JP6710003B2 - 対象物の面合わせ・調心装置 - Google Patents

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Description

本発明は対象物の面合わせ及び調心のための面合わせ・調心装置に関するものである。
対象物と、この対象物に接続等される部材と面合わせや調心を行う場合には、一般に、ステージ部に対象物を保持しておき、その対象物の位置をステージ部の位置、傾きを変えながら行っている。特に、対象物が光部品等の場合には、面合わせや調心にミクロンオーダーの高精度が要求されるため、従来からさまざまな対象物の面合わせ・調心装置が提案されている。
そこで、いわゆるジンバル機構を用いて、ジンバルの下部を凸状の球面形状にして、この球面形状の下に転動体としてのボールベアリングや、ローラベアリングを有する支持部材を配置して、ジンバルを自由に傾動させることが検討されている(特許文献1)。
そのようなボールベアリングや、ローラベアリングでは、ジンバルに低荷重が加えられるような場合には、何ら問題無いが、半導体パッケージの封印(封止)工程等に使用して、自由に傾動可能なジンバルに高荷重が加わるような場合には、ジンバルを支持する部材を構成するボールベアリングは、点接触であり、ローラベアリングは、線接触であり、非常に狭い面積領域に大きな荷重が加わることになり、支持部材を構成するボールベアリング等の部品の塑性変形や破断等のおそれがあり、ジンバルに高荷重が加わるようなものには適用できないという問題点があった。
特許第4140811号公報
本発明は、斯かる実情に鑑み、面合わせなどで高荷重が加わるような場合であっても、当該荷重による変形や摩耗性が少ない、いわゆる耐荷重性の高いステージ構造を有する面合わせ・調心装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、請求項に記載の発明は以下のような構成を有する。
(第1の発明)
第1の発明に係る面合わせ・調心装置は、対象物が載置されるステージ部と、
前記ステージ部を下方から支持する基台部と、
前記ステージ部に設けられ、下方に凸となる球面状の凸球面状外形部と、
前記基台部に軸支されると共に、前記凸球面状外形部の水平接線方向への水平移動と前記水平接線方向を軸とする回転移動とが可能であって、前記凸球面状外形部を下方から支持する少なくとも3個のロール状支持部と、
前記基台部に設けられ、前記凸球面状外形部と整合する下方に凹む球面状の凹球面状外形部と、
前記ロール状支持部の軸を支持すると共に、前記凹球面状外形部から離間している前記凸球面状外形部が、前記ステージ部に対する荷重の増加に伴い前記凹球面状外形部に密着するように弾性変形する弾性部材と、
枠状で前記ステージ部の周囲に配置され、水平面の一方向において前記ステージ部を挟んで向かい合う2箇所で前記ステージ部に対して固定される変形可能な撓みプレートと、
前記基台部に支持されると共に、水平面の前記一方向と交差する他方向において前記ステージ部を挟んで向かい合う2箇所で前記撓みプレートに対して固定される固定プレートと、
を備える。
本発明の対象物の面合わせ・調心装置は、大きく二つの部位を有しており、ステージ部と基台部とを備えている。本発明におけるステージ部とは、対象物が配置されるように構成されたものを含むものであれば良く、その対象物を固定した状態で保持するように構成されたものである。さらに、基台部とは、このステージ部を下部から支持する構成のものであって、ステージ部の荷重が加わる部分を含む概念のものである。
つまり、本発明においてステージ部は対象物が配置できれば全て該当するものであり、例えば、表面が平坦な円板形状で構成されて、その平坦部に対象物を直接配置するものや、取付部を別に備えステージ部と一体で可動するものであってもよく、例えば、表面に凹凸のある矩形状の板の上面に対象物取り付け用の部材(取付部)を設けたものであっても、この取付部を含めて本発明におけるステージ部に該当するものである。
本発明のロール状支持部は、その軸方向に対して回転可能で、かつ、軸方向へ平行移動も可能なロール状の支持部からなるものである。このロール状支持部の回転軸は、ステージ部の下面部に形成された凸球面状外形部の水平接線方向へ配設されたものである。これにより、ロール状支持部が軸方向に水平移動するので、そこに支持されているステージ部も水平方向への移動(球中心とステージ中心を結んだ中心を軸とする回転移動)が可能になる。
さらに、ロール状支持部で構成されているので、そのロール部が軸回転することで、そこに支持されているステージ部は、前記凸球面状外形部に沿った方向の移動が可能となる。そして、これらの複数のロール状支持部における軸回転と軸方向の相互の移動可能な状態の組み合わせの作用で、ステージ部の凸球面状外形部に沿った自由な移動が確保されている。
ちなみに、ステージ部の下面部を三つ以上のロール状支持部で下方から支持しても、各ロール状支持部で凸球面状外形部の水平接線方向へ移動する方向成分が全くないと、凸球面状外形部に沿ったスムーズ(自由)な移動は確保されない。例えば、前記水平接線方向を軸とする単純ロール部(軸方向の水平移動無し)のもので、支持した場合には、そのロール部の回転方向に正確に沿った移動の場合はスムーズであるが、各ロール状支持部のロールの回転方向とは異なる移動方向の場合には、いずれかのロール状支持部のロールに横方向(水平方向)の移動成分が発生し、それを許容しないと移動抵抗となって、スムーズな移動が確保できないものとなる。即ち、凸球面状外形部を支持する各ロール状支持部の水平移動が可能なものでない場合には、各ロール状支持部での支持状態が、互いにステージ部の水平方向への移動を拘束してしまい、ステージ部の水平移動が滑らかでない場合も生じてしまう。
そこで、本発明のロール状支持部は、凸球面状外形部の水平接線方向を軸とする回転移動が可能なロール状支持部が、更に軸方向への水平移動も可能な構成としている。つまり、ロール状支持部が凸球面状外形部の水平接線方向に水平移動すると共に、凸球面状外形部の水平接線方向を軸として回転移動して、ステージ部は滑らかに水平方向への移動も可能となるのである。
