JP2007008751A - ガラス素子成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス光学素子を容易に、且つ、確実に剥離することが可能なガラス素子成形型を提供する。
【解決手段】ガラス素子成形型1は、ガラス光学素子の光学面を形成し、上記ガラス光学素子の光学有効面を形成するための第1の成形面18aを有する内型18と、上記内型の外周を囲んで上記ガラス光学素子の上記光学有効面から連続して伸び出した面を形成するための第2の成形面19aを有する外型19とを備え、上記外型は、上記内型の線膨張係数(α1)より小さい線膨張係数(α2)を有することで、温度差による収縮量の違いにより、成形されたガラス光学素子を容易、且つ確実に離型する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス成形装置に用いられ、ガラス光学素子を成形するガラス素子成形型に関する。
従来、鏡面仕上げを行った成形面をもつ成形型によってガラス素材である光学素材を加熱軟化した状態でプレス成形によりガラスレンズ等の光学素子(ガラス成形体)を製造するガラス成形装置が知られている。このガラス成形装置において、所定温度に冷却した成形後の光学素子を安定して確実に成形型から離型することが重要である。
しかし、光学素子を成形後の冷却工程を経て成形型から取り出す際に、ガラスと成形型の線膨張係数の違いから、光学素子と成形型の間に負圧領域が発生して光学素子が成形型に吸着し、離型に時間を要したり、時には離型作業中に光学素子が破損したり、成形型にキズをつけてしまう虞があった。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、レンズ有効径外を粗面加工して凹凸を設けることにより、光学素子と成形型との離型性を向上させるガラス工学素子の製造方法が開示されている。
さらに、例えば、特許文献2には、上型に貼りついた光学素子に、胴型に設けられた孔から光学素子、及び光学素子と成形型の境界面にガスを吹き付けて引き剥がすことにより、光学素子と成形型との離型性を向上させる光学素子の成形装置が開示されている。
特開2004‐2191号公報 特開平8‐48531号公報
しかしながら、上述の特許文献1のガラス光学素子の製造方法では、成形型に形成された凹凸部分へ加熱軟化した光学素子が食い込み、所定温度に冷却後の光学素子と成形型との離型性が低下する虞がある。
また、上述の特許文献2の光学素子の成形装置では、成形型が凸形状の面によって光学素子の面を凹形状に成形する成形装置の場合、光学素子と成形型の境界面にガスを吹き付けると光学素子の温度も急遽に低下するため、光学素子が早く収縮してしまい、光学素子と成形型との間に隙間か発生しないため、離型し難くなる虞がある。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、成形型に吸着する光学素子であるガラス成形体を容易に、かつ、確実に剥離することが可能なガラス素子成形型を提供することを目的とする。
本発明の第1のガラス素子成形型は、ガラス光学素子の光学面を成形し、上記ガラス光学素子の光学有効面を形成する第1の成形面を有する内型と、上記内型の外周を囲んで上記ガラス光学素子の上記光学有効面から連続する外周面を形成する第2の成形面を有する外型と、を具備し、上記外型は、上記内型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とする。
本発明の第2のガラス素子成形型は、ガラス光学素子の光学面を成形する一対の型からなり、上記一対の型の少なくとも一方の型は、上記ガラス光学素子の光学有効面を形成する第1の成形面を有する内型と、上記内型の外周を囲んで上記ガラス光学素子の上記光学有効面から連続する外周面を形成する第2の成形面を有する外型と、を具備し、上記外型は、上記内型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とする。
本発明によれば、ガラス光学素子を容易に、かつ、確実に剥離することが可能なガラス光学素子成形装置に用いられるガラス素子成形型を実現できる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるガラス成形装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のガラス成形装置におけるガラス素子成形型である上型を示す断面図である。図3及び図4は、ガラスレンズ成形時における上下一対のガラス素子成形型の断面図である。図5は、図3の上下一対のガラス素子成形型を部分的に拡大した断面図である。図6は、図4の上下一対のガラス素子成形型を部分的に拡大した断面図である。図7は、離型用ガス管を配したガラス成形装置の内部を示す断面図である。
