JP4848194B2 - モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
特に、両面凹レンズを成形する場合には、凸形状の下型上にガラス素材を載置しなければならず、これを位置がずれたままにすると、下型上からガラス素材が落下する可能性がある。このため、成形型内において、光学素材に当接して所定位置に位置決めする方法が有効であるとしている。
例えば、両凹レンズを成形する場合は、下型の成形面が凸面となるため、成形素材の配置が困難である。そして、図10に示すように、上下型110,120により成形素材PFをプレス成形するにあたり、下型120の成形面121上に配置した成形素材PFが、プレス成形時に位置ずれを生じると、成形される光学素子が偏肉し、形状不良となるとともに、偏肉に起因する荷重印加の不均一によって光学機能面の面精度劣化が生じる。
この方法によると、上型、下型の移動に伴う駆動機構とは独立に、位置決め部材の当接、退避を駆動する機構が必要であり、装置構造が複雑化する。さらに、ラックとピニオンのような複雑な構造体を成形型近傍に配置することは、これら構造体の熱変形による影響などを考慮する必要が生じ、装置設計が著しく複雑化する。
この方法においては、プリフォームは常に下胴型の内周に接触しているため、下型成形面が凸形状であってもプリフォームの位置ずれは生じにくいとみられる。
したがって、成形素材の載置位置精度を十分に確保できない場合、例えば、成形素材を落下供給する場合や、成形素材の径にばらつきがある場合、成形素材の外形が真円でなく長短径差がある場合などには、保持リングの上端に成形素材を載置すること自体が困難になってしまう。
また、特許文献2の公報に記載の成形型では、上下型の同軸性を高く維持する機構がないため、得られた成形体の光学機能面の軸が一致せず、充分な光学性能が確保できない。
さらに、胴型により上下型の同軸性が確保され、プレス成形時の上下型成形面間の偏心を高精度に抑制することができるため、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。
このような構成とすれば、プレス成形時における支承部材の干渉をより確実に避けることができ、成形素材が下型と支承部材の隙間に入り込んでバリになることがない。また、成形体の下面側に、下型成形面と支承部材の境界段差が転写されることも防止され、成形体に内部歪みが生じたり、成形体が割れ易くなったりするなどの不良を回避し、得られる光学素子の品質を高めることができる。
このような構成とすれば、上下型の近接動作に連動して、支承部材を退避させることができるとともに、支承部材を常に一定量下方に退避させることが可能となり、より確実に支承部材の退避位置を決定することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記支承部材にはフランジ部が形成されており、前記フランジ部で前記第一の弾性部材を受けている構成としてもよい。
このような構成とすれば、下型からの支承部材の脱落を防止して、プレス成形の都度、支承部材を下型に支持し直さなければならないという煩わしさを避けることができ、前記ストッパー機構は、例えば、前記下型の側面に設けることで、省スペース化を図ることができる。より具体的には、前記ストッパー機構が、前記下型の側面に設けられた係合突部であり、前記支承部材は、径方向に二分割され、かつ、内周面に前記係合突部と係合する係合段部を有する内筒部と、当該二分割された内筒部が前記下型の成形面を回り囲むように突き合わされた状態で、その外周に取り付けられる外筒部とを有し、前記係合突部が、前記係合段部に当接することにより前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制している構成とすることができる。
このような構成とすれば、成形素材にプレス荷重を印加した後に、上下型を離間させるに際して、上型成形面に貼り付いた成形体を強制的に離型させることが可能となり、成形体の取り出し作業を支承なく行うことができる。
また、本発明のモールドプレス成形型において、前記胴型は、内周面に段差部を有し、当該段差部により前記ガイド部材の一部が保持されるようにすることができる。
上記のようなモールドプレス成形型は、単一の胴型が、上下型のそれぞれに接触して、上下型のプレス軸に直交する方向の位置規制をしているため、このような方法とすることにより、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。特に、凸面を有する下型を用いて両凹レンズをプレス成形する場合には、この方法が極めて有効である。
このような方法とすれば、成形素材の周縁部が自由端として開放され、成形素材の周囲に開放された空間を確保することができる。このため、凸面を有する下型成形面上に成形素材を供給するにあたり、成形素材の形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などに自由度を持たせつつ、下型上で成形素材を支承することが可能となり、成形素材の形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などを最適化し、面精度の高い光学素子を効率良く製造することができる。
