JP2002331590A - プラスティック成形品の製造方法 - Google Patents

プラスティック成形品の製造方法

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JP2002331590A JP2001140567A JP2001140567A JP2002331590A JP 2002331590 A JP2002331590 A JP 2002331590A JP 2001140567 A JP2001140567 A JP 2001140567A JP 2001140567 A JP2001140567 A JP 2001140567A JP 2002331590 A JP2002331590 A JP 2002331590A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合での不具合を解消して、配置精度の高
い、低コストなプラスティック成形品の製造方法を提供
する。 【解決手段】 1つ以上の転写面1と、該転写面以外の
面の一部に所定方法で形成した凹部2を有する成形品3
を層状に重ねて、接合により一体的に構成する。凹部2
は、成形品3に圧縮気体を付与する方法、又は成形品3
の前記凹部2を含む面を形成するキャビティ駒6の一部
を摺動させる方法等で形成するとよい。また、接合にあ
たっては、接着剤(光硬化型接着剤12とするよ尚よ
い)を用いる方法や、超音波接着等の方法等が適用され
る。更に、位置決め用の突起17又は凹凸18を用いる
ことで、より精確な接合が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスティック成
形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術において、複数のレーザ光線か
ら出射された各ビームを偏向手段及び結像手段を介して
それぞれ感光体上に導き、該感光体上にて画像情報に応
じて画像形成する多色画像形成装置の光走査装置が存在
する。
【0003】このような多色画像形成装置の光走査装置
に関し、近年、多色画像形成装置の高速化、高画質化に
対応するために、4つの感光体ドラムを出力紙の搬送方
向に配列させ、各感光体ドラムに対応したビームで同時
露光し、各々異なる色(イエロー、マゼンタ、シアン、
ブラック)の現像器で現像した画像を順次、転写し、重
ね合わせてカラー画像を形成するデジタル複写機やレー
ザプリンタが実用化されている。
【0004】このような画像出力機にて光走査する際、
複数の走査手段が用いられるが、その走査手段を配置す
るために大きなスペースが必要になり、装置全体が大型
化することから、特開平4−127115号公報に開示
されているように、複数のビームを単一の偏向器に入射
して走査し、結像レンズを積み重ねて配置する方法が提
案されている。
【0005】さらに、特開平10−148777号公報
では、特開平4−127115号公報の欠点を補うため
に、複数のビームを単一の偏向器に入射して走査し、各
々対応する感光体に結像させる結像手段を各ビーム毎に
設け、該結像手段を構成する結像素子を副走査方向に層
状に重ねて一体的に構成する方法が提案されている。
【0006】特開平10−148777号公報では、結
像素子を副走査方向に層状に重ねて一体的に構成するこ
とにより、偏光手段(ポリゴンミラー)を重ねる間隔が
短縮でき、あるいは1枚のポリゴンミラーで兼ねること
も可能となるため、ポリゴンミラーを回転させるための
モータの負荷を軽減でき、小型化も可能となるとしてい
る。
【0007】また、結像素子を副走査方向に層状に重ね
て一体的に構成する手段としては、各ビームに対応した
結像素子を接合(接着)により一体化する手段(以下、
第1の手段という)や層状に重ねた結像素子を樹脂によ
り一体成形で形成する手段(以下、第2の手段という)
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の手段のように、結像素子を接合により一体化する場
合、結像素子の接合面に高い平面度が要求されるため、
特に、結像素子間で平面度がばらつくと、接合後の結像
素子間の配置精度が安定しないという問題が生じる。ま
た、第1の手段では、接着剤塗布量のばらつきに対して
敏感になり、少ないと接着強度が低下し、多いと余分な
接着剤が接合部から外部に漏れ出たり、あるいは層状に
重ねる方向の厚みが変わり、配置精度が悪くなるといっ
た不具合も生じる。
【0009】そこで、結像素子の接合面に凸部または凹
部を設けて接合面積を制限する方法が考えられるが、結
像素子がレンズの場合、段差があるとそこを起点に内部
歪みが発生し、光学性能を悪化させてしまう。
【0010】また、第2の手段のように、結合素子を一
体成形で製造する場合、各結像素子の配置精度は金型精
度で決まるため高いものが得られるが、厚肉な成形品の
転写面を高精度に、かつ内部が均質になるように成形す
るためには、かなり高度な成形技術が必要となる。
【0011】これは、前記結像素子を射出成形法で製造
する場合、加熱溶融された樹脂材料を金型内に射出充填
し、冷却工程で金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一にな
ることが、所望の形状精度を確保するために望ましい。
しかし、厚肉形状の場合には、樹脂の冷却過程で体積収
縮が大きいためにひけが発生しやすい。このひけを防止
するために樹脂充填圧力を高くすると、内部歪みが大き
くなり、光学性能に悪影響を及ぼすといった不具合が生
じる。
