JP2007302484A - 成形方法、および成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下一対の型を用いてガラスレンズを成形する場合、両型の型面の芯合わせが正しく行われないと、成型されたレンズに偏心が生ずる。偏心を避けるため、胴型と上下型とのクリアランスを狭くすると、型同士でかじりが発生しやすくなる。クリアランスを狭くしすぎないで、芯合わせを行う簡便な方法を提供する。
【解決手段】基板4に対し胴型3を固定しておいて、下型2、ゴブ材7、上型1を順に重ねて全体を基板ごと一方に傾ける。下型2と上型1はゴブ材7を間に置いたまま低いほうに自重で片寄る。上下型それぞれの小径部側面が、胴型3の内周面に同一母線上で当接する。これによって、上型1と下型2は、胴型3を介して芯合わせが行われる。この状態のまま、上下型にヒータ5を接触させて、下型2を上方に押し上げ、ゴブ材7を加熱、加圧することにより、型面どおりの成形品が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱軟化されたガラス素材をプレスして電気光学装置に用いられるレンズ等を成形する成形型に関するものである。特に一対の成形型の芯合わせを容易にし、上下型の偏芯度合いを低減する成形方法および成形型に関するものである。
上下一対の型を用いてガラスレンズを成形する場合、両型の芯合わせが特に問題になる。芯合わせが正しく行われないと、成型されたレンズに偏心が生じ、レンズ性能が劣化する。ここでいう芯とは、成形されるべきレンズ各面それぞれの設計上の光軸に相当する。
胴型と上下の型を用いる従来の成形型では、偏芯に対する要求精度が高くなるほど、胴型と上下型とのクリアランスを非常に小さくする必要があった(例えば、特許文献1 参照。)。クリアランスを狭くすると、上下型を胴型に挿入する場合、胴型と上下型の僅かな軸ずれによりかじりが発生したり、上下型と胴型の摩擦が増加するために磨耗が激しくなるなどの不具合が発生する。
これを回避する方法として、
1.強制的に上下型の位置を規制する、
2.テーパ形状により、がたを防止する、
3.偏芯量を測定して、上下型の位置を修正する、
4.胴型に貫通穴を設けて、外側から空気を流入して、位置を規制する、
などの方法が考えられている。
上記1、3、4の方法は大掛かりになり、装置全体が大きくなってしまう。また2の方法では成形型の加工が難しく、コストアップになる。
このため、現在の成形装置をなるべく変えないで、偏芯精度を確保できる安価な成形型が望まれている。
図22は従来方式の型の問題点を説明するための図である。
上型と胴型に隙間があると、必ず、上型はその隙間で傾いて、いわゆるチルトが発生してしまう。
これは、胴型と上型の長さを長くすることにより、見かけ上殆どなくなるようにすることは可能であるが、形状を大きくするために、熱容量がアップし、加熱時間、エネルギーの消費量の増大を招く。
図23は非球面レンズを成形したときの問題点を説明するための図である。
非球面レンズの場合には非球面軸があり、このずれが光学性能に大きな影響を与える。
この軸は従来の型構造では、ずれが生じる。このため、次の芯取り工程では非球面軸に傾きとずれのあるレンズができる。
特開2005−231933号公報
現在の、上下型、胴型という組み合わせにおいて、成形体の偏芯方向が一定になるようにする方法を提供する。
非球面レンズの場合に、非球面軸のずれのより少ないレンズを作る方法を提供する。
請求項1に記載の発明は、それぞれが特定の芯を有する少なくとも上型と下型を有し、所定の基板上に載置される成形型を用いる成形方法において、少なくとも前記上型が水平面に対して特定の傾斜面に載置されるか、もしくは前記基板が水平面に対して傾斜されることによって、該傾斜方向に前記上型が移動して、前記上型と下型の芯合わせを行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、前記成形型は、さらに胴型を有し、前記基板が傾斜される構成の場合、前記基板の一端に支点を設け、前記基板が所定の角度傾斜できるようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の成形方法において、前記芯合わせは、前記上型と下型が共に胴型に当接することで達成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2ないし3のいずれか1つに記載の成形方法において、前記基板が傾斜されて前記芯合わせが行われた後、前記成形型を傾斜させたままで成形を行い、前記所定の角度、および成形時に前記上型が型押しをするときの移動方向の角度が、鉛直方向に対し所定の角度以上90°までの間に設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし3のいずれか1つに記載の成形方法において、前記基板が傾斜された場合、前記芯合わせの後、前記成形型の傾斜を静かに戻し、成形時に前記上型が型押しをするときの移動方向が、鉛直方向に設定されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型を上胴型と下胴型に2分割し、該下胴型で前記下型を支持する構成としたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、