JP2002086517A - プラスチック成形品の製造方法及び成形用金型 - Google Patents

プラスチック成形品の製造方法及び成形用金型

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JP2002086517A JP2000280729A JP2000280729A JP2002086517A JP 2002086517 A JP2002086517 A JP 2002086517A JP 2000280729 A JP2000280729 A JP 2000280729A JP 2000280729 A JP2000280729 A JP 2000280729A JP 2002086517 A JP2002086517 A JP 2002086517A
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JP2000280729A
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English (en)
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Kiyotaka Sawada
清孝 沢田
Yasuo Yamanaka
康生 山中
Jun Watabe
順 渡部
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な成形品を得ることができるプラスチ
ック成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 キャビティを画成する面に少なくとも1
つ以上の転写面を有した1対の金型1を用い、溶融樹脂
をその樹脂の軟化温度未満の温度に保持された前記金型
1に射出充填し、樹脂圧力を発生させることにより樹脂
と転写面を密着させた後、樹脂をその溶融温度からその
軟化温度未満にまで冷却する過程において、キャビティ
内でキャビティ駒2を含む金型1と樹脂面との間に空隙
を形成し、かつ空隙と接する樹脂面以外のうちで少なく
とも1つ以上の樹脂面の熱伝導を他の金型1に接してい
る樹脂面と比較して低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】高精度なプラスチック成形品
(特にレンズ、ミラー等の光学素子)の製造技術に関す
る。この技術は、ファクシミリ、レーザビームプリンタ
等の光走査系に用いられるプラスチックレンズに応用可
能である。
【0002】
【従来の技術】レーザ方式のデジタル複写機、プリンタ
ー、又はファクシミリ装置の光書き込みユニットには、
レーザービームの結像、及び各種補正機能を有する矩形
状のレンズ、或いはミラー等の光学素子が用いられてい
る。
【0003】近年これらの光学素子は、製品のコストダ
ウンの要求でガラスからプラスチック製へと変化し、ま
た複数の機能を最小限の素子で補うため、その転写面形
状も球面のみならず複雑な非球面形状を有するようにな
ってきている。また、レンズの場合には、そのレンズ形
状はレンズ厚が厚く、また長手方向でレンズ厚が一定で
はない偏肉形状である場合が多くなってきている。
【0004】また、その製造方法は製造コストが低く、
大量生産に適した射出成形法を用いることが一般的とな
っている。射出成形法で製造する際は、加熱溶融された
樹脂材料を金型内に射出充填し、冷却固化させる工程に
おいて、金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になること
が、所望の形状精度を確保するために望ましいことであ
る。
【0005】しかし、レンズ厚みが偏肉形状の場合、レ
ンズ厚みの偏差によって充填された樹脂の冷却速度が長
手方向の各部で異なり、体積収縮量に差が生じるため、
形状精度が悪化したり、レンズ厚みの厚いところではひ
けが発生してしまうという不具合があった。また、厚肉
の場合には、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いために
ひけが発生しやすく、ひけ発生を防止するために射出圧
力を大きくする(樹脂の充填量を多くする)と、内部歪
みが大きくなり、光学性能に悪影響を及ぼすことがあっ
た。
【0006】このような問題に対して、金型温度を樹脂
のガラス転移点温度(Tg点)以上に高くし、充填され
た樹脂の冷却速度が長手方向の各部でできるだけ一定に
なるようにTg点以下になるまで徐冷する方法をとるこ
とにより、不具合は解消される。しかし、冷却時間(成
形時間)が長くなるためコストアップとなってしまう大
きな欠点が生じている。
【0007】このような従来技術の欠点を鑑みて、厚
肉、或いは偏肉形状の場合であっても、射出成形法と同
程度の生産コストで、かつ高精度なプラスチック部品を
製造する方法として、特開平11−28745号公報
『プラスチック成形品の成形方法およびプラスチック成
形品の成形用金型』が提案された。この成形方法は、溶
融樹脂を金型内に射出充填した後、樹脂の軟化温度未満
まで冷却する間に、非転写面に設けてある摺動可能なキ
ャビティ駒を樹脂から離隔する方向に移動させ、キャビ
ティ駒と樹脂との間に強制的に空隙を形成させる成形方
法である。
【0008】空隙に接している部分では、金型壁面との
密着力が働かないことにより、樹脂が移動しやすくなり
この部分に優先的にひけ(凹形状又は凸形状又はその両
方の場合も有り)を発生させることができる。その結
果、転写面にひけが生じるのを防ぐことができ、高い形
状精度の成形品を得ることができる。また、低圧で成形
