JP2008230005A - プラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォーム - Google Patents
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Abstract
【課題】射出成形時の樹脂流れと保圧による非対称の光学歪みがほとんどなく、光学特性の優れたレンズを成形することができるプラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームを提供する。
【解決手段】向かい合う2面で光学面45a、45bを形成するプラスチックレンズ成形方法であって、光学面45a上にゲートを配置して所望のレンズ45と重量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォーム15を成形する射出成形工程と、レンズプリフォーム15を所望のレンズ45最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、によりプラスチックレンズ45を成形する。射出成形工程から圧縮成形工程までは、ガラス転移温度以上の温度で実施される。
【選択図】図1
【解決手段】向かい合う2面で光学面45a、45bを形成するプラスチックレンズ成形方法であって、光学面45a上にゲートを配置して所望のレンズ45と重量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォーム15を成形する射出成形工程と、レンズプリフォーム15を所望のレンズ45最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、によりプラスチックレンズ45を成形する。射出成形工程から圧縮成形工程までは、ガラス転移温度以上の温度で実施される。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームに関し、より詳細には、射出成形されたレンズプリフォームを圧縮成形してプラスチックレンズを成形するプラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームに関する。
プラスチックレンズの成形は、固定側金型と可動側金型とにより形成されるキャビティにゲートから溶融樹脂を供給して行われる。従来、溶融樹脂は、プラスチックレンズの光学面の側方でレンズ光軸から離れた位置から流路を形成して供給されるものが一般的であった(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、まれな形態として、プラスチックレンズの光軸に対応する位置にゲートを設けて、光軸に軸対称のレンズ成形を行うようにした光学素子製造方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献1および特許文献2に開示されているレンズ成形方法および装置によると、溶融樹脂の供給はプラスチックレンズの光学面の側方でレンズ光軸から離れた位置から流路により供給される。射出成形されるプラスチックレンズの光学歪みは、ゲート付近に集中するので、光学面の側方から溶融樹脂を供給すると、光学的に非対称のプラスチックレンズが成形されることになる。このような光学的な非対称の歪みは、レンズの光学性能を低下させる要因となっていた。
更に、溶融樹脂は金型のキャビティ内で冷却されるが、その際、温度低下により樹脂の体積は減少する。金型と同形状の成形品を得るには、その収縮分を補う必要があり、射出成形では、樹脂に圧力をかけて(=保圧)ゲートから樹脂を押し込むことで金型形状を転写させる。この結果、ゲート近傍に圧力が集中し、このまま固化するので、ゲート近傍に光学歪が大きく残る。
特許文献3に記載の光学素子製造方法は、光軸に対応する位置にゲートを設けたので、光軸対称のレンズ成形を行うことができるものの、光学面にゲート跡が残り、外観上だけでなく光学性能にも問題がある場合もある。特に、カメラ付き携帯電話などに用いられるプラスチックレンズは、小型化が要求されるのでゲートも小さくせざるを得ず(例えば、1mm2以下)、ゲート部に局所的に大きな光学歪みが発生してレンズの光学性能を劣化させる問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、射出成形時の樹脂流れによる非対称の光学歪みがほとんどなく、光学特性の優れたレンズを成形することができるプラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記プラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームによって達成される。
(1) 向かい合う2面で光学面を形成するプラスチックレンズ成形方法であって、
