的低い位置にすることができるため、下型20を胴型30に挿入する際の微小な傾きに対する下型20の姿勢復元力を大きくでき、下型20と胴型30の引っ掛かりやカジリを防止することができる。
胴型30の内周小径部32において、下型20の小径部23が収容される下部側の第二内周小径部の直径D3は、得ようとする光学素子の寸法に基づいて決定される。本発明の成形型によれば、下型20の小径部23が収容される内周小径部32の下部側の第二内周小径部で光学素子の側面を成形することにより、成形後に芯取り加工などによる周縁部の切除を行わないものとすることができる。このようにすると、プレス成形のみで最終形状にできるため、芯取り加工の困難な小径レンズに極めて有用であり、生産性を飛躍的に向上させることができる。
なお、下型20の大径部21の直径D4は、小径部23の直径D3の2倍以上とすることが好ましい。このようにすると、下型20の剛性や強度が高まり、プレス成形時や、成形型の組立、分解過程において、カジリ等に起因して下型20が破損することを未然に防止できる。
胴型30における第一内周大径部31の高さ(プレス軸方向の長さL0)は、上型10の大径部11の高さL1に対して、大きいことが好ましい。すなわち、胴型30の上面と上型10の上面を同一平面としたとき、上型10の大径部11の下端と、胴型30の第一内周大径部31の下端との間には、軸方向に隙間が生じる。この隙間の軸方向の長さをGとする(L0=L1+G)。Gの大きさは、成形後の成形体(光学素子)の冷却工程における高さ方向(上型10の摺動方向)の収縮量を超える寸法とする。
すなわち、本実施形態における成形型は、成形体が冷却工程において収縮する際に、これに追従して上型10が、胴型30に摺動ガイドされつつ下降することができるように設計される。上型10の追従移動は、成形体との密着力、及び自重によることができる。これにより、成形体の面形状精度が高く維持できる。また、このような追従移動を可能にするため、摺動型(上型10)は、成形体の取出前までの過程で、その摺動方向において胴型30に当接する部位を有しないことが好ましい。
なお、Gは、L1に対して充分小さな長さ(例えば1/10以下)とすることができる。
上型10の上面においては、上型10を胴型30内に収容したとき、少なくとも胴型30の上面と隣接する外縁部分が、平滑に平面加工されている。また、胴型30の上面も同様に、少なくとも上型10の上面と隣接する部分が平滑に平面加工されている。したがって、上型10を上部開口から胴型30に挿入し、所定量押し込んだ状態で、上型10の上面(外縁部)と胴型30の上面が同一平面を形成する。
プレス成形の際、上型10の上面と胴型30の上面を同一平面上とすることにより、上型10のティルトを抑止することができる。このようにするために、プレス荷重印加手段50の下面(上型10及び胴型30との当接面)は、精度高い水平面とする。あるいは、プレス荷重印加手段50と上型10(胴型30)の間に、平滑な下面をもった部材を介在させる。
また、加圧によって押し切るまで上型10を胴型30内に挿入したとき(上型10と下型20との接近が停止し、成形体が所定肉厚になったとき)、上型10の上面と、胴型30の上面とが同一平面になることで、成形体の肉厚精度を再現性よく制御できる。更に、加圧後の冷却の段階で、成形体の体積収縮が起きたときには、上型10はそれに追従して胴型30内を下降し、成形体との密着を維持することができる。
なお、胴型30には、上記隙間G付近及び上下成形面13、24付近に、胴型30を肉厚方向に貫通する通気孔34が形成されている。
[モールドプレス成形型(第二実施形態)]
つぎに、本発明の第二実施形態に係るモールドプレス成形型について、図3を参照して説明する。ただし、第一実施形態と共通する構成については、第一実施形態と同じ符号を付し、第一実施形態の説明を援用する。
図3は、本発明の第二実施形態に係るモールドプレス成形型の断面図である。
この図に示す成形型の上型10は、大径部11と小径部12との間に、大径部11よりも小径で、かつ、小径部12よりも大径な中径部14を有し、また、胴型30は、第一内周大径部31と内周小径部32との間に、中径部14を収容可能な内周中径部35を有する点が第一実施形態の成形型と相違している。ここで、中径部14と内周中径部35の間のクリアランスをC11、中径部14の軸方向の長さをL11、中径部14の径をD11とする。また、隙間Gも、G1とG2の二箇所に設けられる。
上記の成形型において、クリアランスC11を10μm以下とする場合は、摺動ガイド長Lを(L1+L11)、又は(L1+L11+L2)として、上記(1)式や(2)式を適用することができる。このようにすると、摺動ガイド長Lを、許容される範囲で大きく確保し、上型10の倒れを抑制することができる。
以上説明したように、上記実施形態に係る成形型は、上型(摺動型)10と、下型(静止型)20と、胴型30の形状により、型破損が生じず、更に、肉厚精度、面精度が高く維持された成形を可能にするものである。特に、小径光学素子の成形に用いる、成形面が小さい成形型であっても、偏心精度に影響する摺動部分の寸法を必要精度に応じて選択することによって、耐久性と精度の両方を得るものである。
すなわち、上記実施形態では、下型(静止型)20と胴型30とのティルトを実質的に生じさせない構成としているため、成形時に生じうるティルトは、上型(摺動型)10側のみによるところ、上型10は胴型30との間で摺動が必要となり、胴型30との間のティルトを完全になくすことは不可能であるが、上記実施形態は、その摺動ガイド長を、許容される成形型寸法の範囲で、最も有利に選択し、成形する光学素子の必要性能を確保するものである。
[光学素子の製造方法]
つぎに、図1の成形型を用いた光学素子の製造方法について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る光学素子の製造方法を示す説明図である。