することにより内部歪みも非常に良好な成形品を得るこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この成形方法における
課題を、図13、図14を用いて説明する。転写面を有
した金型1のキャビティ内に、溶融樹脂を射出充填した
後、樹脂の軟化温度未満まで冷却する間に、非転写面の
摺動可能なキャビティ駒2を樹脂から離隔する方向に移
動させる。そして、樹脂が冷却されるとともに空気層に
接している部分には、ひけが優先的に発生する。その
後、金型1内でほぼ金型温度まで樹脂全体が均一になる
まで冷却された後、金型1から成形品を取出す。
【0010】この時、空隙は金型キャビティを構成して
いる金属材料と比較して、非常に熱の移動がしにくい。
そのため、樹脂が金型キャビティの壁面と接している部
分と空隙に接している部分とでは、樹脂冷却の進行に差
異が生じ、成形品内に非対称な温度分布が生じながら冷
却が進み、形状精度の低下が生じる。また、成形品が光
学レンズの場合には、金型壁面に接している部分では、
樹脂の冷却速度が大きくなるため、内部歪みの低下も生
じる。よって、より高精度な成形品を得るためには、成
形方法の改善が必要となってきている。
【0011】そこで、本発明は、溶融樹脂を金型内に射
出充填した後、樹脂の軟化温度未満まで冷却する間に、
非転写面とその面を画成する金型との間に空隙を形成さ
せるに際し、成形品内の不均一な温度分布による精度低
下を防ぎ、より高精度な成形品を得ることができるプラ
スチック成形品の製造方法および成形用金型を提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、キャビティを画成する面に
少なくとも1つ以上の転写面を有した1対の金型を用
い、溶融樹脂をその樹脂の軟化温度未満の温度に保持さ
れた前記金型に射出充填し、樹脂圧力を発生させること
により樹脂と転写面を密着させた後、樹脂をその溶融温
度からその軟化温度未満にまで冷却する過程において、
キャビティ内でキャビティ駒を含む金型と樹脂面との間
に空隙を形成し、かつ空隙と接する樹脂面以外のうちで
少なくとも1つ以上の樹脂面の熱伝導を他の金型に接し
ている樹脂面と比較して低下させることを特徴としたプ
ラスチック成形品の製造方法である。
【0013】また請求項2記載の発明は、空隙と接する
樹脂面と、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比較
して低下させる樹脂面とが対向していることを特徴とし
た請求項1記載のプラスチック成形品の製造方法であ
る。
【0014】また請求項3記載の発明は、キャビティ内
に空隙を形成するタイミングと、空隙と接する樹脂面以
外のうちで少なくとも1つ以上の樹脂面の熱伝導を他の
金型に接している樹脂面と比較して低下させるタイミン
グとが略一致することを特徴とした請求項1記載のプラ
スチック成形品の製造方法である。
【0015】また請求項4記載の発明は、空隙と接する
金型の全部または一部を樹脂から離隔するように摺動さ
せることにより、キャビティ内の金型と樹脂面との間に
空隙が形成されるようにしたことを特徴とした請求項1
記載のプラスチック成形品の製造方法である。
【0016】また請求項5記載の発明は、キャビティ内
の金型から圧縮気体を樹脂に送風することにより、キャ
ビティ内の金型と樹脂面との間に空隙が形成されるよう
にしたことを特徴とした請求項1記載のプラスチック成
形品の製造方法である。
【0017】また請求項6記載の発明は、熱伝導を他の
金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面を
画成する金型の全部または一部に、低熱伝導性材料から
なる断熱層を設けることにより、樹脂面の熱伝導を他の
金型に接している樹脂面と比較して低下させることを特
徴とした請求項1記載のプラスチック成形品の製造方法
である。
【0018】また請求項7記載の発明は、請求項1記載
の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用金
型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比
較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または一
部に、空気層を有していることを特徴としたプラスチッ
ク成形品の成形用金型である。
【0019】また請求項8記載の発明は、請求項1記載
の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用金
型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比
較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または一
部が、2つ以上の部材から構成され、その一部を移動さ
せることにより空気層を設けることにより、断熱層を設
けることを特徴としたプラスチック成形品の成形用金型
である。
【0020】また請求項9記載の発明は、請求項1記載
の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用金
型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比
較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または一
部に、温度調節用の液体層を有し、液体層の流量を低下
もしく流動を停止させることにより、断熱層を設けるこ