【0012】また、厚肉になると成形時の冷却時間が長
くなり、厚みが2倍になれば冷却時間は2倍以上になる
ため、接合の方が一体成形より安価に製造できることに
なる。
【0013】従って、本発明は上記問題に鑑みなされた
もので、接合での不具合を解消して、配置精度の高い、
低コストなプラスティック成形品の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、1つ以上の転写面と、転写
面以外の面の一部に所定の方法で形成した凹部と、を有
するプラスティック成形品を層状に重ねて、接合により
一体的に構成することを特徴としている。
【0015】これにより、請求項1記載の発明では、接
合での不具合を解消して、配置精度の高い、低コストな
プラスティック成形品を製造することが可能となる。
【0016】さらに、請求項2記載の発明は、所定の方
法が、凹部を含む面を形成するキャビティ駒に少なくと
も1つ以上の通気口と、通気口に連通して成形品に圧縮
気体を付与する少なくとも1つ以上の連通口と、が設け
られ、転写面及びキャビティ駒によって少なくとも1つ
以上のキャビティが画成された一対の金型を、樹脂の軟
化温度未満に加熱保持する金型加熱保持工程と、キャビ
ティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填
する溶融樹脂充填工程と、転写面に樹脂圧力を発生させ
て樹脂を転写面に密着させる樹脂加圧工程と、樹脂を軟
化温度以下に冷却する際に、通気口からキャビティ内の
樹脂に圧縮気体を付与して、樹脂と通気口が設けられた
キャビティ駒との間に空隙を画成する空隙画成工程と、
を有することを特徴としている。
【0017】これにより、請求項2記載の発明では、低
歪みで、且つ転写面の形状精度を確保したプラスティッ
ク成形品を製造することが可能となる。
【0018】さらに、請求項3記載の発明は、所定の方
法が、凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺
動自在に設けられ、転写面及びキャビティ駒によって少
なくとも1つ以上のキャビティが画成された一対の金型
を、樹脂の軟化温度未満に加熱保持する金型加熱保持工
程と、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹
脂を射出充填する溶融樹脂充填工程と、転写面に樹脂圧
力を発生させて樹脂を該転写面に密着させる樹脂加圧工
程と、樹脂を軟化温度以下に冷却する際に、キャビティ
駒を樹脂から離隔するように摺動して、樹脂と前記キャ
ビティ駒との間に空隙を画成する空隙画成工程と、を有
することを特徴としている。
【0019】これにより、請求項3記載の発明では、低
歪みで、且つ転写面の形状精度を確保したプラスティッ
ク成形品を製造することが可能となる。
【0020】さらに、請求項4記載の発明は、層状に重
ねたプラスティック成形品の接合面のうち、どちらか一
方、又は、両方に、凹部を設けることを特徴としてい
る。
【0021】これにより、請求項4記載の発明では、例
えば、接着剤により接着をする場合、余分な接着剤が凹
部に流れ込み、接着剤が接着面の外部に漏れ出る不具合
を防止することが可能となる。更に、請求項4記載の発
明では、余分な接着剤により、層状に重ねる方向の厚み
が増加してしまい、配置精度が下がる等の不具合を防止
でき、配置精度の高いプラスティック成形品を得ること
が可能となる。
【0022】更に、請求項5記載の発明は、凹部を含む
面内の一部に形成された転写面の一部、又は、全部を、
接合面とすることを特徴としている。
【0023】これにより、請求項5記載の発明では、例
えば、接着剤により接着をする場合、余分な接着剤が凹
部に流れ込み、接着剤が接合面の外部に漏れ出る不具合
を防止することが可能となる。更に、請求項5記載の発
明では、余分な接着剤により、層状に重ねる方向の厚み
が増加してしまい、配置精度が下がる等の不具合を防止
でき、配置精度の高いプラスティック成形品を得ること
が可能となる。
【0024】更に、請求項6記載の発明は、凹部を、接
合面とすることを特徴としている。
【0025】これにより、請求項6記載の発明では、例
えば、接着剤により接合をする場合、接着剤が接合面の
外部に漏れ出る不具合を防止でき、配置精度の高いプラ
スティック成形品を得ることが可能となる。
【0026】更に、請求項7記載の発明は、接合面を、
接着剤により接合することを特徴としている。
【0027】これにより、請求項7記載の発明では、接
合面が接着剤により接合される場合において、余分な接
着剤が凹部に流れ込み、接着剤が接合面の外部に漏れ出
る不具合を防止することが可能となる。更に、請求項6
記載の発明では、余分な接着剤により、層状に重ねる方
向の厚みが増加してしまい、配置精度が下がる等の不具
合を防止でき、配置精度の高いプラスティック成形品を
得ることが可能となる。
【0028】更に、請求項8記載の発明は、接着剤が、
光硬化型接着剤であることを特徴としている。
【0029】これにより、請求項8記載の発明では、接
着剤の硬化のタイミングを制御でき、配置精度の高いプ
ラスティック成形品を得ることが可能となる。
【0030】更に、請求項9記載の発明は、接合面を、
超音波溶着により接合することを特徴としている。
【0031】これにより、請求項9記載の発明では、接
着剤等の溶剤を使用とすることなく、配置精度の高いプ
ラスティック成形品を、低コストで得ることが可能とな
る。
【0032】更に、請求項10記載の発明は、プラステ
ィック成形品において、接合面以外の面の一部に、接合
