JP2003071874A - 略円環板状乃至は略円板状の薄肉部を備えた樹脂製品の射出成形用金型と射出成形方法 - Google Patents

略円環板状乃至は略円板状の薄肉部を備えた樹脂製品の射出成形用金型と射出成形方法

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JP2003071874A
JP2003071874A JP2001265051A JP2001265051A JP2003071874A JP 2003071874 A JP2003071874 A JP 2003071874A JP 2001265051 A JP2001265051 A JP 2001265051A JP 2001265051 A JP2001265051 A JP 2001265051A JP 2003071874 A JP2003071874 A JP 2003071874A
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Seiichi Ichikawa
清一 市川
Hiroyuki Oyama
博幸 大山
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 略円環状乃至は略円板状の薄肉板部を備えた
樹脂製品の射出成形に際して、薄肉板部に対する樹脂材
料の充填を安定して且つ高精度に行うことにより、目的
とする樹脂製品を高い寸法精度で射出成形することを可
能とし、以て、例えばコンタクトレンズやコンタクトレ
ンズ用モールド成形型の射出成形を有利に実現せしめ得
る、新規な構造の射出成形用金型を提供すること。 【解決手段】 薄肉部36を形成する薄肉成形部を有す
る成形キャビティ58に対して、外周縁部に成形材料9
0の注入用ゲート部74を形成すると共に、薄肉成形部
の全体を、互いに型合わせされることによって成形キャ
ビティ58を形成する一方の金型56から他方の金型5
4に向かって成形キャビティ58に突出せしめられる圧
縮成形部材84で形成した。これにより、成形キャビテ
ィ58における薄肉成形部に成形材料90を充填せしめ
た後、圧縮成形部材84を突出させることにより、充填
された成形材料90を押し潰すようにして薄肉部36を
成形することを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、略円環板状乃至は略円板状の薄
肉部を備えた樹脂製品の射出成形用金型および射出成形
方法に係り、特にコンタクトレンズやコンタクトレンズ
のモールド成形型などの樹脂製品の成形に際して好適に
採用され得て、それらを高精度に成形することの出来る
新規な構造の射出成形用金型と、かかる射出成形用金型
を用いた射出成形方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、合成樹脂材の成形方法の一種と
して、型開閉される成形金型の型合わせ面間に成形キャ
ビティを形成し、該成形キャビティに対して加熱溶融せ
しめた合成樹脂材料をスクリュやプランジャで射出充填
せしめて、成形キャビティ内で冷却固化させた後に型開
きして成形品を取り出すことにより、目的とする樹脂製
品を得るようにした射出成形方法が知られており、目的
とする樹脂製品を短いサイクルで連続成形することが出
来ることから、比較的に小形の樹脂製品を大量に製造す
る必要がある場合等において広く採用されている。
【0003】ところで、樹脂製品には極めて多くの形状
や種類が存在しており、その中でも特にコンタクトレン
ズやコンタクトレンズ用モールド成形型等においては、
比較的小形で且つ略円環板状乃至は略円板状の薄肉部を
備えているという形状的な特徴があることに加えて、そ
の他の多くの樹脂製品に比して、中央部分における寸法
精度が高度に要求されることとなる。そのために、一般
的な樹脂製品のように成形キャビティの中央部分に溶融
樹脂材料の注入用のゲート部を設定すると、ゲート部に
おけるバリ発生や、溶融樹脂材料の冷却収縮に伴うゲー
ト部付近でのヒケ等の発生、更には溶融樹脂材料の成形
キャビティ内への充填時における流動方向がゲート部付
近で極めて多様となることに起因する内部応力の残留な
どが問題となって、成形不良が発生し易いという問題が
あった。
【0004】なお、このような問題に対処するために、
例えば、成形キャビティの外周縁部に対して溶融樹脂材
料の注入用のゲート部を設けることも考えられる。
【0005】しかしながら、成形キャビティの外周縁部
にゲート部を設けると、成形キャビティの中央部分にゲ
ート部を設けた場合に比して溶融樹脂材料を成形キャビ
ティに安定して射出充填することが難しくなり、特にゲ
ート部と径方向反対側の外周縁部や中央部分に薄肉形成
部が設けられている場合に、それらの薄肉成形部に溶融
樹脂材料が回り難くなって、樹脂製品にヒケ等の成形不
良が発生し易いという問題があり、必ずしも有効な解決
策ではなかったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景として為されものであって、その解決課題とすると
ころは、コンタクトレンズやコンタクトレンズ用モール
ド成形型等のように略円環板状乃至は略円板状の薄肉部
を外周縁部や中央部分に備えている樹脂製品を、高精度
に且つ安定して製造することが可能とされて、樹脂製品
の中央部分における注入口のバリやヒケの発生が略完全
に回避され得ると共に、成形後の残留応力も効果的に軽
減され得る、新規な構造の樹脂製品の射出成形用金型と
射出成形方法を提供することにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】すなわち、樹脂製品の射出成形用金型に関
する本発明の第一の態様は、互いに型合わせされる一対
の成形金型を含んで構成されて、それら一対の成形金型
の型合わせ面間に、肉厚寸法の小さい略円環板状乃至は
略円板状の薄肉成形部を備えた成形キャビティを形成す
る、略円環板状乃至は略円板状の薄肉部を備えた樹脂製
品の射出成形用金型であって、前記成形キャビティにお
ける薄肉成形部を、前記一対の成形金型の型合わせ方向
に延びる中心軸回りに広がるように形成すると共に、該
成形キャビティへの溶融樹脂材料の注入用のゲート部を
該成形キャビティの外周縁部に形成する一方、前記一対
の成形金型の何れか一方において、前記薄肉成形部を形
成する薄肉部成形面の全体を、金型本体に対して型合わ
せ方向に突出可能な圧縮成形部材で構成して、かかる一
対の成形金型の型合わせ状態下で該圧縮成形部材が前記
成形キャビティに突出せしめられるようにした射出成形
用金型を、特徴とする。
【0009】このような本態様に従う構造とされた射出
成形用金型においては、(i)成形キャビティの外周縁
部から溶融樹脂材料を射出充填せしめるようにした構成
と、(ii)成形キャビティにおいて薄肉成形部を形成す
る薄肉部成形面の全体を圧縮成形部材で構成した構成と
を、組合せて採用したのであり、これによって、溶融樹
脂材料を成形キャビティの外周縁部から射出充填せしめ
た後に、成形キャビティにおいて薄肉成形部を形成する
部分を圧縮成形することを可能と為し得た。
【0010】それ故、本態様に従う構造とされた射出成
形用金型によれば、成形された樹脂製品の中央部分にお
けるバリやヒケ等の成形不良が可及的に回避され得ると
共に、薄肉成形部にも溶融樹脂材料が安定して充填され
得るのであり、その結果、目的とする略円環板状乃至は
略円板状の薄肉部を備えた樹脂製品を、高精度に且つ安
定して射出成形することが出来るのである。
