JP2011167988A - レンズの製造方法 - Google Patents

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泰光 加世田
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Abstract

【課題】光学歪みが殆ど生じていないレンズを作製することが可能な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るレンズの製造方法は、樹脂製のレンズを、該レンズとなるレンズ中間体に対してプレス成型を施して製造する方法であって、第1工程と第2工程とを有している。ここで、第1工程では、プレス成型用の金型内にレンズ中間体を嵌めた後、金型にプレス圧力を加えずにレンズ中間体の温度を、該レンズ中間体を構成している樹脂材のガラス転移温度Tgより高い第1所定温度T1まで上昇させる。第2工程では、第1工程の実行後、レンズ中間体の温度をガラス転移温度Tg以上の温度に維持した状態で金型にプレス圧力を加え、その後、該金型にプレス圧力を加えた状態でレンズ中間体の温度をガラス転移温度Tgより低い第2所定温度T2まで低下させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、樹脂製のレンズを、該レンズとなるレンズ中間体に対してプレス成型を施して製造する方法に関する。
従来、樹脂製のレンズの製造方法として、該レンズとなるレンズ中間体を射出成型により作製し、その後、該レンズ中間体に対してプレス成型を施してレンズを作製する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には先ず、プレス成型用の金型内にレンズ中間体が嵌め込まれる。ここで、金型には、レンズに光学機能面を形成するべくレンズ中間体に転写される光学機能転写面が設けられている。
その後、レンズ中間体を加熱すると共に金型にプレス圧力が加えられる。特に特許文献1では、レンズ中間体にプレス成型を施す際、金型の内部温度をレンズ中間体の屈伏点より高い所定温度に設定した状態で、金型にプレス圧力が加えられている。これにより、レンズ中間体が軟化して該レンズ中間体が金型に応じた所定形状に成型され、その結果、所望の光学機能面を有するレンズが形成されることになる。
特開2007−230142号公報
しかしながら、特許文献1では、金型の内部温度がレンズ中間体の屈伏点より高い所定温度に設定されているものの、プレス圧力を加え始めるときのレンズ中間体自体の温度に関して何ら言及されていない。
ところで、射出成型により作製されるレンズ中間体の内部には、該レンズ中間体を構成する樹脂材が冷却硬化する過程で残留応力が発生する。又、該樹脂材が冷却硬化する過程で、樹脂材を構成する分子が配向する。従って、射出成型後のレンズ中間体には、残留応力により応力複屈折が生じると共に、分子配向により配向複屈折が生じて、光学歪みが発生することになる。
この様に光学歪みが生じているレンズ中間体に対して、単にプレス成型を施しただけでは、プレス成型により作製されたレンズに光学歪みが残存したままとなる。又、レンズ中間体に対してプレス成型を施す際に、特許文献1の如く該レンズ中間体を加熱したとしても、その条件が不特定である以上、作製されたレンズに光学歪みが残存したままになる虞がある。
又、特許文献1では、金型にプレス圧力を加えた後、レンズ中間体の温度を、該レンズ中間体を構成している樹脂材のガラス転移温度より低い所定温度まで低下させる前に、プレス圧力を低下させている。即ち、特許文献1では、レンズ中間体が外力により変形し易い状態であるにも拘らず、プレス圧力を低下させている。従って、プレス圧力を低下させたときに、レンズ中間体が所定形状から変形する虞がある。
そこで本発明の目的は、光学歪みが殆ど生じていないレンズを作製することが可能な製造方法を提供することである。
本発明に係るレンズの製造方法は、樹脂製のレンズを、該レンズとなるレンズ中間体に対してプレス成型を施して製造する方法であって、第1工程と第2工程とを有している。ここで、第1工程では、プレス成型用の金型内に前記レンズ中間体を嵌めた後、前記金型にプレス圧力を加えずに前記レンズ中間体の温度を、該レンズ中間体を構成している樹脂材のガラス転移温度より高い第1所定温度まで上昇させる。第2工程では、第1工程の実行後、前記レンズ中間体の温度を前記ガラス転移温度以上の温度に維持した状態で前記金型にプレス圧力を加え、その後、該金型にプレス圧力を加えた状態で前記レンズ中間体の温度を前記ガラス転移温度より低い第2所定温度まで低下させる。
