JP2001058335A - プラスチックの成形方法および成形用金型 - Google Patents

プラスチックの成形方法および成形用金型

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JP2001058335A JP23454899A JP23454899A JP2001058335A JP 2001058335 A JP2001058335 A JP 2001058335A JP 23454899 A JP23454899 A JP 23454899A JP 23454899 A JP23454899 A JP 23454899A JP 2001058335 A JP2001058335 A JP 2001058335A
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sliding
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Toshiharu Hatakeyama
寿治 畠山
Kiyotaka Sawada
清孝 沢田
Hidenobu Kishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔させてこ
れらの間に所定の空隙を形成することによりプラスチッ
ク成形品を得る金型において、転写面にひけが生じるの
を防止する。 【解決手段】 摺動駒13および固定駒6,7a〜7d
によりキャビティ1を形成するとともに、固定駒7aの
キャビティ面を転写面2とする。摺動駒13を固定駒6
に挿入し、押圧装置4により摺動自在とする。固定駒6
の前端面の一部を固定駒7a,7cに当接させ、該前端
面の残りの部分と、摺動駒13の前端面全面とにより一
つのキャビティ面を形成する。射出充填工程では押圧装
置により摺動駒をキャビティ内樹脂圧に抗してキャビテ
ィ側に押圧することでその位置を固定する。樹脂が完全
に固化する前に押圧装置により摺動駒を摺動後退させて
所定の空隙を形成する。この金型では、押圧装置による
摺動駒の上記押圧固定時にその前端面がいずれの固定駒
にも当接していないため、上記空隙形成時に固定駒が動
くことがなくなるため、所期の目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの成
形方法および成形用金型に関し、特に、高精度な鏡面を
有するプラスチックレンズ、プラスチックミラー等の光
学素子の成形方法および成形用金型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ方式のデジタル複写機、プリン
タ、またはファクシミリ装置の光書き込みユニットに
は、レーザビームの結像および各種補正機能を有する矩
形状のレンズあるいはミラー等の光学素子が用いられて
いる。近年これらの光学素子は、製品のコストダウンの
要求で、ガラスからプラスチック製へと変化し、また複
数の機能を最小限の素子でまかなうため、その転写面形
状も球面のみならず、複雑な非球面形状を有するように
なってきている。
【0003】また、レンズの場合には、その形状はレン
ズ厚が厚く、また長手方向でレンズ厚が一定ではない偏
肉形状である場合が多くなってきている。また、その製
造方法としては製造コストが低く、大量生産に適した射
出成形法、あるいは金型内に配置された転写面を形成す
る入子を移動可能にし(可動入子)、金型内に充填され
た樹脂の冷却に伴う体積収縮に対して上記可動入子が前
進することで圧力を補って形状精度を確保する方法、い
わゆる射出圧縮成形法を用いることが一般的となってい
る。
【0004】こうした射出成形法、あるいは射出圧縮成
形法でレンズを製造する際には、加熱溶融された樹脂材
料を金型内に射出充填し、冷却固化させる工程におい
て、金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になることが、
所望の形状精度を確保するために望ましいことである。
【0005】しかし、レンズ厚みが偏肉形状の場合、レ
ンズ厚みの偏差によって、充填された樹脂の冷却速度が
長手方向の各部で異なり、体積収縮量に差が生じるた
め、形状精度が悪化したり、レンズ厚みの厚いところで
は「ひけ」が発生したりする不具合があった。また、厚
肉の場合には、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いため
ひけが発生しやすく、ひけ発生を防止するために射出圧
力を高くすると(樹脂の充填量を多くすると)、内部歪
みが大きくなり、光学性能に悪影響を及ぼすことがあっ
た。
【0006】また、射出圧縮成形法を用いて製造する場
合、前記射出成形法よりも射出圧力を低くして成形する
ことができるが、レンズ厚みに偏差があると、その長手
方向の各部で体積収縮量に差が生じ、このことにより可
動入子が樹脂の体積収縮に追従できず、均等な圧力をか
けることができないため、転写面の一部にひけが発生