前記成形型は、さらに胴型を有し、前記上型と胴型の当接面が、水平面に対し所定角度の傾斜面に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の成形方法において、前記胴型を上胴型と下胴型に2分割し、該下胴型で前記下型を支持する構成としたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の成形方法において、前記下胴型と下型の当接面を、前記所定角度とほぼ同程度の傾斜面としたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項2ないし9のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型が前記基板に対し相対位置が固定され、前記上型と前記下型が移動し、それぞれ前記胴型の内周面の同一母線上で前記胴型に当接することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の成形方法において、前記下型は胴型を兼ねる構成であり、前記上型は前記下型の胴型相当部分上面を摺動面として支持されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の成形方法において、前記摺動面は水平面に対して傾斜していることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項2ないし12のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型は、前記胴型もしくは胴型相当部分の上面に支持されていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項2ないし13のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上下型と前記胴型の対応する位置に、突条および凹溝からなる位置決め用の嵌合構造を形成したことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の成形方法において、前記該嵌合構造が成形体のマーク形成手段を兼ねることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項2ないし13のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型内周面に断面がV字型の溝を形成し、前記上下型の小径部は、前記V字型の溝面に2本の母線で当接することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項2ないし16のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型と胴型の摺動面に規制部材を設け、前記成形型を傾斜させたとき、横ずれ、および回転を防止したことを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし17のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型は、上型本体と上型支持部材とから形成され、該上型支持部材はその下面に、前記上型本体の上部に形成された大径部を囲むことのできる凹部が形成され、前記上型本体と上型支持部材は一時的に一体化され、必要に応じて分離できることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の成形方法において、前記上型支持部材は、その線膨張係数が前記上型本体のそれより大きい材料を選定することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の成形方法において、前記上型本体の前記上型支持部材内周面に当接する位置にボールプランジャを配設したことを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項18ないし20のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型本体の外径は、成形温度において、前記上型支持部材とほぼ同じであることを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項1ないし21のいずれか1つに記載の成形方法において、前記傾斜により移動する部材と、その部材を支持する部材との間の摺動面において、少なくとも一方に多孔質膜を形成したことを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項1ないし21のいずれか1つに記載の成形方法において、前記傾斜により移動する部材と、その部材を支持する部材の少なくとも一方を多孔質の材料で形成したことを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項22または23に記載の成形方法において、前記多孔質膜もしくは多孔質材料の微細孔に潤滑材を埋めこんだことを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の成形方法において、前記潤滑材は二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンであることを特徴とする。