具体的には、前記第1所定温度は、前記ガラス転移温度より高く、且つ前記樹脂材が流動性を有することのない温度(液状とならない温度)に設定されている。即ち、第1所定温度は、前記樹脂材がゴム状(外力により変形するが流れない状態)となる温度に設定されている。又、第2工程では、第1工程の実行後、前記レンズ中間体の温度をガラス転移温度以上の温度に維持するが、該温度は、前記樹脂材が液状となる温度より低い温度に設定されることが好ましい。
レンズ中間体は、樹脂材を例えば射出成型することにより作製される。このため、レンズ中間体の内部には、該レンズ中間体を構成する樹脂材が冷却硬化する過程で残留応力が発生する。又、該樹脂材が冷却硬化する過程で、樹脂材を構成する分子が配向する。従って、レンズ中間体には、残留応力により応力複屈折が生じると共に、分子配向により配向複屈折が生じて、光学歪みが発生することになる。
上記レンズの製造方法においては、第1工程の実行によりレンズ中間体の温度がガラス転移温度より高い第1所定温度まで上昇し、これにより、レンズ中間体を構成している樹脂材は、外力によって変形し易い状態に移行する。従って、レンズ中間体内の残留応力が緩和され、又、レンズ中間体内で生じていた分子配向が無秩序な状態へ変化することになる。従って、レンズ中間体の光学歪みが消滅することになる。ここで、第1工程では、レンズ中間体にプレス圧力が加わっていないので、残留応力が緩和され易く、又、分子配向が無秩序な状態へ変化し易い。従って、レンズ中間体の光学歪みが消滅し易い。
更に、第2工程の実行によりレンズ中間体が、金型に応じた所定形状に成型されることになる。その後、レンズ中間体の温度が、ガラス転移温度より低い第2所定温度まで低下し、これにより、レンズ中間体を構成している樹脂材は変形し難い状態に再び戻ることになる。よって、金型に加えていたプレス圧力を解除した場合でも、プレス成型後のレンズ中間体は所定形状を維持することになる。
上記レンズの製造方法の具体的構成において、該製造方法は、第3工程を更に有している。第3工程では、前記第2工程の実行後、前記金型に加えていたプレス圧力を解除した状態で、前記レンズ中間体の温度を、第2工程にてレンズ中間体の温度を低下させるときの温度変化率より絶対値が大きい温度変化率で低下させる。
上記第3工程の実行により、プレス成型によって作製されたレンズの離型性(金型からの離れ易さ)が向上することになる。又、第3工程の実行に必要な時間が短くなるので、レンズの製造に必要なサイクルタイムを短縮化することが出来る。
上記レンズの製造方法の他の具体的構成において、前記第1工程及び第2工程は、真空中又は無酸素雰囲気中で実行される。第1工程及び第2工程を真空中で実行した場合、レンズ中間体と金型の光学機能転写面との間に空気が残留すること(特許文献1参照)を低減又は回避することが出来る。従って、レンズ中間体の曲率が金型の光学機能転写面の曲率より多少小さい場合でも、プレス成型が可能となる。又、第1工程及び第2工程を無酸素雰囲気中で実行した場合、レンズ中間体を構成している樹脂材が酸素と反応することがなくなり、その結果、作製されるレンズの光学性能の低下が防止されることになる。
上記レンズの製造方法において、前記レンズ中間体を構成している樹脂材はポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は、青紫色レーザ光線(405nm)に対して劣化し難く、且つ廉価である。従って、青紫色レーザ光線用のレンズの製造には、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。一方、ポリカーボネート樹脂は、光学歪みを発生し易い樹脂である。しかし、本発明に係るレンズの製造方法によれば、レンズの材質としてポリカーボネート樹脂を用いた場合でも、作製されたレンズには光学歪みが殆ど生じることがない。従って、本発明に係るレンズの製造方法は、青紫色レーザ光線用のレンズの製造に適している。
上記レンズの製造方法は、樹脂材を射出成型することにより前記レンズ中間体を作製する射出成型工程を更に有していてもよい。
本発明に係るレンズの製造方法によれば、光学歪みが殆ど生じていないレンズを作製することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係るレンズの製造方法の第1工程の説明に用いられる鉛直断面図である。 図2は、上記製造方法の第2工程の説明に用いられる鉛直断面図である。 図3は、該第2工程の実行後のレンズ中間体の状態を示す鉛直断面図である。 図4は、第1工程での加熱開始時からの経過時間と、プレス成型用の金型に加えるプレス圧力及びレンズ中間体の温度との関係を示した図である。 図5は、2枚の偏光板の間にレンズ中間体を設置して該2枚の偏光板を透過する光を観察して得られる観察像を、射出成型後のレンズ中間体について示した図である。 図6は、上記観察像を第1工程実行後のレンズ中間体について示した図である。 図7は、上記観察像を第3工程実行後のレンズ中間体(即ち、作製されたレンズ)について示した図である。