このような方法とすれば、成形素材が下型成形面に持ち上げられて、支承部材から浮き上がったりするのを有効に回避して、支承部材上で成形素材がふらつくことなく、確実に、その姿勢を一定に維持させることが可能となり、成形素材をより安定して支承部材に支承させることができる。
このような方法とすれば、局所的な応力集中に起因する欠けや、面精度の劣化が生じてしまったりするなどの不都合を有効に回避することができる。
さらに、本発明によれば、胴型により上下型の同軸性を確保することが可能であり、プレス成形時の上下型成形面間の偏心を高精度に抑制することができるため、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。
まず、本発明に係るモールドプレス成形型(以下、「成形型」という)の実施形態について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る成形型の概略を示す要部断面図であり、下型20上に成形素材PFを供給した状態を示している(後述する図5(b)参照)。また、図2は、本実施形態に係る成形型の分解説明図である。
なお、上下型10,20に形成される成形面11,21は、それぞれ成形しようとするガラスレンズなどの光学素子の形状をもとに、精密な形状加工を施すことによって形成される。また、図示する例において、上下型10,20の成形面11,21は、ともに凸面を有しているが、上型10に形成される成形面11の形状は任意であり、凹面、又は平面であってもよい。
なお、図示は省略するが、本実施形態の成形型は、プレス成形時に、上型10の上端面、及び下型20の下端面が、それぞれ荷重印加手段のプレス成形軸に当接し、荷重印加手段によってプレス荷重が印加される構造とすることができる。
なお、上型10の大径部13と胴型30の上部側内周面とのクリアランス、及び下型20の大径部23と胴型30の下部側内周面とのクリアランスは、要求される光学素子の偏心精度を考慮すると、10μm以下であるのが好ましく、より好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは3μm以下である。
このような支承部材40を備えることにより、凸面を有する下型20の成形面21上に、確実に、かつ、安定して成形素材PFを供給することができる。さらには、図示するように、成形素材PFの下面側の周縁部近傍を支承部材40に支承させるようにすることで、成形素材PFの外方に開放空間を確保して、支承部材40に支承させた成形素材PFの周縁部を自由端とすることもできる。
なお、支承部材40に成形素材PFを支承させるにあたり、支承部材40の成形素材PFと当接する部位(支承部)は、図示するように、直角であってもよいが、面取加工を施してテーパ面としたり、R面としたりすることもできる。また、支承とは、成形素材PFが一定の姿勢を維持できるようにすることをいうものとする。
このようにすることで、支承部材40がプレス成形の邪魔にならず、成形素材PFに対してプレス荷重を均等に印加することができるため、成形素材PFを成形してなる成形体Pの面精度が向上する。
このようにすれば、プレス成形時における支承部材40の干渉をより確実に避けることができ、プレス成形時に、成形素材PFが下型20と支承部材40の隙間に入り込んでバリが生じてしまうなどの不具合を有効に回避できる。また、成形体Pの下面側に、下型20の成形面21と支承部材40の境界段差が転写されることも防止され、成形体Pに内部歪みが生じたり、成形体Pが割れ易くなったりするなどの不良を回避し、得られる光学素子の品質を高めることができる。
このようなストッパー機構としては、例えば、下型20の側面(図示する例では、成形面21の周縁)に沿って、外方に張り出す係合突部24を設けるとともに、この係合突部24に係合する係合段部44を支承部材40の内周面に設けるなどすればよく、このように、下型20の側面にストッパー機構を設けることで、ストッパー機構の省スペース化を図ることができる。
すなわち、下型20自身に係合突部24を設けることにより、下型20と胴型30との間に、ストッパー機能を備えるための別部材を新たに設ける必要がなく、単一の胴型30が上下型10,20に直接摺接して両者を規制することで、偏心精度を高めることができる。
なお、図3は、支承部材40の分解斜視図であり、図示は省略するが、外筒部42は、内筒部41に対して、例えば、ねじ嵌合や、凹凸嵌合などの適宜手段により取り付けることができる。また、支承部材40の外径を胴型30の内径よりも小さくしておくことで、支承部材40を備えた下型20を胴型30に進入させる際の干渉を避けることができる。
なお、図4(a)は、当接部材52の概略斜視図であり、図4(b)は、ガイド部材51の概略平面図である。
また、ガイド部材51の上端側には、ガイド部材51の内周に沿って張り出す環状の強制離型手段54が形成されており、この強制離型手段54には、図示するような挿通孔511が形成されている。
なお、強制離型手段54は、プレス後に上下型10,20を離間させる際に、成形体Pを上型10の成形面11から強制的に離型させるために、その内周径が、上型10の小径部12の外径とほぼ等しくなっているが、その動作については後述する。
このとき、当接部材52は、上下型10,20が近接する過程で、支承部材40が当接片521の下端に接すると(図5(c)参照)、そのまま上方に持ち上げられるようになっている。そして、当接部材52の上端が、上型10の大径部13の下面に接すると(図5(d)参照)、それ以上の当接部材52の上動が妨げられ、当接部材52が支承部材40を押し下げる格好となり(図5(e)参照)、これによって、支承部材40が下型20の成形面21の周囲から退避するようになっている。
