JP2001232655A - 樹脂成形品の成形方法及び成形用金型及び樹脂成形品 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び成形用金型及び樹脂成形品

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JP2001232655A
JP2001232655A JP2000047574A JP2000047574A JP2001232655A JP 2001232655 A JP2001232655 A JP 2001232655A JP 2000047574 A JP2000047574 A JP 2000047574A JP 2000047574 A JP2000047574 A JP 2000047574A JP 2001232655 A JP2001232655 A JP 2001232655A
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resin
molding
cavity
molded product
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JP2000047574A
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Hidenobu Kishi
秀信 岸
Toshihiro Kanematsu
金松俊宏
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャビティ内樹脂表面層の少なくとも一部を該
樹脂のガラス転移点以下からガラス転移点以上に加熱し
た後再びガラス転移点以下に冷却し、該加熱工程中また
は以降に圧縮力を加えて機能面を転写する成形方法及び
成形用金型について、金型のキャビティに挿入されるブ
ランクの重量または溶融樹脂量、製品成形条件のばらつ
きに対する許容範囲を広げつつ、転写精度を高精度に
し、かつ成形品の製造コストを低減できるように、樹脂
成形品の成形方法及び成形用金型を工夫すること。 【解決手段】一対の金型から形成されるキャビティ内に
存在する樹脂表面層の少なくとも一部を該樹脂のガラス
転移点以下からガラス転移点以上に加熱した後再びガラ
ス転移点以下に冷却し、該加熱工程中または以降に圧縮
力を加えて機能面を転写する成形方法を前提として、該
加熱工程終了以降で、該キャビティ内樹脂の少なくとも
一部がガラス転移点以上にある間、樹脂表面の少なくと
も一部を金型に非接触にしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラスチック光学素
子及びその成形方法と成形用金型に関するものであり、
精密プラスチック成形品に適用して有効なものであっ
て、高精度な成形品を低コストで製造することができる
ものである。
【0002】
【従来技術】光学素子などの高精度が要求される部品に
ついても生産性の面からプラスチック化が行われ、年々
高精度化している。鏡面等の機能面を有するこのような
精密部品については通常の射出成形では転写が十分に行
われないため、射出圧縮成形などが行われてきたが、さ
らに厚肉、偏肉、長尺等の複雑な形状のプラスチック精
密部品が求められるにつれて、単純な射出圧縮成形では
必要な精度が得られず、このため、射出圧縮成形にガラ
ス転移点以上に再加熱する工程を付加するもの(特公平
3−33494号公報)、あるいはブランクの一部また
は全体をガラス転移点以上に加熱した後にプレスする成
形方法などが開発されている(特公昭62−10177
号公報、特公平1−39337号公報、特開平8−12
7077号公報)。これによると、成形サイクルが長く
なるが、高精度な成形品を得ることができる。しかし、
上記の従来技術による成形方法には次のような問題が残
されている。 (a)高圧下で成形がなされるため成形品内部に応力が
残りやすく、複屈折現象を引き起したり、またこの残留
応力のために変形を生じることがある。 (b)プレス成形の場合、ブランクの重量や密度分布が
成形品形状精度に大きく影響するため、これらの許容幅
が小さく、歩留りが低下し、コストアップを招きやす
い。 (c)射出圧縮成形の場合も成形条件の許容幅が小さ
く、そのために歩留まりが低下し、コストアップを招き
やすい。 (d)特に長尺成形品では成形中に長手方向に不均一な
圧力分布が生じやすく、このため成形品全体について必
要な形状精度を確保することが難しい。他方、上記の内
部応力の問題については、内部応力をブランク段階で低
減しておく方法がある(特開平8−336833号公
報)。この従来技術は内部応力低減について一定の効果
を有するが、成形段階で生じる内部応力を改善すること
はできないから、内部応力を改善するための新たな工程
が増えることが避けられず、このためコストアップを招
くことになる。
【0003】また、内部圧力分布の不均一を低減し、高
精度な成形品を得るための成形方法として、最終成形品
の形状に近似する形状に成形されたプラスチック母材
(ブランク)を金型のキャビティに挿入し、型締めしつ
つその軟化温度以上に加熱し、樹脂の熱膨張により転写
面に樹脂圧力を発生させて転写面を該プラスチック母材
に転写する方法も開発されている(特許第279923
9号公報)。この技術によれば、長尺成形品などでも非
常に高精度なものが得られるが、次のような問題が残さ
れている。 (A)ブランク重量の許容範囲が非常に狭いため、ブラ
ンク成形における歩留まりが大きく低下し、コストアッ