前記光学面上にゲートを配置して所望のレンズと容量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォームを成形する射出成形工程と、
前記レンズプリフォームを所望のレンズ最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、
を備えるプラスチックレンズ成形方法。
(1) 向かい合う2面で光学面を形成するプラスチックレンズ成形方法であって、
前記光学面上にゲートを配置して所望のレンズと容量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォームを成形する射出成形工程と、
前記レンズプリフォームを所望のレンズ最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、
を備えるプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、光学面上にゲートを配置してレンズプリフォームを形成したので、光学歪みが軸対称であるレンズプリフォームを成形することができる。また、所望のレンズと容量が同じでほぼ同形状、且つ光学歪みが軸対称に成形されたレンズプリフォームを圧縮成形して最終寸法のプラスチックレンズとしたので、レンズプリフォームに残るゲート跡や非対称の光学歪みを殆どなくして、光学特性の優れたプラスチックレンズを成形することができる。
(2) 前記射出成形工程のゲート位置がレンズ光学面上の光軸又はその光軸近傍である上記(1)に記載のプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、レンズ光学面上の光軸又はその光軸近傍にゲート位置を配置してレンズプリフォームを成形するようにしたので、光学歪みを光軸対称に成形することができ、これにより、光学特性の優れたプラスチックレンズを成形することができる。光軸近傍の範囲としては、レンズ光軸を中心とした半径(レンズ有効径の半分)の円内であり、この円内にゲート中心を位置させる。なお、光学歪みを光軸対称に成形する上で最も最適な構成としては、ゲート中心をレンズ光軸と一致させる構成である。
(3) 前記射出成形工程のゲートがホットランナーである上記(2)記載のプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、ゲートがホットランナーであるので、コールドランナーと比較してスプルーやランナーなどの製品以外の部分で使用される樹脂量を大幅に少なくすることができ、無駄に消費される高価な樹脂をなくしてプラスチックレンズを安価に成形することができる。また、レンズプリフォームのゲート跡を小さくすることができ、レンズプリフォームの圧縮成形により容易にプラスチィクレンズを成形することができる。
レンズ取り出し機構においてもスプルーやランナーを回避するための構成を必要としないので、単純にゲート部から離型する構成とすることができる。
レンズ取り出し機構においてもスプルーやランナーを回避するための構成を必要としないので、単純にゲート部から離型する構成とすることができる。
(4) 前記ゲートがバルブゲートである上記(3)記載のプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、ゲートがバルブゲートであるので、ゲート跡を小さくすると共に、ゲート跡の表面粗さを小さくして、圧縮成形により光学特性の優れたプラスチックレンズを容易に成形することができる。
(5) 前記バルブゲートのバルブピンの先端面がレンズ面とほぼ一致する鏡面である上記(4)記載のプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、バルブピンの先端面の形状が、レンズのバルブピン相当部とほぼ同じ形状であり、且つ鏡面であるので、引き続いて行われる圧縮成形の加工代を小さくすることができ、容易に光学特性の優れたプラスチックレンズを成形することができる。
(6) 前記射出成形工程での取り出しと圧縮工程へのプリフォーム投入が樹脂のガラス転移点以上で実施され、圧縮工程内でガラス転移点以下に冷却される上記(1)〜(5)のいずれか1項記載のプラスチックレンズ成形方法。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、射出成形工程と圧縮成形工程とがガラス転移温度以上の温度で実施されるので、時間のかかる樹脂の溶融、固化が1回ですみ、プラスチックレンズの成形時間を短縮することができる。また、プラスチックレンズの原材料である樹脂の溶融、固化が繰り返し行われず、樹脂特性の劣化が抑制される。これにより、容易に光学特性の優れたプラスチックレンズを成形することができる。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれか1項記載のプラスチックレンズ成形方法に使用されるレンズプリフォームであって、
