JP4848194B2 - モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨などの機械加工を必要とせずに、ガラスプリフォームなどの成形素材を、精密加工を施した成形型によってプレス成形して光学素子を製造するモールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法に関し、特に、成形面に凸面を有する下型に対して、成形素材の供給を行うモールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法に関する。
ガラスプリフォームなどの成形素材を、精密加工を施した成形型によってプレス成形し、光学素子を製造するモールドプレス成形型及び光学素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。これらは、非球面を有する光学素子の成形に、特に有効である。
特許文献1には、成形型内において、一対の位置決め部材を移動させ、光学素材を挟む形で当接させることによって、光学素材を成形型に対して位置決めする成形方法が記載されている。
特に、両面凹レンズを成形する場合には、凸形状の下型上にガラス素材を載置しなければならず、これを位置がずれたままにすると、下型上からガラス素材が落下する可能性がある。このため、成形型内において、光学素材に当接して所定位置に位置決めする方法が有効であるとしている。
特許文献2には、ガラスプリフォームの端面を保持手段で保持し、金型から離れた位置に保持して加熱し、その後に保持を解除してプリフォームを加圧する方法が記載されている。これにより、加熱時において、ガラスプリフォームと金型との化学反応が避けられ、また、加圧時には、プリフォームの径方向への流動が保持手段で妨げられるとしている。
特許第3501580号公報 特開平9−286622号公報
ところで、成形素材(ガラス素材など)を、精密モールドプレスによって成形し、レンズなどの光学素子を成形する場合、対向する成形面をもつ上下一対の成形型間で成形素材を押圧、成形することが一般的である。このとき、予め下型成形面上に成形素材を供給、配置する必要がある。
しかしながら、得ようとする光学素子の形状によっては、下型成形面の中心位置に、成形素材を配置することが必ずしも容易でない。
例えば、両凹レンズを成形する場合は、下型の成形面が凸面となるため、成形素材の配置が困難である。そして、図10に示すように、上下型110,120により成形素材PFをプレス成形するにあたり、下型120の成形面121上に配置した成形素材PFが、プレス成形時に位置ずれを生じると、成形される光学素子が偏肉し、形状不良となるとともに、偏肉に起因する荷重印加の不均一によって光学機能面の面精度劣化が生じる。
特許文献1の記載によると、成形型内に光学素材の位置決め部材を配置し、これをラックとピニオンなどの駆動手段によって、基準位置を中心に互いに反対方向に移動させ、光学素材を挟む形で当接、停止させることで、光学素材を成形型に対して位置決めし、プレスの際に成形面が素材に当接するか、その直前に駆動手段によって位置決め部材を退避させている。
この方法によると、上型、下型の移動に伴う駆動機構とは独立に、位置決め部材の当接、退避を駆動する機構が必要であり、装置構造が複雑化する。さらに、ラックとピニオンのような複雑な構造体を成形型近傍に配置することは、これら構造体の熱変形による影響などを考慮する必要が生じ、装置設計が著しく複雑化する。
特許文献2には、平板状のプリフォームを、凸面を有する上下型によって加圧成形する図面が開示されている。すなわち、保持リング上端にプリフォームを載置した状態で加熱し、ついで駆動手段によって保持リングを下降させ、プリフォームを下型上に載置し、上下金型によってプリフォームを加圧している。
この方法においては、プリフォームは常に下胴型の内周に接触しているため、下型成形面が凸形状であってもプリフォームの位置ずれは生じにくいとみられる。
しかしながら、プリフォームを保持リング上端に載置するためには、精密に位置あわせを行う必要がある。
したがって、成形素材の載置位置精度を十分に確保できない場合、例えば、成形素材を落下供給する場合や、成形素材の径にばらつきがある場合、成形素材の外形が真円でなく長短径差がある場合などには、保持リングの上端に成形素材を載置すること自体が困難になってしまう。
また、特許文献2の公報に記載の成形型では、上下型の同軸性を高く維持する機構がないため、得られた成形体の光学機能面の軸が一致せず、充分な光学性能が確保できない。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、凸面を有する下型上に成形素材を供給するにあたり、成形素材の形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などに自由度を持たせつつ、下型上に確実に、かつ、安定に成形素材を供給することができるとともに、得られる光学素子の偏心が抑止され、充分な偏心精度を得ることが可能なモールドプレス成形型及び光学素子の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のモールドプレス成形型は、成凸面を有する成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する下型と、前記下型の上方に対向配置され、成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する上型と、前記下型及び前記上型のそれぞれに接触して、前記下型及び前記上型のプレス軸に直交する方向の相互位置を規制する胴型と、前記下型の成形面の周囲に位置して、前記下型の成形面上に供給された成形素材を支承する支承部材と、前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から下方に退避させる退避機構とを備え、前記支承部材は、第一の弾性部材によって上方に付勢された状態で前記下型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられており、前記退避機構は、前記胴型内に摺動可能に保持されるガイド部材と、前記ガイド部材の内側に支持され、かつ、下方に垂下して設けられた当接片を有する当接部材と備え、前記当接部材を支持する前記ガイド部材が、第二の弾性部材により前記上型の小径部に対して下方に付勢され、前記当接部材と前記ガイド部材とが独立して、前記上型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられている構成としてある。
このような構成を採用した本発明に係るモールドプレス成形型によれば、支承部材に成形素材を支承させることにより、凸面を有する下型成形面上に、確実に、かつ、安定して成形素材の供給を行うことができる。また、上下型の近接動作にしたがって、支承部材を下型成形面の周囲から退避させることにより、支承部材が邪魔にならずに、成形素材に対してプレス荷重を均等に印加することができ、成形体の面精度が向上するとともに、支承部材が成形体の形状に実質的に干渉しないため、芯取り加工を施す場合であっても、外周部の除去代が必要以上に大きくなることがない。
さらに、胴型により上下型の同軸性が確保され、プレス成形時の上下型成形面間の偏心を高精度に抑制することができるため、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記退避機構が、前記下型と前記上型の近接動作に連動して、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させる構成とすることができる。より具体的には、前記当接片の下端が、前記下型と前記上型の近接動作に連動して前記支承部材に当接することにより、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させる構成とすることができる。
