JP4071764B2 - 光学部品の製造方法、製造装置、および光学部品 - Google Patents

光学部品の製造方法、製造装置、および光学部品 Download PDF

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本発明は、光学部品の製造方法、製造装置、および光学部品に関し、詳しくは、眼鏡レンズや光学機器用レンズ等に用いられる光学部品を、金型キャビティ内の可塑化された原料樹脂を加圧し、展延させて成形する製造方法および製造装置、およびこれらの製造方法、装置で製造された光学部品に関する。
従来より、射出圧縮成形等によって樹脂製の光学部品を成形する方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1の射出圧縮成形方法は、2個のレンズ成形用キャビティと、これらのキャビティに連通するランナと、このランナに連通するスプルーとを有したモールド構成体内に溶融した原料樹脂を射出充填し、かつ圧縮成形してレンズを成形するように構成されている。
一方、特許文献2の成形方法は、レンズ用の素材である原料樹脂(プリフォーム)を加熱し、可塑化した原料樹脂を上下の金型で圧縮成形してレンズを成形するように構成されている。
特許第3260072号公報 国際公開第99/24243号パンフレット
しかしながら、従来の射出成形方法では、レンズ成形用キャビティ以外のランナやスプルーにも原料樹脂が充填されたり(特許文献1)、金型から原料樹脂の一部が溢れ出たりする(特許文献2の図6、8参照)ために、成形品であるレンズの体積よりも多量の原料樹脂が必要とされ、不経済であるという問題がある。さらに、例えば、眼鏡用レンズとして成形品を利用する場合には、眼鏡のフレーム形状に応じた成形品の中央部分しか利用されず、周縁部分の多くが不要となるため、この点でも原料樹脂が無駄になってしまう。
また、特許文献2の成形方法において、圧縮された原料樹脂が金型の外に溢れ出すようになっているので、レンズ中央付近では金型からの圧縮力が樹脂に作用するものの、レンズ周縁部分では圧縮力が外側に逃げてしまうため、このレンズ周縁部分の光学特性が悪化してしまうという問題もある。
本発明の目的は、原料樹脂の使用量を節約することができ、かつ成形品の光学特性を優れたものにできる光学部品の製造方法、製造装置、および光学部品を提供することにある。
本発明の光学部品の製造方法は、内部に光学部品成形用キャビティを有した金型と、この金型を型締めして前記光学部品成形用キャビティ内の原料樹脂を加圧する加圧装置とを用い、固化状態の前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットし、この原料樹脂を加熱して可塑化するとともに、可塑化された前記原料樹脂を前記加圧装置で加圧し、展延させて光学部品を成形する光学部品の製造方法であって、前記原料樹脂の展延方向外周を囲んで当該展延を制限し、かつ前記光学部品の外形を規定する環状の弾性部材を前記光学部品成形用キャビティに配置し、この弾性部材の内側に前記固化状態の原料樹脂をセットしてから加圧、展延することで、加圧、展延された樹脂によって径方向に拡がるように前記弾性部材が弾性変形し、加圧、展延の後に冷却された樹脂の収縮に伴って前記弾性部材が弾性力によって当初の内径に戻る方向に変形することを特徴とする。
このような光学部品の製造方法によれば、弾性部材により原料樹脂の展延を制限し、成形される光学部品の外形を規定することで、キャビティの成形面および弾性部材の内周縁で囲まれた領域内の容積分だけの原料樹脂を用意すればよく、原料樹脂の使用量を節約することができる。さらに、眼鏡用レンズとして成形品を利用する場合には、レンズとして利用する大きさに合わせて弾性部材の内径を設定することで、原料樹脂の使用量を一層節約できるとともに、成形品の大きさごとに異なる金型を用意する必要もないため、金型の製造コストを低減することができる。
また、弾性部材により原料樹脂の展延を制限する、すなわち外側に向かって展延しようとする樹脂を弾性部材によって拘束することで、成形品の周縁部においても適正な圧力を作用させる(保圧をかける)ことができ、成形品の光学特性を優れたものにできる。この際、展延しようとする樹脂の圧力により弾性部材が変形して内径が大きくなり、加圧後に冷却された樹脂の収縮に伴って弾性部材も当初の大きさに戻るため、冷却中においても保圧をかけることができ、樹脂の残留ひずみを小さくして、ヒケを防止することができる。なお、ここで光学部品の光学特性とは、乱視度数や光学面の曲率分布の均質性などで評価される特性を意味する。
さらに、弾性部材により光学部品の外形を規定することで、成形された光学部品の外周縁にバリや溢れ出し跡、ゲート跡等がなく、成形後において弾性部材から光学部品を取り外すだけでよいため、切断や研削、ゲートカット等の作業を不要にでき、製造効率を向上させることができる。
なお、原料樹脂としては、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(アクリル、PMMA)、ポリオレフィン(PO)等の熱可塑性樹脂が適用可能である。
また、成形される光学部品としては、中央部の厚みが周縁部に対して厚いプラスレンズや、中央部の厚みが周縁部に対して薄いマイナスレンズでもよく、また累進レンズや単焦点レンズ等の非球面レンズであってもよい。光学部品がマイナスレンズの場合には、周縁部の厚みが大きいために周縁部にヒケが生じやすくなるが、本発明によれば、周縁部から保圧をかけることができるので、特に効果的に、このようなヒケの発生を防止することができる。
一方、本発明の光学部品の製造装置は、内部に光学部品成形用キャビティを有した金型と、この金型を型締めして前記光学部品成形用キャビティ内の原料樹脂を加圧する加圧装置とを備え、固化状態の前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットしてから、この原料樹脂を加熱して可塑化し、可塑化された前記原料樹脂を前記加圧装置で加圧し、展延させて光学部品を成形する光学部品の製造装置であって、前記光学部品成形用キャビティには、前記原料樹脂の展延方向外周を囲んで当該展延を制限し、かつ前記光学部品の外形を規定する環状の弾性部材が配置され、この弾性部材の内側に前記固化状態の原料樹脂をセットしてから加圧、展延することで、加圧、展延された樹脂によって径方向に拡がるように前記弾性部材が弾性変形し、加圧、展延の後に冷却された樹脂の収縮に伴って前記弾性部材が弾性力によって当初の内径に戻る方向に変形することを特徴とする。
