JP5059019B2 - モールドプレス成形型、及び成形体の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形型、及び成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、任意形状の成形面を有する一対の型と、これらの型が互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入される胴型とを備えた、ガラスなどの成形素材をプレス成形するためのモールドプレス成形型に関し、特に、型閉め時における型の偏心(シフト[shift]及びティルト[tilt])を防止して、光学素子などのような高い形状精度が要求される成形体をプレス成形することができるモールドプレス成形型、及びそのようなモールドプレス成形型を用いた成形体の製造方法に関する。
ガラス素材を用いて非球面レンズなどの光学素子を製造する方法として、得ようとする成形体の形状に対応した、互いに対向する成形面を有する一対の型によって、加熱して軟化状態とした成形素材をプレス成形し、これらの型の成形面を転写するモールドプレス法が知られている。
また、モールドプレス法を実施するために用いる成形型の成形面の高温劣化を防止し、成形サイクルタイムを短縮化するために、成形型と成形素材とをそれぞれ別々に予熱し、予熱された成形素材を成形型に導入して直ちにプレス成形を行う方法が知られている。
これらの方法は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された方法では、ガラス素材及び成形型を予熱しておくことにより、ガラス素材を下型に供給後、直ちに上下型の型閉めを開始してプレス成形を行っている。そして、成形型をガラス転移点以下まで冷却し、型開きを行ってガラス成形体を取り出すようにしている。このような方法によれば、サイクルタイムを短縮して生産性を維持しつつ、面精度の優れたガラス成形体の成形が可能である。
ここで、上下型が精度良く同軸状となるように、胴型と、これによってガイドされる上下型との摺動面とのクリアランスは狭く設定される。このため、プレス成型の際の型閉め時に、胴型と、上下型との摺動部分に擦れやかじりが発生し、適正なプレス動作が阻害されるおそれがある。
特許文献2には、一対の型の一方を、型閉め・型開き方向に直交する方向に摺動可能にし、その摺動抵抗を低減するために、下型と下型支持台との摺動面に潤滑処理を施した成形型が開示されている。このような構成により、型閉め時に、下型が胴型に挿入される際、下型が水平方向に容易に移動し、上型と同軸状態になるように位置が補正される。このため、上下型や胴型に無理な力が作用することを防止でき、これらの間に擦れやかじりが生ずることも回避できるとされている。
特開平11−171564号公報 特開2006−83026号公報
現在、小型撮像機器や、光ピックアップなどに用いられる光学素子は、光学的な要求性能が非常に高い。モールドプレスにより、かかる要求を満す成形体を製造するためには、上下型の偏心精度、すなわち、同軸性が良く相対的な傾きが少ないことを、連続プレス工程の間を通じて極めて高く維持することが求められる。例えば、上型と下型との相互の水平方向のズレ(シフト)は、10μm以内、好ましくは、5μm以内、相互の倒れ角(ティルト)は、5分以内、好ましくは、2分以内であることが要求される。
したがって、胴型と上下型と間に許容されるクリアランスは、最大でも10μm以下となり、この状況下で確実に上下型の接近が連続的に行われなくてはならない。
しかしながら、このような狭いクリアランスでの摺動を維持して、数百〜数万回もの連続プレスを行うことは一般に困難である。特に、特許文献1に開示されている方法では、型開き状態の成形型を予熱し、予熱状態で型閉めを行うので、上下型の同軸性を保持することが一層困難である。すなわち、上型及び下型は、それぞれ支持部材によって支持され、いずれか一方が、上下動可能となるよう、型閉め機構の主軸に固定されている。この状態で上型と下型をそれぞれ、プレス成形に適した温度となるまで予熱すると、上下型の支持部材がそれぞれ熱膨張して熱変形する。例えば、成形素材がガラスの場合には、400℃〜900℃の高温となるように予熱されるので、このような状態で、上下型の偏心精度を高く維持しつつ、数百〜数万回の連続プレスを行うことは極めて困難である。
さらに、生産効率を向上するためには、特許文献1に開示されているように、上型と下型を複数支持し、同時に複数のプレス成形を行うことが望ましい。
しかしながら、このような装置を用いると、上下型は、支持部材などの熱変形により、それぞれ僅かに位置変位する。この変位量は、各型の、プレス主軸との距離によっても異なり、また、成形素材の種類によって選択されるプレス温度によっても異なる。さらに、それぞれ単一の上型支持部材、下型支持部材に複数の上型、下型を支持させれば、上下の支持部材は単一の型を支持している支持部材よりも寸法が大きいので、熱変形も大きい。このため、そこに配置された複数の上型、下型のそれぞれが、正確に軸を一致させた状態で接近、密着する状態を、連続プレス工程を通じて維持することは困難を極める。
モールドプレス成形において、成形型の同軸性が精度良く維持されていないと、下型と胴型の間に擦れやかじりが生ずる。プレス時には大きな荷重が作用するので、擦れやかじりが発生すると、成形体にかかるべき荷重が胴型、下型間に吸収され、プレス圧力が成形体に不均一に作用し、偏心精度、面精度、肉厚精度の劣化や、胴型、下型の破損などが生じる。
また、擦れやかじりによって生じた磨耗粉が成形体に付着すると、成形体は外観不良となる。さらに、こうした擦れやかじりが発生すると、胴型と下型間のクリアランスが所定範囲を超え、結果として胴型による下型の位置規制が緩くなる。これは、上型と下型の同軸性が失われることを意味し、上型と下型間の水平方向のズレ(シフト)や、上型と下型の相対的な傾き(倒れ)が生じる。特に、成形体が光学素子である場合には、深刻な性能劣化となる。
ここで、特許文献2では、下型と下型支持部材との摺動面に潤滑処理を施して下型の水平移動を容易にし、胴型と下型の擦れやかじりを防止している。
しかしながら、プレス成形毎に下型と下型支持部材との摺動面で摺動が繰り返されるため、プレス成形の回数が増加するにつれて、この摺動面が劣化、摩耗し、定期的に潤滑処理を行わなければならない。また、胴型に下型が挿入される際、確かに摺動面への潤滑処理により下型の水平移動は容易になるが、下型と下型支持部材とが面接触しているため、水平移動のために必要な初期のモーメントが比較的大きくなり、必ずしも下型の水平移動を円滑に行えないこともある。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、成形体を高精度でプレス成形するために、型保持部材に対する成形型の水平移動を極めて容易にすることで、上下型の偏心精度を良好に維持し、以って高精度の成形体を安定して生産することができるモールドプレス成形型及びそのような成形型を用いた成形体の製造方法の提供を目的とする。
本発明のモールドプレス成形型は、任意形状の成形面を有する第一及び第二の型と、前記第一及び第二の型が、互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入される胴型と、前記第一の型を水平方向に移動可能に保持する第一の型保持部材と、前記第一の型と前記第一の型保持部材との間に配設され、前記第一の型の水平方向への移動に伴って転動する複数の転動部材と、を備えた構成としてある。
