JP2004160900A - 樹脂反射鏡の製造方法 - Google Patents

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Yasuki Sugimoto
泰規 杉本
Jun Watabe
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Abstract

【課題】レーザビームプリンタ、複写機等のレーザ光学走査系やプロジェクションテレビの光路折曲に用いられる大型ミラー等に適用される樹脂反射鏡に関連して、高反射率、高精度、低コストかつ曲面形状への対応可能な樹脂反射鏡の製造方法を提供する。
【解決手段】プレス成形法を用いて、樹脂フィルム表面に金属反射膜を形成した反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着させてなる樹脂反射鏡の製造方法において、反射フィルムを軟化温度以下で所望の形状に成形もしくは成形した後に、転写面3を有するプレス型1内の所定の位置に所望の形状に予め成形された樹脂成形品とともに配置し、反射フィルムをプレス型の転写面と樹脂成形品で挟み込み、樹脂成形品に密着させ圧力を加える第1の工程と、反射フィルムと樹脂成形品を熱融着させた後にプレス型の温度を反射フィルムおよび樹脂成形品の軟化温度以下にしてプレス型より取り出す第2の工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高反射率・高精度・低コストかつ曲面形状への対応可能な樹脂反射鏡の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームプリンタや複写機等の光走査に用いられるfθミラー、プロジェクションテレビの光路折曲に用いられる大型ミラー、ランプやアンテナ用リフレクタには、軽量化、低コスト化、少量多品種への対応等の理由により樹脂からなる成形品が多用されている。
このような樹脂反射鏡の製造方法としては、従来、金型の高精度な鏡面を射出成形、射出圧縮成形等によって転写した後、その成形品の鏡面部に蒸着等によって、所定の金属反射膜を形成していた。しかしこのような蒸着による樹脂反射鏡の製造方法では、成形とは別に蒸着装置が必要となり設備費用が高くなる。
また、バッチ処理により金属を蒸着するが、とくにプロジェクションテレビ用のミラーやアンテナ用リフレクタ等の大面積を有するものを蒸着しようとした場合、1バッチあたりの取り数が少なくなるためその成形品1個あたりのコストが非常に大きくなるといった問題が生じる。
そのような問題点に対して、特開平5−315829号公報および特開平5−329881号公報では、金属シート状物と熱可塑性樹脂との複合射出成形を同時に行うことで、蒸着工程無しでの樹脂反射鏡を製造している。
また、特開平5−315829号公報では金属シートを型に真空吸引することで、特開平5−329881号公報では金属シート金型内固定の押圧力を制御することで、金属シートに破れや亀裂無く曲面形状に深絞り加工するようにしている。
しかるに、金属シートは深絞り加工性があるものの、反射特性としては70%程度しかない。一方、光走査やプロジェクション用途のミラーとしては、90%前後の反射率が要求されるため、前述のような金属シートを用いたのでは不充分である。
【0003】
このような反射率を満足するシートとしては樹脂フィルム上にアルミ、銀といった金属反射膜を形成した金属反射フィルムを用いることで90%以上の反射率を得ることが可能となる。
そのような金属反射フィルムを使用したシートとして、例えば特開平3−82513号公報や特開平5−154933号公報では、金属蒸着層が形成された転写用シートを金型内に配設し、金型内に溶融樹脂を射出して、樹脂成形品と転写用シートを一体化することで、成形後の蒸着工程を不用にし、低コスト化を実現させている。
この場合平面であれば可能であるが、対象形状が曲面となった場合、熱変形温度以上の蒸着フィルムが曲面状に変形する過程で、樹脂フィルムの伸びが不均一であるため、反射膜に亀裂が生じ、高い反射率を維持できない。また、通常の射出成形によるものであるため、高精度な成形品を得ることができない。
とくに、ミラー形状が肉厚、偏肉、大面積なものに対しては成形中に生じる温度分布や圧力分布の影響を受け、高精度な成形品が得られない。また、成形時に樹脂の流動をともなうため、フィルムにシワや亀裂が生じやすいといった問題が生じる。
【0004】
一方、特開平10−264201号公報では金属反射フィルムを金型キャビティ転写面に加熱吸引後、樹脂と射出成形によって一体成形し凹凸部を有する成形品を製造することが提案されている。ここでは、前述したような反射の劣化を下地層として光輝性顔料層を用いることで補っている。