このような光学部品の製造装置によれば、上述と同様に、原料樹脂の使用量を節約することができるとともに、金型の製造コストを低減することができる。さらに、光学部品の光学特性を優れたものにできる。
以上において、前記金型には、前記原料樹脂を加熱して可塑化する加熱装置が設けられ、前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットした後に、前記加熱装置によって前記原料樹脂を可塑化することが望ましい。
このような構成によれば、金型に設けた加熱装置によって原料樹脂を加熱して可塑化するので、予め溶融させた樹脂をキャビティに射出する必要がなく、所定量に計量された固化状態の原料樹脂(プリフォーム)をキャビティにセットするだけでよいため、製造装置の構造を簡単にすることができる。
この際、前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットする前に予め加熱する予備加熱手段を備えることが好ましい。
ここで、予備加熱装置としては、原料樹脂の外部から直接加熱するヒータでもよく、遠赤外線等により原料樹脂の内部から加熱するヒータでもよい。
このような構成によれば、原料樹脂を予め加熱しておくため、キャビティにセットした後に迅速に可塑化でき、製造工程を短縮化することができる。また、遠赤外線ヒータを用いて原料樹脂の内部から加熱しておけば、金型の加熱装置で原料樹脂の外部から加熱したとしても、原料樹脂全体をムラなく加熱して可塑化することができる。
以上において、前記金型には、前記加圧装置で加圧して展延された前記原料樹脂を冷却する冷却装置が設けられていることが望ましい。
このような構成によれば、冷却装置によって展延された原料樹脂を冷却することで、樹脂を迅速に固化させて成形品を取り出すことができるため、製造サイクルを高速化して製造効率を向上させることができる。
さらに、前記弾性部材の内周縁には、前記金型の型締め方向に沿って突出し、当該内周縁に沿った環状の凸部が設けられていることが望ましい。
このような構成によれば、加圧時において、弾性部材の内周縁の凸部が金型の成形面に密接し、キャビティが密閉されるため、弾性部材と金型の成形面との間から原料樹脂が漏れることが防止できるとともに、加圧によって原料樹脂内から発生するガスを凸部と金型の成形面との間から排出することができる。
また、前記弾性部材は、硬度40以上のフッ素ゴム製であることが望ましい。
ここで、硬度とは、「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法(JIS K 6353-1997 )」に規定されたデュロメータタイプA(ショアA)の硬さを意味し、フッ素ゴムの硬度としては、A40以上が好ましく、より好ましくはA60〜A90であり、さらに好ましくはA70〜A80である。なお、デュロメータタイプA(JIS K 6353-1997 )の硬さは、ISO7619 に規定された硬さと整合したものである。
このような構成によれば、弾性部材がA40以上の硬さを有するので、原料樹脂の展延を確実に抑制し、成形品の外周側から保圧をかけることができる。また、弾性部材がフッ素ゴム製であるので、成形後の光学部品との離型性がよく、弾性部材から光学部品を容易に取り外すことができる。
なお、弾性部材の材料としては、フッ素ゴムが好ましいが、その他のゴム(例えば、シリコーンゴム等)や樹脂(フッ素樹脂等)などの耐熱性に優れたものが利用可能である。
以上において、前記光学部品は、眼鏡用のレンズであって、前記弾性部材は、前記眼鏡のフレーム形状に応じた内周縁を有することが望ましい。
このような構成によれば、弾性部材の内周縁が眼鏡のフレーム形状に応じた形状となっているので、成形された光学部品の周縁部分を削り落とすことなく、あるいは少量だけ削り落とすことで、眼鏡フレームに組み込むことができ、より一層原料樹脂を節約できるとともに、眼鏡用レンズとしての加工工程を短縮化することができる。
また、前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、前記第1および第2の金型の少なくとも一方には、成形される光学部品の光軸回りに当該金型を回転させる回転手段が接続されていることが望ましい。
このような構成によれば、金型を光学部品の光軸回りに回転させることで、累進多焦点レンズ等の光学部品を成形する場合であっても、容易、かつ迅速に周方向の位置決めを実行することができる。
さらに、前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、前記第1および第2の金型のうち、少なくとも一方の金型における成形面がガラス製であることが望ましい。
このような構成によれば、成形面がガラス製の金型として、眼鏡用プラスチックレンズのキャスト成形に使用される化学強化されたガラスモールドが利用可能となり、光学部品(特に、乱視処方が加わった眼鏡レンズ)を安価に製造することができる。すなわち、眼鏡レンズに乱視処方が加わる場合には、通常、レンズの凹面側に乱視面が形成されるので、凹面側は頂点屈折力と乱視屈折力との2つのレンズ度数の組み合わせの屈折面になるため、金型数が膨大な数となってしまう。このため、金属性の金型ではコストが増大することとなるが、一般的に使用されているガラス製の金型(ガラスモールド)が使用できれば、製造コストを低減させることができる。
一方、本発明の光学部品は、上記いずれかの製造方法によって成形された光学部品であって、眼鏡用のレンズであることを特徴とする。
この発明によれば、上述した効果と同様の効果、すなわち原料樹脂の使用量を節約できるとともに、優れた光学特性が得られるという効果を奏する。
この際、本発明の光学部品は、プラス度数の眼鏡用のレンズであって、加圧前の原料樹脂が金型内で内当たりの形状とされていることが望ましい。
このような構成によれば、プラス度数レンズ用の原料樹脂(プリフォーム)の形状が、金型内で中当たりとなる、つまり原料樹脂の中央部分が金型の成形面に接触する(例えば、両凸形状)ようにすることで、加圧成形時における原料樹脂の展延性がよくなり、形状精度が優れ、さらに樹脂中の気泡の発生を抑制することができる。すなわち、プリフォームの中央部分から外周に向かって加圧、展延することで、展延性が向上するとともに、外当たりとなっているプリフォームの場合と比較して気泡の発生を抑制することができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係る光学部品の製造方法を適用した製造装置1の概略構成を示している。なお、ここで成形される光学部品は、眼鏡用のレンズ(メニスカス形状の眼鏡レンズ)であって、中央部の厚みが周縁部に対して薄いマイナスレンズである。
