JP2002254466A - プラスチック成型品及びその成型方法 - Google Patents

プラスチック成型品及びその成型方法

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JP2002254466A
JP2002254466A JP2001053392A JP2001053392A JP2002254466A JP 2002254466 A JP2002254466 A JP 2002254466A JP 2001053392 A JP2001053392 A JP 2001053392A JP 2001053392 A JP2001053392 A JP 2001053392A JP 2002254466 A JP2002254466 A JP 2002254466A
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resin
transfer surface
plastic molded
molded product
transfer
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JP2001053392A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Harada
知広 原田
Yasuo Yamanaka
康生 山中
Jun Watabe
順 渡部
Kiyotaka Sawada
清孝 沢田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写面の形状精度が高精度な成型品を低コス
トで提供する。 【解決手段】 1つ以上の転写面2を有するプラスチッ
ク成型体3を層状に重ねて一体的に構成し、1つ以上の
転写面2以外の非転写面4に選択的にひけ5を誘導して
形成したプラスチック成型品1において、層状に重ねた
方向の肉厚A,Bが各層ごとに異なるようにした。これ
により、ひけ5が発生する領域を確保することができ、
したがって、厚肉、偏肉形状の成型品1であっても、低
歪みでかつ転写面2の形状精度を確保した成型品1を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ方式のデジ
タル複写機、レーザプリンタ、又はファクシミリ装置の
光学走査系、ビデオカメラ等の光学機器等に適用される
プラスチック成型品に関し、特に、高精度な光学鏡面を
有する厚肉、偏肉形状のプラスチックレンズ等のプラス
チック成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のレーザ光線から出射された各ビー
ムを偏向手段及び結像手段を介してそれぞれ感光体上に
導き、該感光体上にて画像情報に応じて画像形成する多
色画像形成装置の光走査装置がある。
【0003】近年、多色画像形成装置の高速化、高画質
化に対応するために、4つの感光体ドラムを出力紙の搬
送方向に配列させ、各感光体ドラムに対応したビームで
同時露光し、各々異なる色(イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラック)の現像器で現像した画像を順次、転写
し、重ね合わせてカラー画像を形成するデジタル複写機
やレーザプリンタが実用化されている。
【0004】このような画像出力機にて光走査する際、
複数の走査手段が用いられるが、その走査手段を配置す
るために大きなスペースが必要になり、装置全体が大型
化することから、特開平4−127115号公報に開示
されているように、複数のビームを単一の偏向器に入射
して走査し、結像レンズを積み重ねて配置する方法が提
案されている。
【0005】さらに、特開平10−148777号公報
では、特開平4−127115号公報の欠点を補うため
に、複数のビームを単一の偏向器に入射して走査し、各
々対応する感光体に結像させる結像手段を各ビーム毎に
設け、該結像手段を構成する結像素子としてのレンズを
副走査方向に層状に重ねて一体的に構成する方法が提案
されている。
【0006】この結像素子を副走査方向に層状に重ねて
一体的に構成することにより、偏光手段(ポリゴンミラ
ー)を重ねる間隔が短縮でき、あるいは1枚のポリゴン
ミラーで兼ねることも可能となるため、ポリゴンミラー
を回転させるためのモータの負荷を軽減でき、小型化も
可能となる。また、結像素子を樹脂により一体成型で形
成した場合には、各結像素子の配置精度は相対的に一致
し、組み付けも容易になる上、部品点数も削減できる効
果がある。
【0007】レンズを副走査方向に層状に重ねて一体的
に構成する手段としては、各ビームに対応したレンズを
接合により一体化する手段、あるいはレンズを層状に重
ねて樹脂により一体成型で形成する手段がある。
【0008】先に述べたように、レンズを層状に重ねて
樹脂により一体成型で形成した場合、各レンズの配置精
度は相対的に一致し、組み付けも容易になる上、部品点
数も削減できることから、高品位な光走査装置を低コス
