JP5317962B2 - ガラス成形体の製造方法およびモールドプレス成形装置 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法およびモールドプレス成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、任意形状の成形面を有する上型及び下型と、これらの型が互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入される胴型とを含む成形型を用いて、ガラス素材をプレス成形するガラス成形体の製造方法およびモールドプレス成形装置に関する。さらに詳しくは、成形型およびガラス素材を別々に予熱してプレス成形する際における熱変形などに起因する成形型の偏心(シフトおよびティルト)を防止して、光学ガラスレンズなどのような高い形状精度が要求されるモールドプレスを行うためのガラス成形体の製造方法、およびモールドプレス成形装置に関する。
ガラス素材を用いて非球面レンズなどの光学素子を製造する方法として、得ようとする成形体の形状に対応した、互いに対向する成形面を有する一対の上下型によって、加熱して軟化状態とした成形素材をプレス成形し、これらの型の成形面を転写するモールドプレス成形法が知られている。
また、モールドプレス成形を実施するために用いる成形型の成形面の劣化を防止するとともに、成形サイクルタイムを短縮化するために、成形型と成形素材とをそれぞれ別々に予熱し、予熱された成形素材を成形型に供給して直ちにプレス成形を行う方法(非等温プレス成形法)が知られている。
これらの方法は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1や特許文献2に開示された方法では、ガラス素材及び成形型を予熱しておくことにより、ガラス素材を下型に供給後、直ちに上下型の型閉めを開始してプレス成形を行っている。そして、成形型をガラス転移点以下まで冷却し、型開きを行ってガラス成形体を取り出すようにしている。このような方法によれば、サイクルタイムを短縮して生産性を維持しつつ、面精度の優れたガラス成形体の成形が可能である。
特開平11−171564号公報 特開2004−339059号公報
デジタルカメラなどの撮像機器や、光ピックアップ装置、カメラ付き携帯電話器等に用いられる光学素子は、その光学的要求性能が極めて高い。このような光学素子を、精密モールドプレス成形により、かかる要求を満すように成形するためには、上下型の同軸性を、連続プレス工程の間を通じて極めて高く維持することが求められる。例えば、上型成形面と下型成形面との相互の水平方向のズレ(シフト)は、10μm以内、好ましくは、5μm以内、相互の傾き(ティルト)は、2分以内、好ましくは、1分以内であることが要求される。
したがって、胴型と上下型との間に許容されるクリアランスは、最大でも10μm以下となり、この状況下で確実に上下型の接近が連続的に行われなくてはならない。しかしながら、このような狭いクリアランスでの摺動を維持して、数百〜数万回もの連続プレスを行うことは一般に困難である。
上記の特許文献1に開示されている成形装置では、上型及び下型は、それぞれ上母型及び下母型によって支持され、上母型が成形装置に固定されるとともに下母型が上下動可能なシリンダに取り付けられ、下母型の上昇に伴って下型が胴型内に挿入される。更に下母型が下型を押し上げると、ガラス素材を介して上型がわずかに上昇するが、上母型に上型が当接することで上型のプレス軸方向の移動が規制され、下型の上昇に伴って、下型と上型により軟化したガラス素材をプレス成形する。
このようなプレス成形動作は、350℃〜800℃の温度環境下で行われるので、成形装置や駆動軸、あるいは各母型などに熱変形が生じ、上下型の同軸性を精度高く維持することは極めて困難である。また、上下型を挿入した胴型は、単にガイドとしての機能を果たすだけであるため、上下型および胴型の位置関係が必ずしも保持されず、胴型の内周面と上下型の外周面とのクリアランスの範囲内で、胴型および上下型が相対的に傾いたり、センターずれを起こしたりするおそれがある。
また、生産効率を向上するためには、特許文献1の図6等に開示されているように、上型と下型を複数組支持し、これらを同時にプレス成形することが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の成形装置の場合、複数組の成形型の高さにバラツキがあっても、共通の押圧ヘッドで各成形型を同時に押し付けるため、当該バラツキに起因して成形されるガラス成形体の肉厚のバラツキが生じてしまい、極めて高精度のガラス成形体を同時に生産することが困難である。
次に、特許文献2に開示されている成形装置では、下型の成形面上に加熱軟化したガラス素材を供給し、下母型及び下型を上昇させて案内型内に下型を挿入し、上母型により上方への移動を規制された上型と、下母型を介して上昇する下型とによりガラス素材に対して一次加圧を行い、しかる後に押し棒によって上型に比較的弱い荷重(二次加圧)をかけながら所定温度まで冷却し、ガラス成形体を成形している。
しかしながら、かかる成形装置によれば、下型および案内型がそれぞれ下母型、上母型により殆ど身動きできない状態で保持されているため、高温環境下で上母型と下母型の相対的な軸ずれや傾きが生じた場合であっても、下型を案内型内に強引に挿入することになり、下型と案内型同士の擦れやかじりが発生するおそれがある。その結果、成形されるレンズの偏心精度が悪化する。