光学面上にゲートによる吐出位置を有するレンズプリフォーム。
光学面上にゲートによる吐出位置を有するレンズプリフォーム。
上記のレンズプリフォームは、光学面上にゲートによる吐出位置を有するので、光学歪みを軸対称にして成形することができ、優れた光学特性を有するプラスチックレンズを成形することができる。
(8) 前記レンズプリフォームのゲート吐出位置が凸形状である上記(7)記載のレンズプリフォーム。
上記のレンズプリフォームは、ゲート吐出位置が凸形状であるので、後工程である圧縮成形により凸形状のゲート跡を確実に圧縮成形してなくし、光学特性の優れたプラスチックレンズを成形することができる。
本発明によれば、射出成形時の樹脂流れによる非対称の光学歪みがほとんどなく、光学特性の優れたレンズを成形することができるプラスチックレンズ成形方法およびレンズプリフォームを提供できる。
以下、本発明に係るプラスチックレンズ成形方法について図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係るプラスチックレンズ成形方法は、光学面上にゲートを配置して所望のレンズと容量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォームを成形する射出成形工程と、該レンズプリフォームを最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、を有する。
射出成形工程は、レンズプリフォーム成形機構によりレンズプリフォームを射出成形する工程であり、圧縮成形工程は、射出成形されたレンズプリフォームを圧縮成形機構で最終寸法に圧縮してプラスチックレンズを成形する工程である。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
プラスチックレンズの原材料となるレンズプリフォームは、ホットランナーまたはコールドランナー、いずれの成形方法によっても成形可能である。先ず、コールドランナーによる成形について説明する。
レンズプリフォームを成形する第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態であるコールドランナーを備えたレンズプリフォーム成形機構の型締め状態を示す要部縦断面図、図2はレンズプリフォーム成形機構の型開き状態の要部縦断面図である。
レンズプリフォームを成形する第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態であるコールドランナーを備えたレンズプリフォーム成形機構の型締め状態を示す要部縦断面図、図2はレンズプリフォーム成形機構の型開き状態の要部縦断面図である。
図1に示すように、第1実施形態のレンズプリフォーム成形機構10は、所謂、コールドランナー方式で3プレート構成の成形金型であり、固定側金型20と可動側金型30とによってレンズプリフォーム15の形状に対応するキャビティ13が形成される。キャビティ13の容量および形状は、最終製品であるプラスチックレンズ45と同容量でほぼ同形状である。キャビティ13によって成形されるレンズプリフォーム15の光軸Lは、型開き方向と略平行となっている。
固定側金型20には、ストリッパープレート23が備えられ、溶融樹脂を供給するためのスプルー25およびランナー26を金型から剥がし取る配置となっている。更に、キャビティ13及びピンゲート27が設けられる固定側型板21が備えられている。ピンゲート27はランナー26から突出し、キャビティ13の中心部、換言すれば、レンズ45の光学面45aとなるレンズプリフォーム表面15b上、且つ光軸L上位置となるように形成されている。ピンゲート27の位置は光軸近傍の範囲であれば良く、この近傍としては、レンズ45の光軸を中心とした半径(レンズ有効径の半分)の円内であり、この円内にゲート中心を位置させる。なお、光学歪みを光軸対称に成形する上で最も最適な位置としては、ゲート中心をレンズ光軸と一致させる位置である。
可動側金型30には、レンズプリフォーム15のフランジ部15aを形成する可動側型板32及び可動側受け板34が備えられ、フランジ部15aに先端が当接するエジェクタピン36が可動側受け板34に摺動自在に嵌合保持されている。更に、エジェクタピン36の後端はエジェクタプレート38に固定されている。
そして、レンズプリフォーム15形成時には、図1に示すように型締めし、溶融樹脂をスプルー25、ランナー26およびピンゲート27を介してキャビティ13に供給し、金型内で冷却し、樹脂がガラス転移点以下の温度となったところで、図2のように型開きする。
この型開きの動作によりピンゲート27が切断され、レンズプリフォーム15が固定側型板21の形成面21aから離間し、可動側型板32に付着した状態で金型が開く。同時に、ストリッパープレート23が開いてスプルー25、ランナー26およびピンゲート27が剥がされて次の射出成形に備える。