プを招きやすい。 (B)かなり高温まで昇温する必要があるため成形サイ
クルが長い。そこで、ブランク重量の許容範囲を広げる
ために上記従来の成形方法において、転写面以外の部分
の一部を外部と連通させながら冷却を行う方法が開発さ
れている(特許第2821093号公報)。この従来技
術は、成形圧力を低圧のままで成形できる利点を有する
けれども、この成形方法自体が樹脂の熱膨張圧力を利用
するものであり、転写面以外の部分の一部が外部に連通
しているため、転写面全体を正確に転写する上で必要な
圧力を転写面に発生させるのが難しい。特に長尺成形品
についてこの問題が顕著であるので、これを長尺成形品
に適用するのは困難である。
【0004】
【解決しようとする課題】そこで、この発明は、キャビ
ティ内樹脂表面層の少なくとも一部を該樹脂のガラス転
移点以下からガラス転移点以上に加熱した後再びガラス
転移点以下に冷却し、該加熱工程中または以降に圧縮力
を加えて機能面を転写する成形方法及び成形用金型につ
いて、金型のキャビティに挿入されるブランクの重量ま
たは溶融樹脂量、製品成形条件のばらつきに対する許容
範囲を広げつつ、転写精度を高精度にし、かつ成形品の
製造コストを低減できるように、樹脂成形品の成形方法
及び成形用金型を工夫することを、その課題とするもの
である。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】上記課題解決のために
講じた手段は、一対の金型から形成されるキャビティ内
に存在する樹脂表面層の少なくとも一部を該樹脂のガラ
ス転移点以下からガラス転移点以上に加熱した後再びガ
ラス転移点以下に冷却し、該加熱工程中または以降に圧
縮力を加えて機能面を転写する成形方法を前提として、
(1)該加熱工程終了以降で、該キャビティ内樹脂の少
なくとも一部がガラス転移点以上にある間、樹脂表面の
少なくとも一部を金型に非接触にしたことである。
(2)また、上記非接触部を成形品の機能面以外の部分
としたことであり、(3)前記非接触部の面積を成形品
表面積全体の1%以上かつ70%以下にしたことであ
り、(4)上記樹脂をガラス転移点以上まで加熱するの
を成形品の機能面に対応する部分及びその近傍としたこ
とであり、(5)略最終成形品形状の樹脂ブランクを金
型キャビティ内に挿入し、該ブランクの少なくとも一部
をガラス転移点以上に加熱することである。(6)ま
た、溶融された樹脂を金型キャビティ内に充填し、樹脂
表面層を一度ガラス転移点以下に冷却した後に、樹脂表
面層の少なくとも一部を再びガラス転移点以上に加熱す
ることであり、(7)上記キャビティを形成する一対の
金型について、前記加熱工程終了時から離型時まで該金
型のPL面(パーティング面)間に0.5mm以上の隙
間を開けておくことであり、(8)上記加熱工程終了時
から離型時までの間に前記金型のPL面間の隙間を狭め
ることである。(9)成形用金型についての解決手段
は、上記の「キャビティを形成する一対の金型につい
て、前記加熱工程終了時から離型時まで該金型のPL面
(パーティング面)間に0.5mm以上の隙間を開けて
おく」成形方法を実施するための成形用金型について、
成形品非機能面に対応する部分の少なくとも一部におい
て、離型時の温度での膨張分を考慮してもブランクが金
型キャビティよりも小さく、両者の間に1mm以上の形
状差が存在するようにしたことであり、(10)さら
に、上記の成形方法のいずれかを実施するために使用す
る金型について、成形品非機能面に対応する金型キャビ
ティ壁面の少なくとも一部を金型PL面に向ってハの字
状に広がるテーパー面にしたことであり、(11)また
同金型について、成形品非機能面に対応する金型キャビ
ティ壁面の少なくとも一部に凹部を存在させたことであ
り、(12)さらに、同金型について、上型、下型の少
なくとも一方のPL面の少なくとも一部にキャビティに
つながる凹部を存在させたことであり、(13)また、
上記キャビティにつながる凹部の深さをキャビティ近傍
で他の部分よりも小さくしたことであり、(14)さら
に、同金型について、成形品非機能面に対応する金型キ
ャビティ壁面の少なくとも一部に外部に連通する孔ある
いはスリットを存在させたことである。(15)さら
に、成形方法についての他の解決手段は、成形品非機能
面に対応する金型キャビティ壁面の少なくとも一部に外
部に連通する孔あるいはスリットを存在させた」上記金
型を使用し、上記加熱工程終了時以前に前記孔またはス
リットから大気圧以上のエアーをキャビティ内に導入
し、キャビティ内樹脂表面に金型との非接触部を作り出
すことである。(16)さらに、成形用金型についての
他の解決手段は、上記(1)乃至(8)の成形方法にお
いて使用する一対の上型、下型による金型を、成形品非
機能面に対応する金型キャビティ壁面を構成する少なく
とも一部の金駒が成形中に移動可能にしたことであり、
(17)さらに、成形方法についての他の解決手段は、
上記(15)の成形用金型を使用し、前記加熱工程終了
時以前に前記金駒をキャビティ容積を増大させる方向で
移動させ、キャビティ内樹脂表面に金型との非接触部を
作り出すことである。
【0006】
【実施例】ついで、図面を参照しつつ幾つかの実施例に
ついて説明するが、これら実施例における成形対象は図
1に示す長尺光学素子Pであり、この長尺光学素子Pの
寸法は150mm×15mm×20mm(当該光学素子
の中央部の高さ)、長手方向両端部の高さは2.5mm
の、偏肉長尺形状のものである。また、この成形対象の
素材樹脂はポリカーボネート(ガラス転移点が140
℃)である。また、これら実施例の金型の基本構造は図