製造装置1は、成形金型2を有する型締装置30と、成形金型2を位置決めする位置決め装置40と、成形金型2の温度を予め設定された温度に制御する金型温度調整装置50とから構成された加熱加圧成形装置である。
型締装置30は、固定ダイプレート31と、この固定ダイプレート31に複数本のタイバー32を介して固定され、かつ型締めシリンダ33を搭載したシリンダ固定プレート34と、タイバー32に沿って昇降自在に設けられ型締めシリンダ33のピストンロッド35に連結された可動ダイプレート36とから構成されている。固定ダイプレート31と可動ダイプレート36との間には、成形金型2が取り付けられており、型締めシリンダ33で可動ダイプレート36を下降させることで成形金型2が型締めされるようになっている。すなわち、成形金型2のキャビティ3にセットされた原料樹脂であるプリフォームPを加圧する加圧装置が、型締装置30によって構成されている。
位置決め装置40は、後述する下型20の下型インサート24に連結された連結ロッド41と、この連結ロッド41を上下に進退駆動する位置決めシリンダ42と、連結ロッド41を軸回りに回転駆動する位置決めモータ43とを備えて構成されている。連結ロッド41と位置決めモータ43とは、プーリ44や歯車等を介して連結されており、位置決めモータ43の回転軸の回転が連結ロッド41に伝達されるようになっている。以上の、連結ロッド41、位置決めモータ43、およびプーリ44(または歯車)によって、成形されるレンズLの光軸回りに成形金型2の一部である下型インサート24を回転させる回転手段が構成されている。
金型温度調整装置50は、成形金型2に温調流体(加熱流体および冷却流体)を供給する温調流体供給装置51と、この温調流体供給装置51から成形金型2の各部に供給される温調流体の温度を温調流体供給装置51に指令する制御装置52とから構成されている。制御装置52には、予め成形するレンズLの種類に応じて複数種の金型温度制御曲線が記憶されている。これにより、いずれかの金型温度制御曲線が指定されると、指定された金型温度制御曲線に従って温調流体供給装置51から成形金型2の各部(後述するインサートガイド部材11,21、上型インサート14、下型インサート24など)に供給される温調流体の温度が制御されるようになっている。このような金型温度調整装置50によって、成形金型2およびプリフォームPを加熱する加熱装置、および冷却する冷却装置が構成されている。
図2〜4は、それぞれ成形金型2を拡大して示す断面図である。
成形金型2は、図2〜4に示すように、パーティングラインPLにおいて上下に型分割される上型(可動型)10と下型(固定型)20とを備え、これらの間にレンズ(光学部品)成形用キャビティ3(図3)が形成されている。
上型10は、インサートガイド部材11および型板12からなる型本体13と、インサートガイド部材11内部に収納されてキャビティ3を形成する上型インサート(オプティカルインサート、第1金型)14と、これらの型本体13および上型インサート14が取り付けられる型取付部材15とを備えて構成されている。上型10の型本体13は、ボルト16を介して型取付部材15に連結されるとともに、図示しないばねにより下型20に向かって付勢され、型取付部材15に対して進退可能に支持されている。また、型取付部材15は、可動ダイプレート36に固定されており、型締めシリンダ33(図1)の下向き型締め力が型取付部材15を介して上型インサート14に作用し、図3、4に示すように上型インサート14でプリフォームPを加圧できるようになっている。
下型20は、インサートガイド部材21および型板22からなる型本体23と、インサートガイド部材21内部に収納され、上型インサート14と対向してキャビティ3を形成する下型インサート(オプティカルインサート、第2金型)24と、これらの型本体23および下型インサート24が固定される型取付部材25とを備えて構成されている。下型20の型本体23は、型取付部材25を介して固定ダイプレート31上に固定されている。
また、上型10および下型20におけるインサートガイド部材11,21には、前記温調流体供給装置51から供給される温調流体を循環させる温調流体循環溝17,27が形成されている。
上型10の上型インサート14は、図2に示すように、型取付部材15に挿通された連結ロッド18に係脱自在に係合されている。連結ロッド18は、型取付部材15に対して上下に突没自在に設けられており、連結ロッド18を下方に突出させることで、上型インサート14が下降してインサートガイド部材11から突出し、交換可能になっている。そして、連結ロッド18をインサートガイド部材11に没入させることで、上型インサート14の上面と型取付部材15の下面とが当接し、上型インサート14に型締め力が伝達可能になっている。
下型20の下型インサート24は、位置決め装置40の連結ロッド41上端に設けられた載置部41Aに載置され、係脱自在に係合されている。そして、位置決めシリンダ42により連結ロッド41を上方に駆動し、インサートガイド部材21から突出させた状態で、下型インサート24は交換可能になっている。また、位置決めモータ43により連結ロッド41を回転駆動し、下型インサート24を所定の周方向位置にセットした後に、連結ロッド41を下方に駆動することで、下型インサート24がインサートガイド部材21内にセットされるようになっている。
また、上型および下型インサート14,24間のキャビティ3内部である下型インサート24の上面には、図2〜4に示すように、硬質ゴム製の弾性部材である環状インサート4が配置されている。この環状インサート4は、型締めシリンダ33によって上型10を型締めし、上型インサート14を下型インサート24に向かって下降させた際に、上型および下型インサート14,24に密接してキャビティ3の外周縁を形成し、成形されるレンズLの外形を規定するものである。
なお、環状インサート4の材質としては、デュロメータタイプAの硬さでA40以上の硬さを有し、強度および耐熱性に優れたフッ素ゴムが用いられている。ただし、この硬さとしては、A60〜A90がより好ましく、A70〜A80がより一層好ましい。また、環状インサート4の材質としては、フッ素ゴムの他にシリコーンゴムやフッ素樹脂等が利用可能である。
図5は、本実施形態の環状インサート4およびレンズL1を示す斜視図である。