以下、本発明を、光学機能面である凸面を有するレンズの製造に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本実施形態に係る製造方法は、樹脂製のレンズを、該レンズとなるレンズ中間体に対してプレス成型を施して製造する方法であり、第1工程〜第3工程を有している。該製造方法では、第1工程〜第3工程がこの順に実行される。ここで、図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るレンズの製造方法の第1工程及び第2工程の説明に用いられる鉛直断面図である。図3は、第2工程の実行後のレンズ中間体の状態を示す鉛直断面図である。図4は、第1工程での加熱開始時からの経過時間と、プレス成型用の金型に加えるプレス圧力及びレンズ中間体の温度との関係を示した図である。
第1工程〜第3工程について具体的に説明する前に、レンズ中間体を作製する工程について説明する。図示していないが、レンズ中間体は、樹脂材を射出成型することにより作製される。本実施形態においては、図1に示す様に、レンズ中間体(1)は、作製されるべきレンズの凸面(光学機能面)よりも曲率の大きい凸面(11)、つまり後述する金型(2)の光学機能転写面(210)よりも曲率の大きい凸面(11)を有すると共に、該凸面(11)とは反対側の面(12)に隆起部(13)が形成されている。又、本実施形態では、上記レンズ中間体(1)を構成する樹脂材として、ポリカーボネート樹脂が用いられている。
尚、該レンズ中間体(1)を作製する工程(射出成型工程)は、本発明に係るレンズの製造方法に含まれる1つの工程として第1工程の前に実行されてもよいし、該製造方法とは別の工程として実行されてもよい。
図5は、2枚の偏光板の間にレンズ中間体(1)を設置して該2枚の偏光板を透過する光を観察して得られる観察像を、射出成型後のレンズ中間体(1)について示した図である。尚、この観察のとき、2枚の偏光板は、それらの偏光方向を同じ方向に揃えた状態で平行に配置された。図5に示す様に、射出成型後のレンズ中間体(1)には光学歪みが発生している。
具体的には、射出成型により作製されるレンズ中間体(1)の内部には、該レンズ中間体(1)を構成する樹脂材が冷却硬化する過程で残留応力が発生する。又、該樹脂材が冷却硬化する過程で、樹脂材を構成する分子が配向する。従って、射出成型後のレンズ中間体(1)には、残留応力により応力複屈折が生じると共に、分子配向により配向複屈折が生じて、図5に示す様に光学歪みが発生することになる。
次に第1工程〜第3工程について具体的に説明する。ここで、第1工程〜第3工程で使用されるプレス成型用の金型(2)は、図1に示す様に、上下一対の金型構成部材(21)(22)と筒状の金型構成部材(23)とから構成されている。ここで、上下一対の金型構成部材(21)(22)の内、下側の金型構成部材(21)は、筒状の金型構成部材(23)内に固定される一方、上側の金型構成部材(22)は、筒状の金型構成部材(23)内に該金型構成部材(23)の内周面に沿って摺動自在に嵌合されている。そして、図示していないが金型(2)はプレス成型機に配備されており、上側の金型構成部材(22)に押圧力を加えて該金型構成部材(22)を下方へ移動させることにより、金型(2)にプレス圧力を加えることが可能となっている。
上記一対の金型構成部材(21)(22)の対向面の内、下側の金型構成部材(21)の対向面には、レンズの凸面(光学機能面)を形成するべくレンズ中間体(1)に転写される光学機能転写面(210)が設けられる一方、上側の金型構成部材(22)の対向面には、レンズの凸面とは反対側の面(本実施形態では僅かな凸面)を形成するべくレンズ中間体(1)に転写される転写面(220)が設けられている。
第1工程では先ず、図1に示す様に、金型(2)内にレンズ中間体(1)を嵌め込む。具体的には、レンズ中間体(1)を、その凸面(11)を下方に向けて該凸面(11)を下側の金型構成部材(21)の光学機能転写面(210)に対向させた状態で、該下側の金型構成部材(21)上に設置する。ここで、レンズ中間体(1)の凸面(11)は、光学機能転写面(210)の曲率より大きい曲率を有している。従って、レンズ中間体(1)の凸面(11)と光学機能転写面(210)との間には、隙間が形成されることになる。
その後、図4に示す様に、金型(2)にプレス圧力を加えずに、レンズ中間体(1)を加熱する。具体的には、レンズ中間体(1)の温度を、加熱開始時(=0秒)から第1所定時間t1(=45秒)まで上昇させることにより、レンズ中間体(1)を構成しているポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tg(=145℃)より高い第1所定温度T1(=200℃)に到達させる。そして、第1所定時間t1から第2所定時間t2(=60秒)までの間で、レンズ中間体(1)の温度を第1所定温度T1(=200℃)で安定させる。これにより、レンズ形状のばらつきを抑制することが可能となる。