2に示すとおりであり、金型1の上型1aと下型1bが
パーティング面PLで分離可能であり、キャビティの転
写面を構成する可動の金駒2を有し、成形品の機能面f
1を転写する圧縮動作は金駒2を移動させるか、あるい
は金型自体を型締めするかによって行われる。
【0007】
【実施例1】この実施例1は請求項1〜請求項5、及び
請求項7〜請求項9に対応する成形方法に関するもので
ある。最終成形品の形状とほぼ近似したブランク3を射
出成形で予め作成しておいて、これを成形用金型のキャ
ビティに挿入し、キャビティ内の樹脂表面をガラス転移
点以上に加熱し、圧縮し、冷却して、該樹脂が熱変形温
度以下になった時点で離型して成形品を取り出す。上記
成形中の温度サイクルは図3に示すとおりである。ブラ
ンク3をキャビティに挿入して金型1を閉じ、その後、
金型1が160℃まで昇温され、型締めされ、金型1を
所定温度に保持する。この保温によって樹脂の軟化、樹
脂温度の均一化がなされる。その後緩やかに冷却され、
金型温度を130℃まで低下させて離型が行われる。上
記の昇温速度は15℃/分、冷却速度は2℃/分であ
る。また、金型加熱用のヒーターを機能面(f2)部近
傍に設けて、側面の非機能面部近傍よりも機能面部近傍
の方が先に昇温するようにしている。上記保温中に型締
めが行われ、この型締めにより、機能面に圧縮力を発生
させて面転写が行われる。また、金型1の上型1aと下
型1bのPL面間に隙間Sがあり(図4)、この隙間S
はブランク挿入、型締め後から保温過程中の圧縮動作
(型締め)までは3mm、圧縮動作以降は1mmであ
る。上記ブランク形状はPL面間の隙間Sからはみ出す
樹脂量を考慮し、また図5に示すように離型温度の膨張
を考慮して、その厚さdをキャビティの高さbよりも小
さくしてあり、この寸法関係を、d=b+2.5mmに
している。この実施例1では、非接触部(非転写面)の
樹脂がPL面間の隙間Sにおいて自由に膨張または収縮
できるため、上記従来の成形方法による場合に比べて低
圧成形が可能でかつ、特に成形品長手方向の密度分布が
均一になり、成形品の品質が高精度で安定する。具体的
には、成形品の内部応力が少なく、また、内部応力に起
因する複屈折が少ない(偏光板で複屈折干渉縞を観察し
て、上記従来の方法によるものに比して縞の密度が半減
していることを確認できた)。また、従来の加熱圧縮工
法あるいは特許第2799239号の成形方法によるも
のに比べて、ブランクの重量、密度のばらつきの成形品
の品質に与える影響が小さい。また、昇温速度・冷却速
度を同じにして実施例1と上記従来の成形方法とを比較
した結果、同じ重量のブランクで成形したときの成形品
の形状ばらつきが従来の成形方法によるものの60%以
下であり、また、所定の形状精度仕様を満たすブランク
重量の許容範囲は従来の成形方法による場合の3倍以上
である。したがって製品歩留まりが高い。さらに、70
℃、100hでの環境試験を行った後の同成形装置によ
る成形品形状変動量は上記従来の成形方法におけるそれ
の70%以下であった。さらに、低圧成形であるため実
質的なガラス転移点が下がり、加熱による昇温幅が小さ
くてすむから、成形サイクルが短縮される。因みに、特
許第2799239号の成形方法に比べて、同程度の内
部歪みの成形品を得るための昇温条件が5℃程度下げら
れる。なお、実施例1での成形品非接触部の面積は成形
品表面積全体の約2%であった。圧縮動作量及び最終的
な隙間Sを少なくして、これを1%以下にした場合には
密度分布のばらつきが緩和されず、品質の悪化が見られ
た。
【0008】
【実施例2】実施例2は請求項10、請求項11に対応
するものである。実施例2の成形方法は、基本的には実
施例1と同様の成形方法であり、また、その成形条件
(金型の昇温、冷却など)も同じであるが、異なる点
は、完全に型締めを行い、機能面を構成する金駒自体を
移動させることにより機能面に圧縮力を発生させて面転
写を行うものである。この実施例2におけるブランク2
3の形状を非機能面(側面)に最大深さ2mmの凹部2
4を設けた形状とし(図6)、機能面に対して垂直な方
向の厚さdは、実施例1と同様、d=b+2.5mmで
ある。この実施例2による場合は、実施例1と同様に成
形品の品質が高精度で、安定している。また、図6に示
すブランク形状の場合、成形中の圧力分布を最小化でき
るように非機能面部の凹形状パターンを適正化すること
が重要である。極端に凹部24を大きくすると面転写に
必要な圧力が発生せず、したがって、十分に面転写が行
われないから、凹部24の深さを必要最小限にすると良
い。なお、ブランク非機能面部の凹形状適正化はあらか
じめ成形したブランクの非機能面部を削ることで簡単に
様々なパターンのブランクを作製することが出来るの
で、容易に適正なブランク形状を求めることが出来、そ
の結果ブランク用の金型の改造は一回で済むという利点
がある。それから、実施例2での圧縮後の成形品非接触
部の面積は成形品表面積全体の約50%であった。ブラ
ンク非機能面部の凹形状を深くしてこの割合を70%以
上にした場合には面転写が不十分となり明らかに品質の
悪化が見られた。
【0009】
【実施例3】実施例3は請求項10、請求項12、請求
項13に対応するものであり、その成形方法における成
形条件は実施例2のそれと同様である。この実施例3に
おける樹脂ブランクの非機能面部は平らであり、金型3
1は移動可能な金駒32を有し、その上型31a、下型
31bの非機能面部が、PL面に近に向ってハの字状に
広がったテーパー部35(テーパ角度14度)になって
いる(図7)。この実施例3でも、上記の実施例1、実
施例2と同様の結果が得られる。また、図8に示すよう
