JPH06182783A - プラスチックミラーの製造方法およびその製造装置およびプラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

プラスチックミラーの製造方法およびその製造装置およびプラスチック成形品の製造方法

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JPH06182783A
JPH06182783A JP6444393A JP6444393A JPH06182783A JP H06182783 A JPH06182783 A JP H06182783A JP 6444393 A JP6444393 A JP 6444393A JP 6444393 A JP6444393 A JP 6444393A JP H06182783 A JPH06182783 A JP H06182783A
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久秋 小瀬古
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金型の鏡面を高精度に転写して高精度な鏡面
を作製することができる低コストなプラスチックミラー
の製造方法およびその装置を提供する。 【構成】 鏡面23が形成されたキャビティ24を画成する
一対の金型20と、予め略最終形状に前加工された熱可塑
性プラスチック母材31と、鏡面23と同面積以下の金属反
射膜33を有するプラスチックフィルム32と、を準備し、
フィルム32および母材31を、フィルム32の金属反射膜33
側が鏡面23に接触し、母材31がフィルム32の金属反射膜
33の背面側に位置するようにキャビティ24に挿入し、母
材31をガラス転移点以上に加熱するか、あるいはガラス
転移点前後で振動加圧してキャビティ24内に所定の樹脂
内圧を発生させて鏡面23を金属反射膜33に転写し、金型
20を徐冷することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックミラーの
製造方法およびその製造装置およびプラスチック成形品
の製造方法に関し、詳しくは高精度な鏡面が要求される
プラスチックミラーの製造方法およびその製造装置およ
びプラスチック成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザプリンタおよび複写機等の
光走査に用いられるポリゴンミラ−およびfθミラー等
は、少量多品種が多いためプラスチックからなるものが
多用されているが、近年の高速高密度化に伴いその鏡面
に高精度なものが要求されている。
【0003】この種のプラスチックミラーの製造方法と
しては、まず、金型の高精度な鏡面を射出成形あるいは
射出圧縮成形等により転写した後、その成形品の鏡面部
に所定の金属を直接蒸着して金属反射膜を形成し、鏡面
を形成していた。また、金属反射膜と成形品との密着性
を向上させるために成形品の鏡面部に下地としてMgF
2 等を被覆して金属反射膜を蒸着したり、金属反射膜の
強度を向上させるため金属反射膜の表面にSiO2 等の
保護膜を形成していた。このようなプラスチックミラー
製造方法は、例えば特公昭61−25131号公報およ
び実開昭59−116905号公報に記載されている。
【0004】また、プラスチックフィルム上に金属反射
膜を形成し、そのプラスチックフィルムの金属反射膜側
を金型の鏡面に吸引等により吸着した後、プラスチック
フィルムの金属反射膜の背面側から樹脂を射出成形し、
鏡面をラミネートするプラスチックミラー製造方法が実
用化されている。このようなプラスチックミラー製造方
法としては、例えば特公平4−9647号公報および特
開昭62−224533号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸着に
よるプラスチックミラーの製造方法にあっては、バッチ
処理により鏡面部に所定の金属を直接蒸着して鏡面を形
成するためコストが高く、またプラスチックミラーの形
状は用途に応じて形状が異なるため成形品毎に蒸着条件
を変更しなければならず作業が煩雑になってしまうとい
う問題があった。さらに、鏡面部の形状に凹凸がある場
合には、均一な金属反射膜を形成することができないと
いう問題点があった。
【0006】また、ラミネートによるプラスチックミラ
ー製造方法にあっては、既存の射出成形装置に僅かな投
資で設備を追加するだけでプラスチックミラー製造装置
を作製できるというメリットはあるが、プラスチックフ
ィルムが吸着されているキャビティに溶融した樹脂を射
出するため、射出成形時の高温と流動圧力によりプラス
チックフィルムに皺がよる等の変形が生じてしまい高精
度な鏡面が得られないという問題点があった。
【0007】一方、このプラスチックミラー等のプラス
チック成形品を構成するプラスチック母材に金属反射膜
を蒸着あるいはラミネートする前に最終形状に成形する
具体的な方法としては、特開平4−163119号に記
載された製造方法がある。このものは、射出成形金型の
キャビティ内に溶融樹脂を射出して予め略最終形状のプ
ラスチック母材を成形する工程と、該金型のキャビティ
と同等の容積を有し、少なくとも1つ以上の鏡面を有す
る1つ以上のキャビティを有するエージング金型にプラ
スチック母材を挿入した後、ガラス転移点温度以上に加
熱して該プラスチック母材の内圧によって該母材に鏡面
を転写し、次いで、金型を冷却して樹脂の熱変形温度以
下で該母材の内圧が大気圧と同等になったときにエージ
ング金型を型開きして取り出すエージング工程と、から
構成されている。
【0008】このエージング金型の具体的な構成を図2
1(a)に示すと、エージング金型は鏡面201a、202aが
形成された鏡面駒201、202が摺動自在に設けられた上側
金型203および下側金型204から構成されており、この金
型203、204によって画成される空間部に形成されたキャ
ビティ205に射出成形されて略最終形状に形成されたプ
ラスチック母材が挿入してエージングすることにより、
母材に鏡面を転写するようになっている。
【0009】そして、エージング後に鏡面駒201、202を
それぞれ上下方向に移動させることにより、転写された
鏡面が傷つけられるのを防止して図21(b)に示す凸レ
ンズ206を成形する。また、ボリゴンミラーを成形する
場合には、図22(a)に示すように金型210、211のキャ
ビティ212内にプラスチック母材を挿入するとともに、
該母材の内周部にモータシャフト215を挿入してエージ
ングすることにより、母材に鏡面を転写するようになっ
ている。そして、エージング後に鏡面213a、213bを有
する鏡面駒213、214を左右方向に移動させるとともに、
内周部からモータシャフト215を取り出し、金型210、21
1を型開きして図22(a)に示すようなポリゴンミラー2
16を成形する。
【0010】しかしながら、このようなプラスチック成
形品の製造方法にあっては、エージング工程におけるプ
ラスチック母材の取り出し時の重量が、樹脂内圧が熱変
形温度以下で大気圧となるものに限定されてしまうとい
う問題が発生してしまった。このため、この重量が小さ
い場合には成形品にひけが生じて鏡面を十分に転写でき
ず、また、重量が大きい場合にはその分だけ成形品が大
きくなってしまうことから取り出し温度を低くしなけれ
ばならず、成形サイクルが長くなってしまった。これに
加えて、成形サイクルが長い場合には、生産性の向上を
図るためにエージング金型に多数のキャビティを設け、
このキャビティから多数個の成形品を取り出すことが要
求される。ところが、プラスチック母材に発生するばら
つきを考慮すると、エージング金型の各キャビティ空間
にバラツキが生じることは許されないのが現状である。
【0011】このように従来のプラスチック成形品の製
造方法にあっては、プラスチック母材の重量を厳密に管
理す必要がある。この重量ばらつきとしては、少なくと
も±0、2%、望ましくは±0、1%程度にする必要がある。
このため、重量が5gの大型の成形品では通常の精密射
出成形法でほぼこの範囲に収まるが、5g以下になると
上記範囲に収まらなくなるのである。
【0012】したがって、従来の製造方法では、エージ
ング金型から取り出した全ての成形品の重量を厳密に検
査して範囲外のものを取り除くために、全数検査工程が
必要になってしまうとともに、プラスチック成形品の歩
留りが低下して生産性が悪化してしまうという問題が発
生してしまった。これに加えて、従来のエージング金型
は、鏡面が傷付けられるのを防止するために、鏡面駒20
1、202、213、214を設けていたため、金型が大型複雑化
してしまい、多数個取りを達成するのは困難であった。
【0013】そこで、請求項1〜15記載の発明は、略
最終形状に加工され鏡面部が形成されたプラスチック母
材と金属反射膜が形成されたプラスチックフィルムとを
キャビティ内に挿入してプラスチック母材およびプラス
チックフィルムを均一な温度、均一な圧力で加熱接合す
ることにより金型の鏡面を高精度に転写して高精度な鏡
面を作製することができる低コストなプラスチックミラ
ーの製造方法およびその製造装置を提供することを目的
とする。
【0014】また、請求項16〜23記載の発明は、プ
ラスチック母材の重量に多少のばらつきが生じていて
も、このばらつきを各母材で補うようにして、重量を厳
密に管理するのを不要にすることができるとともに、1
つのエージング金型の1つのキャビティから多数個の成
形品を取り出すことができ、生産性の向上を図ることが
できるとともに、高精度に成形することができるプラス
チック成形品の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、互いに対向配置され、少なくとも
1つ以上のキャビティを構成する1つ以上の鏡面を有す
る一対の金型と、予め略最終形状に前加工された熱可塑
性プラスチック母材と、前記金型の鏡面と同面積以下の
金属反射膜を有するプラスチックフィルムと、を準備
し、プラスチックフィルムおよびプラスチック母材を、
該プラスチックフィルムの金属反射膜側が鏡面に接触
し、プラスチック母材がプラスチックフィルムの金属反
射膜の背面側に位置するようにキャビティに挿入し、次
いで、金型を型締めし、該金型を加熱してプラスチック
母材をガラス転移点以上に加熱するか、あるいはガラス
転移点前後で振動加圧してキャビティ内に所定の樹脂内
圧を発生させて鏡面をプラスチックフィルムの金属反射
膜に転写し、次いで、金型を徐冷してプラスチック母材
が熱変形温度以下になったときにキャビティから取り出
すことを特徴とするものである。
【0016】請求項2記載の発明は、前記プラスチック
フィルムの金属反射膜を、無電解メッキ、蒸着あるいは
スパッタリングによって形成することを特徴とするもの
である。請求項3記載の発明は、前記プラスチック母材
に非晶質樹脂を用いることを特徴とするものである。
【0017】請求項4記載の発明は、前記プラスチック
母材およびプラスチックフィルムに同一材質を用いるこ
とを特徴とするものである。請求項5記載の発明は、予
め、前記プラスチック母材のプラスチックフィルム接合
面側あるいはプラスチックフィルムの金属反射膜の背面
側の少なくとも一方側に熱硬化型あるいはホットメルト
型の接着層を設け、該接着層がプラスチック母材とプラ
スチックフィルムとの間になるように前記キャビティ内
に挿入し、プラスチック母材とプラスチックフィルムと
を接合することを特徴とするものである。
【0018】請求項6記載の発明は、前記プラスチック
母材として、繊維等の強化充填材を含む非晶質プラスチ
ック複合材料を用いることを特徴とするものである。請
求項7記載の発明は、前記プラスチックフィルムに50
μm〜800μmの厚さのものを用いることを特徴とす
るものである。請求項8記載の発明は、前記プラスチッ
ク母材またはプラスチックフィルムの少なくとも一方を
予め変形可能な温度に加熱した後、キャビティ内に挿入
することを特徴とするものである。
【0019】請求項9記載の発明は、前記プラスチック
フィルムを予め変形可能な温度に加熱した後、前記鏡面
形状と略同等の形状に変形させ、次いで、前記キャビテ
ィに挿入することを特徴とするものである。請求項10
記載の発明は、前記プラスチック母材あるいはプラスチ
