JP4019134B2 - プラスチックの成形方法および成形用金型 - Google Patents

プラスチックの成形方法および成形用金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックの成形方法および成形用金型に関し、特に、高精度な鏡面を有するプラスチックレンズ、プラスチックミラー等の光学素子の成形方法および成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ方式のデジタル複写機、プリンタ、またはファクシミリ装置の光書き込みユニットには、レーザビームの結像および各種補正機能を有する矩形状のレンズあるいはミラー等の光学素子が用いられている。近年これらの光学素子は、製品のコストダウンの要求で、ガラスからプラスチック製へと変化し、また複数の機能を最小限の素子でまかなうため、その転写面形状も球面のみならず、複雑な非球面形状を有するようになってきている。
【0003】
また、レンズの場合には、その形状はレンズ厚が厚く、また長手方向でレンズ厚が一定ではない偏肉形状である場合が多くなってきている。また、その製造方法としては製造コストが低く、大量生産に適した射出成形法、あるいは金型内に配置された転写面を形成する入子を移動可能にし(可動入子)、金型内に充填された樹脂の冷却に伴う体積収縮に対して上記可動入子が前進することで圧力を補って形状精度を確保する方法、いわゆる射出圧縮成形法を用いることが一般的となっている。
【0004】
こうした射出成形法、あるいは射出圧縮成形法でレンズを製造する際には、加熱溶融された樹脂材料を金型内に射出充填し、冷却固化させる工程において、金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になることが、所望の形状精度を確保するために望ましいことである。
【0005】
しかし、レンズ厚みが偏肉形状の場合、レンズ厚みの偏差によって、充填された樹脂の冷却速度が長手方向の各部で異なり、体積収縮量に差が生じるため、形状精度が悪化したり、レンズ厚みの厚いところでは「ひけ」が発生したりする不具合があった。また、厚肉の場合には、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いためひけが発生しやすく、ひけ発生を防止するために射出圧力を高くすると(樹脂の充填量を多くすると)、内部歪みが大きくなり、光学性能に悪影響を及ぼすことがあった。
【0006】
また、射出圧縮成形法を用いて製造する場合、前記射出成形法よりも射出圧力を低くして成形することができるが、レンズ厚みに偏差があると、その長手方向の各部で体積収縮量に差が生じ、このことにより可動入子が樹脂の体積収縮に追従できず、均等な圧力をかけることができないため、転写面の一部にひけが発生し、形状精度が確保できないという問題があった。
【0007】
こうした射出成形法、あるいは射出圧縮成形法の欠点を改善した成形方法が、特開平11−28745号公報に開示されている。図7はこの成形方法に用いる金型100に係るもので、(a)は要部構造を示す正面断面図であり、(b)は作用を説明する正面断面図である。
【0008】
上記成形方法においては、図7(a)に示すように溶融樹脂を金型100に充填後、軟化温度未満の温度まで冷却する途中で、図7(b)のようにキャビティ駒(摺動駒)102をキャビティ内樹脂101aから離隔させることによって、摺動駒102と樹脂の間に空隙110を画成している。この成形方法では冷却で生じる収縮を、空隙に面する部分の樹脂が動くことによって吸収し、空隙に面した樹脂を優先的にひけさせることで、転写面にひけが生じるのを防ぐことができる。
【0009】
ところで、この成形方法においては、溶融樹脂をキャビティ101内に充填するときに、充填時の樹脂圧力に負けないような力〔図7(a)の太い矢印の向き〕で上記離隔させるキャビティ駒102を押圧固定する必要がある。そのとき、他のキャビティ駒103〜106も、離隔させるキャビティ駒102を介して同様の大きな力〔図7(a)の細い矢印の向き〕で押圧されている。
【0010】
その結果、キャビティ駒102を樹脂から離隔させるために上記押圧力を解除したとき〔図7(b)の太い矢印の向き〕、今まで押さえ付けられていた、他の固定されているキャビティ駒103〜106も同時に押圧から開放され〔図7(b)の細い矢印の向き〕、動いてしまうといった不具合が生じる。キャビティ駒や、それを固定する他の金型部材の加工誤差や組付け位置精度に少しでも誤差があれば、上記キャビティ駒の動きを完全に抑制することはできない。
【0011】