図1に示す、本実施形態のガラス成形装置20は、光学素材であるガラス素材25を加熱軟化させ、一対の成形型で押圧し、冷却後に上記一対の成形型間を開くことで所望の面形状を有するガラス光学素子であるガラスレンズ25A(図3〜図6参照)を製造するための装置である。このガラス成形装置20の内部には、主要構成部材として、一対の成形型である上型1、及び下型2と、これら上型1、及び下型2を覆うスリーブ3と、上型1を支持する上軸4と、下型2を支持する下軸5と、上軸4を上下方向に密閉状態で移動自在に保持している昇降ベース体6と、該昇降ベース体6に一体的に固設される石英管7と、該石英管7の周囲に配される型加熱用熱源の1つである複数の赤外線ランプヒータ8と、下軸5が配され、ガス導入管10及び真空排気管11の開口部を有するベース板9と、ガス導入管10に配されるガス用バルブ12と、真空排気管11に配される真空バルブ13と、が設けられている。
尚、ガラス成形装置20は、石英管7、赤外線ランプヒータ8などの周囲に配される上下方向に開閉自在な密閉炉(不図示)と、図示しないフレームに支持されて、上軸4を上下方向に移動させるサーボモータ、或いはエアーシリンダからなる駆動装置(不図示)と、真空排気管11の一端と接続される真空ポンプなどの排気装置(不図示)と、ガス導入管10の一端と接続される例えば、圧力が0.05MPa程度に設定された窒素ガスなどの不活性ガス(非酸化性ガス)を送気する流量調整用装置(不図示)と、ガラス素材25を下型2に自動セットし、且つ成形後のガラスレンズ25Aを自動的に取り出すオートローダ(不図示)と、成形室内の温度、圧力、ガス流量、真空などの制御やガラス素材25を下型2にセットする位置制御を行う制御装置(不図示)を有している。
上型1と下型2は、略同一の外径が設定された略円柱形状をしており、夫々の軸が同一線上を通るように、固定治具14、15によって、上軸4、及び下軸5に固定されている。
詳述すると、上型1は、一端面がガラスレンズ25Aの凹レンズ面25a(図4参照)を成形する凸状成形面1aと、他端の外周部分に外向フランジと、を有した略円柱状の型である。また、上型1は、他端部の外向フランジが固定治具14の内向フランジにより保持され、固定治具14が上軸4とビスなどの固定部材14aにより固定されることによって、上軸4に固定されている。尚、本実施の形態のおける上型1は、本発明のガラス素子成形型を構成し、その詳しい説明については後述する。
一方、下型2は、一端面がガラスレンズ25Aの凸レンズ面25b(図4参照)を成形する凹状成形面2aと、上型1と同じように、他端の外周部分に外向フランジと、を有した略円柱状の型である。この下型2は、他端部の外向フランジが固定治具15の内向フランジに保持され、固定治具15が下軸5とビスなどの固定部材15aにより固定されることによって、下軸5と固定されている。
また、上型1と下型2は、ガラス素材25からガラスレンズ25Aを成形するに足る温度領域で十分な強度を有する材料であって、超硬合金、または、SIC等によって形成されている。上述した上型1の凸状成形面1aと下型2の凹状成形面2aは、それぞれ鏡面加工が施され、酸化やガラス素材25との反応を抑制させる目的として、例えば、プラチナ、イリジウム、ロジウム、オスミウム、レニウム、ニオブ、ルテニウム、パラジウム、タンタル、金など成膜されている。
各型1,2の夫々の内部には、各軸4,5を貫挿して配される型加熱用熱源の1つであるカートリッジヒータ16a,16b、及び型温度検出用の熱電対17a,17bが夫々埋め込まれている。これらのカートリッジヒータ16a,16bは、上型1,下型2を熱伝導により加熱し、且つ、各型1,2を介してガラス素材25を加熱する。
また、上軸4、及び下軸5には、それぞれ型冷却用の冷却水が流通可能な冷却経路(図示せず)が設けられている。さらに、上軸4には、中途外周部分に段部が形成されており、上昇時に該段部の上面が昇降ベース体6の下面となる対向面と当接することで、昇降ベース体6、石英管7、及び図示しない密閉炉を一緒に持ち上げる。