し、形状精度が確保できないという問題があった。
【0007】こうした射出成形法、あるいは射出圧縮成
形法の欠点を改善した成形方法が、特開平11−287
45号公報に開示されている。図7はこの成形方法に用
いる金型100に係るもので、(a)は要部構造を示す
正面断面図であり、(b)は作用を説明する正面断面図
である。
【0008】上記成形方法においては、図7(a)に示
すように溶融樹脂を金型100に充填後、軟化温度未満
の温度まで冷却する途中で、図7(b)のようにキャビ
ティ駒(摺動駒)102をキャビティ内樹脂101aか
ら離隔させることによって、摺動駒102と樹脂の間に
空隙110を画成している。この成形方法では冷却で生
じる収縮を、空隙に面する部分の樹脂が動くことによっ
て吸収し、空隙に面した樹脂を優先的にひけさせること
で、転写面にひけが生じるのを防ぐことができる。
【0009】ところで、この成形方法においては、溶融
樹脂をキャビティ101内に充填するときに、充填時の
樹脂圧力に負けないような力〔図7(a)の太い矢印の
向き〕で上記離隔させるキャビティ駒102を押圧固定
する必要がある。そのとき、他のキャビティ駒103〜
106も、離隔させるキャビティ駒102を介して同様
の大きな力〔図7(a)の細い矢印の向き〕で押圧され
ている。
【0010】その結果、キャビティ駒102を樹脂から
離隔させるために上記押圧力を解除したとき〔図7
(b)の太い矢印の向き〕、今まで押さえ付けられてい
た、他の固定されているキャビティ駒103〜106も
同時に押圧から開放され〔図7(b)の細い矢印の向
き〕、動いてしまうといった不具合が生じる。キャビテ
ィ駒や、それを固定する他の金型部材の加工誤差や組付
け位置精度に少しでも誤差があれば、上記キャビティ駒
の動きを完全に抑制することはできない。
【0011】また、上記成形方法においては、樹脂が完
全に固化する前にキャビティ駒102を樹脂から離隔さ
せる(押圧力を解除する)必要があるため、離隔時に上
記キャビティ駒103〜106が僅かでも動いてしまう
と、これらのキャビティ駒103〜106のキャビティ
面から樹脂の部分的な剥離が生じ、そこからの樹脂の冷
却に伴う収縮によりひけが成長してしまう。つまり、望
まない場所にひけが生じるといった問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みなされたもので、その目的は、転写面にひけが生じ
るのを抑制し、転写精度の高いプラスチック部品を短い
成形サイクルで生産性良く製造することができる、プラ
スチックの成形方法および成形用金型を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のプラス
チックの成形方法(図1を参照)は、摺動自在に設けた
キャビティ駒(摺動駒)と固定配備したキャビティ駒
(固定駒)とにより、複数のキャビティ面からなるキャ
ビティを画成するとともに、これらキャビティ面の少な
くとも一つを転写面となし、キャビティ内に発生する樹
脂圧力によって前記転写面を樹脂に転写する射出成形用
金型を樹脂の軟化温度未満の温度に保持してキャビティ
に溶融樹脂を射出充填した後、溶融樹脂が軟化温度未満
まで冷却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から
離隔摺動させることにより、この摺動駒のキャビティ面
とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成するプラスチッ
クの成形方法において、前記射出充填工程では、摺動駒
がキャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記空隙形
成の向きに摺動しないように、この摺動駒に押圧力を付
与して固定するとともに、この押圧力が前記固定駒に及
ばないようにすることを特徴とするものである。
【0014】請求項2に記載の成形方法(図1を参照)
は、請求項1において射出充填工程を、前記摺動駒のキ
ャビティ面(摺動方向前端面)が固定駒に当接しない状
態で行うことを特徴とする。
【0015】請求項3に記載の成形方法(図1を参照)
は、請求項2の射出充填工程において、摺動駒のキャビ
ティ面をキャビティ内樹脂の側面の一部と接触させると
ともに、固定駒に当接させないことを特徴とする。
【0016】請求項4に記載の成形方法(図5、図6を
参照)は、請求項2において射出充填工程を、摺動駒の
前端面と固定駒との間に隙間を形成した状態で行うこと
を特徴とする。
【0017】請求項5に記載の成形方法(図5、図6を
参照)は、請求項4において前記隙間を50μm以下と
することを特徴とする。
【0018】請求項6に記載の成形方法(図5を参照)
は、請求項4または5において、摺動駒を金型外部に設
けた押圧装置によって摺動させるとともに、射出充填工
程における摺動駒の固定位置を前記押圧装置の作動を制
御する圧力制御機構のストローク量によって制御するこ
とを特徴とする。
