JP4358406B2 - 光学素子の成形装置及び成形方法 - Google Patents

光学素子の成形装置及び成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子の成形装置及び成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光学素子成形用に用いるガラス素材は、中心部と外周部との間に肉厚の差を持っており、ガラス軟化点付近の温度に均等に加熱したガラス素材を、そのガラス素材よりも温度が低い、ガラス転移点付近の温度に成形面を均等に加熱した成形型で押圧成形する場合、ガラス素材の薄肉の部分が早く固まり、厚肉の部分が遅れて固まるために、厚肉の部分の収縮量が大きくなり、内部ひずみや、表面に大きなうねりが発生し、良好な面精度の光学素子を得ることができない。
例えば、凸形状の光学素子の場合、薄肉の外周部が先にガラス転移点以下に冷却され、中心部が遅れてガラス転移点以下になるために、変形時間に差が生じ、良好な光学素子を得ることができない。
【0003】
この問題を解決するための従来技術として、特開平02−133325号公報に開示されている光学素子の成形方法がある。
【0004】
特開平02−133325号公報に示されている光学素子の成形方法は、ガラス素材を、さめやすい薄肉部が高温に、さめにくい厚肉部が低温に、同心円方向に温度分布を持つように加熱して、均一な温度に加熱した成形面で押圧し、ガラス素材全体が硬化する時間を揃える光学素子の成形方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平02−133325号公報に開示された成形方法では、ガラス素材の加熱温度の制御が難しく、温度バラツキが大きいため、成形条件の再現性が悪く歩留まりが低下し、安定した品質の光学素子が得られない。
【0006】
また、ガラス素材の温度の高い部分が、成形型と接触するときのヒートショックが大きく、ワレや焼き付きが発生したり、型の耐久性を悪化させるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、成型時以降の成型面温度を適切に制御し、成型されたガラス素材全体の冷却速度を遅く、均一にすることにより、面精度の良好な光学素子を得ることができる光学素子の成形装置及び成形方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の光学素子の成形装置は、加熱軟化したガラス素材を搬送装置によりガラス素材より低い湿度に加熱した一対の成形型間に搬送し、この一対の成形型により前記ガラス素材を成形して光学素子を得る光学素子の成形装置において、前記一対の成形型を加熱する加熱手段と、前記成形型の各々の温度を設定温度に加熱調整する温度調節器と、前記成形型の各々を追加的かつ強制的に加熱する加熱出力調節器と、前記温度調節器又は前記加熱出力調節器を選択的に動作させる切り換え器と、前記温度調節器によって前記加熱手段に加熱動力を送り、前記一対の成形型の成形面を一定温度分布に制御するとともに、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記切り換え器により前記温度調節器に代えて前記加熱温度調節器を動作させて、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形面の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御する加熱温度制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、加熱軟化したガラス素材を、ガラス素材より低い温度に加熱した対向する一対の成形型の間に搬送し押圧成形することにより光学素子を得る光学素子の成形方法において、前記一対の成形型を加熱する加熱手段に加熱動力を送り、一対の成形型の成形面を一定温度分布に制御するとともに、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形型の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御して光学素子を成形することを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、加熱軟化したガラス素材を、型加熱ヒータによりガラス素材より低い温度に加熱した対向する一対の成形型の間に搬送し押圧成形することにより光学素子を得る光学素子の成形方法において、 前記ガラス素材を均一な温度に加熱し前記成形型の成形面を同心円方向に温度分布をつけた状態に加熱する工程と、前記ガラス素材を前記成形型間に搬送する工程と、搬送された前記ガラス素材に前記成形型のうちの少なくとも一方を接触させてから、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることで、前記成形型によるガラス素材の成形時に、前記ガラス素材の冷えやすい部分に大きな熱量を、それ以外の部分にも一定量の熱量を供給することにより、前記ガラス素材全面の冷却速度が小さく均等になるように制御し、ガラス素材の温度がガラス転移点以下になるまで押圧保持する工程と、成形されたガラス素材を冷却し一対の成形型を離型する工程と、を含むことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の光学素子の成形方法において、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させるのは、前記成形面が前記ガラス素材に接触すると同時であることを特徴とするものである。