本発明によれば、上下型の寄せ方向が一定になることにより、成形体の偏芯方向が一定になる。
本発明では、球芯を結ぶ軸が非球面軸に近くなることから、より非球面軸のずれの少ないレンズを作ることが出来る。
また、芯取りを行わないで、寄せられた側面を基準にして、無調整で枠に組み立てることも可能になる。
図1は本発明の1実施形態を説明するための図である。
同図において符号1は上型、2は下型、3は胴型、4は搬送用基板、5は加熱装置としてのヒータ、6は加圧装置としての加圧シリンダ、7はゴブ材、8はピンをそれぞれ示す。図を見やすくするため、一部の明らかな断面についてハッチングを省略してある。
同図に基づいて、本発明の基本的な特徴点を説明する。
本発明は上型1と下型2(以下両者をまとめて言うときは単に上下型と呼ぶ)の整列をさせるために、傾斜面を利用し、胴型3の内周面に対し上下型を当接させる。その方法として傾斜面の用い方により、以下のような手順・方法が考えられる。
1.上下型(1、2)、胴型3、加圧装置6、加熱装置5の全体を傾ける。
2.胴型3と上下型のみを一旦傾けて、その状態を保持するように、ゆっくりと元に戻す。
3.下型2で胴型3を支持する構造ではなく、上型1と胴型3間、および下型2と搬送用基板4間に斜面を配設し、胴型3は搬送用基板4に係止されるような構造を取る。
4.加熱ステージの前段階の、搬送中に基板4を傾けて、上下型を整列後、加熱ステージに移動させる。
同図は上記1の方法により、装置全体を傾ける方式を示している。装置全体を傾けることによって、胴型3は下面の切り欠き部がピン8に当接するところまで移動した後は相対的に位置固定となる。上型1と下型2は傾斜方向に移動し、上型1の小径部と下型2の小径部が胴型3の内周面の同一母線上で当接することで、型の軸が同一線上に合致する。この状態で、下型2を上方に移動することで、加圧および加熱を行ってゴブ材7の成形を行う。
傾斜角度は少なくとも自重で移動が開始できる程度以上が好ましい。大きい方の角度は最大鉛直方向に対して90°まで可能であるが、角度が大きくなると型の転倒を防止する工夫が必要になることと、加圧・加熱方向が特殊になるので、従来方式の型の延長では済まなくなる。
しかしこれらの構成では、成形型を加圧・加熱装置の位置に移動させるとき、上下型と胴型を一体で、搬送できないという問題がある。
胴型は下型に支持される形態になっていないため、成形型としての可搬性が悪く、搬送用基板を一緒に組み合わせることが必要になる。この問題を解消するための方策の一つとして、胴型を2体に分けて、胴型の下の部分で下型を支持する構造にする方法が考えられる。 さらに、成形型のみで、斜面を形成することも可能である。
摩擦との関係の考察
図2は斜面に置かれた物体が動き出すときの力関係を示す図である。
同図においてmは物体Aの質量、gは重力加速度、μは斜面と物体との静止摩擦係数、θは斜面の水平面からの傾斜角をそれぞれ示す。
摩擦角θは、下記の運動方程式より求められる。
mgsinθ−μmgcosθ=0
これより、
tanθ=μ
因みにタングステンの静止摩擦係数は0.5であるので、この場合の摩擦角はθ=27°となる。
各型の動作順序を説明する。
図3は胴型を固定した場合の動作を分解図的に説明するための図である。同図(a)は型を組み付けた初期状態を示す図、同図(b)は上型が移動した状態を示す図、同図(c)は下型が移動した状態を示す図である。
胴型固定のために、胴型と搬送用基板間に嵌合構造を形成する。
1.上型が動く。
2.上型が胴型の内周右側と接触。(以上、同図(b))
3.下型が動く。
4.下型が胴型の内周右側と接触。(以上、同図(c))
なお、1、2と3、4の動きは実質的には同時に生ずるのが普通である。
このようにすることで、シフトとチルトの偏芯防止を一度に満足することができる。
図4は下型を固定した場合の動作を分解図的に説明するための図である。
動作を順を追って示す。
1.上型が動く。
2.上型が胴型の内周右側と接触。
3.胴型が動く。
4.胴型が下型外周の左側と接触。
5.上型がさらに動く。
6.上型が胴型の内周右側と再度接触。
ただし、実質的には、動作3のとき、上型が胴型から離れずに胴型と一緒に動くのが普通である。
この構成では、最終的に上型1と下型2の芯がずれたままで位置が定まることになり、成形型としては使えない。したがって、本発明の方式を用いるなら、下型固定方式は採用できない。
図5は図1の構成によって成形したレンズの状態を説明するための図である。同図(a)は成形状態、同図(b)は取り出した成型品、同図(c)はレンズ光軸に平行に外周を芯取りした完成品をそれぞれ示す図である。
本発明によれば、仮に、型の組み合わせ全体を鉛直方向に対して傾けたまま成形したとしても、上下型は胴型側面によって整列させられているので、取り出した成型品7’は外周がレンズ光軸と平行に形成されている。したがって、レンズセルをそれなりに構成すれば成形レンズはそのままでも使用可能である。しかし、通常は芯取り工程によって、レンズ光軸を中心にして外径を成形するが、すでに外径が光軸に平行になっているので、作業が非常に簡単になる。
図6は他の実施形態の上型と胴型の詳細構造を示す図である。
同図において符号10は上型支持部材を示す。