時の位置決め用の突起を設け、突起に基づいて、プラス
ティック成形品の位置を決定することを特徴としてい
る。
【0033】これにより、請求項10記載の発明では、
重ねるプラスティック成形品同士の位置決めが容易とな
り、配置精度の高いプラスティック成形品を得ることが
可能となる。
【0034】更に、請求項11記載の発明は、プラステ
ィック成形品において、接合面の一部に、接合時の位置
決め用の凹凸を設け、凹凸に基づいて、プラスティック
成形品の位置を決定することを特徴としている。
【0035】これにより、請求項11記載の発明では、
重ねるプラスティック成形品同士の位置決めが容易とな
り、また、プラスティック成形品のみで位置決めが可能
となるため、位置決め用の冶具を使用することなく、配
置精度の高いプラスティック成形品を低コストで得るこ
とが可能となる。
【0036】更に、請求項12記載の発明は、転写面の
うち少なくとも1面を、光学鏡面の光学素子として形成
することを特徴としている。
【0037】これにより、請求項12記載の発明では、
転写面のうち、少なくとも1面が光学素子である場合で
も、低歪みで、且つ高い形状精度と配置精度とが実現さ
れたプラスティック成形品を得ることが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】〔本発明の特徴〕以下に本発明の
特徴を先に述べる。
【0039】本発明は、1つ以上の転写面と、該転写面
以外の面の一部に所定方法で形成した凹部を有するプラ
スティック成形品を層状に重ねて、接合により一体的に
構成したことを特徴としている。
【0040】更に、本発明は、上記の凹部を形成する方
法として、該凹部を含む面を形成するキャビティ駒に少
なくとも1つ以上の通気口と、該通気口に連通して成形
品に圧縮気体を付与する少なくとも1つ以上の連通口を
設け、該連通口には金型外部に設けた圧縮気体供給装置
を連結し、転写面及びキャビティ駒によって少なくとも
1つ以上のキャビティが画成された一対の金型を準備
し、該金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キ
ャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出
充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹
脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以下に
冷却するときに、前記通気口からキャビティ内の樹脂に
圧縮気体を付与して、樹脂と前記通気口が設けられたキ
ャビティ駒の間に強制的に空隙を画成する工程を有して
いる。
【0041】また、上記の凹部を形成する方法として
は、該凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺
動自在に設けられ、転写面およびキャビティ駒によって
少なくとも1つ以上のキャビティが画成された一対の金
型を準備し、該金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持
し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融
樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発
生させて樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化
温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられた
キャビティ駒を樹脂から離隔するように摺動して、樹脂
とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成する工程とし
てもよい。
【0042】更に、上記において、接合面のうちどちら
か一方、もしくは両方が、前記凹部を含む面であること
を特徴としている。
【0043】更に、上記において、凹部を含む面内の一
部に形成された転写面を、接合面とすることを特徴とし
ている。
【0044】更に、上記において、凹部を、接合面とす
ることを特徴としている。
【0045】更に、上記において、接合面が、接着剤に
より接合されたことを特徴としている。
【0046】更に、上記において、接着剤が光硬化型接
着剤により接合されたことを特徴としている。
【0047】また、上記の接合面が、超音波溶着により
接合されたとしてもよい。
【0048】更に、接合面以外の面の一部に、接合時の
位置決め用の突起を設けたことを特徴としている。
【0049】又は、接合面の一部に、接合時の位置決め
用の凹凸を設けてもよい。
【0050】更に、上記において、転写面のうち少なく
とも1面が光学鏡面の光学素子であることを特徴として
いる。
【0051】このような特徴を有する本発明によるプラ
スティック成形品の製造方法を好適に実施した形態につ
いて、以下に図面を用いて詳細に説明する。
【0052】〔一実施形態〕まず、本発明の一実施形態
について、図面を用いて詳細に説明する。
【0053】ここで、本実施形態では、2層式のプラス
ティック成形品について説明するが、本発明はこれに限
定されず、種々変形されるものである。即ち、本発明の
主題は、1つ以上の転写面と、該転写面以外の面の一部
に所定方法で形成した凹部を有するプラスティック成形
品を層状に重ねて、接合により一体的に構成することに
ある。従って、層数を3層以上とした場合でも、その層