【0011】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る射出成形用金型において、前記成形キャビテ
ィがコンタクトレンズの成形用であって、該成形キャビ
ティの全体が前記薄肉成形部とされており、該成形キャ
ビティにおける該コンタクトレンズの表裏の何れか一方
のキャビティ形成面が全体に亘って前記圧縮成形部材に
よって形成されていることを、特徴とする。
【0012】このような本態様に従う構造とされた射出
成形用金型においては、樹脂製品の全体が略円板状の薄
肉成形部とされるコンタクトレンズを、特に光学部分に
おける成形不良の問題を有利に解消せしめつつ、安定し
た精度で射出成形することが可能となるのである。
【0013】更にまた、本発明の第三の態様は、前記第
一又は第二の態様に係る射出成形用金型において、前記
成形キャビティの外周縁部を円環板状の前記薄肉成形部
とすると共に、該薄肉成形部の表裏の何れか一方のキャ
ビティ形成面を形成する前記一方の成形金型の前記圧縮
成形部材が、前記他方の成形金型によって形成される該
薄肉成形部の表裏の他方のキャビティ形成面に対して密
接状態で当接する位置まで突出せしめられることによ
り、前記円環板状の薄肉成形部が実質的に消失せしめら
れて該薄肉成形部の内周側部分において略円板形状の樹
脂製品を成形するようにしたことを、特徴とする。
【0014】このような本態様に従う構造とされた射出
成形用金型においては、樹脂製品の成形に際して、圧縮
成形部材によって円環板状の薄肉成形部が実質的に消失
せしめられることにより、該薄肉成形部の内周側に、略
円板形状の薄肉の樹脂製品が、優れた成形精度と安定性
をもって形成され得るのであり、それによって、例えば
樹脂製品としてのコンタクトレンズ等を、光学領域等と
して高精度が要求される中央部分において、バリやヒケ
等の成形不良だけでなく応力歪み等の不具合も回避し
て、高精度に安定して射出成形することが可能となる。
【0015】また、本発明の第四の態様は、かかる第三
の態様に係る射出成形用金型において、前記成形キャビ
ティにおける前記薄肉成形部の更に外周側に位置して、
該薄肉成形部を通じて該成形キャビティに接続された環
状の余剰樹脂溜を形成したことを、特徴とする。このよ
うな本態様に係る射出成形用金型においては、圧縮成形
部材の突出作動に伴う成形キャビティの容積減少に起因
して余剰となる樹脂材料が低減されると共に、余剰とな
る樹脂材料によって樹脂製品の外周縁部に発生するバリ
も軽減され得る。
【0016】また、本発明の第五の態様は、略球状凹形
のレンズ成形面を備えた雌型と、略球状凸形のレンズ成
形面を備えた雄型から構成されて、それら雌雄両型の型
合わせ面間にコンタクトレンズの成形キャビティを形成
するコンタクトレンズのモールド成形型であって、それ
ら雌雄両型の何れか一方の型における前記レンズ成形面
の外周部分を薄肉として外周側に延び出させて、該レン
ズ成形面の外周部分の周方向全周に亘って広がる変形可
能な円環板状の薄肉部を設けて、かかる雌雄両型の型合
わせ状態下で該薄肉部を他方の型における前記レンズ成
形面の外周部分に近接位置せしめるようにしたモールド
成形型における該薄肉部が形成された該一方の型を、前
記成形キャビティによる成形対象とした前記第一の態様
に係る射出成形用金型であって、前記成形キャビティに
おける前記薄肉部の成形領域が前記薄肉成形部とされて
おり、円環板状とされた該薄肉部の表裏の何れか一方の
キャビティ形成面が全体に亘って前記圧縮成形部材によ
って形成されている射出成形用金型を、特徴とする。
【0017】このような本態様に従う構造とされた射出
成形用金型においては、レンズ成形面の外周部分に薄肉
部を備えたモールド成形型を、レンズ成形面として高い
寸法精度が要求される中央部分におけるバリやヒケ、或
いは応力歪み等の不具合を回避しつつ、高精度に且つ安
定して射出成形することが可能となるのであり、しか
も、外周部分における薄肉部を圧縮成形部材で圧縮成形
することにより、樹脂材料の充填不良等の不具合を回避
しつつ、十分に小さな肉厚寸法をもって安定して形成す
ることが出来るのである。
【0018】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に係る射出成形用金型において、前記モールド成形
型の一方の型における前記薄肉部の延び出し方向の中間
部分において、前記他方の型に向かって凸となる屈曲部
が形成されるように、前記成形キャビティの薄肉成形部
が屈曲断面形状とされていることを、特徴とする。この
ような本態様に従う構造とされた射出成形用金型におい
ては、薄肉部において屈曲部を形成しても、薄肉部に対
して樹脂材料を有利に且つ安定して射出充填することが
出来るのであり、従って屈曲部を備えた薄肉部を有する
モールド成形型を安定して高精度に製造することが可能
となるのである。なお、このようにモールド成形型の薄
肉部に屈曲部を形成することは、後述するように、或い
は本出願人の先願に係る特願2001−79051号に
記載されているように、目的とするコンタクトレンズを
より高精度に安定してモールド成形することが可能とな
る等といった格別の技術的効果を得るために、モールド
成形型において好適に採用され得る構成である。
【0019】なお、前記第五又は第六の態様に係る射出
成形用金型においては、例えば、前記モールド成形型の
一方の型における前記薄肉部の外周側において、周方向
全周に亘って延びて該薄肉部の外周縁部を支持せしめる
環状の厚肉支持部が形成されるように、前記成形キャビ
ティの薄肉成形部の外周側に環状の厚肉成形部を形成し
た構成が、好適に採用され得る。このような厚肉成形部
を成形キャビティに設けて、樹脂材料を厚肉成形部を通
じて薄肉部に射出充填することにより、薄肉部に導かれ
る樹脂材料の充填圧力が厚肉成形部により全周に亘って
均一化されて、一層有利に且つ安定して樹脂材料が薄肉
部を含む成形キャビティに充填され得ることとなる。ま
た、モールド成形型の薄肉部の外周側に厚肉支持部を一
体形成することにより、薄肉部の形状保持が安定して為
され得て、モールド成形型によるコンタクトレンズの成
形性や成形精度の向上等も図られ得る。
【0020】また、前記第一乃至第六の何れかの態様に
係る射出成形用金型において、前記成形キャビティへの
溶融樹脂材料の注入用のゲート部は、該成形キャビティ
の外周縁部において、周上の一カ所に形成しても良い
が、好ましくは、かかるゲート部を、成形キャビティの
外周縁部において、周方向の複数箇所に形成した構成が
採用されることとなり、より好適には、かかるゲート部
を、成形キャビティの外周縁部において、周方向の全周
に亘って連続して形成した構成が採用される。このよう
なゲート部の構成を採用すれば、溶融樹脂材料の成形キ
ャビティへの充填を複数箇所に設けたり、周方向で全周
に亘って連続的に設けることにより、成形キャビティの
特に薄肉部に対して溶融樹脂材料をより均一的に安定し
て射出充填することが可能となり、成形精度の更なる向
上が図られる得る。
【0021】さらに、略円環板状乃至は略円板状の薄肉
部を備えた樹脂製品の射出成形方法は、前記第一乃至第
六の何れかの態様に記載された本発明に係る射出成形用
金型を用い、前記一対の成形金型を型合わせすると共
に、前記圧縮成形部材を前記成形キャビティから後退位
置せしめた状態下で、該成形キャビティに溶融樹脂材料
を射出供給した後、該溶融樹脂材料が冷却固化する前
に、該圧縮成形部材を該成形キャビティ内に突出変位せ
しめるようにしたことを、特徴とする。
【0022】このような本発明方法に従えば、圧縮成形