また、上記成形方法においては、樹脂が完全に固化する前にキャビティ駒102を樹脂から離隔させる(押圧力を解除する)必要があるため、離隔時に上記キャビティ駒103〜106が僅かでも動いてしまうと、これらのキャビティ駒103〜106のキャビティ面から樹脂の部分的な剥離が生じ、そこからの樹脂の冷却に伴う収縮によりひけが成長してしまう。つまり、望まない場所にひけが生じるといった問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、転写面にひけが生じるのを抑制し、転写精度の高いプラスチック部品を短い成形サイクルで生産性良く製造することができる、プラスチックの成形方法および成形用金型を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のプラスチックの成形方法(図5、図6を参照)は、摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとともに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面となし、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記転写面を樹脂に転写する射出成形用金型を樹脂の軟化点温度未満の温度に保持してキャビティに溶融樹脂を射出充填した後、溶融樹脂が軟化温度未満まで冷却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺動させることにより、この摺動駒のキャビティ面とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成するプラスチックの成形方法において、前記射出充填工程では、摺動駒がキャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記空隙形成の向きに摺動しないように、この摺動駒に押圧力を付与して固定するとともに、この押圧力が前記固定駒に及ばないようにし、さらに前記射出充填工程を、前記摺動駒のキャビティ面が固定駒に当接しない状態で、かつ前記摺動駒の前端面と固定駒との間に隙間を形成した状態で行うことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2に記載の成形方法(図5、図6を参照)は、請求項1において前記隙間を50μm以下とすることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の成形方法は、請求項1または2の射出充填工程において、摺動駒のキャビティ面をキャビティ内樹脂の側面の一部と接触させるとともに、固定駒に当接させないことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の成形方法(図5を参照)は、請求項1乃至3において、前記摺動駒を金型外部に設けた押圧装置によって摺動させるとともに、前記射出充填工程における摺動駒の固定位置を前記押圧装置の作動を制御する圧力制御機構のストローク量によって制御することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の成形用金型(図6を参照)は、摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとともに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面となし、キャビティに溶融樹脂を射出充填した後これを冷却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺動させることにより、この摺動駒のキャビティ面とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成するようにしたプラスチックの射出成形用金型において、前記摺動駒に前記空隙形成の向きと逆向きの押圧力を付与する押圧装置を設けるとともに、該押圧力付与時に摺動駒が固定駒に当接しない構造とし、さらに前記摺動駒の摺動方向前方部に、この摺動駒の前進摺動時に当接する当接部材を設けるか、または当接部を形成し、前記当接により摺動駒の前端面と固定駒との間に間隙を形成するようにしたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
〔参考例1〕
図1、図2は参考例1の図面であり、図1は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示すもので、(a)は正面断面図、(b)はそのA−A線断面図(側面断面図)である。図2はこの金型の作用を説明する正面断面図である。
【0021】
図1(a)において、この金型10を上型11と、下型12と、これらの間に固定して設けたキャビティ駒(固定駒)6および7a〜7dと、固定駒6に摺動自在に挿入したキャビティ駒(可動入子すなわち摺動駒)13と、この摺動駒13に所定の押圧力を付与する押圧装置4などにより構成する。キャビティ1を、上記固定駒6および7a〜7dと、摺動駒13とにより画成し、複数のキャビティ面(固定駒、摺動駒がキャビティ1に臨む面)のうち固定駒7aによるもの(固定駒7aがキャビティ1に臨む面)を、成形品に鏡面を転写するための転写面2とし、その他のキャビティ面はすべて非転写面とする。