ックフィルムの互いに接する面の少なくともどちらか一
方の表面を化学的あるいは物理的処理によって所定の表
面粗さの粗面にすることを特徴とするものである。
【0020】請求項11記載の発明は、前記プラスチッ
クフィルムの金属反射膜の表面に保護膜を形成すること
を特徴とするものである。請求項12記載の発明は、前
記金型の鏡面に挿入される挿入部と、該挿入部近傍に設
けられ、挿入部が鏡面上に位置したときに金型に形成さ
れた位置決め部に係合される係合部と、挿入部を支持す
る支持部と、を送り方向に連続して備えた金属反射膜を
有するプラスチックフィルムを準備し、フィルム供給装
置によってプラスチックフィルムを送り出して挿入部の
金属反射膜が前記鏡面に接するように金型に挿入すると
ともに、母材供給装置によってプラスチック母材を挿入
部の金属反射膜の背面側に位置するように金型に挿入し
た後、金型を型締めし、該プラスチック母材の溶融前あ
るいは後に、挿入部を支持部から切断する作業を、プラ
スチックフィルムの送り量に応じて連続して行なうこと
を特徴とするものである。
【0021】請求項13記載の発明は、前記プラスチッ
ク母材およびプラスチックフィルムを前記キャビティ内
に挿入して金型を型締めした後、キャビティ内を真空引
きしながら該キャビティ内に所定の樹脂内圧を発生させ
ることを特徴とするものである。請求項14記載の発明
は、前記プラスチック母材のプラスチックフィルムと接
する面を、前記金型の鏡面形状が凸状に形成されている
ときには鏡面の曲率半径より小さな曲率半径に、逆に鏡
面形状が凹状に形成されているときには鏡面の曲率半径
より大きな曲率半径に形成することを特徴とするもので
ある。
【0022】請求項15記載の発明は、互いに対向配置
され、少なくとも1つ以上のキャビティを構成する1つ
以上の鏡面を有し、互いの位置を合わせる位置合わせ部
を有する一対の金型を備え、略最終形状に形成されたプ
ラスチック母材と、前記鏡面が転写される金属反射膜が
形成されたプラスチックフィルムと、を前記キャビティ
内に挿入してプラスチック母材とプラスチックフィルム
とを接合しプラスチックミラーを形成するプラスチック
ミラー製造装置であって、前記プラスチックフィルム
が、金型の鏡面に挿入される挿入部と、該挿入部近傍に
設けられ、挿入部が鏡面上に位置したときに金型に形成
された位置決め部に係合される係合部と、挿入部を支持
する支持部と、を送り方向に連続して備え、金型のキャ
ビティ内に挿入される前に、プラスチックフィルムの挿
入部を変形可能な温度に加熱するとともに略最終形状の
鏡面に形成する成形手段と、プラスチック母材をキャビ
ティ内に供給する母材供給手段と、プラスチックフィル
ムの挿入部を金型の鏡面位置に搬送するフィルム供給手
段と、金型を型締めおよび開放する型締め・開放手段
と、金型に所定圧力を加える加圧手段と、金型を加熱す
るとともに、所定の温度勾配で該金型を冷却する加熱・
冷却手段と、プラスチックフィルムの支持部から挿入部
を切断する切断手段と、前記プラスチックフィルムから
切り離された成形品を取り出す取り出し手段と、を備え
たことを特徴とするものである。
【0023】なお、ここで、非晶質樹脂とは、アルカリ
樹脂、ポリカーボネィト樹脂、およびアモルファスポリ
オレフィン等である。また、補強材とは、ガラス繊維、
炭素繊維、およびマイカ等であり、強度およびヤング率
を向上させるものである。請求項16記載の発明は、樹
脂の熱変形温度以下の温度に保持された射出成形金型の
キャビティに溶融樹脂を射出して略最終形状で一定重量
のプラスチック母材を製造した後、キャビティを有する
エージング金型にプラスチック母材を挿入し、次いで、
樹脂所定時間徐冷した後、樹脂の熱変形温度以下で樹脂
内圧が大気圧と略同等になったときにプラスチック成形
品をエージング金型から取り出すようにしたプラスチッ
ク成形品の製造方法において、前記射出成形金型のキャ
ビティの容積よりも大きい容積を有し、少なくとも1つ
以上の鏡面が形成された有する1つ以上のキャビティを
有するエージング金型を準備し、該エージング金型のキ
ャビティ内に、複数個のプラスチック母材と該母材同士
を分離する複数個の隔離部材とを同時に挿入してエージ
ングを行なうことを特徴としている。
【0024】請求項17記載の発明は、前記隔離部材と
してプラスチック母材よりも熱変形温度が高いものを用
いることを特徴としている。請求項18記載の発明は、
前記隔離部材として厚さが0、1〜100μmのものを用いる
ことを特徴としている。請求項19記載の発明は、前記
隔離部材として厚さが0、5mm以上の金属から構成された
ものを用い、該隔離部材の長手方向両端部をエージング
金型に摺接可能にしたことを特徴としている。
【0025】請求項20記載の発明は、前記隔離部材と
して互いに剥離性が高い部材を用い、前記各プラスチッ
ク母材の間に該剥離部材を2枚設けることを特徴として
いる。請求項21記載の発明は、前記エージング金型内
にプラスチック母材と隔離部材とを隣接させて交互に挿
入するとともに、隣接方向両端部のプラスチック部材に
該母材と同型状の模型を用いたことを特徴としている。
【0026】請求項22記載の発明は、前記プラスチッ
ク母材および隔離部材の隣接方向両端部のエージング金
型の壁部の熱伝導率および厚さを隔離部材の熱伝導率お
よび厚さと同等の材質にするとともに、該壁部に隣接す
る部分の熱伝導率および厚さをプラスチック母材の熱伝
導率および厚さと同等の材質にし、該エージング金型内
にプラスチック母材と隔離部材を隣接させて交互に挿入
することにより、エージングを行なうことを特徴として
いる。
【0027】請求項23記載の発明は、表面に金属反射
膜が被膜されたプラスチックフィルムを準備し、該プラ
スチックフィルムおよびプラスチック母材を、プラスチ
ックフィルムの金属反射膜側が複数の鏡面に接触し、プ
ラスチック母材が該フィルムの背面に位置するようにエ
ージング金型のキャビティに挿入したことを特徴として
いる。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明では、金属反射膜が一面側
に形成されたプラスチックフィルムと、略最終形状に形
成されたプラスチック母材と、を金型のキャビティ内に
挿入してプラスチック母材を溶融し、キャビティ内に樹
脂内圧を発生させ所定圧力に達した後、熱変形温度以下
まで徐冷し、歪みおよび応力を発生させることなくプラ
スチックフィルムとプラスチック母材とを接合する。こ
のとき、樹脂内圧によって金属反射膜が金型の鏡面に押
圧されるので、金属反射膜の膜厚が不均一なものであっ
ても高精度な鏡面になる。
【0029】請求項2記載の発明では、金属反射膜は膜
厚を均一にするために蒸着あるいはスパッタリングで着
膜するが、膜厚が不均一であっても金型の鏡面を高精度
に転写することができるので、低コストな無電解メッキ
を用いてプラスチックフィルムの一面側に金属反射膜を
形成することができる。請求項3記載の発明では、プラ
スチック母材に転写性のよい非晶質樹脂を用いるので、
より高精度な鏡面になる。
【0030】請求項4記載の発明では、プラスチック母
材およびプラスチックフィルムに同一材質を用いるの
で、プラスチック母材とプラスチックフィルムとの密着
性および接合性が向上する。また、プラスチックフィル
ムとプラスチック母材とを一体化するので、応力、温度
および湿度等による影響が少なくなる。請求項5記載の
発明では、プラスチック母材のプラスチックフィルム接
合面側あるいはプラスチックフィルムの金属反射膜の背
面側の少なくともどちらか一方に接着層を設け、プラス
チック母材とプラスチックフィルムとを接合するので、
プラスチックフィルムとプラスチック母材との密着性お
よび接合性がより向上する。
【0031】請求項6記載の発明では、プラスチック母
材に繊維等の強化充填材を含む非晶質プラスチック複合
材料を用いるので、応力および温度変化等による鏡面形
状の変形を防止する。請求項7記載の発明では、プラス
チックフィルムに50μm〜800μmの厚さのものを
用いるので、50μm未満のプラスチックフィルムを用
いたときに発生してしまう金型内挿入時の機械的応力お
よび加熱時の熱応力により金属反射膜に皺がよる等の変
形や、プラスチック母材の材料による金属反射膜への影
響を防止し、800μmを越えるプラスチックフィルム
を用いたときに発生してしまう金型の鏡面を転写する際
の形状変形により金属反射膜に皺がよったりひびが入っ
たりすることや、プラスチック母材との熱収縮率の差に
より歪みが発生して転写精度を低下させてしまうことを
防止する。
【0032】請求項8記載の発明では、プラスチック母
材あるいはプラスチックフィルムの少なくともどちらか
一方を予め変形可能な温度に加熱するので、プラスチッ
クフィルムに金型の鏡面を転写する際に発生する歪みを
防止して転写精度が低下してしまうことを防止する。さ
らに、成形サイクルが短縮する。請求項9記載の発明で
は、プラスチックフィルムを予め変形可能な温度に加熱
して金型の鏡面と略同等に成形した後、キャビティ内に
挿入するので、プラスチックフィルムの金型内の挿入が
容易になり、金型の鏡面の転写精度がより向上する。
【0033】請求項10記載の発明では、プラスチック
母材あるいはプラスチックフィルムの互いに接する面の
少なくともどちらか一方の表面を所定の表面粗さの粗面
にするので、プラスチックフィルムとプラスチック母材
との密着性および接合性がより向上する。請求項11記
載の発明では、プラスチックフィルムの金属反射膜の表
面に保護膜を形成するので、金属反射膜の機械的および
経時的劣化を防止する。
【0034】請求項12記載の発明では、金型の位置決
め部に係合部を係合させて挿入部の位置を決め、挿入部
およびプラスチック母材を金型に挿入して金型を型締め
し、プラスチック母材の溶融する前あるいは後に支持部
を切断するので、プラスチックフィルムの挿入部を金型
内に自動供給し、さらに成形品を金型内から自動排出す
ることができる。また、金属反射膜をプラスチックフィ
ルム全面に形成しないで挿入部のみに形成してもよいこ
とからミラー形状に対応して金属反射膜を形成すること
ができる。
【0035】請求項13記載の発明では、キャビティ内
を真空引きしながらプラスチック母材を溶融させてキャ
ビティ内に樹脂内圧を発生させ、プラスチック母材およ
びプラスチックフィルムを接合するので、プラスチック
フィルムとプラスチック母材との間に空気等が入り、金
型の鏡面を転写する転写精度が低下してしまうことを防
止する。
【0036】請求項14記載の発明では、前記プラスチ
ック母材のプラスチックフィルムと接する面を、前記金
型の鏡面形状が凸状に形成されているときには鏡面の曲
率半径より小さな曲率半径に、逆に鏡面形状が凹状に形
成されているときには鏡面の曲率半径より大きな曲率半
径に形成するので、プラスチック母材およびプラスチッ
クフィルムを金型内に挿入し、その金型を型締めしたと
きプラスチック母材のプラスチックフィルムに接する面
が鏡面にプラスチックフィルムを介して密着し、金型の
鏡面の転写精度がより向上する。
【0037】請求項15記載の発明では、プラスチック
フィルムの挿入部が成形手段により変形可能な温度に加
熱されるとともに金型の鏡面形状と略同等に形成され
て、挿入部が容易にキャビティ内に挿入され、プラスチ
ック母材が母材供給手段によりキャビティ内に挿入され
る。次いで、加圧手段により所定圧力が加えられ、加熱
・冷却手段により所定温度が加えられてキャビティ内に
樹脂内圧力が発生し、金型の鏡面が挿入部に転写される
とともにプラスチック母材とプラスチックフィルムとが
接合され、所定温度勾配で徐冷される。したがって、挿
入部に応力を加えることなく金型の鏡面が高精度に転写
される。
【0038】また、プラスチック母材およびプラスチッ
クフィルムの接合後、支持部が切断手段により切断さ
れ、成形品が取り出し手段により取り出される。したが
って、プラスチックフィルムおよびプラスチック母材が
金型内に自動的に連続挿入されるとともに成形品が取り
出されるため、生産性が向上され品質が安定化される。
請求項16記載の発明では、射出成形金型のキャビティ
の容積よりも大きい容積を有し、少なくとも1つ以上の
鏡面を有する1つ以上のキャビティを有するエージング
金型が準備され、該エージング金型のキャビティ内に、