モールドプレス成形において、成形型の同軸性が精度良く維持されていないと、下型と胴型の間に擦れやかじりが生ずる。プレス時には大きな荷重が作用するので、擦れやかじりが発生すると、成形体にかかるべき荷重が胴型、下型間に吸収され、プレス圧力が成形体に不均一に作用し、面精度、肉厚精度の劣化や、胴型、下型の破損などが生じる。
また、擦れやかじりによって生じた磨耗粉が成形体に付着すると、成形体は外観不良となる。さらに、こうした擦れやかじりが発生すると、胴型と下型間のクリアランスが所定範囲を超え、結果として胴型による下型の位置規制が緩くなる。これは、上型と下型の同軸性が失われることを意味し、上型と下型間の水平方向の軸ずれ(シフト)や、上型と下型の相対的な傾き(ティルト)が生じる。特に、成形体が光学素子である場合には、深刻な性能劣化となる。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、所定温度に予熱したガラス素材を上下型および胴型を含む成形型に供給してプレス成形するにあたり、胴型内に下型を挿入して成形型を組み立てガラス素材に荷重を加える前までは、胴型や上型を上母型に対して移動可能な状態に保持でき、プレス成形開始後は上下型および胴型が正しい姿勢を維持しながらプレス成形することができ、これによって、高精度の光学素子などの成形体を効率良く安定して製造できるようにしたガラス成形体の製造方法およびモールドプレス成形装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、成形面を有する上型及び下型と、これら上型及び下型を挿入して両者の軸ずれを規制する胴型とを含む成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形するガラス成形体の製造方法において、
上母型によって前記胴型を支持し、この胴型内に挿入した前記上型を、前記上母型によってプレス軸方向の移動が規制されない状態で当該胴型によって支持し、前記上型を押圧するための上型押圧手段を配置し、前記上型と同軸状態となるように下母型によって前記下型を支持しておき、
前記ガラス素材を前記下型の成形面に供給し、
前記下母型を前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に接近させ、当該下母型に支持されている前記下型を前記胴型内に挿入して、前記下型の成形面に載せた前記ガラス素材が当該下型の成形面と前記上型の成形面の間に挟まれた状態を形成し、
この状態で、前記下母型を前記上母型に対して更に相対的にプレス軸方向に接近させることにより、前記上型を前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に押し上げると共に、前記胴型の胴型側当接面を前記下型の下型側当接面にプレス軸方向から当接させた状態を形成し
記下母型の前記上母型に対する相対的な移動を止めた後に、前記上型押圧手段によって前記上型を押圧して、前記ガラス素材を変形させて前記上型及び前記下型の各成形面形状に対応する光学機能面を有するガラス光学素子を製造することを特徴としている。
本発明の方法では、上母型に対して、上型がプレス軸方向に移動可能であり、上型のプレス軸方向の移動が上母型によって拘束あるいは規制されていない。また、胴型も上母型によってプレス軸方向に移動可能に保持されるが、胴型の移動範囲を上母型によって規制することもできる。加熱軟化したガラス素材を配した下型を胴型に挿入する際には、上型は上母型に拘束されずプレス軸方向に移動可能な状態にあるので、下型挿入時には、上型がプレス軸方向あるいは、上型と胴型の間のクリアランスおよび胴型と上母型の間のクリアランス分だけプレス軸方向に直交する横方向に自由に移動して、これらの間にかじりや擦れを生ずることなく、これら胴型と下型の軸ずれ、傾きが補正された状態で組み付けられる。また、胴型が下型にプレス軸方向から当接することにより、これらの相対的な位置が規定されるので、胴型と下型が傾きの無い組み付け状態になる。そして、このような成形型の組み付けが完了するまでは、成形型内のガラス素材にはプレス荷重がかからないため、ガラス素材が軟化状態にあっても実質的な変形はしない。
このように上型が挿入された胴型と下型が当接して精度良くこれらが組み付けられた後に、上型押圧手段によって上型が押圧されることにより、はじめてガラス素材のプレス成形が行われる。上型は胴型内にプレス軸方向に移動可能な状態で挿入されており、上母型によって直接支持されていない。したがって、高温環境下で上母型と下母型の相対的な軸ずれや傾きが生じている場合であっても、このような軸ずれ、傾きの影響を受けることなく、胴型に沿って上型を押圧することができる。換言すると、上下の型および胴型の正しい姿勢が維持されながらプレス成形を行うことができる。
また、下型を胴型に挿入する工程において、下型の成形面に載せたガラス素材によって上型がプレス軸方向に押し上げられるため、ガラス素材に実質的な押圧力が加わらずに上下型および胴型を含む成形型を高精度に組み立てることができる。また、胴型と下型とが当接した状態で、押し上げられた前記上型を上型押圧手段で押圧することによって初めてガラス素材の実質的な変形が始まる。したがって、高精度のガラス成形体を製造することができる。
したがって、本発明の方法によれば、下型と胴型の擦れやかじりが発生することなく、また、上型と胴型の擦れやかじりが発生することなく、高精度の光学素子などの成形体を効率良く安定して製造できる。
