JP6653135B2 - 光学素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス等の熱可塑性の光学素子材料を成形型により加熱及び押圧することによって光学素子を製造する光学素子の製造方法及び製造装置に関する。
近年、ガラス等の熱可塑性の光学素子材料を成形型により加熱及び押圧し、成形型の形状を光学素子材料の光学機能面に転写する、所謂プレス成形による光学素子の製造方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
プレス成形による光学素子の製造方法においては、プレス成形された光学素子が成形型に密着してしまい、光学素子を成形型から離型させることが困難であるという問題がある。この問題に対し、離型し易くなるように成形型に予めコーティングを施す、プレス成形後に成形型に振動を与える、機械的に光学素子を成形型から離型する、といった提案がなされている。例えば特許文献1には、プレス成形後に光学素子の周囲を減圧状態とすることで、光学素子を成形型から離型し易くする技術が開示されている。
特開平8−81229号公報
凹状の光学機能面を有する光学素子をプレス成形により作製する場合、即ち、成形型の転写部が凸状である場合、光学素子と成形型の転写部との間が真空状態になって密着するだけでなく、ガラスと成形型(金属)との熱収縮差に起因して、成形型の凸状の部分を光学素子の凹状の面が締め付けている状態となり、これが、離型が困難になる一因となる。光学素子が成形型を締め付けている場合、上記特許文献1のように、単に光学素子の周囲を減圧状態にしただけでは、光学素子を離型することはできない。
また、成形型にコーティングを施す場合にはコーティングのためのさらなるコストを要してしまう。或いは、成形型に振動を与えて離型したり、機械的に離型したりする場合には、一般的な成形装置に対して離型のための手段をさらに設ける必要があるため、装置構成が複雑になり、工数が増えると共に、設備コストが上昇してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、凹状の光学機能面を有する光学素子をプレス成形により製造する場合において、大幅な製造時間及び工数の増加や追加のコストを要することなく、光学素子を成形型から容易に離型することができる光学素子の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光学素子の製造方法は、凸状の転写部が設けられた第1の型と該第1の型に対向する第2の型との間に形成されるキャビティに光学素子材料が収容された成形型を第1の温度で加熱する加熱工程と、前記加熱工程に直接又は間接的に後続し、前記成形型における前記第1及び第2の型の少なくとも一方に他方に対する相対的な向きの押圧力を付与する押圧工程と、前記押圧工程に直接又は間接的に後続し、前記成形型を第2の温度で冷却する冷却工程と、前記冷却工程に直接又は間接的に後続し、前記成形型を前記第2の温度よりも高く前記第1の温度よりも低い第3の温度で加熱可能に予め調整された温度下において当該成形型を加熱し、前記第1の型の転写部を膨張させる再加熱工程と、を含むことを特徴とする。
上記光学素子の製造方法において、前記再加熱工程は、前記成形型を前記第3の温度で加熱可能に予め温度調整されたチャンバに前記冷却工程後の前記成形型を搬送し、該成形型を前記第3の温度で加熱することを特徴とする。
上記光学素子の製造方法において、前記再加熱工程は、前記冷却工程後の前記成形型の温度よりも200℃以上温度が高い前記チャンバに搬送して温度変化を与えることにより、前記成形型を前記第3の温度で加熱することを特徴とする。
本発明に係る光学素子の製造方法は、光学素子材料を第1の温度で加熱して軟化させる加熱工程と、前記加熱工程に直接又は間接的に後続し、凸状の転写部を有する成形型の該転写部によって前記光学素子材料を押圧することにより、該光学素子材料に凹形状の部分を形成する押圧工程と、前記押圧工程に直接又は間接的に後続し、前記光学素子材料を第2の温度で冷却する冷却工程と、前記冷却工程に直接又は間接的に後続し、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記光学素子材料の前記凹形状の部分の内径が前記凸状の転写部の外径よりも小さく膨張する第3の温度で加熱可能に予め調整された温度下で、光学素子材料を加熱する再加熱工程と、を含むことを特徴とする。