【0011】
以下に、請求項1記載の成形装置の構成による、請求項2記載の成形方法について説明する。
【0012】
ガラス素材は予め加熱炉で全体が均一な温度になるように加熱する。その後ガラス素材は、搬送手段により、加熱手段を用いてガラス素材より低い温度に加熱した一対の成形型間に搬送される。
【0013】
成形型は、その成形面が一定温度分布になるような温度に温度制御されており、成形時には加熱温度制御手段により光学素子の形状に応じて、前記成形面の温度分布を成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御する。
【0014】
例えば、厚肉部と薄肉部の比が小さく、変形量の小さい光学素子を成形する場合は、そのまま一定温度分布を維持し、厚肉部と薄肉部の比が大きく、変形量の大きい光学素子の場合は、成形直前に急速に加熱することにより、成形面に光学素子の熱容量分布の大小を補完する温度分布をつけた状態で成形する。
【0015】
即ち、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記切り換え器により前記温度調節器に代えて前記加熱温度調節器を動作させて、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形面の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御することにより、ガラス素材の冷えやすい部分、つまり冷却速度の大きい部分に対応する成形型の成形面に大きな熱量を、ガラス素材の冷えにくい部分、つまり冷却速度の小さい部分に対応する成形型の成形面にも一定量の熱量を供給し、ガラス素材全体が均一な冷却速度になるように冷却速度を制御する。この場合、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させるのは、前記成形面が前記ガラス素材に接触すると同時とするものである。
【0016】
このようにして、ガラス素材全体が均一に冷却することから、内部ひずみや表面のうねりの発生を除去することが可能となる。さらに、ガラス素材全体の冷却速度を遅くすることにより、変形時間が増加し、変形量の大きな形状の光学素子でも、面精度よく成形することが可能となる。
【0017】
請求項3記載の成形方法によっても、上述した請求項2記載の成形方法の場合と同様にして、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形型の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御して、ガラス素材全体が均一な冷却速度になるように冷却速度を制御する。この場合、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させるのは、前記成形面が前記ガラス素材に接触すると同時とするものである。
【0018】
このようにして、ガラス素材全体が均一に冷却することことから、内部ひずみや表面のうねりの発生を除去することが可能となる。さらに、ガラス素材全体の冷却速度を遅くすることにより、変形時間が増加し、変形量の大きな形状の光学素子でも、面精度よく成形することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2は、本発明おける実施の形態1の光学素子の成形方法に用いる成形装置の概略図である。
【0021】
この成形装置において、凹形状の成形面1cを有する上型1aは台座2aに位置決め部材3aを用いて取り付けられている。
【0022】
また、凹形状の成形面1dを有する下型1bは、前記上型1aに対向して、台座2bに位置決め部材3bを用いて上下に昇降可能に取り付けられている。
【0023】
下型1bには、搬送皿7に当接、突き上げ可能な筒状のスペーサ9が取り付けられている。
【0024】
前記上型1aの外周には、上型ヒータハウジング5aが配置され、上型加熱用赤外線ランプヒータ4aが、前記上型ヒータハウジング5a内に取り付けられている。また、前記下型1bの外周には、下型ヒータハウジング5bが配置され、赤外線ランプヒータからなる下型加熱用赤外線ランプヒータ4bが前記下型ヒータハウジング5bに取り付けられている。
【0025】
上型加熱用赤外線ランプヒータ4a、及び、下型加熱用赤外線ランプヒータ4bは、図3に示す加熱温度制御手段を構成する加熱制御装置30により制御される温度調節器32(ガラス素材の成形時に、各型温度を設定された温度に加熱調整する)、加熱出力調節器33(ガラス素材の成形時に、各型温度に追加的かつ強制的に加熱する)に各々接続され、温度調節器32及び加熱出力調節器33により、上型1a、及び、下型1bを各々側面から加熱し成形面1c、及び、成形面1dの温度を調節可能に構成している。
【0026】