この場合は自動車用バンパやドアノブ等意匠用としての光沢面を維持することは可能であるが、やはり光学用途としての十分な反射は得ることはできない。
また、特開平6−182783号公報では、略最終形状に加熱された母材および金属反射膜が形成された樹脂フィルムをキャビティ内に挿入した後、型締めし、母材のガラス転移温度以上に加熱し、キャビティ内に樹脂内圧を発生させて鏡面を転写させ、次いで冷却して熱変形温度以下になったところでキャビティから取り出すといった内容が記載されている。
【特許文献1】特開平3−82513号公報
【特許文献2】特開平5−154933号公報
【特許文献3】特開平10−264201号公報
【特許文献4】特開平6−182783号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし母材のガラス転移温度がフィルムのガラス転移温度よりも高い場合、母材加熱時に金属反射膜が形成された樹脂フィルムは同時加熱溶融されることで、伸びが不均一となり、そこに形成してあった金属反射膜にヒビや亀裂がはいり高い反射率が維持できない。
また、母材のガラス転移温度がフィルムのガラス転移温度よりも低い場合にも、圧力が掛かる前にフィルムが加熱され、金属反射膜と樹脂フィルムの熱膨張率の差が大きくなった結果、金属反射膜にヒビや亀裂がはいり高い反射率が維持できないといった同一の問題が生じる。
本発明の目的は、前記課題を解決するために、例えばレーザビームプリンタ、複写機等のレーザ光学走査系やプロジェクションテレビの光路折曲に用いられる大型ミラー等に適用される樹脂反射鏡に関連して、高反射率、高精度、低コストかつ曲面形状への対応可能な樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、プレス成形法を用いて、樹脂フィルム表面に金属反射膜を形成した反射フィルムと樹脂成形品を熱融着させてなる樹脂反射鏡の製造方法において、樹脂フィルム表面に少なくとも金属反射膜を予め形成した反射フィルムを、軟化温度以下で所望の形状に成形もしくは成形した後に、転写面を有するプレス型内の所定の位置に、所望の形状に予め成形された樹脂成形品とともに配置し、前記プレス型の温度を前記反射フィルムの軟化温度以下に保持した状態で前記プレス型を型締めし、前記反射フィルムを前記プレス型の前記転写面と前記樹脂成形品で挟み込み、前記樹脂成形品に密着させ、圧力を加える第1の工程と、圧力を加えた後に前記プレス型の温度を少なくとも前記反射フィルムと前記樹脂成形品のどちらか一方の軟化温度以上に保持し、前記反射フィルムと前記樹脂成形品を熱融着させた後に前記プレス型の温度を前記反射フィルムおよび前記樹脂成形品の軟化温度以下にして前記プレス型より取り出す第2の工程とを含む樹脂反射鏡の製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記第1の工程および前記第2の工程を1つのプレス機によってかつ1回の動作で行う請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記反射フィルムを、圧空成形法、真空成形法、液圧成形法のいずれかを用いて、軟化温度以下で所望の形状に成形する請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記樹脂フィルムが、延伸した樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
【0007】
請求項5記載の発明では、前記樹脂フィルム表面に金属反射膜を形成した後に金属反射膜表面に保護層を形成して反射フィルムとする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記保護層が延伸した樹脂フィルムである請求項5記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記反射フィルムと前記樹脂成形品とを、熱接着樹脂層を介して熱融着させる請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明では、前記反射フィルムと前記樹脂成形品との接合面に熱接着樹脂層を予め形成する請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記熱接着樹脂層の熱接着温度が前記反射フィルムと前記樹脂成形品の軟化温度未満である請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記熱接着樹脂層が、所望の形状に予め成形された樹脂成形品の面精度と最終的に要求される面精度の差以上の厚みを有する請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明では、前記樹脂成形品が通常の射出成形を用いて、所望の形状に予め成形された樹脂成形品である請求項10記載の樹脂反射鏡の製造方法を主要な特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第1の実施の形態を示す概略図である。最初に構成を説明する。
