JPH05131456A - 樹脂成形用金型及び樹脂成形方法 - Google Patents

樹脂成形用金型及び樹脂成形方法

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JPH05131456A
JPH05131456A JP29553891A JP29553891A JPH05131456A JP H05131456 A JPH05131456 A JP H05131456A JP 29553891 A JP29553891 A JP 29553891A JP 29553891 A JP29553891 A JP 29553891A JP H05131456 A JPH05131456 A JP H05131456A
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Japan
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resin
mold
molding
film
molded
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JP29553891A
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Yoshiaki Fujiwara
芳明 藤原
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】樹脂成形用金型1は、上金型2及び下金型3か
ら成っている。上金型2は、その底面中央に下金型3を
嵌合可能な嵌合溝4を設けた成形溝5が形成されてい
る。下金型3は、その上面中央に上金型2の成形溝5と
嵌合可能な成形用突起6が形成されている。成形用突起
6の上面には鋼板7を介して断熱性を有する被膜8が形
成されている。被膜8は、その熱変形温度が成形する樹
脂の熱変形温度よりも10℃以上高く、かつ、その熱伝導
率λがn≦900×10-4〔cal/cm・sec・℃〕である。ま
た、被膜8は、その膜厚LがL=5〜3000×10-4〔cm〕
であり、かつ、その熱伝導率λと膜厚Lの関係が、L2/
n≧0.005〔cm2・sec・℃/cal〕である。 【効果】成形に要する時間を増大させることなく、溶融
した樹脂が金型に接触した際、樹脂表面が急激に冷却さ
れて流動性を失うのを防止することができる。したがっ
て、樹脂が急冷されることで生ずるフローマーク、繊維
の露出等の成形品の外観上の欠陥を低減させ、かつ、表
面光沢を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面平滑性に優れた樹
脂成形品を成形するための樹脂成形用金型及び樹脂成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂成形には、大きく分けて次
の2つの方法がある。すなわち、溶融させて可塑化した
熱可塑性樹脂に圧力を加えながら金型内に注入する射出
成形法等の方法と、溶融させた熱可塑性樹脂を金型内に
おおよそ位置決めした後、圧力を加えて流動させ、金型
の形状の賊形させるブロー成形法、圧縮成形法、モール
ドスタンピング法等の方法である。
【0003】従来、これらの方法を用いて熱可塑性樹脂
の成形を行う際には、熱可塑性樹脂の成形後の冷却・固
化を速やかに行うため、金型の温度を熱可塑性樹脂の成
形温度よりも100℃以上低く設定していた。しかし、金
型の温度が樹脂成形温度よりも100℃以上低いと、金型
表面に直接接触した樹脂は直ちに冷却されて固化し、流
動性が悪くなるため、この樹脂の部分、すなわち成形品
の表面は、成形品の他の部分と比較して光沢がなくな
り、かつフローマークが生じていた。
【0004】このフローマークは、溶融させた樹脂が金
型内に比較的高速で注入され、樹脂が金型に最初に接触
してから成形が完了するまでの時間が比較的短い射出成
形法でも発生するが、成形が完了するまでの時間がそれ
よりも長いブロー成形法、圧縮成形法、モールドスタン
ピング法などの場合、特にその発生が顕著で、重大な外
観上の欠陥となっていた。
【0005】また、上述した問題は、成形する材料がガ
ラス繊維などの無機フィラーを充填した樹脂である場
合、より一層顕著なものであった。すなわち、成形の
際、無機フィラーが充填された溶融樹脂が樹脂の軟化点
又は融点よりもはるかに低い温度の金型に接触すると、