また、上下型10,20の成形面11,21や、支承部材40などの成形素材PFと接触する部位には、融着防止のためのコーティングを施すことができる。このようなコーティングとしては、炭素を含有する膜、貴金属膜などとすることができ、公知の離型膜と同様の膜とすることが可能である。例えば、炭素や、炭化水素を主成分として含有する膜を、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVDなどの公知の手段を用いて、所定の膜厚で成膜することができる。
次に、本発明に係る光学素子の製造方法の実施形態について、図1に示す成形型を用いて実施する例について説明する。
なお、図6は、本実施形態における製造工程の概略を示す説明図である。
成形素材PFを供給するに際しては、任意の搬送治具を用いて、下型20の成形面21上に成形素材PFを搬送、配置することができるが、このとき、成形素材PFは、プレス成形に適した粘度に予め予熱しておくのが好ましい。
このような温度条件を充足すると、成形サイクルタイムを短くすることができるとともに、成形するレンズの面精度も良好となるため、量産上極めて有利である。
なお、図6(a)は、落下供給手段60の一例を示す概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A断面図である。
そして、支持アーム61内部には、浮上皿62の受け部63に至るガス孔61aが形成されており、このガス孔61aを通って、不活性ガスが浮上皿62の受け部63の下方から噴出する。これにより、浮上皿62の受け部63に保持された成形素材PFを、浮上皿62内で僅かに浮上させながら、搬送することができるようになっている。
なお、図7(a)は、位置修正手段の一例を示す概略平面図であり、図7(b)は、成形素材PFの位置修正をしている状態を示す説明図である。
なお、位置修正手段70は、位置修正動作後には、ガイド部材72を開いて下型20上から退避させるが、成形素材PFとの接触時に成形素材PFの熱を散逸しないために、その退避位置において、位置修正手段70を予熱しておくのが好ましい。
また、両凸曲面形状の場合には、上面と下面の両方のRが近似した値を示すのが好ましく、落下供給時に反転してもプレス成形に支障が生じないようにするためにも、双方のRは一致しているのがより好ましい。
なお、上下両面のRが異なり、上下で非対称の成形素材PFを用いる場合には、成形素材PFの上下が一定となるように供給して、支承部材40に支承させる面が常に同じになるように、成形素材PFが不規則に反転してしまわないようにするのが好ましい。
R>(α2+(φ1/2)2)/2α ・・・ (1)
R2=(R−X)2+(φ1/2)2 ・・・ (2)
これをXについて解くと、下記式(3)が得られる。
X=R−(R2−(φ1/2)2)1/2 ・・・ (3)
そして、成形素材PFが成形面21に接触しないための条件は、C>Xであるから、この条件を上記式(3)に代入することで上記式(1)を導くことができる。
この際、図示する例では、下型20が上型10に向かって上昇し、成形素材PFを支承した支承部材40とともに、下型20が胴型30内に進入するようになっている(図5(c)参照)。そして、上下型10,20が近接する過程で、下型20の大径部23の側面が、胴型30の下部側の内周面に接触することにより(図5(d)〜(f)参照)、上下型10,20の同軸性が確保される。
このため、上下型10,20が近接する過程で、成形素材PFは、上型10の成形面11と、下型20の成形面21とに、ほぼ同時に接触するようにするのが好ましく、成形素材PFの位置ずれや、滑落を防止することにのみ着目すれば、上型10の成形面11の方が、先に成形素材PFに接触するようになっているのが好ましい。
また、所望のタイミングで、成形素材PFの受け渡しが安定して行われるようにするためには、成形素材PFの厚みのばらつきを少なくするのが好ましく、特に、成形素材PFを支承部材40に支承させたときの支承部材40の上端から成形素材PFの最上面までの高さβのばらつきが、±0.5mm程度の範囲となるようにするのが好ましい。
例えば、まず、第一荷重を印加して、成形素材PFを、所定の中心肉厚(最終的に得ようとする光学素子の中心肉厚よりわずかに大きい肉厚)まで変形させるとともに、この変形過程において、第一荷重の印加開始時、又は印加中に冷却を開始し、第一荷重の印加に並行して冷却を行う。次いで、成形素材PFの温度が粘度で1010dPa・s相当、又はそれ以下となった時点で、第一荷重より小さい第二荷重(第一荷重の30〜70%程度)を印加する。
このような、冷却と連動した多段階の荷重印加スケジュールを適用すれば、優れた面精度(例えば、アス、クセが2本以内)、及び肉厚精度の光学素子を安定に得ることができる。
そして、ガイド部材51は、弾性部材53により上型10に対して下方に付勢されているため、上下型10,20が離間するにつれて、ガイド部材51が胴型30内を下方に摺動し、強制離型手段54の内周縁部が上型10の成形面11の周縁とすれ違うようになっている。
下型20が降下を終えて所定の位置に達したら、図示しない吸着パッドを備えた搬送アームなどを用いて、下型20上で支承部材40に支承された成形体Pを取り出すが、取り出した成形体Pには、芯取り加工を施し、所定のレンズ形状とすることができる。