トに作製でき、そのメリットは大きいことになる。
【0009】一方、レンズを一体化すると厚みが厚くな
り、結像素子がレンズの場合にはそのレンズの厚さ場所
によって異なることから偏肉形状も伴ってくる。これを
一体成型で製造する場合、厚肉で偏肉なプラスチック成
型品を高精度で、かつ内部が均質になるように成型しな
ければならないため、かなり高度な成型技術が必要にな
る。
【0010】プラスチックレンズを射出成型法で製造す
る場合、加熱溶融された樹脂材料を金型内に射出充填
し、冷却工程で金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一にな
ることが、所望の形状精度を確保するために望ましい。
【0011】しかし、厚肉形状の場合には、樹脂の冷却
過程で体積収縮が大きいためにひけが発生しやすく、ま
た、偏肉形状の場合には冷却時に温度分布が生じ、その
結果、厚肉部にひけが発生しやすいという不具合があ
る。このひけを防止するために樹脂充填圧力を大きくす
ると、内部歪みが大きくなり、光学性能に悪影響を及ぼ
す。
【0012】その射出成型法の欠点を改善する方法とし
て、特開平11−028745号公報に開示されている
ように、低圧低充填で成型を行い、非転写面にひけを誘
導し、内部歪みを低減しながら転写面の形状精度を確保
する方法が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ここで、非転写面にひ
けを形成すると、レンズのように光学的な有効範囲が内
部にも存在する時に不具合を生じる。非転写面に形成す
るひけが光学的な有効範囲にかからないようにするに
は、層状に重ねる方向に余裕を設けなければならない。
しかし、一体成型でプラスチックレンズを製造する場
合、層状に重ねた方向の全体の肉厚が厚いと、成型時間
が長くなり、また、樹脂材料も増加しコストアップにつ
ながる。この従来法の問題点は、層状に重ねて一体的に
構成したプラスチック成型品の各層の肉厚が同じであっ
たため、側面にひけを誘導し、形成する際に、ひけの領
域(深さ)が限られていたことにある。
【0014】そこで、本発明の目的は、1つ以上の転写
面を有するプラスチック成型体を層状に重ねて一体的に
構成したプラスチック成型品において、層状に重ねた方
向の肉厚が各層ごとに異なることを利用して、厚肉、偏
肉形状であっても、転写面の形状精度が高精度な成型品
を低コストで提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のプラスチ
ック成型品は、1つ以上の転写面を有するプラスチック
成型体を層状に重ねて一体的に構成し、1つ以上の前記
転写面以外の非転写面に選択的にひけを誘導して形成し
たプラスチック成型品において、層状に重ねた方向の肉
厚が各層ごとに異なる。
【0016】請求項2記載発明は、請求項1記載のプラ
スチック成型品において、前記転写面とその転写面に隣
接する非転写面の境界に段差が設けられている。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1記載のプ
ラスチック成型品において、隣接する前記転写面の境界
及び前記転写面とその転写面に隣接する非転写面の境界
に段差が設けられている。
【0018】請求項4記載発明は、請求項1,2又は3
記載のプラスチック成型品において、前記転写面のうち
少なくとも1つの転写面が光学鏡面の光学素子である。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1,2又は
3記載のプラスチック成型品において、前記転写面のう
ち少なくとも1つの転写面が光学鏡面の光学素子であ
り、層状に重ねた方向の肉厚の中央に光軸を有さない。
【0020】請求項6記載のプラスチック成型品の成型
方法は、1つ以上の転写面を有するプラスチック成型部
を層状に重ねて一体的に構成したプラスチック成型品の
成型時に、1つ以上の転写面以外の面に選択的にひけを
形成するために、前記転写面以外の面に少なくとも1つ
以上のキャビティ駒が摺動自在に設けられ、前記転写面
および前記キャビティ駒によってキャビティが画成され
た金型を準備し、該金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保
持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶
融樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を
発生させて樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟
化温度以下に冷却するときに、前記キャビティ駒の少な
くとも1つ以上を前記樹脂から離隔するように摺動させ
ることにより、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙
を画成する。
【0021】請求項7記載プラスチック成型品の成型方