このような構成とした本発明に係るモールドプレス成形型によれば、第一の型と第一の型保持部材との間に複数の転動部材を配設することにより、第一の型の水平方向への移動が、微小な初期モーメントが生じても円滑になされるようにすることができる。このため、プレス成形動作が開始され、第一の型が胴型内に挿入される際に、第一の型の軸心が、第二の型及び胴型の軸心と一致していなくても、第一の型は、胴型内に挿入されながら水平方向に円滑に移動し、これによって、第一の型や胴型に無理な力が及ぼされることなく、第一の型が、第二の型及び胴型と同軸となる位置に誘導される。したがって、第一の型及び第二の型と胴型とのクリアランスを数ミクロン程度に設定しても、確実に第一の型及び/又は第二の型が胴型内にスムーズに挿入され、第一及び第二の型の同軸性を高度に確保することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型は、前記第一の型が挿入される側の前記胴型の開口部内周面に、テーパー状に拡径するガイド部が形成され、前記ガイド部は、前記第一の型が前記胴型に挿入されるときに、前記第一の型に当接して、前記第一の型が前記第二の型と同軸状になるように案内する構成とすることができる。
このような構成とすれば、胴型内への第一の型の挿入が妨げられることなく、ガイド部にガイドされながら第一の型が胴型内にスムーズに挿入されるとともに、第一の型の水平移動が促されるようにすることができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型において、前記転動部材は、直径が均一な球状部材とした構成とすることができる。
このような構成とすれば、第一の型と第一の型保持部材との間に配設された直径が均一な球状部材が、両者に点接触した状態で、第一の型の円滑な水平移動を促進するので、第一の型を胴型内にスムーズに挿入することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型において、前記転動部材は、プレス成形温度における曲げ強さが300MPa以上のセラミックスからなる構成とすることができる。
このような構成とすれば、光学ガラスなどの成形素材をプレス成形するにあたり、転動部材は、高温下でプレス荷重を受けても変形や摩耗・劣化が生じない強度を有するため、長時間にわたり精度の高いモールドプレス成形を維持することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型において、前記転動部材は、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、又はアルミナのうち何れかからなる構成としてある。
このような構成とすれば、上記素材からなる転動部材は、いずれも高温時における強度(曲げ強度)、硬さ(ビッカース硬さ)に優れるため、長時間にわたり精度の高いモールドプレス成形を維持することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型は、前記転動部材を介して対向する前記第一の型と前記第一の型保持部材との少なくとも一方の面に、前記転動部材を収容する凹陥部を形成した構成とすることができる。
このような構成とすれば、凹陥部に転動部材が収容されるようにすることで、成形型を組み立てる際などに、転動部材が脱落してしまうのを防止することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型は、前記胴型を前記第一の型に向けて付勢する弾性部材を備え、前記第一及び第二の型で成形素材をプレス成形する際に、前記第一の型が挿入される側の前記胴型の開口部端面が、前記弾性部材の付勢力によって前記第一の型の一部に押圧されるようにした構成とすることができる。
このような構成とすれば、プレス成形時に、弾性部材の付勢力によって胴型の開口部端面が第一の型に押し付けられて、第一の型と胴型との位置関係、特に、同軸度が正しく規定され、偏心精度の優れた成形体を得ることができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型は、前記第一の型が成形面に凸面を有し、前記第一の型の成形面の周囲に位置して、前記第一の型の成形面上に供給された成形素材を支承する支承部材と、前記第一及び第二の型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から退避させる退避機構と、を備えた構成とすることができる。
このような構成とすれば、凹面を有するメニスカスレンズや、両凹レンズを成形する場合であっても、成形素材が中心から大幅にずれるような偏肉を生ずることなく、高精度にプレス成形することができる。
また、本発明に係るモールドプレス成形型は、前記第一の型保持部材に当接する曲面を有する介在部材を、前記第一の型保持部材と前記転動部材との間に介在させた構成とすることができる。
このような構成とすれば、胴型に対して第一の型が傾いて配置されていたとして、介在部材が、その曲面に沿って揺動しながら第一の型の傾きを修正する。したがって、第一の型は、介在部材による傾きの修正と、水平移動とにより、同軸性が高度に確保されて胴型内に挿入されるため、偏心精度(ティルト及びシフトの精度)の良好な成形体を成形することができる。
また、本発明に係る成形体の製造方法は、任意形状の成形面を有する第一及び第二の型と、前記第一及び第二の型が、互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入されるとともに、前記第一の型が挿入される側の開口部内周面にガイド部が形成された胴型と、前記第一の型を水平方向に移動可能に保持する第一の型保持部材と、前記第一の型と前記第一の型保持部材との間に配設された複数の転動部材とを備えたモールドプレス成形型と、前記第一及び第二の型の少なくとも一方を昇降させる駆動手段と、前記モールドプレス成形型を加熱する加熱手段と、を備えた成形装置を用いて、前記加熱手段によって所定温度に加熱された前記モールドプレス成形型によって成形素材をプレス成形して、前記成形面の形状を前記成形素材に転写することにより成形体を製造するにあたり、前記駆動手段によって前記第一及び第二の型の少なくとも一方を昇降させることにより前記第一の型が前記胴型に挿入されるようにし、このときに、前記第一の型が前記胴型に形成されたガイド部に当接して水平方向へ移動するのに伴って前記転動部材が転動し、前記第一の型を前記第二の型と同軸状となるように案内する方法としてある。
このような方法とすることにより、第一の型が胴型のガイド部によって水平方向へ移動するのに伴い、転動部材が転動することにより第一の型の円滑な水平移動が促進される。したがって、対向している一対の第一及び第二の型を高い精度で同軸状態に維持できるので、成形体を精度良く製造することができる。
また、本発明に係る成形体の製造方法は、より具体的には、プレス成形に先立って、前記成形素材を予熱するとともに、前記モールドプレス成形型を予熱し、この前記成形素材を予熱した前記モールドプレス成形型に供給してプレス成形を行う方法とすることができる。
このような方法とすることにより、サイクルタイムが短縮され生産効率が高く、高精度の成形体を製造することができる。
以上のように、本発明によれば、第一の型と第一の型保持部材との間に複数の転動部材を配設することにより、第一の型の水平方向への移動が円滑になされるようにすることができる。このため、プレス成形動作が開始され、第一の型が胴型内に挿入される際に、第一の型の軸心が、第二の型及び胴型の軸心と一致していなくても、第一の型は、胴型内に挿入されながら水平方向に円滑に移動し、これによって、第一の型や胴型に無理な力が及ぼされることなく、第一の型が、第二の型及び胴型と同軸となる位置に誘導されて、第一及び第二の型の同軸性を高度に確保することができる。