このような構成とすれば、プレス成形時における支承部材の干渉をより確実に避けることができ、成形素材が下型と支承部材の隙間に入り込んでバリになることがない。また、成形体の下面側に、下型成形面と支承部材の境界段差が転写されることも防止され、成形体に内部歪みが生じたり、成形体が割れ易くなったりするなどの不良を回避し、得られる光学素子の品質を高めることができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記支承部材が、前記下型に対して相対的に移動可能となるように前記下型に支持されるとともに、前記退避機構が、前記下型と前記上型が相互に近接するに際して前記支承部材及び前記上型のそれぞれに当接する当接部材を備え、前記当接部材により前記支承部材を前記下型に対して相対的に押し下げる構成とすることができる。より具体的には、前記支承部材が前記下型に支持されるとともに、前記下型と前記上型が相互に近接するに際して、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接することにより、前記当接片の下端が前記支承部材を前記下型の小径部に対して相対的に押し下げる構成とすることができる。
このような構成とすれば、上下型の近接動作に連動して、支承部材を退避させることができるとともに、支承部材を常に一定量下方に退避させることが可能となり、より確実に支承部材の退避位置を決定することができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記下型に対して前記支承部材を上方に付勢する弾性手段を備えた構成とすること、退避した支承部材を元の位置に容易に復帰させることができる。そして、その際に、支承部材が、弾性手段の付勢力により成形体を持ち上げて、下型成形面からの成形体の離型を促すこともできる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記支承部材にはフランジ部が形成されており、前記フランジ部で前記第一の弾性部材を受けている構成としてもよい。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制するストッパー機構を備えた構成とすることができる。
このような構成とすれば、下型からの支承部材の脱落を防止して、プレス成形の都度、支承部材を下型に支持し直さなければならないという煩わしさを避けることができ、前記ストッパー機構は、例えば、前記下型の側面に設けることで、省スペース化を図ることができる。より具体的には、前記ストッパー機構が、前記下型の側面に設けられた係合突部であり、前記支承部材は、径方向に二分割され、かつ、内周面に前記係合突部と係合する係合段部を有する内筒部と、当該二分割された内筒部が前記下型の成形面を回り囲むように突き合わされた状態で、その外周に取り付けられる外筒部とを有し、前記係合突部が、前記係合段部に当接することにより前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制している構成とすることができる。
また、本発明のモールドプレス成形型は、前記当接部材を支持するガイド部材が、前記上型に対して下方に付勢されつつ前記下型と前記上型の近接動作により前記胴型内を上方に摺動するように、前記胴型内に保持されるとともに、前記ガイド部材には、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接したときに、前記上型の成形面よりも上方に位置する強制離型手段が設けられている構成とすることができる。
このような構成とすれば、成形素材にプレス荷重を印加した後に、上下型を離間させるに際して、上型成形面に貼り付いた成形体を強制的に離型させることが可能となり、成形体の取り出し作業を支承なく行うことができる。
また、本発明のモールドプレス成形型において、前記胴型は、内周面に段差部を有し、当該段差部により前記ガイド部材の一部が保持されるようにすることができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、上記のようなモールドプレス成形型を用いて、前記支承部材で前記成形素材を支承した後、前記上型と前記下型の近接動作にしたがって、前記支承部材に前記当接部材の前記当接片の下端が当接することにより、前記当接部材は相対的に上方へ移動させられ、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接すると、前記当接部材の前記当接片の下端が前記支承部材を押し下げて、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から退避させ、前記上型と前記下型により前記成形素材を押圧する方法としてある。
上記のようなモールドプレス成形型は、単一の胴型が、上下型のそれぞれに接触して、上下型のプレス軸に直交する方向の位置規制をしているため、このような方法とすることにより、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。特に、凸面を有する下型を用いて両凹レンズをプレス成形する場合には、この方法が極めて有効である。
また、本発明の光学素子の製造方法は、前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材の下面側の周縁部近傍を前記支承部材に支承させる方法とすることができる。
このような方法とすれば、成形素材の周縁部が自由端として開放され、成形素材の周囲に開放された空間を確保することができる。このため、凸面を有する下型成形面上に成形素材を供給するにあたり、成形素材の形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などに自由度を持たせつつ、下型上で成形素材を支承することが可能となり、成形素材の形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などを最適化し、面精度の高い光学素子を効率良く製造することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、成形素材を支承部材に安定して支承させるために、前記支承部材の支承部の内径φ1と、前記成形素材の最大径φ2とが、φ1≦φ2なる関係を満たすようにした方法とすることができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材が前記下型の成形面と非接触となるように、前記成形素材を前記支承部材に支承させる方法とすることができ、このためには、成形素材供給時における前記下型の成形面中央部と、前記支承部材の支承部上端との高さの差をαとするとき、前記成形素材が、R>(α+(φ1/2))/2αなる関係を満たす曲率半径Rの曲面を有しているのが好ましい。
このような方法とすれば、成形素材が下型成形面に持ち上げられて、支承部材から浮き上がったりするのを有効に回避して、支承部材上で成形素材がふらつくことなく、確実に、その姿勢を一定に維持させることが可能となり、成形素材をより安定して支承部材に支承させることができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させることにより、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接した時点で、前記成形素材と前記支承部材とが非接触となるようにした方法とすることができる。