部材を後退位置せしめて、薄肉部の成形キャビティ部分
を厚肉とした状態で溶融樹脂材料を射出充填すると共
に、その後、圧縮成形部材を突出変位させて最終的に目
的とする薄肉部に対応した寸法の成形キャビティが形成
されることから、薄肉部の成形キャビティ部分に溶融樹
脂材料を容易に且つ速やかに、しかも確実に充填するこ
とが出来るのであり、薄肉部が極めて薄肉である場合で
も、良好な寸法精度が安定して確保され得ると共に、充
填不良等の不具合の発生が回避され得る。
【0023】また、このような本発明方法に従ってコン
タクトレンズやコンタクトレンズ用モールド成形型等の
樹脂製品を射出成形するに際しては、例えば、前記成形
キャビティに射出供給された前記溶融樹脂材料が、該成
形キャビティまたは該成形キャビティに接続形成された
余剰樹脂溜に対して完全に充填されていない状態で、前
記圧縮成形部材を該成形キャビティ内に突出変位せしめ
ることによって、成形キャビティや、余剰樹脂溜がある
場合には該余剰樹脂溜を含めた成形キャビティの全体に
溶融樹脂材料を充填させるようにすることが望ましい。
これによって、成形キャビティ内における充填樹脂材料
の必要以上の圧力増大を軽減乃至は回避して、バリ発生
等を軽減乃至は回避しつつ、薄肉部を含む樹脂製品の成
形キャビティの全体に対して、樹脂材料を安定して且つ
速やかに充填することが可能となる。
【0024】更にまた、本発明方法に従ってコンタクト
レンズやコンタクトレンズ用モールド成形型等の樹脂製
品を射出成形するに際しては、例えば、前記一対の成形
金型を型閉完了位置から所定量だけ型開きした位置で、
前記成形キャビティへの前記溶融樹脂材料の射出充填
を、該成形キャビティまたは該成形キャビティに接続形
成された余剰樹脂溜に完全に充填されていない状態で完
了した後、該一対の成形金型を型閉完了せしめ、続いて
前記圧縮成形部材を該成形キャビティ内に突出変位せし
めるようにしても良い。このような射出成形方法を採用
すれば、型閉作動により、成形キャビティに射出充填さ
れた樹脂材料を全体として圧縮させた後、更に圧縮成形
部材の突出変位により、薄肉部に対する樹脂材料の充填
が追加して実施されるのであり、それによって薄肉部に
対する樹脂材料の充填を一層安定して行うことが可能と
なる。
【0025】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0026】先ず、図1には、本発明に従う射出成形方
法の製造対象物の一具体例として、コンタクトレンズの
モールド成形用の雌モールド用型12が示されている。
この雌モールド用型12の具体的構造や作用,効果は、
本出願人が先に提出した特願2001−79051号に
開示されて詳述されているものであり、ここでは、先
ず、かかる雌モールド用型12について、簡単に説明す
る。
【0027】すなわち、かかる雌モールド用型12は、
雄モールド用型14と組合せて使用されて、それら雌雄
両モールド型12,14によってモールド成形型を構成
するものであり、図2に示されているように、かかる雌
雄両モールド型12,14が中心軸方向で型合わせされ
ることによって型合わせ面間にコンタクトレンズの成形
キャビティ16が形成されるようになっている。
【0028】より詳細には、雌モールド用型12は、ポ
リプロピレン等の適当な合成樹脂材で形成されており、
全体として厚肉の略円板形状を有している。また、雌モ
ールド用型12の中央部分26は、軸方向一方(図1中
の下方)に向かって突出する球殻形状とされており、こ
の中央部分26の凹側表面によって、目的とするコンタ
クトレンズのフロントカーブに対応した凹状成形面28
が形成されている。また、中央部分の外周縁部には、円
環板形状の当接部30が、中心軸32に直交する方向に
広がって一体形成されている。更に、雌モールド用型1
2における中央部分26の外周縁部と当接部30の内周
縁部の連接部分は、薄肉化された薄肉壁部36とされて
いる。即ち、中央部分26と当接部30の連接部分に
は、中央部分26の凸側に開口する凹部38が、周方向
に連続して環状に延びるように形成されており、中央部
分26と当接部30の連結部分が、凹状成形面28側の
表面部分だけを残された状態で、薄肉のシート形状とさ
れているのであり、それによって、中央部分26と当接
部30の間に跨がる径方向の所定幅の領域で、周方向に
連続して環状に延びる形状をもって、薄肉部としての薄
肉壁部36が形成されている。これにより、凹状成形面
28の外周縁部が、薄肉壁部36の内周縁部によって形
成されている。また、かかる薄肉壁部36は、径方向の
中間部分に位置せしめられた中央部分26と当接部30
の境界部位において、中央部分26の凹側に突出して屈
曲せしめられており、それによって、凹状成形面28の
外周端縁部を周方向に連続して環状に延びる屈曲部40
(図3参照)が、薄肉壁部36の径方向中央部分に形成
されている。
【0029】なお、雌モールド用型12においては、薄
肉壁部36を除く中央部分26と当接部30に対して、
何れも、型合わせに際して及ぼされる外力に対して十分
な剛性を発揮し得るように、材質を考慮して部材厚さが
設定されている。また一方、薄肉壁部36においては、
外力の作用に基づいて比較的容易に変形が許容され得る
ように材質を考慮して部材厚さが設定されており、一般
に0.01mm〜0.3mmと十分に薄肉に形成される。
【0030】一方、雄モールド用型14は、雌モールド
用型12と同様な合成樹脂材で形成されており、全体と
して厚肉の略円板形状を有している。また、雄モールド
用型14の中央部分18は、雌モールド用型12と同様
に軸方向一方(図1中の下方)に向かって突出する球殻
形状とされており、かかる中央部分18の凸側表面によ
って、目的とするコンタクトレンズのベースカーブに対
応した凸状成形面20が形成されている。また、中央部
分18の外周縁部には、円環板形状の当接部22が、中
心軸24に直交する方向に広がって一体形成されてい
る。なお、雄モールド用型14においては、凸状成形面
20を含む全体が、型合わせに際して及ぼされる外力に
対して十分な剛性を発揮し得るように、材質を考慮して
部材厚さが設定されている。
【0031】そして、このような雌モールド用型12と
雄モールド用型14からなる成形型を用いて、目的とす
るコンタクトレンズをモールド成形(重合)するに際し
ては、先ず、図2に示されているように、金属等の剛性
材からなる雌モールド用型支持部材42によって雌モー
ルド用型12を載置状態で支持せしめて、上方に向かっ
て開口する凹状成形面28によって形成された受け皿状
の領域に、目的とするコンタクトレンズを得るための適
当な重合性材料を供給する。その後、雌モールド用型1
2に対して、雄モールド用型14を、それらの中心軸3
2,24を一致させた状態下で、鉛直上方から重ね合わ
せて、雄モールド用型加圧部材44で重ね合わせ方向の
外力を及ぼすことにより軸方向に重ね合わせ、所定の型
合せ力(型締力)を雌雄両型12,14に及ぼして、そ
れら雌雄両型12,14を相対的に位置決めすることに
より、図2に示されているように、雌雄両型12,14
の中央部分18,26の型合わせ面間において、目的と
するコンタクトレンズ形状に対応した形状の成形キャビ
ティ16を形成する。ここにおいて、かかる成形キャビ
ティ16の外周端縁部は、図3に拡大して図示されてい
るように、雌モールド用型12の薄肉壁部36における
屈曲部40が、雄モールド用型14の凸状成形面20に
対して接近して対向位置せしめられて、それら屈曲部4
0と凸状成形面20の対向面間が、全周に亘って狭窄部