上記光学素子の製造方法において、前記再加熱工程は、前記光学素子材料の前記凹形状の部分の内径を構成する部分における単位時間あたりの上昇温度が、前記転写部の外径を構成する部分における単位時間当たりの上昇温度よりも小さくなるよう、前記光学素子材料を加熱することを特徴とする。
上記光学素子の製造方法において、前記再加熱工程は、前記光学素子材料の前記凹形状の部分の内径の単位時間当たりの膨張量が、前記転写部の外径の単位時間当たりの膨張量よりも小さくなるよう、前記光学素子材料を加熱することを特徴とする。
本発明に係る光学素子の製造装置は、凸状の転写部が設けられた第1の型と、該第1の型に対向する第2の型との間に形成されるキャビティに光学素子材料が収容された成形型を第1の温度に加熱する加熱ステージと、前記成形型における前記第1及び第2の型の少なくとも一方に他方に対する相対的な向きの押圧力を付与する押圧ステージと、前記成形型を第2の温度に冷却する冷却ステージと、前記成形型を前記第2の温度よりも高く前記第1の温度よりも低い第3の温度に加熱して、前記第1の型の転写部を膨張させる再加熱ステージと、前記成形型を、前記加熱ステージ、押圧ステージ、冷却ステージ、再加熱ステージと順に搬送する搬送手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、成形型により光学素子材料を成形して冷却した後、成形型を再加熱して第1の型の凸状の転写部を膨張させることにより成形型から光学素子材料を離型するので、大幅な製造時間及び工数の増加や追加のコストを要することなく、光学素子を成形型から容易に離型することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造装置の内部構成例を示す模式図である。 図2は、図1に示す光学素子の製造装置内部に設けられたステージの下側部材を上方から見た模式図である。 図3は、成形ブロックの構成を示す断面図である。 図4は、本実施の形態に係る光学素子の製造方法を示すフローチャートである。 図5Aは、光学素子の製造方法のうち、成形工程を説明するための模式図である。 図5Bは、光学素子の製造方法のうち、成形工程を説明するための模式図である。 図6Aは、光学素子の製造方法のうち、再加熱工程を説明するための模式図である。 図6Bは、光学素子の製造方法のうち、再加熱工程を説明するための模式図である。 図7は、本発明の実施の形態の変形例に係る光学素子の製造装置の内部構成例を示す模式図である。 図8は、成形型及び光学素子材料の径を示す模式図である。 図9は、成形型をゆっくり昇温させた場合の成形型及び光学素子材料の温度推移を示すグラフである。 図10は、成形型をゆっくり昇温させた場合の成形型及び光学素子材料の径の推移を示すグラフである。 図11は、成形型を急速に昇温させた場合の成形型及び光学素子材料の温度推移を示すグラフである。 図12は、成形型を急速に昇温させた場合の成形型及び光学素子材料の径の推移を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造方法及び製造装置について、図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造装置の内部構成例を示す模式図である。図2は、図1に示す光学素子の製造装置内部に設けられたステージの下側部材を上方から見た模式図である。図1及び図2に示す光学素子製造装置1は、ガラス等の熱可塑性の光学素子材料を成形型によって加熱しながら押圧する、所謂プレス成形により光学素子を製造する装置であり、光学素子のプレス成形が行われる成形室10と、光学素子を離型するための再加熱が行われる再加熱室30と、当該光学素子製造装置1の動作を統括的に制御する制御部(図示せず)とを備える。