ここで、本発明の方法では、前記下母型を前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に接近させる動作を、前記胴型を前記下型に当接させた状態が形成された後に、前記下母型が前記上母型に当接するまで行い、これら下母型および上母型が当接した状態で、前記上型押圧手段により前記上型を押圧することを特徴としている。上下の母型を当接状態に保持することにより、上下の母型が位置ずれを生じることなく一体化されるため、プレス動作を安定して行うことができる。
また、本発明の方法では、前記上型を押圧する工程の終了時点において、前記上型押圧手段によって前記上型と共に前記胴型を押圧して、前記胴型を前記下型にプレス軸方向から押し付けた状態を形成することを特徴としている。押圧の最終段階において、胴型が下型に押し付けられて、これらの相対的な位置が保持される。この結果、上型、下型および胴型は、軸ずれおよび傾きの無い状態で相互に位置決めされた状態に拘束されるので、ガラス素材のプレス成形を極めて高い偏心精度で行うことができる。
さらに、本発明の方法では、前記胴型を所定の力でプレス軸方向に沿って下型側に付勢した状態に保持することを特徴としている。胴型に下型が挿入されて、当該胴型が下型に当接した状態が形成された後は、当該付勢力によって当接状態が保持される。よって、胴型と下型が傾きの無い位置決め状態に保持される。
また、本発明の方法では、前記上型は前記胴型の端部を押圧可能な大きさのフランジ部を有し、前記ガラス素材を載せた下型を前記胴型に挿入したとき、前記フランジ部と前記胴型の端部とが離間した状態が形成され、しかる後、前記上型押圧手段によって前記フランジ部を押圧することを特徴としている。
また、本発明の方法では、前記ガラス素材を前記下型の成形面に供給する工程では、10〜1010dPa・sの粘度に相当する温度に加熱した前記ガラス素材を、当該ガラス素材が10〜1012dPa・sの粘度となる温度に相当する温度に予熱された前記下型上に供給することを特徴としている。なお、ガラス素材の温度が下型の温度よりも高い方が好ましい。
次に、本発明の方法では、前記成形型を複数組配置しておき、各成形型における前記上型を押圧する工程では、各成形型にそれぞれ配置した個別の上型押圧手段を用いて各上型を個別に押圧することを特徴としている。
このように、複数組の成形型を同時に用いることにより、プレス成形の生産効率を向上させることができる。また、個別の上型押圧ヘッドによって各成形型の上型を押圧しているので、複数組の成形型の高さにバラツキが影響されることなく、各成形型において肉厚にバラツキの無い極めて高精度のガラス成形体を同時に生産することができる。
次に、本発明は、成形面を有する上型及び下型と、これら上型及び下型を挿入して両者の軸ずれを規制する胴型とを含む成形型を備え、加熱軟化したガラス素材を当該成形型に供給してプレス成形するモールドプレス成形装置において、
前記胴型は、上母型によって支持され、
前記胴型内に挿入した前記上型は、前記上母型によってプレス軸方向の移動が規制されない状態で当該胴型によって支持され、
前記下型は、前記上型と同軸状態となるように、下母型によって支持され、
前記胴型および前記下型には、前記下母型を前記上母型に対してプレス軸方向に相対的に接近させると、プレス軸方向から相互に当接可能な胴型側当接面および下型側当接面がそれぞれ形成されており、
前記胴型にガラス素材を載せた前記下型を挿入すると、前記下型の成形面に載せた前記ガラス素材によって前記上型が前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に押し上げられる状態が形成されるようになっており、
前記上型を押圧するための上型押圧手段は、これら胴型側当接面および下型側当接面が当接した後に前記上型を押圧するようになっていることを特徴としている。
ここで、胴型の端面と上型の端面を同一平面上もしくは胴型の端面よりもわずかに低い位置に位置させておけば、胴型にガラス素材を載せた下型を挿入すると、前記下型の成形面に載せた前記ガラス素材によって前記上型の端面が胴型の端面よりもプレス軸方向に押し上げられた状態を形成することができる。その際、ガラス素材にはプレス荷重がかからないため、ガラス素材は実質的に変形しない。したがって、前記上型押圧手段の押圧面を、前記上型の端面および前記胴型の端面を押圧可能な大きさの平坦面としておけば、前記上型を押圧して胴型に押し込むと、前記胴型も前記上型押圧手段によって同時に下方に押圧された状態になる。この結果、胴型および下型の間では、胴型側当接面が下型側当接面に押し付けられて、これらの相対位置が規定される。これにより、上型、下型および胴型の3部品が相対的に位置決めされた状態が確保される。
次に、前記胴型をプレス軸方向に沿って下型側に付勢している付勢手段を配置しておけば、胴型に下型が挿入されて胴型側当接面と下型側当接面の当接状態が形成された後は、付勢手段の付勢力によって当該当接状態が確実に保持される。
また、前記下母型を前記上母型に対して相対的に上昇させて前記胴型側当接面および前記下型側当接面が当接した後に、前記上母型および前記下母型を当接させるようにすることが望ましい。このようにすれば、上下の母型の位置が固定された状態でプレス成形を行うことができる。
次に、生産性を高めるために前記成形型を複数組配置した場合には、各成形型に前記上型押圧手段をそれぞれ配置し、各上型押圧手段により各成形型の上型を個別に押圧することが望ましい。各成形型の高さにバラツキがあった場合においても、各成形型において一定の肉厚のガラス成形品を高精度で同時生産することができる。