接触した樹脂は直ちに冷却されて固化し、流動できなく
なる。このため、金型との接触面に露出したフィラー
は、図2に示すように、そのまま成形品表面に残り、成
形品表面の光沢を著しく低下させ、重大な外観上の欠陥
となっていた。
【0006】この無機フィラーを充填した樹脂の場合で
も、上述した熱可塑性樹脂単独の場合と同様に、射出成
形法を用いた場合よりブロー成形法、圧縮成形法、モー
ルドスタンピング法を用いた場合に、欠陥がより顕著に
あらわれていた。
【0007】なお、図2中、10は従来の成形法による板
状成形品、11は材料シートにおける金型と最初に接触し
た部分、12は成形品表面に露出したガラス繊維、13は材
料シートの端に生じたフローマーク、14は材料が流動し
た部分を示している。
【0008】この成形品に生ずる外観上の欠陥(表面の
光沢の低下、フローマーク等)をなくすには樹脂の流動
性を高めればよく、それには樹脂の成形温度を高めるか
又は金型の温度を高めることが考えられる。しかし、樹
脂の成形温度を高めることについては、樹脂の熱による
劣化などの問題から限界があり、また、金型の温度を高
めることについては、樹脂の冷却効率の低下を招き、成
形品が脱型可能となるまでに要する時間が増大するなど
の問題から限界があった。
【0009】そこで、特公昭60−56604号公報には、金
型の温度を高めて成形品に生ずる外観上の欠陥をなくし
つつ、樹脂の冷却効率を低下させることのない方法とし
て、高周波誘導加熱の原理を利用することが提案されて
いる。すなわち、高周波誘導加熱のインダクターを金型
内に挟み込んだ状態で高周波を発振させ、金型表面のみ
を急激に温度上昇させるものである。
【0010】また、特開昭63−144020号公報には、ガラ
ス繊維強化熱可塑性プラスチックシートを金型内でプレ
ス成形する際、成形するシート材料と金型との間にポリ
オレフィン系フィルムを挟むことで成形品の外観を向上
させる方法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した特公昭60−56
604号公報に記載の方法では、金型の形状に合わせた形
状をもつ高周波誘導加熱のための特別な装置(インダク
ター等)が必要であり、コスト増大を招くとともに、そ
の装置を金型内に挟み込んで高周波を発振後、再び抜き
出すという工程を経なければならず、成形に要する時間
の増大を招くという問題があった。
【0012】また、特開昭63−144020号公報に記載の方
法では、3次元的曲面をもった成形品の場合、挟み込ん
だポリオレフィン系フィルムにシワが生じ、そのシワが
成形品の表面に転写あるいは残存してしまうという問題
があった。
【0013】本発明は、上述した課題を解決し、成形に
要する時間を増大させることなく、優れた外観を有する
樹脂成形品を得ることができる樹脂成形用金型及び樹脂
成形方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述したように、樹脂成
形品の表面における光沢の低下、フローマークの発生な
どの外観上の欠陥が生ずる主な原因は、樹脂の成形温度
よりも低い温度となるように温度設定された金型表面に
最初に接触した溶融樹脂が、金型により急激に冷却され
て流動できなくなり、樹脂の流動による樹脂光沢の発現
が妨げられることにある。
【0015】本発明者らは、樹脂の急激な冷却による流
動性の低下を極力抑えるためには、樹脂と接触する金型
の表面に熱伝導性の悪い(断熱性の良い)物質をコーテ
ィングするなどして断熱性を有する被膜を形成させれば
よいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明の樹脂成形用金型は、成
形される樹脂と接する表面に断熱性を有する被膜を形成
させたことを特徴として構成されている。
【0017】そして、この断熱性を有する被膜は以下の
A〜Dの条件を満たすものであることが好ましい。 A:熱変形温度が、成形する樹脂の熱変形温度よりも10
℃以上高いこと B:熱伝導率λが、n≦900×10-4〔cal/cm・sec・℃〕
であること C:その膜厚Lが、L=5〜3000×10-4〔cm〕であるこ
と D:熱伝導率λと膜厚Lの関係が、L2/n≧0.005〔cm3
・sec・℃/cal〕であること
【0018】本発明の樹脂成形方法は、上記金型を用い
溶融させた樹脂を金型内で冷却・固化させる際、金型と
樹脂との間を金型表面に形成させた被膜により、熱伝導
の悪い状態に保つことを特徴として構成されている。
