JP2006282472A - ガラスレンズ成形装置およびガラスレンズ成形方法 - Google Patents

ガラスレンズ成形装置およびガラスレンズ成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形される光学素子の偏芯精度を保証しつつ、タクトタイムを短縮することが可能なガラスレンズ成形装置を提供すること。
【解決手段】ガラスレンズ成形装置20は、カートリッジヒータを内蔵しており、ガラスレンズ3Aを成形するための上,下一対の型1,2と、該型の外周に嵌入されるスリーブ4と、スリーブ4を外周側から加熱する赤外線ランプヒータ9とを有しており、スリーブ4には冷却用不活性ガスを流通させるための複数の連通穴4bが設けられる。上,下型による押圧成形後の冷却工程において、固化するまでの期間は、挿通穴4bに所定流量の冷却用不活性ガスを流通させてスリーブと型との温度差を所定の範囲にコントロールし、スリーブと型との嵌合隙間を適切な状態に維持し、ガラスレンズ3Aの偏心精度を上げる。最後の急速冷却期間においては、不活性ガスの流量を増加し、タクトタイムを短縮する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス素材から光学素子を成形するガラスレンズ成形装置、および、そのガラスレンズ成形方法に関する。
従来、ガラス素材から光学素子(ガラスレンズ)を成形する成形方法であって、スリーブと相対する一対の金型によりガラス素子を成形するガラスレンズ成形方法に関して、特許文献1に開示されたものは、図5の主要構成図に示すガラスレンズ成形装置100において、スリーブ103内でガラス素材を加熱し、加熱軟化したガラス素材を金型である上型101と下型102により押圧成形した後、スリーブ103に設けた流孔103a,103cにガス供給部106,107より不活性ガスを供給し、その不活性ガスを径方向の冷却孔103b,103dから上型101、下型102の側面およびガラス素材の側面に吹き付け、上型101と下型102およびガラス素材を冷却する方法を提案している。
特許文献1は、特開平10−287434号公報である。
特許文献1に開示のガラスレンズ成型方法では、スリーブ103の外周から上型101,下型102とスリーブ103を加熱した後にタクトタイム短縮の目的で上,下型101,102とスリーブ103を同時に冷却しているがスリーブ103が樽型に膨張したままで上記金型を主軸側から冷却することになり、上型101,下型102とスリーブ103の隙間が広がってしまい、想定した偏芯精度が得られないおそれがあった。また、スリーブ103の冷却がその冷却孔の形状から十分に行えず、タクトタイムの短縮が難しかった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、成形される光学素子の偏芯精度を保証しつつ、タクトタイムを短縮することが可能なガラスレンズ成形装置、または、ガラスレンズ成型方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のガラスレンズ成形装置は、ガラス素材から光学素子を成形する成形装置において、上記ガラス素材を押圧して上記光学素子を得るための一対の型と、筒状の部材を形成し、上記一対の型を囲んで、上記一対の型と嵌合し、上記一対の型を内部に保持し、冷却用流体移動のために一端面近傍から他の端面近傍まで上記一対の型の移動方向に貫通した連通穴が形成されたスリーブ部材とを有する。
本発明の請求項2に記載のガラスレンズ成形装置は、請求項1に記載のガラスレンズ成形装置において、上記スリーブ部材の上記連通穴は、複数である。
本発明の請求項3に記載のガラスレンズ成形装置は、請求項1に記載のガラスレンズ成形装置において、上記スリーブ部材は、円筒形状である。
本発明の請求項4に記載のガラスレンズ成形方法は、ガラス素材を押圧して上記光学素子を得るための一対の型と、筒状の部材を形成し、上記一対の型を囲んで、上記一対の型と嵌合し、上記一対の型を内部に保持し、冷却用流体移動のために一端面近傍から他の端面近傍まで上記一対の型の移動方向に貫通した連通穴が形成されたスリーブ部材と、上記1対の型を加熱する第1のヒータと、上記スリーブ部材を加熱する第二のヒータとを用いるガラスレンズ成形方法てあって、上記第一ヒータ、第二のヒータにより上記ガラス素材を流動状態にまで加熱する加熱工程と、上記流動状態の上記ガラス素材を押圧成形するために上記一対の型を閉じる閉じ工程と、上記第二のヒータの加熱温度を降下させ、上記スリーブ部材を冷却するスリーブ冷却工程と、上記連通穴に上記冷却用流体を流動させ、上記スリーブ部材をさらに冷却し、上記一対の型の温度より所定温度差だけ低い温度とする冷却工程と、上記一対の型と上記スリーブ部材とを上記所定温度差で、上記ガラス素材の転移点の温度以下まで徐冷する徐冷工程と、上記一対の型と上記スリーブとを急速冷却する急速冷却工程とを有する。