【0019】請求項7に記載の成形用金型(図1を参
照)は、摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動駒)と固
定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、複数のキ
ャビティ面からなるキャビティを画成するとともに、こ
れらキャビティ面の少なくとも一つを転写面となし、キ
ャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記転写面を樹
脂に転写する金型を樹脂の軟化温度未満の温度に保持し
てキャビティに溶融樹脂を射出充填した後、溶融樹脂が
軟化温度未満まで冷却する間に、前記摺動駒をキャビテ
ィ内樹脂から離隔摺動させることにより、この摺動駒の
キャビティ面とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成す
るようにしたプラスチックの射出成形用金型において、
前記摺動駒に前記空隙形成の向きと逆向きの押圧力を付
与する押圧装置を設けるとともに、該押圧力付与時に摺
動駒が固定駒に当接しない構造としたことを特徴とす
る。
【0020】請求項8に記載の成形用金型(図1を参
照)は、請求項7において、互いに当接する複数の固定
駒の一つに摺動駒を摺動自在に挿入し、この固定駒の表
面の一部と、摺動駒の前端面全面とによりキャビティ面
を形成するようにしたことを特徴とする。
【0021】請求項9に記載の成形用金型(図5を参
照)は、請求項7または8において、摺動駒を金型外部
に設けた押圧装置によって摺動させるとともに、前記射
出充填工程における摺動駒の固定位置を、前記押圧装置
の作動を制御する圧力制御機構のストローク量によって
制御するようにしたことを特徴とする。
【0022】請求項10に記載の成形用金型(図6を参
照)は、請求項7または8において、摺動駒の摺動方向
前方部に、この摺動駒の前進摺動時に当接する当接部材
を設けるか、または当接部を形成し、前記当接により摺
動駒の前端面と固定駒との間に隙間を形成するようにし
たことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。 第1の実施の形態(請求項1,2,3,7,8に対応) 図1は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を
射出充填したときの状態を示すもので、(a)は正面断
面図、(b)はそのA−A線断面図(側面断面図)であ
る。図2はこの金型の作用を説明する正面断面図であ
る。
【0024】図1(a)において、この金型10を上型
11と、下型12と、これらの間に固定して設けたキャ
ビティ駒(固定駒)6および7a〜7dと、固定駒6に
摺動自在に挿入したキャビティ駒(可動入子すなわち摺
動駒)13と、この摺動駒13に所定の押圧力を付与す
る押圧装置4などにより構成する。キャビティ1を、上
記固定駒6および7a〜7dと、摺動駒13とにより画
成し、複数のキャビティ面(固定駒、摺動駒がキャビテ
ィ1に臨む面)のうち固定駒7aによるもの(固定駒7
aがキャビティ1に臨む面)を、成形品に鏡面を転写す
るための転写面2とし、その他のキャビティ面はすべて
非転写面とする。
【0025】図1(a)(b)に示すように、摺動駒1
3の前端面全面をキャビティ面とする(符号5は摺動駒
13による成形面)のに対し、固定駒6ではその前端面
の一部をキャビティ面とする。また、摺動駒13の前端
面が固定駒7a〜7dのいずれにも当接しないように構
成する。上記押圧装置4は、摺動駒13がキャビティ1
内に発生する樹脂圧力によって図1の左向きに摺動しな
いように、この摺動駒13に押圧力を付与して固定する
ためのもので、これには圧力制御機構を配備する。さら
に、この金型には通常の射出成形用金型と同様に図略の
スプルー、ランナ、ゲート、エジェクトピンなどを設け
る。
【0026】つぎに、上記成形用金型によるプラスチッ
クの射出成形法について説明する。金型を図1(a)
(b)の状態(ただし、キャビティ1内には樹脂が射出
充填されていない)に型締めする。ついで、金型全体を
樹脂の軟化温度未満の適宜温度に保持し、この状態でキ
ャビティ1内に溶融樹脂を射出充填し、キャビティ内で
発生する樹脂圧力によって成形品に転写面2を転写し、
冷却固化により成形品を得る。
【0027】この射出充填工程においては、キャビティ
1の形状・容積を一定に維持するが、そのために摺動駒
13がキャビティ内樹脂の圧力で押されて移動しないよ
うに位置を固定する必要がある。そこで、本実施の形態
では押圧装置4から摺動駒13に、前進摺動の向きの押
圧力を付与する。この押圧力の大きさは、上記圧力制御
機構によって、キャビティ1に樹脂を射出充填する際に
キャビティ内に発生する最大樹脂圧力以上の値に設定・
維持する。
【0028】キャビティ1内の樹脂1aの冷却が進み、
その圧力が所定値になった時点で、押圧装置4により摺