48とされる。
【0032】そして、かかる雌雄両型12,14の型合
わせにより、雌モールド用型12の凹状成形面28に供
給せしめた重合性材料62(図4参照)を、雌雄両型1
2,14の間で外周方向に押し広げるようにして成形キ
ャビティ16の全体に広げて充填せしめる。なお、余剰
の重合性材料は、雌雄両型12,14の凹状成形面28
と凸状成形面20の対向面間を外周側に外れて、雌雄両
型12,14の当接部30,22間の隙間領域46に導
かれる。その後、雌雄両型12,14を型合せ状態に保
持せしめたままで、必要に応じて雌モールド用型支持部
材42や雄モールド用型加圧部材44から雌雄両型1
2,14を取り出し、成形キャビティ16に充填された
重合性材料62に対して、例えば、熱重合法や光重合法
等に従って重合処理を施す。これにより、雌雄両型1
2,14の成形面28,20の形状に対応した目的とす
る形状のコンタクトレンズが成形されることとなり、続
いて、雌雄両型12,14を型開きした後、それら雌雄
何れかの型12,14に付着したコンタクトレンズを離
型させて取り出すことにより、目的とするコンタクトレ
ンズの製造が完了する。
【0033】そこにおいて、上述の如き構造とされた雌
モールド用型12においては、図4に示されているよう
に、成形キャビティ16においてコンタクトレンズのエ
ッジ部或いは周辺部とエッジ部の成形面を形成する壁部
が、比較的容易に変形が許容される薄肉壁部36によっ
て構成されていることから、重合性材料62の重合収縮
によって成形キャビティ16側の面に及ぼされる引張力
に基づいて、或いは図5に示されている如き外部から押
圧部材51を押圧せしめることによって及ぼされる押圧
力に基づいて、雄モールド用型14の凸状成形面20に
向かって比較的容易に変形せしめられて、薄肉壁部36
の屈曲部40が凸状成形面20に対して押し付けられる
ようにして安定して当接せしめられ得るのであり、これ
によって、凸状成形面20と屈曲部40の対向面間にお
ける狭窄部48が遮断されて、成形キャビティ16の外
周端縁部が有利に閉塞されることとなり、目的とするコ
ンタクトレンズを、外周縁部におけるバリ等の成形不良
を回避しつつ、高精度に且つ安定して製造することが可
能となるのである。
【0034】ところで、このような構造とされた雌モー
ルド用型12は、例えば合成樹脂材料の射出成形によっ
て形成することが考えられるが、そこにおいて、かかる
雌モールド成形型にあっては、(1)円環板形状を有す
る極めて薄肉の薄肉壁部36を備えていることから、こ
の薄肉壁部36を目的とする薄肉寸法で安定して成形す
ることが難しい、(2)目的とするコンタクトレンズの
光学特性を安定して得るために、凹状成形面28を形成
する中央部分26に対して高い精度が要求されることと
なり、中央部分26に樹脂材料の注入用ゲート孔を設定
すると要求される寸法精度を確保することが難しい、
(3)極めて薄肉の薄肉壁部36を径方向に挟んだ内周
側と外周側に、それぞれ厚肉の中央部分26と当接部3
0が一体形成されていることから、中央部分26と当接
部30の何れか一方の成形キャビティから樹脂材料を注
入すると、薄肉壁部36を通じて、それら中央部分26
と当接部30の他方の側にまで樹脂材料を安定して速や
かに充填することが難しい、などという問題があり、一
般的な射出成形では、目的とする雌モールド用型12を
安定して製造することが困難である。
【0035】ここにおいて、本発明に従う構造とされた
射出成形用金型を用い、本発明方法に従って射出成形す
ることにより、上述の如き円環板状の薄肉部としての薄
肉壁部36を備えた射出成形品としての雌モールド用型
12を有利に製造することが出来るのであり、以下、本
発明方法に従う雌モールド用型12の製造について説明
する。
【0036】先ず、図6には、上述の如き雌モールド用
型12を成形するための射出成形用金型52が概略的に
示されている。この射出成形用金型52は、第一の成形
用金型54と第二の成形用金型56から構成されてお
り、図面上に明示はされていないが、適当な型締装置に
装着されることによって、第一の成形用金型54と第二
の成形用金型56が相対的に接近離隔方向に変位可能に
配設されて、型開閉作動および型締作動されるようにな
っている。そして、それら第一及び第二の成形用金型5
4,56が型合わせされることにより、型合わせ面間に
おいて、雌モールド用型12の成形キャビティ58が形
成されるようになっている。なお、本実施形態では、第
一及び第二の成形用金型54,56の型合わせ面間に、
複数の成形キャビティ58が形成されるようになってい
る。
【0037】より詳細には、第一の成形用金型54は、
厚肉ブロック形状の金型本体62を備えていると共に、
該金型本体62の中央部分にスプルブッシュ64が組み
付けられており、第一の成形用金型54の中心軸上を型
開閉方向に貫通して延びるスプル孔66が形成されてい
る。また、第一の成形用金型54の型合わせ面(図中の
下面)には、スプル孔66の開口端部から軸直角方向に
向かって延びる複数のランナ溝68,68が形成されて
おり、各ランナ溝68の先端側の外方に位置して、キャ
ビティ形成用の凹所70が形成されている。なお、第一
の成形用金型54のキャビティ形成用凹所70は、図示
されているように、前記雌モールド用型12の凹状成形
面28を形成するための中央部分が、金型本体62と別
体形成された組付金型72によって、略球状の凸面形状
をもって形成されている。また、ランナ溝68は、凹所
70の外周縁部に対して、該凹所70の周上の一カ所で
接続されていると共に、かかる接続部位には、カッタ用
嵌合凹部74が形成されており、このカッタ用嵌合凹部
74を通じて、ランナ溝68と凹所70が比較的大きな
断面積で接続されている。
【0038】一方、第二の成形用金型56は、厚肉ブロ
ック形状の金型本体76を備えており、該金型本体76
の中央部分には、スプル及びランナを離型するためのエ
ジェクタロッド78が挿通状態で組み付けられている。
また、第二の成形用金型56の型合わせ面(図6中の上
面)には、第一の成形用金型54のキャビティ形成用の
凹所70に対向位置する部分に対して、キャビティ形成
用の凹所80が形成されている。なお、第二の成形用金
型56のキャビティ形成用凹所80は、中央部分が、金
型本体62と別体形成された組付金型82によって、略
球状の凹面形状をもって形成されている。
【0039】また、組付金型82には、円筒形状の圧縮
成形部材としての圧縮スリーブ84が外挿状態で組み付
けられており、金型本体76および組付金型82に対し
て軸方向に突出変位可能とされている。この圧縮スリー
ブ84は、目的とする樹脂製品としての雌モールド用型
12における中央部分26と当接部30の連接部分に位
置せしめられる内外径寸法を有しており、金型本体76
および組付金型82に対して軸方向に相対変位可能に組
み付けられている。
【0040】更にまた、第二の成形用金型56には、第
一の成形用金型54のカッタ用嵌合凹部74に対向位置
する部分に対して、該カッタ用嵌合凹部74に対応した
先端形状を有するカッタロッド86が、軸方向に変位可
能に組み付けられている。
【0041】そして、このような第一及び第二の成形用
金型54,56からなる射出成形用金型52を用いて、
前述の如き雌モールド用型12を射出成形するに際して
は、先ず、図6に示されているように、両成形用金型5
4,56を型合わせして型閉完了せしめることにより、
それら成形用金型54,56の型合わせ面間に、目的と
する雌モールド用型12に対応した形状の成形キャビテ