また、加熱出力調節器33により上型加熱用赤外線ランプヒータ4a、及び、下型加熱用赤外線ランプヒータ4bに対する加熱動力(電力)を急速に増大可能としている。
【0027】
前記温度調節器32、前記加熱出力調節器33は、加熱制御装置30により制御される切り替え器31によりいずれか一方が選択的に動作するようになっている。
【0028】
前記ガラス素材6は、予め研削・研磨・芯取りされた凸形状レンズで、搬送皿7に供給されている。
【0029】
搬送皿7は、搬送アーム8に載置可能で、搬送アーム8は図示せぬ駆動手段により搬送皿7、ガラス素材6を上型1aと下型1bの間に搬入、搬出可能となっている。
【0030】
本実施の形態1では、前記ガラス素材6はSK11(ガラス転移点;541℃)を用いた。また上型1a、下型1bは、WC(タングステンカーバイト)を用いた。
【0031】
(作用)
次に、図3、図4、図5をも参照して、本発明の実施の形態1の成形装置による光学素子の製造方法を説明する。
【0032】
図1、図2に示す上型1aと下型1bは、前記温度調節器32により、各々側面から加熱され、外周部が800℃、成形面1c、及び、成形面1dの外周部でガラス転移点付近の540℃、成形面1c、及び、成形面1dの中心付近で525℃の温度となるように加熱される。
【0033】
前記ガラス素材6は、搬送皿7に載置され、図示せぬ加熱装置でガラス軟化点付近の温度(ガラス軟化点+2度又は+3度)に加熱され、搬送アーム8により上型1aと下型1bの間に搬入される。
【0034】
この後、図2に示すように、図示せぬ駆動装置により、下型1bを上昇させ、ガラス素材6を押圧成形する。本実施の形態1では押圧時間を15秒とした。
【0035】
このとき成形面1c、及び、成形面1dが、ガラス素材6に接触すると同時に、切り替え器31により温度調節器32に代えて加熱出力調節器33を動作させ、上型加熱用赤外線ランプヒータ4a、及び、下型加熱用赤外線ランプヒータ4bの加熱出力(電力)を急激に一定時間だけ上昇させる。
【0036】
本実施の形態1では、成形前の各型の温度調整時の0.6KW程度の出力から、1.2KW程度に10秒間、加熱出力を上昇させた。
【0037】
尚、前記加熱出力の増加量、及び、増加時間は成形するガラス素材6の変形量によって種々に調整可能である。
【0038】
ここで、下型1bを代表例として説明すると、下型加熱用赤外線ランプヒータ4bの出力増加により、下型1bに温度分布が型内外に発生する。即ち、図4に示すように、外周部が高温部11、成形面中心付近が573℃の低温部10となる。尚、図4に示す下型1b内の成形面中心付近の弧状の各実線Lは10度刻みの温度分布を表し、外周部になるほどに実線Lの密度が濃くなり分布として表示不可となっている。
【0039】
この温度分布により、図5に示すように、成形面1dに送られる熱量13は、下型1bの外周部が大きく、中心部に向かうに従い小さくなる。前記上型1aの場合も下型1bと同様な温度分布になる。
【0040】
一方、押圧時にガラス素材6から下型1bに移動する熱量12は、型の外周部からの放熱によって外周部が大きく、中心部が小さくなっている。
【0041】
この後、冷却工程となるが、ここで、下型1bの成形面1dには、既述したようにさめやすい外周部に大きな熱量(成形面中心付近が573℃となるような熱量)が与えられており、上型1aの場合も同様であることから、ガラス素材6の冷却速度は、ガラス素材6全体としてほぼ均等になり、一部分(冷めやすい外周部)が先に固化することはない。
【0042】
本実施の形態1のガラス素材6の成形時及び冷却時における前記上型1a、下型1bからなる成形型の経時的な温度変化、ガラス素材6の経時的な温度変化を図6に示す。図6から理解できるように、上下型1a、1bによりガラス素材6が押圧されると、ガラス素材6が変形しかつガラス素材6の温度が上下型1a、1bにより低下するが、この変形時間内に各型の成形面の中心付近と外周部とに温度分布を付与するように急激に一定時間だけ温度上昇させたことにより、ガラス素材6はその中心部と外周部での冷却速度がほぼ均等になっており、この冷却速度はガラス素材6の変形初期の冷却速度に対して遅くなっている。
【0043】
前記ガラス素材6の温度がガラス転移点以下になった段階で上型1aに対して、下型1bを下降させて離型する。
【0044】
(効果)
本実施の形態1に示す成形装置を使用した成形方法によれば、 ガラス素材6の冷却時においては、ガラス素材6全体の既述した加熱処理により冷却速度が遅くなり、変形時間が長くなることより、ガラス素材6の変形量が大きい場合でも所望の成形が可能となる。また、ガラス素材6全体の冷却が均等に行われ、かつ、冷却速度が遅くなることによって、変形時間が長くなり、冷却部分の不揃いによるヒケや内部応力の残留を除去することが可能で、面精度のよい光学素子を成形することが可能となる。
【0045】
(実施の形態2)
(構成)
図7は本発明の実施の形態2の成形装置の構成を示す概略図である。
【0046】
本実施の形態2においては、実施の形態1に示した上型加熱用赤外線ランプヒータ4a、及び、下型加熱用赤外線ランプヒータ4bの代わりに、渦電流を利用する高周波加熱方式を採用したことが特徴である。即ち、図7に示すように、上型1aの外周には、高周波コイル14aが、下型1b外周には高周波コイル14bが各々取り付けられ、図示しない高周波加熱用電源に各々接続されている。この他の構成は実施の形態1の場合と同様なのでその詳細説明は省略する。