法は、1つ以上の転写面を有するプラスチック成型品を
層状に重ねて一体的に構成したプラスチック成型品の成
型時に、1つ以上の転写面以外の面に選択的にひけを形
成するために、前記転写面以外の面を形成するキャビテ
ィ駒に成型品に圧縮気体を付与する通気口を設け、前記
転写面および前記キャビティ駒によって少なくとも1つ
以上のキャビティが画成された金型を準備し、該金型を
樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビティ内に
軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次い
で、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面
に密着させた後、該樹脂を軟化温度以下に冷却するとき
に、前記通気口からキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付
与させることにより、前記樹脂と前記通気口が設けられ
たキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1ないし図3を参照し本発明の
第一の実施の形態について説明する。図1ないし図3は
プラスチック成型品1の斜視図である。また、図3のハ
ッチング分部は成型品1の断面形状を示している。本実
施の形態は、2層式を用いているが本発明の内容は層数
には依らない。つまり、本発明の主題は層状に重ねた方
向の肉厚が各層ごとに異なることで、ひけが発生する領
域を確保し、高精度な転写面形状を得ることにあるた
め、層数が増えたとしても優位性は失われない。
【0023】図1に示すプラスチック成型品1は、それ
ぞれ転写面2を有するプラスチック成型体3を層状に重
ねて一体に成型したもので、長手方向の寸法が150m
m、偏肉形状を有する方向の寸法が10〜30mm、層
状に重ねた方向の寸法が12mmである。そして、1つ
以上の転写面以外の転写面4に選択的にひけ5を誘導し
て形成したことを特徴としている。この例のプラスチッ
ク成型品1ではひけ5の深さ1〜2mm程度で、良好な
転写面2を得ることができる。
【0024】厚肉、偏肉形状で、上記寸法のプラスチッ
ク成型品1の場合、転写面2以外の面(非転写面)4に
選択的にひけ5を誘導する方法を用いることで、低歪み
で、転写面2の形状精度が確保できる。図1に示す例
は、層状に重ねたプラスチック成型体3の肉厚A,Bが
等しいプラスチック成型品1である。
【0025】図2に示す例は、1つ以上の転写面2を有
するプラスチック成型体3を層状に重ねているが、層状
に重ねた方向の肉厚A,Bが各層毎に異なるプラスチッ
ク成型品1である。このように、層状に重ねた方向の肉
厚A,Bが各層ごとに異なることで、意図的に誘導して
形成するひけ5の領域を確保することができる。
【0026】つまり、図1及び図4(a)のように各層
(転写面2)の肉厚A,Bが同じであると、形成したひ
け5がプラスチック成型品1として要求される転写面2
の有効範囲にまで及んでしまう。しかし、図3(b)
(c)のように各層の肉厚A,Bを変える(ひけ5形成
側をより厚くする)ことで、全体の厚みはできるだけ薄
くして成型時間がかからないようにして、ひけ5の領域
を確保できる。図3(b)は転写面2部分の範囲を広げ
ているが、図3(c)のように転写面2以外でひけ5の
領域を確保することもできる。
【0027】また、前述したように本発明は転写面2の
形状は平面であるが、形状に依らず適用可能であること
を追記しておく。その例を図5(a)(b)(c)
(d)に示す。これらの図のように、転写面2の形状
は、平面、凹面、凸面、球面、非球面、自由曲面など面
形状に依らず適用可能である。
【0028】次に、図6ないし図8を参照し本発明の第
二の実施の形態について説明する。前記実施の形態と同
一部分は同一符号を用い説明も省略する。本実施の形態
におけるプラスチック成型品1も、転写面2が隣接する
ように層状に重ねて一体的に構成されている。図6に示
す例は、転写面2と隣接する非転写面4の境界に段差6
が設けられている。
【0029】このように、転写面2が隣接するように層
状に重ねて一体的に構成され、転写面2と非転写面4と
の境界に段差6を設けることで、成型時にキャビティ内
の樹脂圧力が0になった時に、転写面2を形成する金型
部材の合わせ目から進入する空気に対して段差6が封止
材の役割をして、転写面2にその空気が回り込んでひけ
が発生することを防止することができる。
【0030】また、図7に示す例は、隣接する転写面2
同士の境界及び転写面2とその転写面2に隣接する非転
進面4の境界に段差6を設けた例である。このように、
転写面2間にも段差6を設けることで、非転写面4にひ
け5が発生する時に、金型の鏡面駒(図示せず)の合わ
せ目から空気が進入し、鏡面部にもその空気が回り込ん
でひけを発生することを防止することができる。
【0031】転写面2のうち少なくとも1つの転写面2
が光学鏡面とした場合、高い形状精度が要求されるが、