成形室10には、光学素子材料がセットされた成形ブロック40を成形室10内に搬送する搬送ステージ11と、成形室10内に配置され、成形ブロック40を加熱する上下一対の加熱ステージ12と、光学素子材料を押圧する上下一対のプレスステージ13と、成形ブロック40を冷却する上下一対の冷却ステージ14と、成形室10内において成形ブロック40を搬送する搬送アーム15とを備える。加熱ステージ12、プレスステージ13、及び冷却ステージ14の各々には、温度制御可能なヒータ16が設けられている。また、これらの各ステージの表面には、図示しない温度センサが設けられている。さらに、加熱ステージ12、プレスステージ13、及び冷却ステージ14の各上側部材には、図示しない駆動機構と連結されたシャフト17が設けられており、これらの上側部材は上下に移動可能である。
成形室10には、入口シャッタ18及び出口シャッタ19が設けられている。搬送ステージ11上に載置された成形ブロック40は、入口シャッタ18が開かれたときに、入口搬送アーム20により成形室10内に搬入される。成形室10内において、成形ブロック40は、搬送アーム15により、加熱ステージ12からプレスステージ13、冷却ステージ14に順次搬送され、出口シャッタ19が開かれたときに成形室10外に搬出される。
再加熱室(チャンバ)30には、上ステージ部材31a及び下ステージ部材31bからなる上下一対の再加熱ステージ31が設けられている。上ステージ部材31a及び下ステージ部材31bには、独立して温度制御可能なヒータ32a、32bがそれぞれ設けられており、これらのヒータ32a、32bを制御することにより、再加熱室30内が温度調整される。上ステージ部材31aには図示しない駆動機構と連結されたシャフト33が設けられており、上ステージ部材31aは上下に移動可能である。また、再加熱室30には開閉自在のシャッタ34が設けられている。このシャッタ34は、通常、成形ブロック40を搬入出するタイミングで開かれる。
制御部(図示せず)は、上述した各ステージ間における成形ブロック40の搬送動作を制御すると共に、この搬送動作と同期して、各ステージにおける温度制御を行う。
図3は、成形ブロック(成形型)40の構成を示す断面図である。本実施の形態においては、上下で対をなす型41、42の間に形成されるキャビティに光学素子材料100を配置し、これらの型41、42を円筒状のスリーブ43によって保持した成形ブロック40の状態で型41、42及び光学素子材料100を各ステージに搬送する。
型41、42は、タングステンカーバイド(WC)等の超硬合金によって形成され、研削及び研磨により仕上げられた転写部41a、42aと、各ステージと当接する端面41b、42bとを有する。本実施の形態においては、凹状の光学機能面及び凸状の光学機能面を有する光学素子(所謂凹メニスカスレンズ)を作製するため、型41(第1の型)の転写部41aを凸状とし、型42(第2の型)の転写部42aを凹状としている。ここで、光学機能面とは、レンズ等の光学素子のうち、光学系において使用される際に実際に光線を通過させる範囲のことである。
スリーブ43は、型41、42が嵌合可能な筒状の部材である。型41、42をスリーブ43に嵌合させた状態で、型41、42のいずれか一方をスリーブ43の高さ方向にスライドさせることで、転写部41a、42aの間隔を変化させることができる。
光学素子材料100としては、予め研磨されたプレス成形用のガラス材料が用いられる。このような光学素子材料100は、プリフォームと呼ばれる。光学素子材料100の両面に、型41、42の転写部41a、42aの形状を転写することにより、レンズ機能を発揮する光学機能面が形成された光学素子を作製することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明する。図4は、本実施の形態に係る光学素子の製造方法を示すフローチャートである。また、図5A、図5Bは、光学素子の製造方法のうち、成形工程を説明するための模式図である。図6A、図6Bは、光学素子の製造方法のうち、再加熱工程を説明するための模式図である。
まず、工程S1において、型41、42に光学素子材料100を配置する。本実施の形態においては、図3に示すように、スリーブ43に型42を嵌合させた状態で、型42の転写部42a上に光学素子材料100を載置し、転写部41aを光学素子材料100側に向けて型41の先端をスリーブ43に挿入した成形ブロック40を用意する。この成形ブロック40を図2に示す搬送ステージ11上に載置し、入口搬送アーム20によって成形室10内の加熱ステージ12に搬送する。