より詳細には、ロール状支持部は凸球面状外形部を支持しているから、ステージ部が一つのロール状支持部の回転方向に沿って移動すると、他のロール状支持部は前記一つのロール状支持部と180度の位置関係にあれば、単に回転移動だけを行うが、その他の位置にある場合には、回転移動と共に、水平方向への移動成分(支持反力)が生ずることになるので、この凸球面状外形部に沿って他のロール状支持部では水平接線方向の水平移動を許容すれば、スムーズな移動が確保できる。
言い換えれば、このとき、他の支持部では、ロールの回転方向の移動成分と、軸方向の移動成分とが生ずる移動状態となるので、前記他のロール状支持部では、凸球面状外形部に沿って水平接線方向を軸とする回転移動が行われると同時に、ステージ部に水平方向への力も加わるので、凸球面状外形部に沿って水平接線方向の水平移動するように作用し、その力をロール状軸受け部の軸方向への移動で受けるので、移動抵抗となりにくい。このように、本発明のロール状支持部では、前記凸球面状外形部に沿った色々な方向への移動に関して、ロールの回転方向と軸方向への移動を許容することで、凸球面状外形部に沿った自由で且つスムーズな移動を許容するものとなっている。
これにより、ステージ部が前記凸球面状外形部に沿った移動を行っても、互いのロール状支持部がステージ部の移動を拘束することがなく、ステージ部は前記水平方向への移動成分も許容して移動する。このとき、ロール状支持部は凸球面状外形部を支持しているので、ステージ部が各ロール状支持部において前記水平方向への移動成分を持って移動しても、各ロール状支持部がその水平方向への移動成分をロール状支持部の軸方向への移動として許容するので、結果としてステージ部は凸球面状外形部に沿った球面軌跡を描きながら自在にかつスムーズに傾きを変えて移動することとなる。
即ち、本発明の対象物の面合わせ・調心装置によれば、基台部のロール状支持部が、ステージ部の凸球面状外形部の水平接線方向への水平移動と、凸球面状外形部の水平接線を軸とする回転移動とが可能なロール状支持部で構成されているから、ステージ部が水平面内の全ての方向に対して、いずれの方向でも振り子のように自在に傾きを変えるように移動するので、対象物の傾きを任意に変更でき、面合わせや調心をスムーズ且つ確実に行うことができるのである。
ここで、本発明において、ロール状支持部とは、凸球面状外形部を支持するためのロール状の部材を有し、該ロール状部材が凸球面状外形部の水平接線方向の水平移動と水平接線方向を軸とする回転移動を可能とする構成のものであれば何れのものでも使用可能である。
例えば、一つの軸にロール状部材を挿入し、軸とロール状部材との隙間に球状の転動体(ボールベアリングなど)を内部に装着して構成され、ロール状部材は球状転動体の転動に伴って軸方向移動と軸回りの回動が可能となり、本発明のロール状支持部となる。
さらに、本発明では、ロール状支持部の軸は、ステージ部に荷重が加わった場合に弾性変形可能な弾性部材で支持されている。
これにより、ステージ部に弾性部材が弾性変形可能な小さな荷重が加わった場合、すなわち、そのような低荷重がステージ部に加わった場合は、弾性部材が弾性変形することで、ステージ部と共にロール状支持部が(下方に移動して)沈むことで、ロール状支持部を構成する例えば点接触するボールベアリング等が塑性変形したり、破断することなく、上述したようなステージ部の自由な傾動動作を支持しながら、ステージ部に加わる荷重を受け止めることができる。
一方、ステージ部へ大きな荷重が加わった場合、弾性部材が大きく弾性変形して、ステージ部が大きく下方に移動して沈み込み量が大きくなると、凸球面状外形部と凹球面状外形部とは互いに整合するような外形曲面に形成されていることで、ステージ部の凸球面状外形部の全体と、基台部の凹球面状外形部の全体とが互いに密着し、凸球面状外形部の全体を、凹球面状外形部の全体で支持することになる。これにより、ステージ部へ大きな荷重が加わったような場合であっても、当該荷重がロール状支持部の狭い面積領域に加わるようなことを防止することができ、ロール状支持部を構成する部品の塑性変形や破断等の発生を防止することができ、ロール状支持部が破損してしまうようなことを回避することができる。
これにより、面合わせなどで高荷重が加わるような場合であっても、当該荷重による変形や摩耗性が少ない、いわゆる耐荷重性の高いステージ構造を有する装置を提供することができる。
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置によれば、上述したような撓みプレートと、固定プレートとが設けられていることで、ステージ部の傾動動作を撓みプレートの変形により吸収することができ、さらに、さらにこの撓みプレートが、直接基台部に固定されずに、それらの間に固定プレートを介していることで、ステージ部の傾動動作を撓みプレート及び固定プレートの二つにより吸収することができる。
また、傾動動作可能なジンバルは、撓みプレートを介して固定プレートに連結されることになるので、所定の傾動動作が自由に行うことができると共に、ステージ部の回転方向の動きを記載することができる。これにより、ステージ部が他数回の傾動動作で際限なく回転移動してしまうようなことを防止することができる。
(第の発明)
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置は、前記固定プレートと前記基台部との間には、水平面上の直交する2軸でスライド可能なスライド装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係るスライド装置は、水平面方向に任意に移動調整可能なものを全て含むものであり、例えば、XY平面状の直交する2軸で自由にスライド可能なXYスライド装置が含まれるものである。
本発明によれば、固定プレートは、撓みプレートを介して、ステージ部に連結されている。固定プレートと基台部との間にスライド装置を備えていることで、ステージ部を、水平面状の直交する2軸方向へ移動させることが可能となる。これにより、自由に傾動可能なステージ部の水平方向への移動をガイドすることが可能となる。