【0019】被膜の熱伝導率λは、好ましくは900×10
-4〔cal/cm・sec・℃〕以下、特に好ましくは500×10-4
〔cal/cm・sec・℃〕である。熱伝導率λが900×10
-4〔cal/cm・sec・℃〕を越えると、断熱効率がほとん
ど期待できない。
【0020】膜厚Lは、5〜3000×10-4〔cm〕の範囲が
好ましく、特に好ましくは10〜1000×10-4〔cm〕であ
る。
【0021】膜厚Lが5×10-4〔cm〕未満であると、断
熱効率がほとんど期待できない。3000×10-4〔cm〕を越
えると、被膜の耐久性が低下し、かつ、コスト増大を招
く。
【0022】被膜の熱伝導率λと膜厚Lとの間には、L
2/λ≧0.005〔cm3・sec・℃/cal〕の関係が成り立つこ
とが好ましい。このL2/nの値の意味するところは、溶
融した樹脂が、その樹脂温度よりも低温の金型表面に接
触してからその金型とほぼ同じ温度に達するまで冷却さ
れるのに要する時間である。この値が小さいほど、金型
に接触した溶融樹脂はより短時間で金型とほぼ同じ温度
まで冷却され、この値が大きいほどより長時間を要す
る。すなわち、L2/λの値は、断熱効果の指標となるも
ので、値が大きいほど断熱効果が高いことを意味する。
【0023】被膜の熱変形温度は、成形する樹脂のそれ
よりも少なくとも10℃以上高いことが好ましい。これ以
下であると、成形時に被膜が変形したり、損傷したりす
る。
【0024】以上の条件を満たす被膜の材料としては、
例えば高分子材料、無機材料が考えられる。
【0025】高分子材料は、一般に熱伝導率λが20×10
-4〔cal/cm・sec・℃〕以下と非常に小さく本発明には
好適である。ただし、成形時に被膜に加わる圧縮応力や
剪断応力に対し耐久性をもつ材料を選択する必要があ
る。また、成形する樹脂との非粘着性、流動性を阻害し
ないための低い摩擦抵抗なども選択の条件となる。これ
らの条件を満たす例としては、ポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル系樹脂やPTFE及びそのPPS変
性樹脂などのフッ素系樹脂を挙げることができる。
【0026】無機材料は、熱伝導率λが数10〜1000×10
-4〔cal/cm・sec・℃〕と断熱性の点では高分子材料に
劣るが、被膜の傷付きにくさ(高い硬度)や耐久性の点
で優れている。無機材料の例としては、ZrO2などのエ
ンジニアリングセラミックスを挙げることができる。ま
た、成形時に必要な被膜強度を保てる範囲内で、これら
材料の発泡体または被膜内に空間を有するような多孔質
の被膜であってもよい。
【0027】樹脂成形用金型に、例えば高分子材料から
なる被膜を形成させる方法は、公知のいかなる方法を用
いてもよい。例を挙げれば、比較的単純な形状の金型の
場合には、予め金型に接着剤を塗布しておき、次に加熱
して成形可能になったプラスチックのフィルム又は溶融
フィルムを金型上に載せ、真空成形によって金型上に高
分子被膜を固定する方法が挙げられる。また、塗料を塗
装する方法、サンドブラストなどにより下地処理をした
金型表面にプライマーを塗り、その上にサスペンション
のフッ素樹脂をコーティングした後焼成する方法などが
挙げられる。
【0028】また、成形用金型に無機材料からなる被膜
を形成する方法としては、プラズマ溶射などが挙げられ
る。
【0029】いずれの方法で形成した被膜も鏡面、シボ
又は艶消しなどの表面仕上げを施してもよい。
【0030】本発明の金型及び成形方法が用いられる樹
脂としては、熱可塑性樹脂、フィラー入り熱可塑性樹脂
等があり、また成形方法としては射出成形、ブロー成
形、真空成形、圧空成形、圧縮成形、モールドスタンピ
ング成形、押出成形等がある。
【0031】なお、高分子材料、例えばフッ素樹脂を様
々な金属表面にコーティングする技術は既に公知であ
り、その離型性、非粘着性、耐食性などを利用して食品
用フライパンや鋼板の塗装など広範囲に実施されてい
る。また、自動車エンジンの熱効率を向上させるため
に、エンジン部品の一部に断熱性の高いセラミック材料
をコーティングする技術も既に公知である。
【0032】しかし、本発明の目的は、熱可塑性樹脂の
熱成形において、成形金型に断熱性の被膜をコーティン
グすることにより、金型に接触する溶融樹脂表面の冷却
速度を低く抑え、樹脂表面の流動性の低下を極力抑える
ことにより、成形品外観を向上させようとするものであ
る。したがって、従来の高分子材料又は無機材料のコー