に、上型31c,31dの非機能面中央部に凹部36
(深さ2mm)を設けた実施形態にしても同様の結果が
得られる。図7、図8に示すいずれかの金型を使用する
実施形態においても、成形中の圧力分布を最小化できる
ように非機能面部の凹部の形状あるいはテーパー部の形
状を適正化することが重要である。
【0010】
【実施例4】この実施例4は請求項14、請求項15に
対応するものであり、その成形方法、成形条件は、上記
実施例2、実施例3のそれと同様である。この実施例4
の成形用金型は図9(a),(b)に示す構造を有し、
移動可能な金駒42を有し、上型41a、下型41bの
パーティング面PLに沿って、比較的浅くてキャビティ
Cに繋がった凹部45(深さ2.5mm)が設けられて
いる。この実施例4でも、実施例1ないし実施例3と同
様の結果が得られる。なお、この実施例4によって成形
された成形品は実施例1乃至実施例3のそれに比べて非
機能面部の転写部分が多く、この非機能面部の転写部分
を利用することで、成形品を機器に組み付けるときの位
置決めのための基準面を容易に確保することができる。
また、非機能面部の転写部分が多いので、キャビティ内
圧の漏れが抑制され、したがって、機能面転写のための
圧縮力確保が容易である。また、図10に示すように、
上型41c、下型41dのPL面に設けた凹部46をそ
の深さがキャビティ近傍部分で一層浅くしたもの、すな
わち、凹部46をくびれた形状にした実施の形態も可能
であり、この実施形態によれば、機能面転写のための圧
縮力を確保する上でさらに有利であるとともに、PL面
の上記凹部にはみ出した樹脂の成形後の切除作業が簡単
になるという利点がある。
【0011】
【実施例5】この実施例5は、請求項6、請求項16、
請求項17に対応するものであり、溶融した樹脂を金型
キャビティに射出充填して成形品を成形するものであ
る。この実施例5では、溶融された樹脂を金型内に射出
し、温度を130℃の金型で所定時間冷却し、樹脂表面
近傍温度がガラス転移点以下になった後に、キャビティ
内樹脂を155℃まで再加熱し、所定時間保温し、圧縮
し、冷却して後成形品を取り出す。上記成形中の温度サ
イクルは図11に示すとおりであり、昇温速度は15℃
/分、再加熱後の冷却速度は2℃/分、離型温度は13
0℃である。樹脂のキャビティへの充填量を離型温度・
大気圧下に換算した場合にキャビティ体積よりも5%程
度少ない量とし、また、成形品の機能面を成形する金駒
自体を移動させることによって、面転写のための圧縮動
作を行う。また、この実施例5の金型は図12に示す構
造のもので、金型の非機能面部に外部と連通した小円形
状のスリット56(この例では外部と連通した孔にその
孔径よりも若干小径のピン55を挿入して形成されるス
リット)をキャビティの両側面に長手方向に5つ設け、
このスリット構造部を通して外部から、圧縮前の再加熱
中にエアーを導入する。これにより、非機能面部のスリ
ット近傍に樹脂と金型の間にクリアランス(空隙)がで
き、このクリアランスに面した樹脂部分が離型時まで金
型と非接触状態に維持される。この実施例5では、成形
時間は長くなるものの1の工程のみで、通常の射出成形
では得られない高精度で安定した品質の成形品が得られ
る。また、成形条件(射出圧力、射出速度等)が多少ば
らついても最終的な成形品精度への影響が極めて小さ
く、成形品の品質のばらつきはほとんどない。これは、
離型時まで金型と接触しない非接触部があるので、再加
熱までの射出成形工程での樹脂量及び樹脂密度分布に対
する許容範囲が広いことによるものと推量される。
【0012】
【実施例6】実施例6は請求項18、請求項19に対応
するものであり、成形方法、成形条件は上記実施例5の
それと同様である。この実施例6の金型は図13に示す
構造であり、金型の非機能面の一部をキャビティ容積を
広げる方向に移動可能な金駒62で構成し、この金駒6
2を樹脂圧縮前の再加熱中にキャビティ容積を広げる方
向に移動させる。これにより、非機能面の一部において
樹脂と金型の間にクリアランスができ、その部分の樹脂
が離型時まで金型と非接触状態に維持される。実施例6
により、実施例5のそれと同様の結果が得られ、また、
実施例5に比べて確実に意図した範囲に金型と樹脂の間
に非接触部を配置することができる。
【0013】
【成形品】以上述べた実施例1乃至実施例6によるそれ
ぞれの成形品は請求項20乃至請求項23に対応するも
のであり、図14、図15、図16に示す形状である。
この発明の成形方法により成形される成形品の非機能面
に、金型との非接触による非転写面が凸部100または
凹部101を有する状態で存在する。また、樹脂がキャ
ビティからはみ出して金型に設けた凹部に侵入した場合
には、非接触面を有する凸部102(図16(a)にお
ける「非機能面凸部」)が非転写面に存在するが、これ
らの凸部102を切除した最終成形品が図16に示され
ている。成形品に残る凸部、凹部が非機能面に集中し、
これによって機能面の高精度、品質の安定性が確保され
る。
【0014】
【実施例についてのむすび】この発明の実施の形態とし
ては、樹脂表面に金型との非接触部を設けて請求項1の
成形方法(上記解決手段に相当)が実現されればよいの
であるから、溶融樹脂填成形、ブランクを使用した加熱
圧縮成形のいずれについても、実施例1乃至実施例6に
限らず、これらを基本としながら種々に変更、変形した
ものが可能である。また、素材樹脂についてはポリカー
ボネートに限らず本成形方法が応用できるものならば、
成形品の特性に応じて種々の熱可塑性樹脂を使用するこ