環状インサート4は、上型インサート14の成形面に沿った上面と、下型インサート24の成形面に沿った下面と、レンズL1の外形に応じて設定された内周縁4Aとを有した全体略円環状に形成されている。そして、環状インサート4の内周縁4Aには、上型インサート14の成形面に向かって上面から突出する凸部としての上リップル4Bと、下型インサート24の成形面に向かって下面から突出する凸部としての下リップル4Cとが形成されている。これら上下のリップル4B,4Cは、それぞれ環状インサート4の内周縁4Aに沿って環状に形成され、型締め時において、上下面よりも先に上型および下型インサート14,24の成形面に密接するようになっている。そして、上型インサート14に押圧されることで、上下のリップル4B,4Cが弾性変形してつぶれ、上型および下型インサート14,24の成形面に緊密に密接し、キャビティ3の密閉性が確保されるようになっている。
図6は、本実施形態の変形例である環状インサート5およびレンズL2を示す斜視図である。
図6に示す環状インサート5は、図5の環状インサート4と同様に、レンズL2の外形に応じて設定された内周縁5Aを有した全体略円環状に形成され、この内周縁5Aに沿った上下のリップル5B,5Cを有している。環状インサート5の内周縁5Aは、レンズL2を適用する眼鏡フレームの形状に応じて形成されており、環状インサート5を用いて成形されたレンズL2は、その周縁を大きく削ることなく、簡単な加工を施すだけで眼鏡フレームに適用できるようになっている。
次に本実施形態の製造装置1を用いた光学部品(レンズL)の成形手順について説明する。
先ず、型締めシリンダ33により可動ダイプレート36および上型10を上昇させ、成形金型2を大きく型開きする。
図2に示すように型開きした状態で、成形しようとするレンズLの種類に応じて、上型および下型インサート14,24を交換する。上型インサート14の交換にあたっては、連結ロッド18を駆動して上型インサート14をインサートガイド部材11から下方に突出させて行い、連結ロッド18を上方に駆動して上型インサート14をインサートガイド部材11内に収納する。下型インサート24の交換にあたっては、位置決め装置40の位置決めシリンダ42を駆動して下型インサート24をインサートガイド部材21から上方に突出させて行う。
次に、成形しようとするレンズLと同じだけの量に予め計量された固化状態のプリフォーム(原料樹脂)Pを下型インサート24上にセットするとともに、レンズLの種類やサイズに応じて選択した環状インサート4(5)を下型インサート24上にセットする。この後、位置決め装置40の位置決めモータ43を駆動して連結ロッド41および下型インサート24を回転させ、成形するレンズLの光学基準位置に応じた光学的レイアウトの位置決めを実行する(位置決め工程)。そして、位置決めシリンダ42を下方に駆動して下型インサート24をインサートガイド部材21内に収納する。
なお、位置決め工程については、成形するレンズLが累進多焦点レンズや乱視処方レンズ等用に光学的レイアウトが予め設定されているレンズの場合は、下型インサート24(凸面レンズ側)を回転させ、乱視軸方向等の位置決めを行うことにより、所定の光学的レイアウトを調整できる。また、球面レンズ等の位置決めが不要なレンズの場合には省略してもよい。
次に、図3に示すように、型締めシリンダ33により可動ダイプレート36を下降させて成形金型2を型閉じし、上型10のインサートガイド部材11および型板12と、下型20のインサートガイド部材21および型板22とを当接させる。これにより、上型10および下型20間にキャビティ3が形成される。さらに、可動ダイプレート36を下降させて上型10の型取付部材15で上型インサート14を押し下げ、上型インサート14の成形面とプリフォームPとを当接させる。
上型インサート14がプリフォームPに当接した状態で、前記金型温度調整装置50の温調流体供給装置51からインサートガイド部材11,21の温調流体循環溝17,27に加熱流体を供給し、インサートガイド部材11,21および上型および下型インサート14,24を設定温度まで加熱(ヒートアップ)する。この際、設定温度としては、プリフォームPのガラス転移温度Tgに対して10〜80℃程度上回る温度であり、この加熱によってプリフォームPが可塑化される(加熱工程)。
次に、再度型締めシリンダ33により可動ダイプレート36を下降させて上型インサート14を押し下げ、上型および下型インサート14,24間のプリフォームPを加圧し、展延させる(加圧工程)。そして、図4に示すように、上型および下型インサート14,24と環状インサート4とが密接し、加圧、展延された樹脂がキャビティ3内に拡がって環状インサート4の内周縁4Aに達した状態において、樹脂の展延が環状インサート4によって制限される。すなわち、上型および下型インサート14,24からの型締め力と、弾性変形して径が拡がった環状インサート4からの締め付け力とが樹脂に作用することになる。この際、環状インサート4の上下のリップル4B,4Cと、上型および下型インサート14,24の成形面とが密接し、展延された樹脂が環状インサート4の外側に漏れないようになっている。
以上のようにして樹脂の加熱加圧が終了した後に、金型温度調整装置50の温調流体供給装置51からインサートガイド部材11,21の温調流体循環溝17,27に冷却流体を供給し、樹脂を冷却して固化させる(冷却工程)。この際、固化に伴って樹脂の体積が収縮することになるが、この収縮に伴って環状インサート4が加圧前の内径に戻るため、固化途中の樹脂には、環状インサート4からの締め付け力が作用し続けることになる。そして、樹脂の冷却が終了して固化した時点で、可動ダイプレート36を上昇させて成形金型2を型開きし、レンズLの成形が完了する。
成形されたレンズLは、図5、6に示すように、環状インサート4,5によって外形が規定されている。そして、レンズLは、環状インサート4,5とともに成形金型2から取り出され、環状インサート4,5から取り外されて、後工程である表面処理(コーティング)や、所望により再度縁ずり等の加工が施されて眼鏡用レンズとして完成される。
また、本実施形態の製造装置1は、図7や図8に示すような、各種の周辺装置と組み合わせた製造ラインを構成することが可能である。
図7、8は、それぞれ本実施形態の製造装置1を用いた製造ライン100,200の概略構成を示す平面図である。
図7において、製造ライン100は、前記製造装置1と、この製造装置1の前後に設けられた予備加熱ステージ61および冷却ステージ62と、これらの間に渡って下型のインサートガイド部材21および下型インサート24を搬送する搬送装置63とを備えて構成されている。