本発明によれば、ガラス素材から成形される光学素子の偏芯精度を保証しつつ、タクトタイムを短縮することが可能なガラスレンズ成形装置、または、ガラスレンズ成型方法を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるガラスレンズ成形装置の主要部を示す断面図である。図2は、図1のA−A断面図であって、上記ガラスレンズ成形装置に使用されるスリーブの断面を示す。図3は、上記ガラスレンズ成形装置のための制御装置のブロック構成図である。図4は、上記ガラスレンズ成形装置の成形時における型温度Tm,スリーブ温度Ts,成形圧力Pm,不活性ガス流量Qgの経過時間に対する変化を示す線図である。
本実施形態のガラスレンズ成形装置20は、ガラス素材であるガラスブランク3を加熱軟化させ、一対の成形型で押圧し、冷却後に上記一対の成形型間を開くことで所望の面形状を有する光学素子であるガラスレンズ3Aを得るガラスレンズ成形方法を適用する装置である。
このガラスレンズ成形装置20は、主要構成部材として図1に示すように一対の成形型である上型1,下型2と、上型1,下型2を覆うスリーブ部材であるスリーブ4と、上型1を支持する上軸5と、下型2を支持する下軸6と、上型1,下型2,スリーブ4の周囲に配されるスリーブ加熱用熱源の第二のヒータである螺旋状の赤外線ランプヒータもしくは複数の赤外線ランプヒータ9と、上軸5を上下方向に移動させるサーボモータ、または、エアーシリンダからなる駆動装置10と、図示しない不活性ガス供給部からの冷却用流体である不活性ガスをスリーブ4に送出するための不活性ガス送出部11と、さらに、図示しない部材として開閉可能な密閉炉および本成形装置20を支持するフレームを有してなる。
上型1,下型2は、ガラスブランク3からガラスレンズ3Aを成形するに足る温度領域で十分な強度を有する超硬合金のタングステンカーバイトを適用する。上型1の凹状成形面1aと下型2の凹状成形面2aは、それぞれ鏡面になっている。また、上型1,下型2内部には、それぞれ型加熱用熱源の第一のヒータであるカートリッジヒータ7,8、および、型温度検出用の熱電対(図示せず)が埋め込まれている。
なお、上型1の凹状成形面1aと下型2の凹状成形面2aのそれぞれの内部には、カートリッジヒータ7,8の先端部との間に空隙部1b,2bが設けられている。この空隙部1b,2bは、凹状成形面1a,2aの中央部が温度分布上、周辺部に対して高温になるのを防ぎ、ガラスブランク3からの揮発成分発生を防止するための空隙部である。
上軸5は、駆動装置10によって駆動され、上型1を下方向D1 、または、上方向D2 に移動させる。また、上軸5は上記密閉炉を連動して上下移動させるが、所定量降下して密閉炉がフレームのベースに当接した後は上軸5の下降動作と密閉炉とは連動しない状態となる。
下軸6は、ガラスレンズ成形装置20のフレームに固定支持されている。
なお、上軸,下軸5,6には、それぞれ型冷却用の冷媒である純水が流通可能な冷却経路(図示せず)が設けられている。
カートリッジヒータ7,8は、上型1,下型2を熱伝導により加熱する。かつ、該型を介してガラスブランク3が加熱される。
赤外線ランプヒータ9は、上記密閉炉の内側壁に支持されており、スリーブ4の外周に沿って配置されており、スリーブ4の外周を加熱し、スリーブ4を介して上型1,下型2,ガラスブランク3を加熱、保温する。
カートリッジヒータ7,8や赤外線ランプヒータ9および上記冷媒は、後述するように上記熱電対によって検出される型温度情報および各工程情報に基づいてガラスレンズ成形装置20の制御部であるCPU21(図3)により制御され、後述する各工程におけるガラスブランク3および上,下型1,2,スリーブ4の温度制御が行われる。
スリーブ4は、超硬合金のセラミックス材料であるタングステンカーバイトで形成され、上,下型1,2と等しい線膨張係数を有する円筒形状の部材である。スリーブ4は、上方部が上型1に固着され、かつ、内周4aが上型1の外周に精密嵌合(隙間が6μmまたはそれ以下の極めて少ない状態)し、さらに、下型2の外周にスライド可能に精密嵌合(隙間が6μm程度の極めて少ない状態)している。従って、スリーブ4は、上型1に対する下型2の径方向の位置ずれの発生を防ぎ、同時に赤外線ランプヒータ9による照射熱を上型1,下型2に効率よく伝達することができる。