このような方法とすれば、局所的な応力集中に起因する欠けや、面精度の劣化が生じてしまったりするなどの不都合を有効に回避することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、所定の粘度に軟化した前記成形素材を、前記下型の成形面上に落下供給する方法とすることができるが、得ようとする光学素子の光学有効径より、最大径の大きい成形素材を用いるのが好ましく、このようにすれば、成形素材を光学有効径外で支承できるので、支承部材との接触による外観不良や面不良の発生を防止できる。
以上のように、本発明によれば、凹面を有する光学機能面をもつ光学素子を製造するにあたり、凸面を有する下型成形面上に、確実に、かつ、安定して成形素材の供給を行うことができる。また、上下型の近接動作にしたがって、支承部材を下型成形面の周囲から退避させることにより、支承部材が成形体の形状に実質的に干渉しないようにすることができる。
さらに、本発明によれば、胴型により上下型の同軸性を確保することが可能であり、プレス成形時の上下型成形面間の偏心を高精度に抑制することができるため、上下型成形面を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[モールドプレス成形型]
まず、本発明に係るモールドプレス成形型(以下、「成形型」という)の実施形態について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る成形型の概略を示す要部断面図であり、下型20上に成形素材PFを供給した状態を示している(後述する図5(b)参照)。また、図2は、本実施形態に係る成形型の分解説明図である。
図1に示す成形型は、任意形状の成形面11が形成された上型10と、成形面21に凸面を有する下型20とを有しており、互いの成形面11,21が向き合うように、下型20の上方に上型10が対向配置されている。
なお、上下型10,20に形成される成形面11,21は、それぞれ成形しようとするガラスレンズなどの光学素子の形状をもとに、精密な形状加工を施すことによって形成される。また、図示する例において、上下型10,20の成形面11,21は、ともに凸面を有しているが、上型10に形成される成形面11の形状は任意であり、凹面、又は平面であってもよい。
本実施形態の成形型は、上下型10,20が相互に近接することにより、上型10と下型20との間で、成形素材PFをプレス成形する。本実施形態にあっては、この上下型10,20の近接動作の際に、上下型10,20のそれぞれに接触する胴型30により、これらの水平方向の相対位置、すなわち、上下型10,20のプレス軸に直交する方向の相互位置を規制して、上下型10,20の同軸性を確保している。
なお、図示は省略するが、本実施形態の成形型は、プレス成形時に、上型10の上端面、及び下型20の下端面が、それぞれ荷重印加手段のプレス成形軸に当接し、荷重印加手段によってプレス荷重が印加される構造とすることができる。
図示する例において、上型10は、成形面11が形成された小径部12と、成形面11より径の大きい大径部13とが同軸に配され、大径部13の側面が、胴型30の上部側の内周面に接触する形状とされており、胴型30の上部側に固定されている。下型20も同様に、成形面21が形成された小径部22と、成形面21より大きな径の大径部23とを同軸に配した形状となっており、上下型10,20が相互に近接する過程で、下型20が胴型30内に進入するに際し、大径部23の側面が、胴型30の下部側の内周面に接触するようになっている(図5(d)〜(f)参照)。
このように、単一の胴型30が、上型10、及び下型20のそれぞれに接触して、上下型10,20のプレス軸に直交する方向の位置規制をしているため、上下型10,20の同軸性が確保され、プレス成形時の上下型10,20の成形面11,21間の偏心(シフト:上下型10,20の成形面11,21の水平方向のずれ、ティルト:上下型10,20の軸の傾き)を高精度に抑制することができる。このため、本実施形態の成形型を用いてプレス成形することにより、上下型10,20の成形面11,21を転写してなる二つの光学機能面の同軸性が高く、偏心が抑止された、高精度の光学機器に好適な光学素子を製造することができる。
なお、上型10の大径部13と胴型30の上部側内周面とのクリアランス、及び下型20の大径部23と胴型30の下部側内周面とのクリアランスは、要求される光学素子の偏心精度を考慮すると、10μm以下であるのが好ましく、より好ましくは5μm以下であり、特に好ましくは3μm以下である。
本実施形態の成形型は、以上のような上下型10,20、及び胴型30を備えるとともに、下型20の成形面21の周囲に位置して、成形面21上に供給された成形素材PFを支承する支承部材40を備えている。
このような支承部材40を備えることにより、凸面を有する下型20の成形面21上に、確実に、かつ、安定して成形素材PFを供給することができる。さらには、図示するように、成形素材PFの下面側の周縁部近傍を支承部材40に支承させるようにすることで、成形素材PFの外方に開放空間を確保して、支承部材40に支承させた成形素材PFの周縁部を自由端とすることもできる。
なお、支承部材40に成形素材PFを支承させるにあたり、支承部材40の成形素材PFと当接する部位(支承部)は、図示するように、直角であってもよいが、面取加工を施してテーパ面としたり、R面としたりすることもできる。また、支承とは、成形素材PFが一定の姿勢を維持できるようにすることをいうものとする。
また、図示する例において、支承部材40は、その上端部が下型20の成形面21よりも上方に突出した状態で、成形面21上に供給された成形素材PFを支承するようになっているが、本実施形態では、プレス成形時における支承部材40の干渉を避けるために、後述する退避機構50により、上下型10,20の近接動作にしたがって、支承部材40が、下型20の成形面21の周囲から退避するようにしてある。
このようにすることで、支承部材40がプレス成形の邪魔にならず、成形素材PFに対してプレス荷重を均等に印加することができるため、成形素材PFを成形してなる成形体Pの面精度が向上する。
より具体的には、支承部材40は、フランジ部421で弾性部材43を受けて、下型20に対して上方に付勢されており、この弾性部材43の付勢力によって、支承部材40の上端部が成形面21よりも上方に突出するようにされている。そして、上下型10,20の近接動作にしたがって、弾性部材43の付勢力に抗して支承部材40が下型20に対して相対的に押し下げられて、成形面21よりも下方に退避するようになっている(図5(d)〜(f)参照)。
このようにすれば、プレス成形時における支承部材40の干渉をより確実に避けることができ、プレス成形時に、成形素材PFが下型20と支承部材40の隙間に入り込んでバリが生じてしまうなどの不具合を有効に回避できる。また、成形体Pの下面側に、下型20の成形面21と支承部材40の境界段差が転写されることも防止され、成形体Pに内部歪みが生じたり、成形体Pが割れ易くなったりするなどの不良を回避し、得られる光学素子の品質を高めることができる。
また、弾性部材43に付勢されながら、下型20に対して相対的に移動可能となるように、支承部材40を下型20に支持させるにあたっては、下型20からの支承部材40の脱落を防止して、プレス成形の都度、支承部材40を下型20に支持し直さなければならないという煩わしさを避けるために、下型20に対する支承部材40の相対移動が可能な範囲を規制するストッパー機構を設けることもできる。