図1において、プレス機(プレス型)1の上側ダイプレート2には、転写面3が形成された上型部材4が設けられている。一方、下側ダイプレート5上には下型部材6が設けられている。上型部材4は、図示していない真空装置に図示していない通路を介して連通している。
また、上型部材4内には、加熱するための手段としてヒータ7が設けられている。なお、転写面3は上型部材4に限らず、上型部材4、下型部材6の少なくともどちらか一方に形成されていれば良い。真空装置は転写面が形成されている部材に備えられていれば良い。
また、加熱手段も少なくとも転写面が形成されている部材に備えられていれば良く、上型部材4、下型部材6の両方に設けられていてもかまわない。加熱手段としても本実施の形態のようなヒータに限らず、水や油等の熱媒体を用いることももちろん可能である。
樹脂成形品8は予め成形された厚さ10mmのポリカーボネイト樹脂からなっており、図示しない供給装置によりプレス作業毎に下型部材6上に配置されるようになっている。反射フィルム9はポリカーボネイト樹脂製の樹脂フィルム表面に真空蒸着によって金属反射膜としてのアルミ反射膜が形成されて構成される。
金属反射膜はアルミに限らず、クロム、銀等の金属が用いられてもかまわない。なお、反射フィルム9は図示しないフィルム搬送装置によってプレス毎に間欠的に作動するようになされている。
【0009】
図2は図1の本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第1の実施の形態を図1に続く第1の工程において示す概略図である。上型部材4が加熱手段であるヒータ7によって、反射フィルム9の軟化温度以下の温度まで加熱される。
一方、樹脂成形品8が図示しない供給装置によって、下型部材6上に配置され、フィルム搬送装置によって反射フィルム9がプレス機(プレス型)1の上型部材4と樹脂成形品8の間に配置される。次いで図示していない真空装置により、真空引きし、反射フィルム9を変形させ、転写面3を転写する。
図3は図2の第1の工程に続く工程を示す概略図である。転写面3を転写後、上側大プレート2が上型部材4と共に、下型部材6に向かって下方に移動し、型締めを行い、反射フィルム9をプレス型1の転写面3と樹脂成形品8ではさみこみ、樹脂成形品8に密着させ、4Mpa(所定圧)の圧力を加える。4Mpa(所定圧)に達したところで真空装置を停止させる。
【0010】
図4は図3に続く第2の工程を示す概略図である。図3の工程で押圧力を加えたまま、上型部材4を、加熱手段であるヒータ 7によって、反射フィルム9と樹脂成形品8の少なくともどちらか一方の軟化温度以上の温度に加熱し、反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着する。
その後、反射フィルム9と樹脂成形品8の両部材の軟化温度以下になるまで冷却された時にプレス機1の上型ダイプレート2を上昇させ反射フィルム(蒸着シート)9と上型部材4を分離し、下型部材6から最終成形品10を取り出す。そのとき、シートの一体化された部分のみを切断し、引き続きフィルム搬送装置によって新たなフィルム面を樹脂成形品8上に配置することで、次の加工に効率良く移ることができる。
金属反射膜が形成されている反射フィルム9を用いているため、後工程でバッチ処理によって反射膜を形成する方法と比較して、非球面などの複雑な曲面を持つ樹脂反射鏡を作成する際にも反射膜の厚みの差が少ないため、均一な反射率を得ることができる。
また、後工程でのバッチ処理による反射膜の形成工程が不要となり、反射鏡の製造コストを安くすることができる。さらに、反射フィルム9の厚みは成形加工性の面から200μm以下が望ましい。金属反射膜の厚みは500〜2000Åが望ましい。500Å未満では反射率が低下し、2000Å以上でも反射率は向上せず、反射膜形成時間が増加する。
【0011】
反射フィルム9を軟化温度以下で成形するため、反射フィルム9の成形時に樹脂フィルムの伸びが不均一とならず、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することがない。
