JP2009255468A - 2色成形用金型及び2色成形方法 - Google Patents

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Kazuhiro Kikumori
一洋 菊森
Hiroshi Akitake
浩 秋竹
Isao Tsubouchi
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Abstract

【課題】透明部を成形した後、着色支持部を成形して一体化する際、透明部に適切な圧力を加えて成形することで内部応力や残留歪の少ない2色成形品を得る。
【解決手段】2色成形用金型10は、透明部3を成形する1次成形側金型7と着色支持部5を成形する2次成形側金型9とを有し、2次成形側金型9において透明部3と着色支持部5とを一体化して2色成形品1を成形するものであり、2次成形側金型9の固定側の金型入子16の熱膨張量を1次成形側金型7の固定側の金型入子16の熱膨張量よりも大きくなるように構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学素子等における透明部及びその着色外周部とを一体成形するのに用いられる2色成形用金型及び2色成形方法に関する。
従来、光学素子部とその支持部とを一体成形する方法として2色成形方法が広く採用されている。この成形方法は、例えば、1次成形用の金型に1次成形用の樹脂を射出充填して光学素子部を成形し、その後、2次成形用の金型に2次成形用の樹脂を射出充填して支持部を成形すると同時に、これら光学素子部と支持部とを溶着・一体化する方法である。
しかし、この方法では、2次成形品を成形する時の樹脂圧及び2次成形部の樹脂の収縮により、1次成形部の形状がくずれたり、1次成形部の光学素子内部の応力や歪が増大するという課題があった。
このため、例えば特許文献1では、透明部を射出成形した後、2次成形で着色部を射出成形する場合に、少なくとも1次成形側を射出圧縮成形するという技術が提案されている。
特公平7−100331号公報
しかしながら、特許文献1では、新たに圧縮動作機構が必要であるため、そのための成形設備が高価になる。また、この圧縮動作機構では、樹脂に適切な圧力を加えることが難しく、樹脂に必要以上の圧力が加わることが懸念される。すなわち、2次成形時に樹脂に加わる圧力によって1次成形部がくずれてしまうおそれがある。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、1次成形部を成形した後、2次成形部を成形して一体化する際、1次成形部に適切な圧力を加えて成形することで内部応力や残留歪の少ない2色成形品を得ることのできる2色成形用金型及び2色成形方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
1次成形部を成形する1次成形側金型と2次成形部を成形する2次成形側金型とを有し、前記2次成形側金型において前記1次成形部と前記2次成形部とを一体化して2色成形品を成形する2色成形用金型において、
前記2次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量を前記1次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量よりも大きくなるように構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の2色成形用金型において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子とを異なる熱膨張係数の材質で構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の2色成形用金型において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子との少なくとも一方を複数の部材を組み合わせて構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の2色成形用金型において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の低い部材を配置し、前記2次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の高い部材を配置したことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の2色成形用金型において、
前記1次成形部は透明部であり、前記2次成形部は前記1次成形部を支持する着色支持部であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、
1次成形側金型において1次成形部を成形した後、2次成形側金型において2次成形部を成形すると同時に前記1次成形部と前記2次成形部とを一体化して2色成形品を成形する2色成形方法において、