スリーブ3は、円筒形状のセラミックス材料で形成され、上方部が上型1に固着され、且つ精密嵌合(隙間5μmまたはそれ以下の極めて少ない状態)しており、下型2に対してスライド可能に精密嵌合(隙間5μm程度の極めて少ない状態)している。従って、赤外線ランプヒータ8による照射熱は、石英管7、及びスリーブ3を介して上型1,下型2に効率よく伝達される。また、スリーブ3には、軸方向に対し略直交して貫通し、後述する上型1に配される外型孔19eに連通するスリーブ孔3aが形成されている。
赤外線ランプヒータ8は、密閉炉(不図示)の内側壁に固定支持されており、石英管7の外周に沿って位置している。尚、カートリッジヒータ16a,16bや赤外線ランプヒータ8、また、上記冷媒は、熱電対17a,17bによって検出される型温度に基づいて、上述した成形装置20の図示しない制御部により制御され、各工程時におけるガラス素材25および上型1、及び下型2の温度制御が行われる。
石英管7は、上型1,下型2、及びスリーブ3の周囲空間を密閉、または、開放可能であり、ガラス素材25の成形中、密閉状態にあるとき、真空または非酸化雰囲気で充満できるように、夫々の接触部にはシールが施されている。この石英管7により密閉された空間がガラスレンズ25Aを成形する成形室となる。
次に、図2を参照して上型1の構成について、さらに詳しく説明する。
上型1は、略円柱形状の内型18と、この内型18の外周を囲むように外挿している略筒状の外型19とからなる。
内型18は、一端面が上型1の凸状成形面1aの一部を構成し、成形するガラスレンズ25Aの光学素子有効径、及び芯取り外径以上の範囲が設定され、凸状の曲面が形成された第1の成形面である成形面18aと、他端部の外周部に外向フランジ18bと、を有する。また、内型18は、外向フランジ18bから成形面18a側に向かった中途部分までテーパ18cが形成され、常温時における寸法がテーパ18c端から成形面18aまでが直径W1と、成形面18aの外周端の位置において軸方向の高さH1と、なっている、本実施の形態では線膨張係数α1が6.6×10−6/℃の超硬合金からなる。
外型19は、一端面が上型1の凸状成形面1aの一部を構成し、成形するガラスレンズ25Aの光学素子有効径外の駄肉部分を押圧成形し、凸状の曲面が形成された第2の成形面である成形面19aと、他端部の外周部に上述した固定治具14(図1参照)の内向フランジと係合する外向フランジ19bと、中途部分で貫通する少なくとも1つ以上の貫通孔19eと、を有する。また、外型19は、外向フランジ19bの近傍の内径部分に、内型18のテーパ18cと面接触できるように同一の角度が設定されたテーパ19cと、内型18の外向フランジ18bが当接する段部19dと、が形成されている。尚、内型18が外型19に挿嵌され、後述する所定の成形温度に達した際、各テーパ18c,19cの面接触によって、内型18と外型19との軸芯を合わせることができる。つまり、各テーパ18c,19c間には、図示していないが、所定のクリアランスが設けられており、各型18,19の線膨張係数の違いによる、上記成形温度に達したときの膨張量の変化に対応して、内型18と外型19の夫々の軸芯が一致するように設定されている。
また、外型19は、常温時におけるテーパ19c端から成形面19aまでが内型18の直径W1よりも所定量だけ長い内径W2と、成形面19aの内周端の位置において、内型18の高さH1よりも所定量だけ長い軸方向の高さH2と、を有する、本実施の形態では線膨張係数α2が内型18の線膨張係数α1よりも小さい4.0×10−6/℃(α1>α2)の超硬合金、又はセラミックス系、例えば炭化珪素(SIC)などからなる。
すなわち、内型18と外型19とによって構成された上型1は、常温(例えば、25℃)時に内型18の外周面と外型19の内周面との間に長さΔW/2={(W2−W1)/2}の空隙であるクリアランスS1と、内型18の成形面18aと外型19の成形面19aによって構成される凸状成形面1aに段差ΔH=(H2−H1)の凹部S2と、を有する。
以上のように構成された、上型1の各型18,19は、ガラスレンズ25Aのガラス素材25の転移点を上回る温度である成形温度まで加熱されると、各型18,19の夫々の線膨張係数α1,α2に伴って膨張し、その膨張量の違いによって、内型18の外周面と外型19の内周面が密着して、夫々の成形面18a,19aが連続した凸面となる凸状成形面1aを形成する構成となっている。