とができる。さらに、成形品、その形状については、図
1に示す単純形状の長尺部材に限らず、比較的複雑な形
状のものについても、上記実施例で高精度、高品質のも
のを安定的に成形することができる。さらに、各請求項
の方法、金型、ブランク形状は、それぞれ単独でのみ実
施されるべきものではないから、これらを適宜組み合わ
せた実施形態とすることもできる。なお、成形品の素材
の種類、成形品の形状構造、転写面の配置の如何で、正
確な面転写に必要な圧力は大小様々であるが、面転写に
必要な圧力が不足する場合には、面圧縮速度を速くし、
または、非接触部面積を少なくし、あるいは、機能面近
傍のみ温度を高くすることができるので、これらを適宜
選択し、あるいはこれらを組み合わせて利用することに
よって、必要な面転写圧力を確保することができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の成形方法によれば、一対
の金型から形成されるキャビティ内に存在する樹脂表面
層の少なくとも一部を該樹脂のガラス転移点以下からガ
ラス転移点以上に加熱した後再びガラス転移点以下に冷
却し、該加熱工程中または以降に圧縮力を加えて機能面
を転写する際に、該加熱工程終了以降で、該キャビティ
内樹脂の少なくとも一部がガラス転移点以上にある間、
樹脂表面の少なくとも一部を金型に非接触にするので、
非接触部近傍の樹脂が自由に膨張または収縮でき、従来
の成形方法による場合に比べて低圧成形が可能で、特に
成形品長手方向の密度分布が均一になり、内部応力の少
ない高精度で品質の安定した成形品を成形することが出
来る。
【0016】請求項2記載の成形方法によれば、請求項
1記載の成形方法を実施する際、成形品の機能面以外の
部分を非接触とするので、機能面部を高精度に転写し、
品質の安定した成形品を成形することが出来る。
【0017】請求項3記載の成形方法によれば、請求項
1乃至2記載の成形方法を実施する際、非接触部の面積
を成形品表面積全体の1%以上かつ70%以下とするの
で、機能面部を高精度に転写し、かつ特に成形品長手方
向の密度分布を均一化して、内部応力の少ない品質の安
定した成形品を成形することが出来る。
【0018】請求項4記載の成形方法によれば、請求項
1乃至3記載の成形方法を実施する際、樹脂をガラス転
移点以上まで加熱するのを成形品の機能面に対応する部
分及びその近傍とするので、短い成形時間で機能面部を
高精度に転写し品質の安定した成形品を得ることが出来
る。
【0019】請求項5記載の成形方法によれば、略最終
成形品形状の樹脂ブランクを金型キャビティ内に挿入
し、該ブランクの少なくとも一部をガラス転移点以上に
加熱して、請求項1乃至4記載の成形方法を実施するの
で、溶融樹脂を充填する射出成形などでは樹脂が均一に
充填されにくい形状あるいは大型で冷却に時間がかかる
ような形状においても、高精度で安定した品質の成形品
を短い成形時間で得ることが出来る。
【0020】請求項6記載の成形方法によれば、溶融さ
れた樹脂を金型キャビティ内に充填し、樹脂表面層を一
度ガラス転移点以下に冷却した後に、樹脂表面層の少な
くとも一部を再びガラス転移点以上に加熱して請求項1
乃至請求項4の成形方法を実施するので、1工程のみで
済み、高精度で安定した品質の成形品を低コストで得る
ことが出来る。
【0021】請求項7記載の成形方法によれば、キャビ
ティを形成する一対の金型において、加熱工程終了時か
ら離型時まで該金型間に0.5mm以上の隙間を開けて
おくことで請求項1乃至請求項6の成形方法を実施する
ので、特別な装置を追加することなく簡単に内部応力の
少ない高精度で品質の安定した成形品を得ることが出来
る。
【0022】請求項8記載の成形方法によれば、加熱工
程終了時から離型時までの間に金型のPL面間の隙間を
狭めることにより、請求項7の成形方法を実施するの
で、より密度分布が均一化され、内部応力の少ない高精
度で品質の安定した成形品を得ることが出来る。
【0023】請求項9記載の樹脂ブランクによれば、成
形品機能面に垂直な方向の寸法が対応する金型キャビテ
ィ寸法よりも離型時の温度での膨張分を考慮しても大き
く、両者の間に0.5mm以上の形状差が存在するの
で、この樹脂ブランクを請求項5の成形方法において使
用することにより、機能面が転写するための圧縮力が得
やすく、内部応力の少ない高精度で品質の安定した成形
品を得ることが出来る。
【0024】請求項10記載の樹脂ブランク及び成形用
金型によれば、成形品非機能面に対応する部分の少なく
とも一部において、離型時の温度での膨張分を考慮して
もブランクが金型キャビティよりも小さく、両者の間に
1mm以上の形状差が存在するので、この樹脂ブランク
を請求項5の成形方法において使用することにより、非
接触部近傍の樹脂が自由に膨張または収縮して密度分布
及び内部応力の少ない高精度で品質の安定した成形品を
得ることが出来る。
【0025】請求項11記載の樹脂ブランクによれば、
請求項9乃至請求項10記載の特徴を有し、かつ成形品
非機能面に対応するブランク面の少なくとも一部が凹形
状であるので、この部分が金型に対して非接触となり、
密度分布が均一化された内部応力の少ない高精度で品質
の安定した成形品を得ることが出来る。また、あらかじ
め成形したブランクの非機能面部を削ることで簡単に様
々なパターンのブランクを作製することが出来るので、
容易に適正なブランク形状を求めることが出来、その結
果ブランク用の金型の改造は一回で済ませることが出来
る。
【0026】請求項12記載の成形用金型によれば、成
形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なくと