ィ58を形成せしめる。なお、かかる型閉完了状態で
は、第二の成形用金型56の圧縮スリーブ84は引込端
側に位置せしめられて収納状態とされており、成形キャ
ビティ58に狭窄部は形成されておらず、全体として厚
肉の略円板形状とされている。また、カッタロッド86
も引込端側に位置せしめられて収納状態とされており、
第一及び第二の成形用金型54,56の型合わせ面間に
形成されたランナ88(図7参照)が成形キャビティ5
8に対して、カッタ用嵌合凹部74によって、十分に大
きな通路断面積をもって接続されている。
【0042】続いて、図7に示されているように、上述
の如き第一及び第二の成形用金型54,56の型閉完了
状態下で、図示しない射出装置により、溶融樹脂材料9
0をスプル孔66に射出供給せしめることによって、ス
プル孔66からランナ88およびカッタ用嵌合凹部74
を通じて成形キャビティ58に溶融樹脂材料90を射出
充填せしめる。なお、本実施形態では、カッタ用嵌合凹
部74によって、溶融樹脂材料90を成形キャビティ5
8に注入するためのゲート部が構成されている。
【0043】そして、溶融樹脂材料90を成形キャビテ
ィ58に完全に充填せしめた後、或いは所定量の未充填
領域を残すように充填せしめた後、図8に示されている
ように、図示しない型締装置の金型取付盤に設けられた
アクチュエータによってカッタロッド86を突出作動せ
しめて、該カッタロッド86の先端部分をカッタ用嵌合
凹部74に嵌入させる。これにより、カッタ用嵌合凹部
74を消失せしめて、成形キャビティ58をランナ88
から遮断することにより、成形キャビティ58を密閉状
態とする。
【0044】さらに、成形キャビティ58密閉状態とし
た後に、圧縮スリーブ84を、図示しない型締装置の金
型取付盤に設けられたアクチュエータによって突出作動
せしめて、該圧縮スリーブ84の先端部分を成形キャビ
ティ58に突入せしめる。ここにおいて、圧縮スリーブ
84の突入量は、該圧縮スリーブ84の突出先端面が、
第一の成形用金型54におけるキャビティ形成面として
の凹所70の内面に対して僅かな距離を隔てて対向位置
せしめられるように位置決め設定する。
【0045】これにより、圧縮スリーブ84の突出先端
面と第一の成形用金型54の凹所70の内面との対向面
間に、目的とする雌モールド用型12における薄肉壁部
36を成形すると共に、この薄肉壁部36を挟んだ内周
側と外周側に、中央部分26と当接部30を、該薄肉壁
部36によって相互に接続された状態で成形する。な
お、このことから明らかなように、本実施形態では、圧
縮スリーブ84の突出先端面と第一の成形用金型54の
凹所70の内面との対向面によって、薄肉壁部36を成
形する薄肉成形部を形成する薄肉部成形面が構成されて
いる。
【0046】ここにおいて、カッタロッド86の突出作
動で密閉状態とされた成形キャビティ58に充填された
溶融樹脂材料90は、圧縮スリーブ84の突出作動によ
って圧縮されることとなり、成形キャビティ58に溶融
樹脂材料90の未充填の領域が残存していた場合には、
かかる未充填の領域に対して積極的に押し込まれるよう
にして、成形キャビティ58に対して溶融樹脂材料90
が充填完了せしめられる。また、それと同時に、圧縮ス
リーブ84の突出部分において、予め充填された溶融樹
脂材料90が圧縮スリーブ84によって強制的に狭窄さ
れることとなり、余剰の溶融樹脂材料90を押し退ける
ようにして、目的とする薄肉寸法まで減少せしめられる
ことによって薄肉壁部36が形成されることとなる。
【0047】そして、溶融樹脂材料90を冷却,固化せ
しめた後、第一の成形用金型54と第二の成形用金型5
6を型開作動せしめて、成形品を離型することによっ
て、目的とする雌モールド用型12を得る。なお、本実
施形態では、雌モールド用型12は、成形時におけるカ
ッタロッド86の突出作動によってスプル及びランナ部
分92から独立して成形されており、型開き後に、第二
の成形用型56において、組付金型82が軸方向に突出
作動せしめられることによって雌モールド用型12が離
型されると共に、エジェクタロッド78が軸方向に突出
作動せしめられることによってスプル及びランナ部分9
2が離型されるようになっている。
【0048】上述の如き射出成形用金型52を用いた射
出成形方法に従えば、全体的に溶融樹脂材料を安定して
充填せしめるに十分な内法寸法をもって形成せしめた成
形キャビティ58に対して溶融樹脂材料90を注入せし
めることにより、薄肉壁部36の形成部位に対して溶融
樹脂材料90を確実に充填することが出来るのであり、
更にその後、予め溶融樹脂材料90を充填せしめた成形
キャビティ58を圧縮スリーブ84で狭窄することによ
って、十分に薄肉の寸法をもって、樹脂材料の充填不良
等の成形不良を伴うことなく、目的とする薄肉壁部3
6、ひいては目的とする雌モールド用型12を安定して
且つ高い寸法精度をもって形成することが可能となるの
である。
【0049】次に、本発明の第二の実施形態として、図
9には、樹脂製品としてのコンタクトレンズを、本発明
方法に従って製造するに際して好適に採用される射出成
形用金型100が、モデル的に示されている。
【0050】かかる射出成形用金型100は、第一の成
形金型102と第二の成形金型104から構成されてお
り、第一の実施形態と同様に図示しない適当な型締装置
に装着されることによって、互いに接近/離隔方向に相
対変位可能に対向配置されており、型合わせ面間にコン
タクトレンズの成形キャビティ106を形成するように
なっている。
【0051】より詳細には、第一の成形金型102は、
中央部分にスプル孔108を有しており、第二の成形金
型104と型合わせされることによって、それら両金型
102,104の型合わせ面間において、スプル孔10
8の開口端部から型開閉方向に直角な方向で互いに反対
側に向かって延びる一対のランナ110,110が形成
されるようになっている。そして、それら各ランナ11
0の先端側の外方に位置して、第一の成形金型102と
第二の成形金型104の型合わせ面間に広がる成形キャ
ビティ106が形成されている。
【0052】かかる成形キャビティ106は、その中央
部分が、第一の成形金型102に形成された球状凹面1
14と、第二の成形金型104に形成された球状凸面1
16の対向面間において、略球殻形状をもって形成され
ており、第一の成形金型102の球状凹面114によっ
てコンタクトレンズのフロントカーブが成形される一
方、第二の成形金型104の球状凸面116によってコ
ンタクトレンズのベースカーブが成形されるようになっ
ている。
【0053】また、第二の成形金型104には、球状凸
面116の略中央に開口するエアブロー孔118が形成
されていると共に、該エアブロー孔118の開口部には
焼結金属等の微細な連続気孔を備えた通気性部材120
が配設されている。そして、この通気性部材120によ
って球状凸面116の一部が構成されており、エアブロ
ー孔118を通じて供給される圧縮空気が、通気性部材
120を通じて球状凸面116に吐出され得るようにな
っており、この圧縮空気の吐出によってコンタクトレン
ズの成形後の離型が実施されるようになっている。
【0054】更にまた、第二の成形金型104には、キ
ャビティ形成面としての球状凸面116の外周縁部を取
り囲むようにして、圧縮スリーブ122が外挿状態で配
設されており、該圧縮スリーブ122が型開閉方向に向
かって突出変位可能とされている。なお、本実施形態で
は、圧縮スリーブ122が引込端側に位置せしめられる
ことにより、圧縮スリーブ122の先端面が球状凸面1
16よりも控えて位置せしめられるようになっており、