光学素子材料100としては、上述したように、予め研磨されたガラスのプリフォームが用いられる。図3においては、両凸形状の光学素子材料100を示しているが、光学素子材料100の形状は両凸形状に限定されず、例えば平凸形状であっても良いし、円柱状であっても良いし、球状であっても良い。
続く工程S2において、型41、42を含む成形型を加熱する。詳細には、上下一対の加熱ステージ12によって成形ブロック40を挟み込み、加熱ステージ12に設けられたヒータ16を予め設定された速度で昇温させることにより、加熱ステージ12をガラス転移点以上の所定の温度に加熱する。それにより、端面41b、42bを介して型41、42に熱が伝わり、型41、42が所定の上昇速度で昇温する。このように、加熱ステージ12によって型41、42を所定の温度で加熱することにより、型41、42の温度を該所定の温度又はその近傍の温度まで上昇させる。この際、光学素子材料100の温度が十分に時間をかけてガラス転移点以上の温度に達するようにヒータ16を制御することが好ましい。なお、光学素子材料100の温度は、加熱ステージ12の表面に設けられた温度センサの測定値から推定することができる。
型41、42の間に配置された光学素子材料100が変形可能な温度(ガラス転移点以上の温度)に至ると、加熱ステージ12の上側部材を上昇させ、搬送アーム15によって成形ブロック40をプレスステージ13に搬送する。
続く工程S3において、型41、42により光学素子材料100をプレスする。詳細には、上下一対のプレスステージ13によって成形ブロック40を挟み込み、さらにプレスステージ13の上側部材を下降させて型41を押し下げる。なお、プレスステージ13の温度は、型41、42の温度が維持されるように、ヒータ16により調節されている。また、本実施の形態においては型41を型42に向けて押圧しているが、反対に、型42を型41に向けて押圧しても良い。或いは、型41、42の双方に反対向きの押圧力を加えても良い。いずれにしても、型41、42に相対的な向きの押圧力を加えることができれば良い。
それにより、図5Aに示すように型41、42の各転写部41a、42aの形状が光学素子材料100に転写される。型41がスリーブ43に完全に嵌合するまで下降した後、プレスステージ13の上側部材を上昇させ、搬送アーム15によって成形ブロック40を冷却ステージ14に搬送する。
続く工程S4において、型41、42を含む成形型を冷却する。即ち、上下一対の冷却ステージ14によって成形ブロック40を挟み込み、冷却ステージ14に設けられたヒータ16を予め設定された下降速度で降温させることにより、冷却ステージ14を所定の温度(例えば室温やガラス転移点未満の温度等)まで冷却する。ここで、室温とは、20〜30℃程度の温度のことである。或いは、ヒータ16をオフにして、成形ブロック40を自然冷却させても良い。このように、冷却ステージ14によって型41、42を所定の温度で冷却することにより、型41、42の温度を該所定の温度又はその近傍の温度まで低下させる。この際、光学素子材料100の温度が十分に時間をかけて低下するようにヒータ16を制御することが好ましい。
光学素子材料100が変形しない温度(即ち、ガラス転移点未満、好ましくは約100℃以下)に至った後、冷却ステージ14の上側部材を上昇させ、搬送アーム15により成形ブロック40を成形室10外に搬出する。
続く工程S5において、光学素子材料100が型41、42から離型されたか否かを判定する。この判定は、例えば画像センサやレーザセンサ等の手段により自動で行っても良いし、作業者が目視で行っても良い。具体的には、型41を持ち上げたときに、型41に光学素子材料100が貼り付いておらず、下側の型42上に残っていれば、離型されたと判定される。光学素子材料100が離型された場合(工程S5:Yes)、処理は工程S7に移行する。
一方、光学素子材料100が離型されていない場合(工程S5:No)、即ち、図5Bに示すように、光学素子材料100が型41に貼り付いている場合、型41を再加熱室30内に搬入し、急速に加熱する(工程S6:再加熱工程)。この際、図1に示すように、成形ブロック40全体を再加熱室30内に搬入しても良いし、光学素子材料100が貼り付いた型41のみを再加熱室30内に搬入しても良い。後者の場合には、型41の転写部41aを上方に向け、端面41bが下ステージ部材31bに接するように載置することが好ましい。