予備加熱ステージ61には、図示しない予備加熱手段としての遠赤外線ヒータが設けられており、下型インサート24にセットされたプリフォームPが予備加熱されるようになっている(予備加熱工程)。この予備加熱の際の設定温度としては、プリフォームPのガラス転移温度Tgに対して10〜80℃程度上回る温度であり、設定温度まで予備加熱されたプリフォームPがインサートガイド部材21および下型インサート24とともに、搬送装置63により製造装置1に搬送される。搬送されたインサートガイド部材21が製造装置1の型板22に収納され、上記した成形手順から冷却工程を省略した手順でレンズが成形される。
成形されたレンズは、インサートガイド部材21および下型インサート24とともに、冷却ステージ62に搬送され、この冷却ステージ62で冷却され(冷却工程)、取り出される。このような製造ライン100によれば、製造装置1における成形中に、予備加熱ステージ61において、次に成形するための下型インサート24、環状インサート4、プリフォームPを用意して予備加熱しておき、冷却ステージ62において、先に成形されたレンズを冷却して取り出し、下型インサート24や環状インサート4を交換することができるようになっている。
図8において、製造ライン200は、図7の製造ライン100と同様に、製造装置1、予備加熱ステージ61、および冷却ステージ62を備えるとともに、インサート設置ステージ64と、2つのアイドルステージ65と、レンズ取出ステージ66と、インサート取出ステージ67とを備えて構成されている。こららの各ステージは、インサート設置ステージ64、予備加熱ステージ61、製造装置1、冷却ステージ62、アイドルステージ65、レンズ取出ステージ66、アイドルステージ65、インサート取出ステージ67の順に設けられ、各ステージ間に渡って下型のインサートガイド部材21を搬送する搬送装置63が設けられている。この搬送装置63は、搬送装置駆動ユニット63Aによって駆動されるようになっている。また、インサート取出ステージ67とインサート設置ステージ64との間には、下型インサート24の成型面にハードコート剤等の被膜を塗布する被膜塗布ステージ68が設置されている。
インサート取出ステージ67の近傍には、各種の下型インサート24を準備しておくインサートラック70が設けられている。また、インサート取出ステージ67とインサート設置ステージ64との間には、インサート取出ステージ67のインサートガイド部材21から下型インサート24を取り出してインサートラック70に戻し、インサートラック70から適宜な下型インサート24を取り出すとともに、インサート設置ステージ64まで搬送し、インサート設置ステージ64のインサートガイド部材21に下型インサート24を設置するインサート搬送装置71が設けられている。このインサート搬送装置71は、下型インサート24を掴むためのロボットアーム72を備えている。
また、レンズ取出ステージ66の近傍には、レンズ取出ステージ66のインサートガイド部材21から成形されたレンズLを取り出し、図示しない製品ラックに搬送する製品搬送装置73が設けられている。この製品搬送装置73は、レンズLを掴むためのロボットアーム74を備えている。
また、製造ライン200では、製造装置1における成形金型2のキャビティ3内に溶融樹脂を射出する射出装置75が設けられている。すなわち、製造ライン200では、上記したプリフォームPをキャビティ3に設置し、このプリフォームPを加熱して可塑化させるのではなく、射出装置75で可塑化された溶融樹脂をキャビティ3に射出するような成形手順になっている。このため、予備加熱ステージ61においては、下型インサート24を予備加熱し、製造装置1においては、前記加熱工程が実行されないようになっている。
射出装置75は、樹脂ペレットを供給する材料供給部76と、供給された樹脂ペレットを加熱して溶融し、製造装置1に向かって送るスクリュウを内蔵した可塑化部77と、溶融樹脂をキャビティ3に射出する射出ノズル78とを備えて構成されている。そして、射出装置75では、予め設定された量だけ計量された溶融樹脂が射出されるようになっている。
以上のような製造ライン200によれば、インサートラック70から適宜な下型インサート24を選んでインサートガイド部材21に設置し、この下型インサート24を製造装置1に搬送し、キャビティ3に溶融樹脂を射出し、製造装置1で成形されたレンズLを取り出すとともに、成形に使用した下型インサート24をインサート搬送装置71で取り出してインサートラック70に戻すというレンズ成形に係る一連の工程が、予め設定された製造手順に従って自動的に実施される。
なお、ここでは説明を省略したが、上述の下型20における搬送やセット方法と略同様の方法を用いて、上型10のインサートガイド部材11や上型インサート14等を搬送、セットできるようになっている。
また、本実施形態では、レンズLの1個取り製造の例を紹介しているが、当然、単に金型を2つにしたり、あるいは、製造ラインを増設することにより、ペア受注による2個取り製造や、複数個のレンズ製造も実施できる。
以上の本実施形態によれば以下の効果がある。
すなわち、環状インサート4,5により樹脂の展延を制限し、成形されるレンズLの外形を規定することで、キャビティ3における上型および下型インサート14,24の成形面および環状インサート4,5の内周縁4A,5Aで囲まれた領域内の容積分だけの原料樹脂を用意すればよく、原料樹脂の使用量を節約することができる。
また、眼鏡用レンズとしてレンズLを利用する場合には、利用する大きさに合わせて環状インサート4の内径を設定することで、原料樹脂の使用量を一層節約できるとともに、成形するレンズLの大きさごとに異なる成形金型2を用意する必要もないため、成形金型2の製造コストを低減することができる。
さらに、環状インサート5の内周縁5Aが眼鏡のフレーム形状に応じた形状となっているので、成形されたレンズL2の周縁部分を削り落とすことなく、あるいは、予め類似のフレーム枠形状のもの同士をグループ化して共通の玉型形状にした成形レンズとして成形しておき、受注により、その所定の形状に合わせて少量だけ縁ずり加工することで、眼鏡フレームに組み込むことができるので、より一層原料樹脂を節約できるとともに、眼鏡用レンズとしての加工工程を短縮化することができる。
また、環状インサート4,5により原料樹脂の展延を制限することで、レンズLの周縁部においても圧力を補完することができ、成形されたレンズLの光学特性を優れたものにできる。この際、展延しようとする樹脂の圧力により環状インサート4,5が変形して内径が大きくなり、加圧後に冷却された樹脂の収縮に伴って環状インサート4,5も当初の大きさに戻るため、冷却中においても保圧をかけることができ、樹脂の残留ひずみを小さくして、ヒケを防止することができる。
さらに、レンズLがマイナスレンズの場合には、周縁部の厚みが大きいために周縁部にヒケが生じやすくなるが、環状インサート4,5により周縁部から保圧をかけることができるので、特に効果的に、このようなヒケの発生を防止することができる。