動駒13を、図2に示すように後退摺動させて(図2の
矢印の向き)、摺動駒13の前端面とキャビティ内樹脂
1aとの間に所定の空隙18を形成する。この空隙18
を形成した状態で、キャビティ内樹脂1aをその軟化温
度未満の適宜温度に冷却し、ついで型開きして成形品を
取り出す。
【0029】上記空隙18と対向する樹脂部分には、他
の部分の樹脂と違ってキャビティ1の成形面(上記キャ
ビティ面)との間の密着力が働かないため、樹脂の冷却
が進むにつれてこの空隙対向樹脂部分が、転写面2に接
触している樹脂部分や、固定駒7b〜7dに接触してい
る樹脂部分よりも優先的に収縮変形するので、この空隙
対向樹脂部分にひけ(凹形状もしくは凸形状、またはそ
の両方の場合がある)が発生し、その代わりに上記転写
面2などのキャビティ面と接触する樹脂部分におけるひ
けが抑制され、その結果、所望する転写面を忠実に転写
することができ、転写精度が非常に高い成形品を短い成
形サイクルで得ることが可能となる。
【0030】本実施の形態の金型では、図1(b)に示
すように摺動駒13を固定駒6に摺動自在に挿入するこ
とにより、摺動駒13の前端面を固定駒6によるキャビ
ティ面の一部とするとともに、図7に示す従来の金型と
違って摺動駒13の前端面が他の固定駒(鏡面部を有す
るものを含む)には当接しない構造にしてある。このた
め、この金型によれば、樹脂の射出充填工程において摺
動駒13の位置を固定するときに上記押圧装置4から摺
動駒13に付与される押圧力が固定駒7b〜7dに及ぶ
ことがない。その結果、樹脂が完全に固化する前に上記
のように摺動駒13を後退摺動(図2)させても、これ
らの固定駒が動くことがなくなり、したがって、これら
の固定駒から樹脂が剥離し、望ましくない部分にひけが
発生する不具合を防止することができる。
【0031】第2の実施の形態 図3は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を
射出充填したときの状態を示す側面断面図である。この
金型は、図1の金型を改変したものである。すなわち、
図1の金型において転写面2の面積が大きくなった場合
には、それに対応して、上記空隙対向樹脂部分のひけ誘
導用の面積(これは、図1において摺動駒13の前端
面、つまり摺動駒13のキャビティ面の面積に相当す
る。)を大きくする必要がある。そこで本実施の形態の
金型は、図3に示すように、摺動駒23のキャビティ面
をキャビティの側面形状と相似形状にするとともに、で
きるだけ大きくしたものである。
【0032】第3の実施の形態 図4は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を
射出充填したときの状態を示す側面断面図である。この
金型も、図1の金型を改変したもので、その改変の目的
は図3の金型と同様に、図1の金型において転写面2の
面積が大きくなった場合に対処できるように、摺動駒3
3の前方部に多数のピン33aを突設配列することで大
きなキャビティ面を確保したものである。この多数ピン
型の摺動駒33は、キャビティの側面形状が相当複雑な
ためこれに相似な摺動駒を挿入するのが難しい場合に有
効である。
【0033】第4の実施の形態(請求項4,5,6,
9,10に対応) 図5は成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明
する正面断面図である。この金型では、前端面の面積を
大きくした摺動駒43を上型11および下型12に対し
摺動自在(符号20は摺動面)とするとともに、上記前
端面の一部をキャビティ面としたものである。そして、
この金型における樹脂の射出充填工程では、図5に示す
ように、押圧装置4により摺動駒43を摺動させた後、
その位置を固定することで、摺動駒43の前端面と固定
駒7a,7cとの間に所定寸法の隙間19を形成する。
この状態を維持しながら、キャビティ1に溶融樹脂を射
出充填する。
【0034】キャビティ1内樹脂の冷却が進み、その圧
力が所定値になった時点で、押圧装置4により摺動駒4
3を後退摺動させて、摺動駒43の前端面とキャビティ
内樹脂との間に所定の空隙を形成する(図略)。この空
隙を形成した状態で、キャビティ内樹脂をその軟化温度
未満の適宜温度に冷却し、ついで型開きして成形品を取
り出す。
【0035】図5の金型では、摺動駒43の前端面が固
定駒7a,7cに当接しない構造であるため、摺動駒4
3の位置を固定するための押圧装置4からの押圧力が固
定駒7a〜7dには及ばないので、図1の金型と同様の
効果が得られる。また、図1の金型では摺動駒13の前
端面の全面がキャビティ面(の一部)となっているた
め、固定駒6に対する摺動駒13の摺動面がキャビティ
1に露出する(図2)のに対し、図5の金型においては
摺動駒43前端面の一部がキャビティ面となっているた
め、摺動駒43の摺動面20がキャビティ1に露出する
ことがない。その結果、摺動駒43の外形形状精度を高
くする必要がなくなるうえ、摺動部の「かじり」の問題