型41を急速に加熱するためには、予めヒータ32a、32bにより再加熱ステージ31及び再加熱室30内を加熱しておく。特に、型41の端面41bに接触する側のステージについては、ガラス転移点(例えば500℃)よりも若干低い温度からガラス転移点を超える温度までの範囲に予め加熱しておくと良い。
ここで、型41、42の材料として用いられるタングステンカーバイトの線膨張係数と、光学素子材料100として用いられるガラスの線膨張係数とでは、値が互いに大きく異なる。また、それぞれの熱膨張係数は、温度に応じて変化する。具体的には、タングステンカーバイドの線膨張係数は、室温から600℃程度の範囲では約4.2〜4.4×10-6(K-1)の範囲で、温度上昇と共に大きくなる。一方、ガラスの線膨張係数は、室温からガラス転移点を超える温度である510℃程度の範囲では約58〜505×10-7(K-1)の範囲で、温度上昇と共に大きくなり、タングステンカーバイドの線膨張係数と比べて非常に大きい。このように、線膨張係数が異なる材料同士を接触させた状態で冷却すると(工程S4参照)、図6Aに示すように、線膨張係数が相対的に大きい光学素子材料100が型41よりも大きく収縮し、型41の凸状の転写部41aを矢印の方向に締め付ける力が発生する。それにより、光学素子材料100の凹面101が転写部41aを強く締め付けている状態となる。その結果、光学素子材料100の型41からの離型が非常に困難となってしまう。
そこで、型41の凸状の転写部41aと光学素子材料100の凹面101とが接触している接触領域において、型41(転写部41a)側の接触領域の外周の径を光学素子材料100(凹面101)側の接触領域の外周の径に対して相対的に大きくする。例えば型41を膨張させることにより型41側の接触領域の外周の径を大きくすると、凹面101が転写部41aを締め付けていられなくなるため、図6Bに示すように、型41から光学素子材料100を離型することができる。
この工程S6においては、型41を加熱することにより膨張させる。その際に、光学素子材料100の温度上昇(即ち膨張)を最小限に留めるため、型41を急速に昇温させる。ここで、急速に昇温とは、型41に光学素子材料100を接触させた状態で型41を加熱した場合に、型41の温度変化に光学素子材料100の温度変化が追随困難な速さで昇温させることである。急速に昇温させる具体的な昇温速度は、型41及び光学素子材料100の材料の組み合わせやサイズに応じて異なるため、シミュレーションや実験等により予め求めておく。
型41を急速に昇温させる方法としては、予め加熱した再加熱室30内に成形ブロック40を入れて型41を加熱する。或いは、予め加熱した再加熱ステージ31に型41を接触させ、再加熱ステージ31から型41に直接伝熱しても良い。再加熱室30及び再加熱ステージ31は、工程S4後の成形ブロック40の温度よりも200℃以上高くなるように加熱しておく。具体的には、230〜600℃程度に加熱する。この温度は、使用する光学素子材料100の転移点や形状(熱源から光学素子材料100までの距離等)に応じて適宜決定する。その他、高周波加熱法や電磁加熱法を用いても良い。高周波加熱法や電磁加熱法を用いる場合には、型41を再加熱室30内に搬入した後で、加熱を開始しても良い。
続く工程S7において、型41、42から離型された光学素子材料100を成形ブロック40から取り出す。それにより、型41、42の転写部41a、42aの形状が転写された光学素子が得られる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、光学素子材料の凹面が凸状の転写部を締め付けている場合であっても、成形型を急速に加熱することにより、光学素子材料を容易に離型することができる。従って、大幅な製造時間及び工数の増加や追加のコストを要することなく、離型不良による歩留まり低下を抑制し、生産性を向上させることが可能となる。
(変形例)