本発明を適用した実施の形態1に係るモールドプレス成形装置の概略構成図である。 図1のモールドプレス成形装置の成形動作を示す動作説明図であり、ガラス素材の供給時点の状態を示す。 図1のモールドプレス成形装置の成形動作を示す動作説明図であり、胴型に下型が組み込まれた状態を示す。 図1のモールドプレス成形装置の成形動作を示す動作説明図であり、プレス状態を示す。 図1のモールドプレス成形装置の成形動作を示す動作説明図であり、プレス終了時点の状態を示す。 本発明を適用した実施の形態2に係るモールドプレス成形装置の概略構成図である。 本発明を適用した実施の形態3に係るモールドプレス成形装置の概略構成図である。 図1のモールドプレス成形装置と従来構成の成形装置により成形した成形品のティルトとシフトに関する評価グラフである。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したモールドプレス成形装置の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1にかかるモールドプレス成形装置の概略断面図であり、図2〜図5はその動作を示す動作説明図である。モールドプレス成形装置1は、そのプレス軸方向1aが上下方向となるように配置されている。したがって、以下の説明ではプレス軸方向1aを上下方向として説明する。
(主要部の構造)
実施の形態1に係るモールドプレス成形装置1は、それぞれの成形面2a、3aが対向配置された上型2および下型3と、円筒状の胴型4とを備えている。胴型4は、プレス軸方向1a(上下方向)に移動可能な状態で、上母型5に支持されている。胴型4内には、上側から上型2が挿入されており、当該上型2は上下方向に移動可能な状態で当該胴型4によって支持されている。胴型4の下方には、上型2と同軸状態となるように下型3が配置されており、下型3は下母型6によって支持されている。
上型2の真上には当該上型2を下方にプレスするための上型押圧手段7が配置されている。また、上母型5は支持部材8を介してプレス装置の筐体100の側に固定されている。一方、下型3を支持している下母型6は下型支持手段9によって支持されており、下型支持手段9は上下方向(プレス軸方向1a)に昇降可能となっている。
これら主要部の構造を詳しく説明する。まず、支持部材8および上母型5には同軸状に中心穴8a、5aが形成されており、この中を上型押圧手段7のプレスヘッド7aが昇降可能である。上母型5の中心穴5aの下端部分は小径内周面5bとされ、ここを通って胴型4の下側部分が上母型5の下端面5cから下方に突出している。胴型4は、その円形外周面4aに形成した大径のフランジ部4bが上母型5の小径内周面5bの上側に形成されている上向きの円環状段面5dに当接している。胴型4の円形外周面4aと上母型5の小径内周面5bとの間には所定のクリアランスが設けられており、胴型4の水平方向(プレス軸方向1aに直交する方向)へのわずかな移動を許容している。
本実施の形態では、上母型5の中心穴5aの内周面に沿って配置した圧縮コイルばね11によって、胴型4のフランジ部4bが上母型5の円環状段面5dに付勢された状態に保持されている。この圧縮コイルばね11を省略することも可能である。
胴型4は、その軸線方向の両側に形成された円形の内周面部分4c、4dと、これらの間に形成された円形の小径内周面部分4eとを備えており、上側の内周面部分4cと小径内周面部分4eの間には上向きの円環状段面4fが形成されている。胴型4に上側から挿入されている上型2は、先端面が成形面2aとなっている上型本体部分2bと、この後端に形成された大径のフランジ部2cとを備えており、上型本体部分2bとフランジ部2cの間には下向きの円環状段面2dが形成されている。上型2の上型本体部分2bが胴型4の小径内周面部分4eに移動可能に挿入され、その円環状段面2dが胴型4の円環状段面4fに上側から当接している。この状態においては、上型2の上端面2eは、胴型4の上端面4gと同一平面上に位置している。なお、上型2の上端面2eを胴型4の上端面4gよりも数10μm〜数mm程度低くなるようにしても良い。また、上型2と胴型4の間には所定のクリアランス(例えば、1〜5μm)が設けられており、これらは相対的に水平方向にわずかな移動が可能である。
下型3は、上端面に成形面3aが形成されている下型本体部分3bと、この下端側に形成された大径のフランジ部3cとを備えており、これら下型本体部3bおよびフランジ部3cの間には上向きの円環状段面3dが形成されている。この形状の下型3は、下母型6に形成した型装着穴6aにプレス軸方向1aの移動が拘束された状態で装着されている。型装着穴6aの開口側の円形内周面6bと、下型3の下型本体部分3bの外周面3eとの間には円環状凹部12が形成されており、ここには、胴型4の下側部分を、その下端面4hが円環状段面3dに当接するまで挿入可能である。下型3のフランジ部3cと、これを取り囲んでいる下母型6の内周面部分6cとの間には所定のクリアランスが設けられており、下型3は下母型6に対して水平方向に僅かに移動が可能である。
次に、上型押圧手段7は、プレスヘッド7aを駆動するためのサーボモータ、油圧シリンダ、エアシリンダ等からなる駆動手段(不図示)を備えている。プレスヘッド7aのプレス面7bは円形の平坦面であり、上型2の上端面2eよりも一回り大きく、胴型4の上端面4gにも当接可能となっている。下型支持手段9は、下型3が装着されている下母型6を支持している支持部9aと、この支持部9aをプレス軸方向1aに沿って昇降する昇降機構(図示せず)とを備えている。