また、スリーブ4には、図2に示すようにそれぞれが軸方向に直線状に上部開口4c,下部開口4dを連通し、貫通する穴であって、円筒周上に等間隔で配される4個以上の連通穴4bが設けられる。連通穴4bは、本実施形態では8個が配され、穴径は、4mmとする。この連通穴4bには、スリーブ4を冷却するために不活性ガスが不活性ガス送出部11により上部開口4cから送り込まれ、下部開口4dから排出される。なお、開口部4c,4dは、スリーブ4を冷却するための開口であるのでスリーブ端面近傍にあればよい。
上記密閉炉は、上型1,下型2,スリーブ4の周囲空間を密閉、または、開放可能な炉であって、成形中、または、加熱冷却中、密閉状態にあるとき、真空または非酸化ガス雰囲気で充満できるように上型1,上記フレームとの接触部にはシールが施されている。なお、上記密閉炉には、ガスの排気口と導入口とが設けてあり、成形中や準備中、該排気口,導入口を介して炉内は真空排気、さらに、不活性ガス導入が可能である。
ガラスレンズ3Aは、例えば、低Tg光学ガラスであるガラスブランク3より成形されるガラス成形体であって、外径13mmのガラスレンズとする。ガラスブランク3は、予め研削研磨でガラスレンズ3Aの近似形状に加工されている。
ガラスレンズ成形装置20のための制御装置は、図3に示すように本成形装置全体のコントロールを司る制御部としてのCPU21と、CPU21によって制御される駆動装置10のアクチュエータ部と、CPU21によって制御され、それぞれが独立したPID制御要素を構成するものであって、上,下型1,2の温度調節のための温度調節部としてのカートリッジ温度調節部22,23と、スリーブ4の温度を赤外線ランプヒータ9を介して調節するための赤外線ランプヒータ調節部24と、スリーブ4の冷却のために不活性ガス送出部11へのガス供給を電磁弁26を介して調節するための不活性ガス調節部25とを有してなる。
これらの各PID制御要素は、成形開始から成形終了までの期間に後述する各工程順によりCPU21の制御のもとで上,下型1,2およびスリーブ4を各工程に要求される温度条件を満足するようにコントロールされる。
上述した構成を有するガラスレンズ成形装置20によりガラスブランク3からガラスレンズ3Aを成形する工程について、図1,3,4を用いて説明する。
まず、ガラスブランク3をオートローダ(図示せず)によって搬送し、下型2上に載置する。上型1をD1 方向に降下させ、ガラスブランク3の表面近傍に上型1の凹状成形面1aが到達したとき、上型1を一旦停止させ、密閉炉を密閉状態とする。そこで、密閉炉内を真空状態とし、不活性ガスで置換する。続いて、CPU21の制御のもとで以下の加熱成形工程に入る。
まず、第一の工程(経過時間t1 までの加熱工程)では、上記密閉炉の不活性ガス置換状態でカートリッジ温度調節部22,23および赤外線ランプヒータ調節部24を介してカートリッジヒータ7,8や赤外線ランプヒータ9への通電を行い、上型1,下型2,スリーブ4、および、ガラスブランク3の加熱を開始する。
時間t1 にて図4に示すように上,下型1,2の型温度Tmがねらいの温度(ガラスブランクの転移点Tgを上回る温度、例えば、550°C)に到達後、次の第二の工程(型閉じ工程)に入る。これまでにスリーブ4の温度Tsは、900°Cに到達している。なお、上記第一の工程では、まだ不活性ガスの供給は行わず、成形圧も作用させない。
第二の工程(経過時間t2 までの型閉じ工程)では、上,下型1,2及びスリーブ4を上記加熱状態で上型1をD1 方向に再降下させる。
時間t2 にて上型1がガラスブランク3に接触すると、次の第三の工程(時間t2 からt3 のスリーブ冷却工程)に入り、凹状成形面1a,2aによるガラスブランク3の押圧が開始される(押圧力1960N)。
この第三の工程である押圧開始時(成形圧力Pm1960Nが作用)の時間t2 よりガラスブランク3が所定の厚みになる時間t3 までの間、スリーブ4の温度を設定温度400°Cに徐々に降下させるように赤外線ランプヒータ調節部24を介して赤外線ランプヒータ9の制御を行う。型温度の設定(設定温度550°C)は変化させない。また、不活性ガスの送入は未だ行わない。なお、上記押圧成形中のガラスブランク3の厚みの測定は、図示しない肉厚センサを用いて検出される。