段差6を設けることでプラスチック成型品1を高精度に
製作できる。
【0032】次に、図8を参照し本発明の第三の実施の
形態について説明する。本実施の形態におけるプラスチ
ック成型品1は、転写面2のうち少なくとも1つの転写
面2が光学鏡面の光学素子であり、層状に重ねた方向の
肉厚の中央に光軸7を有さないことを特徴としている。
【0033】このように構成することで、層状に重ねて
一体的に構成された各転写面2が同一の面形状であって
も、ひけ5の領域が確保でき、尚且つ全体の肉厚を薄く
できる。また、本発明の主題はひけ5の領域を確保する
ことにあるため、光軸7自体を持たない光学素子にも同
様に適用可能である。
【0034】射出成型では、樹脂が軟化温度以下に冷却
された後、プラスチック成型品1を取り出すため、プラ
スチック成型品全体の肉厚が薄い方が成型時間を短くで
きる。また、薄肉になることで樹脂使用量も削減できコ
スト低減になる。
【0035】なお、プラスチック成型品1に使用される
樹脂としては、透明性が要求される光学素子を成型する
場合には、軟化温度がそのガラス転移温度である非晶性
樹脂、例えば、ポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状ポリオレフィンコポ
リマー(例、日本ゼオン(株) 商品名:ゼオネック
ス)等を使用することができる。また、光学素子以外の
用途としてであれば,軟化温度がその融解温度である結
晶性樹脂を使用することも可能である。
【0036】次に、図9及び図10を参照し本発明の第
四の実施の形態について説明する。本実施の形態は、1
つ以上の転写面2を有するプラスチック成型体3を層状
に重ねてプラスチック成型品1を成型する成型方法につ
いての実施の形態である。
【0037】先ず、図9及び図10に基づいて金型10
について説明する。図中、ハッチングを施していない空
間部が溶融樹脂を充填するキャビティ11で、この金型
10には、一端がキャビティ11の型合わせ方向の側面
12に一致するキャビティ駒13が長手方向にの移動自
在に設けられている。キャビティ11の転写面14は、
これまで説明したプラスチック成型品1の転写面2を形
成する面である。
【0038】そして、これまで説明したように、1つ以
上の転写面2以外の非転写面4に選択的にひけ5を形成
するために、図9に示すようにキャビティ駒13の一端
をキャビティ11の側面に一致させた状態で、金型10
を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、キャビティ11内
に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次
いで、金型10の転写面14に樹脂圧力を発生させて樹
脂をその転写面14に密着させた後、該樹脂を軟化温度
以下に冷却するときに、図10に示すように、キャビテ
ィ駒13の少なくとも1つ以上を樹脂から離隔するよう
に摺動させることにより、樹脂とキャビティ駒13の間
に強制的に空隙15を画成する。
【0039】つまり、樹脂とキャビティ駒13の間に強
制的に空隙15が画成されることで、空隙15に面した
樹脂部分の樹脂面が自由面となり、他の金型面に接した
面よりも動き易くなる。この結果、冷却によって生じる
収縮はこの部分の樹脂が動くことによって吸収され、空
隙15に面した樹脂部分が優先的にひけて、プラスチッ
ク成型品1としての転写面2にひけが生じることを防止
することができる。
【0040】また、このような成型方法は、射出成型法
のほか、射出圧縮成型法、ガスアシスト成型法など様々
なプラスチック成型法を用いて作製する場合にも適用す
ることができるが、特に厚肉、偏肉なプラスチック成型
品を効率よく生産できる点と、任意の位置にひけを形成
しやすいという点から射出成型法が望ましい。射出成型
法では、樹脂充填直後に表層部は固化し、内部は溶融状
態となっているため、樹脂とキヤビティ壁面の離隔によ
って不完全転写面、いわゆる「ひけ」を容易に形成するこ
とができる。
【0041】次に、図11を参照し本発明の第五の実施
の形態について説明する。本実施の形態も、1つ以上の
転写面2を有するプラスチック成型体3を層状に重ねて
プラスチック成型品1を成型する成型方法についての実
施の形態である。
【0042】先ず、図11に基づいて金型16について
説明する。この金型16は、図9及び図10に示す金型
10のキャビティ駒13に代えて、エアー流入用の通気
口17が中心に貫通されたキャビティ駒18を具備す
る。他の構造は金型10と同様につき同一符号を用い説
明も省略する。
【0043】本実施の形態においても、これまで説明し
たように、1つ以上の転写面2以外の面に選択的にひけ
5を形成するために、金型16を樹脂の軟化温度未満に
加熱保持し、キャビティ11内に軟化温度以上に加熱さ
れた溶融樹脂を射出充填し、次いで、転写面14に樹脂
圧力を発生させて樹脂をその転写面14に密着させた
後、樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、通気口17