前記2次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量を前記1次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量よりも大きくし、
前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の2色成形方法において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子とを異なる熱膨張係数の材質で構成し、
前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の2色成形方法において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子との少なくとも一方を複数の部材を組み合わせて構成し、
前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の2色成形方法において、
前記1次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の低い部材を配置し、前記2次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の高い部材を配置し、
前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮することを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項6に記載の2色成形方法において、
前記1次成形部は透明部であり、前記2次成形部は前記1次成形部を支持する着色支持部であることを特徴とする。
本発明によれば、1次成形部を成形した後、2次成形部を成形して一体化する際、1次成形部に適切な圧力を加えて成形することで、内部応力や残留歪の少ない2色成形品を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施形態により成形された2色成形品の断面図を示し、図2は、2色成形用金型の断面構成を示している。
図1において、光学素子などの2色成形品1は、1次成形部としての透明部(光学素子部)3とこれを支持する2次成形部としての着色支持部5を有している。着色支持部5は、2色成形品1を鏡筒に取り付ける際の鏡筒内での位置決めに用いられる。また、着色支持部5は2色成形品1を光学部品として用いた場合に、フレアやゴーストの発生を防止する役目を果たす。
図2において、2色成形用金型10は1次成形側金型7と2次成形側金型9とを有している。これら1次成形側金型7は、パーティングラインPLを挟んで対向配置された1次固定側金型11及び可動側金型12を有している。また、2次成形側金型9は、パーティングラインPLを挟んで対向配置された2次固定側金型11及び可動側金型12を有している。
すなわち、1次成形側金型7と2次成形側金型9とは、1次固定側金型11と2次固定側金型11の構成が相違している。可動側金型12,12については、1次側も2次側も同一の構成を有している。
そして、1次成形側金型7で透明部3を射出成形する1次成形が行われ、また、2次成形側金型9で着色支持部5を成形すると同時に、透明部3と着色支持部5を一体化する。
1次固定側金型11は、1次固定側型板13,1次固定側落下板14、及び1次固定側取付板15を有している。この1次固定側金型11に対向する可動側金型12は、可動側型板18、可動側受け板19、スペーサブロック20、及び可動側取付板21を有している。スペーサブロック20の内側には、突き出し機構を構成するエジェクタプレート22が設けられている。このエジェクタプレート22には、エジェクタピン23が取り付けられている。
2次固定側金型11は、2次固定側型板13、2次固定側落下板14、及び2次固定側取付板15を有している。この2次固定側金型11に対向する可動側金型12は、前述したように、1次固定側金型11に対向する可動側金型12と同一の構成を有している。
これら1次成形側金型7の可動側取付板21と、2次成形側金型9の可動側取付板21とは、不図示の成形機の可動側プラテン25に固定されている。同様に、1次成形側金型7の1次固定側取付板15と2次成形側金型9の2次固定側取付板15とは、不図示の固定側プラテンに固定されている。
次に、1次成形側金型7の構成について説明する。
1次固定側金型11の1次固定側型板13には、その略中央に1次固定側型板13と別部材で構成された1次固定側入子16が嵌挿されている。なお、1次固定側入子16の詳細については後述する。
この1次固定側入子16には、そのパーティングラインPL側に凹状の成形面26が形成されている。この成形面26は、対向する可動側入子24(後述する)の凹状の成形面27とともにキャビティ37を形成している。
本実施形態では、成形面成形面26と成形面27は、ともに同一の曲率半径の球面又は非球面、又は球面と非球面の組み合わせ面に形成されている。ただし、これに限るものではなく、その曲率半径や球面形状等を適宜変更してもかまわない。
1次固定側入子16の成形面26の外周部は、1次固定側型板13側にも平面状に延びていて、成形面26の外周部にフランジ空間17を形成している。1次固定側型板13には、加熱手段としての温調媒体(例えば媒体温度は120℃)を供給する温調管32が形成されている。