図1においては下型移動の構成を示しているが、上型側の重さを大きくしないと大きな加圧力をかけられないという不便がある。そのため、上型加圧方式が使えるように、本実施形態では上型1と胴型3の詳細構造は図6に示すようになっている。
すなわち、上型1は上型本体1Aと上型支持部材1Bの2つの部材からなっている。
上型本体1Aの上部にあるつば部(大径部)外周に対して、線膨張係数のより大きい材質からなる上型支持部材1Bが常温において軽い圧力を以て嵌合している。上型支持部材1Bは胴型3の外径より大きな外径を有しており、上型本体1Aとともに一方に偏り、上型側面が胴型内周面に当接したときでも、胴型の上部からはずれない程度の大きさとなっている。
上型支持部材1Bは中央にヒータ5を挿入し得る大きさの貫通穴が空いている。上型と下型の軸が合ったところで加圧シリンダ6に加圧力を与えると、上側のヒータ5は上記貫通穴を通って、上型本体1Aの上面に当接する。この段階でヒータにより上型本体1Aを加熱すると、線膨張係数の違いにより、上型本体1Aと上型支持部材1Bとの嵌合がゆるみ、上型本体1Aの型面がゴブ材7に当接するところまで自重で下がることができる。胴型3の上面内周部には、上型本体1Aのつば部が挿入できる程度の径の穴が設けられていて、上型本体1Aの移動の案内の役目をする。本構成により、上型本体1Aの上型支持部材1Bは一時的に一体化され、必要に応じて分離される。
このように、傾斜させたとき傾斜面に沿って型がほぼ横方向に移動する機構と、成型のために上型を軸方向に直進させる機構を分けることで、型全体の構成を容易にすることができる。
成形型を傾斜させたまま加圧・加熱を行う方法のほかに、同図に示すように、一旦傾斜させて上下型を整列させた後、静かに元の位置に戻してから加圧・加熱を行ってもよい。
このような構成の場合、水平位置を基準とした基板4の一端に回動可能なヒンジ部を設けて、それを支点として基板4を所定角度傾斜させることができるようにしておくとよい。成形型を各型部材の組み付けで完成させる場合は、加圧・加熱装置から離れたところで基準位置の基板4の上で行い、組み上げてから加圧・加熱装置の位置まで搬送することが行われる。基板4の傾斜は組み付け完了後で、搬送開始前に行ってもよいし、加圧・加熱装置の場所まで移動してから行ってもよい。搬送開始前に傾斜させた場合、その傾斜状態のまま搬送して、上型が型押しをするときの移動方向が、その傾斜角度にそのまま対応させる方式を採用してもよいし、基板4の傾斜を静かに戻してから搬送して、上型が型押しをするときの移動方向が、鉛直方向になるような方式を採用してもよい。ここで、静かに傾斜を戻すというのは、上型、下型等の相対位置が変わらないように、振動などを与えずに行うことを意味する。
図7は胴型を2体に分けた構成を示す図である。
同図においては図1と同様、下型移動方式としてで示してあるが、図6に示す上型移動方式の構成であってもかまわない。以下の図においても特に断らない限り同様である。
胴型3は上胴型3aと下胴型3bに分けられており、下型2は下胴型3bの下部に設けられた貫通穴の周囲の棚部上面に載せられる。下型2の上部の型面にゴブ材7を載せる。下胴型3bの上面には上胴型3aの下面が接するように載せられ、両者は任意の公知手段により係合もしくは結合されている。係合もしくは結合は傾斜工程において互いの位置がずれないものであればその方法は問わない。
上型1は上胴型3aの上部から貫通穴に挿入される。
このように構成すると、型全体を傾斜させて型同士の整列ができた後も基板と無関係に型全体を移動させることができるようになる。
図8は成形型のみで斜面を形成する構成を説明するための図である。同図(a)は型の組み立て状態を示す図、同図(b)は斜面に沿って型の移動が生ずる様子を示す図である。
本構成は図1と類似の構成であるが、型全体を傾斜させるのではなく、基板4の一部に傾斜面を持たせている点が異なっている。その傾斜角度に対応して胴型3の上面も傾斜面にしてある。下型2の下面は基板4の傾斜面に対応する角度で傾斜面に形成されており、上型1のつば部下面も同様に傾斜面に形成されている。それぞれの接触面は低摩擦となるような処理を施しておくと良い。低摩擦にするためには、潤滑剤を塗布する方法が一般的であるが、接触面を有する部材の材質を特に低摩擦の材料で構成しても良い。線膨張係数等の関係でそれができないときは、低摩擦材料のコーティングを施してもよい。あるいは、互いに当接する部材の少なくとも一方の部材を多孔質材料で形成しておいて、その微細孔に潤滑性の材料を埋めこんでもよい。潤滑材としては二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどが候補として挙げられる。
上記構成によれば、基板4に下型2を載せたとき、下型2は自重により、基板4の傾斜面に沿って低い方(同図では右方向)に移動し、斜面の終端部に当接して止まる。下型2の上部の型面にゴブ材7を置き、胴型3を下型2にかぶせるように基板4に対して搭載する。そのままではピン8に対する位置合わせができないので、胴型3の内周面が下型2の小径部に接した状態で、基板4の斜面に対して下型2を若干押し上げる(同図で左方向へ押す)。胴型3の下面に設けた切り欠き部がピン8に一致したところで、胴型3底面は基板4に当接する。この状態では下型2の小径部が胴型3の内周面に当接した状態を保っている。