まず、下型20を胴型30から取り出した状態で、下型20の成形面24上に成形素材(ガラスプリフォームなど)40を供給する(図4(a))。これは不図示の吸着パッド付き自動供給装置で行うことができる。成形素材は、室温で供給してもよく、また、所定温度に加熱してから供給してもよい。
下型20を胴型30の下側から挿入し(図4(b))、下型20のフランジ部22の上面を胴型30の下面に当接させる。この状態で成形型全体は、水平な載置台上に載置されている。下型20を胴型30の下側から挿入すると、成形素材40の厚みにより、上型10の上面が胴型30の上面より上方に突き出た状態となる(図4(c))。
成形素材40を収容した成形型を加熱手段により加熱し、プレス成形に適した温度域とする。これは、例えば、ガラス素材が粘度にして10〜10dPa・s相当の温度である。この状態で、成形型を水平な載置台に載置したまま、プレス荷重印加手段50の下方に配置する。すなわち、上型10上からプレス荷重印加手段50を当接させ、エアシリンダなどの加圧により荷重を印加する。成形素材40が十分軟化しているため、上型10が押し下げられ、プレス荷重印加手段50の下面が胴型30の上面に当接したところで、上型10の下降は停止される。上型10の摺動ガイド長Lは、必要な偏心精度が確保されるように設定される。すなわち、胴型30の軸方向の長さSの半分を超える長さとする。ここで、いったんプレス成形温度における成形素材の肉厚が再現性よく決定される。このとき、上型10の上面と胴型30の上面が同一平面を形成するため、上型10の胴型30に対する倒れ(ティルト)が抑止される(図4(d))。
更に、荷重印加によって、胴型30が下型20のフランジ部22に圧着され、下型20と胴型30の相互位置関係が正確に維持される。結果的には、荷重印加による型同士の圧着により、下型20と胴型30の相互位置や、胴型30と上型10の相互位置が決定し、成形面13、24間のティルトが抑制される。なお、この場合には、下型20が水平な載置台に対しても圧着されていることが前提である。
その後、成形体40を収容した状態で成形型を冷却する(図4(e))。冷却の過程では、成形型内の成形体40も冷却され、体積が収縮するが、成形体40と上下型10、20の成形面13、24との密着が解かれると面精度が悪化するため、成形体40と上下の成形面13、24との密着を維持した状態で冷却する。すなわち、成形体40の収縮に応じて、上型10が追従して下降する。これにより、冷却途中のガラス転移点以上の温度下における成形体40の収縮による面精度劣化を防止できる。
この下降を可能にするために、胴型30と上型10の上面を同一平面としたとき、上型10の大径部11と、胴型30の第一内周大径部31の間には、隙間Gが生じる寸法設定となっている。胴型30の隙間G付近には、通気孔34が設けられ(図1参照)、上型10の下降とともに体積が小さくなる隙間Gの雰囲気ガスを流出できるようになっている。
所定温度、例えば転移点付近、又はそれ以下の温度まで降温したのち、下型20を胴型30から取り除き(図4(f))、下型20の成形面24上から成形体(ガラスレンズなど)40を取り出す(図4(g))。
本発明は、ガラスレンズなどの光学素子を成形するモールドプレス成形型及び光学素子の製造方法に適用される。特に、偏心精度が極めて高く、光ピックアップ、小型撮像機器などに用いられる精密光学素子の成形に有用である。
本発明の第一実施形態に係るモールドプレス成形型の断面図である。 摺動ガイド長、クリアランス及びティルトの関係を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係るモールドプレス成形型の断面図である。 本発明の実施形態に係る光学素子の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
10 上型(摺動型)
11 大径部
12 小径部
13 成形面
14 中径部
20 下型(静止型)
21 大径部
22 フランジ部
23 小径部
24 成形面
30 胴型
31 第一内周大径部
32 内周小径部
33 第二内周大径部
34 通気孔
35 内周中径部
40 成形素材
50 プレス荷重印加手段

Claims (10)

  1. 対向する成形面が形成された摺動型及び静止型と、前記摺動型及び前記静止型をそれぞれ両端側から挿入可能とし、プレス成形時に少なくとも前記摺動型を摺動ガイドする胴型とを備えるモールドプレス成形型において、
    前記摺動型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部とを備え、
    前記摺動型における大径部の軸方向の長さをL1とし、前記摺動型における小径部の軸方向の長さをL2とするとき、
    L1>L2
    が成り立ち、
    前記静止型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部と、当該大径部よりも径が大きいフランジ部とを備え、
    前記静止型における大径部の軸方向の長さをL4とするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1との間に、
    L4<0.5L1
    が成り立ち、
    前記胴型は、前記摺動型の大径部を収容して摺動ガイドする第一内周大径部と、前記摺動型の小径部を収容する第一内周小径部と、前記静止型の小径部を収容する第二内周小径部と、前記静止型の大径部を収容する第二内周大径部とを備え、
    前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とし、前記摺動型の小径部と前記胴型の第一内周小径部とのクリアランスをC2とし、前記静止型の小径部と前記胴型の第二内周小径部とのクリアランスをC3とするとき、
    C1<C2、C3>C1、C3>C2
    が成り立ち、