1次固定側型板13に対向する可動側型板18には、1次固定側入子16と対向するように可動側型板18と別部材で構成された可動側入子24が設けられている。この可動側入子24には、そのパーティングラインPL側に凹状の成形面27が形成されている。前述したように、この可動側入子24の成形面27と、1次固定側入子16の成形面26とで、パーティングラインPLを挟んでキャビティ37が形成されている。
また、可動側型板18には温調媒体(例えば媒体温度は120℃)を供給する温調管36が形成されている。
この可動側型板18には、成形面27の外周部で、パーティングラインPLに面する側に、キャビティ37と同心状に、2色成形品1の着色支持部5を成形するための支持部空間31が形成されている。この支持部空間31の底面(図2の下方側の面)に当接するように、エジェクタピン23が配置されている。
なお、キャビティ37に射出される溶融樹脂は、ポリカーボネートが用いられる。ただし、透明部3を成形するキャビティ37に射出される材料の色は透明であり、着色支持部5を成形する支持部空間31、35(後述する)に射出される材料の色は黒色である。
次に、2次成形側金型9の構成について説明する。
2次固定側金型11の2次固定側型板13には、その略中央に2次固定側型板13と別部材で構成された2次固定側入子16が嵌挿されている。この2次固定側入子16には、そのパーティングラインPL側に凹状の成形面28が形成されている。この成形面28は、対向する可動側入子24の凹状の成形面27とともにキャビティ38を形成している。この2次固定側入子16の成形面28は、2次固定側型板13にも連続的に延びて、成形面28の外周部に形成された枠体空間35に連通している。
この枠体空間35は、パーティングラインPLを挟んで可動側型板18に形成された支持部空間31と対向配置されている。
また、2次固定側型板13には温調媒体(例えば媒体温度は120℃)を供給する温調管32が形成されている。
以上において、本実施形態では、2次成形側金型9における2次固定側入子16の熱膨張量を、1次成形側金型7における1次固定側入子16の熱膨張量よりも大きくなるように構成したものである。
図3Aと図3Bは、1次固定側入子16と2次固定側入子16の拡大断面図である。また、図3Cは、これらの物理的特性を示す図である。
図3Aに示すように、1次固定側入子16は、線膨張係数の小さい第1部材16aと線膨張係数の大きい第2部材16bとを組み合わせて構成されている。この第1部材16aと第2部材16bとはボルト39で一体的に締結されている。また、本実施形態では、第1部材16aの材質としてインバーを用い、第2部材16bの材質としてSUS420J2を用いた。
具体的には、第1部材16aの長さLaはLa=20mmであり、その線膨張係数α1はα1=0.1×10−6/℃である。また、第2部材16bの長さLbはLb=20mmであり、その線膨張係数α2はα2=11.0×10−6/℃である。
また、2次固定側入子16は、単一部材で構成され、その長さLはL=40mmであり、材質として第2部材16bと同じSUS420J2(α2=11.0×10−6/℃)を用いた。
このように構成することで、1次固定側入子16及び2次固定側入子16が同じ温度下に置かれたとき、2次固定側入子16の熱膨張量が1次固定入子16の熱膨張量よりも大きくなるようにしている。その結果、2次固定側入子16が型開き方向に膨張して透明部3を圧縮する。
このときの、2次成形側金型9における透明部3の圧縮量δは
δ=(2次固定側入子16の伸び量)−(1次固定側入子16の伸び量)
=(40×11.0×ΔT−20×ΔT×(0.1+11.0))×10−6
=218×10−6×ΔT
なお、ΔTは金型の上昇温度である。
次に、前述した図2と、図4〜図7に基づき、本実施形態の2色成形品1の成形工程について説明する。
図4は、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12を離型した状態の断面図、図5は、2つの可動側金型12、12を同一平面内で180°回転した状態の断面図、図6は、2つの可動側金型12、12を180°回転した後に型締めした状態の断面図、図7は、成形完了後に離型した状態の断面図である。
本実施形態では、図2に示すように、まず、1次固定側金型11と可動側金型12からなる1次成形側金型7のキャビティ37(及びフランジ空間17)に樹脂(ポリカーボネート)を射出する。その後、金型を冷却をして1次成形部としての透明部3を得る。この透明部3は周囲に薄肉のフランジ部4(図4参照)を有している。
また、1次成形側金型7では、透明部3を成形する際、金型内に形成されたキャビティ37及びフランジ空間17に、不図示の成形機のノズルから不図示のスプルー、ランナ、ゲートを介して透明な溶融樹脂を射出する。樹脂を射出した後は、保圧しながら金型を冷却する。金型の冷却は、温調管32、36を流れる媒体温度を制御して行う。
図4は、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12とを同時に離型した状態を示している。
