JP5479704B2 - 2色成形品とその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、2次成形部を成形する際の射出圧力等によって1次成形部に変形や歪が生じないようにした2色成形品とその製造方法を提供することを目的とする。
1次成形において1次成形部である光学素子部を成形した後、2次成形において2次成形部であり前記光学素子部を支持する外周部を成形すると同時に、前記光学素子部と前記外周部とを一体化する2色成形品の製造方法において、
前記2次成形において前記光学素子部の光学機能部に作用する応力を吸収するために、前記光学機能部の外側から前記光学機能部へ向かって作用する応力により変形する変形部を、前記光学素子部及び前記外周部の少なくとも一方のうち前記光学機能部の外周に形成するステップを有することを特徴とする。
前記変形部は前記光学機能部よりも剛性が低い部分であることを特徴とする。
前記変形部は前記光学機能部の最外周よりも薄い部分であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の2色成形品の製造方法において、
前記変形部は前記光学素子部に形成した孔と孔との間を結ぶブリッジ部であることを特徴とする。
1次成形において1次成形部である光学素子部を成形した後、2次成形において2次成形部であり前記光学素子部を支持する外周部を成形すると同時に、前記光学素子部と前記外周部とを一体化して得られる2色成形品において、
前記光学素子部及び前記外周部の少なくとも一方は、前記2次成形において前記光学機能部の外側から前記光学機能部へ向かって作用する応力により変形する変形部を前記光学機能部の外周に有することを特徴とする。
前記変形部は前記光学機能部よりも剛性が低い部分であることを特徴とする。
前記変形部は前記光学機能部の最外周よりも薄い部分であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項5又は6に記載の2色成形品において、
前記変形部は前記光学素子部に形成した孔と孔との間を結ぶブリッジ部であることを特徴とする。
前記光学素子部はレンズであり前記光学機能部はレンズ面であることを特徴とする。
[第1の実施の形態]
図1(A)は、第1の実施の形態での2色成形品の断正面図、図1(B)は、そのX−Xに沿う断平面図であり、図2〜図6は、2色成形用金型の断面構成を示す図である。
この薄肉部1bの剛性は、光学機能面1aの剛性よりも低くなるように形成されている。なお、この剛性とは、外力に対する物体の変形しにくい性質のことをいう。また、本実施形態では、光学素子部1として平凹レンズを例として説明するが、これに限らない。例えば、平凸レンズやメニスカスレンズ等であってもよい。
図2において、2色成形用金型30は、1次成形側金型31と2次成形側金型32とを有している。1次成形側金型31は、パーティングラインPLを挟んで対向配置された1次固定側金型41及び可動側金型5を有している。また、2次成形側金型32は、パーティングラインPLを挟んで対向配置された2次固定側金型42と可動側金型5を有している。
1次固定側金型41の1次固定側型板81には、その略中央に1次固定側型板81と別部材で構成された1次固定側ピース151が嵌挿されている。この1次固定側ピース151には、パーティングラインPL側に平坦な成形面(図3等参照)151aが形成されている。
1次固定側型板81に対向する可動側型板9には、1次固定側ピース151と対向するように可動側型板9と別部材で構成された可動ピース17及び可動入子16が嵌挿されて
いる。この可動ピース17及び可動入子16には、1次固定側ピース151との対向面側に、夫々凸状の成形面(図3等参照)17a及び突起(図3等参照)16aが形成されている。
さらに、可動側型板9には、可動入子16の外周部でパーティングラインPLに面する側に、型軸中心と同心状に2色成形品28の着色外周部2を成形するための枠体空間23(図3等参照)が形成されている。
なお、キャビティに射出される樹脂は、例えばポリカーボネートが用いられる。ただし、光学素子部1を成形するキャビティに射出される材料の色は透明であり、また、着色外周部2を成形する成形空間23に射出される材料の色は例えば黒色である。
2次固定側金型42の2次固定側型板82には、その略中央に2次固定側型板82と別部材で構成された2次固定側ピース152が嵌挿されている。この2次固定側ピース152には、パーティングラインPL側に平坦な成形面(図3等参照)152aが形成されている。
このフランジ空間24は、パーティングラインPLを挟んで可動側型板9に形成された枠体空間23と対向配置されている。
まず、不図示の射出ユニットにより、1次成形側金型31のキャビティに透明な樹脂を射出充填する。次いで、充填された樹脂に対し所定の圧力で保圧状態が維持され、その後、冷却を行って光学素子部1が得られる。
次いで、2次成形側金型32のキャビティに着色した樹脂を射出充填する。こうして、光学素子部1の周囲に着色外周部2を成形すると同時に、光学素子部1と着色外周部2とを一体化する。さらに、この2次成形側金型32の動作と並行して、1次成形側金型31においても、前述と同様にキャビティに透明な樹脂の射出充填を行う。こうして、1次成形側金型31に光学素子部1を形成する。