ステージ部を自由に傾動動作することができる上に、水平方向への移動ができることで、種々の大きさの対象物を適用可能にすることができ、面合わせ・調心装置としての作業性を向上させることができる。
(第の発明)
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置は、前記撓みプレートの上方には、前記撓みプレートの上方を覆う保護カバーを設けたことを特徴とする。
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置によれば、撓みプレートの上方に、撓みプレートの上方を覆う保護カバーを設けたことで、容易に変形可能な薄板枠状の撓みプレートに作業中、対象物や、作業用部品等が落下して、損傷したり変形したりするようなことを防止することができる。
(第の発明)
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置は、前記凸球面状外形部が前記凹球面状外形部と密着するように前記ステージ部を前記基台部側に移動させて保持する保持機構を備える。
なお、この保持機構は、ステージ部を下方に強制的に移動させて沈みこませて、ステージ部の凸球面状外形部と、基台部の凹球面状外形部とを密着させることができるようなものであれば、その機構の構成は特に限定されるものではない。
の発明に係る対象物の面合わせ・調心装置によれば、保持機構により、ステージ部を下方に移動させることで、ステージ部の凸球面状外形部と、基台部の凹球面状外形部とを密着させ、ステージ部の傾動動作や水平方向への移動を制限し、ステージ部の傾きを当該状態に維持したまま保持させることができる。
本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の外観斜視図である。 本実施形態であって、(A)は弾性部材を説明するための対象物の面合わせ・調心装置の一部の外観斜視図、(B)は弾性部材を説明するための対象物の面合わせ・調心装置の一部の外観側面図である。 本実施形態であって、ロール状支持部の概略断面図である。 本実施形態であって、(A)は対象物の面合わせ・調心装置の分解斜視図、(B)は、対象物の面合わせ・調心装置のジンバルより下側を構成する部品の外観斜視図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の上面図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の外観側面図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の縦断面図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の外観斜視図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の外観側面図である。 本実施形態であって、対象物の面合わせ・調心装置の縦断面図である。
以下、本実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、本実施の形態に係る対象物の面合わせ・調心装置10の主要な特徴点について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る対象物の面合わせ・調心装置10は、対象物17(図7参照)を配置するステージ部である円板状のジンバル11と、該ジンバル11を下部から支持する基台部16であるジンバルベース12とを備えている。
ステージ部としてのジンバル11は、その下面部に、球面状の凸状外形が形成された凸球面状外形部13を有している(図7参照)。
基台部16としてのジンバルベース12は、ジンバル11の凸球面状外形部13を支持するロール状支持部60と、ステージ部としてのジンバル11の凸球面状外形部13に整合する凹状外形が形成された凹球面状外形部15(図7参照)とを有している。
ロール状支持部60は、ステージ部の凸球面状外形部を下方から支持して、少なくとも3つ以上設けられており、このロール状支持部60は、凸球面状外形部13の水平接線方向へ水平移動可能に構成されると共に、凸球面状外形部13の水平接線方向を軸とする回転移動が可能に構成されている。
ロール状支持部60の軸は、ステージ部としてのジンバル11の上面において、荷重が加わった場合に弾性変形可能な弾性部材70で支持されている。
ステージ部としてのジンバル11へ荷重が加わると弾性部材70が弾性変形することでステージ部としてのジンバル11と共にロール状支持部60が沈む(下方に移動する)ように形成されている。
ステージ部としてのジンバル11への荷重が増加して大きな荷重になると、ジンバル11の凸球面状外形部13と、基台部16としてのジンバルベース12の凹球面状外形部15とが密着し、凸球面状外形部13を凹球面状外形部15で支持するように形成されている。
図2に示すように、ジンバルベース12は底部を有する略円筒形状の外形を成し、その上部にはジンバル11を下方から支持する上部ジンバルベース12aと、この上部ジンバルベース12aを支持する下部ジンバルベース12bとを備えている。
三つのロール状支持部60はジンバル11の中心部から同心円上に120度間隔をあけて均等に取外し可能に配置されている。
図1に示すように、ステージ部であるジンバル11と、ジンバルベース12である基台部16との間には、ジンバル11の下部に設けられた移動調整手段19を備えている。
この移動調整手段19は、ジンバル11の周囲に位置して、ジンバル11と複数箇所で接続される変形可能な薄板四角枠状の撓みプレート20と、この撓みプレート20と複数箇所で接続されると共に、ジンバルベース12により支持されて撓みプレート20よりも剛性の高い固定プレート25とを備えている。
撓みプレート20は、枠状でステージ部の周囲に配置され、水平面の一方向においてステージ部を挟んで向かい合う2箇所でステージ部に対して固定されている。