このときの離型は、1次固定側金型11及び2次固定側金型11に対し、パーティングラインPLを境として2つの可動側金型12、12を同時に離型方向(図4の上下方向)に引き離すことで行う。こうして、1次成形側金型7の1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次成形側金型9の2次固定側金型11と可動側金型12とが離型される。
すると、1次成形側金型7で成形された透明部3が露出する。この透明部3は、離型性の良さに起因して必ず可動側金型12に残される。
なお、2次成形側金型9内のキャビティ38(及び支持部空間31、35)に透明部3が入っていない状態では、キャビティ38への溶融樹脂の射出は行われない。
図5は、1次固定側金型11及び2次固定側金型11に対し、可動側金型12,12を回転させた状態を示している。
すなわち、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12を離型した状態で、可動側プラテン25を支持軸25aの回りに180°回転させる(図5の矢印方向)。このとき、可動側金型12に透明部3を残したまま回転させる。
これにより、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12とが対向するように配置される。
この状態で、図6に示すように、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12とを閉じる(型締め)。
この状態で、2次成形側金型9に樹脂の射出を行い着色支持部5を成形する。このとき、着色支持部5は透明部3のフランジ部4を抱き込むようにして成形され、透明部3と着色支持部5とが一体化される。さらに、この着色支持部5の成形動作と並行して、1次成形側金型7においても、キャビティ37に樹脂の射出が行われ透明部3が成形される。
この場合、2次成形側金型9において、2次成形樹脂の熱により2次固定側金型11の温度が上昇する。これにより、2次固定側入子16が型開き方向に膨張する。
このときの2次固定側入子16の膨張量は、上述したように、1次成形側金型7における1次固定側入子16の膨張量よりも大きくなるように構成してある。このため、この膨張量の差により、2次固定側入子16により、透明部3が矢印方向に圧縮される。このように、2次成形側金型9において透明部3を適正な圧力で圧縮することにより、着色支持部5の成形時の樹脂圧で透明部3が変形したり歪が生じるのを防止することができる。
また、この2次固定側入子16は、温調管32による金型及び透明部3の冷却に追従して収縮する。この収縮により、透明部3に与える圧縮力を徐々に開放するので、透明部3に加わる圧力が緩和され余剰な圧力を加えることがない。
その後、図7に示すように、1次固定側金型11と可動側金型12、及び2次固定側金型11と可動側金型12とを離型する。
離型時には、成形機のエジェクタロッド(図示しない)により、エジェクタプレート22、これに連結された可動側入子24、及びエジェクタピン23を矢印方向に動かすことで、2次成形側金型9に存在する2色成形品1を取り出す。また、1次成形側金型7の可動側金型12内に存在する透明部3は、そのまま可動側金型12に残しておく。こうして、2色成形品1を取り出した後、再度可動側プラテン25を回転させ、上述の操作を繰返す。
本実施形態の場合、金型温度が120℃である。そのため、1次固定側入子16の組み合わせ部材を図3Cのように構成した場合、樹脂温度により金型温度が上がる前の初期の段階で1次固定側入子16と2次固定側入子16との膨張差はほぼ21.8μmである。この膨張差により、2次成形時において型を閉める時、透明部3を押圧しすぎてその成形面を崩す恐れがある。
このため、このような初期の膨張による全長差を予め見込んでおき、初期の段階で小さくするのが好ましい。例えば、固定側入子16,16の全長を変えることで調整することができる。この状態で、2次成形樹脂がキャビティ38に流入し、金型温度が10℃上がることにより、例えば2次成形側金型9において透明部3を2.18μm圧縮するようにする。
本実施形態によれば、射出樹脂の熱による金型温度の上昇に伴い、2次固定側入子16が膨張することで透明部3を適切な圧力で圧縮することにより、着色支持部5を成形する時の樹脂圧による透明部3の変形や歪を低減することができる。
また、この2次固定側入子16の膨張は温調管32により、金型及び透明部3の冷却に追従して収縮し透明部3に与える圧縮力を徐々に開放する。このため、透明部3に加わる圧力が緩和され余剰な圧力を与えることがない。これにより、透明部3の変形や歪を低減することができる。
[第2の実施の形態]
図8は、スペーサにより1次固定側入子16及び2次固定側入子16の膨張量の制御を行う場合の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
金型の基本構成は第1の実施の形態と略同じである。以下、主として第1の実施の形態との相違点について説明する。