【0047】
(作用)
本実施の形態2に示す成形装置による成形方法は、実施の形態1の場合と同様に、図示せぬ加熱装置でガラス軟化点温度付近に加熱したガラス素材6を、高周波コイル14a、14bにてガラス転移点以下の温度に加熱した上型1a、及び、下型1bで押圧し、ガラス素材6と成形面1c、及び、成形面1dが接触した瞬間に、高周波加熱の出力を増加し、成形型1a、及び、成形型1bの側面に熱伝達効率良く大きな熱量を供給する。この他の作用は実施の形態1の場合と同様である。
【0048】
(効果)
本実施の形態2の成形方法によれば、高周波コイル14a、14bを採用し、これらの出力増加量とその増加時間、及び、高周波の周波数を変えることにより、ガラス素材6に対してより多様なパターンで効率良く熱伝達が可能となり、成形可能なガラス素材6の形状、範囲を拡大でき、多様な光学素子を得ることができる。
【0049】
(実施の形態3)
(構成)
図8は本発明の実施の形態3の成形装置の構成を示す概略図である。
【0050】
本実施の形態3においては、実施の形態2に示した成形型加熱用の高周波コイル14a、14bに代えて、上型加熱用高周波コイル16a、及び、下型加熱用高周波コイル16bを、各々上型15a、下型15bの内部に装着し、また、上型15a、下型15bの成形面15c、15dを各々凸形状としたことが特徴である。
【0051】
即ち、凸形状の成形面15cを有する上型15aには、その内部にコイル挿入穴23aが開けられ、中心部に通し穴22aを開けた台座24aに位置決め部材3aを用いて取り付けられている。
【0052】
また、凸形状の成形面15dを有する下型15bは、その内部にコイル挿入穴23bが開けられ、上型15aに対向して、中心部に通し穴22bを開けた台座24bに位置決め部材3bを用いて、上下に昇降可能に取り付けられている。
【0053】
前記上型加熱用高周波コイル16aは、通し穴22aを貫通してコイル挿入穴23a内に挿入されている。また、前記下型加熱用高周波コイル16bは通し穴22bを貫通してコイル挿入穴23bに挿入されている。
【0054】
上型加熱用高周波コイル16a、及び、下型加熱用高周波コイル16bは、図示せぬ高周波加熱用電源に接続され、上型15a、及び、下型15bを各々内部から高周波加熱するようにしている。この他の構成は実施の形態2の場合と同様なのでその詳細説明は省略する。
【0055】
(作用)
本実施の形態3の成形装置を用いた成形方法においては、成形面15c、及び、成形面15dが、ガラス素材17に接触すると同時に、高周波加熱用電源によって上型加熱用高周波コイル16a、及び、下型加熱用高周波コイル16bへの出力を急激に一定時間だけ上昇させる。
【0056】
この場合の出力増加量、及び、増加時間は成形するガラス素材17の変形量によって調整する。ここで、下型15bの場合、下型加熱用高周波コイル16bの出力増加により、図9に示すように、外側(外周部)が低温部18、内部(中心部側)が高温部19となる温度分布が発生する。
【0057】
この温度分布により、図10に示すように、ガラス素材17に対する下型15bの成形面15dに送られる熱量(矢印で示す)21は、中心部が大きく、外周部に向かうに従い小さくなる。上型15aの場合も同様になっている。
【0058】
一方、押圧時にガラス素材17から下型15bに移動する熱量(矢印で示す)20は、中心部が大きく、外周部が小さくなっている。
【0059】
ここで、下型15bの成形面15dには、中心部側に大きな熱量が与えられているので、ガラス素材17の冷却速度は、ガラス素材17全体としてほぼ均等になり、一部分が先に固化することはなくなる。
【0060】
さらに、ガラス素材17全体の冷却速度が遅くなり、変形時間が長くなることより、ガラス素材17の変形量が大きい場合でも成形が可能となる。一定時間経過後、前記上型加熱用高周波コイル16a、及び、下型加熱用高周波コイル16bの出力を成形面15c、15dの温度調節状態に戻した後、図示せぬ急冷装置により、上型15a、下型15b、及び、ガラス素材17を急冷し、ガラス素材17の温度がガラス転移点以下になったら、下型15bを下降させ離型する。
【0061】
(効果)
本実施の形態3に示す成形装置を使用した成形方法によれば、成形中の凹面をもつガラス素材17全体の冷却が均等に行われ、かつ、冷却速度が遅くなり、変形時間が長いことから、冷却部分の不揃いによるヒケや内部応力の残留を除去することができ、面精度のよい所望の光学素子を得ることが可能となる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、加熱手段を用いた成形型の加熱制御を適切に行い、成形された光学素子全体の冷却速度を均一にし、遅くすることにより、面精度の良好な光学素子を得ることが可能な成形装置を提供することができる。
【0063】
