JP2005326697A - 光学素子用プラスチック成形品およびその成形方法、光走査装置およびこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一つ以上の転写面1と、この転写面1以外の面の一部に所定方法で形成した非転写面を有し、かつ前記転写面に配置された光軸中心を、外形中心に対して前記非転写面とは反対の方向にシフトした光学素子用プラスチック成形品。
【選択図】 図1
Description
近年、これらの光学素子は、製品のコストダウンの要求に伴って、ガラス製からプラスチック製へと変化し、また複数の機能を最小限の素子で賄うために、その鏡面形状も球面のみならず複雑な非球面形状に形成されるようになってきている。
また、レンズの場合には、そのレンズ厚を厚く、また長手方向にレンズ厚が一定でない偏肉形状に設計されている場合も多い。このようなプラスチック成形品は、特殊形状であっても、成形品形状に形成された金型のキャビティ内に樹脂母材を挿入または溶融樹脂を射出充填することにより、低コストに大量生産することができる。
しかしながら、このような従来のプラスチック成型にあっては、金型のキャビティ内の溶融樹脂材料を冷却固化させる工程において、キャビティ内での樹脂圧力、樹脂温度を均一にすることがプラスチック成形品を所望の形状に精度よく成形するのに望ましい。
しかし、例えばレンズが偏肉形状の場合には、レンズ厚みの違いにより樹脂の冷却速度が部位によって異なり体積収縮量に差が生じることにより、形状精度が悪化するとともに、レンズ厚の厚いところにひけが生じてしまう場合がある。
この問題を解決するために、溶融樹脂を金型キャビティ内に射出充填する射出成形法において、溶融樹脂の射出圧力を大きくして射出充填量を多くすると、プラスチック成形品のひずみが大きくなり、とくに、厚肉、偏肉形状の場合には薄肉部で内部ひずみが大きくなって光学性能などに悪影響を及ぼすことになる恐れがある。
つまり、内部ひずみを小さくするために射出圧力を低くして射出充填量を少なくすると、厚肉部などでひけを生じてしまう。一方、射出圧力を大きくして射出充填量を多くすると、薄肉部で内部ひずみが大きくなる。
転写面以外の面の一部に凹形状を形成する具体的な方法としては、特許文献2および特許文献3に提案されているように、前記凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺動自在に設けられ、転写面およびキャビティ駒によって少なくとも一つ以上のキャビティが画成された1対の金型を準備し、前記金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持する。
また、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を前記転写面に密着させた後、前記樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒を樹脂から離隔するように摺動して、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより凹部を形成する方法がある。
樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成するが、前記空隙(空気層)はキャビティ駒(金属)と比較して熱伝導率が小さいため、型内冷却工程において、空隙(空気層)に接している前記凹部を含む面の温度は、キャビティ駒(金属)に接しているその他の転写面およびキャビティ駒の温度より高くなる。
この型内冷却工程における面間温度偏差は型開き後の雰囲気内冷却工程における収縮率のアンバランスを生じさせる。つまりは、温度が高い前記凹部を含む面の収縮率がその他の転写面およびキャビティ駒の収縮率より大きくなる。
この前記凹部を含む面における収縮率の増加は、前記凹部を含む面に接して配置される転写面に対して局所的な形状精度の悪化という不具合を発生させる。
上記は近年の画像形成装置の高画質化の流れに伴い顕著化した不具合である。
一方、強制的に空隙を画成することにより形成された前記凹部の深さについては、その制御が困難で、仮に、光学的有効範囲に掛かってしまった場合、レンズ機能に支障を来たすこととなる。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、プラスチック光学素子の素子、とくに、高精度な光学鏡面を有する厚肉、偏肉形状のプラスチックレンズ等の光学素子用プラスチック成形品およびその成型方法、光走査装置およびこれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
また、請求項2に記載の発明は、転写面に配置された光軸中心を、外形中心に対して非転写面とは反対の方向にシフトする光学素子用プラスチック成形品を成形する光学素子用プラスチック成形品の成形方法において、前記非転写面を形成するために、前記非転写面を含む面を形成するキャビティ駒に少なくとも一つ以上の通気口と、この通気口に連通して前記光学素子用プラスチック成形品に圧縮気体を付与する少なくとも一つ以上の連通口を設け、この連通口には金型外部に設けた圧縮気体供給装置を連結し、転写面およびキャビティ駒によって少なくとも一つ以上のキャビティが画成された1対の金型を準備し、この金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて前記溶融樹脂を前記転写面に密着させた後、前記溶融樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記通気口からキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付与して、前記溶融樹脂と前記通気口が設けられたキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより、非転写面を形成する光学素子用プラスチック成形品の成形方法を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記非転写面を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺動自在に設けられ、前記溶融樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒を前記溶融樹脂から離隔するように摺動して、前記溶融樹脂と前記キャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより、非転写面を形成する請求項2記載の光学素子用プラスチック成形品の成形方法を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記非転写部を前記転写面の延長線面に形成する請求項1記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記非転写部の縁形状を前記転写面の平面または湾曲面形状に沿うように形成する請求項1記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記転写面を二つ以上有し、前記非転写部を前記転写面に挟まれた部位に形成する請求項6記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記非転写部の縁形状を前記転写面の平面または湾曲面形状に沿うように形成する請求項6ないし7のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記非転写面が前記転写面以外の同一平面に二つ以上形成する請求項1、請求項4ないし8のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、隣接する前記転写面と前記非転写面を有する平面との境界に段差を設けた請求項1、請求項4ないし9記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を成形する光学素子用プラスチック成形品の成形方法において、前記金型のキャビティ内の溶融樹脂に樹脂圧力を発生させて前記被転写面を転写した後に、前記キャビティ形状に対する局部的離形収縮を発生させて前記不完全転写部の凸形状部分を形成する請求項2ないし3のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品の成形方法を特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、透明樹脂材料で成形された請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、透明樹脂材料で成形され、かつfθレンズである請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を搭載した光走査装置を特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を有する光走査装置を搭載した画像形成装置を特徴とする。
本発明の特徴的な構成は、転写面1に配置された光軸中心を、外形中心に対して非転写面とは反対の方向にシフトしたことにある。成形品に圧縮気体を付与することで(成形時の不完全転写により)凹部を形成する方法について説明する。
連通口には金型外部に設けた圧縮気体供給装置(図示せず)を連結し、金型転写面5およびキャビティ駒6によって少なくとも一つ以上のキャビティが画成された1対の金型を準備し、この金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂7を射出充填する。
次いで、前記転写面5に樹脂圧力を発生させて溶融樹脂7を前記転写面5に密着させた後、前記溶融樹脂7を軟化温度以下に冷却するときに、前記通気口4からキャビティ内の溶融樹脂7に圧縮気体を付与する。そして溶融樹脂7と通気口4が設けられたキャビティ駒3の間に強制的に空隙8を画成することによって凹部2を形成している。
つまり、溶融樹脂7とキャビティ駒3の間に強制的に空隙8が画成されることで、空隙8に面した溶融樹脂部分の樹脂面が自由面となり、他の金型に接した面よりも動き易くなる。
この結果、冷却によって生じる収縮はこの部分の樹脂が動くことによって吸収され、空隙8に面した溶融樹脂部分が優先的にひけて、転写面5にひけが生じることを防止することができる。
また、これによって内部歪みも緩和することができる。ここで、通気口4を任意の形状に配置或いは配列することにより凹部2を形成する領域を制御することができる。
凹部2を形成する方法として、凹部2を含む面を形成するキャビティ駒3の一部9が摺動自在に設けられ、転写面10およびキャビティ駒11によって少なくとも一つ以上のキャビティが画成された1対の金型を準備し、この金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持する。
キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂12を射出充填し、次いで、転写面10に樹脂圧力を発生させて溶融樹脂12を転写面10に密着させる。
その後、溶融樹脂12を軟化温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒3を溶融樹脂12から離隔するように摺動して、溶融樹脂12とキャビティ駒3の間に強制的に空隙13を画成することにより、凹部2を形成している。
これは、特許文献3に開示されているように、低圧低充填で成形を行い、非転写面にひけを誘導し、内部歪みを低減しながら転写面の形状精度を確保する方法である。
また、本成形品は、射出成形法のほか、射出圧縮成形法、ガスアシスト成形法など様々なプラスチック成形法を用いて作製することができる。しかし、とくに厚肉、偏肉な成形品を効率よく生産できる点と、任意の位置にひけを形成しやすいという点から射出成形法が望ましい。
射出成形法では、樹脂充填直後に表層部は固化し、内部は溶融状態となっているため、溶融樹脂と金型キャビティ壁面の離隔によって不完全転写面、いわゆる「ひけ」を容易に形成することができる。また、内部歪みも緩和することができる。ここで、摺動するキャビティ駒3が任意の形状をしていることにより凹部2を形成する領域を制御することができる。