可動側型板32に付着するレンズプリフォーム15は、エジェクタプレート38を上昇させてエジェクタピン36によりフランジ部15aを押圧して可動側型板32から離間させる。そして、図示しないハンドリング機構によりフランジ部15aが挟持され、エジェクタピン36からレンズプリフォーム15が取り外される。そして、図3に示す圧縮成形機構40のキャビティ47に投入され、プラスチックレンズ45の最終形状に圧縮成形される。
ここで、レンズプリフォーム15は、プラスチックレンズ45の最終形状と近似した形状に成形されており、圧縮成形のための圧縮代や凸状の僅かなゲート跡があるなど細部が異なるだけである。これは、圧縮成形時に要求される樹脂の正確な重量計測が、射出成形と同時に行われたことを意味している。
図3(a)に示すように、圧縮成形機構40は、上型41と下型42と胴型43とを有し、プラスチックレンズ45を成形するためのキャビティ47が形成される。
キャビティ47の形状は、プラスチックレンズ45の最終形状と同じ形状となっており、少なくともレンズ光学面45a、45bを成形する形成面41a、42aは鏡面加工が施されている。また、この圧縮成形機構40の少なくともレンズプリフォーム15と接触する部分は、レンズプリフォーム15が投入される前に、樹脂のガラス転移点以上に加熱されている。
キャビティ47の形状は、プラスチックレンズ45の最終形状と同じ形状となっており、少なくともレンズ光学面45a、45bを成形する形成面41a、42aは鏡面加工が施されている。また、この圧縮成形機構40の少なくともレンズプリフォーム15と接触する部分は、レンズプリフォーム15が投入される前に、樹脂のガラス転移点以上に加熱されている。
このような構成の圧縮成形機構40に対して、図3(a)、図3(b)で示しているように、レンズプリフォーム成形機構10で成形されたレンズプリフォーム15は、ハンドリング機構によりフランジ部15aが把持され、下型42に載置されて、圧縮成形機構40のキャビティ47内に投入される。圧縮成形機構40の温度にレンズプリフォーム15を均すために少しの間(0〜2分程度)未加圧の状態で維持した後、図3(c)に示すように、胴型43内での上型41と下型42とによる予め設定されている圧力による圧縮成形工程でガラス転移点以上の温度状態でプレスが開始され、徐々に冷却する中でガラス転移点以下となり、所定形状となる予め設定されている時間が経過する。ここで、冷却時にプラスチックは収縮するため、上型・下型の成形面を転写するために、冷却時もプレスを行い、ガラス転移点以下になってから圧を抜き、型を開く。そして、図3(d)に示すように、プラスチックレンズ45の最終形状となって下型42に保持されて取り出される。この後、圧縮成形機構40は、次の圧縮成形のために樹脂のガラス転移点以上に再度加熱される。
この圧縮状態では、圧縮成形機構40の上型41と下型42と胴型43の温度は、ガラス転移点以上から徐々に低下していき、それにつれてレンズプリフォーム15も収縮し、その収縮に合わせて圧縮も実行される。従って、鏡面加工が施された形成面41a、42aによってレンズプリフォーム15が収縮に合わせて圧縮され、金型形状を良く転写し、面粗度が極めて小さいレンズ光学面45a、45bが形成される。また、レンズプリフォーム15に残る凸状のゲート跡も圧縮成形されて消滅すると共に、ゲート近傍の光学歪みも殆どなくなる。
また、光学歪みが若干残っても、溶融樹脂がプラスチックレンズ45(レンズプリフォーム15)の光軸L近傍から放射状に射出されているので、溶融樹脂の転写速度および収縮速度の偏りによるコマ収差や非点収差などの発生が抑制されて、光軸Lを中心とした軸対称であるプラスチックレンズ45が成形される。これにより、光学特性の偏りのない良好なプラスチックレンズ45が得られる。
上記のプラスチックレンズ成形方法によれば、光学面45a上にゲート22を配置してレンズプリフォーム15を形成したので、光学歪みが軸対称であるレンズプリフォーム15を成形することができる。また、所望のレンズ45と重量が同じでほぼ同形状、且つ光学歪みが軸対称に成形されたレンズプリフォーム15を圧縮成形して最終寸法のプラスチックレンズ45としたので、レンズプリフォーム15に残るゲート跡や非対称の光学歪みを殆どなくして、光学特性の優れたプラスチックレンズ45を成形することができる。
また、レンズ光学面45a上の光軸L付近にゲート位置を配置してレンズプリフォーム15を成形するようにしたので、光学歪みを軸対称に成形することができ、これにより、光学特性の優れたプラスチックレンズ45を成形することができる。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
第2実施形態では、ホットランナーによるレンズプリフォーム成形について説明する。