も一部が金型PL面に向ってハの字状に広がるテーパー
面になっているので、この金型を請求項1乃至請求項8
の成形方法において使用することにより、この部分が樹
脂と非接触となり、密度分布及び内部応力の少ない高精
度で品質の安定した成形品を得ることが出来る。また、
そのための金型の加工が容易に行うことが出来るので、
低コストな成形品を得ることが出来る。
【0027】請求項13記載の成形用金型によれば、成
形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なくと
も一部に凹部が存在するので、この金型を請求項1乃至
請求項8の成形方法において使用することにより、この
部分が樹脂と非接触となり、密度分布及び内部応力の少
ない高精度で品質の安定した成形品を得ることが出来
る。また、そのための金型の加工が容易に行うことが出
来るので、低コストな成形品を得ることが出来る。
【0028】請求項14記載の成形用金型によれば、上
型、下型の少なくとも一方のPL面の一部にキャビティ
につながる凹部が存在するので、これを用いて請求項1
乃至請求項8の成形方法を行うことにより、この部分が
樹脂に金型との非接触面を形成し、密度分布及び内部応
力の少ない高精度で品質の安定した成形品を得ることが
出来る。
【0029】請求項15記載の成形用金型によれば、請
求項14記載の特徴を有し、かつキャビティにつながる
凹部の深さがキャビティ近傍で他の部分よりも小さいの
で、機能面が転写するための圧縮力が得やすく、高精度
で品質の安定した成形品を得ることが出来る。また成形
品非機能面部の突起がくびれた形状となるため除去加工
が行いやすい。
【0030】請求項16記載の成形用金型によれば、成
形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なくと
も一部に外部に連通する孔あるいはスリットが存在する
ので、この部分からエアーをキャビティ内に導入するこ
とにより、キャビティ内樹脂に金型との非接触面を形成
することが出来、密度分布及び内部応力の少ない高精度
で品質の安定した成形品を得ることが出来る。
【0031】請求項17記載の成形方法によれば、請求
項16の成形用金型を使用し、加熱工程終了時以前に前
記孔またはスリットから大気圧以上のエアーをキャビテ
ィ内に導入し、キャビティ内樹脂表面に金型との非接触
部を作り出して、請求項1乃至請求項6の成形方法を実
施するので、密度分布及び内部応力の少ない高精度で品
質の安定した成形品を得ることが出来る。特に請求項6
記載の成形方法を実施する場合、金型の一部を凹部にす
る場合などに比べ、確実に樹脂と金型の非接触部を形成
することが出来る。
【0032】請求項18記載の成形用金型によれば、成
形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面を構成する
少なくとも一部の金駒が成形中に移動可能であるので、
この金駒を移動させることで、キャビティ内樹脂に金型
との非接触面を意図した範囲に確実に形成することが出
来、密度分布が均一化された内部応力の少ない高精度で
品質の安定した成形品を得ることが出来る。
【0033】請求項19記載の成形方法によれば、請求
項18の成形用金型を使用し、加熱工程終了時以前に前
記金駒をキャビティ容積を増大させる方向で移動させ、
キャビティ内樹脂表面に金型との非接触部を作り出すの
で、非接触部が意図した範囲に確実に形成されて密度分
布及び内部応力の少ない高精度で品質の安定した成形品
を得ることが出来る。特に請求項6記載の成形方法を実
施する場合、金型の一部を凹部にする場合などに比べ、
確実に樹脂と金型の非接触部を形成することが出来る。
【0034】請求項20記載の成形品によれば、請求項
1乃至請求項8又は請求項17又は請求項19の成形方
法により成形され、金型と非接触の非転写面を有するの
で、従来の成形方法による成形品に比べ密度分布及び内
部応力の少ない高精度で安定した品質の成形品であり、
これを利用することにより、より高機能あるいは低価格
なユニットや製品を作製することが出来る。
【0035】請求項21記載の成形品によれば、請求項
1乃至請求項5又は請求項7又は請求項8又は請求項1
7又は請求項19の成形方法により成形され、金型と非
接触の非転写面を有するので、従来の成形方法による成
形品に比べ密度分布及び内部応力の少ない高精度で安定
した品質の成形品であり、これを利用することにより、
より高機能あるいは低価格なユニットや製品を作製する
ことが出来る。また機能上不必要なゲート部が存在しな
いので成形品レイアウト上の自由度も高くなり、ブラン
ク段階では大きく存在したゲート部近傍の内部応力も解
消される。
【0036】請求項22記載の成形品によれば、請求項
20の成形品の特徴を有し、かつ非転写面が凸形状であ
るので、密度分布及び内部応力が少なく高精度な成形品
となっており、これを利用することにより、より高機能
あるいは低価格なユニットや製品を得ることが出来る。
【0037】請求項23記載の成形品によれば、請求項
20の成形品の特徴を有し、かつ非転写面が凹形状であ
るので、密度分布及び内部応力が少なく高精度な成形品
となっており、これを利用することにより、より高機能
あるいは低価格なユニットや製品を得ることが出来る。
【0038】請求項24記載の成形品によれば、請求項
1乃至請求項8又は請求項17又は請求項19の成形方
法により成形され、金型と非接触の非転写面を有する凸
部がカットされているので、従来の成形方法による成形