上母型5および下母型6の周囲には、これら上母型5および下母型6、したがって、それらによって支持されている上型2、下型3、胴型4を加熱する加熱手段13が配置されている。この加熱手段13は、高周波加熱コイル、赤外線ランプヒータ、抵抗加熱コイル等任意の加熱手段とすることができる。
なお、上型2、下型3、胴型4の素材としては、例えば、炭化珪素、珪素、炭化タングステン、酸化アルミニウムや炭化チタンのサーメット等を用いることができる。これらの素材からなる型の表面に、ダイヤモンド、耐熱金属、貴金属合金、炭化物、窒化物、硼化物、酸化物などの離型膜を被覆してもよい。特に、炭化珪素焼結体上にCVD法により炭化珪素膜を形成して、仕上がり形状に加工した後に、ガラス素材と成形面との離型性を向上させるために、例えば、炭素系膜を成形面に形成することが望ましい。上母型5および下母型6の素材としては、超硬合金、炭化タングステン、タングステン合金、窒化珪素等のような加熱手段13によって効率的に加熱されやすい材料を用いることができる。
(成形動作)
図1〜図5を参照してモールドプレス成形装置1によるガラス素材のモールドプレス成形動作を説明する。
まず、図1に示す待機状態において加熱手段13によって上型2、下型3および胴型4を含む成形型を予熱する。次に、図2に示すように、下型支持手段9を下降させて上下型2、3を大きく離し、この状態で両凸曲面形状に予備成形したガラス素材PFを下型3の成形面3a上に供給する。ガラス素材PFの供給に際しては、任意の搬送治具を用いて、下型3上にガラス素材PFを搬送し、配置することができる。
このとき、ガラス素材PFは、プレス成形に適した粘度に予め予熱されていることが好ましい。例えば、粘度で10〜1010dPa・s相当の温度に予熱しておくことが好ましい。また、上下型2、3も、例えば、プレス成形の対象とするガラス素材PFの粘度で10〜1012dPa・s相当の所定温度に予熱しておくことが好ましい。さらに、ガラス素材PFの予熱温度は、上下型2、3の予熱温度より高いことが好ましい。このような温度条件を充足すると、成形サイクルタイムが短く、また、成形するレンズの面精度も良好であり、量産上極めて有利である。
ガラス素材PFの搬送、供給方法に特に限定は無い。ただし、ガラス素材PFを上記のように予熱した場合、ガラス素材PFの搬送時に、搬送治具との接触によって表面欠陥が生じることがあるため、ガスによって搬送治具上でガラス素材PFを浮上させ、実質的に治具との非接触状態を維持して搬送、供給することが好ましい。
次に、図3に示すように、下型支持手段9を上昇させて、上母型5と下母型6とを接近させる。図3は上母型5の下端面5cと下母型6の上端面6dとが当接しきった状態を示している。
両母型5、6が接近する過程では、胴型4内に下型3の下型本体部分3bが挿入される。胴型4の下端面4hの内周縁にはテーパー面4iが形成されているため、胴型4と下型3の軸心が多少ずれていても、このテーパー面4iにガイドされながら、下型3が水平方向にスライドして胴型4内に下側から挿入される。なお、胴型4と下型3のクリアランス(ラジアルギャップ)は1μm〜5μm程度に設定されている。
さらに、下型3が上昇すると、圧縮コイルばね11よって下方に付勢されている胴型4の下端面4h(胴型側当接面)が下型3のフランジ部3cの円環状段面3d(下型側当接面)に当接する。この時点では、まだ上母型5と下母型6とは当接していない。胴型4の下端面4hが下型3の円環状段面3dに上側から当接することにより、これら胴型4と下型3が傾き無く位置決めされた状態が形成される。
この後は、下型3が上昇するにしたがって胴型4は上方に押し上げられるが、圧縮コイルばね11の付勢力により下型3を下母型6の側に押さえ付ける力が徐々に増加する。これにより下型3と胴型4の位置が保持される。
また、下型3の成形面3aに載せたガラス素材PFは上型2の成形面2aに当接した後は上型2を押し上げる。このとき、ガラス素材PFは加熱軟化された状態にあるが、上型2には圧力がかかっておらず、上方への移動を規制する部材もないため、上型2の自重のみがガラス素材PFに作用する。しかしながら、ガラス素材PFは上型2の自重程度ではほとんど変形しない粘度にあるため、下型3の上昇に伴い上型2が押し上げられる。
圧縮コイルばね11が収縮しきる前に上母型5と下母型6が当接し、この時点で、下型支持手段9の上昇が停止する。なお、この時点においても、上型押圧手段7のプレスヘッド7aのプレス面7bは、押し上げられた上型2の上端面2eよりも上方に位置しており、上型2には接触していない。
このように、胴型4に下型3を挿入して組み込む下型組込工程においては、上型2が上下動可能に胴型4内に挿入され、胴型4が上母型5に対して(ばね力で付勢されてはいるものの)上下動可能に支持されている。よって、下型3が胴型4内に挿入されるに際し、上下型2、3および胴型4に無理な力が加わらず同軸状態となる。よって、胴型4および下型3に擦れやかじりが生ずることなく、型閉めが行われる。
次に、上型押圧手段7によるプレス動作が開始する。図4は上型押圧手段7により上型2を押圧してガラス素材PFをプレス成形する初期の動作説明図であり、図5はプレス成形終了時点の動作説明図である。
まず、図4において、上母型5と下母型6が当接し、かつ胴型4の下端面4hが下型3のフランジ部3cの円環状段面3dに当接した状態で、上型押圧手段7により上型2を押圧する。