間ごとに接合をすることができるため優位性は失われな
い。また、同様に転写面形状に関しても、平面、凹面、
凸面、球面、非球面、自由曲面など面形状に依らず適用
可能である。
【0054】まず、図1を用いて、接合する前のプラス
ティック成形品の形状と形成方法について説明する。
【0055】上記の特徴に示すように、本発明は、1つ
以上の転写面1と、該転写面以外の面の一部に所定方法
で形成した凹部2を有するプラスティック成形品3を層
状に重ねて、接合により一体的に構成するものである。
【0056】(凹部を形成する方法) ・圧縮気体により凹部を形成する方法 ここで、成形品3に圧縮気体を付与することで(成形時
の不完全転写により)凹部2を形成する方法について、
以下に図2及び図3を用いて詳細に説明する。
【0057】本凹部を形成する方法では、図2及び図3
に示すように、凹部2を含む面を形成するキャビティ駒
6に少なくとも1つ以上の通気口5と、該通気口5に連
通して成形品3に圧縮気体を付与する少なくとも1つ以
上の連通口5’を設け、該連通口5’には金型4外部に
設けた圧縮気体供給装置(図示せず)を連結し、転写面
1およびキャビティ駒6によって少なくとも1つ以上の
キャビティ(成形品3の形成部)が画成された一対の金
型4を準備する。
【0058】そして、この金型4を樹脂の軟化温度未満
に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱
された溶融樹脂を射出充填する。次いで、前記転写面1
に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面1に密着させた
後、該樹脂を軟化温度以下に冷却する。このときに、前
記通気口5からキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付与し
て、樹脂と前記通気口5が設けられたキャビティ駒6と
の間に強制的に空隙を画成することにより、凹部2が形
成される。
【0059】つまり、樹脂とキャビティ駒6との間に強
制的に空隙が画成されることで、空隙に面した樹脂部分
の樹脂面が自由面となり、他の金型4に接した面よりも
動き易くなる。この結果、冷却によって生じる収縮はこ
の部分の樹脂が動くことによって吸収され、空隙に面し
た樹脂部分が優先的にひけて、転写面1にひけが生じる
ことを防止することができる。また、内部歪みも緩和す
ることができる。
【0060】ここで、前記通気口5を任意の形状に配
置、配列することにより凹部2を形成する領域を制御す
ることができ、上述の特徴にあるように、「凹部を含む
面内の一部に転写面を形成する」ことができる。
【0061】・摺動により凹部を形成する方法 次に、上記の方法とは異なり、成形品3の前記凹部2を
含む面を形成するキャビティ駒6の一部を摺動させるこ
とで(成形時の不完全転写により)凹部2を形成する方
法について、以下に図4及び図5を用いて詳細に説明す
る。
【0062】本凹部を形成する方法では、図4及び図5
に示すように、該凹部2を含む面を形成するキャビティ
駒6の一部が摺動自在に設けられ、転写面1及びキャビ
ティ駒6によって少なくとも1つ以上のキャビティが画
成された一対の金型4を準備する。
【0063】そして、この金型4を樹脂の軟化温度未満
に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱
された溶融樹脂を射出充填する。次いで、前記転写面1
に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面1に密着させた
後、該樹脂を軟化温度以下に冷却する。このときに、前
記摺動自在に設けられたキャビティ駒6(摺動する部材
8)を樹脂から離隔するように摺動して、樹脂とキャビ
ティ駒6との間に強制的に空隙7を画成することによ
り、凹部2が形成される。
【0064】これは、低圧低充填で成形を行い、非転写
面1にひけを誘導し、内部歪みを低減しながら転写面1
の形状精度を確保する方法である。
【0065】また、本成形品3は、射出成形法のほか、
射出圧縮成形法、ガスアシスト成形法など様々なプラス
ティック成形法を用いて作製することができるが、特に
厚肉、偏肉なプラスティック成形品を効率よく生産でき
る点と、任意の位置にひけを形成しやすいという点から
射出成形法が望ましい。
【0066】また、射出成形法では、樹脂充填直後に表
層部は固化し、内部は溶融状態となっているため、樹脂
と金型キヤビティ壁面の離隔によって不完全転写面、い
わゆる「ひけ」を容易に形成することができる。また、内
部歪みも緩和することができる。
【0067】ここで、摺動するキャビティ駒6(摺動す
る部材8)が任意の形状をしていることにより凹部2を
形成する領域を制御することができ、上記の特徴にある
ように、「凹部を含む面内の一部に転写面を形成する」こ
とができる。
【0068】(接合する方法) ・次に、上記のように形成した成形品3を接合する方法
について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
【0069】この方法で、問題となるのがどこを接合面
とするかである。
【0070】まず、接合面のうちどちらか一方、もしく
は両方が、凹部2を含む面である場合の方法を図6を用
いて説明する。
【0071】ここで、上述の特徴にある、凹部2を含む
面内の一部に形成された転写面1を接合面9とする方法
では、図7の(a)に示すように、図1の側面斜線部以
外を接合領域とすることになる。また、凹部2を接合面
9とする方法では、図7の(b)に示すように、図1の