固定プレート25は、基台部16に支持されると共に、水平面の一方向と交差する他方向においてステージ部を挟んで向かい合う2箇所で撓みプレート20に対して固定されている。
具体的には、ジンバル11の上面周縁と、ジンバル11の中心から円周方向180度間隔で撓みプレート20の枠状内縁とが第1連結部22(具体的にはねじ)で2箇所連結されている。
また、撓みプレート20の枠状外縁と、撓みプレート20の中心から円周方向180度間隔で固定プレート25とが第2連結部26(具体的にはねじ)により2箇所連結されている。2箇所の第1連結部22を結ぶラインと、2箇所の第2連結部26を結ぶラインとは、互いに直行するように配置されている。このように、第1連結部22と第2連結部26とが、ジンバル11の円周方向の周囲に90度間隔で離れた位置となるように設定されていることで、ジンバル11の水平方向、垂直方向、回転方向の移動を、撓みプレート20及び固定プレート25の変形で吸収することが十分可能となるように形成されている。
なお、本実施の形態では、2箇所の第1連結部22を結ぶラインと、2箇所の第2連結部26を結ぶラインとは、直交するように形成されているが、特に直交することに限定されるものではなく、交差していれば特に直交していなくてもよいものである。
固定プレート25と基台部16としてのジンバルベース12との間には、水平面上の直交する2軸(X軸、Y軸)でスライド可能なスライド装置30を備えている。
具体的には、このスライド装置30は、固定プレート25と基台部16としてのジンバルベース12との間に位置して、水平面上のX軸方向にスライド可能なX軸スライド装置31(図1、図5、図6、図8参照)と、固定プレート25と基台部16としてのジンバルベース12との間に位置して、水平面上のY軸方向にスライド可能なY軸スライド装置41(図1、図6、図8、図9参照)とを備えている。
また、撓みプレート20の上方には、撓みプレート20の上方を覆う保護カバー80を設けている。なお、この保護カバー80は、ジンバルベース12からの延設さている縦断面形状が略コ字状の保護カバー支持板81により支持されているものである。
また、図7に示すように、ステージ部としてのジンバル11を下方に移動させて、ステージ部としてのジンバル11の凸球面状外形部13と、基台部16としてのジンバルベース12の凹球面状外形部15とを密着させたまま保持することで、ステージ部の移動を制限する保持機構50を備えている。
以下、本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10について、さらに詳細に説明する。
図7に示すように、ジンバル11は、その下面部に仮想の点を中心(仮想中心G、なお、仮想中心Gは、ジンバル11の回転中心となる。)とする球面状の外形が形成された凸球面状外形部13を有する略円形状を成している。
さらに、ジンバル11の下面部中央部は、保持機構50の取り付けのために円柱状の円柱状空間部51が成されている(図7参照)。
スライド装置30は、図6及び図9に示すようにジンバルベース12の上にX軸スライド装置31が設けられ、このX軸スライド装置31の上にY軸スライド装置41が固定されている。具体的には、ジンバルベース12の上面に固定されると共に、ジンバルベース12のX軸方向に長手方向を有するX軸スライドレール32と、このX軸スライドレール32上をスライド可能なX軸スライド部33と、X軸スライド部33の上に固定されてY軸方向に長手方向を有するY軸スライドレール42と、このY軸スライドレール42の上をスライド可能であると共に上面が固定プレート25に固定されるY軸スライド部43とが順に上下に配置されている。
なお、図8〜図10において、ジンバル11の上面に載置されている立方体状のものは、ジンバル11の上面に対象物17を載置する際に作業性を考慮して便宜上使用している治具としてのスペーサ100である。
また、本実施の形態では有していないが、2つのスライドレール32、42の上をスライドするスライド部33、43の移動を拘束する拘束手段を、別途設けてもよいものである。具体的には例えばエアシリンダーから伸縮する棒状部材等によりスライド部33、43の移動を拘束するように形成するようなものが含まれる。
また、本実施の形態では有していないが、スライド装置30は、X軸スライドレール32とY軸スライドレール42とが交差する部分に、二つのスライドレール32、42が連通するようにそれぞれ下方に広がるテーパ状の穴を開けることで、原点位置を自動復帰できるような機能を設けてもよい。
具体的には、それらの穴には、穴と同径の球を挿入し、穴と連通するエアー供給口からエアーを供給することで球を穴の内壁にガイドされて上方に移動させ、かつ、エアーを排気すると球は下方へ移動するように形成することができる。このエアーの供給によって球が上方へ移動して穴のテーパ部まで到達すると、球の上方への押し上げ力がテーパ部に作用して、球が下部に位置してスライドレールが自由に移動できる状態から、スライドレールが中心位置へ復帰するように構成するように形成することが可能である。つまり、スライド装置30にエアーを供給することでスライド装置30の中心位置(原点)に自動復帰できる機能を有した構成にすることができる。
一方、図3に示すように、本実施形態において複数(3個)のロール状支持部60はそれぞれ三つの部材で構成されている。即ち、軸62と、軸62が挿入される筒状の円筒筐体66と、軸62及び円筒筐体66の間の隙間に転動自在に挿入された複数の球状のボールベアリング64とであり、これにより、ロール状支持部60を構成する。この構成により、円筒筐体66はボールベアリング64の転動に伴って軸62の軸方向へ水平移動し(矢印S1、S2参照)、かつ、軸62回りに回転移動する(矢印R1、R2参照)ことが可能となる。