上型押圧手段7のプレスヘッド7aのプレス面7bは、先に述べたように、上型2の上端面2eよりも大きく、胴型4の上端面4gの外径と同等もしくはそれ以下に設定されている。プレス成形初期の段階では、上型2が胴型4の上端面4gから上方に突出しているため、上型押圧手段7は上型2の上端面2eにのみ当接し、当該上型2のみを押圧する。上型押圧手段7によるプレス圧は、たとえば数kgf〜数百kgfとすることができる。このとき、下型支持手段9は、移動動作は停止しているものの、上型押圧手段7の荷重を受けて上母型5と下母型6が離間しないように、所定の圧力で下母型6を支持している。
上型押圧手段7により上型2を押圧し続け、やがて上型2の上端面2eが胴型4の上端面4gと同一高さ位置になると、図5に示すように、上型押圧手段7のプレス面7bは胴型4の上端面4gにも接触し、上型2と共に胴型4を下型3に向けて所定の荷重で押圧する。この結果、プレス成形終了時点では、胴型4が下型3に押し付けられ、すなわち、胴型4の下端面4hが下型3のフランジ部3cの円環状段面3dに上側から押し付けられ、それらの相対位置が保持される。よって、上下型2、3および胴型4の同軸状態を維持しながらプレス成形が行われるため、偏心の極めて少ない高精度の成形品を成形することができる。
次に、図5の状態において、加熱手段13による加熱を停止するとともに、冷却ガスを両母型5、6内に流入すると共に外からも吹き付けて、成形型2、3、4および成形体Pを冷却する。そして、成形型2、3、4の温度がガラスの転移点以下になったところで、下型3を下降して離型し、成形体P(光学ガラス)を搬出可能とする。
なお、プレス成形対象の光学ガラスの形状については、特に制限はなく、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凹レンズなどの成形を行うことができる。成形体Pの大きさについても特に制限はないが、一般には直径2mm程度から40mm程度のものを成形できる。2mm以下の場合にはガラス素材が冷え易いので、割れ易くなり、40mm以上では成形に時間を要すると共に、良好な面を得ることが著しく困難となるからである。さらに、光学ガラスの形状は球面、非球面、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
[実施の形態2]
図6は、複数組の成形型を用いて同時に複数のガラス成形体をプレス成形するモールドプレス成形装置の実施の形態2を示す概略構成図である。
実施の形態2に係るモールドプレス成形装置1Aの基本的な装置構造は、上述の実施の形態1に係るモールドプレス成形装置1と同様であるので詳細な説明は省略する。
実施の形態2では、共通の上母型5Aおよび下母型6Aで複数組、例えば2組の成形型21(2(1)、3(1)、4(1))および22(2(2)、3(2)、4(2))を支持し、各成形型21、22に対応して、個別に上型2(1)、2(2)を押圧する上型押圧手段7(1)、7(2)を設置してある。
かかる構成のモールドプレス成形装置1Aを用いることにより、高精度の光学素子を効率的に製造することができる。すなわち、各成形型21、22の高さにバラツキがあった場合においても、各成形型21、22において一定の肉厚のガラス成形品を高精度で同時生産することができる。また、プレス成形中の加圧速度、荷重の大きさ、圧力タイミングを各成形型21、22について任意に設定することができ、各成形型21、22に最適なプレス成形条件を設定して、偏心精度の良好な成形品を同時生産することができる。
[実施の形態3]
図7は、実施の形態3に係るモールドプレス成形装置の概略構成図であり、このモールドプレス成形装置1Bの基本的な装置構造は、上述の実施の形態1に係るモールドプレス成形装置と同様であるので、詳細な説明は省略する。
実施の形態3では、胴型40は上母型5の中心穴5a内に配置され、所定の範囲内でプレス軸方向1a(上下方向)に移動可能な状態で、上母型5に支持されている。すなわち、胴型40の端部41と上母型5との間にはプレス軸方向1aに所定寸法(数百μm〜数mm)の隙間が設けられ、この範囲内で胴型40は移動可能な状態にある。換言すれば、胴型40は上母型5によってプレス軸方向1aの移動範囲を規制されている。このように構成することで、上下母型5、6を相対的に接近させて胴型40内に下型3を挿入する際、上下型2、3に極端な軸心ずれが生じた場合であっても、胴型40を必要以上に上方に押し上げてプレスヘッド7aを破壊するようなトラブルが生じることを未然に防止できる。
なお、胴型40は所定寸法の範囲でプレス軸方向1aに移動可能であり、かつ上型2も上母型5に対してフリーな状態で保持されているので、胴型40内に下型3を挿入する際、上型2や胴型40がプレス軸方向に移動して、これらの型間にかじりや擦れを生ずることなく、胴型40、上型2、下型3の軸ずれや傾きが補正された状態で組み付けられる。
また、実施の形態3では、上型2に胴型40の端部41を押圧可能な大きさのフランジ部2cを設けてある。ガラス素材PFを載せた下型3を胴型40に挿入したとき、ガラス素材PFが下型3の成形面と上型2の成形面とに接触した状態で、上型2がプレス軸方向1aの上側に押し上げられ、上型2のフランジ部2cと胴型40の端部41とが離間した状態が形成される。図7は、このときの状態を表している。
しかる後、上型押圧手段7(プレスヘッド7a)によって上型2のフランジ部2cを押圧し、フランジ部2cが胴型40の端部41に当接するまで荷重を加え続ける。この当接によって、ガラス成形体の肉厚を均一に制御できる。また、フランジ部2cが胴型40の端部41に当接した状態でさらに上型2を押圧し続けることで、胴型40が下型3を押し、上型2、胴型40、下型3が一体となるように型閉めが行われる。したがって、高精度のガラス成形体(光学素子)を安定して製造することができる。