側面斜線部を接合領域とすることになる。さらに、図7
の(c)に示すように、その両方を接合面9とする場合
もある。ここで、図7は図6を上から見た図を示してい
る。
【0072】・接着により接合する方法 以下に、上記のような場合に、各成形品3を接着により
接合する方法について説明する。ここで、接着剤の種類
としては、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレ
タン系接着剤、シリコーン系接着剤などが考えられる。
但し、接着剤を使用する場合には、プラスティック成形
品の使用環境に応じて、引っ張りせん断強度、線膨張係
数などに留意して、接着剤の種類を選別しなければなら
ない。
【0073】また、接着剤を塗布する領域(接着剤添付
領域)10としては、上述の特徴にある、凹部2を含む
面内の一部に形成された転写面1を接合面9とする場合
には、図8の(a)に示すような前記転写面1全面に塗
布をする方法、また、図8の(b)に示すような前記転
写面1の一部に塗布する方法、更に、図8の(c)に示
すような前記凹部2を囲むように塗布する方法などがあ
る。ここで、図8の(c)のように凹部2を囲むように
塗布することで、余分な接着剤が凹部2に流れ込んでし
まい、接着剤が接合面9の外部に漏れ出る不具合を防止
することが可能となる。更に、図8の(c)に示す方法
では、層状に重ねる方向の厚みが増加してしまい配置精
度が下がるなどの不具合を防止することも可能となる。
【0074】また、上述の特徴に示したように、接着剤
として光硬化型接着剤12を使用することで、接着剤の
硬化のタイミングを制御することができるため、正確な
位置決めをした後、光源11より光を照射し、光硬化型
接着剤12を硬化させることで、配置精度の高いプラス
ティック成形品を得ることができる。この方法を図9に
示す。但し、図9に示す場合では、当然、透明な材料で
成形品3を形成する必要がある。
【0075】・超音波溶着により接着する方法 また、上記の方法とは異なり、超音波溶着による接合に
ついて、以下に図10を用いて説明する。
【0076】この超音波溶着とは、超音波により接合部
表面の樹脂を溶解し、再び固化させることで樹脂の接合
をする方法である。超音波の発生と検出には、振動装置
13として、水晶振動子・電歪振動子・磁歪振動子など
を用いるとよい。また、振動装置13と成形品3との間
は工具ホーン14等により連結させることで、超音波を
効率的に成形品3に伝達することが可能となる。
【0077】この超音波溶着は、他の溶着に比べてバリ
の発生が少なく、また接着剤などの溶剤を使用すること
なく、溶着部15を接合でき、配置精度の高いプラステ
ィック成形品を得ることができる方法である。
【0078】(位置決め用の突起を有する場合)次に、
成形品3に位置決め用の突起17を設ける場合につい
て、以下に図11を用いて説明する。
【0079】・位置決め用の冶具を用いる場合 図11は、上記の特徴にもあるように、接合面以外の面
の一部に位置決め用の突起17を設ける場合の例を示す
図である。この場合は位置決め用の冶具16に基づい
て、接合し合う成形品3の位置決めをしている。
【0080】・成形品に凹凸を設ける場合 また、上記のように、接合し合う成形品3の位置を決め
るための冶具を用いず、2つ(3つ以上でもよい)の成
形品3を接合する場合を図12に示す。図12では、上
述の特徴にも記述したように、接合面の一部に位置決め
用の凹凸18が設けられている。
【0081】このように、互いに接合する成形品3の接
合面の一部に位置決め用の凹凸18を設けることで、成
形品3同士を位置決めすることができるため、位置決め
用の冶具16を必要としない。
【0082】ここで、突起、凹凸は位置決めをすること
が目的であるため、突起、凹凸の形状、大きさは任意に
設計することができる。また、突起を受ける冶具側の凹
部2に関しても、必要な位置決めができる範囲において
は、任意に設計することができる。
【0083】(樹脂)また、本実施形態において、成形
品3に使用される樹脂としては、透明性が要求される光
学素子を成形する場合には、軟化温度がそのガラス転移
温度である非晶性樹脂、例えば、ポリメタアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状
ポリオレフィンコポリマー(例、日本ゼオン(株) 商
品名:ゼオネックス)等を使用することができる。ま
た、光学素子以外の用途としてであれば、軟化温度がそ
の融解温度である結晶性樹脂を使用することも可能であ
る。
【0084】(レーザビームプリンタの2層式fθレン
ズを製造する場合)上記の内容を踏まえて、レーザビー
ムプリンタの2層式fθレンズを製造する方法の例を以
下に説明する。
【0085】・成形品の形成方法 まず、本例における、図1に図示した接合前の成形品3
の成形方法について説明する。
【0086】成形品3の配置精度を考慮すると、接合面
には余分な接着剤を逃がすことができる凹部2を有する
ことが望ましい。その点、図4に図示したように、凹部
2を含む面を形成するキャビティ駒6の一部を摺動させ
る射出成形法は、低圧低充填で成形を行え、非転写面に
ひけを誘導し凹部2を形成でき、内部歪みを低減しなが
ら転写面1の形状精度を確保することができる。
【0087】さらに、図5に図示したように、凹部2の
形状は摺動させるキャビティ駒6の形状によって任意に
設定することができる。
【0088】また、本例において、成形用の樹脂には、
透明性、低複屈折性、耐熱性、低吸水性、成形性などの
バランスを考慮してゼオネックスを使用した。