品に比べ密度分布及び内部応力の少ない高精度で安定し
た品質の成形品であり、これを利用することにより、よ
り高機能あるいは低価格なユニットや製品を作製するこ
とが出来る。また機能上不必要な凸部が存在しないので
成形品レイアウト上の自由度も高くなる。
【0039】請求項25記載の成形品によれば、材質が
非晶質熱可塑性樹脂であり、かつ請求項20乃至請求項
24記載の特徴を有するので、高精度な成形品が得ら
れ、これを利用することにより、より高機能あるいは低
価格なユニットや製品を得ることが出来る。
【0040】請求項26記載の成形品によれば、請求項
20乃至25記載の特徴を有し、少なくとも1つ以上の
鏡面を有する光学素子であるため、高精度な光学素子が
得られ、これを利用することにより、より高機能あるい
は低価格な光学ユニットあるいは光学製品を得ることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例における成形品の斜視図である。
【図2】は実施例1の金型の断面図である。
【図3】は実施例1の成形方法における成形中の温度サ
イクル図である。
【図4】は、実施例1の金型1のブランク挿入、型締め
後から保温過程中の圧縮動作までの状態を示す上記金型
の断面図である。
【図5】は、実施例1におけるキャビティとブランク形
状との関係を示す、キャビティ及びブランクの断面図で
ある。
【図6】は実施例2の成形方法で使用するブランクの断
面図である。
【図7】は、実施例3の金型とブランクとの断面であ
る。
【図8】は、実施例3における上型、下型の非機能面中
央部に設けた凹部の変形例の断面である。
【図9】(a)は実施例4の金型の下型の斜視図であ
り、(b)は同金型の断面図である。
【図10】は、上型、下型間のPL面に設けた凹部の形
状を断面形状を変更した実施例4の金型の変形例の断面
図である。
【図11】は実施例5の成形方法における成形中の温度
サイクル図である。
【図12】は実施例5の金型の断面図である。
【図13】は実施例6の金型の断面図である。
【図14】は上記実施例による成形品の断面図である。
【図15】は上記実施例による他の成形品の断面図であ
る。
【図16】(a)は上記実施例による他の成形品の成形
直後の状態の断面図であり、(b)は(a)の凸部を切
除した最終成形品の断面図である。
【符号の説明】
P:長尺光学素子 PL:パーティング面 S:パーティング面の設けた隙間 1:金型 1a:上型 1b:下型 2:金駒 3:ブランク 24:ブランクに設けた凹部 35:テーパー部 36,45,46:金型に設けた凹部 55:ピン 56:スリット 62:移動駒 100:成形品の非転写面に残された凸部 101:成形品の非転写面に残された凹部 102:成形品の非転写面に残されたバリ状凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/72 B29C 45/72 // B29K 101:12 B29K 101:12 B29L 11:00 B29L 11:00 Fターム(参考) 4F202 AF01 AG05 AH73 AR06 AR12 CA09 CA11 CB01 CK11 CK52 CL01 CN01 CN05 CS10 4F204 AF01 AG05 AH73 AR06 AR12 FA01 FB01 FG01 FN01 FN08 FN11 FN15 FQ01 FQ15 4F206 AF01 AG05 AH73 AR065 AR12 JA03 JE06 JL02 JM05 JN21 JN27 JQ81

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の金型から形成されるキャビティ内に
    存在する樹脂表面層の少なくとも一部を該樹脂のガラス
    転移点以下からガラス転移点以上に加熱した後再びガラ
    ス転移点以下に冷却し、該加熱工程中または以降に圧縮
    力を加えて機能面を転写する成形方法において、 該加熱工程終了以降で、該キャビティ内樹脂の少なくと
    も一部がガラス転移点以上にある間、樹脂表面の少なく
    とも一部を金型に非接触にすることを特徴とする樹脂成
    形品の成形方法。
  2. 【請求項2】前記非接触部は成形品の機能面以外の部分
    であることを特徴とする請求項1の成形方法。
  3. 【請求項3】前記非接触部の面積が成形品表面積全体の
    1%以上かつ70%以下であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2の成形方法。
  4. 【請求項4】前記樹脂をガラス転移点以上まで加熱する
    のは成形品の機能面に対応する部分及びその近傍である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の成形方法。
  5. 【請求項5】略最終成形品形状の樹脂ブランクを金型キ
    ャビティ内に挿入し、該ブランクの少なくとも一部をガ
    ラス転移点以上に加熱することを特徴とする請求項1乃
    至請求項4の成形方法。
  6. 【請求項6】溶融された樹脂を金型キャビティ内に充填
    し、樹脂表面層を一度ガラス転移点以下に冷却した後
    に、樹脂表面層の少なくとも一部を再びガラス転移点以
    上に加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    成形方法。
  7. 【請求項7】キャビティを形成する一対の金型におい
    て、前記加熱工程終了時から離型時まで該金型間に0.