このようなストッパー機構としては、例えば、下型20の側面(図示する例では、成形面21の周縁)に沿って、外方に張り出す係合突部24を設けるとともに、この係合突部24に係合する係合段部44を支承部材40の内周面に設けるなどすればよく、このように、下型20の側面にストッパー機構を設けることで、ストッパー機構の省スペース化を図ることができる。
また、図示する例にあっては、支承部材40の移動範囲を規制する係合突部24が、成形面21の周縁に形成されており、支承部材40は下型20の小径部22の周囲を上下移動し、下型20の大径部23の周囲は開放されている。したがって、下型20が胴型30内に進入する際に、大径部23の外周面が胴型30の内周面に直接的に摺接可能となり、両者のクリアランスの範囲内で、上下型10,20のプレス軸に直交する方向の位置規制がなされ、これによって、得られる光学素子などの成形体の偏心精度(シフトやティルト)を極めて高精度に維持することができる。
すなわち、下型20自身に係合突部24を設けることにより、下型20と胴型30との間に、ストッパー機能を備えるための別部材を新たに設ける必要がなく、単一の胴型30が上下型10,20に直接摺接して両者を規制することで、偏心精度を高めることができる。
ここで、図示する例にあっては、支承部材40は、内筒部41と外筒部42とからなっており、全体として下型20の成形面21を包囲する筒形状を有している。また、支承部材40は、径方向に二分割された内筒部41が、下型20の成形面21の回りを囲むように突き合わされた状態で、その外周に外筒部42が取り付けられるようになっている。これによって、支承部材40は、内筒部41と外筒部42とが一体となって弾性部材43に付勢され、下型20に設けられた係合突部24に、係合段部44を係合させつつ、下型20に支持されている。
なお、図3は、支承部材40の分解斜視図であり、図示は省略するが、外筒部42は、内筒部41に対して、例えば、ねじ嵌合や、凹凸嵌合などの適宜手段により取り付けることができる。また、支承部材40の外径を胴型30の内径よりも小さくしておくことで、支承部材40を備えた下型20を胴型30に進入させる際の干渉を避けることができる。
また、前述したように、本実施形態では、退避機構50によって、支承部材40を下型20の成形面21の周囲から退避させるようにしているが、図示する例において、退避機構50は、胴型30の内周に保持されるガイド部材51と、このガイド部材51に支持される当接部材52とからなっている。
なお、図4(a)は、当接部材52の概略斜視図であり、図4(b)は、ガイド部材51の概略平面図である。
ここで、ガイド部材51は、筒状に形成されており、図示するように、下端側が絞り込まれて、胴型30の内周面に形成された段差31に保持される。
また、ガイド部材51の上端側には、ガイド部材51の内周に沿って張り出す環状の強制離型手段54が形成されており、この強制離型手段54には、図示するような挿通孔511が形成されている。
ガイド部材51に形成された強制離型手段54は、弾性部材53の受け部としても機能し、ガイド部材51は、弾性部材53により上型10に対して下方に付勢される。そして、上下型10,20の近接動作により、下型20の大径部23がガイド部材51の下端に接すると(図5(e)参照)、弾性部材53の付勢力に抗しながら、ガイド部材51が下型20によって押し上げられて胴型30内を上方に摺動し、少なくとも上下型10,20が最も近接したときに、強制離型手段54が、上型10の成形面11よりも上方に位置するようになっている(図5(f)参照)。
なお、強制離型手段54は、プレス後に上下型10,20を離間させる際に、成形体Pを上型10の成形面11から強制的に離型させるために、その内周径が、上型10の小径部12の外径とほぼ等しくなっているが、その動作については後述する。
一方、当接部材52は、下方に垂下して設けられた当接片521がガイド部材51の挿通孔511に挿通されて、ガイド部材51に支持されている。
このとき、当接部材52は、上下型10,20が近接する過程で、支承部材40が当接片521の下端に接すると(図5(c)参照)、そのまま上方に持ち上げられるようになっている。そして、当接部材52の上端が、上型10の大径部13の下面に接すると(図5(d)参照)、それ以上の当接部材52の上動が妨げられ、当接部材52が支承部材40を押し下げる格好となり(図5(e)参照)、これによって、支承部材40が下型20の成形面21の周囲から退避するようになっている。
このようにすれば、上下型10,20の接近動作に伴って、支承部材40を常に一定量下方に退避させることが可能となり、より確実に支承部材40の退避位置を決定することができる。これにより、成形体Pの下面側に、下型20の成形面21と支承部材40との境界段差が転写されるのを、より確実に防止できるだけでなく、成形体Pに、支承部材40を付勢する弾性部材43の付勢力が作用することを回避し、ガラス温度(粘度)変動による成形体Pの形状ばらつきも防止できる。
以上のような本実施形態に係る成形型が備える各部材は、窒化ケイ素、炭化タングステン、酸化アルミニウムなどの耐熱性の高いセラミック材や金属材を用いて形成することができる。
また、上下型10,20の成形面11,21や、支承部材40などの成形素材PFと接触する部位には、融着防止のためのコーティングを施すことができる。このようなコーティングとしては、炭素を含有する膜、貴金属膜などとすることができ、公知の離型膜と同様の膜とすることが可能である。例えば、炭素や、炭化水素を主成分として含有する膜を、蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVDなどの公知の手段を用いて、所定の膜厚で成膜することができる。
[光学素子の製造方法]
次に、本発明に係る光学素子の製造方法の実施形態について、図1に示す成形型を用いて実施する例について説明する。
なお、図6は、本実施形態における製造工程の概略を示す説明図である。
本実施形態では、上下型10,20を離間させた状態で(図5(a)参照)、ガラスプリフォームなどの成形素材PFを下型20の成形面21上に供給する(図5(b)参照)。
成形素材PFを供給するに際しては、任意の搬送治具を用いて、下型20の成形面21上に成形素材PFを搬送、配置することができるが、このとき、成形素材PFは、プレス成形に適した粘度に予め予熱しておくのが好ましい。
例えば、成形素材PFは、ガラス粘度で105.5〜10dPa・sに相当する温度に予熱しておくのが好ましい。また、上下型10,20も、プレス成形の対象とする成形素材PFの粘度で、10〜1012dPa・sに相当する温度に予熱しておくことが好ましい。さらに、成形素材PFの予熱温度は、上下型10,20の予熱温度よりも高くなるようにするのが好ましい。
このような温度条件を充足すると、成形サイクルタイムを短くすることができるとともに、成形するレンズの面精度も良好となるため、量産上極めて有利である。
また、本実施形態において、成形素材PFを下型20の成形面21上に供給する方法は特に制限されないが、成形素材PFを予熱して供給する場合には、成形素材PFの搬送時に、搬送治具との接触によって、成形素材PFの表面に欠陥が生じてしまうことがある。このため、予熱された成形素材PFは、搬送治具との接触を避けながら搬送、供給するのが好ましい。
具体的には、図6に示すような落下供給手段60を用いて、噴出するガスにより搬送治具上で成形素材PFを浮上させれば、搬送治具と実質的に非接触状態とすることができる。そして、搬送治具との非接触状態を維持しながら搬送されてきた成形素材PFを、下型20の成形面21上に落下供給するなどすればよい。