とを特徴としたプラスチック成形品の成形用金型であ
る。
【0021】また請求項10記載の発明は、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部に、温度調節用の液体層を有し、液体層の液体を排
出し空気層に置換することにより、断熱層を設けること
を特徴としたプラスチック成形品の成形用金型である。
【0022】また請求項11記載の発明は、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部に、低熱伝導性の固体材料を有していることを特徴
としたプラスチック成形品の成形用金型である。
【0023】また請求項12記載の発明は、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部に、セラミックス材料を有していることを特徴とし
たプラスチック成形品の成形用金型である。
【0024】また請求項13記載の発明は、請求項7〜
12記載の何れかの手段を組み合わせたことを特徴とし
たプラスチック成形品の成形用金型である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成、動作を実施
例に基づいて説明する。図1に実施例(1)を示す。成
形用金型1は、キャビティに少なくとも1つ以上の転写
面を有し、転写面以外の面で少なくとも1つ以上の面
が、摺動自在なキャビティ駒2により構成されている。
また、摺動自在なキャビティ駒2以外で構成する面の金
型部材には、空気層が設けてある。
【0026】溶融樹脂を金型1内に射出充填した後、樹
脂をその軟化温度未満にまで冷却する過程において、摺
動可能なキャビティ駒2を樹脂から離隔する方向に移動
させ空隙を形成させる。この際、摺動自在なキャビティ
駒2以外で構成する面の金型部材に空気層が設けてある
ことにより、その金型部材に対応する樹脂面の熱伝導を
低下させることができる。
【0027】図2に成形品内の温度解析値を示す。図2
から、空気層による金型1の熱伝導低下に伴い、樹脂面
の熱伝導も低下させることができ、成形品内の温度分布
が均一化されていることがわかる。空気層は断熱効果が
非常に大きいため、樹脂面の熱伝導を大きく低下させる
ことができ、成形品内の温度分布をより均一化するにに
適している。その結果、非常に高精度な成形品を得るこ
とができる。また、成形品が光学レンズの場合には、形
状精度とともに内部歪みの良好な成形品を得ることが可
能となる。
【0028】なお、本実施例では空隙を形成させる方法
として、金型1の全部または一部を、樹脂から離隔する
ように摺動させ空隙を形成させる方法を採用している。
この方法は、その面全体に確実にひけを誘導することが
できるメリットがある。しかし、空隙を形成させる方法
としては、図3の実施例(2)に示すように、金型1か
ら圧縮気体を樹脂に送風することによる方法も有効であ
る。この方法は、摺動機構を有しないため簡素な金型構
造でも空隙を形成させることができ、その面にひけを誘
導することができるメリットがある。
【0029】図4に実施例(3)を示す。熱伝導を低下
させる樹脂面を画成する金型1の全部または一部が、2
つ以上の部材から構成されている。樹脂をキャビティに
射出充填した後、空隙を形成させるとともに、空気層を
発生させることにより、樹脂面の熱伝導も低下させ成形
品内の温度分布を均一化することができる。この方法
は、空隙を形成させるタイミングと、樹脂面の熱伝導を
低下させるタイミングとを一致させることが可能とな
り、すべての成形過程において成形品内の温度分布を均
一化することができる。図5から、すべての成形過程に
おいて成形品内の温度分布を均一化できていることがわ
かる。その結果、更に高精度な成形品を得ることができ
る。
【0030】図6に実施例(4)を示す。空隙と接する
樹脂面と、熱伝導を他の金型1に接している樹脂面と比
較して低下させる樹脂面とを対向させる構成にしている
ものである。本実施例は、実施例(1)〜(3)と比較
すると成形内の樹脂温度分布は非対称になるため成形品
精度が若干低下する欠点はあるが、金型1に設ける断熱
手段を少なくした簡素な金型構造で行うことができるメ
リットがあるため、成形品の要求精度により本実施例に
用いることが有効となる。
【0031】図7に実施例(5)を示す。熱伝導を他の
金型1に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
を画成する金型1の全部または一部に、油、水等の温度
調節用の液体層を有している。樹脂をキャビティに射出
充填した後、空隙を形成させるとともに、液体層の流量
を低下もしく流動を停止させ熱交換機能を停止させるこ
とにより、金型1に低熱伝導性材料を配置したものと同
等の効果が得られる。
【0032】その結果、樹脂面の熱伝導も低下させ成形
品内の温度分布を均一化することができる。この方法
は、温度調整用液体層で、空隙を形成させるタイミング
と、樹脂面の熱伝導を低下させるタイミングとを一致さ
せることが可能となり、すべての成形過程において成形
品内の温度分布を均一化することができる。温度調整用
液体層で併用できるため、金型構造が簡素で無駄なく非
常に高精度な成形品を得ることができる。
【0033】図8に実施例(6)を示す。熱伝導を他の
金型1に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
を画成する金型1の全部または一部に、油、水等の温度
調節用の液体層を有している。樹脂をキャビティに射出
充填した後、空隙を形成させるとともに、液体層の液体
を排出し空気層に置換する。