複数個のプラスチック母材と該母材同士を分離する複数
個の隔離部材とが同時に挿入されてエージングが行なわ
れる。
【0039】したがって、エージング金型が加熱されて
プラスチック母材に樹脂内圧が発生されて溶融される
と、各隔離部材によって区画された各母材はそれぞれの
重量に応じた分割キャビティ容積となり、隔離部材によ
って区画される各母材の内圧がキャビティ全体で一定と
なる。このため、各母材にバラツキが発生していてもそ
れぞれの母材同士で打ち消し合って平均値に近づく。こ
のため、プラスチック母材を徐冷して樹脂の熱変形温度
以下で金型から取り出したときに、圧力のバラツキが生
じないので、成形品にひけ等の鏡面転写不良等が発生す
ることがない。この結果、プラスチック母材の重量を厳
密に管理する必要がないとともに、1つのエージング金
型から多数個の成形品が取り出され、高精度なプラスチ
ック成形品が得られるとともに、該成形品の生産性が向
上する。また、1つのキヤビティに多数個の母材を挿入
してエージングすることができるので、エージング金型
を小型化される。
【0040】請求項17記載の発明では、隔離部材とし
てプラスチック母材よりも熱変形温度が高いものを用い
られる。したがって、エージング金型が加熱されてプラ
スチック母材が溶融される際に隔離部材に母材が溶着す
ることがなく、該隔離部材を介してプラスチック母材が
結合することがない。したがって、エージング後に多数
個の成形品が金型から確実に分離されて取り出され、プ
ラスチック成形品の歩留りが低下することがない。請求
項18記載の発明では、隔離部材として厚さが0、1〜100
μmのものが用いられる。このようにするのは、プラス
チック母材が接合されずに金型から分離されて取り出す
ことができればよいからである。したがって、予め薄い
隔離部材をプラスチック母材に接着させたりすること等
によって金型に挿入すれば、キャビティ内における隔離
部材の占有容積が低減され、隔離部材に多少の肉厚のバ
ラツキがあっても必要とする樹脂内圧が安定して発生さ
れる。したがって、金型の小型化あるいは同一キャビテ
ィで多数個の成形品の取り出しを可能にしつつ、高精度
な成形品が得られる。
【0041】請求項19記載の発明では、隔離部材とし
て厚さが0、5mm以上の金属から構成されたものが用いら
れ、該隔離部材の長手方向両端部がエージング金型に摺
接するようになっている。したがって、隔離部材がキャ
ビティ内で摺動されてキャビティ全体で均一な樹脂内圧
が安定して発生され、高精度な成形品が得られる。ま
た、隔離部材が金型と同様に金属であるので、この隔離
部材の熱伝導性を利用して該隔離部材によって区画され
たキャビティ内の温度分布が一様になり、均一な成形品
が得られる。
【0042】請求項20記載の発明では、隔離部材とし
て互いに剥離性が高い部材が用いられ、各プラスチック
母材の間に該剥離部材が2枚設けられる。したがって、
隔離部材とプラスチック母材が一体的にキャビティ内に
挿入され、挿入作業が容易に行なわれて生産性が向上す
る。そして、エージング後に隔離部材同士を剥離するこ
とによってプラスチック部材同士が容易に分離される。
【0043】請求項21記載の発明では、エージング金
型内にプラスチック母材と隔離部材とが隣接されて交互
に挿入されるとともに、隣接方向両端部のプラスチック
部材に該母材と同型状の模型が用いられる。このように
するのは、プラスチック母材の形状や徐冷速度等によっ
てキャビティ内の各プラスチック母材が均一に製造され
ないような事態が発生するのを防止するためであり、こ
の傾向は、特にプラスチック母材の隣接方向両端部と中
央部とで顕著になる。したがって、隣接方向両端部に模
型を挿入して、プラスチック母材をエージングすること
によって各母材にバラツキが生じることが防止されて均
一な成形品が得られる。
【0044】請求項22記載の発明では、プラスチック
母材および隔離部材の隣接方向両端部のエージング金型
の壁部の熱伝導率および厚さが隔離部材の熱伝導率およ
び厚さと同等の材質のものから構成されるとともに、該
壁部に隣接する部分の熱伝導率および厚さがプラスチッ
ク母材の熱伝導率および厚さと同等の材質のものから構
成され、該エージング金型内にプラスチック母材と隔離
部材が隣接されて交互に挿入されることにより、エージ
ングが行なわれる。したがって、エージングする度にキ
ャビティ内に模型を挿入する作業が不要になり、成形品
の生産性が向上する。
【0045】請求項23記載の発明は、表面に金属反射
膜が被膜されたプラスチックフィルムが準備され、プラ
スチックフィルムの金属反射膜側が複数の鏡面に接触さ
れ、プラスチック母材が該フィルムの背面に位置するよ
うにしてプラスチックフィルムおよびプラスチック母材
がエージング金型のキャビティに挿入される。したがっ
て、一度に多数のプラスチックミラーが容易に製造さ
れ、高精度なプラスチックミラーが低コストでかつ大量
に製造される。
【0046】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜図6は本発明に係るプラスチックミラーの製造方法
の第1実施例を実施するプラスチックミラー製造装置の
一実施例を示す図である。まず、構成を説明する。
【0047】図1〜図6において、10はプレス装置であ
り、プレス装置10は一対の上ダイス11および下ダイス12
からなり、上下ダイス11、12間に所定圧力を加えるよう
になっている。20は金型であり、金型20は互いの位置を
合わせる位置決め部25、26(図2、図3中に示す)が設
けられた一対の上型21および下型22からなり、上下型2
1、22は、上下ダイス11、12の対向する面側に固定さ
れ、金型20は上下型21、22の対向する面を合わせること
により鏡面23が形成された複数のキャビティ24を画成す
る。この金型20のキャビティ24は図示していない真空装
置に通路(図示していない)を介して連通しており、キ
ャビティ24内の空気が前記真空装置により真空引きされ
るようになっている。また、この金型20はプレス装置10
により型締めされ、キャビティ24に所定の圧力が加えら
れて、例えば振動加圧され、開放されるようになってい
る。すなわち、プレス装置10は金型20の型締め・開放手
段および加圧手段を構成している。また、このプレス装
置10は、例えば棒ヒータまたは電熱線等の熱媒と、水お
よび油等の冷媒と、を備え、所定の温度勾配で金型20を
加熱および冷却する加熱・冷却手段13が設けられてお
り、金型20を所定の温度条件で加熱し、徐冷するように
なっている。
【0048】31はプラスチック母材であり、プラスチッ
ク母材(以下、単に母材ともいう)31は、例えばアクリ
ル樹脂、ポリカーボネィト樹脂、およびアモルファスポ
リオレフィン等の非晶質樹脂からなり、キャビティ24が
画成する空間と同等な略最終形状に形成されている。こ
の母材31は、図3に示す母材供給装置40により金型20の
キャビティ24内に挿入されるようになっている。
【0049】この母材31の略最終形状の加工は、射出成
形により形成するのが生産性おいて適しており、金型20
を用いて母材31を成形してもよいが、金型20の鏡面23が
凹状に形成されているので、この母材31の鏡面23に対応
する面を鏡面23の曲率半径よりも大きな曲率半径の凸状
に形成するよう別に鏡面23の曲率半径よりも大きな曲率
半径を有する母材成形金型を準備し、その母材成形金型
のキャビティ内に溶融した非晶質樹脂を射出し熱変形温
度以下まで冷却して母材31を形成する方が好ましい。こ
の母材31は再度金型20内で溶融され徐冷されるため、母
材31の成形では歪みを発生させないように徐冷する必要
はなく、迅速に母材31を形成することができる。なお、
母材31を射出成形する際の母材成形金型の温度は射出す
る非晶質樹脂の熱変形温度以下に保持することにより作
業時間がより短縮されることはいうまでもない。また、
母材31を旋盤等により機械的加工で形成してもよいこと
はいうまでもない。
【0050】32はプラスチックフィルムであり、プラス
チックフィルム(以下、単にフィルムともいう)32は母
材31との接合性に優れた非晶質樹脂からなり、一面側
に、例えば無電解メッキによりアルミニウムが被覆され
金属反射膜33が形成されている。このフィルム32には、
図2に示すように、金型20の鏡面23数に対応してその鏡
面23を転写する挿入部27と、該挿入部37を支持する支持
部38と、金型20の位置決め部25に係合して挿入部37と鏡
面23との位置を合わせる係合部39と、が複数設けられて
おり、フィルム32を所定量送り連続して挿入部37をキャ
ビティ24内に挿入されるるようになっている。
【0051】このフィルム32および母材31は、フィルム
32の挿入部37の金属反射膜33を金型20の鏡面23に接する
ように挿入されるとともに挿入部37の金属反射膜33の背
面側が母材31となるように挿入され、その金型20をプレ
ス装置10の型締め・開放手段が型締し、図4に示すよう
に、加熱・冷却手段13がガラス転移点以上に加熱溶融す
るか、ガラス転移点前後に加熱するとともに加圧手段が
振動加圧して、キャビティ24内部に樹脂内圧を発生さ
せ、金型20の鏡面23を挿入部37の金属反射膜33に転写
し、図5に示す成形品30を形成するようになっている。
また、フィルム32の挿入部37は、金型20の鏡面23を金属
反射膜33の転写する転写精度を上げるため、図3に示す
成形装置50により変形可能な温度に加熱され、プレス成
形により金属反射膜33側が予め金型20の鏡面23形状と略
同等に形成されるようになっている。
【0052】また、このフィルム32の熱変形温度は母材
31と同等以上が好ましく、また母材31と同一材料の非晶
質樹脂で構成することにより、図6に示すように、母材
31と一体化することができ、より好ましいことはいうま
でもない。なお、金属反射膜33はスパッタリングや蒸着
によりフィルム32に着膜してもよいが、製造コストおよ
び量産性から無電解メッキにより金属反射膜33を被覆す
る方が有利である。また、この金属反射膜33は金型20の
鏡面23と同面積以下にする必要があるが、これには同面
積以上に金属反射膜33を作製後、金型20の鏡面23と同形
状、同面積以下となるように打ち抜いて使用する手段を
用いることができる。
【0053】図3において、前記母材供給装置40は金型
20の母材31を供給する母材供給手段を構成しており、金
型20の下型22に設けられた位置決め部25に係合する係合
孔41が設けられている。この母材供給装置40は係合孔91
が位置決め部25に係合することにより金型20との位置を
合わせ、吸引手段(図示していない)等により保持して
いる母材31を挿入部37上に載置するようになっている。
また、この母材供給装置40に保持する母材31を加熱する
加熱手段を設けてもよい。
【0054】前記成形装置50はフィルム32の挿入部37を
予め成形する成形手段を構成しており、上下ダイス51、
52からなっている。この上下ダイス51、52の対向する面
は金型20の鏡面23形状に形成され、上ダイス51側が凸
状、下ダイス52側が凹状に形成されている。この成形装
置50は、上下ダイス51、52を所定温度に保持する加熱部
53、54を備え、上下ダイス51、52の対向する面間に挿入
部37を挟み、変形可能な温度に加熱して互いの面を合わ
せるように所定圧で押圧することにより歪みを与えずに
挿入部37をプレス成形するようになっている。
【0055】60は切断装置であり、切断装置60は一対の
刃61を有しており、下降してフィルム32の支持部38を切
断しフィルム32から挿入部37を切り離す切断手段を構成
している。70は成形品取り出し装置であり、成形品取り
出し装置70は、成形品30の金属反射膜33を傷つけないよ
う保持する保持部71とその成形品30を所定の位置まで移
送して排出する移送部72からなり、成形品取り出し手段
を構成している。
【0056】75はフィルム供給装置であり、フィルム供
給装置75は、コントローラの信号に基づいて転写部37が
切断された所定量のフィルム32を巻き取り、フィルム32
の挿入部37を金型20の鏡面位置に搬送するフィルム供給
手段を構成している。前記コントローラは、CPU、メ
モリ及びI/O回路等からなり、その内部メモリに予め
格納した制御プログラムに従い、図示していないセンサ