図7は、本発明の実施の形態の変形例に係る光学素子の製造装置の内部構成例を示す模式図である。上記実施の形態においては、成形室10とは別の再加熱室30内に再加熱ステージ31を設けたが、図7に示す光学素子製造装置2のように、成形室10の内部に再加熱ステージ31を設けても良い。この場合、冷却工程が終了した全ての成形ブロック40に対して、型41を加熱して膨張させる再加熱工程が施され、光学素子材料100の加熱から離型までを連続的に行うことができる。
タングステンカーバイドからなる成形型と、プレス成形された光学素子材料を加熱した際の温度変化と径の変化を測定するシミュレーションを行った。光学素子材料としては転移点が498℃のガラスを用い、肉厚が1mmの凹メニスカスレンズの成形品を作製するものとした。図8に示すように、光学素子材料100の凹面101の外周円の直径tr、及び、型41の転写部41aのうち、凹面101と接触する接触領域の外周円の直径tkの初期値は、共に7mmとした。
図9は、タングステンカーバイド(WC)からなる型41をゆっくり昇温させた場合の該型41及びガラスからなる光学素子材料100の温度推移を示すグラフであり、図10は、光学素子材料100の凹面101の外周円の直径tr、及び転写部41aのうち凹面101との接触領域の外周円の直径tkの推移を示すグラフである。ここで、ゆっくり昇温とは、型41に光学素子材料100を接触させた状態で型41を加熱した場合に、型41の温度変化に光学素子材料100の温度変化が追随できる速さで昇温させることである。ゆっくり昇温させる場合の昇温速度は、光学素子材料100及び型41の材料の組み合わせやサイズ等によって異なるため一概には言えないが、本実施例の場合、一例として約0.4℃/秒をゆっくり昇温させる場合の昇温速度としている。
図9に示すように、型41を約1200秒かけて20℃から500℃に昇温させた場合(昇温速度:約0.4℃/秒)、型41と接触している光学素子材料100も型41とほぼ同時に昇温する。このとき、図10に示すように、光学素子材料100の凹面101の直径trが、型41側の接触領域の直径tkよりも早く大きくなっていた。つまり、型41を昇温させている間、光学素子材料100の凹面101の直径trが常に型41側の接触領域の直径tkよりも大きかったといえる。
図11は、型41を急速に昇温させた場合の該型41及び光学素子材料100の温度推移を示すグラフであり、図12は、光学素子材料100の凹面101の外周円の直径tr、及び転写部41aのうち凹面101との接触領域の外周円の直径tkの推移を示すグラフである。急速に昇温させる場合の昇温速度についても接触させる材料の組み合わせやサイズによって異なるため一概には言えないが、本実施例の場合、一例として約7℃/秒以上を急速に昇温させる場合の昇温速度としている。
図11に示すように、型41を約80秒かけて20℃から600℃まで昇温させ(昇温速度:約7.25℃/秒)、その後600℃に維持した場合、型41と接触している光学素子材料100は、120秒かかって20℃から500℃まで昇温する(昇温速度:4℃/秒)。このとき、図12に示すように、型41の昇温中は、型41側の接触領域の直径tkが光学素子材料100の凹面101の直径trよりも早く大きくなっていた。つまり、この間、型41側の接触領域の直径tkが常に光学素子材料100の凹面101の直径trよりも大きかったといえる。その後、型41の昇温を停止すると型41側の接触領域の直径tkの膨張は停止したが、光学素子材料100の凹面101の直径trは膨張し続け、80秒付近で型41側の接触領域の直径tkよりも大きくなった。
このように、成形型の温度変化に対して光学素子材料の温度変化が追随できない温度勾配となるように成形型を急速に加熱し、成形型の方を光学素子材料よりも速く膨張させる即ち、単位時間あたりの成形型の膨張量を光学素子材料の膨張量よりも大きくする(光学素子材料の膨張量を成形型の膨張量よりも小さくする)ことにより、成形型と光学素子材料との接触領域において、成形型側の接触領域の直径を光学素子側の接触領域の直径よりも大きくして離型することができる。
以上説明した本発明は、実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することが可能であり、例えば上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良い。本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは、上記記載から自明である。