圧空成形法、真空成形法、液圧成形法のいずれかを用いて、反射フィルム9を、軟化温度以下で所望の形状に成形することで、非球面などの複雑な曲面を持つ樹脂反射鏡を作成するさいも樹脂フィルムを均一に伸ばすことができ、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することがない。
反射フィルム9をプレス型の転写面3と樹脂成形品8で挟み込み、樹脂成形品8に密着させ、押圧力を負荷した後に加熱し、反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着させることで、圧力がかかる前にフィルムが加熱された時の、金属反射膜と樹脂フィルムの熱膨張率の差による金属反射膜のヒビや亀裂の発生を抑制しながら反射フィルムと樹脂成形品を熱融着させ、最終形状に変形加工することができる。
また、第1の工程で反射フィルム9を軟化温度以下で成形したさいの残留応力を加熱、成形することで緩和することができ、高精度な成形品を得ることができる。また、インサート成形のように樹脂の流動による影響もないために金属反射膜に亀裂やシワが発生することがない。
【0012】
樹脂フィルム表面に少なくとも金属反射膜を予め形成した反射フィルム9を、軟化温度以下で所望の形状に成形すると同時に、もしくは成形した後に、転写面3を有するプレス型内の所定の位置に反射フィルム9と所望の形状に予め成形された樹脂成形品8を配置する。
プレス型の温度を反射フィルム9の軟化温度以下に保持した状態でプレス型を型締めし、反射フィルム9をプレス型の転写面3と樹脂成形品8で挟み込み、樹脂成形品8に密着させ、圧力を加える第1の工程と、圧力を加えた後にプレス型の温度を少なくとも反射フィルム8と樹脂成形品9のどちらか一方の軟化温度以上に保持し、反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着させた後にプレス型の温度を反射フィルム9および樹脂成形品8の軟化温度以下にしてプレス型より取り出す第2の工程から構成される。
本発明者は、高反射率、高精度、低コストで曲面を有する樹脂反射鏡を製造するため、金属反射膜が形成された樹脂フィルムを曲面形状に変形させ、母材と熱融着させたときの金属反射膜の亀裂発生という課題に関して、鋭意検討し、軟化温度以下で所望の形状に成形した反射フィルム9をプレス型の転写面3と樹脂成形品8で挟み込んで、樹脂成形品8に密着させた。
押圧力を負荷した後にプレス型の温度を少なくとも反射フィルム9と樹脂成形品8のどちらか一方の軟化温度以上に保持し、反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着させることで、前記押圧の作用により、金属反射膜に亀裂が発生するのが抑制されることを見出した。
【0013】
図5は本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第2の実施の形態を示す概略図である。図6は図5の本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第2の実施の形態を図5に続く第1の工程において示す概略図である。
図7は図6の第1の工程に続く工程を示す概略図である。図8は図7に続く第2の工程を示す概略図である。図9は図5ないし図8の本発明の第2の実施の形態において使用する反射フィルムの構造を示す断面図である。最初に構成を説明する。
図5、図6、図7および図8において、プレス機(プレス型)1の上側ダイプレート2には、上型部材4が設けられている。一方、下側ダイプレート5上には転写面3が形成された下型部材6が設けられている。下型部材6には加熱するための手段としてヒータ7が設けられている。
樹脂成形品8は予め成形された厚さ10mmのポリカーボネイト樹脂からなっており、図示しない供給装置によりプレス毎に前記下型部材6上に配置されるようになっている。反射フィルム9は、図9に示すように、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂製の樹脂フィルム14からなりその片方の表面にコロナ放電処理を施している。
樹脂フィルム14には、その後真空蒸着によってアルミ反射膜12を形成し、金属反射膜12表面に保護層13を設け、もう一方の表面には反射フィルム9および樹脂成形品8と相溶性のある熱接着樹脂層11を形成した構造である。
なお、反射フィルム9は図示しないフィルム搬送装置によってプレス毎に間欠的に作動するようになされている。また、保護層13として、熱硬化性樹脂を用い、プレス時に金属反射膜12に積層しても構わない。
【0014】
次に動作について説明する。下型部材6が加熱手段であるヒータ7によって、反射フィルム9の軟化温度以下かつ、反射フィルム9に形成された熱接着樹脂層11の軟化温度以下の温度まで加熱される。一方、樹脂成形品8が図示しない供給装置によって、上型部材4上に配置され、固定される。