胴型3の空洞部に上型1の小径部を挿入する。このとき、胴型3の上面の傾斜面と上型1の下面の傾斜面の方向を揃えて置くと、上型1は自重により、同図の右方向に移動し、上型1の小径部が胴型3の内周面に当接したところで停止する。その結果、上型1と下型2とは、胴型3内周面を基準として整列したことになる。型の移動の必要がある場合でも、この状態で基板4ごと移動させるのであれば、各型の相対位置は変化しないので安定した移動が行える。
図9は図8の構成に用いる主要部材の形状を説明するための図である。同図(a)は上型、同図(b)は下型、同図(c)は胴型、同図(d)は基板をそれぞれ示す図である。
同図(a)において上型1のつば部は、下面が傾斜面となっているため、つば部外周は厚さが一様ではなく、中心を挟んで互いに反対側に、最大厚さと最小厚さが位置している。
同図(b)において下型2の底面は、一部が傾斜面に対応している。他のことを考えなければ底面全面を傾斜面としてかまわないはずであるが、下型2にはヒータ5が押圧されるので、傾斜面にしておくよりは、型の軸に垂直な平面にしておいた方が安定した押圧ができる。そのため、例えば、全面に傾斜面を形成した後、ヒータ5が当接する部分を軸に垂直な平面に加工しておく。ヒータ5の外径が楽に入る大きさの円形の穴に加工しても勿論かまわないが、摩擦抵抗を減らす意味で、同図では直線的な加工にした例を示している。
同図(c)において、胴型3の上面も傾斜面に形成してある。
同図(d)において、基板4は下型2と胴型3の両方を載置する。下型2は中央部に円形の穴の空いた傾斜面に載置され、胴型3は基板4の上面の水平面に載置される。
以上の各部材の傾斜面は水平面に対して同一の角度を持たせておく。この場合、上下型の軸は鉛直線に一致するように配置される。
図10は基板に対する胴型の位置合わせのための切り欠きを示す図である。同図(a)は底面側から見た胴型斜視図、同図(b)は切り欠き部(A部)拡大図である。
切り欠き部はピン8の外径よりわずかに大きい幅に形成されており、長さは特に限定されないが、通常はピン8の外径より少し大きい長さにしている。
図11は胴型に対する上下型の位置決めをたやすく行うための構成を示す図である。同図(a)は胴型斜視図、同図(b)は上型斜視図、同図(c)はC部拡大図である。
上下型の整列を行うに当たって、それぞれの胴型に対する位置合わせが正しく行われていないと、高い整列精度が保証できない。少なくとも、型の組付けのための初期位置の位置決め(以下、単に位置決めという)は勘に頼るのではなく何かしら基準になるものが必要である。
胴型3の傾斜面の一番高い位置に対応する内周面に、軸に沿った方向(母線方向)に突条を設けておく。これに対し、上型1のつば部の厚さが一番小さい位置に対応する小径部側面の母線方向に、胴型の突条に対応する凹溝を設けておく。便宜上、両者を合わせて嵌合構造と呼ぶ。この形状は下型2にも適用できる。なお、胴型に凹溝、上下型に突条を形成することもできる。いずれにするかは加工のしやすさで決めればよい。
各型を組み付けるとき、突条と凹溝を一致させて組み付けていけば、上下型の位置関係が常に一定の関係を保つことになる。ただし、突条と凹溝の形成位置を上記のようにすると、上下型が整列したときは、凹溝が突条から離れているので、整列精度に不安が残る。
なお、この構成は図1に示した成形型でも利用できる。上下型の小径部と胴型内周面は断面が共に円形であるから、互いにどの向きに嵌合しても原理的には同じはずであるが、実際には許容誤差の範囲で微小の偏倚は避けられない。したがって、この場合にも嵌合構造を適用しておけば、上下型と胴型の相互が常に同じ位置関係で組み合わせられるので、成形品の精度のバラツキが非常に小さくなる。以下の位置決め構造に関してもすべて同様のことが言える。
図12は位置決めの他の構成を説明するための図である。
突条と凹溝の形成位置を図11とは180度位相を変えて、中心軸に関して反対側に形成することもできる。すなわち、胴型3の傾斜面の一番低い位置に対応する内周面に、軸に沿った方向に突条もしくは凹溝を設けておく。同図は凹溝の例を示している。当然のことながら、上下型の対応する位置には突条または凹溝を設けておく。この構成では、整列が完了した時点で、突条と凹溝が密着した状態になっているので、整列精度は突条と凹溝の形成精度そのものになる。
胴型3に突条を形成する場合、成型品に胴型3の突条に対応する凹溝が形成され、通常の芯取り工程では凹溝が若干残る可能性がある。ただし、この凹溝は、成型品の光学系に対する取り付けの際、取り付け方向を示すマークとして利用できるので、凹溝が残ることに特に不具合はなく、押溝を積極的に位置決め用のマーク形成手段と位置づけて、両方の役割を兼用とするためにこの方法を採用してもよい。胴型3の方に凹溝を形成した場合は、成形品に突条が形成される。この突条は、芯取り工程のときの加工機への取り付け用マークとして利用できるが、芯取り工程の後では除去されて無くなるので、マークの存在による光学的なフレアの発生等が防げる。
図13は上型と胴型の位置決めをする他の構成を説明するための図である。同図(a)は胴型斜視図、同図(b)は上型斜視図である。
本構成は、胴型3の傾斜面に対する上型1の斜面に沿った移動方向に平行な突起からなる規制部を、胴型3の上面(傾斜面)に設けている。上型1のつば部下面の傾斜面にも、その規制部に対応する凹部を設け、上型1の小径部が胴型3の空洞部に挿入されて、規制部と凹部がかみ合ったとき、上型1は横ずれおよび回転ができないようになる。
図14は上下型の小径部がそれぞれ2本の母線で胴型平面部に当接する構成を示す図である。