群が検出する金型20のキャビティ24内の温度および圧力
の情報やフィルム32の挿入部37の位置の情報等に基づい
て、プレス装置10、母材供給装置40、成形装置50、切断
装置60、成形品取り出し装置70、およびフィルム供給装
置75の駆動を制御するようになっている。
【0057】次いで、作用を説明する。まず、フィルム
供給装置75がフィルム32を所定量巻き取り挿入部37を成
形装置50の上下ダイス51、52間の所定位置に搬送し、成
形装置50がその挿入部37を変形可能な温度に加熱して金
型20の鏡面23形状と略同等にプレス成形する。次いで、
母材31の熱変形温度以下になるように金型20を加熱・冷
却手段13により加熱しておき、フィルム32の係合部39を
金型20の位置決め部25に係合させ、挿入部37の金属反射
膜33が金型20の鏡面23に接するように挿入部37を金型20
内に挿入する。次いで、係合孔41に金型20の位置組め部
25が係合するよう母材供給装置40が移動し、保持してい
る母材31を移送して挿入部37上に載置し、フィルム32の
挿入部37と母材31を金型20のキャビティ24内に挿入す
る。その後、母材供給装置40は母材31をキャビティ64内
に挿入した後原点位置に戻る。
【0058】次いで、プレス装置10の上下ダイス11、12
を駆動させ金型20を型締めする。このときの型締め圧
は、母材31を溶融させたときの樹脂内圧に耐える圧力で
よく金型20や金型20の鏡面23を変形させない圧力とす
る。次いで、前記真空装置によりキャビティ24内を真空
引きしながら金型20を加熱・冷却手段13が母材31のガラ
ス転移点以上に加熱溶融するか、あるいはガラス転移点
付近まで加熱してプレス装置10により振動加圧して、図
4に示すように、樹脂内圧を発生させる。金型20のキャ
ビティ24内部の樹脂内圧により挿入部37の金属反射膜33
に金型60の鏡面23を転写し、母材31と挿入部37を接合す
る。母材31が溶融してキャビティ64内部が所定圧に達し
た後、前記真空装置を停止させ、加熱・冷却手段13がキ
ャビティ24内部に温度および圧力の不均一が発生しない
よう徐冷し、成形品30を成形する。キャビティ24内部が
略大気圧となり、母材31の熱変形温度以下に達したら、
プレス装置10が上下ダイス11、12を上下に駆動して金型
20を開放する。この冷却速度は、金型20の大きさ、キャ
ビティ24の形状、および母材31の材質等によって左右さ
れる。ここで、母材31にポリカーボネィトを用いた場合
には、ガラス転移点は145℃前後、熱変形温度は13
5℃前後であるため、金型20の加熱温度は145℃〜1
80℃程度が適当である。
【0059】次いで、金属反射膜33に金型20の鏡面23を
転写した挿入部37と母材31が接合された成形品30を切断
装置60の下方の所定位置まで搬送し、成形品取り出し装
置70の保持部71が成形品30の金属反射膜33を傷つけない
よう保持しつつ、切断装置60が下降してフィルム32の支
持部38を切断する。その成形品30を成形品取り出し装置
70が所定位置に排出し、フィルム供給装置75が挿入部37
が切断されたフィルム32を巻き取る。
【0060】このように本実施例おいては、金型20の鏡
面23に対応する面が鏡面23の曲率半径よりも大きな曲率
半径の略最終形状に加工された母材31およびフィルム32
の挿入部37を金型20内に挿入し、母材31を鏡面23にフィ
ルム32を介して密着させて母材31を溶融し、キャビティ
24内に樹脂内圧を発生させ、樹脂内圧によって金型20の
鏡面23を挿入部37の金属反射膜33に転写するので、金属
反射膜33の膜厚が不均一なものであっても金型20の鏡面
23を高精度に転写することができる。さらに、母材31お
よびフィルム32に転写性のよい非晶質樹脂を用いるた
め、金型20の鏡面23を高精度に転写することができ、フ
ィルム32と母材31との密着性および接合性を向上させる
ことができる。また、母材31およびフィルム32を同一材
料とすれば母材31とフィルム32とを一体化して応力、温
度および湿度等による影響を少なくすることができる。
【0061】そして、樹脂内圧が所定圧力に達した後、
熱変形温度以下までキャビティ24内の温度および圧力が
不均一にならないように徐冷するので、歪みおよび応力
を発生させることなく母材31とフィルム32とを接合する
ことができ、フィルム32の変形を防止することができ
る。また、母材31およびフィルム32の挿入部37を金型20
内に挿入する前に、挿入部37を予め変形可能な温度に加
熱して金属反射膜33を金型20の鏡面23と略同様になるよ
う加工して母材31および挿入部37を金型20内に挿入する
ので、挿入部37の金型20内の挿入が容易になり、金型20
の鏡面23を金属反射膜33に転写する転写精度をより向上
させることができる。
【0062】さらに、キャビティ24内を真空引きしなが
ら母材31を溶融させてキャビティ24内に樹脂内圧を発生
させるので、フィルム32と母材31との間に空気等が入
り、金型20の鏡面23を転写する転写精度が低下してしま
うことを防止する。また、金属反射膜33は膜厚を均一に
するため、通常、蒸着あるいはスパッタリングで着膜す
るが、膜厚が不均一であっても金型20の鏡面23を高精度
に転写することができるので、低コストな無電解メッキ
を用いて金属反射膜33を形成することができる。
【0063】また、フィルム供給装置75がフィルム32の
挿入部37を、母材供給装置40が母材31をキャビティ24内
に挿入し、母材31および挿入部37を接合し成形品30を成
形した後、切断装置60がフィルム32の支持部38を切断
し、成形品取り出し装置70が成形品30の金属反射膜33を
傷つけないように所定位置に排出する。そのため、人の
手を加えることなく連続的に高精度な鏡面を有する成形
品30を成形することができ、安定した品質で生産性を向
上することができる。
【0064】また、金属反射膜33はフィルム32の全面に
形成しないで挿入部37のみに形成してもよいことからミ
ラー形状に対応して形成することができる。次に、図7
は本発明に係るプラスチックミラーの製造方法の第2実
施例を示す図であり、本実施例では、上述実施例と同様
の構成には、同一の符合を付してその説明を省略する。
なお、本実施例は請求項5記載の発明に対応している。
【0065】図7において、34は接着層であり、接着層
34はフィルム32の金属反射膜33の背面側に塗布され、母
材31とフィルム32とを接合するものであり、この接着層
34は母材31とフィルム32間に挟まれて金型20に挿入さ
れ、母材31のガラス転移点付近まで加熱されることによ
り母材31およびフィルム32を接合する。この接合層34は
母材31のガラス転移点付近まで加熱されることにより熱
硬化して母材31およびフィルム32を接着する熱効果反応
タイプあるいは加熱されることによりメルトし冷却され
ることにより母材31およびフィルム32を接着するホット
メルトタイプの接着剤である。
【0066】本実施例では、上述実施例の効果に加え、
接着層34により母材31とフィルム32とを接合するので、
フィルム32および母材31の材質に互いに異なるものを使
用することができ、さらにフィルム32と母材31との密着
性および接合性をより向上することができる。なお、こ
の接着層34は母材31のフィルム32接着面側に塗布しても
同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0067】図8は本発明に係るプラスチックミラーの
製造方法の第3実施例を示す図であり、本実施例では、
上述実施例と同様の構成には、同一の符合を付してその
説明を省略する。なお、本実施例は請求項6、7記載の
発明に対応している。図8において、81は母材であり、
母材81は、例えばガラス繊維、炭素繊維、またはマイカ
等の強化充填材85からなる非晶質プラスチック複合材料
であり、強度およびヤング率が向上したものである。ま
た、この母材81は略最終形状に形成されている。
【0068】82はフィルムであり、フィルム82は母材81
のベースとなる非晶質樹脂から構成され、厚みが50μ
m〜800μmに形成されたものである。このフィルム
82の一面側には金属反射膜83が被覆されており、金型20
の鏡面23の形状を転写するようになっている。母材81お
よびフィルム82は金型20内に挿入され鏡面23を転写し、
同図(a)に示すように、強度およびヤング率が向上し
た高精度な鏡面を有する成形品80を形成する。
【0069】本実施例では、上述実施例の効果に加え、
母材81に強化充填材85からなる非晶質プラスチック複合
材料を用いるので、取り付けられるハウジング等との膨
張係数の違いにより母材81に応力が加えられ形状変形し
てしまうことを防止することができ、金属反射膜83の鏡
面形状の変形を防止することができる。また、フィルム
82に50μm〜800μmの厚さのものを用いるので、
同図(b)に示すように、50μm未満のフィルム82a
を用いたときに発生してしまう金型20内の挿入時に機械
的応力および加熱時の熱応力により金属反射膜83に皺が
よる等の変形や、母材81の強化充填材85が金属反射膜83
付近までが露出して金属反射膜83の鏡面形状に影響を与
えてしまうことを防止することができる。また、同図
(b)に示すように、800μmを越えるフィルム82b
を用いたときに発生してしまう形状変形が難しいため金
型20の鏡面23を転写する際に金属反射膜83に皺がよった
りひびが入ることや、母材81との熱収縮率の差により応
力歪みが発生して転写精度が低下してしまうことを防止
することができる。
【0070】図9は本発明に係るプラスチックミラーの
製造方法の第4実施例を示す図であり、本実施例では、
上述実施例と同様の構成には、同一の符合を付してその
説明を省略する。なお、本実施例は請求項10、11記
載の発明に対応している。図9において、91は母材、92
はフィルムであり、母材91は非晶質樹脂からなり、フィ
ルム92は母材91と接合性のよい非晶質樹脂から構成され
ており、母材91およびフィルム92の互いに接する面の表
面は所定の表面粗さの粗面となるように物理的処理ある
いは化学的処理が為されている。また、フィルム92の一
面側には、例えはSiO2 からなる保護膜96により保護
された金属反射膜93が形成されている。この母材91およ
びフィルム92は接合して成形品90を形成する。
【0071】本実施例では、上述実施例の効果に加え、
母材91およびフィルム92の互いに接する面の表面を所定
の表面粗さの粗面にするので、フィルム92と母材91との
密着性および接合性をより向上することができる。ま
た、金属反射膜93の表面に保護膜96を形成するので、金
属反射膜93の機械的および経時的劣化を防止することが
できる。なお、本実施例では母材91およびフィルム92の
互いに接する面の表面を所定の表面粗さの粗面にしてい
るが、どちらか一方でもよいことはいうまでもない。
【0072】図10、11は本発明に係るプラスチック
成形品の製造方法の第1実施例を示す図であり、請求項
16、17、19に対応している。まず、構成をを説明
する。図10において、101は固定側の上側金型、102は
可動側の側金型であり、該金型101、102にはそれぞれ表
面に鏡面103a〜105aが形成された鏡面駒103〜105およ
び鏡面106a〜108aが形成された鏡面駒106〜108が摺動
自在に設けられている。
【0073】また、金型101、102の間には中間部材109
a、109bが設けられており、この中間部材109a、109
bは可動側の下側金型102と共に可動するようになって
いる。なお、この中間部材109a、109bおよび金型10
1、102はエージング金型を構成している。また、金型10
1、102および中間部材109a、109bによって画成される
空間部にはキャビティ110が画成されており、このキャ
ビティ110は図示しない射出成形金型のキャビティより
も大きな容積に形成されている。そして、このキャビテ
ィ110には図11に示すように複数個のプラスチック母
材(本実施例では3つ)111a〜111cと該母材111a〜111
c同士を分離する複数個の隔離部材(本実施例では2つ)
112a、112bとが同時に挿入されるようになっている。
【0074】プラスチック母材111a、111bとしては熱