成形品に圧縮気体を付与し、かつ凹部2を含む面を形成するキャビティ駒3の一部を摺動させることで凹部2を形成する。前記二つの動作を連動させることで、低圧低充填で成形を行い、非転写面にひけを誘導し、内部歪みを低減しながら転写面10の形状精度を確保する効果をさらに高めている。
前記非転写部は、転写部以外の部位に形成することにより、転写面全体の形状精度を確保することができる。
この不完全転写部の縁形状は、転写面の平面または湾曲面形状に沿うように形成することにより、転写面1を構成するように延在する部分の溶融樹脂内圧や内部ひずみの発生を均一に防止することができる。転写面1を二つ以上有し、非転写部2を転写面1に挟まれた部位に、非転写部の縁形状を転写面1の平面または湾曲面形状に沿うように形成することもできる。
図5は本発明によるプラスチック成形品の第3の実施の形態を示す概略斜視図である。図5において、非転写部2の縁形状を転写面1の平面または湾曲面形状に沿うように形成することにより、大面積でその溶融樹脂内圧や内部ひずみの発生を防止でき、形状精度お 図6は本発明によるプラスチック成形品の第4の実施の形態を示す概略斜視図である。図6において、非転写面2を転写面1以外の同一平面に二つ以上形成することによっても、同様に、大面積でその樹脂内圧や内部ひずみの発生を均一に或いは局所的に防止でき、形状精度および光学的精度などをより向上させることができる。
隣接する転写面1と非転写面2を有する平面との境界に段差を設けることで、外観上の不具合を防ぐことができる。
成形品に使用される樹脂としては、透明性が要求される光学素子を成形する場合には、軟化温度がそのガラス転移温度である非晶性樹脂、例えば、ポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状ポリオレフィンコポリマー等を使用することができる。
また、光学素子以外の用途としては、軟化温度がその融解温度である結晶性樹脂を使用することも可能である。プラスチック光学素子を搭載することで高精度の光走査ユニットを、かつ光走査装置を搭載することで高精度の画像形成装置を得ることができる。
再び図3を参照して、成形方法は、凹部2を含む面を形成するキャビティ駒の一部9が摺動自在に設けられ、転写面10およびキャビティ駒11によってキャビティが画成される。
金型Bを樹脂の軟化温度未満であるT0℃に加熱保持し、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂12を射出充填し、次いで、転写面10に樹脂圧力を発生させて溶融樹脂12を転写面10に密着させた後、前記樹脂を軟化温度以下に冷却する。
そのとき、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒9を溶融樹脂12から離隔するように摺動して、溶融樹脂12とキャビティ駒9の間に強制的に空隙13を画成し、空隙13が画成されることで凹部2が形成される。
繰り返しになるが、転写面以外の面に凹部2を成形するこの成形方法の利点は、第1に、低圧低充填で成形を行い、非転写面にひけを誘導し、内部歪みを低減しながら転写面1の形状精度を確保することができる。
空隙13の画成による凹部形成のプロセスにおいて、空隙(空気層)13はキャビティ駒(金属)9と比較し熱伝導率が小さいため、型内冷却工程において、空隙(空気層)13に接している凹部2を含む面の温度は、キャビティ駒(金属)9に接しているその他の転写面10およびキャビティ駒11の温度より高くなる。
この型内冷却工程における面間温度偏差は、型開き後の雰囲気内冷却工程における収縮率のアンバランスを生じさせる。つまりは、温度の高い凹部2を含む面の収縮率が、その他の転写面10およびキャビティ駒11の収縮率より大きくなる。
この凹部2を含む面における収縮率の増加は、凹部2を含む面に接して配置される転写面に対して、局所的な形状精度の悪化という不具合を発生させる。一方、強制的に空隙13を画成することにより形成された凹部2の深さについては、その制御が困難で、仮に、光学的有効範囲に掛かってしまった場合、レンズ機能に支障を来たすこととなる。
そこで、転写面1に配置された光軸中心を外形中心に対して前記非転写面とは反対の方向にシフトさせる(請求項1)。これは、転写面1における局所的な形状精度の悪化、および凹部2の深さに関する外観上の不具合を発生する領域を避け、高精度に加工された転写面1のみを活用することを狙いとする。
厚さ(短手寸法)が7mmのfθレンズAにおいて、形状精度が悪化する領域が、凹部2を含む面から約1.0mmの範囲にあること、また、ひけという外観上の不具合が発生する領域が、凹部2を含む面から約0.5mmの範囲にあることはすでに確認されている。
光軸中心を外形中心に対して非転写面2とは反対の方向(図面左方向)に0.25mmシフトさせることで、光学素子の厚さを変更せずに、かつ凹部2を含む面から0.5mmの光学的有効範囲外を確保することが可能となり、つまりは、形状精度、および外観品質を確保したコンパクト、かつ高精度なプラスチック光学素子を得ることが可能となる。
図9は図7とは有効範囲の異なるfθレンズの母線シフト前を示す概略図である。図10は図9のfθレンズの母線シフト後を示す概略図である。図9および図10は有効範囲が7mm(±3.5mm)であり、有効範囲外の領域を持たないfθレンズに関する。
光軸中心を外形中心に対して非転写面2とは反対の方向(図面左方)に0.25mmシフトさせることで、光学素子の厚さを最小の増加巾(+0.5mm)に押え、かつ凹部2を含む面から0.5mmの有効範囲外を確保することが可能となり、つまりは、形状精度、および外観品質を確保したコンパクト、かつ高精度なプラスチック光学素子を得ることが可能となる。
プラスチック光学素子Aの厚み(短手寸法)は、成形品の冷却時間を決定する重要な因子であり、プラスチック光学素子の厚み(短手寸法)の減少に伴い、冷却時間(サイクルタイムを構成する最も重要な要因)は減少する。
つまりは、プラスチック光学素子のコンパクト化は、サイクル時間の低減というコストダウン効果をもたらす。また、同時にプラスチック光学素子のコンパクト化は、材料使用量の低減というコストダウン効果ももたらす。
この場合においても、プラスチック光学素子のコンパクト化は、積層する光学素子の上段下段の光軸間距離を短くすることを可能にし、それは、偏光器の厚み低減というコストダウン効果、および光学設計上の制約の緩和といった効果をもたらす。