同図において、胴型3は内周の断面の形状が一部V字型を示す凹部に形成されている。上型1の小径部はそのV字型の2つの平面部に当接するようになっている。すなわち、小径部にとっては2本の母線によって胴型3に当接している。下型2も同様である。
この構成は、母線1本で当接する構成よりも、位置の定まり方が安定する。
図15は図8において胴型を2体に分割した構成を示す図である。
前にも述べたように、図8の構成も型の整列は基板との位置関係で達成されているので、型全体の移動に関して不便がある。この不便を解消するため図7と同様に、胴型3を上胴型3aと下胴型3bの2体に分ける。
下型2は下胴型3bの下部に設けられた貫通穴の周囲の上面に形成された傾斜面に載せられる。下型2の底面は前述のように傾斜面に形成されているので、載置された時点で、下型2は自重により傾斜面に沿って低い方へ止まるところまで移動する。下型2の上部の型面にゴブ材7を載せる。下胴型3bの上面には上胴型3aの下面が接するように載せられ、両者の接触面に設けられた係合部であるピンと穴によって位置が決められる。ただし、係合の仕方は図示の例に限るわけではない。
上型1は上胴型3aの上部から貫通穴に挿入される。上型1も自重により傾斜面の低い方へ移動し、小径部が胴型3の内周面に接したところで止まる。その結果、上型1と下型2は胴型3の内周面を基準にして整列する。
この構成によれば、型の組み付けが完了した後、基板とは無関係に型全体を移動させることができる。
図16は上型移動方式の上型と胴型の詳細構造を示す図である。同図(a)は型の組み立て状態を示す図、同図(b)は斜面に沿って型の移動が生ずる様子を示す図である。
図8においては下型移動方式として示しているが、上型側の重さを大きくしないと大きな加圧力をかけられないという不便がある。そのため、上型加圧方式が使えるように、本実施形態では、上型1と胴型3の詳細構造は図15に示すようになっている。この構造は基本的には図6に示した構造と同様であるので詳細説明は省略する。
なお、下型の下面はヒータとの接触面であるので、図9に示したように型の軸に対して垂直な平面に加工しておけばなおよい。
図17は上型本体と上型支持部材の保持関係を示す図である。同図(a)は上型の断面図、同図(b)はD部拡大図である。
同図において符号11はボールプランジャを示す。
先の例では上型本体1Aと上型支持部材1Bとの保持関係を、線膨張率の違いで達成するとしたが、この例では、上型支持部材1Bの内周に接する上型本体1Aの大径部外周にボールプランジャ11を嵌め込み、内側からバネによる弾性力で押されたボール状突起を出しておく。このために必要であれば、上型本体1Aの上面は凹面に形成しても良い。
この上型本体1Aの大径部を上型支持部材1Bの内周に押し込むと、ボール状突起が上型支持部材の内周面に当接することで、ボールプランジャ11のボール状突起が弾性力に抗して上型本体1Aの大径部内に押し込まれ、上型本体1Aの上型支持部材1Bへの組み込みに対して抵抗力は生ずるが、妨げることはない。いったん組合わせが完了すれば、両者を分離するには再び外す方向の力を加えなければならないので、両者はボールプランジャ11によって生ずる摩擦力により一時的に一体化される。
ボールプランジャ11は1例として挙げたものであり、同等の機能を有するものであれば置き換えは自由である。
図18は上型支持部材の変形例を示す図である。
図6,図16、図17において、上型本体1Aと上型支持部材1Bとの保持関係は、成型開始に先立って分離する必要がある。したがって、成型がすべて終了した後は、上型本体1Aを再度上型支持部材1Bに戻さなければならない。
図17の構成の場合は、上型本体1Aと上型支持部材1Bの線膨張係数を異ならせる必要もなく、上型本体1Aの外径を上型支持部材1Bの内径より小さく設定しておくことができるのでさほど問題は生じない。しかし、図6、図16で示した構成の場合は、上型本体1Aと上型支持部材1Bが、常温において圧入による軽い止まり嵌めになるように、それぞれの線膨張係数と外径・内径を設定しておくのであるが、軽くても止まり嵌めの場合は自重で嵌合できるほどの緩さではないので、ある程度力を加えて押し込まなければならない。それぞれの嵌合部の端面は面取りをしておくのが望ましいが、それだけでは簡単に挿入できない。
そこで、図18に示すように、上型支持部材1Bの周方向の一部を切り取った切断部を有する形状にする。これにより、上型本体1Aが押し込まれたとき、切断部が拡開し抵抗力が弱まるので、挿入が容易になる。
図19は下型と胴型を一体化した構成を示す図である。同図(a)は初期組み付けの状態、同図(b)は傾斜によって上型が移動した状態、同図(c)は上型を加圧している状態をそれぞれ示す図である。
同図(a)において、上型本体1Aは上型支持部材1Bに保持されている。ゴブ材を型面に載置した下型2の上面に、上型本体1Aを保持した上型支持部材1Bが載せられる。この状態から、全体を傾斜させると、同図(b)に示すように、上型支持部材1Bが下型2の傾斜された上面を低い方に向かって滑り、上型1の小径部が下型2の内周部に当接したところで止まる。