ティング被膜の利用技術とは目的及び作用・効果が全く
異なるものである。
【0033】
【作用】本発明の樹脂成形用金型及び樹脂成形方法で
は、断熱性を有する被膜が、成形時の樹脂表面の急激な
冷却を抑え、樹脂の流動性低下を遅らせる。これによ
り、成形品の外観上の欠陥を低減させ、かつ、表面光沢
を向上させる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に基づいて説
明する。図1は、本発明の樹脂成形用金型の断面図であ
る。樹脂成形用金型1は、図1に示すように、上金型2
及び下金型3を備えている。
【0035】上金型2は、その底面中央に下金型3を嵌
合可能な嵌合溝4を設けた成形溝5が形成されている。
【0036】下金型3は、その上面中央に上金型2の成
形溝5と嵌合可能な成形用突起6が形成されている。成
形用突起6の上面には鋼板7が載置されており、この鋼
板7の上面には断熱性を有する被膜8が形成されてい
る。被膜8は、その熱変形温度が成形する樹脂の熱変形
温度よりも10℃以上高く、かつ、その熱伝導率λがn≦
900×10-4〔cal/cm・sec・℃〕である。また、被膜8
は、その膜厚LがL=5〜3000×10-4〔cm〕であり、か
つ、その熱伝導率λと膜厚Lの関係が、L2/n≧0.005
〔cm2・sec・℃/cal〕である。
【0037】この樹脂成形用金型1は、上金型2及び下
金型3を油圧プレス装置(図示せず)等に固定して使用
する。
【0038】次に、この樹脂成形用金型1を用いて、圧
縮成形(スタンピング)により材料シートを成形する過
程について説明する。
【0039】予め加熱した材料シート9を、下金型3に
載置した鋼板7の被膜8上に置く。この際、最初に下金
型3の鋼板7と接触する材料シート9の底面は、鋼板7
の被膜8により急激な温度低下を妨げられ、樹脂が流動
性を失うのを防止させる。
【0040】次に、油圧プレス装置等により上金型2を
下金型3に押しつけ、上金型2の嵌合溝4を下金型3の
成形用突起6に嵌合させる。これにより、材料シート9
は、上金型2の成形溝5と下金型3の成形用突起6との
間で圧縮成形される。
【0041】次に、樹脂成形法のなかでも、成形品外観
が劣るといわれている圧縮成形(スタンピング)につい
て実験した実施例1〜4及び比較例1について説明す
る。
【0042】実施例1 図1に示す構成をもつ樹脂成形用金型を予め上金型及び
被膜表面が70℃となるように加熱した状態で用いた。こ
の樹脂成形用金型の下金型に載置した鋼板の寸法は、厚
さ1mm×150mm×150mmとした。
【0043】鋼板に形成した被膜は、市販のポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ダイヤホイル製、厚さ25μ
m)を接着剤を介してラミネートしたものであり、その
熱伝導率λが5.0×10-4〔cm〕、L2/nが0.0125〔cm2
sec・ど/cal〕である。
【0044】成形する材料シートは、比較的外観が悪い
とされるガラス長繊維強化ポリプロピレンシート(スタ
ンパブルシート)を使用した。このシートは、ポリプロ
ピレン樹脂中に、ほぼ均一に分散した繊維長13mm、繊維
径11μmのガラス長繊維が40重量%、カーボンブラック
が1重量%混入した黒色で厚さ4mmの複合シートであ
る。
【0045】そして、寸法が4×130mm×130mmの上述し
た材料シート1枚(重さ約81g)を、遠赤外線加熱炉の
中で表面温度210℃、シートの中央温度200℃となるまで
加熱した。このとき、材料シートは、ガラス長繊維のス
プリングバックにより膨張し、その表面にはガラス長繊
維の一部が突出していた。
【0046】次に、この加熱した材料シートを下金型に
載置した鋼板に施した被膜の上に置き、直ちに22.5ton
の圧力で30秒間圧縮した後、脱型して150mm×150mmで厚
さ3mmの板状成形品を得た。
【0047】実施例2 被膜が、公知の方法によりコーティングした厚さ100μ
mのフッ素樹脂(PTFE)であり、かつ、この被膜の熱伝
導率λが6.0×10-4〔cal/cm・sec・℃〕、膜厚Lが100
×10-4〔cm〕、L2/nが0.167〔cm3・sec・℃/cal〕で
あるほかは、実施例1と同一とした。
【0048】実施例3 被膜が、以下に記載の方法により形成され、かつ、被膜
の熱伝導率λが50.0×10-4〔cal/cm・sec・℃〕、膜厚
Lが100×10-4〔cm〕、L2/nが0.020〔cm3・sec・℃/c