1、2 光学素子製造装置
10 成形室
11 搬送ステージ
12 加熱ステージ
13 プレスステージ
14 冷却ステージ
15 搬送アーム
16 ヒータ
17、33 シャフト
18 入口シャッタ
19 出口シャッタ
20 入口搬送アーム
30 再加熱室
31 再加熱ステージ
31a 上ステージ部材
31b 下ステージ部材
32a、32b ヒータ
34 搬入出シャッタ
40 成形ブロック
41、42 型
41a、42a 転写部
41b、42b 端面
43 スリーブ
100 光学素子材料
101 凹面

Claims (6)

  1. 凸状の転写部が設けられた第1の型と該第1の型に対向する第2の型との間に形成されるキャビティに光学素子材料が収容された成形型を第1の温度で加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程に直接又は間接的に後続し、前記成形型における前記第1及び第2の型の少なくとも一方に他方に対する相対的な向きの押圧力を付与する押圧工程と、
    前記押圧工程に直接又は間接的に後続し、前記成形型を第2の温度で冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程に直接又は間接的に後続し、前記第2の温度よりも高く前記第1の温度よりも低い第3の温度に予め調整された温度下であるチャンバに前記冷却工程後の前記成形型を搬送し、前記第3の温度において成形型の温度変化に対して光学素子材料の温度変化が追随できない温度勾配となるように当該成形型を加熱し、前記第1の型の転写部を前記光学素子材料よりも大きく膨張させる再加熱工程と、
    を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記再加熱工程は、前記冷却工程後の前記成形型の温度よりも200℃以上温度が高い前記チャンバに搬送して温度変化を与えることにより、前記成形型を前記第3の温度で加熱することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記再加熱工程は、前記光学素子材料の凹形状の部分の内径が前記凸状の転写部の外径よりも小さく膨張する工程である請求項1または請求項2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記再加熱工程は、前記光学素子材料の凹形状の部分の内径を構成する部分における単位時間当たりの上昇温度が、前記転写部の外径を構成する部分における単位時間当たりの上昇温度よりも小さくなるよう、前記光学素子材料を加熱することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記再加熱工程は、前記光学素子材料の凹形状の部分の内径の単位時間当たりの膨張量が、前記転写部の外径の単位時間当たりの膨張量よりも小さくなるよう、前記光学素子材料を加熱することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  6. 凸状の転写部が設けられた第1の型と、該第1の型に対向する第2の型との間に形成されるキャビティに光学素子材料が収容された成形型を第1の温度に加熱する加熱ステージと、
    前記成形型における前記第1及び第2の型の少なくとも一方に他方に対する相対的な向きの押圧力を付与する押圧ステージと、
    前記成形型を第2の温度に冷却する冷却ステージと、
    記第2の温度よりも高く前記第1の温度よりも低い第3の温度に予め調整された温度下であるチャンバ内に設けられ、前記第3の温度において前記成形型の温度変化に対して光学素子材料の温度変化が追随できない温度勾配となるように前記第1の型を加熱し、前記第1の型の転写部を前記光学素子材料よりも大きく膨張させる再加熱ステージと、
    前記成形型を、前記加熱ステージ、押圧ステージ、冷却ステージ、再加熱ステージと順に搬送する搬送手段と、
    を備えることを特徴とする光学素子の製造装置。
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