また、フィルム搬送装置によって反射フィルム9がプレス機(プレス型)1の下型部材6と樹脂成形品8の間に配置される(図5)。次いで樹脂成形品8が固定されている上型部材4が反射フィルム9に向かって下方に移動し、反射フィルム9と樹脂成形品8とを接触させ(図6)、反射フィルム9を樹脂成形品8の形状に変形させつつ、転写面3に押し付け、4Mpa(所定圧)の圧力を加える(図7)。
押圧力を加えたまま、上型部材4が加熱手段であるヒータ7によって、反射フィルム9に形成された熱接着樹脂層11の軟化温度以上の温度に加熱され、反射フィルム9と樹脂成形品8とを熱接着樹脂層11を介して熱融着する。
その後、樹脂反射鏡を構成する全部材がそれらの構成樹脂の熱変形温度以下になるまで冷却されたときにプレス機1の上型ダイプレート2を上昇させ、反射フィルム9と上型部材4を分離し、下型部材6から最終成形品10を取り出す(図8)。
【0015】
樹脂成形品8は機械加工で製造することも可能であるが、射出成形にて製造することで、容易に短時間で製造することができ、製品コストを低減することができる。但し、成形品形状が偏肉、厚肉、大型である場合には成形時の樹脂の温度や圧力偏在によって精度良いものを製造することができない。
しかしながら第2の実施の形態においては、樹脂成形品8と反射フィルム9を熱融着するときに、その接着の役割を果たす熱接着樹脂層11が変形するため、樹脂成形品8の形状誤差を熱接着樹脂層11によって補正し高精度な成形品を製造することができる。
なお、この場合には熱接着樹脂層11の厚さは、樹脂成形品8の面精度と最終的に要求される面精度の差以上の厚みとする必要がある。また、熱接着樹脂層11の熱接着温度を反射フィルム9と樹脂成形品8との軟化温度未満とすることによって最も肉厚となる樹脂成形品8を加熱することなく、熱接着樹脂層11のみを軟化温度以上に加熱し、熱融着させることができるので非常に加熱冷却時間が早く、成形サイクルを短くすることができる。
【0016】
本実施の形態では凸球面のミラーの製造に関して説明しているが、凹球面はもちろん非球面形状の反射鏡製造にも適用することができる。
図10は本発明の応用例である反射鏡を示す概略図である。上述した2つの実施の形態では樹脂成形品8の1つの面に反射フィルム9を熱融着させ、反射鏡としている。しかし、図10に示すように、樹脂成形品8の2つ以上の面に反射フィルム9を熱融着させ、反射鏡としても構わない。
本発明の第2の実施の形態によれば、1つのプレス機、1回の動作で第1の工程と第2の工程を行うことが可能であるため、第1の実施の形態と比較した場合、真空装置などが必要なく、設備費用を安くできる。また、工程時間を削減することができる。本実施の形態では上側ダイプレートを移動させているが、下側ダイプレートを移動するようにしてもかまわない。
反射フィルムを構成する樹脂フィルム14として延伸フィルムを用いることで、反射フィルム成形時に樹脂フィルムの伸びが不均一となることをさらに抑制し、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜12に亀裂が発生することをより確実に防止することができる。ここでは二軸延伸フィルムを用いているが、一軸延伸フィルムでも構わない。
金属反射膜表面に保護層13を形成することで金属反射膜12の経時的劣化を防ぐとともに、取り扱い時や型部材との密着時に金属反射膜12に傷が生じるのを防ぐことができる。
【0017】
熱接着樹脂層11を介し、反射フィルム9と樹脂成形品8を熱融着することによって反射フィルム9と樹脂成形品8の密着力をより強固なものにすることができる。また、反射フィルム9と樹脂成形品8に相溶性がないものでも、一体化することが可能となり材料選択の幅が広がる。
熱接着樹脂層11としてはホットメルト型、熱硬化型などの公知なものを用いることができる。また、反射フィルム9、樹脂成形品8のどちらに形成しても構わない。
熱接着樹脂層11を平面である反射フィルム9に予め設けることで、プレス工程中に熱接着樹脂層11を設ける場合と比較し、容易かつ低コストに設けることができる。
熱接着樹脂層11の厚さを、樹脂成形品8の面精度と最終的に要求される面精度の差以上の厚みとすることで、樹脂成形品8と反射フィルム9を熱融着するときに、接着の役割を果たす熱接着樹脂層11が変形するため、樹脂成形品8の形状誤差を熱接着樹脂層11によって補正し高精度な成形品を製造することができる。