可塑性樹脂として非晶質樹脂に属するもの、例えばPM
MAが用いられている。また、隔離部材112a、112bと
しては金型材として多用され、金型材と同等の熱膨張係
数を有するとともに、母材111a〜111cよりも熱変形温
度が高い鉄系のNAK55が用いられており、この隔離
部材112a、112bは厚さが0、5mm以上に形成され、その
長手方向両端部が金型101、102に摺接するようになって
いる。
【0075】次にプラスチック成形品の製造方法につい
て説明する。まず、樹脂の熱変形温度以下の温度に保持
された射出成形金型のキャビティに溶融樹脂を射出して
一定重量のプラスチック母材111a〜111cを製造する。
次いで、図11に示すようにプラスチック母材111a〜1
11cの間に隔離部材112a、112bを挟み込んで隣接させ
た後、キャビティ110内に挿入して金型101、102を型閉
じ、型締めする。このとき、隔離部材112a、112bの長
手方向両端部はそれぞれ金型101、102との距離が数μm
程度に維持され、母材111a〜111cの隣接方向に摺動す
るようになっている。
【0076】次いで、金型101、102をPMMAのガラス
転移温度以上の温度である140℃に加熱にする。このた
め、母材111a〜111cが溶融、膨張してそれぞれ内圧を
発生する。このとき、隔離部材112a、112bが隣接方向
に摺動しない場合には、発生する内圧は母材111a〜111
cの重量とキャビティ110の容積で決定されるが、本実
施例では、隔離部材112a、112bが母材111a〜111cの
隣接方向に摺動可能になっているため、キャビティ110
全体で発生した内圧が一定となり、各材111a〜111cの
重量に応じた分割キャビティ容積となる。
【0077】このため、圧力がキャビティ110内全体で
均一化し、各母材111a〜111cにばらつきが生じていて
も互いに打ち消しあって平均値に近づく。また、このと
き、隔離部材112a、112bが金型101、102に摺接してい
るため、摺接時に金型101、102に対してばり等が発生す
ることがなく、母材111a〜111cに鏡面駒103〜108の鏡
面103a〜108aが転写される。
【0078】次いで、所定時間徐冷した後、PMMAの
熱変形温度以下である110℃になり、かつ大気圧と略同
等になったときに鏡面駒103〜108を金型101、102に対し
て上方あるいは下方に移動させる。このとき、成形品に
転写された鏡面が傷付けられるのを防止することができ
る。次いで、金型101、102を型開きしてキャビティ110
内から成形品を取り出し、各成形品を隔離部材112a、1
12bから分離する。
【0079】このように本実施例では、射出成形金型の
キャビティの容積よりも大きい容積を有し、複数の鏡面
103a〜108aが形成されたキャビティ110を有するエー
ジング金型を準備し、該エージング金型のキャビティ11
0内に、複数個のプラスチック母材111a〜111cと該母
材111a〜111c同士を分離する複数個の隔離部材112
a、112bとを同時に挿入してエージングを行なってい
るため、エージング金型が加熱されてプラスチック母材
111a〜111cが溶融されると、各隔離部材112a、112b
によって区画された母材111a〜111cをそれぞれの重量
に応じた分割キャビティ容積とすることができ、各母材
111a〜111cにバラツキが発生していてもそれぞれの母
材111a〜111c同士で打ち消し合わせて平均値に近ける
ことができる。 この結果、母材111a〜111cの重量を
厳密に管理するのを不要にすることができるとともに、
1つのエージング金型から多数個の成形品を取り出すこ
とができ、高精度なプラスチック成形品を得ることがで
きるとともに、該ミラーの生産性を向上させることがで
きる。また、1つのキヤビティ110に多数個の母材111a
〜111cを挿入してエージングすることができるので、
エージング金型を小型化することができる。
【0080】また、隔離部材112a、112bとして厚さが
0、5mm以上の金属から構成されたものを用い、該隔離部
材112a、112の長手方向両端部を金型101、102に摺接す
るようしているため、隔離部材112a、112bをキャビテ
ィ内110で摺動させてキャビティ110全体で均一な樹脂内
圧を安定して発生させることができ、高精度な成形品を
得ることができる。また、隔離部材112a、112bを金型
101、102と同様に金属で構成しているため、隔離部材11
2a、112の熱伝導性を利用して該隔離部材112a、112b
によって区画されたキャビティ内の温度分布を一様にす
ることができ、均一な成形品を得ることができる。
【0081】また、隔離部材112a、112bとしてプラス
チック母材111a〜111cよりも熱変形温度が高い金属を
用いているため、エージング金型が加熱されてプラスチ
ック母材111a〜111cが溶融される際に隔離部材112
a、112bに母材111a〜111cが溶着するのを防止する
ことができ、該隔離部材112a、112bを介して母材111
a〜111cが結合するのを防止することができる。した
がって、エージング後に多数個の成形品を金型から確実
に分離して取り出すことができ、プラスチック成形品の
歩留りが低下するのを防止することができる。
【0082】なお、本実施例では、母材111a〜111cに
PMMAを用いているが、これに限らず熱可塑性樹脂で
非晶質のものであれば何でもよい。このようなものとし
ては、ポリスチレン、ポリカーボネイト、アモルファス
ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド等がある。また、隔離
部材としては、アルミニウムおよびその合金、鉄および
その合金、銅およびその合金等の金属であっても良い。
このような金属を用いれば、加工が容易な上に再使用が
可能で、さらに、フィルム化も容易に達成できる点で効
果的である。
【0083】また、金属の他にSiC、Si、Al
23、Zr23等のセラミックス等を用いても良い。ま
た、このような金属に限らず、紙、コーティング紙、油
紙等でも良く。樹脂でも良い。樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、12ナイロ
ン、6ナイロン等のポリアミド、PET、PBT等のポ
リエステル、四フッ化エチレン等のフッ素樹脂、ポリイ
ミド樹脂、PPS、ポリウレタン、液晶ポリマー、ポリ
スチレン、ポリカーボネイト等の非晶質樹脂であっても
良い。
【0084】また、エポキシ樹脂、アリル樹脂、ユリア
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは上述
した非晶質樹脂あるいは熱硬化性樹脂にガラス繊維、カ
ーボン繊維等の強化材やタルク、マイカ、炭酸カルシウ
ム等の充填材を混入したもの、あるいは光硬化性樹脂で
あっても良い。図12、13は本発明に係るプラスチッ
ク成形品の製造方法の第2実施例を示す図であり、請求
項16に対応している。なお、本実施例はポリゴンミラ
ーを製造するものに適用した例である。
【0085】図12において、121は固定側の上側金
型、122は可動側の下側金型であり、下側金型122には表
面に鏡面123a、124aを有する鏡面駒123、124が摺動自
在に設けられている。これら金型121、122はエージング
金型を構成し、各金型121、122および鏡面駒123、124に
よって画成される空間部にはキャビティ125が形成され
ている。また、下側金型122には先端部がキャビティ125
内に突出するピン126が摺動自在に設けられており、こ
のピン126には図13(a)に示すように複数のプラスチ
ック母材127および隔離部材128の内周部が嵌挿されるよ
うになっている。
【0086】本実施例では、プラスチック母材127にポ
リカーボネイトを用い、隔離部材128にテフロン板の内
周部を打ち抜いたものを用いている。本実施例では、射
出成形工程で略最終形状に成形されたプラスチック母材
127を隔離部材128によって仕切った後、それぞれの内周
部にピン126を挿入してキャビティ125内に挿入した後、
金型121、122を型閉め、型閉じする。次いで、金型12
1、122をポリカーボネイトのガラス転移温度以上の温度
である160℃に加熱にする。このため、母材127が溶融、
膨張してそれぞれ内圧を発生する。このとき、隔離部材
128が母材127の隣接方向に摺動してキャビティ125全体
で発生した内圧が一定となり、各母材127の重量に応じ
た分割キャビティ容積となる。
【0087】このため、圧力がキャビティ125内全体で
均一化し、各母材127にばらつきが生じていても互いに
打ち消しあって平均値に近づき、鏡面駒123、124の鏡面
123a、124aが転写される。そして、所定時間冷却して
ボリカーボネイトの熱変形温度以下である110℃にな
り、かつ大気圧と略同等になったときに、各母材127か
らモータシャフト126を引き抜くとともに、成形品に転
写された鏡面が傷付けられるのを防止する鏡面駒123、1
24を金型121、122に対して左右方向に移動させる。次い
で、金型121、122を型開きしてキャビティ125内から成
形品を取り出し、各成形品を隔離部材128から分離して
複数の成形品に分割する。このため、図13(b)に示す
ようなポリゴンミラー129が得られる上に、第1実施例
と同様の効果を得ることができる。
【0088】また、本実施例では、母材127の内周部を
ピン126に挿入し、このピン126に挿入される内周面を基
準にしているため、金型101、102とピン126の位置関係
は、各鏡面123a、124aの中心軸に対するピン126の平
行度と各鏡面123a、124aに対する角度が一定になれば
良い。このとき、隔離部材128に柔軟なテフロン板を用
いているため、エージング後の成形品の内周面が僅かに
うねっても回転バランス上問題のない限りはポリゴンミ
ラーとして十分に使用することができる。
【0089】なお、本実施例はピン126に挿入される母
材127の内周面を基準にしているが、このようなものに
限定されるものでなく、図14に示すようなものにして
も良い。すなわち、図14に示すものは、内周面に複数
の鏡面131a、132aと、底部に該鏡面131a、132aを有
する略長方形状の溝131b、132bと、が形成され、当接
時にこの溝部131b、132bと共に対向面でキャビティ13
3を画成される上側金型131および下側金型132を設け、
キャビティ133内にピン134を挿通したものである。
【0090】そして、射出成形後に略最終形状に成形さ
れたプラスチック母材(図示略)を隔離部材135で仕切っ
た状態で、かつピン134に挿入した後、該ピン134、母材
および隔離部材135をキャビティ133内に挿入する。そし
て、上記実施例と同様にしてエージングを行なった後、
プラスチック母材からピン134を引き抜いて図14(b)に
示すようなポリゴンミラー136を得る。
【0091】本実施例では、このとき、ピン134に挿入
された母材の内周部を基準にすることができる上に、溝
部の側部(a、bで示す)も基準することができるため、
十分に精度を出すことができる。また、溝部131b、132
bの底部に鏡面131a、132aを設け、この溝部131b、1
32bもキャビティとして構成させているため、プラスチ
ック母材が隔離部材135を介して接する面積を小さくす
ることができる。このため、隔離部材135を小型化する
ことができ、そのコストを低減することができる。その
他の効果は上記各実施例と同様である。
【0092】図15は本発明に係るプラスチック成形品
の製造方法の第3実施例を示す図であり、請求項16、
18に対応している。なお、本実施例は凸レンズを製造
するものに適用した例である。図15(a)において、14
1は上側金型であり、該金型141表面には複数の鏡面141
aが形成されている。また、142は下側金型であり、該
金型142の表面には複数の鏡面142aが形成されている。
そして、これら金型141、142を当接したときに接合面に
はキャビティ143が形成されるようになっており、この
キャビティ143内には図15(b)に示すような複数のプ
ラスチック母材144と複数の隔離部材145が交互に隣接し
て挿入されるようになっている。
【0093】本実施例では、母材144にアモルファスポ