なお、図2に関連して説明された成形方法においても、同様に発生する、局所的な形状精度の悪化、およびひけという外観上の不具合に対して、光軸位置の変更は前記と同様の効果をもたらす。
2 凹部
3 (通気口を有する)キャビティ駒
4 通気口
5 転写面
7 溶融樹脂
8 空隙
9 (摺動可能な)キャビティ駒
10 転写面
11 キャビティ駒
12 溶融樹脂
13 空隙
Claims (16)
- 一つ以上の転写面と、この転写面以外の面の一部に形成した非転写面と、を有した光学素子において、前記転写面に配置された光軸中心を、光学素子の外形中心に対して前記非転写面とは反対の方向にシフトしたことを特徴とする光学素子用プラスチック成形品。
- 転写面に配置された光軸中心を、外形中心に対して非転写面とは反対の方向にシフトする光学素子用プラスチック成形品を成形する光学素子用プラスチック成形品の成形方法において、前記非転写面を形成するために、前記非転写面を含む面を形成するキャビティ駒に少なくとも一つ以上の通気口と、この通気口に連通して前記光学素子用プラスチック成形品に圧縮気体を付与する少なくとも一つ以上の連通口を設け、この連通口には金型外部に設けた圧縮気体供給装置を連結し、転写面およびキャビティ駒によって少なくとも一つ以上のキャビティが画成された1対の金型を準備し、この金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて前記溶融樹脂を前記転写面に密着させた後、前記溶融樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記通気口からキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付与して、前記溶融樹脂と前記通気口が設けられたキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより、非転写面を形成することを特徴とする光学素子用プラスチック成形品の成形方法。
- 前記非転写面を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺動自在に設けられ、前記溶融樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒を前記溶融樹脂から離隔するように摺動して、前記溶融樹脂と前記キャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することにより、非転写面を形成することを特徴とする請求項2記載の光学素子用プラスチック成形品の成形方法。
- 前記非転写面を前記転写面以外の部位に形成することを特徴とする請求項1記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 前記非転写面を前記転写面の延長面上に形成することを特徴とする請求項1記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 前記非転写面の縁形状を前記転写面の平面または湾曲面形状に沿うように形成することを特徴とする請求項1記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 前記転写面を二つ以上有し、前記非転写面を前記転写面に挟まれた部位に形成することを特徴とする請求項6記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 前記非転写面の縁形状を前記転写面の平面または湾曲面形状に沿うように形成することを特徴とする請求項6ないし7のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 前記非転写面を前記転写面以外の同一平面に二つ以上形成することを特徴とする請求項1、請求項4ないし8のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 隣接する前記転写面と前記非転写面を有する平面との境界に段差を設けたことを特徴とする請求項1、請求項4ないし9記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を成形する光学素子用プラスチック成形品の成形方法において、前記金型のキャビティ内の溶融樹脂に樹脂圧力を発生させて前記被転写面を転写した後に、前記キャビティ形状に対する局部的離形収縮を発生させて前記不完全転写部の凹形状部分を形成することを特徴とする請求項2ないし3のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品の成形方法。
- 請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を成形する光学素子用プラスチック成形品の成形方法において、前記金型のキャビティ内の溶融樹脂に樹脂圧力を発生させて前記被転写面を転写した後に、前記キャビティ形状に対する局部的離形収縮を発生させて前記不完全転写部の凸形状部分を形成することを特徴とする請求項2ないし3のいずれか一項記載の光学素子用プラスチック成形品の成形方法。
- 透明樹脂材料で成形されたことを特徴とする請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 透明樹脂材料で成形され、かつfθレンズであることを特徴とする請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品。
- 請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を搭載したことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1、請求項4ないし10記載の光学素子用プラスチック成形品を有する光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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