しかも、転動部材は、第一の型の水平方向の移動に伴って転動するため、繰り返しプレス成形を行っても摩耗することがなく耐久性が高く、偏心精度の極めて良好な成形体の連続生産が可能となる。
本発明に係るモールドプレス成形型の第一実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第一実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第一実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第二実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第三実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第四実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の第五実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型によってプレス成形をするのに好適なプレス成形装置の一例を示す概略平面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の別の実施形態の概略を示す断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型のさらに別の実施形態の概略を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[モールドプレス成形型/第一実施形態]
まず、本発明に係るモールドプレス成形型(以下、「成形型」という)の第一実施形態について説明する。
なお、図1、図2、及び図3は、本実施形態に係る成形型の概略を示す断面図である。これらの図において、図1は、型開きした成形型に光学ガラスなどからなる成形素材Gを供給した状態を示している。また、図2は、プレス成形動作の途中の状態を示しており、図3は、型閉めされた状態を示している。
本実施形態に係る成形型は、成形しようとするガラスレンズなどの光学素子(成形体)の形状をもとに、任意形状の成形面11,21が形成された、上型(第二の型)10と、下型(第一の型)20とを有している。これらの成形面11,21は、例えば、ガラスレンズの第1及び第2面を構成する球面又は非球面とすることができる。そして、互いの成形面11,21が向き合うようにして対向配置された上下型10,20が、胴型30内に挿入された状態で相互に近接することにより、上型10と下型20との間に供給された成形素材Gをプレス成形するようにしてある。
図示する例において、上型10は、胴型30とともに、上型保持部材(第二の型保持部材)15に保持されており、下型20は、下型保持部材(第一の型保持部材)25に保持されている。これらの保持部材15,25は、いずれもタングステン合金などの磁性体からなり、周囲に配置された高周波誘導加熱コイルなどの加熱手段(例えば、後述する図8に示すような型加熱装置134)などにより加熱されて、その熱が上下型10,20や胴型30に伝わるようになっている。
なお、加熱手段は、上型10や上型保持部材15を加熱する上型用加熱手段と、下型20や下型保持部材25を加熱する下型用加熱手段とを併設し、両者の加熱温度を個別に調節できるように構成することが好ましい。
また、上型保持部材15には、その上面側に固定軸40が取り付けられている。これとともに、下型保持部材25の下面側には、図示しないエアーシリンダなどからなる昇降機構を有する駆動手段に接続された駆動軸50が取り付けられている。これにより、上型10に対し、下型20が軸方向に沿って上下動するようにして、上下型10,20が相互に近接、離間するようにしているが、図示する例とは逆に、上型保持部材15に駆動軸を取り付けるとともに、下型保持部材25を固定軸に取り付けるようにしてもよい。上型保持部材15と下型保持部材25とに別々に駆動軸を取り付けて、上下型10,20の両方が軸方向に沿って上下動するようにしてもよい。
胴型30とともに上型10を保持する上型保持部材15は、上型支持台16と上母型17とを備えている。上母型17は、胴型30を同心状に取り囲む円筒形とされ、上型支持台16の下面に固定されている。
胴型30の上部側には、図示するような径方向に張り出す張り出し部31が形成されており、上母型17を上型支持台16の下面に固定するに際して、この張り出し部31が、上母型17の内周に形成された段面17aと上型支持台16の下面との間に狭持される。そして、胴型30は、張り出し部31が狭持された状態で、上型保持部材15に保持、固定されており、その水平方向及び軸方向の移動が抑止されている。
上型10は、成形面11が形成された小径部12と、成形面11より径の大きい大径部13とが同心状に配された形状とされ、胴型30内に同心状に挿入された状態で上型保持部材15に保持されている。そして、図1に示す型開き状態において、胴型30内に挿入された上型10の大径部13の下面が、胴型30の上部内周側に形成された円環状の段面30aに当接し、上型10の上面と、上型支持台16の下面との間に、隙間Sが形成されるようになっている。
したがって、上型10は、この隙間Sの分だけ胴型30内を軸方向に摺動可能とされるが、プレス成形動作がなされる間中、胴型30内に上型10が挿入された状態が維持されるため、上型10と胴型30との摺動部における水平方向のクリアランスC2は、極めて小さく(例えば、片側5μm以下、好ましくは片側2μm以下)しておくことができる。
なお、下型20が上昇して型閉めがなされる際には、下型20の成形面21上の成形素材Gが、上型10の成形面11に当接して上型10を押し上げる。これにより、上型10は、上記隙間Sの分だけ胴型30内を摺動して上型支持台16の下面に当接し、図3に示すように、上型10の大径部13と、胴型30の段面30aとの間に隙間が形成される。成形体の肉厚は、一旦ここで規定されるが、この後、冷却すると、成形体の熱収縮に追従して上型10がその自重によって僅かに下降し、上下型10,20と成形体との密着を維持したまま冷却を行うことができる。
下型20も上型10と同様に、成形面21が形成された小径部22と、成形面21より径の大きい大径部23とを同軸に配した形状となっており、下型支持台26と、この下型支持台26の上面に固定された下母型27とを備えた下型保持部材(第一の型保持部材)25に保持されている。
下母型27は、内周面の上部側が小径内周面27aとされ、下型20を下型保持部材25に保持したときに、下型20の小径部22との間に、図示するような上方に開口する円環状の挿入溝28が形成されるようになっている。プレス成形動作がなされる際に、この挿入溝28には、胴型30の下部側が挿入され、これとともに、下型20の小径部22が胴型30内に挿入される(図3参照)。
下型20の小径部22が胴型30内に挿入されると、上下型10,20のそれぞれに胴型30の内周面が接触することとなり、これによって、上下型10,20の同軸性を確保することができる。このとき、下型20の小径部22の外周面と、胴型30の下部側の内周面とのクリアランスC3が大きすぎると、上型10と下型20の軸心がずれ、ティルトやシフトなどの偏心不良を招いてしまい、上下型10,20の同軸性を確保するのが困難になる。このため、下型20の小径部22の外周面と、胴型30の下方側の内周面とのクリアランスC3は、要求される光学素子の偏心精度を考慮すると、0.5〜10μmとするのが好ましく、より好ましくは1〜5μmである。