また、環状インサート4,5によりレンズLの外形を規定することで、成形されたレンズLの外周縁にバリや溢れ出し跡、ゲート跡等がなく、成形後において環状インサート4,5からレンズLを取り外すだけでよいため、切断や研削、ゲートカット等の作業を不要にでき、製造効率を向上させることができる。
また、金型温度調整装置50の温調流体供給装置51によって成形金型2およびプリフォームPを加熱して可塑化するようにすれば、予め溶融させた樹脂をキャビティに射出する必要がなく、所定量に計量された固化状態のプリフォームPをキャビティ3にセットするだけでよいため、製造装置1の構造を簡単にすることができる。
さらに、予備加熱装置によってプリフォームPを予め加熱するようにすれば、キャビティ3にセットした後に迅速に可塑化でき、製造工程を短縮化することができる。また、遠赤外線ヒータを用いてプリフォームPの内部から加熱しておけば、インサートガイド部材11,21や上型および下型インサート14,24を介してでプリフォームPの外部から加熱したとしても、プリフォームP全体をムラなく加熱して可塑化することができる。
なお、プリフォームPの形状は、実施形態では球形状を用い、加圧時に均等な展延性の効果を求めたが、特に、球形状に限定されるものではない。すなわち、プリフォームPとして好ましくは、上下の金型10,20内でそれぞれ中当たりとなって接触する形状のもの(例えば、両凸形状)が展延性や形状精度がよい。
また、溶融樹脂を射出する射出装置75を用いて原料樹脂を供給するようにすれば、従来の射出圧縮成形と同様の成形方法や装置を用いることができる。また、射出装置75によって原料樹脂が可塑化されてキャビティ3に射出されるので、成形金型2に加熱装置等の可塑化手段を設ける必要がなく、成形金型2の構造を簡単化することができる。
また、金型温度調整装置50の温調流体供給装置51によって展延された原料樹脂を冷却することで、樹脂を迅速に固化させてレンズLを取り出すことができるため、製造サイクルを高速化して製造効率を向上させることができる。
また、環状インサート4,5にリップル4B,4C,5B,5Cを設けたことで、加圧時において、リップル4B,4C,5B,5Cが上型および下型インサート14,24の成形面に密接し、キャビティ3が密閉されるため、環状インサート4,5と成形面との間から原料樹脂が漏れることが防止できるとともに、加圧によって原料樹脂内から発生するガスをリップル4B,4C,5B,5Cと成形面との間から排出することができる。
さらに、環状インサート4,5を硬質ゴム製としたので、原料樹脂の展延を確実に抑制し、レンズLの外周側から保圧をかけることができる。また、環状インサート4,5をフッ素ゴム製とすれば、成形後のレンズLとの離型性がよく、環状インサート4,5からレンズLを容易に取り外すことができる。さらに、環状インサート4,5に強度の高いフッ素ゴムを使用すれば、繰り返し使用することができるので、製造コストを抑制することができる。
また、位置決め装置40の位置決めモータ43によって下型インサート24をレンズLの光軸回りに回転させて位置決めすることで、累進多焦点レンズ等のレンズを成形する場合であっても、容易、かつ迅速に周方向の位置を設定することができる。
さらに、製造ライン100,200のように各種の周辺装置と組み合わせることで、一連の工程により順次レンズLを製造することができるので、製造効率をより一層向上させることができる。特に、製造ライン100では、ライン全体をコンパクトにすることができるため、この製造ライン100を眼鏡店等の店内に設置し、その場で顧客の眼の状態(視力や、乱視の有無等)に応じてレンズLを製造し、眼鏡を提供することができ、利便性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
図9は、本実施形態に係る光学部品の製造装置の概略構成を示している。本実施形態の製造装置は、前述の第1実施形態と同様に、成形金型2を有する型締装置30と、成形金型2を位置決めする位置決め装置40と、成形金型2の温度を予め設定された温度に制御する金型温度調整装置50とを有して構成された加熱加圧成形装置である。そして、本実施形態の製造装置は、成形金型2における上型10の上型インサート(第1金型)の構成が第1実施形態と相違ている。以下、相違点について詳しく説明する。
すなわち、本実施形態の上型インサート19は、成形面を形成するガラス製のガラスモールド19Aと、このガラスモールド19Aの成形面と反対側に設けられるスペーサ19Bと、これらのガラスモールド19Aおよびスペーサ19Bを収納するケース体19Cとを有して構成されている。そして、ケース体19Cは、下型20に向かって開口した円形皿状に形成されており、その開口周縁には、全周に渡って鍔状のガラスモールド押さえ部19Dが形成されている。また、ケース体19Cの側周面には、ガラスモールド19Aおよびスペーサ19Bをケース体19Cに出し入れするための開口部19Dが形成されている。
ガラスモールド19Aおよびスペーサ19Bをケース体19Cに収納する際には、図11に示すように、先ずケース体19Cの開口部19Dからガラスモールド19Aを挿入して押さえ部19D側に移動させ、次に開口部19Dからスペーサ19Bを挿入し、ガラスモールド19Aを押さえ部19Dに押圧して位置決めする。このような上型インサート19は、第1実施形態と同様に、ケース体19Cが連結ロッド18に固定され、インサートガイド部材11内に収納されて上型10に装着されるようになっている。
ガラスモールド19Aは、一般的に眼鏡プラスチックレンズのキャスト成形に使用される化学強化されたものであって、成形面(図9中、下側の面)は凸状の光学的鏡面でレンズLの凹面側の転写面であり、成形面と反対側の面(図9中、上側の面)は、スペーサ19Bと接触する面であるため、嵌合性のためフラットに二次加工されている。ここで、例えば、成形するレンズLに乱視処方が加わってその凹面側に乱視面が形成される場合には、ガラスモールド19Aの成形面に頂点屈折力と乱視屈折力との2つのレンズ度数の組み合わせの屈折面が形成され、この屈曲面がレンズLの凹面に転写されるようになっている。
スペーサ19Bは、ケース体19C内でガラスモールド19Aが動かないように空隙を埋めるもので、上型10の加熱時にガラスモールド19Aに効率よく熱を加えることができるように、熱伝導率が高く、加工性のよい銅系金属から形成されている。そして、スペーサ19Bは、その大きさや厚さ寸法がガラスモールド19Aやケース体19Cに応じて高精度に加工されており、型締装置30による加圧時に各部材間でガタが生じないようになっている。