ここで、第1所定温度T1は、ガラス転移温度Tgより高く、且つポリカーボネート樹脂が流動性を有することのない温度(液状とならない温度)に設定されている。即ち、第1所定温度T1は、ポリカーボネート樹脂がゴム状(外力により変形するが流れない状態)となる温度に設定されている。従って、第1工程の実行により、レンズ中間体(1)を構成しているポリカーボネート樹脂は、外力によって変形し易い状態に移行することになる。
次に第2工程では、図2に示す様に、上側の金型構成部材(22)に押圧力を加えて該金型構成部材(22)を下方へ移動させることにより、金型(2)にプレス圧力(=7×10N/m)を加える。このとき、レンズ中間体(1)の温度を、図4に示す様に第1所定温度T1(=200℃)で維持する。
金型(2)にプレス圧力(=7×10N/m)を加えることにより、図3に示す様に、レンズ中間体(1)が金型(2)に応じた所定形状に変形することになる。具体的には、レンズ中間(1)の隆起部(13)が、上側の金型構成部材(22)の転写面(220)によって下方へ押し込まれる一方、レンズ中間体(1)の凸面(11)が変形して光学機能転写面(210)に密着し、その結果、該凸面(11)と光学機能転写面(210)との間に形成されていた隙間が消滅することになる。これにより、光学機能転写面(210)の形状がレンズ中間体(1)に転写されることになる。
その後、図4に示す様に、金型(2)にプレス圧力(=7×10N/m)を加えた状態で、レンズ中間体(1)の温度を第3所定時間t3(=90秒)まで第1所定温度T1(=200℃)で維持する。更にその後、金型(2)にプレス圧力(=7×10N/m)を加えた状態で、レンズ中間体(1)を冷却する。具体的には、レンズ中間体(1)の温度を、第3所定時間t3(=90秒)から第4所定時間t4(=135秒)まで低下させることにより、ガラス転移温度Tg(=145℃)より更に20℃低い第2所定温度T2(=125℃)に到達させる。
次に第3工程では、図4に示す様に、金型(2)に加えていたプレス圧力を解除した状態で、レンズ中間体(1)を急冷する。具体的には、レンズ中間体(1)の温度を、第4所定時間t4(=135秒)から第5所定時間t5(=150秒)まで、第2工程にてレンズ中間体(1)の温度を低下させたときの温度変化率より絶対値が大きい温度変化率で低下させる。これにより、所望の光学機能面を有するレンズが作製され、その後、該レンズを金型(2)から取り外すことによりレンズの製造が完了することになる。
第3工程の実行により、レンズの離型性(金型(2)からの離れ易さ)が向上し、従って、レンズを金型(2)から容易に取り外すことが可能となる。又、第3工程の如くレンズ中間体(1)を急冷することにより、第3工程の実行に必要な時間が短くなり、従って、レンズの製造に必要なサイクルタイムを短縮化することが出来る。
上述した第1工程〜第3工程の内、少なくとも第1工程及び第2工程、即ちレンズ中間体(1)の温度がガラス転移温度Tgより高くなる工程は、真空中又は無酸素雰囲気中で実行されることが好ましい。第1工程及び第2工程を真空中で実行した場合、レンズ中間体(1)と金型(2)の光学機能転写面(210)との間に空気が残留することを低減又は回避することが出来る。従って、レンズ中間体(1)の凸面(11)の曲率が金型(2)の光学機能転写面(210)の曲率より多少小さい場合でも、プレス成型が可能となる。又、無酸素雰囲気として、例えば窒素雰囲気を採用することが出来る。第1工程及び第2工程を無酸素雰囲気中で実行した場合、レンズ中間体(1)を構成しているポリカーボネート樹脂が酸素と反応することがなくなり、その結果、作製されるレンズの光学性能の低下が防止されることになる。
上記レンズの製造方法においては、第1工程の実行によりレンズ中間体(1)の温度がガラス転移温度Tgより高い第1所定温度T1まで上昇し、これにより、レンズ中間体(1)を構成しているポリカーボネート樹脂は、外力によって変形し易い状態に移行する。従って、レンズ中間体(1)内の残留応力が緩和され、又、レンズ中間体(1)内で生じていた分子配向が無秩序な状態へ変化することになる。従って、図6に示す様に、レンズ中間体(1)の光学歪みが消滅することになる。ここで、第1工程では、レンズ中間体(1)にプレス圧力が加わっていないので、残留応力が緩和され易く、又、分子配向が無秩序な状態へ変化し易い。従って、レンズ中間体(1)の光学歪みが消滅し易い。
そして、上記レンズの製造方法によれば、第3工程実行後のレンズ中間体(1)(即ち、第2工程及び第3工程を経て完成したレンズ)においても、図7に示す様に、光学歪みが殆ど生じていない状態が維持される。