また、図2に示すように、本実施形態における弾性部材70は、直方体の両端部から上方に立設された板状部材の上面において、ロール状支持部60の軸62の両端を軸支可能に形成されているとともに、当該板状部材には、水平方向にスリット状に切り欠かれた切欠スリット72が形成されていることで、当該板状部材の縦断面形状が略コ字状に形成されることになり、ロール状支持部60にジンバル11からの荷重が作用すると,切欠スリット72の切欠の間隔が狭まる方向に弾性変形することで、弾性部材70の両端の板状部材が撓んで、ロール状支持部60の軸62も一緒に下方側に移動することができるように形成されている。この弾性部材70の弾性変形により、ジンバル11に高荷重が加わった場合のロール状支持部60の下方側への垂直方向移動成分を吸収(許容)することができるように形成されている。
次に、上述したような構成を有する本実施形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10の作用効果について説明する。
ジンバル11の上面の中心位置に対象物17を載置し、この面合わせ・調心装置10の上方から所定の形状の部材が当該対象物17と面合わせが行える程度に接近させた後に、対象物17に部材を上から油圧装置等の所定の力で押し付ける。ここで、部材の接続面は対象物17の接続面に対して傾きを有した(接続面同士が平行でない)状態を想定することにする。このような接続面が傾いた状態で部材を対象物17に所定の力で押し付けると、部材と対象物17との接続面のずれ(傾きの違い)の分だけロール状支持部60に支持されたジンバル11が所定位置を中心として凸球面状外形部13に沿って傾きを所定方向に回転移動して変化して、対象物17と部材とが互いに密着して面合わせや調心がなされる。このとき、部材と対象物17とは所定位置で密着接続される。
このように本実施形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10を使用すれば、部材と対象物17との接続面の調整(傾き、中心位置の調整)を厳密に行わなくても、部材と対象物17とをジンバル11の上面で押し付けるだけでジンバル11が自在に傾きを変えて部材と対象物17との面合わせや調心を簡単に行うことができるものである。
さらに、本実施の形態では、ロール状支持部60の軸は、ジンバル11に荷重が加わった場合に弾性変形可能な弾性部材70で支持されている。
これにより、ジンバル11に低荷重が加わった場合は、弾性部材が弾性変形することで、ステージ部としてのジンバル11と共にロール状支持部60が(下方に移動して)沈むことで、ロール状支持部60を構成する例えば点接触するボールベアリング等が塑性変形したり、破断することなく、上述したようなジンバル11の自由な傾動動作を支持しながら、ジンバル11に加わる荷重を受け止めることができる。
一方、ステージ部としてのジンバル11への荷重が増加して、大きな荷重になった場合、弾性部材70が大きく弾性変形して、ジンバル11が大きく(下方に移動し)沈み込み量が大きくなると、凸球面状外形部13と凹球面状外形部15とは互いに整合するような外形曲面に形成されていることで、ジンバル11の凸球面状外形部13の全体と、ジンバルベース12の凹球面状外形部15の全体とが互いに密着し、凸球面状外形部13の全体を、凹球面状外形部15の全体で支持することになる。これにより、半導体パッケージの封印(封止)工程等に用いて、ステージ部への荷重が増加して大きな荷重となるような場合であっても、当該荷重がロール状支持部60の狭い面積領域に加わるようなことを防止することができ、ロール状支持部60を構成する部品の塑性変形や破断等の発生を防止することができ、ロール状支持部60が破損してしまうようなことを回避することができる。
本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、ステージ部としてのジンバル11の周囲に位置して、ジンバル11と複数箇所で接続される変形可能な薄板枠状の撓みプレート20が設けられ、この撓みプレート20と複数箇所で接続されると共に、ジンバルベース12により支持されて撓みプレート20よりも剛性の高い固定プレート25が設けられていることで、ジンバル11の傾動動作を撓みプレート20の変形により吸収することができ、さらに、さらにこの撓みプレート20が、直接ジンバルベース12に固定されずに、それらの間にもう一つの固定プレート25を介していることで、ジンバル11の傾動動作を吸収することができる。
また、傾動動作可能なジンバル11は、撓みプレート20を介して固定プレート25に連結されることになるので、所定の傾動動作を自由に行うことができると共に、ジンバル11の回転方向の動きを規制することができる。これにより、ジンバル11が他数回の傾動動作で際限なく回転移動してしまうようなことを防止することができる。
本実施の形態によれば、固定プレート25は、撓みプレート20を介して、ジンバル11に連結されている。固定プレート25をジンバルベース12との間にスライド装置30を備えていることで、ジンバル11を、水平面状の直交する2軸方向へ移動させることが可能となる。これにより、自由に傾動可能なジンバル11の水平方向への移動をガイドすることが可能となる。
なお、このスライド装置30には、ジンバル11の移動状態を定める基準位置のようなものを定めてもよい。基準位置を設けることで、水平面内方向に移動した後も、基準位置に復帰させれば、或いは、基準位置から所定量だけ移動させることで、所定位置に簡単に復帰させることができる。
なお、この基準位置は、例えば、X−Y二軸のスライドが交差する部分に下方に広がるテーパ形状の連通穴を開けておき、零点復帰させたいときだけその穴に下方から球体をエアー等で押し上げてテーパ作用によって強制的に零点に復帰させる手段や、水平移動の駆動手段としてステッピングモータを使用し、電気的に零点に復帰させる手段等の公知の位置調整手段を用いることができる。
ところで、ジンバル11が移動(傾き変化)すると、移動調整手段19を介して、スライド装置30のスライドレール32,42上のスライド部33,43も水平方向(X軸、Y軸)へ移動することとなる。つまり、ジンバル11の傾き変化に追従してスライド部33、43が水平方向に移動する。ジンバル11は凸球面状外形部13に沿って移動しながら傾きを変えるため、第1連結部22の位置は垂直方向にも変化することとなるが、ジンバル11とジンバルベース12とは、薄板枠状で容易に変形可能な撓みプレート20と固定プレート25とを介して接続されているため、撓みプレート20がジンバル11の垂直方向移動変化量に応じた量だけ自身の形状を変化させて吸収する。従って、スライド装置30の水平面内の移動に影響を及ぼすことはない。つまり、この撓みプレート20及び固定プレート25の作用によってジンバル11とスライド装置30とは互いに移動の動作を拘束することなく滑らかに移動が行え、対象物17の面合わせや調心の精度を低下させることはない。