以上の上型インサート19のガラスモールド19Aは、加圧成形時において、下型インサート24上に配置された環状インサート4に密接するようになっている。この際、環状インサート4は、成形中の圧力、収縮等を適宜考慮した厚み寸法や形状が設定されており、ガラスモールド19Aは、プリフォーム(原料樹脂)P’および環状インサート4に接触するものの、下型20の下型インサート24には接触しないようになっている。これにより、ガラスモールド19Aの破損が防止できるようになっている。また、本実施形態のガラスモールド19Aでは、例えば、型締装置30により5トンのプレス圧で加圧し、金型温度調整装置50により220℃から90℃まで冷却する時間が2分半の冷却条件下で使用可能であることが確認されている。
また、プリフォームP’は、プラス度数の眼鏡レンズに対応したもので、成形品(レンズL)の最終形状に近い形状、すなわち上型および下型インサート19,24それぞれに中当たりとなって接触する両凸形状とされている。さらに、プリフォームP’は、最終製品の体積に近い容積に設定されている。具体的には、プリフォームPを製造するための製造装置を用意して、その金型を複数用意しておき、予備レンズ形状を作成する方法や、この成形後に所定の形状に玉型加工する方法などが挙げられ、成形の目的に応じてプリフォームP’の外周縁の形状精度を適宜設定すればよい。例えば、特にメニスカス形状をした眼鏡レンズの場合では、中心厚が厚く、レンズ周縁部のレンズ厚が薄いプラス度数レンズの場合と、中心厚が薄く、レンズ周縁部のレンズ厚が厚いマイナス度数レンズの場合とで2種類のプリフォームP’の形状を用意してもよい。
なお、プリフォームP’の容量の調整は、単なる金型の大きさの調整で可能であるが、実用的には縁摺りして調整する方法が挙げられる。ただし、容量調整や形状調整のための縁摺り加工において、湿式方法を採用した場合には、樹脂の吸水状態を適切に調整する必要がある。すなわち、プリフォームP’の吸水状態が高いと、加圧時の樹脂の展延の際に放出された水分が金型や製品の形状によっては排出されない場合があり、気泡として成形品に閉じ込められる可能性がある。特に、中心厚が厚く、レンズ周縁部のレンズ厚が薄いような構造の成形品の場合で、特にメニスカス形状の眼鏡レンズのプラス度数レンズの場合が顕著に現れやすい。従って、予備加熱の前に、プリフォームP’の吸水状態を把握しておき、吸水のないような状態に、熱風乾燥やヒータ等を使用して水分を除去することが望ましい。一方、マイナス度数レンズの場合は、プラス度数レンズの場合と比較して気泡の問題は生じにくいため、上述のようなプリフォームP’の形状であってもよいが、外当たりとなる形状(例えば、平面形状)であってもよい。
以上の本実施形態によれば前述の第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
すなわち、上型10にガラスモールド19Aを利用したことで、金属性の金型を利用する場合と比較して、レンズL(特に、乱視処方が加わった眼鏡レンズ)の製造コストを低減させることができる。
さらに、プラス度数レンズ用のプリフォームP’の形状が、上型および下型インサート19,24に中当たりとなる両凸形状にしたことで、加圧成形時における樹脂の展延性がよくなり、形状精度が優れ、さらに樹脂中の気泡の発生を抑制することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、成形金型2は、インサートガイド部材11,21と、これらに収納される上型および下型インサート14,24を備えて構成されていたが、これに限らず、インサートガイド部材を省略してもよい。すなわち、本発明では、キャビティ内に環状インサート(弾性部材)を配置し、この弾性部材によって樹脂の展延を制限する構成となっているため、前記実施形態のインサートガイド部材がなくても、弾性部材で樹脂漏れを防止して光学部品の外形を良好に形成することができる。
また、前記実施形態では、眼鏡用のレンズLの製造装置、および方法について説明したが、本発明の光学部品は、眼鏡用のレンズに限らず、各種の光学機器(カメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話、双眼鏡、顕微鏡、光学測定機など)のレンズや反射鏡に適用可能である。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、眼鏡や光学機器等の分野において利用可能である。
本発明の第1実施形態に係る光学部品の製造方法を適用した製造装置の概略構成を示す図である。 前記製造装置における成形金型を示す断面図である。 前記成形金型を示し、図2とは異なる成形工程を示す断面図である。 前記成形金型を示し、図2、3とは異なる成形工程を示す断面図である。 前記光学部品および弾性部材を示す斜視図である。 図5とは異なる光学部品および弾性部材を示す斜視図である。 前記製造装置を含む製造ライン示す平面図である。 図7とは異なる製造ライン示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る光学部品の製造装置の概略構成を示す図である。 前記製造装置における金型を示す斜視図である。 前記金型を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 製造装置
2 成形金型
3 光学部品成形用キャビティ
4,5 環状インサート(弾性部材)
4A,5A 内周縁
4B,4C,5B,5C リップル(凸部)
10 上型
14,19 上型インサート(第1金型)
20 下型
24 下型インサート(第2金型)
30 型締装置(加圧装置)
40 位置決め装置(回転手段)
50 金型温度調整装置(加熱、冷却装置)
75 射出装置
L,L1,L2 レンズ(光学部品)
P,P’ プリフォーム(原料樹脂)。

Claims (20)

  1. 内部に光学部品成形用キャビティを有した金型と、この金型を型締めして前記光学部品成形用キャビティ内の原料樹脂を加圧する加圧装置とを用い、固化状態の前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットし、この原料樹脂を加熱して可塑化するとともに、可塑化された前記原料樹脂を前記加圧装置で加圧し、展延させて光学部品を成形する光学部品の製造方法であって、