第一の成形金型102と第二の成形金型104の型合わ
せ面間に形成される成形キャビティ106において、第
一の成形金型102の球状凹面114と第二の成形金型
104の球状凸面116の対向面間寸法よりも、その外
周側を全周に亘って取り囲むようにして隣接位置せしめ
られた第一の成形金型102の型合わせ面と圧縮スリー
ブ122の先端面の対向面間寸法が、大きく設定されて
いる。
【0055】さらに、第二の成形金型104には、圧縮
スリーブ122の外周側に隣接位置して、該圧縮スリー
ブ122を全周に亘って取り囲むようにして、深底状の
環状凹部124が形成されており、この環状凹部124
によって、第一の成形金型102と第二の成形金型10
4の対向面間距離が、圧縮スリーブ122の外周側にお
いて、該圧縮スリーブ122の配設部位よりも更に大き
くされて余剰樹脂溜126が形成されている。
【0056】そして、このような第一及び第二の成形金
型102,104からなる射出成形金型100を用い
て、目的とするコンタクトレンズを射出成形するに際し
ては、先ず、図9に示されているように、両成形金型1
02,104を型合わせすることにより、それら成形金
型54,56の型合わせ面間に、コンタクトレンズの成
形キャビティ106を形成せしめる。なお、本実施形態
では、第一及び第二の成形金型102,104を、型閉
完了位置よりも所定量だけ型開きした位置で型合わせを
行うことにより、第一の成形金型102の球状凹面11
4と第二の成形金型104の球状凸面116の対向面間
において、目的とするコンタクトレンズの厚さ寸法より
も所定量だけ大きな内法寸法をもって、成形キャビティ
106を形成せしめるようにする。
【0057】また、かかる型合わせ状態では、第二の成
形金型102の圧縮スリーブ122は引込端側に位置せ
しめられて収納状態とされており、成形キャビティ10
6に狭窄部は形成されておらず、全体として厚肉の略円
板形状とされている。
【0058】続いて、図10に示されているように、上
述の如き第一及び第二の成形金型102,104の型合
わせ状態下で、図示しない射出装置により、溶融樹脂材
料128を、スプル孔108からランナ110および余
剰樹脂溜126を通じて成形キャビティ106に射出充
填せしめる。なお、本実施形態では、余剰樹脂溜126
の周上の一カ所において、ランナ110が接続されて溶
融樹脂材料128を成形キャビティに注入するためのゲ
ート部が形成されている。
【0059】そして、溶融樹脂材料128を成形キャビ
ティ106に対して、所定量の未充填領域132が残る
ように充填せしめた後、図11に示されているように、
第一の成形金型102と第二の成形金型104を相対的
に接近方向に駆動変位せしめて型閉完了させることによ
って射出圧縮作動を行う。これにより、成形キャビティ
106における厚さ方向の内法寸法を小さくして、第一
の成形金型102の球状凹面114と第二の成形金型1
04の球状凸面116の対向面間において、目的とする
コンタクトレンズの厚さ寸法に対応した内法寸法を設定
すると共に、成形キャビティ106の容積を減少させ
て、成形キャビティ106に充填された溶融樹脂材料1
28を成形キャビティ106内に押し広げるようにし
て、成形キャビティ106内のより広い領域に積極的に
導き入れる。なお、本実施形態では、図11に示された
射出圧縮作動の完了後においても、余剰樹脂溜126に
は、未だ未充填領域132が残存するようになってい
る。
【0060】続いて、上述の如き型閉完了状態で、図1
2に示されているように、圧縮スリーブ122を、図示
しない型締装置の金型取付盤に設けられたアクチュエー
タによって突出作動せしめて、該圧縮スリーブ122の
先端部分を成形キャビティ106に突入せしめる。ここ
において、圧縮スリーブ122の突入量は、該圧縮スリ
ーブ122の突出先端面が、第一の成形金型102にお
けるキャビティ形成面に対して密接状態で当接せしめら
れるように位置決め設定する。
【0061】これにより、圧縮スリーブ122の突出先
端面と第一の成形金型102との対向面間で、成形キャ
ビティ106を部分的に円環板形状をもって押し潰すよ
うにして薄肉化せしめて究極的に最後まで押し潰すこと
により、それら圧縮スリーブ122の突出先端面と第一
の成形金型102の対向面間に形成される薄肉壁部とし
ての円環板形状の部分を実質的に消失せしめる。
【0062】ここにおいて、成形キャビティ106に充
填された溶融樹脂材料128には、圧縮スリーブ122
の突出作動によって圧縮力が及ぼされることとなり、成
形キャビティ106に溶融樹脂材料128の未充填領域
132が残存していた場合には、かかる未充填領域13
2に対して積極的に押し込まれるようにして、成形キャ
ビティ106に対して溶融樹脂材料128が充填完了せ
しめられる。また、それと同時に、圧縮スリーブ122
の突出部分において、成形キャビティ106が内周側と
外周側に分断せしめられて、その結果、第一の成形金型
102の球状凹面114と第二の成形金型104の球状
凸面116の対向面間に、目的とする形状のコンタクト
レンズ135が、スプル134やランナ部分137から
分離独立せしめられた状態で形成されて、その後、成形
キャビティ106内で冷却固化せしめられることとな
る。
【0063】そして、図13に示されているように、第
一の成形金型102と第二の成形金型104を型開きし
た後、図14に示されているように、エアブロー孔11
8を通じて圧縮空気を供給して通気性部材120から第
二の成形金型104の球状凸面116に吐出させること
によって、該球状凸面116に被着せしめられたコンタ
クトレンズ135を、独立した単独構造で離型させると
共に、図15に示されているように、第二の成形金型1
04に組み込んだエジェクタスリーブ136を突出駆動
せしめることによって、第二の成形金型104に被着せ
しめられたスプル134およびランナ部分137を、樹
脂製品たるコンタクトレンズ135から独立して離型さ
せる。
【0064】上述の如き成形用金型100を用いた射出
成形方法に従えば、型閉完了位置から所定量だけ型開き
して保持せしめた第一の成形金型102と第二の成形金
型104の対向面において、全体的に溶融樹脂材料を安
定して充填せしめるに十分な内法寸法をもって成形キャ
ビティ106を形成することが可能となり、かかる成形
キャビティ106に溶融樹脂材料128を注入せしめる
ことにより、溶融樹脂材料128を成形キャビティ10
6に対して安定して且つ速やかに充填することが出来る
のであり、更にその後、圧縮スリーブ122を成形キャ
ビティ106に突出駆動させることにより、充填された
溶融樹脂材料128の充填圧力を一層高めて成形キャビ
ティ106に対してより確実に溶融樹脂材料128を充
填することが可能となる。
【0065】しかも、本実施形態では、第二の成形金型
104に組み込まれた圧縮スリーブ122が第一の成形
金型102に当接するまで突出せしめられて、目的とす
るコンタクトレンズ135を、スプル134やランナ部
分137から分断せしめられた目的とする製品形状をも
って、成形して離型せしめることが可能となるのであ
り、離型後におけるコンタクトレンズ135からのラン
ナ等の切断除去作業が不要となることから、コンタクト
レンズ135の製造作業性が飛躍的に向上され得るので
ある。
【0066】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0067】例えば、本発明に従ってコンタクトレンズ
を射出成形するに際しては、例えば、樹脂製品としての