[各実施形態の効果]
以上説明したように、上記各実施の形態では、ガラス素材を上下型および胴型を用いてプレス成形するにあたり、胴型内に下型を挿入して成形型を組み立て、ガラス素材に荷重を加える前までは、上型を上母型に対して移動可能な状態に保持でき、プレス成形開始後は、上下型および胴型が正しい姿勢に維持しながらプレス成形を行うことができる。また、上型は上母型に対してフリーな状態で保持されているので、上母型が固定されているプレス装置の筐体などの変位に起因する偏心精度の悪化がなく、また、成形体の肉厚の変化を生じることがない。
したがって、装置の高温化や元来の装置設計公差などに起因する上下軸のずれや傾きがある場合でも、プレス成形時に上下型および胴型間に擦れやかじりが発生せず、偏心が極めて少ない高精度のガラス成形体を製造できる。
また、プレス終了時点で、胴型が下型に対してプレス荷重により上側から押し付けられるようにした場合には、予め下型と胴型の直角度等を高精度に仕上げておけば、胴型と下型との相対位置が変化せず、常に安定して偏心精度の良好な成形品を得られる。
さらに、複数組の成形型により複数の成形体を同時にプレス成形する場合において、成形型と上型押圧手段が1対1に対応するように構成すれば、プレス成形中の加圧速度、荷重の大きさ、圧力タイミングを各成形型について任意に設定することができる。よって、各成形型に最適なプレス成形条件を設定して、偏心精度の良好な成形品を同時生産することができる。
図1のモールドプレス成形装置1を用いて、片面が非球面の凹メニスカスレンズ(径12.8mm、中心厚2.0mm)を成形した。成形用のガラスプリフォーム(ガラス素材PF)は、転移点温度Tgが500℃、屈伏点温度Tsが540℃であるバリウム硼珪酸塩系ガラスを予め両凸曲面形状に熱間成形したものであり、その表面に炭素系膜をつけたものを使用した。上型2、下型3及び両者を規制する円筒状の胴型4から構成されている成形型は炭化珪素(SiC)製であり、上型2と下型3の成形面2a、3aには炭素系離型膜を施してある。
ガラスプリフォームを610℃に予熱し、成形型2、3の予熱温度を580℃として、予熱されたガラスプリフォームを下型3の成形面3aに落下供給した後、直ちに下型3を、位置制御を繰り返しながら上昇させ上型2に近接させた。
下型3が胴型4内に挿入され、下母型6と上母型5が当接した時点で下型3の上昇を停止し、上型押圧手段7を降下して上型2を押圧することにより、ガラスプリフォームをプレス成形した。プレス開始から約数秒後、上型押圧手段7が胴型4の上端面4gに当接するまで押し切った。
上型押圧手段7により胴型4に荷重をかけた状態で80℃/minで冷却した。冷却の過程でガラスの収縮に追従して上型2が上型押圧手段7から離間し、上型自重がガラスにかかる状態が維持された。成形型2、3、4の温度が480℃になった時点で下型3を下降させ成形されたレンズを取り出した。
以上のようなプレス成形を100回繰り返し、得られた凹メニスカスレンズの中から20個サンプリングし、各レンズのティルトとシフトを測定した。その結果を図8に示す評価グラフに黒丸で示してある。ティルトは平均0.63分、最大1.1分であり、シフトは平均2.8μm、最大5.0μmであり、いずれも高精度で基準値を満たしていた。また、成形されたレンズの中心肉厚は予定寸法2.0mmに対していずれも±10μm以内にあり、基準値を満たしていた。
[比較例]
特許文献2の成形装置を用いて、上記実施例と同様のレンズを成形した。成形部とガラス素材の温度条件も上記実施例と同様とした。比較例によって得られた100個の凹メニスカスレンズの中から20個サンプリングし、各レンズのティルトとシフトを測定した。その結果を図8の評価グラフにベタ黒の三角で示してある。ティルトは平均1.61分、最大1.94分であり、シフトは平均7.8μm、最大11.2μmであり、いずれも上記実施例と比較してティルト、シフトともに精度が悪化していた。また、中心肉厚は予定寸法2.0mmに対していずれも±18μm以内にあり、基準値を満たしていたものの、上記実施例と比較して肉厚精度も劣っていた。

Claims (12)

  1. 成形面を有する上型及び下型と、これら上型及び下型を挿入して両者の軸ずれを規制する胴型とを含む成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形するガラス成形体の製造方法において、
    上母型によって前記胴型を支持し、この胴型内に挿入した前記上型を、前記上母型によってプレス軸方向の移動が規制されない状態で当該胴型によって支持し、前記上型をプレスするための上型押圧手段を配置し、前記上型と同軸状態となるように下母型によって前記下型を支持しておき、
    前記ガラス素材を前記下型の成形面に供給し、
    前記下母型を前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に接近させ、当該下母型に支持されている前記下型を前記胴型内に挿入して、前記下型の成形面に載せた前記ガラス素材が当該下型の成形面と前記上型の成形面の間に挟まれた状態を形成し、
    この状態で、前記下母型を前記上母型に対して更に相対的にプレス軸方向に接近させることにより、前記上型を前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に押し上げると共に、前記胴型の胴型側当接面を前記下型の下型側当接面にプレス軸方向から当接させた状態を形成し