ここで、例えばガラス素材25の転移点を上回る温度である成形温度を540℃とし、常温25℃から成形温度540℃(温度差515℃)まで成形室内を上昇させて、ガラス素材25をガラスレンズ25Aに成形する場合における、常温25℃時の上型1の各型18,19の寸法例を以下に説明する。
尚、略円柱状の内型18は、加熱によって、外径、及び高さが夫々大きくなる方向に膨張し、一方で略円筒状の外型19は加熱によって、内径、及び高さが大きくなる方向に膨張する。そのため、成形温度540℃で常温25℃時の内型18の外周面と外型19の内周面との間のクリアランスS1、及び内型18の成形面18aと外型19の成形面19aによる凹部S2を無くすためには、内型18と外型19の夫々の寸法が以下のように設定される。尚、温度による熱膨張量の関係式は、
D1=D×{1+(T−t0)α}・・・式1
である(D1:温度T(成形温度540℃)時の直径(内径)W、或いは高さH、D:温度t0(常温25℃)時の直径(内径)W、或いは高さH、α:線膨張係数α1,α2)。
例えば、常温25℃(上記式1ではt0)での内型18の直径W1(上記式1ではD)を25mm、成形面18aの外周端の位置における軸方向の高さH1(上記式1ではD)を60mmと設定する。このような寸法設定された内型18は、成形温度540℃(上記式1ではT)では、上述の式1から、その直径W2(上記式1ではD1)がおよそ25.09mmに、高さH2(上記式1ではD1)がおよそ60.21mmに膨張する。
そのため、成形温度540℃時の外型19の内径W2が25.09mmに、高さH2が60.21mmとなるように設定すれば、上型1は、内型18の外周面と外型19の内周面との間のクリアランスS1、及び内型18の成形面18aと外型19の成形面19aによる凹部S2を無くすことができる。つまり、式1のD1に25.09を代入して、Dを求めることで、外型19の常温25℃時での上記直径W2、式1のD1に60.21を代入して、Dを求めることで、外型19の常温25℃時での軸方向の上記高さH2を導き出すことができる。
従って、上述の式1から導いて、常温25℃(上記式1ではt0)での外型19の直径W2(上記式1ではD)を25.03mm、成形面19aの内周端の位置における高さH2(上記式1ではD)を60.08mmに設定する。すなわち、常温25℃時における上型1には、幅(ΔW/2)が0.015(0.03/2)mmの上記クリアランスS1と、高さ(ΔH)が0.08mmの上記凹部S2が設定されている。
尚、内型18の直径W1を25.00mm、及び軸方向の高さH1を60mmに設定し、内型18の線膨張係数α1から外型19の線膨張係数α2の差分Δα(Δα=α1−α2=6.6×10−6−4.0×10−6=2.6×10−6)を上記式1の線膨張係数αに代入することでも、内型18と外型19の膨張量の違いから、外型19の上記直径W2、及び軸方向の上記高さH2を導き出すことができる。
つまり、温度差515℃では、上記式1から内型18と外型19との直径方向の膨張量の違いは、およそ0.03mm(ΔW)となり、軸に沿った高さ方向の膨張量の違いはおよそ0.08mm(ΔH)となる。従って、外型19の設定寸法は、上記内径W2を内型18の上記外径(W1=25mm)+膨張量差(ΔW=0.03mm)である25.03mm、上記高さH2を内型18の上記高さ(H1=60mm)+膨張量差(ΔH=0.08mm)である60.08mmとなる。
以上のように上型1を構成することで、成形温度540℃時において、内型18の外周面と外型19の内周面が密着して、内型18の成形面18aと外型19の成形面19aとが連続した凸状の曲面内に位置することで、ガラス素材25を押圧してガラスレンズ25Aの凹レンズ面25aを成形する凸状成形面1aが形成される。
次に、上述した構成を有するガラス成形装置20によりガラスレンズ25Aを成形し、離型する工程について、図1、及び図3〜図6を用いて説明する。
まず、ガラス素材25をオートローダ(不図示)によって搬送し、下型2上に載置する。そして、石英管7、及び密閉炉(不図示)により内部を密閉状態とする。
上型1を下型2に向かった方向に降下させ、ガラス素材25の表面近傍に上型1の凸状成形面1aが到達したとき、上型1を一旦停止させる。そこで、図示しない制御部のコントロールのもとで、真空バルブ13を開状態にし、排気装置(不図示)により石英管7内を真空状態にした後、真空バルブ13を閉じて、ガス用バルブ12を開状態にして、流量調整用装置(不図示)によって、不活性ガスである窒素ガスで置換する。このとき、流量調整用装置は、成形室内の酸素濃度が10ppm以下となる流量で窒素ガスを流し続ける。