また、本発明によれば、成形中のガラス素材全体の冷却が均等に行われ、かつ、冷却速度が遅くなり、変形時間が長いことから、冷却部分の不揃いによるヒケや内部応力の残留を除去することができ、面精度のよい所望の光学素子を得ることが可能な成形方法を提供することかできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の成形装置を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の成形装置による成形工程時の概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の成形装置の加熱温度制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における下型の温度分布を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1における下型とガラス素材との熱伝達の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1における成形型、ガラス素材の温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態2の成形装置を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3の成形装置を示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3における下型の温度分布を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3における下型とガラス素材との熱伝達の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1a 上型
1b 下型
1c 成形面
1d 成形面
2a 台座
2b 台座
3a 位置決め部材
3b 位置決め部材
4a 上型加熱用赤外線ランプヒータ
4b 上型加熱用赤外線ランプヒータ
5a 上型ヒータハウジング
5b 下型ヒータハウジング
6 ガラス素材
7 搬送皿
8 搬送アーム
9 スペーサ
30 加熱制御装置
31 切り替え器
32 温度調節器
33 加熱出力調節器

Claims (4)

  1. 加熱軟化したガラス素材を搬送装置によりガラス素材より低い湿度に加熱した一対の成形型間に搬送し、この一対の成形型により前記ガラス素材を成形して光学素子を得る光学素子の成形装置において、
    前記一対の成形型を加熱する加熱手段と、
    前記成形型の各々の温度を設定温度に加熱調整する温度調節器と、
    前記成形型の各々を追加的かつ強制的に加熱する加熱出力調節器と、
    前記温度調節器又は前記加熱出力調節器を選択的に動作させる切り換え器と、
    前記温度調節器によって前記加熱手段に加熱動力を送り、前記一対の成形型の成形面を一定温度分布に制御するとともに、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記切り換え器により前記温度調節器に代えて前記加熱温度調節器を動作させて、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形面の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御する加熱温度制御手段と、
    を有することを特徴とする、光学素子の成形装置。
  2. 加熱軟化したガラス素材を、ガラス素材より低い温度に加熱した対向する一対の成形型の間に搬送し押圧成形することにより光学素子を得る光学素子の成形方法において、
    前記一対の成形型を加熱する加熱手段に加熱動力を送り、一対の成形型の成形面を一定温度分布に制御するとともに、前記成形面のうちの少なくとも一方が前記ガラス素材に接触してから前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることにより、前記ガラス素材の成形時における前記成形型の温度分布を、成形する光学素子の形状に基づく熱容量分布の大小を補完する温度分布となるように制御して光学素子を成形することを特徴とする、光学素子の成形方法。
  3. 加熱軟化したガラス素材を、型加熱ヒータによりガラス素材より低い温度に加熱した対向する一対の成形型の間に搬送し押圧成形することにより光学素子を得る光学素子の成形方法において、
    前記ガラス素材を均一な温度に加熱し前記成形型の成形面を同心円方向に温度分布をつけた状態に加熱する工程と、
    前記ガラス素材を前記成形型間に搬送する工程と、
    搬送された前記ガラス素材に前記成形型のうちの少なくとも一方を接触させてから、前記加熱手段に対する加熱動力を増加させることで、前記成形型によるガラス素材の成形時に、前記ガラス素材の冷えやすい部分に大きな熱量を、それ以外の部分にも一定量の熱量を供給することにより、前記ガラス素材全面の冷却速度が小さく均等になるように制御し、ガラス素材の温度がガラス転移点以下になるまで押圧保持する工程と、
    成形されたガラス素材を冷却し一対の成形型を離型する工程と、
    を含むことを特徴とする、光学素子の成形方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の光学素子の成形方法において、
    前記加熱手段に対する加熱動力を増加させるのは、前記成形面が前記ガラス素材に接触すると同時であることを特徴とする、光学素子の成形方法。
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