からキャビティ11内の樹脂に圧縮気体を付与させるこ
とにより、樹脂と通気口17が設けられたキャビティ駒
18の間に強制的に空隙19を画成する。
【0044】本実施の形態の場合も、樹脂とキャビティ
駒18の間に強制的に空隙19が画成されることで、空
隙19に面した樹脂部分の樹脂面が自由面となり、他の
金型面に接した面よりも動き易くなる。この結果、冷却
によって生じる収縮はこの部分の樹脂が動くことによっ
て吸収され、空隙19に面した樹脂部分が優先的にひけ
て、プラスチック成型品1としての転写面2にひけが生
じることを防止することができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載のプラスチック成型品は、
1つ以上の転写面を有するプラスチック成型体を層状に
重ねて一体的に構成し、1つ以上の転写面以外の非転写
面に選択的にひけを誘導して形成したプラスチック成型
品において、層状に重ねた方向の肉厚が各層ごとに異な
るので、ひけ領域を確保することができ、厚肉、偏肉形
状のプラスチック成型品であっても、低歪みでかつ転写
面の形状精度を確保したプラスチック成型品を得ること
ができる。
【0046】請求項2記載発明は、請求項1記載のプラ
スチック成型品において、転写面とその転写面に隣接す
る非転写面の境界に段差が設けられているので、金型を
用いての成型に際して、キャビティ内の樹脂圧力が0に
なり、非転写面にひけが発生する時に、転写面を形成す
る金型部材の合わせ目から進入する空気に対して段差部
が封止材の役割をして、転写面にその空気が回り込んで
ひけが発生することを防止することができ、厚肉、偏肉
形状のプラスチック成型品であっても、低歪みでかつ転
写面の形状精度を確保したプラスチック成型品を得るこ
とができる。
【0047】請求項3記載の発明は、請求項1記載のプ
ラスチック成型品において、隣接する転写面の境界及び
転写面とその転写面に隣接する非転写面の境界に段差が
設けられているので、金型を用いての成型に際して、非
転写面にひけが発生する時に、鏡面駒の合わせ目から空
気が進入し、鏡面部にもその空気が回り込んでひけが発
生することを防止することができ、厚肉、偏肉形状のプ
ラスチック成型品であっても、低歪みでかつ転写面の形
状精度を確保したプラスチック成型品を得ることができ
る。
【0048】請求項4記載発明は、請求項1,2又は3
記載のプラスチック成型品において、転写面のうち少な
くとも1つの転写面が光学鏡面の光学素子であるので、
低歪みでかつ高い形状精度が要求されるが、鏡面部にお
けるひけの発生を防止できるので、高精度のプラスチッ
ク成型品を得ることができる。
【0049】請求項5記載の発明は、請求項1,2又は
3記載のプラスチック成型品において、前記転写面のう
ち少なくとも1つの転写面が光学鏡面の光学素子であ
り、層状に重ねた方向の肉厚の中央に光軸を有さないの
で、層状に重ねて一体的に構成された各転写面が同一の
面形状であっても、ひけ領域が確保でき、厚肉、偏肉形
状のプラスチック成型品であっても、低歪みでかつ転写
面の形状精度を確保したプラスチック成型品を得ること
ができる。
【0050】請求項6記載のプラスチック成型品の成型
方法によれば、キャビティ駒の少なくとも1つ以上を樹
脂から離隔するように摺動させることにより、樹脂とキ
ャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することで、厚
肉、偏肉形状のプラスチック成型品であっても、転写面
の形状精度を確保したプラスチック成型品を得ることが
できる。また、冷却時の転写面に作用する樹脂内圧を大
気圧に近づけることができるため、光弾性歪みの小さい
プラスチック成型品を得ることができる。
【0051】請求項7記載のプラスチック成型品の成型
方法によれば、通気口からキャビティ内の樹脂に圧縮気
体を付与させることにより、樹脂と前記通気口が設けら
れたキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成すること
で、厚肉、偏肉形状のプラスチック成型品であっても、
低歪みでかつ転写面の形状精度を確保したプラスチック
成型品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態におけるプラスチッ
ク成型品の斜視図である。
【図2】成型品の斜視図である。
【図3】成型品の斜視図である。
【図4】成型品の断面図である。
【図5】転写面の形状が異なる成型品の断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態における成型品の断
面図である。
【図7】成型品の断面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態における成型品の断
面図である。
【図9】本発明の第四の実施の形態における金型の断面
図である。
【図10】キャビティ駒を摺動させた状態の金型の断面