【0034】その結果、樹脂面の熱伝導も低下させ成形
品内の温度分布を均一化することができる。この方法
は、空隙を形成させるタイミングと、樹脂面の熱伝導を
低下させるタイミングとを一致させることが可能とな
り、すべての成形過程において成形品内の温度分布を空
気層の断熱効果により、より均一化することができ、更
に高精度な成形品を得ることができる。
【0035】図9、10に実施例(7),(8)を示
す。熱伝導を他の金型1に接している樹脂面と比較して
低下させる樹脂面を画成する金型1の全部または一部
に、低熱伝導性の固体材料を有している。材料として
は、セラミックス材料(アルミナ、ジルコニア)は強度
に優れているため非常に好ましい。この方法は、空気
層、液体層と比較して、より簡素かつ成形時の樹脂圧力
に耐えるのに充分な強度を持った金型構造となり、高精
度な成形品を得ることができる。
【0036】また、図11、12に示す実施例(9),
(10)のように、成形品形状、対象物のみに関するも
のではなく、あらゆるプラスチック成形品に適用でき
る。
【0037】これらの実施例(1)〜(10)は単独に
用いるだけでなく、何れかの方法を組み合わせることに
よっても、より効率的に成形品内の樹脂温度を均一化す
ることが可能となり、高精度な成形品を得ることができ
る。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、溶融樹脂
を金型内に射出充填した後、その樹脂の軟化温度未満ま
で冷却する間に、キャビティ内でキャビティ駒を含む金
型と樹脂面との間に空隙を形成し、かつ空隙と接する樹
脂面以外のうちで少なくとも1つ以上の樹脂面の熱伝導
を他の金型に接している樹脂面と比較して低下させるこ
とにより、加熱手段を用いる必要なく成形品内の温度分
布を均一化することができ、非常に高精度な成形品を得
ることができる。
【0039】請求項2記載の発明によれば、空隙と接す
る樹脂面と、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比
較して低下させる樹脂面とが対向していることにより、
高精度な成形品を、金型に設ける断熱手段を少なくした
簡素な金型構造で得ることができる。
【0040】請求項3記載の発明によれば、キャビティ
内に空隙を形成するタイミングと、空隙と接する樹脂面
以外のうちで少なくとも1つ以上の樹脂面の熱伝導を他
の金型に接している樹脂面と比較して低下させるタイミ
ングとが略一致することにより、すべての成形過程にお
いて成形品内の温度分布を均一化することができ、非常
に高精度な成形品を得ることができる。
【0041】請求項4記載の発明によれば、空隙と接す
る金型の全部または一部を樹脂から離隔するように摺動
させることにより、キャビティ内の金型と樹脂面との間
に空隙が形成されるようにしたことにより、その面に確
実にひけを誘導することができる。
【0042】請求項5記載の発明によれば、キャビティ
内の金型から圧縮気体を樹脂に送風することにより、キ
ャビティ内の金型と樹脂面との間に空隙が形成されるよ
うにしたことにより、簡素な金型構造でも空隙を形成さ
せることができ、その面にひけを誘導することができ
る。
【0043】請求項6記載の発明によれば、熱伝導を他
の金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
を画成する金型の全部または一部に、低熱伝導性材料か
らなる断熱層を設けることにより、樹脂面の熱伝導を他
の金型に接している樹脂面と比較して低下させることに
より、樹脂面の熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させることができ、成形品内の温度分布を
均一化することができ高精度な成形品を得ることができ
る。
【0044】請求項7記載の発明によれば、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部に、空気層を有していることにより、樹脂面の熱伝
導を他の金型に接している樹脂面と比較して大きく低下
させることができ、成形品内の温度分布をより均一化す
ることができ高精度な成形品を得ることができる。
【0045】請求項8記載の発明によれば、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部が、2つ以上の部材から構成され、その一部を移動
させることにより空気層を設けることにより、転写面以
外の樹脂面を画成する金型と樹脂面との間に空隙を形成
させるタイミングと、空隙と接する樹脂面以外の樹脂面
の熱伝導を他の金型に接している樹脂面と比較して低下
させるタイミングを一致させることが可能となり、すべ
ての成形過程において成形品内の温度分布を均一化する
ことができ、非常に高精度な成形品を得ることができ
る。
【0046】請求項9記載の発明によれば、請求項1記
載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形用
金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
一部に、温度調節用の液体層を有し、液体層の流量を低
下もしく流動を停止させることにより、空隙と接する樹
脂面以外の樹脂面の熱伝導を他の金型に接している樹脂
面と比較して低下させるタイミングを一致させることが
可能となり、すべての成形過程において成形品内の温度
分布を均一化することができ、非常に高精度な成形品を
得ることができる。
【0047】請求項10記載の発明によれば、請求項1
記載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形