本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、撓みプレート20の上方に、撓みプレート20の上方を覆う保護カバー80を設けたことで、容易に変形可能な薄板枠状の撓みプレート20に作業中、対象物17や、作業用部品等が落下して、損傷したり変形したりするようなことを防止することができる。
本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、保持機構50により、ステージ部としてのジンバル11を下方に移動させることで、ジンバル11の凸球面状外形部13と、ジンバルベース12の凹球面状外形部15とを密着させることで、ジンバル11の傾動動作や水平方向への移動を制限し、ジンバル11の傾きを当該状態に維持したままロックさせることができる。
上記保持機構50ついて、さらに具体的に説明する。
また、図7に示すように、対象物17と部材とを、面合わせ、調心後のずれを防ぐ場合には、対象物17と部材とが面合わせ、調心された状態を保持するように、保持機構50のロック状態を作動させればよい。
この場合には、ジンバル11下方のシリンダ52内のピストン54の上方側の空間に上部エア調節管120よりエアーを供給し、ピストン54の下方側の空間の空気を下部エア調節管125から排気させる。そして、ピストン54を下方に移動させるとともに、ピストン54と一緒に移動するロッド56を下方に移動させる。ロッド56の上部に連結されているロッド連結棒57を下方に移動させる。それに伴い、ロッドリング58及びリング受け部59を介して、ジンバル11を下方に移動させることで、ジンバル11の下部の凸球面状外形部13が、凹球面状外形部15に密着して、ジンバル11の傾きや、水平方向の移動を制限し、固定させることができ、ジンバル11の傾きは対象物17と部材とが面合わせ、調心された位置で保持されるから、対象物17と部材の接続面の接着を行う際に接続面がずれたりする心配もない。
なお、ロッド56の上部により下方に押圧されるロッドリング58の下面は、凸球面状外形部13と同様に下方に向かって凸状外形を有する凸状の球面状外形部が形成され、リング受け部59の上面は、凹状外形を有する凹状の球面状に形成されている。
これにより、ジンバル11が傾き変化した際、リング受け部59の上面をロッドリング58の下面が同様に傾き変化することで、ロッド連結棒57がジンバル11の傾き変化と一緒に傾かないようにすることができ、ジンバル11の移動の影響がロッド連結棒57や、ロッド56等に及ぶことを防ぐことができる。
さらに、本実施の形態では、ロッドリング58の下面の凸状の球面状外形と、リング受け部59の上面の凹状の球面状外形とが接する曲面によって定まるロッドリング58の回転中心は、ジンバル11の凸球面状外形部13の曲面と上部ジンバルベース12aの凹球面状外形部15の曲面とによって定まるジンバル11の回転中心となる仮想中心Gと一致するように形成されている。
これにより、保持機構50において、ピストン54の下降によりロッド56及びロッド連結棒57を介してロッドリング58が下方に押し込まれても、ロッドリング58の回転中心と、ジンバル11の回転中心である仮想中心Gとが一致することで、保持機構50を用いて、ジンバル11をロックするときに、ジンバル11の倣い状態を変化させないようにすることができる。結果として、ジンバル11をロックするときに安定した状態で維持することができる。
さらに、本実施の形態では、ジンバル11の倣い動作角度のリミットが設けられてあり、ジンバル11の傾斜角度が当該リミットの範囲内から逸脱しなように規制されている。具体的には、図7に示すように、円柱状空間部51の下部に当該内径よりも大きな内径を有する規制孔53が形成されてあり、当該規制孔53内部には、ロッド56の周囲に固定されている円筒状のリミットカラー55が挿入されている。この規制孔53の内径は、リミットカラー55の外径より僅かに大きくなるように形成されてあり、規制孔53の内周面と、リミットカラー55の外周面との間には、隙間が発生するような寸法形状に形成されている。ジンバル11が倣い動作により、傾斜した際、リミットカラー55の外周面の一部が、規制孔53の内周面の一部に当接しない範囲では自由に傾斜可能であるが、所定の傾斜範囲を超えると、リミットカラー55の外周面の一部が、規制孔53の内周面の一部に当接することで、それ以上、ジンバル11が傾斜しないように規制される。これにより、ジンバル11が倣い動作により、傾斜しすぎることによる破損等の種々の不具合の発生を防止することができる。
このように上述の使用方法によれば、対象物17と部材とを面合わせや調心する際に、互いの接続面が傾いたりしてずれていても(接続面の精度が悪くても)、部材を対象物17に押し付けるだけで簡単に面合わせや調心を行うことができる。しかも、ジンバル11上の対象物17の位置は移動しないので、面合わせや調心の精度は高いものとなる。
尚、スライド装置30の水平移動動作の固定方法としては、上述したものに限定されるものではなく、直接、各スライドレール上のスライド部を別のエアーシリンダの棒状部材等により、押圧して固定するようにしても同様の効果を得ることができる。
本実施の形態では、上述したような方法によりスライド装置30の水平移動動作を固定でき、ジンバル11の傾きは対象物17と部材とが面合わせ、調心された位置で保持されるから、対象物17と部材の接続面の接着を行う際に接続面がずれたりする心配もない。
一方、本実施形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10を面合わせや調心作業の微調整に用いることもできる。