【0089】・接合する方法 次に、成形後のレンズ(成形品3)2枚をUV硬化型接
着剤により接着する方法について説明する。
【0090】本例において、2枚のレンズの配置として
は、図6の(a)に図示するように、接合面のうち両方
が凹部2を含む面であるように配置し、凹部2にUV硬
化型接着剤を塗布した。
【0091】また、位置決めには、図11に図示したよ
うな接合面以外の一部に位置決め用の突起17を設ける
ことで、配置のバラツキを防止することができた。
【0092】このように位置決めをした後、図9に図示
したように、UV硬化型接着剤塗布領域にUV照射する
ことで接着した。UV硬化型接着剤を使用することで、
接着剤の硬化のタイミングを制御することができるた
め、正確な位置決めをした後、UV照射し、良好な配置
精度の2層式fθレンズを得ることができた。
【0093】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
発明によれば、1つ以上の転写面と、転写面以外の面の
一部に所定の方法で形成した凹部と、を有するプラステ
ィック成形品を層状に重ねて、接合により一体的に構成
することを特徴とし、これにより、接合での不具合を解
消して、配置精度の高い、低コストなプラスティック成
形品を製造することが可能となる。
【0094】さらに、請求項2記載の発明によれば、所
定の方法が、凹部を含む面を形成するキャビティ駒に少
なくとも1つ以上の通気口と、通気口に連通して成形品
に圧縮気体を付与する少なくとも1つ以上の連通口と、
が設けられ、転写面及びキャビティ駒によって少なくと
も1つ以上のキャビティが画成された一対の金型を、樹
脂の軟化温度未満に加熱保持する金型加熱保持工程と、
キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射
出充填する溶融樹脂充填工程と、転写面に樹脂圧力を発
生させて樹脂を転写面に密着させる樹脂加圧工程と、樹
脂を軟化温度以下に冷却する際に、通気口からキャビテ
ィ内の樹脂に圧縮気体を付与して、樹脂と通気口が設け
られたキャビティ駒との間に空隙を画成する空隙画成工
程と、を有することを特徴とし、これにより、低歪み
で、且つ転写面の形状精度を確保したプラスティック成
形品を製造することが可能となる。
【0095】さらに、請求項3記載の発明によれば、所
定の方法が、凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一
部が摺動自在に設けられ、転写面及びキャビティ駒によ
って少なくとも1つ以上のキャビティが画成された一対
の金型を、樹脂の軟化温度未満に加熱保持する金型加熱
保持工程と、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された
溶融樹脂を射出充填する溶融樹脂充填工程と、転写面に
樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面に密着させる樹脂
加圧工程と、樹脂を軟化温度以下に冷却する際に、キャ
ビティ駒を樹脂から離隔するように摺動して、樹脂と前
記キャビティ駒との間に空隙を画成する空隙画成工程
と、を有することを特徴とし、これにより、低歪みで、
且つ転写面の形状精度を確保したプラスティック成形品
を製造することが可能となる。
【0096】さらに、請求項4記載の発明によれば、層
状に重ねたプラスティック成形品の接合面のうち、どち
らか一方、又は、両方に、凹部を設けることを特徴と
し、これにより、例えば、接着剤により接着をする場
合、余分な接着剤が凹部に流れ込み、接着剤が接着面の
外部に漏れ出る不具合を防止することが可能となる。更
に、請求項4記載の発明によれば、余分な接着剤によ
り、層状に重ねる方向の厚みが増加してしまい、配置精
度が下がる等の不具合を防止でき、配置精度の高いプラ
スティック成形品を得ることが可能となる。
【0097】更に、請求項5記載の発明によれば、凹部
を含む面内の一部に形成された転写面の一部、又は、全
部を、接合面とすることを特徴とし、これにより、例え
ば、接着剤により接着をする場合、余分な接着剤が凹部
に流れ込み、接着剤が接合面の外部に漏れ出る不具合を
防止することが可能となる。更に、請求項5記載の発明
によれば、余分な接着剤により、層状に重ねる方向の厚
みが増加してしまい、配置精度が下がる等の不具合を防
止でき、配置精度の高いプラスティック成形品を得るこ
とが可能となる。
【0098】更に、請求項6記載の発明によれば、凹部
を、接合面とすることを特徴とし、これにより、例え
ば、接着剤により接合をする場合、接着剤が接合面の外
部に漏れ出る不具合を防止でき、配置精度の高いプラス
ティック成形品を得ることが可能となる。
【0099】更に、請求項7記載の発明によれば、接合
面を、接着剤により接合することを特徴とし、これによ
り、接合面が接着剤により接合される場合において、余
分な接着剤が凹部に流れ込み、接着剤が接合面の外部に
漏れ出る不具合を防止することが可能となる。更に、請
求項6記載の発明によれば、余分な接着剤により、層状
に重ねる方向の厚みが増加してしまい、配置精度が下が
る等の不具合を防止でき、配置精度の高いプラスティッ
ク成形品を得ることが可能となる。
【0100】更に、請求項8記載の発明によれば、接着
剤が、光硬化型接着剤であることを特徴とし、これによ
り、接着剤の硬化のタイミングを制御でき、配置精度の
高いプラスティック成形品を得ることが可能となる。
【0101】更に、請求項9記載の発明によれば、接合
面を、超音波溶着により接合することを特徴とし、これ