用金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面
と比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部また
は一部に、温度調節用の液体層を有し、液体層の液体を
排出し空気層に置換することにより、空隙と接する樹脂
面以外の樹脂面の熱伝導を他の金型に接している樹脂面
と比較して低下させるタイミングを一致させることが可
能となり、すべての成形過程において成形品内の温度分
布をより均一化することができ、非常に高精度な成形品
を得ることができる。
【0048】請求項11記載の発明によれば、請求項1
記載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形
用金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面
と比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部また
は一部に、低熱伝導性の固体材料を有していることによ
り、より簡素な金型構造で成形品内の温度分布を均一化
することができ、高精度な成形品を得ることができる。
【0049】請求項12記載の発明によれば、請求項1
記載の製造方法が実施されるプラスチック成形品の成形
用金型において、熱伝導を他の金型に接している樹脂面
と比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部また
は一部に、セラミックス材料を有していることにより、
より簡素かつ成形時の樹脂圧力に耐えるのに充分な強度
を持った金型構造となり、高精度な成形品を得ることが
できる。
【0050】請求項13の発明によれば、請求項7〜1
2記載の何れかの方法を組み合わせることにより、より
効率的に成形品内の樹脂温度を均一化することが可能な
成形用金型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図2】成形品内温度変化の説明図である。
【図3】第2の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図4】第3の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図5】成形品内温度変化を示す図である。
【図6】第4の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図7】第5の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図8】第6の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図9】第7の実施例によるプラスチック成形品の製造
方法の説明図である。
【図10】第8の実施例によるプラスチック成形品の製
造方法の説明図である。
【図11】第9の実施例によるプラスチック成形品の製
造方法の説明図である。
【図12】第10の実施例によるプラスチック成形品の
製造方法の説明図である。
【図13】従来のプラスチック成形方法の説明図であ
る。
【図14】従来のプラスチック成形方法の問題点を説明
する図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ駒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AH73 AJ06 AJ12 CA11 CB01 CK06 CK25 CK43 CK82 CN01 CN05 CN12 CN22 4F206 AH73 AJ06 AJ12 JA07 JC01 JM05 JN27 JN33 JQ81

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティを画成する面に少なくとも1
    つ以上の転写面を有した1対の金型を用い、溶融樹脂を
    その樹脂の軟化温度未満の温度に保持された前記金型に
    射出充填し、樹脂圧力を発生させることにより樹脂と転
    写面を密着させた後、樹脂をその溶融温度からその軟化
    温度未満にまで冷却する過程において、 キャビティ内でキャビティ駒を含む金型と樹脂面との間
    に空隙を形成し、かつ空隙と接する樹脂面以外のうちで
    少なくとも1つ以上の樹脂面の熱伝導を他の金型に接し
    ている樹脂面と比較して低下させることを特徴としたプ
    ラスチック成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 空隙と接する樹脂面と、熱伝導を他の金
    型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面とが
    対向していることを特徴とした請求項1記載のプラスチ
    ック成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャビティ内に空隙を形成するタイミン
    グと、空隙と接する樹脂面以外のうちで少なくとも1つ
    以上の樹脂面の熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
    比較して低下させるタイミングとが略一致することを特
    徴とした請求項1記載のプラスチック成形品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 空隙と接する金型の全部または一部を樹