本実施形態では、1次固定側入子16及び2次固定側入子16は同一の材質(SUS420J2系鋼)を用い、その長さ(30mm)も同一である。しかし、1次固定側入子16及び2次固定側入子16の背面側(反キャビティ側)に、夫々1次固定側スペーサ41及び2次固定側スペーサ42を介装している。また、これらのスペーサ41,42の材質は異なっている。
図9は、これらのスペーサ41,42の物理的特性を示している。
すなわち、2次成形側金型9における透明部3の圧縮量δは
δ=(2次固定側スペーサ42の伸び量)−(1次固定側スペーサ41の伸び量)
=(20×11.0×ΔT−20×0.1×ΔT)×10−6
=218×10−6×ΔT
なお、ΔTは金型の上昇温度である。
このような構成において、第1の実施の形態と同様に、射出樹脂の熱により金型温度が10℃上昇することにより、1次固定側スペーサ41及び2次固定側スペーサ42の膨張差により2次固定側入子16で透明部3を2.18μm圧縮する。また、本実施形態においても、初期の金型温度により1次固定側スペーサ41と2次固定側スペーサ42との間に膨張差が発生する。しかし、この膨張差は第1の実施の形態と同様に、予め見込んでスペーサの厚みを調整しておけばよい。
本実施形態によれば、基本的な効果は第1の実施形態と同じである。ただし、本実施形態では1次固定側入子16及び2次固定側入子16を同じ寸法で作成すれば良いため、加工コストを削減することができる。
また、1次固定側スペーサ41及び2次固定側スペーサ42は単純形状であるため(例えば円柱状)、厚さ等の調整をする際に加工性がよく、加工精度も出しやすい。このため、1次固定側スペーサ41及び2次固定側スペーサ42は汎用性に富み、他の金型にも流用することができる。
[第3の実施の形態]
図10は、熱伝導率の異なる部材による膨張量の制御の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
金型の基本構成は第1の実施の形態と略同じである。以下、主として第1の実施の形態との相違点について説明する。
本実施形態では、1次固定側入子16の周りに低熱伝導率の材質(セラミックス系材質)からなる断熱スリーブ51を配置し、2次固定側入子15の周りに高熱伝導率の材質(銅)からなる高伝熱スリーブ52を配置する。なお、1次固定側入子16及び2次固定側入子16は同一の材質(SUS420J2系鋼)を用い、その長さ(40mm)も同一である。
また、断熱スリーブ51及び高伝熱スリーブ52は、1次固定側入子16及び2次固定側入子16の周囲しか囲んでいないため、定常状態では、1次固定側入子16及び2次固定側入子16の背面側(反キャビティ側)からの伝熱により、1次固定側入子16と2次固定側入子16の温度及び膨張量はほぼ同じである。
この構成においても、1次成形側金型7及び2次成形側金型9での成形の際に、射出樹脂の熱により金型の温度が一時的に上昇する。しかし、1次成形側金型7では断熱スリーブ51の作用により、1次固定側入子16の温度及び膨張量は殆ど変化しない。
一方、2次成形側金型9においては、高伝熱スリーブ52の作用により、射出樹脂の熱を受けて、2次固定側入子16の温度が上昇して膨張する。
このような1次固定側入子16と2次固定側入子16の膨張差により、2次成形時に1次成形品である透明部3を圧縮し、2次成形樹脂の射出圧力や収縮による光学素子部の変形や歪を抑制することができる。なお、これら1次固定側入子16および2次固定側入子16の温度は、時間が経過するにつれ、各入子の後部より伝導させる熱の影響により1次固定側入子16および2次固定側入子16の温度差は小さくなる。
本実施形態では、上記のような構成をとることにより、1次固定側入子16と2次固定側入子16の温度差が5℃発生する。この温度差による膨張で2次固定側入子16は1次固定側入子16よりも、2.2μm膨張する。
本実施形態によれば、基本的な効果は第1の実施形態及び第2の実施形態と同じである。ただし、本実施形態においては、断熱スリーブ51及び高伝導スリーブ52は、1次固定側入子16及び2次固定側入子16の周囲しか囲んでいないために、初期の金型温度(定常状態)による1次固定側入子16及び2次固定側入子16の温度差及び膨張差は前述した実施形態に比較して非常に少ない。
よって、第1の実施形態及び第2の実施形態で行っていたように、初期の金型温度による1次固定側入子16及び2次固定側入子16の膨張差の微調整等を行う必要性がない。このため、構成部材の加工コストを低減することができる。また、断熱スリーブ51及び高伝導スリーブ52は汎用性を有するため、他の金型にも流用することができる。
第1の実施形態により成形された2色成形品の断面を示す図である。 2色成形用金型の断面構成を示す図である。 1次固定側入子と2次固定側入子の拡大断面図である。 1次固定側入子と2次固定側入子の拡大断面図である。 1次固定側入子と2次固定側入子の物理的特性を示す図である。 1次固定側金型及び2次固定側金型と可動側金型とを離型した状態を示す図である。 1次固定側金型及び2次固定側金型に対し可動側金型を回転させた状態を示す図である。 1次固定側金型及び2次固定側金型と可動側金型とを型締めした状態を示す図である。 1次固定側金型及び2次固定側金型と可動側金型とを離型した状態を示す図である。 第2の実施の形態における1次固定側入子及び2次固定側入子の膨張量の制御例を示す図である。 同上のスペーサの物理的特性を示す図である。 第3の実施の形態における1次固定側入子及び2次固定側入子の膨張量の制御例を示す図である。