そして、成形室内の酸素濃度が10ppm以下の一定の濃度となった後、ガラス成形装置20の制御部のコントロールのもとでカートリッジヒータ16a,16bや赤外線ランプヒータ8に通電し、上型1、下型2、スリーブ3、及びガラス素材25の加熱を開始する。
このとき、上型1は、温度上昇に伴って、内型18と外型19の熱膨張により、内型18の外周面と外型19の内周面とのクリアランスS1が徐々に小さくなると共に、凸状成形面1aの凹部S2の段差が小さくなる。そして、成形温度540℃に達すると、図3、及び図5に示すように、上記クリアランスS1の空隙、及び凹部S2の段差がゼロとなる。この状態において、上述したように、凸状成形面1aは、連続した曲面内に内型18の成形面18aと外型19の成形面19aが位置し、ガラスレンズ25Aを成形する段差のない鏡面となる。
そして、熱電対17a,17bの温度検知により、ねらいの温度(ここでは成形温度540℃)に到達したら、上型1を下型2方向に再降下させて型閉じ状態とし、凸状成形面1a,凹状成形面2aによりガラス素材25を押圧する。そして、所定量の押圧後、カートリッジヒータ16a,16b、及び赤外線ランプヒータ8の通電を停止させる。
次に、冷却経路に冷却水(例えば、冷媒としての純水)を通して冷却工程に入り、型の冷却を開始する。上記冷却により上型1、下型2、及びガラス素材25の熱は、上記冷媒を介して系外に放出される。そして、ガラス素材25は、押圧成形されてガラスレンズ25Aの形状となる。
この冷却時には、ガラスレンズ25Aの収縮により、上型1の凸状成形面1aとガラスレンズ25Aの凹レンズ面25aとの間に負圧領域P(図5参照)が発生する。すなわち、転移点以下でのガラスの線膨張係数は、上型1の内型18、及び外型19の各線膨張係数よりも大きい値である、およそ8〜9×10−6/℃である。そのため、ガラスレンズ25Aは、各型1,2よりも収縮量が大きく、上型1と下型2に押圧された状態では凹状のレンズ面側に上記負圧領域Pが発生するものである。
そして、冷却による温度低下に伴って、上型1の内型18、及び外型19が収縮する。この収縮過程において、内型18と外型19の夫々の線膨張係数α1,α2の違いにより、内型18の方が外型19に比して直径方向、及び軸方向(高さ方向)へ早く収縮する。そのため、上型1には、図4、及び図6に示すように、内型18の外周面と外型19の内周面との間にクリアランスS1ができると共に、凸状成形面1aに凹部S2が形成される。
このとき、上型1の凸状成形面1aとガラスレンズ25Aの凹レンズ面25aとの間に生じていた負圧(負圧領域Pの圧力)は、スリーブ3のスリーブ孔3a、外型19の外型孔19e、及び上記クリアランスS1を介して吸気された成形室内の不活性ガスにより解消される。すなわち、上型1の凸状成形面1aとガラスレンズ25Aの凹レンズ面25aとの間に形成された空間内は、成形室内の気圧と同気圧となる。
また、ガラスレンズ25Aは、凸状成形面1aによって成形される凹レンズ面25aが上型1の内型18と外型19の収縮量の違いにより凸状成形面1aに形成される凹部S2によって、内型18の成形面18aと離間する。このとき、外型19の成形面19aは、ガラスレンズ25Aの光学素子有効径外の駄肉部を押さえている。すなわち、ガラスレンズ25Aは、凹レンズ面25aと内型18の成形面18aとの間に空間ができ、内型18と離型される。その結果、ガラスレンズ25Aは、上型1の凸状成形面1aに貼り付くことなく離型する。
その後、熱電対17a,17bの検知結果から各型1,2の型温度が酸化せず、変形温度以下の温度まで下がったとき、駆動装置(不図示)によって上軸4を上昇させ、上型1、及びスリーブ3を上昇させると共に、昇降ベース6を上軸4の段部で、石英管7、および密閉炉(不図示)と一緒に持ち上げる。最後にガラスレンズ25Aは、オートローダー(図示せず)によって外部に取り出される。
上述した本実施形態のガラス成形装置20によれば、成形されたガラスレンズ25Aが上型1に貼り付くことが防止でき、ガラスレンズ25Aに対して衝撃や引き離し外力を与えることなく上型1から容易に、且つ、確実に上型1から離型させることができ、成形品の歩留まりや生産性を向上させることができる。