により、接着剤等の溶剤を使用とすることなく、配置精
度の高いプラスティック成形品を、低コストで得ること
が可能となる。
【0102】更に、請求項10記載の発明によれば、プ
ラスティック成形品において、接合面以外の面の一部
に、接合時の位置決め用の突起を設け、突起に基づい
て、プラスティック成形品の位置を決定することを特徴
とし、これにより、重ねるプラスティック成形品同士の
位置決めが容易となり、配置精度の高いプラスティック
成形品を得ることが可能となる。
【0103】更に、請求項11記載の発明によれば、プ
ラスティック成形品において、接合面の一部に、接合時
の位置決め用の凹凸を設け、凹凸に基づいて、プラステ
ィック成形品の位置を決定することを特徴とし、これに
より、重ねるプラスティック成形品同士の位置決めが容
易となり、また、プラスティック成形品のみで位置決め
が可能となるため、位置決め用の冶具を使用することな
く、配置精度の高いプラスティック成形品を低コストで
得ることが可能となる。
【0104】更に、請求項12記載の発明によれば、転
写面のうち少なくとも1面を、光学鏡面の光学素子とし
て形成することを特徴とし、これにより、転写面のう
ち、少なくとも1面が光学素子である場合でも、低歪み
で、且つ高い形状精度と配置精度とが実現されたプラス
ティック成形品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態において層状に重ねる成形
品の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態において圧縮気体により凹
部を形成する方法を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態において圧縮気体により凹
部を形成する方法を説明するための図であり、(a)は
成形品に凹部を形成するための金型の側面図であり、
(b)は形成された成形品の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態において摺動により凹部を
形成する方法を説明するための図であり、(a)は摺動
する前段階の図であり、(b)は摺動により成形品とキ
ャビティ駒との間に空隙が形成された図である。
【図5】本発明の一実施形態において摺動により凹部を
形成する方法を説明するための図であり、(a)は成形
品に凹部を形成するための金型の側面図であり、(b)
は形成された成形品の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態において成形品を接合する
方法を説明するための図であり、(a)は接合面の一方
に凹部を設ける場合の例であり、(b)は接合面の両方
に凹部を設ける場合の例である。
【図7】本発明の一実施形態において成形品におけるい
ずれの面を接合面とするかを説明するための図であり、
(a)は凹部が含まれる転写面の凹部以外の面を接合面
とする場合の例であり、(b)は凹部を接合面とした場
合の例であり、(c)は凹部を含む転写面全体を接合面
とした場合の例である。
【図8】本発明の一実施形態において接着剤を添付する
領域を説明するための図であり、(a)は接合面の凹部
以外の領域全体に接着剤を添付する例であり、(b)は
接合面の凹部以外の領域の一部に接着剤を添付する例で
あり、(c)は接合面の凹部の周囲の領域に接着剤を添
付する例である。
【図9】本発明の一実施形態において接着剤に光硬化型
接着剤を使用した場合を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態において超音波溶着によ
り接合する場合を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態において冶具を用いて位
置決めを行う場合の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態において接合面に凹凸を
設けて位置決めを行う場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 転写面 2 凹部 3 成形品 4 金型 5 通気口 5’ 連通口 6 キャビティ駒 7 空隙 8 摺動する部材 9 接合面 10 接着剤添付領域 11 光源 12 光硬化型接着剤 13 振動装置 14 工具ホーン 15 溶着部 16 位置決め用の冶具 17 位置決め用の突起 18 位置決め用の凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 65/56 B29C 65/56 G02B 3/00 G02B 3/00 Z // B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 渡部 順 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 沢田 清孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4F202 AH73 CA11 CB01 CK18 CN01 CN05 CP05 4F206 JA07 JQ81 4F211 TC01 TD06 TD16 TN22 TN45

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ以上の転写面と、該転写面以外の面
    の一部に所定の方法で形成した凹部と、を有するプラス
    ティック成形品を層状に重ねて、接合により一体的に構