一方、下母型27の内周面の下部側は大径内周面27bとされ、この大径内周面27bと小径内周面27aとの段差部分に形成される円環状の段面27cと、下型支持台26の上面とに挟まれるようにして、下型20の大径部23が、下母型27と下型支持台26との間に遊嵌状に保持されるようになっている。これにより、下型20の軸方向の移動範囲を規制しつつ、下型20の大径部23の外周面と、下母型27の大径内周面27bとの間に、所定のクリアランスC1を確保することで、このクリアランスC1の分だけ、下型20が水平方向(軸方向に直交する方向)に移動できるようにしてある。
そして、図示する例にあっては、下母型27と下型支持台26との間に、下型20の大径部23を遊嵌状に保持するにあたり、下型20と下型支持台26(下型保持部材25)との間には、複数の転動部材60が、下型20の水平移動に伴って転動可能となるように敷き詰められている。これによって、下型20の水平方向への移動が円滑になされるようにしてある。
ここで、転動部材60は、直径が均一な球状部材とすることが好ましい。転動部材60としては、窒化珪素(Si),炭化珪素(SiC),ジルコニア(ZrO),アルミナ(Al)等のセラミックス,又は炭化タングステン(WC)等を含むサーメット,その他の金属などの高硬度及び高耐熱性の素材によって形成された、直径0.1mm〜5mmの真球状の部材を用いることができる。また、これらの素材からなる転動部材60は、一種だけで又は複数種を混合して用いてもよい。
なお、転動部材60の形状は、真球状のほかに、円柱状、扁平球状などとしてもよいが、転動部材60の加工の容易性、高さ(直径)精度の出し易さ、転がり易さの点から、真球状のものが最も好ましい。
本実施形態に係る成形型を用いて、光学ガラスなどの成形素材Gをプレス成形する際には、成形素材Gが10〜1012dPa・sの粘度となる温度に相当する温度(400〜900℃程度)まで加熱された状態で周期的にプレス成形が繰り返され、かつ、数kg/cm〜数百kg/cmの荷重が成形型及び成形素材Gに加わる。
このとき、下型20と下型支持台26(下型保持部材25)との間に配設された複数の転動部材60にも、高温下で上記荷重が加わる。このため、転動部材60には、プレス成形温度(400〜900℃程度)において、所定の強度が要求される。一般的に圧縮強さは曲げ強さと相関があるため、プレス成形温度における曲げ強さが300MPa以上あるセラミックスを用いて転動部材60を形成すれば、高温下でプレス荷重を受けても変形や摩耗・劣化が生じることはない。逆に、プレス成形温度における曲げ強さが300MPa未満のセラミックスや金属を転動部材60として用いた場合、転動部材60が変形し、円滑な転動作用を奏することができなくなる虞がある。
上述の窒化珪素(Si),炭化珪素(SiC),ジルコニア(ZrO),アルミナ(Al)などのセラミックスは、常温での曲げ強度が400MPa以上あり、温度依存性はあるものの、プレス成形温度において300MPaの曲げ強度を有する。また、ビッカース硬さも1000HV以上あるため、光学ガラス等の成形素材Gをプレス成形する際の荷重を受けても変形や摩耗・劣化が生じることはない。
下型20と下型支持台26との間に敷き詰める転動部材60の数nは、転動部材60の中心を通る断面の面積aと、下型支持台26上で転動部材が転動可能とされた範囲の面積(図示する例では、後述する凹陥部26aの底面の面積)Aに応じて定められ、これらの間に、0.3≦a×n/A≦0.8、好ましくは、0.5≦a×n/A≦0.7の関係が成り立つようにするのが好ましい。
転動部材60の数nが上記関係に満たないと、転動部材60の配置が偏ってしまった場合などに、下型20を下型保持部材25水平に保持できなくなってしまうとともに、下型保持部材25から下型20への熱伝導が不十分になってしまい、効率よく下型20を加熱できなくなる傾向にある。一方、転動部材60の数nが上記関係を越えて多すぎてしまうと、各転動部材60が自由に転動できなくなってしまい、下型20の円滑な水平移動を阻害してしまうことがある。
また、成形型の組み立て性を考慮すると、図示するように、下型支持台26の上面に凹陥部26aを形成しておき、この凹陥部26aに転動部材60が収容されるようにするのが好ましい。このようにすることで、成形型を組み立てる際などに、転動部材60が脱落してしまうのを防止することができる。
なお、転動部材60を収容して、その脱落を防止するためには、凹陥部26aは、転動部材60を介して対向する下型20と、下型保持部材25(下型支持台26)との少なくとも一方の面に形成されていればよい。したがって、下型支持台26の上面に凹陥部26aを形成する代わりに、下型20の下面に同様の凹陥部を形成し、この凹陥部に転動部材が収容されるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態にあっては、下型20が水平方向に移動可能となるように下型保持部材25に保持するとともに、下型20と下型保持部材25との間に複数の転動部材60を敷き詰めて、下型20の水平方向への移動が円滑になされるようにすることによって、上下型10,20の同軸性が高度に確保されるようにしている。
すなわち、胴型30は、その水平方向及び軸方向の移動が抑止された状態で上型保持部材15に保持、固定されているため、図2に示すように、プレス成形動作が開始され、下型20が上昇して胴型30の下方開口部から胴型30内に挿入される際に、下型20の軸心が、上型10及び胴型30の軸心と一致していなくても、下型20は、胴型30内に挿入されながら図2中矢印で示す水平方向に円滑に移動し、これによって、下型20や胴型30に無理な力が及ぼされることなく、下型20が、上型10及び胴型30と同軸となる位置に誘導されて、上下型10,20の同軸性を高度に確保することができる。
このようにして、上下型10,20の同軸性を高度に確保するにあたり、胴型30の下部側の内周面には、下方に向かってテーパー状に拡径するガイド部32を形成しておくのが好ましい。プレス成形動作がなされる際に、このガイド部32に、下型20の小径部22の周縁部が当接するようにすれば、胴型30内への下型20の挿入が妨げられることなく、ガイド部32にガイドされながら下型20が胴型30内にスムーズに挿入されるとともに、下型20の水平移動が促される。軸方向に対するガイド部32の傾斜角度θは、45°以下であるのが好ましく、より好ましくは30°以下、さらに好ましくは10°以下である。
また、下型20は、その大径部23の外周面と、下母型27の大径内周面27bとのクリアランスC1の範囲で水平方向に移動可能となっており、このクリアランスC1の最大値が、下型20の水平方向における移動量の上限となる。このため、胴部30に形成するガイド部は、その拡径幅Wが、上記クリアランスC1よりも大きくなっているのが好ましい。
これにより、下型20の水平方向における軸ずれが最大になっていても、プレス成形動作がなされる際に、下型20の小径部22の周縁部をガイド部に当接させることができ、胴型30内への下型20の挿入や、下型20の水平移動が妨げられないようにすることができる。