    前記原料樹脂の展延方向外周を囲んで当該展延を制限し、かつ前記光学部品の外形を規定する環状の弾性部材を前記光学部品成形用キャビティに配置し、この弾性部材の内側に前記固化状態の原料樹脂をセットしてから加圧、展延することで、加圧、展延された樹脂によって径方向に拡がるように前記弾性部材が弾性変形し、加圧、展延の後に冷却された樹脂の収縮に伴って前記弾性部材が弾性力によって当初の内径に戻る方向に変形することを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学部品の製造方法において、
    前記原料樹脂を前記金型に設けた加熱装置によって加熱して可塑化することを特徴とする光学部品の製造方法。
  3. 請求項2に記載の光学部品の製造方法において、
    前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットする前に、予備加熱手段により当該原料樹脂を予め加熱することを特徴とする光学部品の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記加圧装置で加圧して展延された前記原料樹脂を、前記金型に設けた冷却装置によって冷却することを特徴とする光学部品の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記弾性部材の内周縁には、前記金型の型締め方向に沿って突出し、当該内周縁に沿った環状の凸部が設けられていることを特徴とする光学部品の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記弾性部材は、硬度40以上のフッ素ゴム製であることを特徴とする光学部品の製造
    方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記光学部品は、眼鏡用のレンズであって、
    前記弾性部材は、前記眼鏡のフレーム形状に応じた内周縁を有することを特徴とする光学部品の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、
    前記第1および第2の金型の少なくとも一方には、成形される光学部品の光軸回りに当該金型を回転させる回転手段が接続されていることを特徴とする光学部品の製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の光学部品の製造方法において、
    前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、
    前記第1および第2の金型のうち、少なくとも一方の金型における成形面がガラス製であることを特徴とする光学部品の製造方法。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の製造方法によって成形された光学部品であって、眼鏡用のレンズであることを特徴とする光学部品。
  11. 請求項10に記載の光学部品において、
    プラス度数の眼鏡用のレンズであって、加圧前の原料樹脂が金型内で内当たりの形状とされていることを特徴とする光学部品。
  12. 内部に光学部品成形用キャビティを有した金型と、この金型を型締めして前記光学部品成形用キャビティ内の原料樹脂を加圧する加圧装置とを備え、固化状態の前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットしてから、この原料樹脂を加熱して可塑化し、可塑化された前記原料樹脂を前記加圧装置で加圧し、展延させて光学部品を成形する光学部品の製造装置であって、
    前記光学部品成形用キャビティには、前記原料樹脂の展延方向外周を囲んで当該展延を制限し、かつ前記光学部品の外形を規定する環状の弾性部材が配置され、この弾性部材の内側に前記固化状態の原料樹脂をセットしてから加圧、展延することで、加圧、展延された樹脂によって径方向に拡がる方向に前記弾性部材が弾性変形し、加圧、展延の後に冷却された樹脂の収縮に伴って前記弾性部材が弾性力によって当初の内径に戻る方向に変形することを特徴とする光学部品の製造装置。
  13. 請求項12に記載の光学部品の製造装置において、
    前記金型には、前記原料樹脂を加熱して可塑化する加熱装置が設けられ、
    前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットした後に、前記加熱装置によって前記原料樹脂を可塑化することを特徴とする光学部品の製造装置。
  14. 請求項13に記載の光学部品の製造装置において、
    前記原料樹脂を前記光学部品成形用キャビティにセットする前に予め加熱する予備加熱手段を備えることを特徴とする光学部品の製造装置。
  15. 請求項12から請求項14のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記金型には、前記加圧装置で加圧して展延された前記原料樹脂を冷却する冷却装置が設けられていることを特徴とする光学部品の製造装置。
  16. 請求項12から請求項15のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記弾性部材の内周縁には、前記金型の型締め方向に沿って突出し、当該内周縁に沿った環状の凸部が設けられていることを特徴とする光学部品の製造装置。
  17. 請求項12から請求項16のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記弾性部材は、硬度40以上のフッ素ゴム製であることを特徴とする光学部品の製造装置。
  18. 請求項12から請求項17のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記光学部品は、眼鏡用のレンズであって、
    前記弾性部材は、前記眼鏡のフレーム形状に応じた内周縁を有することを特徴とする光学部品の製造装置。
  19. 請求項12から請求項18のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、
    前記第1および第2の金型の少なくとも一方には、成形される光学部品の光軸回りに当該金型を回転させる回転手段が接続されていることを特徴とする光学部品の製造装置。
  20. 請求項12から請求項19のいずれかに記載の光学部品の製造装置において、
    前記金型は、前記光学部品における一方の光学面を形成する第1金型と、この第1金型に対向し他方の光学面を形成する第2金型とを備えて構成され、
    前記第1および第2の金型のうち、少なくとも一方の金型における成形面がガラス製であることを特徴とする光学部品の製造装置。
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