なお、図6(a)は、落下供給手段60の一例を示す概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A断面図である。
ここで、図6に示す落下供給手段60は、耐熱性の高い金属(例えば、ステンレス合金)により成形される支持アーム61と、その先端側に配置される浮上皿62とから構成されている。また、浮上皿62は、すり鉢状の受け部63を有しており、この受け部63に成形素材PFが保持されるようになっている。
そして、支持アーム61内部には、浮上皿62の受け部63に至るガス孔61aが形成されており、このガス孔61aを通って、不活性ガスが浮上皿62の受け部63の下方から噴出する。これにより、浮上皿62の受け部63に保持された成形素材PFを、浮上皿62内で僅かに浮上させながら、搬送することができるようになっている。
さらに、支持アーム61、及び浮上皿62は、その幅方向の中心線において二つに分割され、図示しない開閉駆動手段によって水平方向(図中、両矢印で示す方向)に開閉される。これにより、落下供給手段60が、下型20の上方位置に達したときに、支持アーム61、及び浮上皿62を開くことによって、浮上皿62の受け部63に浮上保持された成形素材PFが、下型20の成形面21上に落下供給されるようになっている。
また、成形素材PFを下型20の成形面21上に落下供給するに際して、供給された成形素材PFの中心が成形面21の中心と一致せず、位置ずれが生じるような場合には、成形素材PFの位置修正を行うのが好ましい。この場合、例えば、図7に示すような位置修正手段70を用いて、下型20の成形面21上における成形素材PFの位置合わせをすることができる。
なお、図7(a)は、位置修正手段の一例を示す概略平面図であり、図7(b)は、成形素材PFの位置修正をしている状態を示す説明図である。
図7に示す位置修正手段70は、ガイドアーム71と、その先端側に配置されるガイド部材72とから構成されている。ガイドアーム71、及びガイド部材72は、落下供給手段60と同様に、その幅方向の中心線において二つに分割されており、開閉駆動手段73によって水平方向(図中、両矢印で示す方向)に開閉される。また、ガイド部材72の内径寸法は、成形素材PFの外径とほぼ同等に設定されている。
このような位置修正手段70は、ガイド部材72を開閉することにより、成形素材PFを成形面21上の適位置へ移動させることによって、位置修正が行われる。
なお、位置修正手段70は、位置修正動作後には、ガイド部材72を開いて下型20上から退避させるが、成形素材PFとの接触時に成形素材PFの熱を散逸しないために、その退避位置において、位置修正手段70を予熱しておくのが好ましい。
また、本実施形態にあっては、成形素材PFの下面側の周縁部近傍を支承部材4に支承させることによって、成形素材PFの周縁部が自由端として開放されるようにしてあり、成形素材PFの周囲に開放された空間を確保している。
これにより、前述した落下供給手段60による落下供給などのように、成形素材PFの供給位置の精度を確保するのが困難な場合でも、落下された成形素材PFを一定範囲で受容することが可能となる。さらには、前述したような位置修正手段70により成形素材PFの位置修正を行う場合であっても、成形素材PFの周囲から位置修正手段70を成形素材PFに接近、接触させることができるだけでなく、位置修正後の退避動作も支障なく行うことができるようになる。
そして、これらに加え、図5(f)に示すように、成形素材PFがプレス成形されて変形していく過程においても、成形素材PFの周囲に開放された空間が確保されるようにして、成形素材PF(成形体P)の周縁に自由表面が残るようにすることで、成形素材PFの体積ばらつきを吸収することもできる。
したがって、本実施形態によれば、凸面を有する下型20の成形面21上に成形素材PFを供給するにあたり、成形素材PFの形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などに自由度を持たせつつ、成形面21上で成形素材PFを支承することが可能となる。これにより、成形素材PFの形状、予備成形方法、供給方法、位置修正方法などを最適化し、面精度の高い光学素子を効率良く製造することができる。
本実施形態において好適に用いられる成形素材PFとしては、例えば、ブロック状の光学ガラスを切断、研磨して、円板形状、球形状などに加工(冷間加工)したものや、光学ガラスを溶融状態から受け型上に滴下、又は流下することによって、球形状、両凸曲面形状などに予備成形(熱間成形)したものが挙げられる。成形素材PFの形状としては、円板形状や、扁平な両凸曲面形状が好ましく、円板形状の場合には、その周縁部が曲面、又は平面で面取されているのが好ましい。
また、両凸曲面形状の場合には、上面と下面の両方のRが近似した値を示すのが好ましく、落下供給時に反転してもプレス成形に支障が生じないようにするためにも、双方のRは一致しているのがより好ましい。
なお、上下両面のRが異なり、上下で非対称の成形素材PFを用いる場合には、成形素材PFの上下が一定となるように供給して、支承部材40に支承させる面が常に同じになるように、成形素材PFが不規則に反転してしまわないようにするのが好ましい。
また、図8に、成形素材PFを支承部材40に支承させたときの要部を拡大して示すが、成形素材PFを支承部材40に支承させるにあたっては、成形素材PFを安定に支承できるように、支承部材40の支承部の内径φ1と、成形素材PFの最大径φ2とが、φ1≦φ2なる関係を満たしているのが好ましく、特に、成形素材PFの最大径φ2が、支承部材40の支承部の内径φ1よりも0.3mm以上、大きくなっているのが好ましい。
さらに、支承部材40に支承された成形素材PFは、その下面側が下型20の成形面21に接触した状態であってもよいが、成形素材PFは、下型20の成形面21に接触せず、支承部材40のみによって支承された状態となっているのが好ましい。このようにすることで、成形素材PFが成形面21に持ち上げられて、支承部材40から浮き上がったりするのを有効に回避して、支承部材40上で成形素材PFがふらつくことなく、確実に、その姿勢を一定に維持させることが可能となり、成形素材PFをより安定して支承部材40に支承させることができる。
ここで、成形素材PFが、下型20の成形面21と非接触となるように支承部材40に支承されるようにするためには、成形素材PFが供給される際における下型20の成形面21の中央部と、支承部材40の支承部上端との高さの差をαとするとき、支承部材40の支承部の内径φ1との関係で、下記式(1)を満たす曲率半径Rの凸曲面を有する成形素材PFを用いるのが好ましい。
R>(α+(φ1/2))/2α ・・・ (1)
なお、上記式(1)は、次のようにして導かれる。すなわち、成形素材PFの下面側が凸曲面である場合、支承部材40に支承された成形素材PFの下面側の一部が、支承部材40内に入り込むが、その入り込んだ部分の長さをXとすると、成形素材PFの下面の曲率半径R、支承部材40の内径φ1との間には、下記式(2)が成り立つ。
=(R−X)+(φ1/2) ・・・ (2)
これをXについて解くと、下記式(3)が得られる。
X=R−(R−(φ1/2)1/2 ・・・ (3)
そして、成形素材PFが成形面21に接触しないための条件は、C>Xであるから、この条件を上記式(3)に代入することで上記式(1)を導くことができる。
以上のようにして成形素材PFを供給し、必要に応じて成形素材PFの位置修正を行った後、本実施形態にあっては、図示しない荷重印加手段のプレス成形軸を駆動させて上下型10,20を相互に接近させる。