【0022】
図1(a)(b)に示すように、摺動駒13の前端面全面をキャビティ面とする(符号5は摺動駒13による成形面)のに対し、固定駒6ではその前端面の一部をキャビティ面とする。また、摺動駒13の前端面が固定駒7a〜7dのいずれにも当接しないように構成する。上記押圧装置4は、摺動駒13がキャビティ1内に発生する樹脂圧力によって図1の左向きに摺動しないように、この摺動駒13に押圧力を付与して固定するためのもので、これには圧力制御機構を配備する。さらに、この金型には通常の射出成形用金型と同様に図略のスプルー、ランナ、ゲート、エジェクトピンなどを設ける。
【0023】
つぎに、上記成形用金型によるプラスチックの射出成形法について説明する。金型を図1(a)(b)の状態(ただし、キャビティ1内には樹脂が射出充填されていない)に型締めする。ついで、金型全体を樹脂の軟化温度未満の適宜温度に保持し、この状態でキャビティ1内に溶融樹脂を射出充填し、キャビティ内で発生する樹脂圧力によって成形品に転写面2を転写し、冷却固化により成形品を得る。
【0024】
この射出充填工程においては、キャビティ1の形状・容積を一定に維持するが、そのために摺動駒13がキャビティ内樹脂の圧力で押されて移動しないように位置を固定する必要がある。そこで、本実施の形態では押圧装置4から摺動駒13に、前進摺動の向きの押圧力を付与する。この押圧力の大きさは、上記圧力制御機構によって、キャビティ1に樹脂を射出充填する際にキャビティ内に発生する最大樹脂圧力以上の値に設定・維持する。
【0025】
キャビティ1内の樹脂1aの冷却が進み、その圧力が所定値になった時点で、押圧装置4により摺動駒13を、図2に示すように後退摺動させて(図2の矢印の向き)、摺動駒13の前端面とキャビティ内樹脂1aとの間に所定の空隙18を形成する。この空隙18を形成した状態で、キャビティ内樹脂1aをその軟化温度未満の適宜温度に冷却し、ついで型開きして成形品を取り出す。
【0026】
上記空隙18と対向する樹脂部分には、他の部分の樹脂と違ってキャビティ1の成形面(上記キャビティ面)との間の密着力が働かないため、樹脂の冷却が進むにつれてこの空隙対向樹脂部分が、転写面2に接触している樹脂部分や、固定駒7b〜7dに接触している樹脂部分よりも優先的に収縮変形するので、この空隙対向樹脂部分にひけ(凹形状もしくは凸形状、またはその両方の場合がある)が発生し、その代わりに上記転写面2などのキャビティ面と接触する樹脂部分におけるひけが抑制され、その結果、所望する転写面を忠実に転写することができ、転写精度が非常に高い成形品を短い成形サイクルで得ることが可能となる。
【0027】
上記の形態の金型では、図1(b)に示すように摺動駒13を固定駒6に摺動自在に挿入することにより、摺動駒13の前端面を固定駒6によるキャビティ面の一部とするとともに、図7に示す従来の金型と違って摺動駒13の前端面が他の固定駒(鏡面部を有するものを含む)には当接しない構造にしてある。このため、この金型によれば、樹脂の射出充填工程において摺動駒13の位置を固定するときに上記押圧装置4から摺動駒13に付与される押圧力が固定駒7b〜7dに及ぶことがない。その結果、樹脂が完全に固化する前に上記のように摺動駒13を後退摺動(図2)させても、これらの固定駒が動くことがなくなり、したがって、これらの固定駒から樹脂が剥離し、望ましくない部分にひけが発生する不具合を防止することができる。
【0028】
〔参考例2〕
図3は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示す側面断面図である。この金型は、図1の金型を改変したものである。すなわち、図1の金型において転写面2の面積が大きくなった場合には、それに対応して、上記空隙対向樹脂部分のひけ誘導用の面積(これは、図1において摺動駒13の前端面、つまり摺動駒13のキャビティ面の面積に相当する。)を大きくする必要がある。そこで本実施の形態の金型は、図3に示すように、摺動駒23のキャビティ面をキャビティの側面形状と相似形状にするとともに、できるだけ大きくしたものである。
【0029】
〔参考例3〕
図4は成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示す側面断面図である。この金型も、図1の金型を改変したもので、その改変の目的は図3の金型と同様に、図1の金型において転写面2の面積が大きくなった場合に対処できるように、摺動駒33の前方部に多数のピン33aを突設配列することで大きなキャビティ面を確保したものである。この多数ピン型の摺動駒33は、キャビティの側面形状が相当複雑なためこれに相似な摺動駒を挿入するのが難しい場合に有効である。
【0030】
以上の参考例1〜3に記載の内容をもとに、以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