    成することを特徴とするプラスティック成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記所定の方法は、 前記凹部を含む面を形成するキャビティ駒に少なくとも
    1つ以上の通気口と、該通気口に連通して成形品に圧縮
    気体を付与する少なくとも1つ以上の連通口と、が設け
    られ、前記転写面及び前記キャビティ駒によって少なく
    とも1つ以上のキャビティが画成された一対の金型を、
    樹脂の軟化温度未満に加熱保持する金型加熱保持工程
    と、 前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂
    を射出充填する溶融樹脂充填工程と、 前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面に密
    着させる樹脂加圧工程と、 前記樹脂を軟化温度以下に冷却する際に、前記通気口か
    らキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付与して、樹脂と前
    記通気口が設けられたキャビティ駒との間に空隙を画成
    する空隙画成工程と、 を有することを特徴とする請求項1記載のプラスティッ
    ク成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の方法は、 前記凹部を含む面を形成するキャビティ駒の一部が摺動
    自在に設けられ、前記転写面及び前記キャビティ駒によ
    って少なくとも1つ以上のキャビティが画成された一対
    の金型を、樹脂の軟化温度未満に加熱保持する金型加熱
    保持工程と、 前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂
    を射出充填する溶融樹脂充填工程と、 前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面に密
    着させる樹脂加圧工程と、 前記樹脂を軟化温度以下に冷却する際に、前記キャビテ
    ィ駒を樹脂から離隔するように摺動して、前記樹脂と前
    記キャビティ駒との間に空隙を画成する空隙画成工程
    と、 を有することを特徴とする請求項1記載のプラスティッ
    ク成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記層状に重ねたプラスティック成形品
    の接合面のうち、どちらか一方、又は、両方に、前記凹
    部を設けることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    1項に記載のプラスティック成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凹部を含む面内の一部に形成された
    転写面の一部、又は、全部を、接合面とすることを特徴
    とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプラステ
    ィック成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凹部を、接合面とすることを特徴と
    する請求項1から5のいずれか1項に記載のプラスティ
    ック成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記接合面を、接着剤により接合するこ
    とを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の
    プラスティック成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記接着剤は、光硬化型接着剤であるこ
    とを特徴とする請求項7記載のプラスティック成形品の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記接合面を、超音波溶着により接合す
    ることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記
    載のプラスティック成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記プラスティック成形品において、
    接合面以外の面の一部に、接合時の位置決め用の突起を
    設け、該突起に基づいて、前記プラスティック成形品の
    位置を決定することを特徴とする請求項1から9のいず
    れか1項に記載のプラスティック成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記プラスティック成形品において、
    接合面の一部に、接合時の位置決め用の凹凸を設け、該
    凹凸に基づいて、前記プラスティック成形品の位置を決
    定することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項
    に記載のプラスティック成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記転写面のうち少なくとも1面を、
    光学鏡面の光学素子として形成することを特徴とする請
    求項1から11のいずれか1項に記載のプラスティック
    成形品の製造方法。
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