この際、図示する例では、下型20が上型10に向かって上昇し、成形素材PFを支承した支承部材40とともに、下型20が胴型30内に進入するようになっている(図5(c)参照)。そして、上下型10,20が近接する過程で、下型20の大径部23の側面が、胴型30の下部側の内周面に接触することにより(図5(d)〜(f)参照)、上下型10,20の同軸性が確保される。
また、下型20を上昇させて、下型20に支持された支承部材40に、当接部材52の当接片521の下端を当接させると(図5(c)参照)、当接部材52は、支承部材40に押し上げられて上動しながら、その上端が上型10の大径部13の下面に当接する(図5(d)参照)。そして、下型20をさらに上昇させれば、それ以上の上動が妨げられた当接部材52が支承部材40を押し下げ(図5(e)参照)、これによって、下型20の成形面21の周囲からの支承部材40の退避動作が開始し、上下型10,20の近接動作にしたがって、支承部材40が下型20の成形面21の周囲から下方へ退避していく(図5(f)参照)。
このとき、支承部材40の退避動作が完了せずに、支承部材40に支承されたままの状態で、成形素材PFが上型10の成形面11に接触してしまうと、支承部材40の支承部が成形素材PFにくい込んでしまうなどして、成形に支承をきたしてしまうおそれがある。したがって、支承部材40の退避動作が開始された時点では、成形素材PFは、上型10の成形面11に未だ接触していない状態にあるのが好ましく、支承部材40による支承が解除されて、成形素材PFが下型20の成形面21上に受け渡されると同時に、又はその直後に、成形素材PFが上型10の成形面11に接触するようにするのが好ましい。
また、その一方で、支承部材40の退避動作が完了し、支承部材40による支承が解除されて、成形素材PFが下型20の成形面21上に受け渡されたにもかかわらず、成形素材PFと上型10の成形面11との間に相当の距離が残されていると、成形面21上での成形素材PFの姿勢が不安定なものとなり、成形素材PFが位置ずれを起こしたり、成形面21上から滑落してしまったりするおそれがある。
このため、上下型10,20が近接する過程で、成形素材PFは、上型10の成形面11と、下型20の成形面21とに、ほぼ同時に接触するようにするのが好ましく、成形素材PFの位置ずれや、滑落を防止することにのみ着目すれば、上型10の成形面11の方が、先に成形素材PFに接触するようになっているのが好ましい。
本実施形態において、支承部材40の退避動作が開始されてから、支承部材40が下型20の成形面21の下方に退避するまでの間に、成形素材PFが、上下型10,20の成形面11,21のそれぞれに接触するタイミングは、上記したことを考慮して設定することができ、所望のタイミングで成形素材PFの受け渡しが行われるように、成形型を構成する各部材の寸法を設計することができる。
また、所望のタイミングで、成形素材PFの受け渡しが安定して行われるようにするためには、成形素材PFの厚みのばらつきを少なくするのが好ましく、特に、成形素材PFを支承部材40に支承させたときの支承部材40の上端から成形素材PFの最上面までの高さβのばらつきが、±0.5mm程度の範囲となるようにするのが好ましい。
次に、本実施形態では、任意に設定されたタイミングで、支承部材40の退避と、成形素材PFの受け渡しとがなされるのと同時に、又は必要に応じて多少前後させて、成形素材PFに対してプレス荷重を印加する(図5(e),(f)参照)。このとき、プレス荷重の印加は、上下型10,20の近接動作によりなされるが、少なくとも上下型10,20が最も近接した時点で、支承部材40の退避動作が完了するようにしておき、その時点で支承部材40による支承が解除されて、成形素材PFと支承部材40とが非接触となっているようにするのが好ましい。
すなわち、プレス成形に際しては、成形素材PFが上下型10,20の成形面11,21の形状に倣って変形し、成形面11,21の形状が転写されるが、上下型10,20が最も近接した時点においても、支承部材40が未だ成形素材PFに接触していると、成形素材PFをプレス成形してなる成形体Pに、支承部材40の形状も転写されてしまう。その結果、その部分を後述する芯取り加工によって除去しなければならず、材料の無駄が多くなってしまったり、局所的な応力集中に起因する欠けや、面精度の劣化が生じてしまったりするなどの不都合があるが、少なくとも上下型10,20が最も近接した時点で、成形素材PFと支承部材40とを非接触とすることで、このような不具合を有効に回避することができる。
ここで、成形素材PFにプレス荷重を印加するに際しては、二段階以上に分けてプレス荷重を印加するのが好ましい。
例えば、まず、第一荷重を印加して、成形素材PFを、所定の中心肉厚(最終的に得ようとする光学素子の中心肉厚よりわずかに大きい肉厚)まで変形させるとともに、この変形過程において、第一荷重の印加開始時、又は印加中に冷却を開始し、第一荷重の印加に並行して冷却を行う。次いで、成形素材PFの温度が粘度で1010dPa・s相当、又はそれ以下となった時点で、第一荷重より小さい第二荷重(第一荷重の30〜70%程度)を印加する。
このような、冷却と連動した多段階の荷重印加スケジュールを適用すれば、優れた面精度(例えば、アス、クセが2本以内)、及び肉厚精度の光学素子を安定に得ることができる。
また、成形素材PFにプレス荷重を印加していき、図5(f)に示すように、上下型10,20が最も接近して、予め設定した成形体Pの肉厚に達した後は、上下型10,20と成形体Pとの接触を維持した状態で、成形体PをそのTg付近の温度まで冷却する。そして、上下型10,20と成形体Pとの接触を維持したまま冷却を継続し、ガラス粘度で1013dPa・s付近に冷却された段階で、上下型10,20を離間させる。
ところで、上下型10,20を離間するに際しては、成形体Pが上型10の成形面11に付着してしまうことがある。特に、図示する例のように、上型10の成形面11が凸面(成形体Pの上面が凹面)となっている場合には、冷却時の熱収縮により、成形体Pが成形面11に貼りつきやすいが、成形体Pが成形面11に付着したまま型内に残ってしまうと、成形体Pの取り出しに支障が生じてしまう。
このため、図示する例では、上下型10,20の近接動作により、下型20の大径部23がガイド部材51の下端に接すると(図5(e)参照)、ガイド部材51が胴型30内を上方に摺動し、少なくとも上下型10,20が最も近接したときに、ガイド部材51に形成された強制離型手段54が、上型10の成形面11よりも上方に位置するようになっている(図5(f)参照)。
そして、ガイド部材51は、弾性部材53により上型10に対して下方に付勢されているため、上下型10,20が離間するにつれて、ガイド部材51が胴型30内を下方に摺動し、強制離型手段54の内周縁部が上型10の成形面11の周縁とすれ違うようになっている。
したがって、上下型10,20を離間させると、これに連動して強制離型手段54が、上型10の成形面11からはみ出した成形体Pの上面側の周縁部と接触し、成形面11から成形体Pが強制的に離型させられ、これによって、成形体Pが成形面11に貼り付くことを有効に回避しつつ、成形体Pの取り出し作業を支障なく行うことができる。
なお、本実施形態において、このような強制離型手段54により、成形面11に貼り付いた成形体Pを離型させることができるのは、成形素材PFの周囲の開放空間が、成形素材PFがプレス成形されて変形していく過程においても確保されており、成形体Pの外径が上型10の成形面11の外径より大きくなるように、成形体Pの一部が成形面11からはみ出すように成形することができるようになっているためであるのはいうまでもない。また、強制離型手段54が、上型10の成形面11を超えて上方に移動する際に、成形素材PFと干渉しないようにするためには、成形素材PFの最大径φ2が、強制離型手段54の内周径よりも小さくなっているのが好ましい。