    脂から離隔するように摺動させることにより、キャビテ
    ィ内の金型と樹脂面との間に空隙が形成されるようにし
    たことを特徴とした請求項1記載のプラスチック成形品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 キャビティ内の金型から圧縮気体を樹脂
    に送風することにより、キャビティ内の金型と樹脂面と
    の間に空隙が形成されるようにしたことを特徴とした請
    求項1記載のプラスチック成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
    比較して低下させる樹脂面を画成する金型の全部または
    一部に、低熱伝導性材料からなる断熱層を設けることに
    より、樹脂面の熱伝導を他の金型に接している樹脂面と
    比較して低下させることを特徴とした請求項1記載のプ
    ラスチック成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の製造方法が実施されるプ
    ラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他の
    金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面を
    画成する金型の全部または一部に、空気層を有している
    ことを特徴としたプラスチック成形品の成形用金型。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の製造方法が実施されるプ
    ラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他の
    金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面を
    画成する金型の全部または一部が、2つ以上の部材から
    構成され、その一部を移動させることにより空気層を設
    けることにより、断熱層を設けることを特徴としたプラ
    スチック成形品の成形用金型。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の製造方法が実施されるプ
    ラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他の
    金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面を
    画成する金型の全部または一部に、温度調節用の液体層
    を有し、液体層の流量を低下もしく流動を停止させるこ
    とにより、断熱層を設けることを特徴としたプラスチッ
    ク成形品の成形用金型。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の製造方法が実施される
    プラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他
    の金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
    を画成する金型の全部または一部に、温度調節用の液体
    層を有し、液体層の液体を排出し空気層に置換すること
    により、断熱層を設けることを特徴としたプラスチック
    成形品の成形用金型。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の製造方法が実施される
    プラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他
    の金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
    を画成する金型の全部または一部に、低熱伝導性の固体
    材料を有していることを特徴としたプラスチック成形品
    の成形用金型。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の製造方法が実施される
    プラスチック成形品の成形用金型において、熱伝導を他
    の金型に接している樹脂面と比較して低下させる樹脂面
    を画成する金型の全部または一部に、セラミックス材料
    を有していることを特徴としたプラスチック成形品の成
    形用金型。
  13. 【請求項13】 請求項7〜12記載の何れかの手段を
    組み合わせたことを特徴としたプラスチック成形品の成
    形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004114628A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Ricoh Co Ltd プラスチック成形品の成形方法および射出成形用金型
JP2007283752A (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Ricoh Co Ltd 樹脂成形品の製造方法および製造装置ならびに樹脂成形品
JP2008213266A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Ricoh Co Ltd プラスチック成形品の製造方法及び製造装置

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