リオレフィンの一種であるZeonex280(日本ゼオン
社製)を用い、隔離部材145に板厚50μmのボリイミドフ
ィルムを用いている。本実施例では、射出成形工程によ
って略最終形状に成形された母材144および隔離部材145
を交互に隣接してキャビティ144に挿入する。次いで、
母材144のガラス転移温度以上である160℃に母材144を
加熱する。このとき、母材144が溶融、膨張してそれぞ
れ内圧を発生する。このとき、隔離部材145が変形して
キャビティ143全体で発生した内圧が一定となり、各母
材144の重量に応じた分割キャビティ容積となる。
【0094】このため、圧力がキャビティ143内全体で
均一化し、各母材144にばらつきが生じていても互いに
打ち消しあって平均値に近づくとともに、母材144に鏡
面141a、142aが転写される。次いで、母材144を該母
材144の熱変形温度以下である120℃になるまで冷却した
後、樹脂内圧が大気圧と略同等になったときに金型14
1、142型開きしてキャビティ143内から成形品を取り出
し、各成形品を隔離部材145から分離して複数の成形品
に分割する。
【0095】本実施例によれば、第1実施例と同様の効
果を得ることができる上に、隔離部材145に板厚50μmの
フィルムを用いているため、キャビティ143の容積を小
さくすることができ、金型141、142を小型化することが
できる。すなわち、隔離部材145は、基本的に母材144同
士が接合しなければ良く、また、接合しても金型141、1
42から取り出した後に容易に分離できれば良いため、薄
くしても良いのである。したがって、隔離部材145を薄
くできれば、キャビティ143の容積を小さくできるので
ある。
【0096】また、このように隔離部材145を薄くする
理由を述べると、キャビティ143内に発生する内圧は隔
離部材が金属の場合は、[キャビティ容積]−[隔離部
材容積]=[分割キャビティ容積]と全母材144の重量
とのバランスによって決定されるが、隔離部材が樹脂の
ような熱膨張係数が大きい場合には、キャビティ容積、
母材重量および隔離部材重量のバランスによって決定さ
れのである。したがって、樹脂の場合には、隔離部材を
できるだけ薄くしないと隔離部材の重量バランスの管理
が必要になるためにできるだけ薄くする必要があり、0、
1μm〜100μmに設定するのが好ましい。
【0097】なお、このように隔離部材として樹脂を用
いる場合には、金属やセラミックスに比べてヤング率が
低いため、厚肉で用いることができないが、フィルム化
が最も容易で、例えばテフロン等に代表されるように接
着性の悪いものは隔離部材として最も好ましい。また、
熱膨張係数が母材と略同等であるため、キャビティへの
挿入が容易な割りには溶融時に母材同士が溶着するのを
防止することができ、冷却後および金型から取り出した
後に膨張の差によって高精度な成形品が歪むのを防止す
ることができ、特に本実施例のように隔離部材145をフ
ィルム化したものは歪みをより効果的に防止する上で好
ましい。
【0098】図16は本発明に係るプラスチック成形品
の製造方法の第4実施例を示す図であり、請求項16に
対応している。なお、本実施例は凸レンズを製造するも
のに適用した例であり、第3実施例と同様の構成には同
一番号を付して説明を省略する。本実施例では、図16
に示すようにプラスチック母材147にポリカーボネイト
を用い、この母材147の外周を光硬化樹脂からなる隔離
部材148によって被膜している。この隔離部材148の板厚
は0、1〜50μm程度に設定されており、このように設定さ
れる理由としては、これよりも薄いと加熱溶融時に母材
147同士が接合してしまう不具合が発生し、それよりも
厚いと均一な被膜を行なうことができないからである。
【0099】本実施例では、このような複数の母材147
をキャビティ143内に隣接して挿入し、ポリカーボネイ
トのガラス転移温度以上である170℃で加熱した後、そ
の熱変形温度以下である130℃まで冷却して母材147をエ
ージングして鏡面141a、142aを転写するようになって
いる。このため、互いの隔離部材148が母材147溶融時の
温度、圧力によって密着して一体化しない限り隔離部材
148が母材147と密着して一体となった成形品となって
も、金型141、142から容易に取り出して分離することが
できる。また、隔離部材148を再使用することがきない
が、母材147と一体的にキャビティ143に挿入することが
できるため、挿入作業を容易に行なうことができる。な
お、本実施例では、隔離部材148の全面を光硬化させて
いるが、母材147同士が接合される部分のみを光硬化さ
せるようにしても同様の効果を得ることができる。ま
た、本実施例では、母材147に薄膜の隔離部材148を被膜
しているため、確実に母材147同士および長手方向両端
部の母材147と金型141、142を隔離することができる。
これに対して、厚肉の隔離部材の場合には、母材と隔離
部材を交互に挿入するため、図11に示すように隔離部
材の数が母材の数よりも1つ少なくなってしまう。本実
施例では、全面被膜であるため、このようなことがな
い。
【0100】図17は本発明に係るプラスチック成形品
の製造方法の第5実施例を示す図であり、請求項20に
対応している。なお、本実施例は凸レンズを製造するも
のに適用した例であり、第3実施例と同様の構成には同
一番号を付して説明を省略する。本実施例では、母材15
1にポリスチレンを用い、隔離部材152として互いに剥離
性が高い紙を用いている。そして、この隔離部材152の
表面に接着層を設け、この隔離部材152を母材151の両側
面に接着している。
【0101】本実施例では、このような複数の母材151
を隔離部材152を介して接着させた後、キャビティ143内
に隣接して挿入し、ボリスチレンのガラス転移温度以上
である125℃で加熱した後、その熱変形温度以下である8
5℃まで冷却して母材151をエージングして鏡面141a、1
42aを転写するようになっいる。このように本実施例で
は、各母材151の間に剥離性の高い剥離部材152を2枚設
けているため、隔離部材152とプラスチック母材151を一
体的にキャビティ143内に挿入することができ、挿入作
業を容易に行なって生産性を向上させることができる。
そして、エージング後に隔離部材152同士を剥離するこ
とによってプラスチック成形品同士を容易に分離するこ
とができる。
【0102】図18は本発明に係るプラスチック成形品
の製造方法の第6実施例を示す図であり、請求項21に
対応している。図18において、171は上側金型、172は
下側金型であり、下側金型172には底面に鏡面172aが形
成された溝172bが形成されている。この金型171、172
は型閉じされたときに対向する金型171、172間でキャビ
ティ173が画成されるようになっており、このキャビテ
ィ173には図示しないプラスチック母材および隔離部材
が隣接されて交互に挿入されるようになっている。
【0103】本実施例では、隔離部材およびプラスチッ
ク母材の挿入時に、プラスチック母材の隣接方向両端部
のプラスチック部材に該母材と同型状の模型の母材174
を挿入してエージングを行なうようになっている。この
ように模型母材174を挿入してエージングを行なうの
は、プラスチック母材の厚さが該母材の隣接方向と直角
方向に薄い場合には問題はないのであるが、該方向に厚
みがある場合には、母材の冷却時に隣接方向中央部に対
して隣接方向両端部の温度分布が異なってしまうからで
ある。これを解消するためには冷却速度を長くすれば良
いのであるが、そのようにすると生産効率が非常に悪化
してしまう。このため、隣接方向両端部に模型母材174
を挿入してエージングを行なえば、冷却時の温度分布に
よるバラツキが発生するのを防止して均一な成形品を得
ることができ、高精度な成形品を得ることができる。
【0104】図19は本発明に係るプラスチック成形品
の製造方法の第7実施例を示す図であり、請求項22に
対応している。図19において、181は上側金型、182は
下側金型であり、下側金型182には底面に鏡面182aが形
成された溝182bが形成されている。この金型181、182
は型閉じされたときに対向する金型181、182間でキャビ
ティ183が画成されるようになっており、このキャビテ
ィ183にはプラスチック母材184および隔離部材185が隣
接されて交互に挿入されるようになっている。
【0105】また、プラスチック母材184および隔離部
材185の隣接方向両端部の下側金型182の壁部には模型隔
離材部182cが形成されており、この模型隔離材部182c
の熱伝導率および厚さは隔離部材185の熱伝導率および
厚さと同等の材質のものから構成されている。また、該
模型隔離材部182cに隣接する部分には模型母材部182d
が形成されており、この模型母材182dの熱伝導率およ
び厚さはプラスチック母材184の熱伝導率および厚さと
同等の材質のものから構成されている。
【0106】本実施例では、このように構成されている
ため、第6実施例と同様に冷却時の温度分布によるバラ
ツキが発生するのを防止して均一な成形品を得ることが
でき、高精度な成形品を得ることができる。これに加え
て、模型隔離部材部182cおよび模型母材部182dが下側
金型182に直接形成されているため、エージングする度
にキャビティ183内に模型を挿入する作業を不要にする
ことができ、均一な成形品を容易に得ることできる。し
たがって、成形品の生産性を向上させることができる。
【0107】図20は本発明に係るプラスチックミラー
の製造方法の第8実施例を示す図であり、請求項23に
対応している。図20(a)において、191は上側金型、1
92は下側金型であり、下側金型192には底面に鏡面192a
が形成された溝192bが形成されている。この金型191、
192は型閉じされたときに対向する金型191、192間でキ
ャビティ193が画成されるようになっており、このキャ
ビティ193には図20(b)に示すようなポリカーボネイ
トからなるプラスチック母材194およびボリイミドフィ
ルムからなる隔離部材195が隣接されて交互に挿入され
るようになっている。
【0108】本実施例では、予め図20(c)に示すよう
に、表面に金属反射膜としてのアルミニウム196が蒸着
されたポリカーボネイトからなるプラスチックフィルム
197を準備し、フィルム197を母材194を、フィルム197の
アルミニウム196が複数の鏡面192aに接触し、母材194
がフィルム197の背面に位置するようにしてキャビティ1
93に挿入してエージングを行なう。なお、このフィルム
197は予め加熱変形させ、鏡面192aに密着するようにす
ることが好ましい。
【0109】そして、エージング終了後に金型191、192
を型開きしてキャビティ193から製品を成形品を取り出
し、フィルム197を切り放して複数の成形品を分離する
ことにより図20(d)に示すようなプラスチックミラー
198を得ることができる。なお、このフィルム197は容易
に切り放せるように予め切抜きを設けたり、打ち抜いた
状態にしても良い。
【0110】本実施例では、このように構成されている
ので、一度に多数のプラスチックミラーを容易に製造す
ることができ、高精度なプラスチックミラーを低コスト
でかつ大量に製造することができる。なお、本実施例で
は、金属反射膜としてアルミニウムを使用しているが、
これに限らず、ニッケル、銅、銀等から構成しても良
い。また、これらに限らず酸化を防ぐためにSiO2
によって保護膜を形成したものでも良い。
【0111】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、金属反射
膜が一面側に形成されたプラスチックフィルムと、最終
形状に形成されたプラスチック母材と、を金型内に挿入
してプラスチック母材を溶融し、キャビティ内に樹脂内
圧を発生させ所定圧力に達した後、熱変形温度以下まで
徐冷するので、歪みおよび応力を発生させることなくプ
ラスチックフィルムとプラスチック母材とを接合するこ
とができ、プラスチックフィルムの変形を防止すること
ができる。さらに、樹脂内圧によって金属反射膜が金型
の鏡面に押圧されるので、金属反射膜の膜厚が不均一な
ものであっても金型の鏡面を高精度に転写することがで
きる。また、金属反射膜を前もってプラスチックフィル