また、熱接着樹脂層11の熱接着温度を、反射フィルム9と樹脂成形品8との軟化温度未満とすることで最も肉厚となる樹脂成形品8を加熱することなく、熱接着樹脂層11のみを軟化温度以上に加熱し、熱融着させることができるので非常に加熱冷却時間が早く、成形サイクルを短くすることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、反射フィルムをプレス型の転写面と樹脂成形品で挟み込み、樹脂成形品に密着させ、押圧力を負荷した後に加熱し、反射フィルムと樹脂成形品を熱融着させることで、圧力がかかる前にフィルムが加熱された時の、金属反射膜と樹脂フィルムの熱膨張率の差による金属反射膜にヒビや亀裂の発生を抑制しながら反射フィルムと樹脂成形品を熱融着させ、最終形状に変形加工することができる。
また、第1の工程で反射フィルムを軟化温度以下で成形した際の残留応力を、加熱、成形することによって緩和することができ、高精度な成形品を得ることができる。
さらに、インサート成形のように樹脂の流動による影響もないために金属反射膜に亀裂やシワが発生することがなく、また反射フィルムを軟化温度以下で成形するため、反射フィルム成形時に樹脂フィルムの伸びが不均一とならず、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することがない。
そのうえ、金属反射膜が形成されている反射フィルムを用いているため、後工程でバッチ処理によって金属反射膜を形成する方法と比較して、非球面などの複雑な曲面を持つ樹脂反射鏡を作成する際も金属反射膜の厚みの差が少ないため、均一な反射率を得ることができ、また、後工程でのバッチ処理による金属反射膜の形成工程が不要となり、反射鏡の製造コストを安くすることができる。
請求項2によれば、1回の動作、1つのプレス機のみで第1の工程と第2の工程を行うことが可能であるため、設備費用を安くし、工程時間を削減することができる。
請求項3によれば、圧空成形法、真空成形法、液圧成形法のいずれかを用いて、反射フィルムを、軟化温度以下で所望の形状に成形することで、非球面などの複雑な曲面を持つ樹脂反射鏡を作成するさいも樹脂フィルムを均一に伸ばすことができ、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することがない。
請求項4によれば、反射フィルムに延伸フィルムを用いることで、反射フィルム成形時に樹脂フィルムの伸びが不均一となることをさらに抑制し、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することをより確実に防止することができる。
【0019】
請求項5によれば、金属反射膜表面に保護層を形成することで金属反射膜の経時的劣化を防ぐとともに、取り扱い時や型部材との密着時に金属反射膜に傷が生じるのを防ぐことができる。
請求項6によれば、保護層にも延伸フィルムを用いることで、反射フィルム成形時に保護層の伸びが不均一となることをさらに抑制し、樹脂フィルム表面に形成された金属反射膜に亀裂が発生することをより確実に防止することができる。
請求項7によれば、熱接着層を介し、反射フィルムと樹脂成形品を熱融着することによって反射フィルムと樹脂成形品の密着力をより強固なものにすることができ、また、反射フィルムと樹脂成形品に相溶性がないものでも、一体化することが可能となり材料選択の幅が広がる。
請求項8によれば、熱接着樹脂層を平面である反射フィルムに予め設けることで、プレス工程中に熱接着樹脂層を設ける場合と比較し、容易かつ低コストに設けることができる。
請求項9によれば、熱接着樹脂層の熱接着温度を反射フィルムと樹脂成形品との軟化温度未満とすることで最も肉厚となる樹脂成形品を加熱することなく、熱接着層のみを軟化温度以上に加熱し、熱融着させることができるので非常に加熱冷却時間が早く、成形サイクルを短くすることができる。
請求項10によれば、熱接着樹脂層の厚さを、樹脂成形品の面精度と最終的に要求される面精度の差以上の厚みとすることで、樹脂成形品と反射フィルムを熱融着するときに、その接着の役割を果たす熱接着樹脂層が軟化温度以上に加熱溶融し変形するため、樹脂成形品の形状誤差を熱接着樹脂層によって補正し高精度な成形品を製造することができる。
請求項11によれば、樹脂成形品は機械加工で製造することも可能であるが、射出成形にて製造することで、容易に短時間で製造することが可能であり製品コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】図1の本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第1の実施の形態を図1に続く第1の工程において示す概略図である。
【図3】図2の第1の工程に続く工程を示す概略図である。
【図4】図3に続く第2の工程を示す概略図である。