ここで、上型本体1Aに図示していないヒータを接触させて図示しないシリンダで加圧し、上型本体1Aをその軸方向に移動させる。上型本体1Aが上型支持部材1Bに対して線膨張係数の違いで軽圧入になっている場合は、ヒータによる温度上昇で圧入状態が解放され、上型本体1Aが自重で落下し、型面がゴブ材7に当接する。温度上昇は、成形温度程度でも良いが、成型温度よりも高い温度にしたとき上型本体1Aと上型支持部材1Bの嵌合が緩むように設定しておいても良い。その場合は、成形温度においては両者間に若干の接触圧力が働くが、加圧による上型本体1Aの移動を妨げるほどでは無いため上型支持部材1Bが、上型本体1Aの移動に対汁案内部材の役割を果たし、滑らかな直進が保証される。
なお、同図(c)では型が傾斜した状態で加圧するように示してあるが、型の軸が鉛直方向になるように戻してから加圧・加熱する方法にしてもよい。
この型構造の場合は、予め下型と胴型が精度高く構造的に一体化されているので、成形に当っては上型の位置精度だけ気を付ければよいので作業工程が楽になるし、下型の移動がないので、装置の構成も簡単になる。
下型部と胴型部の成形面の加工に当って、精度が出しにくい場合は両者を別々に加工してから、しかるべき手段によって両者を精度良く組み付けてもよい。
上型本体1Aが図17の構造によって、ばねとボールの圧力で止まっている場合は、ヒータを介してシリンダで加圧することによって、上型本体1Aは軸方向に強制的に移動させられる。
同図(c)に示すように成形終了時点で上型本体1Aの外周が上型支持部材1Bの内周から外れないようにしておけば、成型品を取り出した後、型をもとの状態に戻すとき、単に押し込むだけで済むので作業が簡素化できる。しかも、この構成の場合は、ヒータ5が上型本体1Aを押し込む際、上型支持部材1Bの内周が上型本体1Aの直進移動の案内部材としての役割を果たすので、上型本体1Aの移動が安定して行われる。このためには、成形温度において上型支持部材1Bと上型本体1Aの間の接触圧が丁度0になるようなそれぞれの線膨張係数と内径・外径の設定をしておくとよい。
図20は下型胴型一体化構成の型を成形装置に装着した状態を示す図である。
下型2の外径より少し大きい穴をあけた基板4の下面に、穴を塞ぐようにヒータ5が密着固定されている。初期組み付け状態で型全体を基板4の穴に合わせて置く。
このとき基板4を先に傾けておいても良いし、水平においた基板4に型を載せてから傾けても良い。その結果、基板4の穴と下型2の外周、下型2の内周面と上型1の小径部外周はそれぞれ傾斜方向の低い方に寄って互いに当接して安定状態になる。
図21は加圧方向の角度ずれによる影響を考察するための図である。
回転座標系を考え、簡単のため、上型の形状を長方形とし、上型の右端中央から押すと仮定すると、原点(●)を支点としたY方向の力のモーメントは、Fpを斜面に対する加圧力とすると、
(L/2)×mgcosθ0=L×Fpsinθ1
加圧方向の斜面に対する角度ずれθ1は最大でも1分程度なので、θ1=1/60度、上型の質量を1kg、加圧力を200kgとすると、上式は、
cosθ0=5.94×10−3となる。
これより、θ0=89.7°が得られる。
このことから、上型は89.7°より小さい角度で傾けられているときに、斜面から離れないことが分かる。
斜面(胴型内周面)が鉛直の場合には、加圧方向の鉛直方向からの角度誤差と、胴型内周側面と直交する方向への力の関係により、胴型内周から離れる場合が考えられる。
本発明の1実施形態を説明するための図である。 斜面に置かれた物体が動き出すときの力関係を示す図である。 胴型を固定した場合の動作を分解図的に説明するための図である。 下型を固定した場合の動作を分解図的に説明するための図である。 図1の構成によって成形したレンズの状態を説明するための図である。 上型と胴型の詳細構造を示す図である。 胴型を2体に分けた構成を示す図である。 成形型のみで斜面を形成する構成を説明するための図である。 図8の構成に用いる主要部材の形状を説明するための図である。 基板に対する胴型の位置合わせのための切り欠きを示す図である。 胴型に対する上下型の位置決めをたやすく行うための構成を示す図である。 位置決めの他の構成を説明するための図である。 上型と胴型の位置決めをする他の構成を説明するための図である。 上下型の小径部がそれぞれ2本の母線で胴型平面部に当接する構成を示す図である。 図8において胴型を2体に分割した構成を示すの図である。 上型と胴型の詳細構造を示すの図である。 上型本体と上型支持部材の保持関係を示すの図である。 上型支持部材の変形例を示すの図である。 下型と胴型を一体化した構成を示すの図である。 下型胴型一体化構成の型を成形装置に装着した状態を示すの図である。 加圧方向の角度ずれによる影響を考察するための図である。 従来方式の型の問題点を説明するための図である。 非球面レンズを成形したときの問題点を説明するための図である。
符号の説明
1 上型
2 下型
3 胴型
4 基板
5 ヒータ
6 加圧シリンダ
7 ゴブ材
10 上型支持部材

Claims (25)

  1. それぞれが特定の芯を有する少なくとも上型と下型を有し、所定の基板上に載置される成形型を用いる成形方法において、少なくとも前記上型が水平面に対して特定の傾斜面に載置されるか、もしくは前記基板が水平面に対して傾斜されることによって、該傾斜方向に前記上型が移動して、前記上型と下型の芯合わせを行うことを特徴とする成形方法。
  2. 請求項1に記載の成形方法において、前記成形型は、さらに胴型を有し、前記基板が傾斜される構成の場合、前記基板の一端に支点を設け、前記基板が所定の角度傾斜できるようにしたことを特徴とする成形方法。