al〕であるほかは、実施例1と同一とした。
【0049】被膜の形成は、鋼板の表面をサンドブラス
ト処理して脱脂・洗浄した後、ZnO2系のセラミックを
プラズマ溶射によりコーティングし、最後に表面を研磨
して鏡面に仕上げることで行った。なお、被膜は多孔質
の構造となっていた。
【0050】実施例4 被膜の膜厚Lが、50.0×10-4〔cm〕、L2/nが0.005〔c
m3・sec・℃/cal〕であるほかは、実施例3と同一とし
た。
【0051】比較例1 樹脂成形用金型の下金型に被膜を形成させた鋼板を載置
せず、下金型の鋼表面(鏡面仕上げ)に直接材料シート
を載せて成形したほかは、実施例1と同一とした。
【0052】以上の実施例1〜4、比較例1で得た成形
品の表面を観察し、ガラス繊維の露出の有無、フローマ
ークの有無、光沢度を判定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示すように、被膜を形成させた金型
を用いた実施例1〜4の場合は、成形品表面を露出する
ガラス繊維が少なく、金型と接触した樹脂の流動製の低
下が少ないことがわかる。また、最初に金型に接触した
部分と圧縮成形時に材料が流動した部分との外観上の違
い(フローマーク)もかなり軽減している。さらに、比
較例1に対して実施例1、3、4では光沢も向上してい
る。しかし、L2/nの値が0.005の実施例4の場合、比
較例1との差が少なくなっており、本発明の効果を期待
できるのは、ここが限界である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂成形用金型
及び樹脂成形方法によれば、成形に要する時間を増大さ
せることなく、溶融した樹脂が金型に接触した際、樹脂
表面が急激に冷却されて流動性を失うのを防止すること
ができ、これにより樹脂が急冷されることで生ずるフロ
ーマーク、繊維の露出等の成形品の外観上の欠陥を低減
させ、かつ、表面光沢を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形用金型の断面図である。
【図2】従来の成形法による板状成形品の平面図であ
る。
【符号の説明】
1…樹脂成形用金型 8…被膜 9…材料シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形される樹脂と接する表面に断熱性を
    有する被膜を形成したことを特徴とする樹脂成形用金型
  2. 【請求項2】 断熱性を有する被膜が、以下のA〜Dの
    条件を満たすものであることを特徴とする請求項1に記
    載の樹脂成形用金型 A:熱変形温度が、成形する樹脂の熱変形温度よりも10
    ℃以上高いこと B:熱伝導率λが、n=900×10-4〔cal/cm・sec・℃〕
    であること C:膜厚Lが、L=5〜3000×10-4〔cm〕であること D:熱伝導率λと膜厚Lの関係が、L2/n≧0.005〔cm3
    ・sec・℃/cal〕であること
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の金型を用い溶融させた
    樹脂を金型内で冷却・固化させる際、金型と樹脂との間
    を、金型表面に形成した被膜により熱伝導の悪い状態に
    保つことを特徴とする樹脂成形方法
JP29553891A 1991-11-12 1991-11-12 樹脂成形用金型及び樹脂成形方法 Pending JPH05131456A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1995035194A1 (fr) * 1994-06-22 1995-12-28 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Produit en resine synthetique depoli moule par injection et son procede de moulage
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JPWO2013035705A1 (ja) * 2011-09-06 2015-03-23 帝人株式会社 繊維強化複合材料から構成される表面意匠性が優れた成形体

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