このような力が作用することで、一般的に光学素子部1の光学機能面1aに応力が加わり、変形して光学機能が損なわれるおそれがある。そこで、本実施形態では、光学素子部1の光学機能面1aの外周に、円環状の溝3を形成することで、光学機能面1aよりも剛性が低くなるような円環状の薄肉部1bを形成した。そして、前述した応力により、この薄肉部1bを積極的に変形させることで、光学機能面1aに応力が加わったり変形するのを防止した。
うして、光学機能面1aの変形及び内部歪を軽減させ良好な面精度の2色成形品28を得ることができる。
[第2の実施の形態]
図8(A)は、第2の実施の形態で成形された2色成形品28の断面図を示し、図8(B)は、そのX−Xに沿う断平面図を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
第1の実施の形態のように光学素子部1に薄肉部1bを設けると、光学素子部1を粘度の高い樹脂で成形する場合、樹脂の流動抵抗が大きくなって流れにくくなる。この場合は、光学機能面1aに適切な圧力が加わらず良好な面が得られないおそれがある。
[第3の実施の形態]
図9(A)は、第3の実施の形態で成形された2色成形品28の断面図を示し、図9(B)は、そのX−Xに沿う断平面図を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
[第4の実施の形態]
図10(A)は、第4の実施の形態で成形された2色成形品28の断面図を示し、図10(B)は、そのX−Xに沿う断平面図を示している。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
を着色外周部2に設けたものである。第2の実施の形態(図8(A)及び図8(B))では、長円孔3と同心上にブリッジ部(長円孔3と長円孔3との接続部)26を有していて、このブリッジ部26の変形が顕著になり、光学機能面(レンズ面)1aの性能を損なうおそれが生じ得る。
1a 光学機能面
2 着色外周部
3 溝
31 長円孔
32 溝
41 1次固定側金型
42 2次固定側金型
5 可動側金型
61 1次固定側取付板
62 2次固定側取付板
71 1次固定側落下板
72 2次固定側落下板
81 1次固定側型板
82 2次固定側型板
9 可動側型板
10 可動側受け板
11 スペーサブロック
12 突出し板
13 可動側取付板
141 1次固定側温調管
142 2次固定側温調管
151 1次固定側ピース
152 2次固定側ピース
151a 成形面
152a 成形面
16 可動入子
16a 突起
17 可動ピース
17a 凸状の成形面
18 エジェクタピン
19 可動側温調管
20 回転軸
21 可動側プラテン
23 枠体空間
24 フランジ空間
26 ブリッジ部
28 2色成形品
30 2色成形用金型
31 1次成形側金型
32 2次成形側金型
Claims (9)
- 1次成形において1次成形部である光学素子部を成形した後、2次成形において2次成形部であり前記光学素子部を支持する外周部を成形すると同時に、前記光学素子部と前記外周部とを一体化する2色成形品の製造方法において、
前記2次成形において前記光学素子部の光学機能部に作用する応力を吸収するために、前記光学機能部の外側から前記光学機能部へ向かって作用する応力により変形する変形部を、前記光学素子部及び前記外周部の少なくとも一方のうち前記光学機能部の外周に形成するステップを有する
ことを特徴とする2色成形品の製造方法。 - 前記変形部は前記光学機能部よりも剛性が低い部分である
ことを特徴とする請求項1に記載の2色成形品の製造方法。 - 前記変形部は前記光学機能部の最外周よりも薄い部分である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2色成形品の製造方法。 - 前記変形部は前記光学素子部に形成した孔と孔との間を結ぶブリッジ部である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2色成形品の製造方法。 - 1次成形において1次成形部である光学素子部を成形した後、2次成形において2次成形部であり前記光学素子部を支持する外周部を成形すると同時に、前記光学素子部と前記外周部とを一体化して得られる2色成形品において、
前記光学素子部及び前記外周部の少なくとも一方は、前記2次成形において前記光学機能部の外側から前記光学機能部へ向かって作用する応力により変形する変形部を前記光学機能部の外周に有する
ことを特徴とする2色成形品。 - 前記変形部は前記光学機能部よりも剛性が低い部分である
ことを特徴とする請求項5に記載の2色成形品。 - 前記変形部は前記光学機能部の最外周よりも薄い部分である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の2色成形品。 - 前記変形部は前記光学素子部に形成した孔と孔との間を結ぶブリッジ部である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の2色成形品。 - 前記光学素子部はレンズであり前記光学機能部はレンズ面である
ことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の2色成形品。
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