図4は本発明のプラスチックレンズ成形方法を適用するのに好適な第2実施形態(ホットランナー方式)のレンズプリフォーム成形機構の要部縦断面図である。
図4は本発明のプラスチックレンズ成形方法を適用するのに好適な第2実施形態(ホットランナー方式)のレンズプリフォーム成形機構の要部縦断面図である。
図4に示すように、本実施形態のレンズプリフォーム成形機構50は、固定側金型51と、可動側金型52と、固定側金型51の固定側型板53と可動側金型52の可動側型板55により形成されるキャビティ54に溶融樹脂を供給するホットランナー60と、レンズプリフォーム15のフランジ部15aを形成する可動側型板55を貫通して、フランジ部15aを可動側金型52から突き出して離間させるためのエジェクタピン56と、を備える。
固定側金型51および可動側金型52は、それぞれ図示しない射出成形装置の固定側および可動側に取り付けられ、可動側金型52は固定側金型51に対して離接自在(図4の上下方向に移動自在)に配置されている。
固定側金型51と可動側金型52が型締めされたとき、内部には、レンズプリフォーム15を形成するためのキャビティ54が形成される。キャビティ54の体積および形状は、最終製品であるプラスチックレンズ45と同重量の高温の樹脂が入るように、熱膨張を予め計算した体積でほぼ同形状とされている。レンズプリフォーム15の光軸Lと型開き方向は、ほぼ平行となっている。
可動側金型52には、キャビティ14に溶融樹脂を充填して固定側金型51と可動側金型52とを開いたとき、レンズプリフォーム15のフランジ部15aを押圧して可動側金型52から離間させるためのエジェクタピン56がエジェクタプレート57に支持されて出没自在に設けられている。
ホットランナー60は、所謂、外部加熱型ホットランナーであり、固定側金型51の上部に配置されている。溶融樹脂を供給する通路68が設けられたシリンダ69の周囲には、ヒータ65および温度センサ61が配置されており、溶融樹脂の温度を最適温度に制御して、溶融樹脂の粘度を調整すると共に、過熱に起因する樹脂ヤケの発生などを防止する。
ホットランナー60のノズル(ゲート)62は、固定側金型51においてキャビティ14の中心部、換言すれば、圧縮成形して制作されるレンズ45の光学面45a(図3参照)上の光軸L上に開口している。
ノズル62は、ニードルガイド63によって摺動自在に保持されたバルブピン64により開閉される。即ち、溶融樹脂の供給時には、バルブピン64を図4において上昇させてノズル62を開き、供給時以外は、ノズル62を閉じて溶融樹脂の供給を遮断する。尚、ノズル62の穴径とバルブピン64の外径との直径差は、例えば5〜7μm程度であるので、ノズル62が閉じられたとき、ノズル62から溶融樹脂が漏れ出すことはない。
ノズル62を閉じた時のバルブピン64の先端面64aは、ノズル62の先端より僅かに内側(図4において上方)に位置するように調整されているので、レンズプリフォーム15を成形したとき、ゲート跡が僅かに突出した形状に形成される。これは、次工程である圧縮成形において、突出したゲート跡は容易になくすことができるが、凹状のゲート跡をなくすことは困難だからである。
また、バルブピン64の先端面44aの形状は、プラスチックレンズ45のバルブピン先端面64aに対応する部分とほぼ同じ形状であり、鏡面加工が施されている。これにより、形成されたレンズプリフォーム15のゲート跡は小さく且つ鏡面に成形されるので、次工程の僅かな圧縮成形によってプラスチックレンズ45の最終形状に成形することができる。
レンズプリフォーム15は、ホットランナー60のノズル溶融樹脂を供給してキャビティ54に充填し、樹脂の溶融温度以下、且つガラス転移温度以上の温度に到達した後、可動側金型52を移動させて型開きを行う。次いで、エジェクタピン56によりレンズプリフォーム15のフランジ部15aを押圧して可動側金型52から離間させる。このとき、レンズプリフォーム15は、図示しないハンドリング機構によりフランジ部15aが把持され、ガラス転移温度以上の温度を維持しつつ次工程の圧縮成形機構40に搬送供給される。
溶融樹脂のキャビティ14への供給は、固定側金型51のキャビティ54の中心部、換言すれば、成形されるレンズプリフォーム15の光軸L上から行われるので、溶融樹脂の流れは光軸Lに対して同心円状となる。これにより、ゲート部に発生する光学歪みは、光軸Lに対して対称に形成される。
更に、ゲート62がホットランナー60であるので、コールドランナーと比較してスプルーやランナーなどの製品以外の部分で使用される樹脂量を大幅に少なくすることができ、無駄に消費される高価な樹脂をなくしてプラスチックレンズ45を安価に成形することができる。また、レンズプリフォーム15のゲート跡を殆ど目立たなくなるほど小さくすることができ、レンズプリフォーム15の圧縮成形により容易にプラスチィクレンズ45を成形することができる。