  3. 請求項2に記載の成形方法において、前記芯合わせは、前記上型と下型が共に胴型に当接することで達成することを特徴とする成形方法。
  4. 請求項2ないし3のいずれか1つに記載の成形方法において、前記基板が傾斜されて前記芯合わせが行われた後、前記成形型を傾斜させたままで成形を行い、前記所定の角度、および成形時に前記上型が型押しをするときの移動方向の角度が、鉛直方向に対し所定の角度以上90°までの間に設定されていることを特徴とする成形方法。
  5. 請求項2ないし3のいずれか1つに記載の成形方法において、前記基板が傾斜された場合、前記芯合わせの後、前記成形型の傾斜を静かに戻し、成形時に前記上型が型押しをするときの移動方向が、鉛直方向に設定されていることを特徴とする成形方法。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型を上胴型と下胴型に2分割し、該下胴型で前記下型を支持する構成としたことを特徴とする成形方法。
  7. 請求項1に記載の成形方法において、前記成形型は、さらに胴型を有し、前記上型と胴型の当接面が、水平面に対し所定角度の傾斜面に形成されていることを特徴とする成形方法。
  8. 請求項7に記載の成形方法において、前記胴型を上胴型と下胴型に2分割し、該下胴型で前記下型を支持する構成としたことを特徴とする成形方法。
  9. 請求項8に記載の成形方法において、前記下胴型と下型の当接面を、前記所定角度とほぼ同程度の傾斜面としたことを特徴とする成形方法。
  10. 請求項2ないし9のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型が前記基板に対し相対位置が固定され、前記上型と前記下型が移動し、それぞれ前記胴型の内周面の同一母線上で前記胴型に当接することを特徴とする成形方法。
  11. 請求項1に記載の成形方法において、前記下型は胴型を兼ねる構成であり、前記上型は前記下型の胴型相当部分上面を摺動面として支持されていることを特徴とする成形方法。
  12. 請求項11に記載の成形方法において、前記摺動面は水平面に対して傾斜していることを特徴とする成形方法。
  13. 請求項2ないし12のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型は、前記胴型もしくは胴型相当部分の上面に支持されていることを特徴とする成形方法。
  14. 請求項2ないし13のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上下型と前記胴型の対応する位置に、突条および凹溝からなる位置決め用の嵌合構造を形成したことを特徴とする成形方法。
  15. 請求項14に記載の成形方法において、前記該嵌合構造が成形体のマーク形成手段を兼ねることを特徴とする成形方法。
  16. 請求項2ないし13のいずれか1つに記載の成形方法において、前記胴型内周面に断面がV字型の溝を形成し、前記上下型の小径部は、前記V字型の溝面に2本の母線で当接することを特徴とする成形方法。
  17. 請求項2ないし16のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型と胴型の摺動面に規制部材を設け、前記成形型を傾斜させたとき、横ずれ、および回転を防止したことを特徴とする成形方法。
  18. 請求項1ないし17のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型は、上型本体と上型支持部材とから形成され、該上型支持部材はその下面に、前記上型本体の上部に形成された大径部を囲むことのできる凹部が形成され、前記上型本体と上型支持部材は一時的に一体化され、必要に応じて分離できることを特徴とする成形方法。
  19. 請求項18に記載の成形方法において、前記上型支持部材は、その線膨張係数が前記上型本体のそれより大きい材料を選定することを特徴とする成形方法。
  20. 請求項18に記載の成形方法において、前記上型本体の前記上型支持部材内周面に当接する位置にボールプランジャを配設したことを特徴とする成形方法。
  21. 請求項18ないし20のいずれか1つに記載の成形方法において、前記上型本体の外径は、成形温度において、前記上型支持部材とほぼ同じであることを特徴とする成形方法。
  22. 請求項1ないし21のいずれか1つに記載の成形方法において、前記傾斜により移動する部材と、その部材を支持する部材との間の摺動面において、少なくとも一方に多孔質膜を形成したことを特徴とする成形方法。
  23. 請求項1ないし21のいずれか1つに記載の成形方法において、前記傾斜により移動する部材と、その部材を支持する部材の少なくとも一方を多孔質の材料で形成したことを特徴とする成形方法。
  24. 請求項22または23に記載の成形方法において、前記多孔質膜もしくは多孔質材料の微細孔に潤滑材を埋めこんだことを特徴とする成形方法。
  25. A、B、C
    請求項24に記載の成形方法において、前記潤滑材は二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンであることを特徴とする成形方法。
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