ム上に形成するので、低コストにもかかわらず高精度な
金属反射膜をプラスチックフィルム上に形成することが
できる。
【0112】請求項2記載の発明によれば、金属反射膜
は膜厚を均一にするため蒸着あるいはスパッタリングほ
うで着膜するが、膜厚が不均一であっても金型の鏡面を
高精度に転写することができるので、低コストな無電解
メッキを用いて金属反射膜を形成することができる。請
求項3記載の発明によれば、プラスチック母材に転写性
のよい非晶質樹脂を用いるので、金型の鏡面より高精度
に転写することができる。
【0113】請求項4記載の発明によれば、プラスチッ
ク母材およびプラスチックフィルムに同一材質を用いる
ので、プラスチックフィルムとプラスチック母材との密
着性および接合性を向上することができる。また、プラ
スチックフィルムとプラスチック母材とを一体化するこ
とができ、応力、温度および湿度等による影響を少なく
することができる。
【0114】請求項5記載の発明によれば、プラスチッ
ク母材のプラスチックフィルム接合面側あるいはプラス
チックフィルムの金属膜の背面側の少なくともどちらか
一方に接着層を設け、プラスチック母材とプラスチック
フィルムとを接合するので、プラスチックフィルムとプ
ラスチック母材との密着性および接合性をより向上する
ことができる。
【0115】請求項6記載の発明によれば、プラスチッ
ク母材に等の強化充填材を含む非晶質プラスチック複合
材料を用いるので、応力および温度変化等による鏡面形
状の変形を防止することができる。請求項7記載の発明
によれば、プラスチックフィルムに50μm〜800μ
mの厚さのものを用いるので、50μm未満のプラスチ
ックフィルムを用いたときに発生してしまう金型内に挿
入する時の機械的応力および加熱時の熱応力により金属
反射膜に皺がよる等の変形や、プラスチック母材材料に
よる金属反射膜への影響を防止することができ、800
μmを越えるプラスチックフィルムを用いたときに発生
してしまう金型の鏡面を転写する際の形状変形により金
属反射膜に皺がよったりひびが入ったりすることや、プ
ラスチック母材との熱収縮率の差により歪みが発生して
転写精度を低下させてしまうことを防止することができ
る。
【0116】請求項8記載の発明によれば、プラスチッ
ク母材あるいはプラスチックフィルムの少なくともどち
らか一方を所定温度に予備加熱するので、プラスチック
フィルムに金型の鏡面を転写する際に歪みが発生してし
まうことを防止して転写精度が低下してしまうことを防
止することができる。さらに、成形サイクルを短縮する
ことができる。
【0117】請求項9記載の発明によれば、プラスチッ
クフィルムを予め変形可能な温度に加熱して金型の鏡面
と略同等に成形した後、金型内に挿入するので、プラス
チックフィルムの金型内の挿入が容易になり、金型の鏡
面の転写精度をより向上させることができる。請求項1
0記載の発明によれば、プラスチック母材あるいはプラ
スチックフィルムの互いに接する面の少なくともどちら
か一方の表面を所定の表面粗さの粗面にするので、プラ
スチックフィルムとプラスチック母材との密着性および
接合性をより向上することができる。
【0118】請求項11記載の発明によれば、プラスチ
ックフィルムの金属反射膜の表面に保護膜を形成するの
で、金属反射膜の機械的および経時的劣化を防止するこ
とができる。請求項12記載の発明によれば、金型の位
置決め部に係合部を係合させて挿入部の位置を決め、挿
入部およびプラスチック母材を金型に挿入して金型を型
締めし、プラスチック母材の溶融する前あるいは後に支
持部を切断するので、プラスチックフィルムの挿入部を
金型内に自動供給し、さらに成形品を金型内から自動排
出することができる。また、金属反射膜をプラスチック
フィルム全面に形成しないで挿入部のみに形成してもよ
いことからミラー形状に対応して金属反射膜を形成する
ことができる。したがって、プラスチックフィルムおよ
びプラスチック母材が金型内に自動的に連続挿入すると
ともに成形品を取り出すため、生産性を向上させること
ができ、品質を安定化することができる。
【0119】請求項13記載の発明によれば、キャビテ
ィ内を真空引きしながらプラスチック母材を溶融させて
キャビティ内に樹脂内圧を発生させ、プラスチック母材
およびプラスチックフィルムを接合するので、プラスチ
ックフィルムとプラスチック母材との間に空気等が入
り、金型の鏡面を転写する転写精度が低下してしまうこ
とを防止することができる。
【0120】請求項14記載の発明によれば、前記プラ
スチック母材のプラスチックフィルムと接する面を、前
記金型の鏡面形状が凸状に形成されているときには鏡面
の曲率半径より小さな曲率半径に、逆に鏡面形状が凹状
に形成されているときには鏡面の曲率半径より大きな曲
率半径に形成するので、プラスチック母材およびプラス
チックフィルムを金型内に挿入し、その金型を型締めし
たときプラスチック母材のプラスチックフィルムに接す
る面が鏡面にプラスチックフィルムを介して密着させる
ことができ、金型の鏡面の転写精度をより向上させるこ
とができる。
【0121】請求項15記載の発明によれば、プラスチ
ックフィルムの挿入部を成形手段が変形可能な温度に加
熱するとともに金型の鏡面形状と略同等に形成して、挿
入部を容易にキャビティ内に挿入することができ、プラ
スチック母材を母材供給手段がキャビティ内に挿入す
る。次いで、加圧手段が所定圧力をその金型に加え、加
熱・冷却手段が所定温度を加えてキャビティ内に樹脂内
圧が発生させ、金型の鏡面を挿入部に転写するとともに
プラスチック母材とプラスチックフィルムとを接合し、
所定温度勾配で徐冷する。したがって、挿入部に応力を
加えることなく金型の鏡面を高精度に転写することがで
きる。
【0122】また、プラスチック母材およびプラスチッ
クフィルムの接合後、支持部を切断手段が切断し、成形
品を取り出し手段が取り出す。したがって、プラスチッ
クフィルムおよびプラスチック母材を金型内に自動的に
連続挿入するとともに成形品を取り出すため、生産性を
向上させることができ、品質を安定化することができ
る。
【0123】請求項16記載の発明によれば、各母材に
バラツキが発生していてもそれぞれの母材同士で打ち消
して平均値に近づけることができ、プラスチック母材を
徐冷して樹脂の熱変形温度以下で金型から取り出したと
きに、圧力のバラツキが生じるのを防止して、成形品に
ひけ等の鏡面転写不良等が発生するのを防止することが
できる。この結果、プラスチック母材の重量を厳密に管
理するのを不要にすることができるとともに、1つのエ
ージング金型から多数個の成形品を取り出すことがで
き、高精度なプラスチック成形品を得ることができると
ともに、該ミラーの生産性を向上させることができる。
また、1つのキャビティに多数個の母材を挿入してエー
ジングすることができるので、エージング金型を小型化
することができる。
【0124】請求項17記載の発明によれば、エージン
グ金型を加熱してプラスチック母材を溶融する際に隔離
部材に母材が溶着するのを防止することができ、該隔離
部材を介してプラスチック母材が結合するのを防止する
ことができる。このため、エージング後に多数個の成形
品を金型から確実に分離して取り出することができ、プ
ラスチック成形品の歩留りが低下するのを防止すること
ができる。
【0125】請求項18記載の発明によれば、キャビテ
ィ内における隔離部材の占有容積を低減することがで
き、隔離部材に多少の肉厚のバラツキがあっても必要と
する樹脂内圧を安定して発生させることができる。この
ため、金型の小型化あるいは同一キャビティで多数個の
成形品の取り出しを可能にしつつ、高精度な形成品を得
ることができる。
【0126】請求項19記載の発明によれば、隔離部材
をキャビティ内で摺動させてキャビティ全体で均一な樹
脂内圧を安定して発生させることができ、高精度な成形
品を得ることができる。また、隔離部材を金型と同様に
金属から構成しているため、隔離部材の熱伝導性を利用
して該隔離部材によって区画されたキャビティ内の温度
分布を一様にすることができ、均一な成形品を得ること
ができる。
【0127】請求項20記載の発明によれば、隔離部材
とプラスチック母材を一体的にキャビティ内に挿入し
て、挿入作業を容易に行うことができ、生産性を向上さ
せることができる。そして、エージング後に隔離部材同
士を剥離することによってプラスチック成形品同士を容
易に分離することができる。請求項21記載の発明によ
れば、プラスチック母材の隣接方向両端部と中央部とに
温度のバラツキが発生するのを防止することができ、均
一な成形品を得ることができる。
【0128】請求項22記載の発明によれば、エージン
グする度にキャビティ内に模型を挿入する作業を不要に
することができ、成形品の生産性を向上させることがで
きる。請求項23記載の発明によれば、一度に多数のプ
ラスチックミラーを容易に製造することができ、高精度
なプラスチックミラーを低コストでかつ大量に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチックミラーの製造方法を
実施するプラスチックミラー製造装置の第1実施例の要
部を示す側断面図である。
【図2】その第1実施例を示す斜視図である。
【図3】その第1実施例の全体構成を示す側面図であ
る。
【図4】その第1実施例を実施した際のキャビティ内の
温度および圧力を示す説明図である。
【図5】その第1実施例により成形された成形品を示す
側面図である。
【図6】その第1実施例により成形された他の成形品を
示す側面図である。
【図7】本発明に係るプラスチックミラーの製造方法の
第2実施例により成形された成形品を示す側面図であ
る。
【図8】本発明に係るプラスチックミラーの製造方法の
第3実施例により成形された成形品を示す側面図であ
る。
【図9】本発明に係るプラスチックミラーの製造方法の
第4実施例により成形された成形品を示す側面図であ
る。
【図10】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第1実施例を示し、その製造方法を達成するための金
型の断面図である。
【図11】第1実施例のプラスチック母材および隔離部
材の構成図である。
【図12】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第2実施例を示し、その製造方法を達成するための金
型の断面図である。
【図13】(a)は第2実施例の金型にプラスチック母材
および隔離部材を挿入した状態を示す図、(b)は成形品
の構成図である。
【図14】第2実施例の他の態様を示す図であり、(a)
はその製造方法を達成するための金型の断面図、(b)は
成形品の構成図である。
【図15】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第3実施例を示し、(a)はその製造方法を達成するた
めの金型の断面図、(b)はそのプラスチック母材および
隔離部材の構成図である。
【図16】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第4実施例を示し、(a)はその製造方法を達成するた
めの金型の断面図、(b)はそのプラスチック母材および
隔離部材の構成図である。
【図17】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第5実施例を示し、(a)はその製造方法を達成するた
めの金型の断面図、(b)はそのプラスチック母材および
隔離部材の構成図である。
【図18】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第6実施例を示し、その製造方法を達成するための金
型の断面図である。
【図19】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第7実施例を示し、その製造方法を達成するための金
型にプラスチック母材および隔離部材を挿入した状態を
示す断面図である。
【図20】本発明に係るプラスチック成形品の製造方法
の第8実施例を示し、(a)はその製造方法を達成するた
めの金型の断面図、(b)はそのプラスチック母材および
隔離部材の構成図、(c)はそのプラスチックフィルムの
構成図、(d)はそのプラスチックミラーの構成図であ
る。