が生じることもなくなる。
【0036】図5に示す上記隙間19の大きさは50μ
m以下とすることが好ましく、これにより、樹脂射出充
填時に隙間19に「ばり」が発生するのを防止すること
ができる。また、隙間19の大きさを所望値に設定する
には、押圧装置4に設けられた上記圧力制御機構のスト
ローク量を調節すれば良く、特別な機構を必要とするこ
となく簡便に実行できる。
【0037】第5の実施の形態(請求項4,5,10に
対応) 図6は成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明
する正面断面図である。この金型は、図5の金型を改変
し、樹脂射出充填時の隙間19の大きさを所望値に設定
するための構造の簡素化を図ったものである。すなわ
ち、下型12における、摺動駒53の摺動方向前方部位
に、摺動駒53の摺動時にこれが当接する突起21を形
成し、前進摺動する摺動駒53を突起21に当接停止さ
せることで上記隙間19を形成するようにしてある。な
お、突起21の大きさ、あるいは摺動駒53の摺動方向
の大きさを調節することによって、隙間19の大きさを
変えることも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1の成形方法、請求項7の成形用金型 射出充填工程において摺動駒を固定するための押圧力が
固定駒に及ばないように構成したので、摺動駒をキャビ
ティ内樹脂から離隔させた時に固定駒が移動する不具合
がなくなる。またその結果、固定駒のキャビティ面から
樹脂が部分的に剥離することに起因するひけを防止する
ことができる。
【0039】(2)請求項2〜4の成形方法 射出充填工程においては摺動駒のキャビティ面が固定駒
に当接せず、このため摺動駒を固定するための押圧力が
固定駒に及ばなくなるように構成したので、請求項1,
7の発明による効果が得られる。
【0040】(3)請求項5の成形方法 射出充填工程を、摺動駒の前端面と固定駒との間に50
μm以下の隙間を形成した状態で行うようにしたので、
樹脂射出充填時に上記隙間に「ばり」が発生するのを防
止することができる。
【0041】(4)請求項6の成形方法、請求項9の成
形用金型 上記隙間の大きさを圧力制御機構のストローク量の調節
により設定するようにしたので、特別な機構を必要とす
ることなく簡便に、隙間の大きさを所望値に設定維持す
ることができる。
【0042】(5)請求項8,10の成形用金型 複雑な機構や構造を必要とすることなく請求項2に係る
成形方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る成形用金型の要部構造
と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示
すもので、(a)は正面断面図、(b)はそのA−A線
断面図(側面断面図)である。
【図2】図1の金型の作用を説明する正面断面図であ
る。
【図3】第2の実施の形態に係る成形用金型の要部構造
と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示
す側面断面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る成形用金型の要部構造
と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示
す側面断面図である。
【図5】第4の実施の形態に係る成形用金型の要部構造
と、この金型の作用を説明する正面断面図である。
【図6】第5の実施の形態に係る成形用金型の要部構造
と、この金型の作用を説明する正面断面図である。
【図7】従来の成形用金型に係るもので、(a)は要部
構造を示す正面断面図、(b)は作用を説明する正面断
面図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 1a キャビティ内樹脂 2 転写面 4 押圧装置 5 成形面 6 固定駒(キャビティ駒) 7a〜7d 固定駒(キャビティ駒) 10 金型 11 上型 12 下型 13 摺動駒(キャビティ駒) 14 押圧装置 18 空隙 19 隙間 20 摺動面 21 突起 23 摺動駒 33 摺動駒 33a ピン 43 摺動駒 53 摺動駒 100 金型 101 キャビティ 101a キャビティ内樹脂 102 摺動駒(キャビティ駒) 103〜106 固定駒(キャビティ駒) 110 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 清孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岸 秀信 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4F202 AH74 AH76 AM34 AM35 AR07 AR12 CA11 CB01 CK15 CK43 CK73