コンタクトレンズの全体を、略円板状の薄肉部として成
形することも可能である。具体的には、例えば、図16
にモデル図が示されているように、第一の成形金型14
2と第二の成形金型144の型合わせ面に対して球状凹
面146と球状凸面148を形成して、それら両成形金
型142,144の型閉完了状態下で、それら球状凹面
146と球状凸面148の対向面間に、目的とするコン
タクトレンズの成形キャビティ140を形成するように
した射出成形用金型150において、球状凹面146と
球状凸面148の少なくとも何れか一方(図16に示さ
れた具体例では、球状凸面148の方)を、金型本体1
52に対して型開閉方向で相対変位可能に組み付けられ
た圧縮成形部材としての圧縮ブロック154によって形
成する。このような射出成形用金型150を採用すれ
ば、図16に示されている如き型閉完了状態で、溶融樹
脂材料を、スプルやランナ158およびゲート部160
を通じて成形キャビティ140に注入せしめて、図17
に示されているように、該成形キャビティ140に対し
て溶融樹脂材料162を射出充填した状態下、或いは所
定量の未充填領域を残存せしめた状態下で、図18に示
されているように、圧縮ブロック154を成形キャビテ
ィ140内に所定量だけ突出作動せしめて成形キャビテ
ィ140を全体的に狭窄せしめることにより、目的とす
る寸法形状を備えたコンタクトレンズを成形することが
可能となるのである。
【0068】このようなコンタクトレンズの射出成形方
法においては、樹脂製品たるコンタクトレンズにおいて
目的とする薄肉壁部の肉厚寸法よりも十分に大きな内法
寸法を有する成形キャビティ140を形成し、この成形
キャビティ140に溶融樹脂材料162を射出充填せし
めた後に、圧縮ブロック154で成形キャビティ140
内の溶融樹脂材料162を強制的に薄肉化せしめること
によって全体が薄肉とされたコンタクトレンズを形成す
るようにされることから、薄肉のコンタクトレンズを、
溶融樹脂材料の充填不良等の不具合を回避しつつ、高い
寸法精度で安定して射出成形することが可能となるので
ある。
【0069】また、前記第一及び第二の実施形態におい
ては、何れも、成形キャビティの外周縁部に対して、そ
の周上の一カ所に溶融樹脂材料の注入用のゲート部が形
成されていたが、かかるゲート部を、成形キャビティの
外周縁部において周上の複数箇所に形成したり、或いは
周方向の全周に亘って形成することも可能であり、それ
によって、成形キャビティにして溶融樹脂材料を全周に
亘って均一に射出充填することが可能となって、溶融樹
脂材料の成形キャビティへの充填効率の向上が図られ得
ると共に、成形キャビティの全体に対してより均一に溶
融樹脂材料を充填することが可能となる。
【0070】なお、前記第二の実施形態において、成形
キャビティの外周縁部に形成された円環形状の余剰樹脂
溜は、必ずしも設ける必要がない。
【0071】さらに、本発明の適用対象となるコンタク
トレンズのモールド成形型は、前記第一の実施形態のも
のに限定されるものでなく、少なくとも本出願人の先願
に係る特願2001−79051号に記載された、外周
部分乃至は外周縁部に略円環板状の薄肉部を備えた各種
形状のモールド成形型が、何れも、本発明の適用対象と
なり得ることは言うまでもない。
【0072】また、前記第一の実施形態において、成形
キャビティをランナから分断せしめるカッタロッド86
は、必ずしも必要でなく、スプル及びランナ部分92を
樹脂製品である雌モールド用型12と一体化されたまま
の状態で離型させた後に、雌モールド用型12からスプ
ル及びランナ部分92を分離せしめるようにしても良
い。
【0073】更にまた、前記実施形態では、コンタクト
レンズのモールド成形用型およびコンタクトレンズの成
形に対して本発明を適用した場合について説明したが、
本発明は、その他、略円環板状乃至は略円板状の薄肉部
を備えた樹脂製品の射出成形用金型および射出成形方法
として、広く適用可能であることは、言うまでもない。
【0074】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
勿論である。
【0075】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
の射出成形方法に従えば、圧縮成形部材を後退位置せし
めて成形キャビティにおける薄肉成形部の厚さ寸法を大
きくした状態下で溶融樹脂材料を成形キャビティに射出
することができると共に、射出後に圧縮成形部材を突出
させて薄肉成形部に充填された溶融樹脂材料を押し潰す
ようにして薄肉部を圧縮成形せしめることが出来ること
から、薄肉部を含む樹脂製品の全体を、充填不良等の成
形不良を伴うことなく安定して高精度に成形することが
可能となる。
【0076】また、本発明に従う射出成形用金型によれ
ば、上述の如き射出圧縮成形を有利に実施することが出
来るのであり、それによって、例えば全体が極めて薄肉
とされたコンタクトレンズや、極めて薄肉の円環板状の
薄肉部を備えたコンタクトレンズ用モールド成形型など
を、優れた成形精度を確保しつつ安定して射出成形する
ことが可能となるのである。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う射出成形方法の製造対象物の一具
体例としてのコンタクトレンズのモールド成形用型を示
す縦断面図である。
【図2】図1に示されたモールド成形用型の型合わせ状
態を示す縦断面図である。
【図3】図2に示されたモールド成形用型を用いたコン
タクトレンズのモールド成形方法を説明するための要部
拡大説明図である。
【図4】図2に示されたモールド成形用型を用いたコン
タクトレンズのモールド成形方法に関して図3とは別の
工程を説明するための要部拡大説明図である。
【図5】図2に示されたモールド成形用型を用いたコン
タクトレンズのモールド成形方法の図4とは異なる態様
を示す縦断面説明図である。
【図6】図1に示された雌モールド用型を成形するため
の本発明の一実施形態としての射出成形用金型を示す縦
断面図である。
【図7】図6に示された射出成形用金型を用いた雌モー
ルド用型の成形方法を説明するための説明図である。
【図8】図6に示された射出成形用金型を用いた雌モー
ルド用型の成形方法を説明するための、図7とは異なる
工程を示す説明図である。
【図9】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方法
の一実施形態を説明する、一工程を示す説明図である。
【図10】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図9の後の工程を示す説明図であ
る。
【図11】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図10の後の工程を示す説明図で
ある。
【図12】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図11の後の工程を示す説明図で
ある。
【図13】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図12の後の工程を示す説明図で
ある。
【図14】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図13の後の工程を示す説明図で
ある。
【図15】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図14の後の工程を示す説明図で
ある。