第三の工程に続いて第四の工程(時間t3 からt4 間の型・スリーブ冷却/徐冷工程)に入り、上,下型1,2の冷却を供給電力および型冷却用の冷媒の制御により開始し、同時に不活性ガス送出部11より不活性ガスをスリーブ4に送出し、不活性ガスによるスリーブ4の冷却を開始する。このときの不活性ガスの流量Qgは、5l/mimとする。この冷却工程では、スリーブ4は、上,下型1,2の温度に対して所定の温度差である温度差20°Cだけ低く抑えるように制御される(すなわち、スリーブ4の設定温度は、上,下型1,2に対して−20°C)。時間t4 にて成形されたガラスブランク3の温度が転移点Tg以下に到達し、固化した後、第五の工程(時間t4 以降の急速冷却工程)に入る。なお、時間t4 にて上型1の押圧力を解除する。
第五の工程である時間t4 以降は、型冷却用の冷媒により上,下型1,2のさらなる冷却を行い、同時に不活性ガスのスリーブ4への流量Qgを増やし、50l/mimとしてスリーブ4の急冷を行う。
所定時間経過後、型が酸化しない温度まで冷却したならば、上記密閉炉を開放し、型開きを行って成形されたガラスレンズ3Aを型から離型し、成形を終了する。
ガラスレンズ成形装置20により上述した工程に従って実験的にガラスブランク3の加熱成形を行った結果、得られたガラスレンズ3Aは、光学性能上、欠陥のないものであり、偏心精度もスリーブと型の隙間から計算される最大許容誤差の3/4以内に安定して収まるものであった。ショット上でもスリーブと型とのこじりの発生もなく、10ショット連続して成形することができた。タクトタイムも従来のスリーブ4への不活性ガスの送出のない工程に比較して3mim程度短くすることができた。
上述したようにガラスレンズ3Aの偏心精度が改善され、さらに、スリーブのこじりもなく成形できた理由としては、上記第四の工程でスリーブ4に適量の不活性ガスを送出して冷却を行い、スリーブ4の温度を上,下型1,2に対して適度に低い温度差20°Cとなるように制御したことによりスリーブ4の内周4aと型外周との適切な隙間を維持することができたためと考えられる。
さらに、タクトタイムの短縮も達成できたのは、上記第五の工程で型の急速冷却を行うと同時にスリーブ4にも不活性ガスを多量に流して冷却したため、より早い時間内に冷却を終わらせ、型開きを行うことができたためといえる。
上述したガラスレンズ成形装置20による成形工程中、上記第四の工程における不活性ガスの流量Qgを10l/minに増やした状態で成形を行ってみた。この場合のスリーブ4の設定温度は、型との温度差を−30°Cとなる。ガラスレンズ成形の結果、偏心精度は、スリーブと型の隙間から計算される最大許容誤差の2/3以内に収まり、また、タクトタイムも従来のスリーブ4への不活性ガスの送出のない工程に比較して4mim程度短くすることができた。しかし、スリーブと型の間隔の不足によるこじりが原因で中肉不良が1回発生した。この検討から上記第四の工程(冷却/徐冷工程)で流量Qgを5l/minとした上述の実施形態の成形条件が妥当であると考えられる。
さらに、上記第四の工程(冷却/徐冷工程)における制御目標とするスリーブ4の設定温度範囲としては、型に対する温度差として−2°C〜−50°Cの範囲を適用すれば、一応、成形が可能であることも確認された。
なお、上述した実施形態と比較するために参考的に2,3の従来例のガラス成形装置の構成に基づいた装置を用いてガラスレンズを成形した結果について、以下に説明する。
まず、前述した特許文献1に記載されたガラスレンズ成形装置100(図5)と同様の成形装置であって、タングステンカーバイトのスリーブを適用したものでガラスレンズを成形した場合、第四の工程に相当する工程で不活性ガスの流量が不足し、結果としてスリーブが型より5°C程度高い温度になり、型との適切な隙間を維持することができなかった。従って、ガラスレンズの偏心精度にばらつきが生じた。これは冷却のために流入する不活性ガスがスリーブと型との非常に狭い隙間から流出することから十分な不活性ガスの排気が行われないためといえる。但し、タクトタイムを同等であった。
さらに、参考的にスリーブに不活性ガスの挿通穴を設けないガラスレンズ成形装置によりガラスレンズの成形を行ってみた。この場合、偏心精度は、良好なものが得られたがスリーブの締まりすぎによる中肉不良とこじりが発生する頻度が高かった。但し、タクトタイムを同等であった。この場合の問題発生もスリーブと型とを同じ状態で冷却することからその温度差を適切に制御することができないことによる。