ここで、下型20の水平方向の移動量は、上記したように、下型20の大径部23の外周面と、下母型27の大径内周面27bとのクリアランスC1によって規定されるが、このクリアランスC1が小さすぎると、下型20と下母型27の熱膨張差によってクリアランスが無くなってしまい、下型20の移動が阻害されてしまう場合がある。さらに、複数個取りのプレス成形をする場合に、クリアランスC1が小さすぎると、各型の位置精度の許容範囲が小さくなる上、かじりの発生や型閉め不能になるおそれもある。
逆に、クリアランスC1が大きすぎると、下型20の許容される移動範囲が過大になることから、型閉めの際に胴型30が下型20の成形面21に接触して、成形面21を傷つけてしまったり、型閉め不能になってしまったりするおそれがある。
これらのことを考慮すると、クリアランスC1は、10〜200μmであるのが好ましい。
以上のような本実施形態に係る成形型において、上型10、下型20、胴型30などに用いる素材に制限はなく、例えば、炭化ケイ素、ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化チタンなどのサーメット、又はこれらの表面にダイヤモンド、耐熱金属、貴金属合金、炭化物、窒化物、硼化物、酸化物などを被覆した硬質素材を用いることができる。また、上下型10,20の成形面11,21や、胴型30の内周面など、成形素材Gと接触する部位には、成形面との融着防止のためのコーティングを施すことができる。このようなコーティングとしては、貴金属膜、炭素膜、水素化炭素膜などとすることができ、公知の離型膜と同様の膜とすることが可能である。例えば、炭素や、炭化水素を主成分として含有する膜を、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVDなどの公知の手段を用いて、所定の膜厚で成膜することができる。
[モールドプレス成形型/第二実施形態]
次に、本発明に係る成形型の第二実施形態について説明する。
なお、図4は、本実施形態に係る成形型の概略を示す断面図であり、図4(a)は、型開きした成形型に成形素材Gを供給した状態を示している。また、図4(b)は、型閉めされた状態を示している。
本実施形態が前述した第一実施形態と異なるのは、胴型30を下型20に向けて付勢する弾性部材35を備えた点にある。このような弾性部材35としては、コイルバネなどを用いることができ、例えば、図示するように、胴型30の内周面に受け座としの段部36を形成し、この段部36と、上型10の小径部12と大径部13との段差部分に形成される断面10aとの間に、弾性部材35を装着することによって、下型20に向かって胴型30が付勢されるようにすることができる。
プレス成形動作が開始され、下型20が上昇して胴型30内に挿入されていくことにより、上下型10,20の間で成形素材Gがプレス成形されるが、このプレス成形の過程で、胴型30の下型20側の開口部端面が、下型20の大径部23の上面に当接する。このとき、胴型30は、弾性部材35により下型20に向かって付勢されており、上昇途中の下型20に押圧される。
したがって、胴型30の下型20側の開口部端面と、下型20の大径部23の上面とを水平面としておくことにより、下型20と胴型30との位置関係、特に、同軸度が正しく規定され、より偏心精度の優れた成形体を得ることができる。
本実施形態は、以上の点で第一実施形態と異なるが、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[モールドプレス成形型/第三実施形態]
次に、本発明に係る成形型の第三実施形態について説明する。
なお、図5は、本実施形態に係る成形型の概略を示す断面図であり、図5(a)は、型開きした成形型に成形素材Gを供給した状態を示している。また、図5(b)は、型閉めされた状態を示している。
本実施形態では、前述した第二実施形態に対し、上型支持台16の下面に、胴型30の上部側端縁を収容可能な円環状の溝16aが形成されており、上下型10,20が型閉め状態にあるときに、胴型30の上部側端縁が上型10の上面より上方に突出して、上型支持台16の下面に形成された溝16a内に収まるようにしてある。
このように構成することで、上型10や下型20と、胴型30との摺動距離を長く確保することができ、胴型30に対する上型10や下型20の傾きを最小限に抑止できるため、より偏心精度の高い光学素子をプレス成形することができる。
本実施形態は、以上の点で第二実施形態と異なるが、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[モールドプレス成形型/第四実施形態]
次に、本発明に係る成形型の第四実施形態について説明する。
なお、図6は、本実施形態に係る成形型の概略を示す断面図であり、図6(a)は、型開きした成形型に成形素材Gを供給した状態を示している。また、図6(b)は、型閉めされた状態を示している。
本実施形態において、下型20は、成形面21に凸面を有し、この成形面21の周囲には、成形素材Gを支承する支承部材70が配置されている。支承部材70は、その上端部が下型20の成形面21よりも上方に突出した状態で、成形面21上に供給された成形素材Gを支承するようになっている。
このとき、下型20の成形面21の周囲に段部21aが形成され、この段部21aと支承部材70との間に弾性部材70aが装着され、支承部材70が上方に付勢されるようになっている。そして、プレス成形時における支承部材40の干渉を避けるために、退避機構71により、上下型10,20の近接動作にしたがって、支承部材40が押し下げられて(図6(b)参照)、下型20の成形面21の周囲から退避するようにしてある。
このようにすることで、凹面を有するメニスカスレンズや、両凹レンズを成形する場合であっても、凸面を有する下型20の成形面21上に確実に、かつ、安定して成形素材Gの供給を行うことができる。しかも、上下型10,20の近接動作に伴って支承部材70を下型20の成形面21の周囲から退避させることにより、支承部材70が成形体の形状に実質的に干渉しないようにすることができ、より偏心精度に優れた高精度の光学素子を製造できる。
本実施形態は、以上の点で他の実施形態と異なるが、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[モールドプレス成形型/第五実施形態]
次に、本発明に係る成形型の第五実施形態について説明する。
なお、図7は、本実施形態に係る成形型の概略を示す断面図であり、図7(a)は、型開きした成形型に成形素材Gを供給した状態を示している。また、図7(b)は、型閉めされた状態を示している。
本実施形態において、下型保持部材25(下型支持台26)と、転動部材60との間には、下型保持部材25との当接面が、曲面となっている介在部材80を介在させている。この介在部材80は、下型20と同様の素材からなる。また、図示する例では、介在部材80の上面に凹陥部80aが形成されており、この凹陥部80aに転動部材60が収容されて成形型が組み立てられるようになっている。介在部材80の曲面は、球面であることが好ましく、その曲率半径は成形する光学素子の半径によって異なるが、例えば、100mm〜500mmとすることができる。
このようにすることで、胴型30に対して下型20が傾いて配置されていたとしても、介在部材80が、その曲面に沿って揺動しながら下型20傾きを修正する。したがって、下型20は、介在部材80による傾きの修正と、水平移動とにより、同軸性がより高度に確保されながら胴型30内に挿入され、偏心精度(ティルト及びシフト)の良好な成形体をプレス成形することができる。
本実施形態は、以上の点で他の実施形態と異なるが、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[プレス成形装置]