    記下母型の前記上母型に対する相対的な移動を止めた後に、前記上型押圧手段によって前記上型を押圧して、前記ガラス素材を変形させて前記上型及び前記下型の各成形面形状に対応する光学機能面を有するガラス光学素子を製造することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記下母型を前記上母型に対して相対的に移動させる動作を、前記胴型を前記下型に当接させた状態が形成された後に、前記下母型が前記上母型に当接するまで行い、
    これら下母型および上母型が当接した状態で、前記上型押圧手段により前記上型を押圧することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記上型を押圧する工程の終了時点において、前記上型押圧手段によって前記上型と共に前記胴型を押圧して、当該胴型を前記下型に対してプレス軸方向に押し付けた状態を形成することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  4. 請求項1に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記胴型をプレス軸方向に沿って前記下型の側に所定の力で付勢した状態に保持することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  5. 請求項に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記上型は前記胴型の端部を押圧可能な大きさのフランジ部を有し、
    前記ガラス素材を載せた前記下型を前記胴型に挿入したとき、前記フランジ部と前記胴型の端部とが離間した状態が形成され、
    しかる後、前記上型押圧手段によって前記フランジ部を押圧することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  6. 請求項1に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記ガラス素材を前記下型の成形面に供給する工程では、
    10〜1010dPa・sの粘度に相当する温度に加熱した前記ガラス素材を、当該ガラス素材が10〜1012dPa・sの粘度となる温度に相当する温度に予熱された前記下型上に供給することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  7. 請求項1ないしのうちのいずれかの項に記載のガラス成形体の製造方法において、
    前記成形型を複数組配置しておき、
    各成形型における前記上型を押圧する工程では、
    各成形型にそれぞれ配置した個別の上型押圧手段を用いて各上型を個別に押圧することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  8. 成形面を有する上型及び下型と、これら上型及び下型を挿入して両者の軸ずれを規制する胴型とを含む成形型を備え、加熱軟化したガラス素材を当該成形型に供給してプレス成形するモールドプレス成形装置において、
    前記胴型は、上母型によって支持され、
    前記胴型内に挿入した前記上型は、前記上母型によってプレス軸方向の移動が規制されない状態で当該胴型によって支持され、
    前記下型は、前記上型と同軸状態となるように、下母型によって支持され、
    前記胴型および前記下型には、前記下母型を前記上母型に対してプレス軸方向に相対的に接近させると、プレス軸方向から相互に当接可能な胴型側当接面および下型側当接面がそれぞれ形成されており、
    前記胴型にガラス素材を載せた前記下型を挿入すると、前記下型の成形面に載せた前記ガラス素材によって前記上型が前記上母型に対して相対的にプレス軸方向に押し上げられる状態が形成されるようになっており、
    前記上型を押圧するための上型押圧手段は、前記胴型側当接面および前記下型側当接面が当接した後に前記上型を押圧することを特徴とするモールドプレス成形装置。
  9. 請求項に記載のモールドプレス成形装置において、
    前記上型押圧手段によって押圧される前記上型の端面は胴型の端面と同一平面上もしくは前記胴型の端面よりも低い位置に位置しており
    記上型押圧手段の押圧面は、前記上型の端面および前記胴型の端面を押圧可能な大きさの平坦面であることを特徴とするモールドプレス成形装置。
  10. 請求項に記載のモールドプレス成形装置において、
    前記胴型をプレス軸方向に沿って前記下型の側に付勢している付勢手段が配置されていることを特徴とするモールドプレス成形装置。
  11. 請求項に記載のモールドプレス成形装置において、
    前記下母型を前記上母型に対して相対的に接近させて前記胴型側当接面および前記下型側当接面が当接した後に、前記上母型および前記下母型の当接状態が形成されることを特徴とするモールドプレス成形装置。
  12. 請求項ないし11のうちのいずれかの項に記載のモールドプレス成形装置において、
    前記成形型が複数組配置され、
    各成形型に前記上型押圧手段がそれぞれ配置され、
    各上型押圧手段により各成形型の上型が個別に押圧されることを特徴とするモールドプレス成形装置。
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