その後、上下型10,20をさらに離間させると、弾性部材43の付勢力により支承部材40が上昇して、下型20の成形面21の周囲に容易に復帰する。そして、その際に、支承部材40の上端部が再び成形面21よりも上方に突出して成形体Pを持ち上げ、これによって、下型20の成形面21からの成形体Pの離型も促される。
下型20が降下を終えて所定の位置に達したら、図示しない吸着パッドを備えた搬送アームなどを用いて、下型20上で支承部材40に支承された成形体Pを取り出すが、取り出した成形体Pには、芯取り加工を施し、所定のレンズ形状とすることができる。
ここで、芯取り加工とは、成形体Pの外周など(多くの場合、プレス成形によって形成された自由表面部)を研磨し、外縁に沿った不要な部位を除去するとともに、得ようとする光学素子の外径中心軸と、光軸とを一致させることをいうものとする。したがって、成形素材PFの大きさは、芯取り加工により除去される部分を考慮して決定され、少なくとも得ようとする光学素子の光学有効径よりも、最大径の大きい成形素材PFを用いるのが好ましい。
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
図1に示す成形型を用いて、有効径10mmの両凹形状のレンズを成形するにあたり、上型成形面の直径を14mm、下型成形面の直径を11mmとした。また、成形素材としては、ホウ酸ランタン系ガラスからなる、直径13.5mmの扁平な両凸曲面形状のものを使用し、支承部材の支承部の内径(直径)は、11.1mmとした。
なお、上下型、及び胴型は、ともに炭化ケイ素からなるものを用いた。また、上下型の成形面は鏡面研磨するとともに、その表面には、炭素を主成分とする離型膜を形成しておいた。
そして、以下の成形工程を経て、成形素材をプレス成形した。
(a)加熱工程
高周波誘導コイルを備えた加熱手段により、上下型のそれぞれを所定温度(ガラス粘度で108.5dPa・s相当)に加熱した。一方、成形型外において、搬送治具(落下供給手段)が備える浮上皿内で、噴出するガスにより実質的に浮上した状態としながら成形素材を加熱軟化させ、所定温度(ガラス粘度で107.5dPa・s相当)に予熱した。
(b)成形素材供給工程
下型を降下させて供給位置で停止し、上下型を離間させて、成形素材の供給に必要なスペースを確保した。
次いで、搬送治具により下型成形面上に成形素材を搬送し、搬送治具をその中心線において二つに分割させることにより、実質的に浮上した状態にある成形素材PFを落下供給した。その後、成形素材の周囲から位置修正手段を幅寄せして位置修正を行い、成形素材の下面側の周縁部近傍を支承部材に支承させた。
(c)プレス成形工程
加熱軟化した成形素材が支承部材に支承された状態で下型を上昇させ、成形素材を支承した支承部材とともに、下型を胴型内に挿入していくことにより、上下型の同軸性を確保する。そして、支承部材の退避と成形素材の受け渡しがなされるのとほぼ同時に、成形素材を上下型で加圧し(プレス荷重:150kgf)、上下型の成形面を成形素材に転写することによって、所定の面形状、所定肉厚を有する成形体(両凹レンズ)とした。
(d)冷却・離型工程
上下型と成形体との密着を維持したまま、これらを冷却した。この時点で、成形体は上型成形面の外径よりも若干大きく、上型成形面からはみ出るように変形しており、成形体が、ガラス転移点相当の温度に冷却されてから、下型を降下させた。
このとき、成形体が上型成形面に付着していた場合には、上下型が離間するのに連動して、強制離型手段が上型成形面からはみ出した成形体と接触し、成形体を上型成形面から強制的に離型させた。また、上下型がさらに離間すると、支承部材が上昇して下型成形面上の成形体が持ち上げられ、これによって、成形体の下型成形面からの離型を促した。
そして、下型が所定の位置に達した後は、支承部材に支承された成形体を、吸着パッドを備えた搬送アームにより取り出した。
以上の工程を500回繰り返す連続プレス成形を行い、得られた成形体にアニールを施し、さらに、外周を除去する芯取り加工を施して外径中心軸と、光軸とを一致させた。
[成形体の評価]
上記工程によって成形した結果、その全数において、成形素材は、支承部材により下型成形面上に確実に、かつ、安定して供給され、滑落などは見られなかった。また、得られた両凹レンズは、その全数において、有効径(10mm)を超える転写面が確保されており、偏肉による有効径不足は生じなかった。
さらに、得られた両凹レンズの面精度について評価したところ、クセは0.5本以内であり、所定の仕様を満足していた。すなわち、上下型によるプレス荷重の加えられ方が不均一であると、不規則なクセが生じやすいが、本実施例では、有効面内において、ほぼ均等にプレス荷重が印加されたことがわかる。
また、芯取り加工において切除される部分の径方向の幅は、従来品と比べて略同等であり、芯取時間が増大することもなかった。
次に、図1に示す成形型を用いてプレス成形される成形体の偏心精度についても評価した。
その結果を表1に示すが、10個のサンプルにおいて、ティルト量は、全て1分未満であり、良好であった。これは、図1に示す成形型にあっては、上下型のそれぞれが、同一の胴型によって径方向の位置規制をされているため、上下型の同軸性(相互傾きの抑制)を高く維持できることによる。
Figure 0004848194
これらのことから、図1に示す成形型は、凸面形状の下型上に成形素材を確実に、かつ、安定して供給できるとともに、偏心抑止性(上下型成形面の同軸性の確保)、面精度、偏肉の防止性などを高度に維持し、しかも、上下型のそれぞれと成形体の強制離型機能を有する優れた構成であることがわかった。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記した実施形態において、下型20に対する支承部材40の相対移動が可能な範囲を規制するストッパー機構として、下型20の側面に沿って、外方に張り出す係合突部24を設けるとともに、この係合突部24に係合する係合段部44を支承部材40の内周面に設けたものを例示したが、下型20からの支承部材40の脱落を防止できれば、ストッパー機構の具体的な態様は特に問わない。
すなわち、図9に示すように、下型20に複数(例えば、三箇所)の貫通孔25を穿設しておき、この貫通孔25に取付部材45を挿通して、図示するように取付部材45の一端側を貫通孔25内に係止しつつ、支承部材40に設けた挿入孔46に、取付部材45の先端部分を螺合、圧入、又は溶着などにより固定するなど、種々の態様を採用することができる。
また、上記した実施形態において、成形型は、プレス成形に必要な荷重調整機構を有する荷重印加手段に取り付けられ、荷重印加手段のプレス成形軸を駆動させることによってプレス荷重が印加されるように、成形装置に一体に固定されて使用される例を挙げて説明した。しかし、かかる成形型は、成形素材を収容した状態で、プレス成形に必要な個々の処理が施される処理室内を、それぞれの処理が行われる毎に順次、各処理室を移送されながらプレス成形が行われていく成形装置において使用することもできる。
本発明は、ガラスプリフォームなどの成形素材を、精密加工を施した成形型によってプレス成形し、光学素子を製造するモールドプレス成形型、及び光学素子の製造方法に適用される。特に、成形面に凸面を有する下型上に、成形素材の供給を行うモールドプレス成形型や、光学素子の製造方法において有用である。