【図16】本発明に従うコンタクトレンズの更に別の射
出成形方法を説明するための説明図である。
【図17】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図16の後の工程を示す説明図で
ある。
【図18】本発明に従うコンタクトレンズの射出成形方
法を説明するために、図17の後の工程を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
12 雌モールド用型 26 中央部分 30 当接部 36 薄肉壁部 52 射出成形用金型 54 第一の成形用金型 56 第二の成形用金型 58 成形キャビティ 84 圧縮スリーブ 90 溶融樹脂材料 100 射出成形用金型 102 第一の成形金型 104 第二の成形金型 106 成形キャビティ 122 圧縮スリーブ 126 余剰樹脂溜 128 溶融樹脂材料 132 未充填領域 135 コンタクトレンズ 140 成形キャビティ 142 第一の成形金型 144 第二の成形金型 150 射出成形用金型 154 圧縮ブロック 162 溶融樹脂材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H006 BC07 4F202 AH74 AJ03 AM34 CA11 CB01 CK15 CK18 CK52 CK85

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに型合わせされる一対の成形金型を
    含んで構成されて、それら一対の成形金型の型合わせ面
    間に、肉厚寸法の小さい略円環板状乃至は略円板状の薄
    肉成形部を備えた成形キャビティを形成する、略円環板
    状乃至は略円板状の薄肉部を備えた樹脂製品の射出成形
    用金型であって、 前記成形キャビティにおける薄肉成形部を、前記一対の
    成形金型の型合わせ方向に延びる中心軸回りに広がるよ
    うに形成すると共に、該成形キャビティへの溶融樹脂材
    料の注入用のゲート部を該成形キャビティの外周縁部に
    形成する一方、前記一対の成形金型の何れか一方におい
    て、前記薄肉成形部を形成する薄肉部成形面の全体を、
    金型本体に対して型合わせ方向に突出可能な圧縮成形部
    材で構成して、かかる一対の成形金型の型合わせ状態下
    で該圧縮成形部材が前記成形キャビティに突出せしめら
    れるようにしたことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記成形キャビティがコンタクトレンズ
    の成形用であって、該成形キャビティの全体が前記薄肉
    成形部とされており、該成形キャビティにおける該コン
    タクトレンズの表裏の何れか一方のキャビティ形成面が
    全体に亘って前記圧縮成形部材によって形成されている
    請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記成形キャビティの外周縁部を円環板
    状の前記薄肉成形部とすると共に、該薄肉成形部の表裏
    の何れか一方のキャビティ形成面を形成する前記一方の
    成形金型の前記圧縮成形部材が、前記他方の成形金型に
    よって形成される該薄肉成形部の表裏の他方のキャビテ
    ィ形成面に対して密接状態で当接する位置まで突出せし
    められることにより、前記円環板状の薄肉成形部が実質
    的に消失せしめられて該薄肉成形部の内周側部分におい
    て略円板状の樹脂製品を成形するようにした請求項1又
    は2に記載の射出成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記成形キャビティにおける前記薄肉成
    形部の更に外周側に位置して、該薄肉成形部を通じて該
    成形キャビティに接続された環状の余剰樹脂溜を形成し
    た請求項3に記載の射出成形用金型。
  5. 【請求項5】 略球状凹形のレンズ成形面を備えた雌型
    と、略球状凸形のレンズ成形面を備えた雄型から構成さ
    れて、それら雌雄両型の型合わせ面間にコンタクトレン
    ズの成形キャビティを形成するコンタクトレンズのモー
    ルド成形型であって、それら雌雄両型の何れか一方の型
    における前記レンズ成形面の外周部分を薄肉として外周
    側に延び出させて、該レンズ成形面の外周部分の周方向
    全周に亘って広がる変形可能な円環板状の薄肉部を設け
    て、かかる雌雄両型の型合わせ状態下で該薄肉部を他方
    の型における前記レンズ成形面の外周部分に近接位置せ
    しめるようにしたモールド成形型における該薄肉部が形
    成された該一方の型を、前記成形キャビティによる成形
    対象とした請求項1に記載の射出成形用金型であって、 前記成形キャビティにおける前記薄肉部の成形領域が前
    記薄肉成形部とされており、円環板状とされた該薄肉部
    の表裏の何れか一方のキャビティ形成面が全体に亘って
    前記圧縮成形部材によって形成されている射出成形用金
    型。
  6. 【請求項6】 前記モールド成形型の一方の型における
    前記薄肉部の延び出し方向の中間部分において、前記他
    方の型に向かって凸となる屈曲部が形成されるように、
    前記成形キャビティの薄肉成形部が屈曲断面形状とされ
    ている請求項5に記載の射出成形用金型。
  7. 【請求項7】 前記成形キャビティへの溶融樹脂材料の
    注入用のゲート部を、該成形キャビティの外周縁部にお
    いて、周方向の複数箇所に形成した請求項1乃至6の何
    れかに記載の射出成形用金型。
  8. 【請求項8】 前記成形キャビティへの溶融樹脂材料の
    注入用のゲート部を、該成形キャビティの外周縁部にお
    いて、周方向の全周に亘って連続して形成した請求項1
    乃至6の何れかに記載の射出成形用金型。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の射出成
    形用金型を用い、前記一対の成形金型を型合わせすると
    共に、前記圧縮成形部材を前記成形キャビティから後退
    位置せしめた状態下で、該成形キャビティに溶融樹脂材
    料を射出供給した後、該溶融樹脂材料が冷却固化する前
    に、該圧縮成形部材を該成形キャビティ内に突出変位せ
    しめることを特徴とする略円環板状乃至は略円板状の薄
    肉部を備えた樹脂製品の射出成形方法。
  10. 【請求項10】 前記成形キャビティに射出供給された
    前記溶融樹脂材料が、該成形キャビティまたは該成形キ
    ャビティに接続形成された余剰樹脂溜に対して完全に充
    填されていない状態で、前記圧縮成形部材を該成形キャ
    ビティ内に突出変位せしめる請求項9に記載の射出成形
    方法。
  11. 【請求項11】 前記一対の成形金型を型閉完了位置か
    ら所定量だけ型開きした位置で、前記成形キャビティへ
    の前記溶融樹脂材料の射出充填を、該成形キャビティま
    たは該成形キャビティに接続形成された余剰樹脂溜に完
    全に充填されていない状態で完了した後、該一対の成形
    金型を型閉完了せしめ、続いて前記圧縮成形部材を該成
    形キャビティ内に突出変位せしめる請求項9又は10に
    記載の射出成形方法。
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