    5mm以上の隙間を開けておくことを特徴とする請求項
    1乃至請求項6の成形方法。
  8. 【請求項8】前記加熱工程終了時から離型時までの間に
    前記金型のPL面間の隙間を狭めることを特徴とする請
    求項7の成形方法。
  9. 【請求項9】請求項5の成形方法において使用するブラ
    ンクであり、 成形品機能面に垂直な方向の寸法が対応する金型キャビ
    ティ寸法よりも離型時の温度での膨張分を考慮しても大
    きく、両者の間に0.5mm以上の形状差が存在するこ
    とを特徴とする樹脂ブランク。
  10. 【請求項10】請求項5の成形方法において使用する樹
    脂ブランクと成形用金型であり、成形品非機能面に対応
    する部分の少なくとも一部において、離型時の温度での
    膨張分を考慮してもブランクが金型キャビティよりも小
    さく、両者の間に1mm以上の形状差が存在することを
    特徴とする樹脂ブランクと成形用金型。
  11. 【請求項11】成形品非機能面に対応するブランク面の
    少なくとも一部が凹形状であることを特徴とする請求項
    9乃至請求項10記載の樹脂ブランク。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項8の成形方法におい
    て使用する金型であり、 成形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なく
    とも一部が金型PL面に向ってハの字状に広がるテーパ
    ー面になっていることを特徴とする成形用金型。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項8の成形方法におい
    て使用する金型であり、 成形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なく
    とも一部に凹部が存在することを特徴とする成形用金
    型。
  14. 【請求項14】請求項1乃至請求項8の成形方法におい
    て使用する一対の上型、下型による金型であり、 上型、下型の少なくとも一方のPL面の一部にキャビテ
    ィにつながる凹部が存在することを特徴とする成形用金
    型。
  15. 【請求項15】前記キャビティにつながる凹部は、その
    深さがキャビティ近傍で他の部分よりも小さいことを特
    徴とする請求項14の成形用金型。
  16. 【請求項16】請求項1乃至請求項8の成形方法におい
    て使用する一対の上型、下型による金型であり、 成形品非機能面に対応する金型キャビティ壁面の少なく
    とも一部に外部に連通する孔あるいはスリットが存在す
    ることを特徴とする成形用金型。
  17. 【請求項17】請求項16の成形用金型を使用し、前記
    加熱工程終了時以前に前記孔またはスリットから大気圧
    以上のエアーをキャビティ内に導入し、キャビティ内樹
    脂表面に金型との非接触部を作り出すことを特徴とする
    請求項1乃至請求項6の成形方法。
  18. 【請求項18】請求項1乃至請求項8の成形方法におい
    て使用する一対の上型、下型による金型であり、成形品
    非機能面に対応する金型キャビティ壁面を構成する少な
    くとも一部の金 駒が成形中に移動可能であることを特徴とする成形用金
    型。
  19. 【請求項19】請求項18の成形用金型を使用し、前記
    加熱工程終了時以前に前記金駒をキャビティ容積を増大
    させる方向で移動させ、キャビティ内樹脂表面に金型と
    の非接触部を作り出すことを特徴とする樹脂成形品の成
    形方法。
  20. 【請求項20】請求項1乃至請求項8、請求項17又は
    請求項19の成形方法により成形され、金型と非接触の
    非転写面を有することを特徴とする樹脂成形品。
  21. 【請求項21】請求項1乃至請求項5、請求項7、請求
    項8、請求項17又は請求項19の成形方法により成形
    され、金型と非接触の非転写面を有し、かつゲート部が
    存在しないことを特徴とする樹脂成形品。
  22. 【請求項22】前記非転写面が凸形状であることを特徴
    とする請求項20の樹脂成形品。
  23. 【請求項23】前記非転写面が凹形状であることを特徴
    とする請求項20の樹脂成形品。
  24. 【請求項24】請求項1乃至請求項8又は請求項17又
    は請求項19の成形方法により成形され、金型と非接触
    の非転写面を有する凸部がカットされた樹脂成形品。
  25. 【請求項25】材質が非晶質熱可塑性樹脂であることを
    特徴とする請求項20乃至請求項24の樹脂成形品。
  26. 【請求項26】少なくとも1つ以上の鏡面を有する光学
    素子であることを特徴とする請求項22乃至請求項25
    の樹脂成形品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005326697A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Ricoh Co Ltd 光学素子用プラスチック成形品およびその成形方法、光走査装置およびこれを搭載した画像形成装置
JP2011183581A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Fujifilm Corp 光学素子成形方法および光学素子成形装置
JP2012179783A (ja) * 2011-03-01 2012-09-20 Seiko Epson Corp 射出成形金型及び射出成形方法
JP2017019683A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 オリンパス株式会社 光学素子の製造方法及び製造装置

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