次に、以上のような成形型によってプレス成形をするのに好適なプレス成形装置の一例について説明する。
図8は、プレス成形装置の概略平断面図である。この図に示すように、プレス成形装置100は、加熱室120および成形室130と、これらの間を連通している通路140とを備えている。
加熱室120、成形室130及び通路140の内部空間は、外部から遮断された密閉空間であり、ステンレススチールその他の部材により、この密閉空間の外壁を形成し、シーリング材によって、その気密性が保証されている。加熱室120、成形室130及び通路140の内部空間は、光学ガラスの成形時には、窒素ガスなどの非酸化性ガス雰囲気とされる。
加熱室120は、供給される成形素材Gをプレスに先立って予備加熱するための領域である。加熱室120には、ガラス加熱装置122と、成形素材供給用のハンドラ(以下、供給ハンドラ123という)と、外部から成形素材Gを加熱室120内へ供給するための搬入部121が設置されている。搬入部121は、気密性を維持しつつ成形素材Gを搬入するために、図示しない搬入室を備えており、外部から供給された成形素材Gをここに搬入し、この内部を非酸化性ガスで充填した後に、加熱室120側の扉を開けて順次成形素材Gを内部へ搬入する。
供給ハンドラ123は、搬入部121から搬入される成形素材Gを、ガラス加熱装置122による加熱領域に搬送し、加熱後の成形素材Gを成形室130へ搬送する。供給ハンドラ123は、そのアーム124の先端に浮上皿125を備え、その上で成形素材Gを気体によって浮上させながら保持する。本例では、加熱室120内に固定される駆動部123aによって、浮上皿125を備えるアーム124が水平に支承され、アーム124は、ほぼ90°の回転角をもって水平方向に回動される。また、アーム124は、駆動部123aを中心とした半径方向に出退可能に構成されており、これによって、保持した成形素材Gを成形室130に搬送することができる。
ガラス加熱装置122は、供給された成形素材Gを所定の粘度に相応する温度にまで加熱するためのものである。成形素材Gを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗加熱や高周波加熱による加熱装置を用いることが好ましい。ガラス加熱装置122は、図示するように、アーム124上に保持した成形素材Gの移動軌跡下に設置され、アーム124による成形素材Gの搬送中に、この成形素材Gを加熱することができる。アーム124をガラス加熱装置122上で所定時間停止し、成形素材Gを加熱するようにしても良い。これらの事項は、対象となる成形素材Gの加熱に必要な時間に応じて決定される。
一方、成形室130は、加熱室120において予備加熱された成形素材Gをプレスして、所望の形状の成形体G1を成形するための領域であり、ここには、プレス装置133と、成形体G1の搬出用のハンドラ(以下、搬出ハンドラ132という)と、プレス成形された成形体G1を外部へ搬出するための搬出部131が設置されている。搬出部131は、成形室130の気密性を維持しつつ成形体G1を外部へ搬出するために、非酸化性ガスが充填された図示しない搬出室を備えている。搬出ハンドラ132から渡された成形体G1は、この搬出室に一旦搬入されてから外部に搬出される。
プレス装置133は、供給ハンドラ123によって加熱室120から搬送される成形素材Gを受け入れ、これをプレスして所望の形状の成形体G1を成形する。プレス装置133は、前述したような成形型Mを備えており、その上下型10,20の間に供給された成形素材Gをそれらの成形面11,21によってプレスする。成形型Mの周囲には、これを加熱するための型加熱装置134が設置されている。型加熱装置134の好ましい実施態様は、高周波誘導を用いた加熱方式のものである。成形素材Gのプレスに先立って、成形型Mをこの型加熱装置134によって加熱し、所定の温度に維持する。プレス時における成形型Mの温度は、予熱された成形素材Gの温度とほぼ同じであっても、又はそれよりも低いものであっても良い。
搬出ハンドラ132は、プレス装置133によってプレスされた成形体G1を、搬出部131へ受け渡すものである。搬出ハンドラ132は、駆動部132aに対し回動自在に支承されたアーム132bの先端に吸着パッド132cを備えている。吸着パッド132cは、成形型Mの下型上にある光学ガラスを真空吸着し、搬出ハンドラ132による搬送を可能にする。アーム132bの回動により吸着された成形体G1は、搬出部131下に搬送され、ここに設置された図示しない昇降手段上に置かれる。アーム132bの待避後に、この昇降手段が上昇され、成形体G1は搬出部131へ受け渡される。
成形室130は、その前面側に開閉扉135を備えており、開閉扉135は、プレス成形装置100の保守、点検時に、作業者が成形室内部にアクセスするためのものである。開閉扉135の周囲には、シール部材35aが備えられており、プレス時に開閉扉135を閉じた状態で、成形室130内の気密性が保証される。また、開閉扉135は、ガラス製(例えば石英ガラス)の窓135bを備えており、ここよりプレス成形の様子が外部から視認できるようになっている。
加熱室120と成形室130を連通している通路140は、供給ハンドラ123による成形素材Gの加熱室120から成形室130への受け渡しを可能とするとともに、両室相互間における気体の交換を可能にする。これによって、プレス成型時においては、加熱室120と成形室130の気圧、ガス濃度及び温度は、ほぼ一定にされる。通路140には、気密バルブ141が配置されており、この気密バルブ141を閉じると、加熱室120と成形室130の間が気密状態で遮断される。気密バルブ141は、プレス成形時においては全開状態とされるが、作業者による成形室130内の保守又は点検時には閉鎖され、加熱室120側の気密状態が保持される。
[成形体の製造方法]
次に、本発明に係る成形体の製造方法を適用した実施形態について説明する。本発明に係る成形体の製造方法は前述したような成形型を用いてプレス成形するものであり、上記プレス成形装置により好適に実施される。
上記プレス成形装置においては、その搬入部121より成形素材Gが装置内に順次供給され、成形体G1が連続的にプレス成形されるが、ここでは、一つの成形G1の成形に着目して、その手順を説明する。
(a)搬入工程
成形に先立って、加熱室120及び成形室130の内部の気体は、非酸化性ガスにガス交換される。例えば、非酸化性ガスが常時室内に供給されて、正圧状態に保たれる。この非酸化性ガス雰囲気中で、ガラス加熱装置122および型加熱装置134が通電され、所定の温度に維持される。この状態で、通路140の気密バルブ141が開かれている。
最初の工程で、加熱室120に成形素材Gが供給される。具体的には、成形素材Gは、最初に搬入部121の搬入室内へ置かれ、ここを排気後ガス置換してから、加熱室120に供給される。成形素材Gの供給時に、供給ハンドラ123のアーム124は、搬入部121の下方に位置しており、搬入室からの成形素材Gは、供給ハンドラ123の浮上皿125上に置かれる。
(b)成形素材の加熱工程
供給ハンドラ123は、成形素材G、例えば、球形状のガラスプリフォームを受け取ると、直ちにそのアームを回転し、その浮上皿125をガラス加熱装置122上へ移動する。ここで、浮上皿125には、非酸化性ガスがその下方から噴出され、したがって、成形素材Gは、浮上皿125上で浮上しながら加熱軟化される。成形素材Gは、その温度が、106〜109dPa・sの粘度に対応する温度になるまで加熱される。