つまり、部材及び/又は、対象物17が固定された面合わせ・調心装置10を空間内で一般的な移動調整手段を用いて移動し、部材と対象物17の接続面を接近させて面合わせを行う。このとき面合わせが十分であるかの検査、確認をする必要があるが、例えば、対象物17と部材との接続面を拡大した画像をモニタに取り込んでオペレーターが画像処理しながら確認すれば良い。概ね対象物17と部材との接続面が合ったら、本実施形態のスライド装置30のスライド移動量を調整する。スライド移動量の調整はスライド装置30にステッピングモータ(図示せず)を接続することで当該ステッピングモータで行うことができる。スライド装置30はジンバルベース12と固定プレート25との間に設けられ、ジンバル11は、撓みプレート20及び固定プレート25と連結されている。スライド装置30を用いてスライドレール32、42上のスライド部33、43を水平移動すれば、ジンバル11の傾きは変化し、対象物17と部材との面合わせ状態(傾き)や中心のずれの微調整が可能となるように形成されている。
微調整が完了した後にスライド装置30の水平移動動作を固定したい場合には、前述のようなシリンダ52を用いた保持機構50による固定方法によって固定しても良いが、ブレーキ機能を備えたステッピングモータを用いれば、このブレーキ機能によってもスライド装置30を固定できるから、この場合にはエアーシリンダは不要である。
このように、本実施形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10を用いれば、部材と対象物17とを押し付けることでジンバル11が自在に傾きを変化させて面合わせや調心を行うことができるばかりでなく、ジンバル11の傾きをスライド装置30を調整することによって変化させて対象物17と部材の接続面の面合わせや調心状態を微調整することも可能となるものである。
本実施の形態では、図7、図9に示すように、ベースプレート110とロードセルプレート115との間にロードセル116を設けていることで、ジンバル11に加わる荷重を監視することができるように形成されている。
尚、本実施の形態の光部品の面合わせ・調心装置10は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るようにしてもよい。
以上、説明したように本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、ステージ部としてのジンバル11が凸球面状外形部13に沿って自在に傾きを変えることができる構成のため、簡単に傾き制御を行えるという優れた効果を奏し得る。
また、ステージ部としてのジンバル11は少なくとも三つのロール状支持部60で下方から安定して支持された構成のため、構造が単純である。
ステージ部としてのジンバル11をロール状支持部60で支持するという単純構造のため、ロール状支持部60が長期間使用によって摩耗等した場合でも、ロール状支持部60のみを交換すればよく、メンテナンス時の作業効率が大幅に改善されるという効果もある。
また、本実施の形態に係る対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、上述のような優れた効果を有するから、高精度が要求される光ファイバー等の光部品同士を接続して接着する際に用いると、特に有利である。
さらに、本実施の形態では、図7に示すように、仮に仮想中心Gに対象物17を設置して、対象物17内に仮想中心Gがあるような場合には、本実施の形態の対象物17の面合わせ・調心装置10において、ステージ部としてのジンバル11は、基台部16としてのジンバルベース12に下部から支持されて凸球面状外形部13に沿った自由な移動が可能となる。このとき、凸球面状外形部13は対象物17の仮想中心G(図7参照)を中心とする球面状の外形を形成しているので、仮想中心に対してある方向に力を加えるとステージ部としてのジンバル11は凸球面状外形部13に沿って移動(傾きが変化)し、その移動の軌跡はステージ部としてのジンバル11に配置された対象物17の仮想中心Gを中心として描いた球の軌跡と一致する。よって、対象物17の仮想中心G自体は全く位置を変えることなく、常に同じ位置を維持することができる。
従って、対象物17を他の部材と接続等するときに、ステージ部としてのジンバル11が凸球面状外形部13に沿って移動して対象物17の仮想中心Gを微調整しながら接続等される部材との間で相対接続部位が合致するように面合わせや調心を行うが、この間対象物17の仮想中心Gは前記凸球面状外形部13の中心位置で動かないので、角度(傾き)のみを変更できるため、高精度で面合わせや調心を行うことができる。
上述したように、仮想中心Gに対象物17を設置するようにすれば、面合わせをしても位置は変わらないことになる。
即ち、本実施の形態では、上述したような配置にすれば、対象物17の角度(傾き)の変化に際して、仮想中心Gがずれないため、ずれを復元する機構を備える必要がなく、しかも、多軸制御等によってステージ部の向きを調整する必要もないため、装置自体の構造が非常に簡素化でき、小型化、低コスト化にも寄与することとなる。
また、さらに、本実施の形態のロール状支持部60は、基台部16に設けられた軸方向に対して回転可能で、かつ、軸方向へ平行移動も可能に形成さている。このロール状支持部60の回転軸は、ジンバル11の下面部に形成された凸球面状外形部13の水平接線方向へ配設されたものである。これにより、ロール状支持部60が軸方向に水平移動するので、そこに支持されているステージ部としてのジンバル11も水平方向への移動(球中心とステージ中心を結んだ中心を軸とする回転移動)が可能になる。
さらに、ロール状支持部60で構成されているので、そのロール部(円筒筐体66)が軸回転することで、そこに支持されているステージ部としてのジンバル11は、前記凸球面状外形部13に沿った方向の移動が可能となる。そして、これらの複数のロール状支持部60における軸回転と軸方向の相互の移動可能な状態の組み合わせの作用で、ステージ部としてのジンバル11の凸球面状外形部13に沿った自由な移動が確保されている。