更に、第2工程では、レンズ中間体(1)が所定形状に成型された後、レンズ中間体(1)の温度が、ガラス転移温度Tgより低い第2所定温度T2まで低下し、これにより、レンズ中間体(1)を構成しているポリカーボネート樹脂は変形し難い状態に再び戻ることになる。よって、金型(2)に加えていたプレス圧力を解除した場合でも、プレス成型後のレンズ中間体(1)は所定形状を維持することになる。
本実施形態に係るレンズの製造に用いたポリカーボネート樹脂は、青紫色レーザ光線(405nm)に対して劣化し難く、且つ廉価である。従って、青紫色レーザ光線用のレンズの製造には、ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。一方、ポリカーボネート樹脂は、光学歪みを発生し易い樹脂である。しかし、上述したレンズの製造方法によれば、レンズの材質としてポリカーボネート樹脂を用いた場合でも、作製されたレンズには光学歪みが殆ど生じることがない。従って、上述したレンズの製造方法は、青紫色レーザ光線用のレンズの製造に適している。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上述したレンズの製造方法は、ポリカーボネート樹脂からなるレンズの製造に限らず、種々の樹脂材からなるレンズの製造に適用することが出来る。
又、上記実施形態で用いられたプレス圧力及びレンズ中間体(1)の温度等の設定値は、一例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で様々な数値に設定することが可能である。例えば、上記実施形態においては、第1所定時間t1から第3所定時間t3までの間、レンズ中間体(1)の温度が第1所定温度T1で維持されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。一例として、レンズ中間体(1)の温度を、第1所定時間t1から第3所定時間t3までの間、樹脂材が液状となる温度より低い温度とガラス転移温度Tgとの間で上下に変動させることが出来る。
更には、射出成型により作製されるレンズ中間体(1)の形状、及び金型(2)の形状は、上記実施形態に限らず、作製されるレンズの形状に応じて種々の変形が可能である。又、上記実施形態で用いられるレンズ中間体(1)は射出成型により作製されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、射出成型以外の方法により作製されたものであってもよい。射出成型以外の方法を用いてレンズ中間体(1)を作製することにより該レンズ中間体(1)に複屈折が生じた場合でも、該レンズ中間体に対して本発明を適用してレンズを作製することにより、本発明が上記実施形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
(1) レンズ中間体
(2) 金型
Tg ガラス転移温度
T1 第1所定温度
T2 第2所定温度

Claims (6)

  1. 樹脂製のレンズを、該レンズとなるレンズ中間体に対してプレス成型を施して製造する方法であって、
    プレス成型用の金型内に前記レンズ中間体を嵌めた後、前記金型にプレス圧力を加えずに前記レンズ中間体の温度を、該レンズ中間体を構成している樹脂材のガラス転移温度より高い第1所定温度まで上昇させる第1工程と、
    第1工程の実行後、前記レンズ中間体の温度を前記ガラス転移温度以上の温度に維持した状態で前記金型にプレス圧力を加え、その後、該金型にプレス圧力を加えた状態で前記レンズ中間体の温度を前記ガラス転移温度より低い第2所定温度まで低下させる第2工程
    とを有するレンズの製造方法。
  2. 前記第1所定温度は、前記ガラス転移温度より高く、且つ前記樹脂材が流動性を有することのない温度に設定されている請求項1に記載のレンズの製造方法。
  3. 前記第2工程の実行後、前記金型に加えていたプレス圧力を解除した状態で、前記レンズ中間体の温度を、第2工程にてレンズ中間体の温度を低下させるときの温度変化率より絶対値が大きい温度変化率で低下させる第3工程を更に有する請求項1又は請求項2に記載のレンズの製造方法。
  4. 前記第1工程及び第2工程は、真空中又は無酸素雰囲気中で実行される請求項1乃至請求項3の何れかに記載のレンズの製造方法。
  5. 前記レンズ中間体を構成している樹脂材はポリカーボネート樹脂である請求項1乃至請求項4の何れかに記載のレンズの製造方法。
  6. 樹脂材を射出成型することにより前記レンズ中間体を作製する射出成型工程を更に有する請求項1乃至請求項5の何れかに記載のレンズの製造方法。
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