    前記摺動型が、10μm以下の摺動クリアランスをもって、前記胴型に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さをLとし、前記胴型の軸方向の全長をSとするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1との間に、
    =L1、L1≧0.5S
    が成り立ち、
    前記静止型は、前記胴型の第二内周大径部に前記静止型の大径部が収容されたときに、前記静止型のフランジ部が前記胴型に当接することによって、前記静止型と前記胴型の相互位置が規定されることを特徴とするモールドプレス成形型。
  2. 対向する成形面が形成された摺動型及び静止型と、前記摺動型及び前記静止型をそれぞれ両端側から挿入可能とし、プレス成形時に少なくとも前記摺動型を摺動ガイドする胴型とを備えるモールドプレス成形型において、
    前記摺動型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、当該小径部よりも径が大きい中径部とを備え、
    前記摺動型における大径部の軸方向の長さをL1とし、前記摺動型における中径部の軸方向の長さをL11とし、前記摺動型における小径部の軸方向の長さをL2とするとき、
    (L1+L11)>L2
    が成り立ち、
    前記静止型は、大径部と、当該大径部よりも径が小さく、かつ、先端に前記成形面が形成された小径部と、当該大径部よりも径が大きいフランジ部とを備え、
    前記静止型における大径部の軸方向の長さをL4とするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1と前記摺動型における中径部の軸方向の長さL11との間に、
    L4<0.5(L1+L11)
    が成り立ち、
    前記胴型は、前記摺動型の大径部を収容して摺動ガイドする第一内周大径部と、前記摺動型の中径部を収容して摺動ガイドする内周中径部と、前記摺動型の小径部を収容する第一内周小径部と、前記静止型の大径部を収容する第二内周大径部と、前記静止型の小径部を収容する第二内周小径部とを備え、
    前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とし、前記摺動型の中径部と前記胴型の第一内周中径部とのクリアランスをC11とし、前記摺動型の小径部と前記胴型の第一内周小径部とのクリアランスをC2とし、前記静止型の小径部と前記胴型の第二内周小径部とのクリアランスをC3とするとき、
    C1<C2、C3>C1、C3>C2、C11≦10μm
    が成り立ち、
    前記摺動型が、10μm以下の摺動クリアランスをもって、前記胴型に摺動ガイドされる部分の軸方向の長さをLとし、前記胴型の軸方向の全長をSとするとき、前記摺動型における大径部の軸方向の長さL1と前記摺動型における中径部の軸方向の長さL11との間に、
    L=L1+L11、かつ、(L1+L11)≧0.5S
    が成り立ち、
    前記静止型は、前記胴型の第二内周大径部に前記静止型の大径部が収容されたときに、前記静止型のフランジ部が前記胴型に当接することによって、前記静止型と前記胴型の相互位置が規定されることを特徴とするモールドプレス成形型。
  3. 前記摺動型を前記胴型に対して所定量挿入したときに、前記摺胴型の一部が、前記胴型の一部と同一平面となり、前記所定量を超えて更に前記摺動型が胴型内に挿入可能である請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  4. 前記摺動型の大径部と前記胴型の第一内周大径部とのクリアランスをC1とするとき、
    L1≧C1/sinθ(ただし、θ≦3min)
    が成り立つことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  5. 前記摺動型を上型、前記静止型を下型とし、前記上型を前記胴型に対して所定量挿入したとき、前記上型の上面が、前記胴型の上面と同一平面となる平面を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  6. 前記胴型の第二内周大径部の内径が、前記胴型の第一内周大径部の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  7. 前記摺動型の大径部の直径をD1とし、前記摺動型の小径部の直径をD2とし、前記静止型の小径部の直径をD3とし、前記静止型の大径部の直径をD4とするとき、
    D1≧2・D2
    D4≧2・D3
    が成り立つことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  8. 成形素材を軟化した状態でプレス成形する光学素子の製造方法において、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型を用いることを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 成形素材を成形型内に供給して、前記成形素材が加熱により軟化した状態で成形型によりプレス成形し、得られた成形体を冷却することによる光学素子の製造方法において、
    前記成形体を成形型内で冷却し、かつ、冷却中に、成形体の収縮に追従して、前記摺動型が前記胴型内で移動することを特徴とする請求項に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記成形素材が加熱により軟化した状態で、前記摺動型の少なくとも一部が、前記胴型の少なくとも一部と同一平面となるように、前記摺動型を前記胴型内に所定の圧力で挿入する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の光学素子の製造方法。
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