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動
    駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、
    複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとと
    もに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面と
    なし、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記転
    写面を樹脂に転写する射出成形用金型を樹脂の軟化温度
    未満の温度に保持してキャビティに溶融樹脂を射出充填
    した後、溶融樹脂が軟化温度未満まで冷却する間に、前
    記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺動させることに
    より、この摺動駒のキャビティ面とキャビティ内樹脂と
    の間に空隙を形成するプラスチックの成形方法におい
    て、前記射出充填工程では、摺動駒がキャビティ内に発
    生する樹脂圧力によって前記空隙形成の向きに摺動しな
    いように、この摺動駒に押圧力を付与して固定するとと
    もに、この押圧力が前記固定駒に及ばないようにするこ
    とを特徴とするプラスチックの成形方法。
  2. 【請求項2】 前記射出充填工程を、前記摺動駒のキャ
    ビティ面が固定駒に当接しない状態で行うことを特徴と
    する請求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記射出充填工程においては、摺動駒の
    キャビティ面をキャビティ内樹脂の側面の一部と接触さ
    せるとともに、固定駒に当接させないことを特徴とする
    請求項2に記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記射出充填工程を、摺動駒の前端面と
    固定駒との間に隙間を形成した状態で行うことを特徴と
    する請求項2に記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記隙間を50μm以下とすることを特
    徴とする請求項4に記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記摺動駒を金型外部に設けた押圧装置
    によって摺動させるとともに、前記射出充填工程におけ
    る摺動駒の固定位置を前記押圧装置の作動を制御する圧
    力制御機構のストローク量によって制御することを特徴
    とする請求項4または5に記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動
    駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、
    複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとと
    もに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面と
    なし、キャビティに溶融樹脂を射出充填した後これを冷
    却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺
    動させることにより、この摺動駒のキャビティ面とキャ
    ビティ内樹脂との間に空隙を形成するようにしたプラス
    チックの射出成形用金型において、前記摺動駒に前記空
    隙形成の向きと逆向きの押圧力を付与する押圧装置を設
    けるとともに、該押圧力付与時に摺動駒が固定駒に当接
    しない構造としたことを特徴とする成形用金型。
  8. 【請求項8】 互いに当接する複数の固定駒の一つに前
    記摺動駒を摺動自在に挿入し、この固定駒の表面の一部
    と、摺動駒の前端面全面とをキャビティ面としたことを
    特徴とする請求項7に記載の成形用金型。
  9. 【請求項9】 前記摺動駒を金型外部に設けた押圧装置
    によって摺動させるとともに、前記射出充填工程におけ
    る摺動駒の固定位置を、前記押圧装置の作動を制御する
    圧力制御機構のストローク量によって制御するようにし
    たことを特徴とする請求項7または8に記載の成形用金
    型。
  10. 【請求項10】 前記摺動駒の摺動方向前方部に、この
    摺動駒の前進摺動時に当接する当接部材を設けるか、ま
    たは当接部を形成し、前記当接により摺動駒の前端面と
    固定駒との間に隙間を形成するようにしたことを特徴と
    する請求項7または8に記載の成形用金型。
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