【図21】(a)は従来のプラスチック成形品のエージン
グ金型の断面図、(b)は成形品の構成図である。
【図22】(a)は従来のプラスチック成形品のエージン
グ金型の断面図、(b)は成形品の構成図である。
【符号の説明】
10 プレス装置(密閉・開放手段および加圧手段) 13 加熱・冷却手段 20 金型 23 鏡面 24 キャビティ 25、26 位置決め部 30、80、90 成形品 31、81、91 プラスチック母材 32、82、92 プラスチックフィルム 33、83、93 金属反射膜 34 接着層 37 挿入部 38 支持部 39 係合部 40 母材供給装置(母材供給手段) 50 成形装置(成形手段) 60 切断装置(切断手段) 70 成形品取り出し装置(成形品取り出し手段) 75 フィルム供給機装置(フィルム供給手段) 85 強化充填材 96 保護膜 101、121、131、141、171、181、191 上型金型 102、122、132、142、172、182、192 下型金型 103a〜108a、123a、124a、131a、132a、141a、1
42a、172a、182a、192a 鏡面 110、125、133、143、173、183、193 キャビティ 111a〜111c、127、147、151、184、194 プラスチ
ック母材 112、128、135、145、152、185、195 隔離部材 174 模型母材 196 アルミニウム(金属反射膜) 197 プラスチックフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 11:00 4F

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向配置され、少なくとも1つ以上
    のキャビティを構成する1つ以上の鏡面を有する一対の
    金型と、予め略最終形状に前加工された熱可塑性プラス
    チック母材と、前記金型の鏡面と同面積以下の金属反射
    膜を有するプラスチックフィルムと、を準備し、 プラスチックフィルムおよびプラスチック母材を、該プ
    ラスチックフィルムの金属反射膜側が鏡面に接触し、プ
    ラスチック母材がプラスチックフィルムの金属反射膜の
    背面側に位置するようにキャビティに挿入し、 次いで、金型を型締めし、該金型を加熱してプラスチッ
    ク母材をガラス転移点以上に加熱するか、あるいはガラ
    ス転移点前後で振動加圧してキャビティ内に所定の樹脂
    内圧を発生させて鏡面をプラスチックフィルムの金属反
    射膜に転写し、 次いで、金型を徐冷してプラスチック母材が熱変形温度
    以下になったときにキャビティから取り出すことを特徴
    とするプラスチックミラーの製造方法。
  2. 【請求項2】前記プラスチックフィルムの金属反射膜
    を、無電解メッキ、蒸着あるいはスパッタリングによっ
    て形成することを特徴とする請求項1記載のプラスチッ
    クミラーの製造方法。
  3. 【請求項3】前記プラスチック母材に非晶質樹脂を用い
    ることを特徴とする請求項1記載のプラスチックミラー
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記プラスチック母材およびプラスチック
    フィルムに同一材質を用いることを特徴とする請求項1
    記載のプラスチックミラーの製造方法。
  5. 【請求項5】予め、前記プラスチック母材のプラスチッ
    クフィルム接合面側あるいはプラスチックフィルムの金
    属反射膜の背面側の少なくとも一方側に熱硬化型あるい
    はホットメルト型の接着層を設け、該接着層がプラスチ
    ック母材とプラスチックフィルムとの間になるように前
    記キャビティ内に挿入し、プラスチック母材とプラスチ
    ックフィルムとを接合することを特徴とする請求項1記
    載のプラスチックミラーの製造方法。
  6. 【請求項6】前記プラスチック母材として繊維等の強化
    充填材を含む非晶質プラスチック複合材料を用いること
    を特徴とする請求項1記載のプラスチックミラーの製造
    方法。
  7. 【請求項7】前記プラスチックフィルムに50μm〜8
    00μmの厚さのものを用いることを特徴とする請求項
    1記載のプラスチックミラーの製造方法。
  8. 【請求項8】前記プラスチック母材またはプラスチック
    フィルムの少なくとも一方を予め変形可能な温度に加熱
    した後、キャビティ内に挿入することを特徴とする請求
    項1記載のプラスチックミラーの製造方法。
  9. 【請求項9】前記プラスチックフィルムを予め変形可能
    な温度に加熱した後、前記鏡面形状と略同等の形状に変
    形させ、次いで、前記キャビティに挿入することを特徴
    とする請求項1または8記載のプラスチックミラー製造
    方法。
  10. 【請求項10】前記プラスチック母材あるいはプラスチ
    ックフィルムの互いに接する面の少なくともどちらか一
    方の表面を化学的あるいは物理的処理によって所定の表
    面粗さの粗面にすることを特徴とする請求項1記載のプ
    ラスチックミラーの製造方法。
  11. 【請求項11】前記プラスチックフィルムの金属反射膜
    の表面に保護膜を形成することを特徴とする請求項1記
    載のプラスチックミラーの製造方法。
  12. 【請求項12】前記金型の鏡面に挿入される挿入部と、
    該挿入部近傍に設けられ、挿入部が鏡面上に位置したと
    きに金型に形成された位置決め部に係合される係合部
    と、挿入部を支持する支持部と、を送り方向に連続して
    備えた金属反射膜を有するプラスチックフィルムを準備
    し、 フィルム供給装置によってプラスチックフィルムを送り
    出して挿入部の金属反射膜が前記鏡面に接するように金
    型に挿入するとともに、母材供給装置によってプラスチ
    ック母材を挿入部の金属反射膜の背面側に位置するよう
    に金型に挿入した後、 金型を型締めし、該プラスチック母材の溶融前あるいは
    後に、挿入部を支持部から切断する作業を、プラスチッ
    クフィルムの送り量に応じて連続して行なうことを特徴
    とする請求項1記載のプラスチックミラーの製造方法。
  13. 【請求項13】前記プラスチック母材およびプラスチッ
    クフィルムを前記キャビティ内に挿入して金型を型締め
    した後、キャビティ内を真空引きしながら該キャビティ
    内に所定の樹脂内圧を発生させることを特徴とする請求
    項1記載のプラスチックミラーの製造方法。
  14. 【請求項14】前記プラスチック母材のプラスチックフ
    ィルムと接する面を、前記金型の鏡面形状が凸状に形成
    されているときには鏡面の曲率半径より小さな曲率半径
    に、逆に鏡面形状が凹状に形成されているときには鏡面
    の曲率半径より大きな曲率半径に形成することを特徴と
    する請求項1記載のプラスチックミラーの製造方法。
  15. 【請求項15】互いに対向配置され、少なくとも1つ以
    上のキャビティを構成する1つ以上の鏡面を有し、互い
    の位置を合わせる位置合わせ部を有する一対の金型を備
    え、 略最終形状に形成されたプラスチック母材と、前記鏡面
    が転写される金属反射膜が形成されたプラスチックフィ
    ルムと、を前記キャビティ内に挿入してプラスチック母
    材とプラスチックフィルムとを接合しプラスチックミラ
    ーを形成するプラスチックミラー製造装置であって、 前記プラスチックフィルムが、金型の鏡面に挿入される
    挿入部と、該挿入部近傍に設けられ、挿入部が鏡面上に
    位置したときに金型に形成された位置決め部に係合され
    る係合部と、挿入部を支持する支持部と、を送り方向に
    連続して備え、 金型のキャビティ内に挿入される前に、プラスチックフ
    ィルムの挿入部を変形可能な温度に加熱するとともに略
    最終形状の鏡面に形成する成形手段と、 プラスチック母材をキャビティ内に供給する母材供給手
    段と、 プラスチックフィルムの挿入部を金型の鏡面位置に搬送
    するフィルム供給手段と、 金型を型締めおよび開放する型締め・開放手段と、 金型に所定圧力を加える加圧手段と、 金型を加熱するとともに、所定の温度勾配で該金型を冷
    却する加熱・冷却手段と、 プラスチックフィルムの支持部から挿入部を切断する切
    断手段と、 前記プラスチックフィルムから切り離された成形品を取
    り出す取り出し手段と、を備えたことを特徴とするプラ
    スチックミラーの製造装置。
  16. 【請求項16】樹脂の熱変形温度以下の温度に保持され
    た射出成形金型のキャビティに溶融樹脂を射出して略最
    終形状で一定重量のプラスチック母材を製造した後、キ
    ャビティを有するエージング金型にプラスチック母材を
    挿入し、次いで、樹脂のガラス転移温度以上に加熱して
    樹脂内圧によって母材に鏡面を転写し、次いで、所定時
    間徐冷した後、樹脂の熱変形温度以下で樹脂内圧が大気
    圧と略同等になったときにプラスチック成形品をエージ
    ング金型から取り出すようにしたプラスチック成形品の
    製造方法において、 前記射出成形金型のキャビティの容積よりも大きい容積
    を有し、少なくとも1つ以上の鏡面が形成された1つ以
    上のキャビティを有するエージング金型を準備し、該エ
    ージング金型のキャビティ内に、複数個のプラスチック
    母材と該母材同士を分離する複数個の隔離部材とを同時
    に挿入してエージングを行なうことを特徴とするプラス
    チック成形品の製造方法。
  17. 【請求項17】前記隔離部材としてプラスチック母材よ
    りも熱変形温度が高いものを用いることを特徴とする請
    求項16記載のプラスチック成形品の製造方法。
  18. 【請求項18】前記隔離部材として厚さが0、1〜100μm
    のものを用いることを特徴とする請求項16または17
    記載のプラスチック成形品の製造方法。
  19. 【請求項19】前記隔離部材として厚さが0、5mm以上の
    金属から構成されたものを用い、該離隔部材の長手方向
    両端部をエージング金型に摺接可能にしたことを特徴と
    する請求項16記載のプラスチック成形品の製造方法。
  20. 【請求項20】前記隔離部材として互いに剥離性が高い
    部材を用い、前記各プラスチック母材の間に該剥離部材
    を2枚設けることを特徴とする請求項16記載のプラス
    チック成形品の製造方法。
  21. 【請求項21】前記エージング金型内にプラスチック母
    材と隔離部材とを隣接させて交互に挿入するとともに、
    隣接方向両端部のプラスチック部材に該母材と同型状の
    模型を用いたことを特徴とする請求項16記載のプラス
    チック成形品の製造方法。
  22. 【請求項22】前記プラスチック母材および隔離部材の
    隣接方向両端部のエージング金型の壁部の熱伝導率およ
    び厚さを隔離部材の熱伝導率および厚さと同等の材質に
    するとともに、該壁部に隣接する部分の熱伝導率および
    厚さをプラスチック母材の熱伝導率および厚さと同等の
    材質にし、該エージング金型内にプラスチック母材と隔
    離部材を隣接させて交互に挿入することにより、エージ
    ングを行なうことを特徴とする請求項16〜20何れか
    に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  23. 【請求項23】表面に金属反射膜が被膜されたプラスチ
    ックフィルムを準備し、該プラスチックフィルムおよび
    プラスチック母材を、プラスチックフィルムの金属反射
    膜側が複数の鏡面に接触し、プラスチック母材が該フィ
    ルムの背面に位置するようにエージング金型のキャビテ
    ィに挿入したことを特徴とする請求項16〜22何れか
    に記載のプラスチック成形品の製造方法。
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