(c)成形型加熱工程
また、加熱された成形素材Gが成形型Mに供給される時点で、成形型Mの温度が、ガラスの10〜1012dPa・sの粘度に対応する温度となっているように、型加熱装置134による誘導加熱によって、成形型Mが予熱される。
ここで、加熱される上下型10,20の温度設定値は、上記のように上下型10,20とも同一でもよいし、温度差を設けても良い。例えば、成形体の形状や径によって、上型10よりも下型20を高温にしたり、上型10よりも下型20を低温にすることができる。温度差をつける場合には、上下型10,20の温度差は2〜15℃の範囲内とすることが望ましい。
(d)成形素材の供給工程
この後は、供給ハンドラ123を駆動して当該成形素材Gを成形室130におけるプレス装置133の下型20の成形面21に供給する。すなわち、加熱位置からアーム124を更に回転させ、浮上皿125が通路140を臨む位置へ来たところで停止し、次いでアーム124を伸長して浮上皿125をプレス装置133における型開き状態にある成形型Mまで伸ばし、浮上皿125上の成形素材Gを下型20上へ落下させる。その後、供給ハンドラ123は、アームを後退させて初期位置、すなわち搬入部121の下へ移動し、次の成形素材Gを受け取るために待機される。
軟化した成形素材Gを搬送して下型20に供給するときに、成形素材Gが搬送機構の部材に接触すると、表面に欠陥ができやすい。表面に欠陥ができると、成形される成形体G1の面形状に悪影響がでる。よって、軟化した成形素材Gを気体によって浮上させた状態で搬送して下型に落下させる本例の供給ハンドラ123を用いることは、かかる弊害を防止する上で有利である。
(e)プレス工程
下型20に成形素材Gが供給され、アームが成形型Mから後退すると、直ちに、型閉め(プレス動作)が開始する。図2及び図3に示すように、下型20が上昇し、上型10との間で成形素材Gをプレスし、所望の成形体G1を成形する。プレスのための下型20のストロークは、成形する成形体G1の肉厚に基づき、予め設定された値であり、次工程の冷却工程において、成形後の成形体G1が熱収縮する分を見込んで定めた量とすることができる。また、プレス成形の速度は、一般に、3〜600mm/分であることが望ましい。直径が15mm以上のガラスレンズを成形する場合には、3〜80mm/分とすることが望ましい。また、プレスの手順は、成形する光学ガラスの形状や大きさに応じて、任意に設定することができる。例えば、初期加圧の後に、荷重を開放した後に、二次加圧を行うなどの複数回の加圧を行う手順を採用することもできる。
ここで、本例の成形型Mにおいては、下型20が、水平方向に移動可能な状態で下型保持部材25に保持されており、下型20と下型保持部材25との間には、複数の転動部材60が敷き詰められている。したがって、型閉め時において、上型10と下型20の間に軸ずれが発生していても、胴型30に下型20が挿入する際に、下型20が水平方向に円滑に移動して、上下型10,20の軸合わせが行われ、この状態でプレスが行われる。
また、下型20は転動部材60の転動によって円滑に水平方向に移動可能であるので、型閉め時に、胴型30のガイド部32が下型20の外周縁に片当り状態になっても、胴型30と下型20に無理な応力が作用することなく、下型20が水平方向に移動し、速やかに胴型30に挿入され、上下型が同軸状態となる。
よって、胴型30および下型20に擦れやかじりが生ずることなく、下型20が上型10と同軸状態となるように位置補正が行われ、プレス成形を高精度で行うことができる。
(f)冷却・離型工程
成形素材への押圧開始と同時、または押圧開始後に、型加熱装置134は断電され、さらに、非酸化性ガスが成形型の母型内に流入されるとともに、外からも吹き付けられ、これによって成形型Mが冷却される。そして、成形型150の温度がガラスの転移点以下になったところで、下型20を下降して離型し、成形体G1を搬出可能とする。
また、成形体の割れや放射傷の発生を防止するために、冷却速度は、冷却開始から離型までの平均値として、50〜200℃/分とすることができる。冷却開始の冷却速度は、平均の冷却速度より小さい方が、割れ防止の観点から好ましく、離型温度に近づくに従って冷却速度を上げることが望ましい。離型温度は、ガラス転移点Tg付近以下とすることができるが、一般には、(Tg−50℃)〜Tgまでの範囲内の値とすることが望ましい。
(g)取り出し工程
次いで、搬出ハンドラ132によって、下型20上の成形体G1を搬出部131へ搬送する。すなわち、図4において想像線で示すように、搬出ハンドラ132を駆動して、そのアーム132bを回転し、先端の吸着パッド132cを下型上へ移動する。吸着パッド132cによって下型上の成形体G1を吸着し、アーム132bを回転させて、これを搬出部131下方の昇降手段へ搬送し、吸着パッド132cの吸着を解除して、昇降手段上へ成形体G1を渡す。
(h)搬出工程
次に、昇降手段を上昇して搬出部131の搬出室内を介し、成形室130外へ成形体G1を搬出する。型加熱装置134は、成形体G1が下型から搬出されると直ちに通電され、次のプレス成形に備えて成形型を所定温度にまで加熱する。
以上の手順(a)〜(h)を繰り返し行うことにより、効率的に成形体G1を製造することができる。
なお、プレス成形対象の光学ガラスの形状については、特に制限はなく、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凹レンズなどの成形を行うことができる。成形体の大きさについても特に制限はないが、一般には直径2mm程度から35mm程度のものを成形できる。2mm以下の場合にはガラス素材が冷え易いので、割れ易くなり、35mm以上では成形に時間を要すると共に、良好な面を得ることが著しく困難となるからである。さらに、光学ガラスの形状は球面、非球面、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
図1に示したモールドプレス成形型を、図8に示したプレス成形装置に装着し、成形素材Gとしてバリウムホウケイ酸ガラス(転移点514℃、屈伏点545℃)のプリフォームを用いて、外径15mmの両凸レンズを成形した。
まず、両凸曲面形状に熱間成形されたガラス素材を490℃に予熱し、成形室内にて約470℃に予熱された下母型に保持される下型の成形面上に、当該ガラス素材を供給した。直ちに、駆動軸を上昇させることにより下母型および下型を上昇させ、約470℃に予熱した上母型に保持される胴型内に下型を組み込んだ。
この時、下型が胴型のガイドによってガイドされるとともに、下型と下型支持台との間に配設したSiからな複数の転動部材によって、下型の軸心が胴型及び上型の軸心と一致するように下型が水平方向に移動し、胴型内に下型が挿入された。
なお、本実施例では、下型大径部の外周面と下型保持部材の内周面とのクリアランスC1、すなわち、下型の水平方向移動可能距離を最大0.1mmとし、下型大径部の上端面と下型保持部材とのクリアランス、すなわち、下型の鉛直方向移動可能距離を最大0.1mmとし、胴型の内周面と下型小径部の外周面とのクリアランスC2を5μmに設定した。
また、投入したガラス素材の表面には数nmの炭素含有膜を成膜させ、上下型の成形面にはスパッタ法により硬質炭素膜を形成しておいた。
高周波誘導加熱により上下母型 をガラス粘度10dPa・sに相当する596℃に昇温させ、所定時間維持して均熱化した後、図3に示すように、下母型を上昇させて100kg/cmの圧力でプレスした。