図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態における金型の断
面図である。
【符号の説明】
1 成型品 2 転写面 3 プラスチック成型体 4 転写面以外の面 5 ひけ 6 段差 10 金型 11 キャビティ 13 キャビティ駒 14 金型の転写面 15 空隙 16 金型 17 通気口 18 キャビティ駒 19 空隙
フロントページの続き (72)発明者 渡部 順 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 沢田 清孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4F202 AA21 AA28 AH73 CA11 CB01 CK52 4F206 AA21 AA28 AH73 JA07 JM05 JN25 JN27 JQ81

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ以上の転写面を有するプラスチック
    成型体を層状に重ねて一体的に構成し、1つ以上の前記
    転写面以外の非転写面に選択的にひけを誘導して形成し
    たプラスチック成型品において、層状に重ねた方向の肉
    厚が各層ごとに異なることを特徴とするプラスチック成
    型品。
  2. 【請求項2】 前記転写面とその転写面に隣接する非転
    写面の境界に段差が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載のプラスチック成型品。
  3. 【請求項3】 隣接する前記転写面の境界及び前記転写
    面とその転写面に隣接する非転写面の境界に段差が設け
    られていることを特徴とする請求項1記載のプラスチッ
    ク成型品。
  4. 【請求項4】 前記転写面のうち少なくとも1つの転写
    面が光学鏡面の光学素子であることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載のプラスチック成型品。
  5. 【請求項5】 前記転写面のうち少なくとも1つの転写
    面が光学鏡面の光学素子であり、層状に重ねた方向の肉
    厚の中央に光軸を有さないことを特徴とする請求項1,
    2又は3記載のプラスチック成型品。
  6. 【請求項6】 1つ以上の転写面を有するプラスチック
    成型部を層状に重ねて一体的に構成したプラスチック成
    型品の成型時に、1つ以上の転写面以外の面に選択的に
    ひけを形成するために、 前記転写面以外の面に少なくとも1つ以上のキャビティ
    駒が摺動自在に設けられ、前記転写面および前記キャビ
    ティ駒によってキャビティが画成された金型を準備し、
    該金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビ
    ティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填
    し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を
    該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以下に冷却
    するときに、前記キャビティ駒の少なくとも1つ以上を
    前記樹脂から離隔するように摺動させることにより、樹
    脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成することを
    特徴とするプラスチック成型品の成型方法。
  7. 【請求項7】 1つ以上の転写面を有するプラスチック
    成型品を層状に重ねて一体的に構成したプラスチック成
    型品の成型時に、1つ以上の転写面以外の面に選択的に
    ひけを形成するために、 前記転写面以外の面を形成するキャビティ駒に成型品に
    圧縮気体を付与する通気口を設け、前記転写面および前
    記キャビティ駒によって少なくとも1つ以上のキャビテ
    ィが画成された金型を準備し、該金型を樹脂の軟化温度
    未満に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に
    加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、前記転写面
    に樹脂圧力を発生させて樹脂を該転写面に密着させた
    後、該樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記通気
    口からキャビティ内の樹脂に圧縮気体を付与させること
    により、前記樹脂と前記通気口が設けられたキャビティ
    駒の間に強制的に空隙を画成することを特徴とするプラ
    スチック成型品の成型方法。
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