【図5】本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図6】図5の本発明による樹脂反射鏡を製造する樹脂反射鏡製造装置の第2の実施の形態を図5に続く第1の工程において示す概略図である。
【図7】図6の第1の工程に続く工程を示す概略図である。
【図8】図7に続く第2の工程を示す概略図である。
【図9】図5ないし図8の本発明の第2の実施の形態において使用する反射フィルムの構造を示す断面図である。
【図10】本発明の応用例である反射鏡を示す概略図である。
【符号の説明】
1 プレス機(プレス型)
3 転写面
8 樹脂成形品
9 反射フィルム
10 最終成形品(樹脂反射鏡)
11 熱接着樹脂層
12 金属反射膜
13 保護層
14 樹脂フィルム

Claims (11)

  1. プレス成形法を用いて、樹脂フィルム表面に金属反射膜を形成した反射フィルムを樹脂成形品に熱融着させてなる樹脂反射鏡の製造方法において、
    前記樹脂フィルム表面に少なくとも金属反射膜を予め形成した反射フィルムを、軟化温度以下で所望の形状に成形もしくは成形した後に、転写面を有するプレス型内の所定の位置に、所望の形状に予め成形された樹脂成形品とともに配置し、前記プレス型の温度を前記反射フィルムの軟化温度以下に保持した状態で前記プレス型を型締めし、前記反射フィルムを前記プレス型の前記転写面と前記樹脂成形品で挟み込み、前記樹脂成形品に密着させ、圧力を加える第1の工程と、
    圧力を加えた後に前記プレス型の温度を少なくとも前記反射フィルムと前記樹脂成形品のどちらか一方の軟化温度以上に保持し、前記反射フィルムと前記樹脂成形品を熱融着させた後に前記プレス型の温度を前記反射フィルムおよび前記樹脂成形品の軟化温度以下にして前記プレス型より取り出す第2の工程と、を含むことを特徴とする樹脂反射鏡の製造方法。
  2. 前記第1の工程および前記第2の工程を1つのプレス機によってかつ1回の動作で行うことを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  3. 前記反射フィルムを、圧空成形法、真空成形法、液圧成形法のいずれかを用いて、軟化温度以下で所望の形状に成形することを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  4. 前記樹脂フィルムが、延伸した樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  5. 前記樹脂フィルム表面に金属反射膜を形成した後に金属反射膜表面に保護層を形成して反射フィルムとすることを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  6. 前記保護層が延伸した樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  7. 前記反射フィルムと前記樹脂成形品とを、熱接着樹脂層を介して熱融着させることを特徴とする請求項1記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  8. 前記反射フィルムと前記樹脂成形品との接合面に熱接着樹脂層を予め形成することを特徴とする請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  9. 前記熱接着樹脂層の熱接着温度が前記反射フィルムと前記樹脂成形品の軟化温度未満であることを特徴とする請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  10. 前記熱接着樹脂層が、所望の形状に予め成形された樹脂成形品の面精度と最終的に要求される面精度の差以上の厚みを有することを特徴とする請求項7記載の樹脂反射鏡の製造方法。
  11. 前記樹脂成形品が通常の射出成形を用いて、所望の形状に予め成形された樹脂成形品であることを特徴とする請求項10記載の樹脂反射鏡の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015114793A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 ポリマテック・ジャパン株式会社 パネル一体型タッチセンサおよびパネル一体型タッチセンサの製造方法
WO2023032033A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 エレファンテック株式会社 回路基板及びその製造方法

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