なお、上下型、及び胴型は、ともに炭化ケイ素からなるものを用いた。また、上下型の成形面は鏡面研磨するとともに、その表面には、炭素を主成分とする離型膜を形成しておいた。
(a)加熱工程
高周波誘導コイルを備えた加熱手段により、上下型のそれぞれを所定温度(ガラス粘度で108.5dPa・s相当)に加熱した。一方、成形型外において、搬送治具(落下供給手段)が備える浮上皿内で、噴出するガスにより実質的に浮上した状態としながら成形素材を加熱軟化させ、所定温度(ガラス粘度で107.5dPa・s相当)に予熱した。
下型を降下させて供給位置で停止し、上下型を離間させて、成形素材の供給に必要なスペースを確保した。
次いで、搬送治具により下型成形面上に成形素材を搬送し、搬送治具をその中心線において二つに分割させることにより、実質的に浮上した状態にある成形素材PFを落下供給した。その後、成形素材の周囲から位置修正手段を幅寄せして位置修正を行い、成形素材の下面側の周縁部近傍を支承部材に支承させた。
加熱軟化した成形素材が支承部材に支承された状態で下型を上昇させ、成形素材を支承した支承部材とともに、下型を胴型内に挿入していくことにより、上下型の同軸性を確保する。そして、支承部材の退避と成形素材の受け渡しがなされるのとほぼ同時に、成形素材を上下型で加圧し(プレス荷重:150kgf)、上下型の成形面を成形素材に転写することによって、所定の面形状、所定肉厚を有する成形体(両凹レンズ)とした。
上下型と成形体との密着を維持したまま、これらを冷却した。この時点で、成形体は上型成形面の外径よりも若干大きく、上型成形面からはみ出るように変形しており、成形体が、ガラス転移点相当の温度に冷却されてから、下型を降下させた。
このとき、成形体が上型成形面に付着していた場合には、上下型が離間するのに連動して、強制離型手段が上型成形面からはみ出した成形体と接触し、成形体を上型成形面から強制的に離型させた。また、上下型がさらに離間すると、支承部材が上昇して下型成形面上の成形体が持ち上げられ、これによって、成形体の下型成形面からの離型を促した。
そして、下型が所定の位置に達した後は、支承部材に支承された成形体を、吸着パッドを備えた搬送アームにより取り出した。
上記工程によって成形した結果、その全数において、成形素材は、支承部材により下型成形面上に確実に、かつ、安定して供給され、滑落などは見られなかった。また、得られた両凹レンズは、その全数において、有効径(10mm)を超える転写面が確保されており、偏肉による有効径不足は生じなかった。
さらに、得られた両凹レンズの面精度について評価したところ、クセは0.5本以内であり、所定の仕様を満足していた。すなわち、上下型によるプレス荷重の加えられ方が不均一であると、不規則なクセが生じやすいが、本実施例では、有効面内において、ほぼ均等にプレス荷重が印加されたことがわかる。
また、芯取り加工において切除される部分の径方向の幅は、従来品と比べて略同等であり、芯取時間が増大することもなかった。
その結果を表1に示すが、10個のサンプルにおいて、ティルト量は、全て1分未満であり、良好であった。これは、図1に示す成形型にあっては、上下型のそれぞれが、同一の胴型によって径方向の位置規制をされているため、上下型の同軸性(相互傾きの抑制)を高く維持できることによる。
すなわち、図9に示すように、下型20に複数(例えば、三箇所)の貫通孔25を穿設しておき、この貫通孔25に取付部材45を挿通して、図示するように取付部材45の一端側を貫通孔25内に係止しつつ、支承部材40に設けた挿入孔46に、取付部材45の先端部分を螺合、圧入、又は溶着などにより固定するなど、種々の態様を採用することができる。
11 成形面
12 小径部
13 大径部
20 下型
21 成形面
22 小径部
23 大径部
30 胴型
31 段差
40 支承部材
41 内筒部
42 外筒部
43 弾性部材(第一の弾性部材)
50 退避機構
51 ガイド部材
52 当接部材
521 当接片
53 弾性部材(第二の弾性部材)
54 強制離型手段
PF 成形素材
P 成形体
Claims (16)
- 凸面を有する成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する下型と、
前記下型の上方に対向配置され、成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する上型と、
前記下型及び前記上型のそれぞれに接触して、前記下型及び前記上型のプレス軸に直交する方向の相互位置を規制する胴型と、
前記下型の成形面の周囲に位置して、前記下型の成形面上に供給された成形素材を支承する支承部材と、
前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から下方に退避させる退避機構とを備え、
前記支承部材は、第一の弾性部材によって上方に付勢された状態で前記下型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられており、
前記退避機構は、前記胴型内に摺動可能に保持されるガイド部材と、前記ガイド部材の内側に支持され、かつ、下方に垂下して設けられた当接片を有する当接部材と備え、