また、ゲート62がバルブゲートであるので、ゲート跡を小さくすると共に、ゲート跡の表面粗さを小さくして、圧縮成形により光学特性の優れたプラスチックレンズ45を容易に成形することができる。
更にまた、バルブピン64の先端面64aの形状が、レンズ45の相当面とほぼ同じ形状であり、且つ鏡面であるので、引き続いて行われる圧縮成形の加工率を小さくすることができ、容易に光学特性の優れたプラスチックレンズ45を成形することができる。
また、射出成形工程と圧縮成形工程とがガラス転移温度以上で実施されるので、プラスチックレンズ45の原材料である樹脂の溶融、固化が繰り返し行われず、樹脂特性の劣化が防止される。これにより、容易に光学特性の優れたプラスチックレンズ45を成形することができる。また、時間のかかる樹脂の溶融、固化が1回ですむので、プラスチックレンズ45の成形時間を短縮することができる。
更に、光学面45a上にゲート62による吐出位置を有するので、光学歪みを軸対称にして成形することができ、優れた光学特性を有するプラスチックレンズ45を成形することができる。
またレンズプリフォーム15は、ゲート吐出位置が凸形状であるので、後工程である圧縮成形により凸形状のゲート跡を確実に押圧してなくし、光学特性の優れたプラスチックレンズ45を成形することができる。
圧縮成形については、図3に示した圧縮成形機構40が使用される。主な圧縮成型工程は第1実施形態と同じであるが、レンズプリフォーム15への加熱状態を異にする。つまり、図3(a)で、図示しないハンドリング機構により下型42に載置された直後のレンズプリフォーム15は、ガラス転移温度以上である。そして下型42に載置されて直ぐに図3(c)に示す位置に下型42が至り、圧縮成型が開始される。これ以降は、第1実施形態と同様に、徐々に冷却する中でガラス転移点以下となり、所定形状となる予め設定されている時間が経過する。そこで、図3(d)に示すように、プラスチックレンズ45の最終形状となって下型42に保持されて取り出される。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
上記実施態様では、レンズプリフォーム成形機構10による射出成形工程から圧縮成形機構40による圧縮成形工程への投入まで、すべてレンズプリフォーム15をガラス転移温度以上の温度に維持して実施している。この時、圧縮成形工程への投入時にプリフォームの温度はガラス転移温度以上となっていることが、成形工程の時間短縮につながる。この時、プリフォームはガラス転移温度以下となっていてもよいが、圧縮成形工程での加熱が長くなり、形成時間がより長く必要となる。
10 レンズプリフォーム成形機構
15 レンズプリフォーム
40 圧縮成形機構
45 プラスチックレンズ
45a レンズ光学面
50 レンズプリフォーム成形機構
60 ホットランナー
62 ノズル(ゲート)
64 バルブピン
64a バルブピンの先端面
67 ピンゲート(ゲート)
L 光軸
15 レンズプリフォーム
40 圧縮成形機構
45 プラスチックレンズ
45a レンズ光学面
50 レンズプリフォーム成形機構
60 ホットランナー
62 ノズル(ゲート)
64 バルブピン
64a バルブピンの先端面
67 ピンゲート(ゲート)
L 光軸
Claims (8)
- 向かい合う2面で光学面を形成するプラスチックレンズ成形方法であって、
前記光学面上にゲートを配置して所望のレンズと重量が同じでほぼ同形状のレンズプリフォームを成形する射出成形工程と、
前記レンズプリフォームを所望のレンズ最終寸法に圧縮成形する圧縮成形工程と、
を備えるプラスチックレンズ成形方法。 - 前記射出成形工程のゲート位置がレンズ光学面上の光軸又はその光軸近傍である請求項1に記載のプラスチックレンズ成形方法。
- 前記射出成形工程のゲートがホットランナーである請求項2記載のプラスチックレンズ成形方法。
- 前記射出成形工程のゲートがバルブゲートである請求項3記載のプラスチックレンズ成形方法。
- 前記バルブゲートのバルブピンの先端面がレンズ面とほぼ一致する鏡面である請求項4記載のプラスチックレンズ成形方法。
- 射出成形工程での取り出しと圧縮工程へのプリフォーム投入が樹脂のガラス転移点以上で実施され、圧縮工程内でガラス転移点以下に冷却されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のプラスチックレンズ成形方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のプラスチックレンズ成形方法に使用されるレンズプリフォームであって、
光学面上にゲートによる吐出位置を有するレンズプリフォーム。 - 前記レンズプリフォームのゲート吐出位置が凸形状である請求項7記載のレンズプリフォーム。
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