本発明に係るモールドプレス成形型の実施形態の概略を示す要部断面図である。 本発明に係るモールドプレス成形型の実施形態の概略を示す分解説明図である。 支承部材の一例の概略を示す分解斜視図である。 当接部材の一例の概略を示す説明図である。 本発明に係る光学素子の製造方法の実施形態における製造工程の概略を示す説明図である。 落下供給手段の一例の概略を示す説明図である。 位置修正手段の一例の概略を示す説明図である。 成形素材を支承部材に支承させたときの要部を拡大して示す説明図である。 ストッパー機構の他の例を示す説明図である。 従来技術を示す説明図である。
符号の説明
10 上型
11 成形面
12 小径部
13 大径部
20 下型
21 成形面
22 小径部
23 大径部
30 胴型
31 段差
40 支承部材
41 内筒部
42 外筒部
43 弾性部材(第一の弾性部材)
50 退避機構
51 ガイド部材
52 当接部材
521 当接片
53 弾性部材(第二の弾性部材)
54 強制離型手段
PF 成形素材
P 成形体

Claims (16)

  1. 凸面を有する成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する下型と、
    前記下型の上方に対向配置され、成形面が形成された小径部と、前記成形面より大きな径の大径部とを有する上型と、
    前記下型及び前記上型のそれぞれに接触して、前記下型及び前記上型のプレス軸に直交する方向の相互位置を規制する胴型と、
    前記下型の成形面の周囲に位置して、前記下型の成形面上に供給された成形素材を支承する支承部材と、
    前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から下方に退避させる退避機構とを備え
    前記支承部材は、第一の弾性部材によって上方に付勢された状態で前記下型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられており、
    前記退避機構は、前記胴型内に摺動可能に保持されるガイド部材と、前記ガイド部材の内側に支持され、かつ、下方に垂下して設けられた当接片を有する当接部材と備え、
    前記当接部材を支持する前記ガイド部材が、第二の弾性部材により前記上型の小径部に対して下方に付勢され、前記当接部材と前記ガイド部材とが独立して、前記上型の小径部に対して相対的に上下動可能となるように設けられていることを特徴とするモールドプレス成形型。
  2. 前記当接片の下端が、前記下型と前記上型の近接動作に連動して前記支承部材に当接することにより、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させることを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形型。
  3. 前記支承部材前記下型に支持されるとともに
    前記下型と前記上型が相互に近接するに際して、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接することにより、前記当接片の下端が前記支承部材を前記下型の小径部に対して相対的に押し下げることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  4. 前記支承部材にはフランジ部が形成されており、前記フランジ部で前記第一の弾性部材を受けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  5. 前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制するストッパー機構を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  6. 前記ストッパー機構が、前記下型の側面に設けられた係合突部であり、
    前記支承部材は、径方向に二分割され、かつ、内周面に前記係合突部と係合する係合段部を有する内筒部と、当該二分割された内筒部が前記下型の成形面を回り囲むように突き合わされた状態で、その外周に取り付けられる外筒部とを有し、
    前記係合突部が、前記係合段部に当接することにより前記下型に対する前記支承部材の相対移動が可能な範囲を規制していることを特徴とする請求項5に記載のモールドプレス成形型。
  7. 前記ガイド部材には、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接したときに、前記上型の成形面よりも上方に位置する強制離型手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  8. 前記胴型は、内周面に段差部を有し、当該段差部により前記ガイド部材の一部が保持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のモールドプレス成形型を用いて、前記支承部材で前記成形素材を支承した後、前記上型と前記下型の近接動作にしたがって、前記支承部材に前記当接部材の前記当接片の下端が当接することにより、前記当接部材は相対的に上方へ移動させられ、前記当接部材の上端が前記上型の大径部に当接すると、前記当接部材の前記当接片の下端が前記支承部材を押し下げて、前記支承部材を前記下型の成形面の周囲から退避させ、前記上型と前記下型により前記成形素材を押圧することを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材の下面側の周縁部近傍を前記支承部材に支承させることを特徴とする請求項に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記支承部材の支承部の内径φ1と、前記成形素材の最大径φ2とが、φ1≦φ2なる関係を満たすようにしたことを特徴とする請求項10に記載の光学素子の製造方法。
  12. 前記成形素材が前記下型の成形面上に供給されたときに、前記成形素材が前記下型の成形面と非接触となるように、前記成形素材を前記支承部材に支承させることを特徴とする請求項1011のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  13. 成形素材供給時における前記下型の成形面中央部と、前記支承部材の支承部上端との高さの差をαとするとき、
    前記成形素材が、R>(α+(φ1/2))/2αなる関係を満たす曲率半径Rの曲面を有するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。
  14. 前記下型と前記上型の近接動作にしたがって、前記支承部材を前記下型の成形面よりも下方に退避させることにより、少なくとも前記下型と前記上型とが最も近接した時点で、前記成形素材と前記支承部材とが非接触となるようにしたことを特徴とする請求項13のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  15. 所定の粘度に軟化した前記成形素材を、前記下型の成形面上に落下供給することを特徴とする請求項14のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  16. 得ようとする光学素子の光学有効径より、最大径の大きい成形素材を用いる
    ことを特徴とする請求項15のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
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