前記当接部材を支持する前記ガイド部材が、第二の弾性部材により前記上型の小径部に対して下方に付勢され、前記当接部材と前記ガイド部材とが独立して、前記上型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられていることを特徴とするモールドプレス成形型。 - 前記当接片の下端が、前記下型と前記上型の近接動作に連動して前記支承部材に当接することにより、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させることを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形型。
- 前記支承部材が前記下型に支持されるとともに、
前記下型と前記上型が相互に近接するに際して、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接することにより、前記当接片の下端が前記支承部材を前記下型の小径部に対して相対的に押し下げることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。 - 前記支承部材にはフランジ部が形成されており、前記フランジ部で前記第一の弾性部材を受けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
- 前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制するストッパー機構を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
- 前記ストッパー機構が、前記下型の側面に設けられた係合突部であり、
前記支承部材は、径方向に二分割され、かつ、内周面に前記係合突部と係合する係合段部を有する内筒部と、当該二分割された内筒部が前記下型の成形面を回り囲むように突き合わされた状態で、その外周に取り付けられる外筒部とを有し、
前記係合突部が、前記係合段部に当接することにより前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制していることを特徴とする請求項5に記載のモールドプレス成形型。 - 前記ガイド部材には、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接したときに、前記上型の成形面よりも上方に位置する強制離型手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
- 前記胴型は、内周面に段差部を有し、当該段差部により前記ガイド部材の一部が保持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型を用いて、前記支承部材で前記成形素材を支承した後、前記上型と前記下型の近接動作にしたがって、前記支承部材に前記当接部材の前記当接片の下端が当接することにより、前記当接部材は相対的に上方へ移動させられ、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接すると、前記当接部材の前記当接片の下端が前記支承部材を押し下げて、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から退避させ、前記上型と前記下型により前記成形素材を押圧することを特徴とする光学素子の製造方法。
- 前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材の下面側の周縁部近傍を前記支承部材に支承させることを特徴とする請求項9に記載の光学素子の製造方法。
- 前記支承部材の支承部の内径φ1と、前記成形素材の最大径φ2とが、φ1≦φ2なる関係を満たすようにしたことを特徴とする請求項10に記載の光学素子の製造方法。
- 前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材が前記下型の成形面と非接触となるように、前記成形素材を前記支承部材に支承させることを特徴とする請求項10〜11のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
- 成形素材供給時における前記下型の成形面中央部と、前記支承部材の支承部上端との高さの差をαとするとき、
前記成形素材が、R>(α2+(φ1/2)2)/2αなる関係を満たす曲率半径Rの曲面を有するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。 - 前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させることにより、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接した時点で、前記成形素材と前記支承部材とが非接触となるようにしたことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
- 所定の粘度に軟化した前記成形素材を、前記下型の成形面上に落下供給することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
- 得ようとする光学素子の光学有効径より、最大径の大きい成形素材を用いる
ことを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
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