尚、図7に示すように、スリーブ3の各スリーブ孔3aに離型用ガス管21を接続して、不活性ガスを送気し、スリーブ孔3a、外型19の外型孔19e、及び上記クリアランスS1を介して、上型1の凸状成形面1aとガラスレンズ25Aの凹レンズ面25aとの間に形成された空間内に不活性ガスを送入しても良い。これらの離型用ガス管21は、上軸4の上下移動に伴って、昇降ベース体6に対して密閉状態に移動可能であり、流量調整用装置(不図示)と一端が接続される。また、離型用ガス管21による送気タイミングは、図示しない制御装置によりコントロールされている。
この離型用ガス管21を設けることで、上記空間内に送入される不活性ガスの風圧により、上型1からのガラスレンズ25Aの離型性がより向上する。
尚、本実施形態のガラス成形装置20では、上型1側を可動型としているが、これに限らず、上型1側を固定型とし、下型2側を可動型として、他は同様な構成を適用することも可能である。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によるガラス素子成形型は、ガラス成形体であるガラスレンズを容易に、且つ、確実に成形型から剥離することが可能なガラス成形装置に適用できる。
本発明の一実施形態であるガラス成形装置の内部を示す断面図である。 同、図1のガラス成形装置におけるガラス素子成形型である上型を示す断面図である。 同、成形温度でのガラスレンズの成形時における上下一対のガラス素子成形型の断面図である。 同、冷却後のガラスレンズの成形時における上下一対のガラス素子成形型の断面図である。 同、図3の上下一対のガラス素子成形型を部分的に拡大した断面図である。 同、図4の上下一対のガラス素子成形型を部分的に拡大した断面図である。 変形例を示し、離型用ガス管を配したガラス成形装置の内部を示す断面図である。
符号の説明
1 ・・・上型(ガラス素子成形型、一対の型の一方)
2 ・・・下型(一対の型の他方)
18 ・・・内型
19 ・・・外型
18a ・・・成形面(第1の成形面)
19a ・・・成形面(第2の成形面)
α1,2・・・線膨張係数
25A ・・・ガラスレンズ(ガラス光学素子)
25a ・・・凹レンズ面(光学面)
25b ・・・凸レンズ面(光学面)

Claims (6)

  1. ガラス光学素子の光学面を成形するガラス素子成形型において、
    上記ガラス光学素子の光学有効面を形成する第1の成形面を有する内型と、
    上記内型の外周を囲んで上記ガラス光学素子の上記光学有効面から連続する外周面を形成する第2の成形面を有する外型と、
    を具備し、
    上記外型は、上記内型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とするガラス素子成形型。
  2. ガラス光学素子の光学面を成形する一対の型からなるガラス素子成形型において、
    上記一対の型の少なくとも一方の型は、
    上記ガラス光学素子の光学有効面を形成する第1の成形面を有する内型と、
    上記内型の外周を囲んで上記ガラス光学素子の上記光学有効面から連続する外周面を形成する第2の成形面を有する外型と、
    を具備し、
    上記外型は、上記内型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とするガラス素子成形型。
  3. 上記内型の外周面と上記外型の内周面との間には、上記ガラス光学素子の成形のための加熱前に空隙が設けられ、加熱時に上記内型の外周面と上記外型の内周面とが密着することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス素子成形型。
  4. 上記内型と上記外型とは、上記ガラス光学素子の成形のための加熱前に型開閉方向に段差を有し、上記内型が上記外型の中に凹んだ状態であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス素子成形型。
  5. 上記第1の成形面と上記第2の成形面は、上記ガラス光学素子を成形する成形温度に達したとき、連続した同一曲面内に位置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス素子成形型。
  6. 上記外型は、上記外周から上記内周に貫通する孔を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス素子成形型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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