上述したように本実施形態のガラスレンズ成形装置20を用い、上述した成型方法を適用した場合、スリーブ4に複数(少なくとも4つ)の軸方向の連通穴4bを設け、成形後の徐冷工程で該穴内に適量の冷却用不活性ガスを流して、スリーブ4を型より早く、かつ、適切な温度差の状態で冷却してスリーブのこじりをなくしてレンズの偏心精度を改善することができ、さらに、固化後には、上記不活性ガスの流量を多くすることにより冷却速度を上げ、タクトタイムの短縮もできる。
また、ガラスレンズ成形装置20では、スリーブと型の温度差を不活性ガスの流量によって制御することができることからスリーブと型とを異なる材料をを適用した場合(すなわち、型とスリーブの線膨張係数を変えた場合)でも偏心精度の低下やこじりの発生のない状態で成形することができる。また、スリーブと型との嵌合公差を極めて厳しくする必要もなく、設備経費の削減も実現できる。
なお、本実施形態のガラスレンズ成形装置20では、上型1側を可動型としてが、これに限らず、上型1側を固定型とし、下型2側を可動型として、他は同様な構成を適用することによって同様の効果が得られる。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によるガラスレンズ成形装置、または、ガラスレンズ成型方法は、成形される光学素子の偏芯精度を保証しつつ、タクトタイムの短縮も可能であるガラスレンズ成形装置、または、ガラスレンズ成型方法として利用できる。
本発明の一実施形態であるガラスレンズ成形装置の主要部を示す断面図である。 図1のA−A断面であって、図1のガラスレンズ成形装置に使用されるスリーブの断面を示す。 図1のガラスレンズ成形装置のための制御装置のブロック構成図である。 図1のガラスレンズ成形装置の成形時における型温度Tm,スリーブ温度Ts,成形圧力Pm,不活性ガス流量Qgの経過時間に対する変化を示す線図である。 従来のガラスレンズ成形装置の主要部を示す断面図である。
符号の説明
1 …上型(一対の型)
2 …下型(一対の型)
3 …ガラスブランク(ガラス素材)
3A…ガラスレンズ(光学素子)
4 …スリーブ(スリーブ部材)
4b…連通穴
7,8…カートリッジヒータ(第一のヒータ)
9 …赤外線ランプヒータ(第二のヒータ)

Claims (4)

  1. ガラス素材から光学素子を成形する成形装置において、
    上記ガラス素材を押圧して上記光学素子を得るための一対の型と、
    筒状の部材を形成し、上記一対の型を囲んで、上記一対の型と嵌合し、上記一対の型を内部に保持し、冷却用流体移動のために一端面近傍から他の端面近傍まで上記一対の型の移動方向に貫通した連通穴が形成されたスリーブ部材と、
    を有することを特徴とするガラスレンズ成形装置。
  2. 上記スリーブ部材の上記連通穴は、複数であることを特徴とする請求項1に記載のガラスレンズ成形装置。
  3. 上記スリーブ部材は、円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載のガラスレンズ成形装置。
  4. ガラス素材を押圧して上記光学素子を得るための一対の型と、筒状の部材を形成し、上記一対の型を囲んで、上記一対の型と嵌合し、上記一対の型を内部に保持し、冷却用流体移動のために一端面近傍から他の端面近傍まで上記一対の型の移動方向に貫通した連通穴が形成されたスリーブ部材と、上記1対の型を加熱する第1のヒータと、上記スリーブ部材を加熱する第二のヒータとを用いるガラスレンズ成形方法てあって、
    上記第一ヒータ、第二のヒータにより上記ガラス素材を流動状態にまで加熱する加熱工程と、
    上記流動状態の上記ガラス素材を押圧成形するために上記一対の型を閉じる閉じ工程と、
    上記第二のヒータの加熱温度を降下させ、上記スリーブ部材を冷却するスリーブ冷却工程と、
    上記連通穴に上記冷却用流体を流動させ、上記スリーブ部材をさらに冷却し、上記一対の型の温度より所定の温度差だけ低い温度とする冷却工程と、
    上記一対の型と上記スリーブ部材とを上記所定の温度差で、上記ガラス素材の転移点の温度以下まで徐冷する徐冷工程と、
    上記一対の型と上記スリーブとを急速冷却する急速冷却工程と、
    を有することを特徴とするガラスレンズ成形方法。
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