次に、上下型及び成形されたレンズをガラスの転移点以下になるまで50℃/分の冷却速度で冷却した。このとき、ガラスの収縮に対して上型が追随し、上型自重のみかかった状態で冷却された。すなわち、冷却中はレンズの上面と上型の接触が保たれていた。
型温度が490℃になった時点で、冷却ガスによって型を急冷し、型温度が370℃以下になってから下型を下降させて離型した。下型を成形室の下まで下降させ、吸着パッドを用いてプレス成形されたレンズを取り出した。取り出したレンズは必要に応じ、その後アニール処理や芯取り処理する場合もある。
以上のようなプレス工程を2000回繰り返し、得られたレンズを検査したところ、何れのレンズもシフト及びティルトの偏心精度も高精度で基準値を満たし、表面品質も良好であった。
また、胴型と下型との摺動部分を観察したが、問題となる擦れやカジリ等の痕跡は見られなかった。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、一対の上下型10,20を備えた成形型の例を示したが、図9に示すように、二対の上下型10,20を備えるようにしてもよく、さらには、特に図示しないが、三対以上の上下型10,20を備えるようにしてもよい。このようにすることで、一回のプレス成形動作で、複数の成形体を同時に成形することができる。
なお、図9に示す例は、前述した第一実施形態と同様の成形型を二つ並設し、これらを共通の固定軸40、駆動軸50に取り付けたものに相当する。
また、前述の実施形態では、下型20を第一の型として、下型20と下型保持部材25との間に、転動部材60を敷き詰めた例を示したが、図10に示すように、上型10を第一の型として、上型10と上型保持部材15との間に、転動部材60を敷き詰めるようにすることもできる。
ここで、図10に示す例は、概ね前述の第一実施形態の成形型の天地を逆にしたものに相当する。より具体的には、胴型30の下部側に形成された張り出し部31を、下母型27の内周に形成された断面30aと下型支持台26との間に狭持して、胴型30を下型20とともに下型保持部材25に保持、固定させている。一方、上型10は、その大径部13が、図示するように、上型支持台16と上母型17との間に遊嵌状に保持されている。そして、上型10の大径部13の下面に対向する上母型17の段面に凹陥部17aが形成されておりし、この凹陥部17aに転動部材60が敷き詰められている。
これにより、上下型10,20及び胴型30の軸心が一致していなくても、上型10の小径部12と上母型17との間に形成された挿入溝18に、胴型30の上部側が挿入される際に、胴型30の上部側内周に形成されたガイド部32に、上型10の小径部12の周縁部が当接して、上型10が、下型20及び胴型30と同軸となる位置に誘導されて、上下型10,20の同軸性を確保できるようになっている。
本発明は、ガラスプリフォームなどの成形素材をプレス成形するためのモールドプレス成形型、及びそのようなモールドプレス成形型を用いた成形体の製造方法に適用される。

Claims (11)

  1. 任意形状の成形面を有する第一及び第二の型と、
    前記第一及び第二の型が、互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入される胴型と、
    前記第一の型を水平方向に移動可能に保持する第一の型保持部材と、
    前記第一の型と前記第一の型保持部材との間に配設され、前記第一の型の水平方向への移動に伴って転動する複数の転動部材と、
    を備えたことを特徴とするモールドプレス成形型。
  2. 前記第一の型が挿入される側の前記胴型の開口部内周面に、テーパー状に拡径するガイド部が形成され、前記ガイド部は、前記第一の型が前記胴型に挿入されるときに、前記第一の型に当接して、前記第一の型が前記第二の型と同軸状になるように案内することを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形型。
  3. 前記転動部材は、直径が均一な球状部材であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  4. 前記転動部材は、プレス成形温度における曲げ強さが300MPa以上のセラミックスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  5. 前記転動部材は、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、又はアルミナのうち何れか一種又は二種以上の素材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  6. 前記転動部材を介して対向する前記第一の型と前記第一の型保持部材との少なくとも一方の面に、前記転動部材を収容する凹陥部を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  7. 前記胴型を前記第一の型に向けて付勢する弾性部材を備え、
    前記第一及び第二の型で成形素材をプレス成形する際に、
    前記第一の型が挿入される側の前記胴型の開口部端面が、前記弾性部材の付勢力によって前記第一の型の一部に押圧されるようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  8. 前記第一の型が成形面に凸面を有し、
    前記第一の型の成形面の周囲に位置して、前記第一の型の成形面上に供給された成形素材を支承する支承部材と、
    前記第一及び第二の型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から退避させる退避機構と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  9. 前記第一の型保持部材に当接する曲面を有する介在部材を、前記第一の型保持部材と前記転動部材との間に介在させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  10. 任意形状の成形面を有する第一及び第二の型と、前記第一及び第二の型が、互いの成形面が向き合うように対向配置されて同軸状に挿入されるとともに、前記第一の型が挿入される側の開口部内周面にガイド部が形成された胴型と、前記第一の型を水平方向に移動可能に保持する第一の型保持部材と、前記第一の型と前記第一の型保持部材との間に配設された複数の転動部材とを備えたモールドプレス成形型と、
    前記第一及び第二の型の少なくとも一方を昇降させる駆動手段と、
    前記モールドプレス成形型を加熱する加熱手段と、
    を備えた成形装置を用いて、
    前記加熱手段によって所定温度に加熱された前記モールドプレス成形型により成形素材をプレス成形して、前記成形面の形状を前記成形素材に転写することにより成形体を製造するにあたり、
    前記駆動手段によって前記第一及び第二の型の少なくとも一方を昇降させることにより前記第一の型が前記胴型に挿入されるようにし、このときに、前記第一の型が前記胴型に形成されたガイド部に当接して水平方向へ移動するのに伴って前記転動部材が転動し、前記第一の型を前記第二の型と同軸状となるように案内することを特徴とする成形体の製造方法。
  11. プレス成形に先立って、前記成形素材を予熱するとともに、前記モールドプレス成形型を予熱し、予熱後の前記成形素材を予熱後の前記モールドプレス成形型に供給してプレス成形を行うことを特徴とする請求項10に記載の成形体の製造方法。
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