本実施の形態のロール状支持部60は、凸球面状外形部13の水平接線方向を軸とする回転移動が可能なロール状支持部60が、更に軸方向への水平移動も可能な構成としている。つまり、ロール状支持部60が凸球面状外形部13の水平接線方向に水平移動すると共に、凸球面状外形部13の水平接線方向を軸として回転移動して、ステージ部としてのジンバル11は滑らかに水平方向への移動も可能となるのである。
より詳細には、ロール状支持部60は凸球面状外形部13を支持しているから、ステージ部としてのジンバル11が一つの支持部回転方向に沿って移動すると、他のロール状支持部60は前記一つのロール状支持部60と180度の位置関係にあれば、単に回転移動だけを行うが、その他の位置にある場合には、回転移動と共に、水平方向への移動成分(支持反力)が生ずることになるので、この凸球面状外形部13に沿って他のロール状支持部60では水平接線方向の水平移動を許容すれば、スムーズな移動が確保できる。
言い換えれば、このとき、他のロール状支持部60では、ロール(円筒筐体66)の回転方向の移動成分と、軸方向の移動成分とが生ずる移動状態となるので、前記他のロール状支持部60では、凸球面状外形部13に沿って水平接線方向を軸とする回転移動が行われると同時に、ジンバル11がある方向へ水平移動するように水平方向への力も加わるので、凸球面状外形部13に沿って水平接線方向の水平移動するように作用し、その力をロール状支持部60の軸方向への移動で受けるので、移動抵抗となりにくい。このように、本実施の形態のロール状支持部60では、前記凸球面状外形部13に沿った色々な方向への移動に関して、ロール(円筒筐体66)の回転方向と軸方向への移動を許容することで、凸球面状外形部13に沿った自由で且つスムーズな移動を許容するものとなっている。
これにより、ステージ部としてのジンバル11が前記凸球面状外形部13に沿って水平方向への移動成分を有するような移動を行っても、互いのロール状支持部60がジンバル11の移動を拘束することがなく、ステージ部としてのジンバル11は前記水平方向への移動成分も許容して移動する。このとき、ロール状支持部60は凸球面状外形部13を支持しているので、ステージ部としてのジンバル11が各ロール状支持部60において前記水平方向への移動成分を持って移動しても、各ロール状支持部60がその水平方向への移動成分をロール状支持部60の軸方向への移動として許容するので、結果としてステージ部としてのジンバル11は凸球面状外形部13に沿った球面軌跡を描きながら自在にかつスムーズに傾きを変えて移動することとなる。
即ち、本実施の形態の対象物17の面合わせ・調心装置10によれば、基台部16の支持部が、ステージ部としてのジンバル11の凸球面状外形部13の水平接線方向への水平移動と、凸球面状外形部13の水平接線を軸とする回転移動とが可能なロール状支持部60で構成されているから、ステージ部としてのジンバル11が、水平面内の全ての方向に対して、いずれの方向でも振り子のように自在に傾きを変えるように移動するので、対象物17の傾きを任意に変更できるので、面合わせや調心をスムーズ且つ確実に行うことができる。
10 面合わせ・調心装置
11:ジンバル(ステージ部)
12:ジンバルベース(基台部)
12a:上部ジンバルベース
12b:下部ジンバルベース
13:凸球面状外形部
15:凹球面状外形部
16:基台部
17:対象物
G :仮想中心
19:移動調整手段
20:撓みプレート
22:第1連結部
25:固定プレート
26:第2連結部
30:スライド装置
31:X軸スライド装置
32:X軸スライドレール
33:X軸スライド部
41:Y軸スライド装置
42:Y軸スライドレール
43:Y軸スライド部
50:保持機構
51:円柱状空間部
52:シリンダ
53:規制孔
54:ピストン
55:リミットカラー
56:ロッド
57:ロッド連結棒
58:ロッドリング
59:リング受け部
60:ロール状支持部
62:軸
64:ボールベアリング
66:円筒筐体
70:弾性部材
72:切欠部
80:保護カバー
81:保護カバー支持板
100:スペーサ
110:ベースプレート
115:ロードセルプレート
116:ロードセル
120:上部エア調節管
125:下部エア調節管

Claims (4)

  1. 対象物が載置されるステージ部と、
    前記ステージ部を下方から支持する基台部と、
    前記ステージ部に設けられ、下方に凸となる球面状の凸球面状外形部と、
    前記基台部に軸支されると共に、前記凸球面状外形部の水平接線方向への水平移動と前記水平接線方向を軸とする回転移動とが可能であって、前記凸球面状外形部を下方から支持する少なくとも3個のロール状支持部と、
    前記基台部に設けられ、前記凸球面状外形部と整合する下方に凹む球面状の凹球面状外形部と、
    前記ロール状支持部の軸を支持すると共に、前記凹球面状外形部から離間している前記凸球面状外形部が、前記ステージ部に対する荷重の増加に伴い前記凹球面状外形部に密着するように弾性変形する弾性部材と、
    枠状で前記ステージ部の周囲に配置され、水平面の一方向において前記ステージ部を挟んで向かい合う2箇所で前記ステージ部に対して固定される変形可能な撓みプレートと、
    前記基台部に支持されると共に、水平面の前記一方向と交差する他方向において前記ステージ部を挟んで向かい合う2箇所で前記撓みプレートに対して固定される固定プレートと、
    を備える対象物の面合わせ・調心装置。
  2. 前記固定プレートと前記基台部との間には、水平面上の直交する2軸でスライド可能なスライド装置を備える請求項1に記載の対象物の面合わせ・調心装置。
  3. 前記撓みプレートの上方には、前記撓みプレートの上方を覆う保護カバーを設ける請求項1又は請求項2に記載の対象物の面合わせ・調心装置。
  4. 前記凸球面状外形部が前記凹球面状外形部と密着するように前記ステージ部を前記基台部側に移動させて保持する保持機構を備える請求項1、2又は3に記載の対象物の面合わせ・調心装置。
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