符号の説明
1 2色成形品
3 透明部
4 フランジ部
5 着色支持部
7 1次成形側金型
9 2次成形側金型
10 2色成形用金型
11 1次固定側金型
11 2次固定側金型
12 可動側金型
12 可動側金型
13 1次固定側型板
13 2次固定側型板
14 1次固定側落下板
14 2次固定側落下板
15 1次固定側取付板
15 2次固定側取付板
16 1次固定側入子
16 2次固定側入子
16a 第1部材
16b 第2部材
17 フランジ空間
18 可動側型板
19 可動側受け板
20 スペーサブロック
21 可動側取付板
22 エジェクタプレート
23 エジェクタピン
24 可動側入子
25 可動側プラテン
25a 支持軸
26 成形面
27 成形面
28 成形面
31 支持部空間
32 温調管
32 温調管
35 枠体空間
36 温調管
37 キャビティ
38 キャビティ
39 ボルト
41 1次固定側スペーサ
42 2次固定側スペーサ
51 断熱スリーブ
52 高伝熱スリーブ

Claims (10)

  1. 1次成形部を成形する1次成形側金型と2次成形部を成形する2次成形側金型とを有し、前記2次成形側金型において前記1次成形部と前記2次成形部とを一体化して2色成形品を成形する2色成形用金型において、
    前記2次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量を前記1次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量よりも大きくなるように構成した
    ことを特徴とする2色成形用金型。
  2. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子とを異なる熱膨張係数の材質で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の2色成形用金型。
  3. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子との少なくとも一方を複数の部材を組み合わせて構成した
    ことを特徴とする請求項2に記載の2色成形用金型。
  4. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の低い部材を配置し、前記2次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の高い部材を配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載の2色成形用金型。
  5. 前記1次成形部は透明部であり、前記2次成形部は前記1次成形部を支持する着色支持部である
    ことを特徴とする請求項1に記載の2色成形用金型。
  6. 1次成形側金型において1次成形部を成形した後、2次成形側金型において2次成形部を成形すると同時に前記1次成形部と前記2次成形部とを一体化して2色成形品を成形する2色成形方法において、
    前記2次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量を前記1次成形側金型の固定側の金型入子の熱膨張量よりも大きくし、
    前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮する
    ことを特徴とする2色成形方法。
  7. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子とを異なる熱膨張係数の材質で構成し、
    前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮する
    ことを特徴とする請求項6に記載の2色成形方法。
  8. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子と前記2次成形側金型の固定側の金型入子との少なくとも一方を複数の部材を組み合わせて構成し、
    前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮する
    ことを特徴とする請求項7に記載の2色成形方法。
  9. 前記1次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の低い部材を配置し、前記2次成形側金型の固定側の金型入子の周囲に熱伝導率の高い部材を配置し、
    前記2次成形側金型での成形時に前記1次成形部を圧縮する
    ことを特徴とする請求項6に記載の2色成形方法。
  10. 前記1次成形部は透明部であり、前記2次成形部は前記1次成形部を支持する着色支持部である
    ことを特徴とする請求項6に記載の2色成形方法。
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