図5は成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明する正面断面図である。この金型では、前端面の面積を大きくした摺動駒43を上型11および下型12に対し摺動自在(符号20は摺動面)とするとともに、上記前端面の一部をキャビティ面としたものである。そして、この金型における樹脂の射出充填工程では、図5に示すように、押圧装置4により摺動駒43を摺動させた後、その位置を固定することで、摺動駒43の前端面と固定駒7a,7cとの間に所定寸法の隙間19を形成する。この状態を維持しながら、キャビティ1に溶融樹脂を射出充填する。
【0031】
キャビティ1内樹脂の冷却が進み、その圧力が所定値になった時点で、押圧装置4により摺動駒43を後退摺動させて、摺動駒43の前端面とキャビティ内樹脂との間に所定の空隙を形成する(図略)。この空隙を形成した状態で、キャビティ内樹脂をその軟化温度未満の適宜温度に冷却し、ついで型開きして成形品を取り出す。
【0032】
図5の金型では、摺動駒43の前端面が固定駒7a,7cに当接しない構造であるため、摺動駒43の位置を固定するための押圧装置4からの押圧力が固定駒7a〜7dには及ばないので、図1の金型と同様の効果が得られる。また、図1の金型では摺動駒13の前端面の全面がキャビティ面(の一部)となっているため、固定駒6に対する摺動駒13の摺動面がキャビティ1に露出する(図2)のに対し、図5の金型においては摺動駒43前端面の一部がキャビティ面となっているため、摺動駒43の摺動面20がキャビティ1に露出することがない。その結果、摺動駒43の外形形状精度を高くする必要がなくなるうえ、摺動部の「かじり」の問題が生じることもなくなる。
【0033】
図5に示す上記隙間19の大きさは50μm以下とすることが好ましく、これにより、樹脂射出充填時に隙間19に「ばり」が発生するのを防止することができる。また、隙間19の大きさを所望値に設定するには、押圧装置4に設けられた上記圧力制御機構のストローク量を調節すれば良く、特別な機構を必要とすることなく簡便に実行できる。
【0034】
〔第2の実施の形態〕
図6は成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明する正面断面図である。この金型は、図5の金型を改変し、樹脂射出充填時の隙間19の大きさを所望値に設定するための構造の簡素化を図ったものである。すなわち、下型12における、摺動駒53の摺動方向前方部位に、摺動駒53の摺動時にこれが当接する突起21を形成し、前進摺動する摺動駒53を突起21に当接停止させることで上記隙間19を形成するようにしてある。なお、突起21の大きさ、あるいは摺動駒53の摺動方向の大きさを調節することによって、隙間19の大きさを変えることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)摺動駒を固定するための押圧力が固定駒に及ばないように構成したので、摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔させた時に固定駒が移動する不具合がなくなる。またその結果、固定駒のキャビティ面から樹脂が部分的に剥離することに起因するひけを防止することができ射出充填工程においては摺動駒のキャビティ面が固定駒に当接せず、このため摺動駒を固定するための押圧力が固定駒に及ばなくなるように構成したので効果が得られる。
また、複雑な機構や構造を必要とすることなく上記効果を得られる成形方法を実施することができる。
さらに、射出充填工程を、摺動駒の前端面と固定駒との間に50μm以下の隙間を形成した状態で行うようにしたので、樹脂射出充填時に上記隙間に「ばり」が発生するのを防止することができる。
またさらに、上記隙間の大きさを圧力制御機構のストローク量の調節により設定するようにしたので、特別な機構を必要とすることなく簡便に、隙間の大きさを所望値に設定維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】参考例1に係る成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示すもので、(a)は正面断面図、(b)はそのA−A線断面図(側面断面図)である。
【図2】図1の金型の作用を説明する正面断面図である。
【図3】参考例2に係る成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示す側面断面図である。
【図4】参考例3に係る成形用金型の要部構造と、この金型に溶融樹脂を射出充填したときの状態を示す側面断面図である。
【図5】第の実施の形態に係る成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明する正面断面図である。
【図6】第の実施の形態に係る成形用金型の要部構造と、この金型の作用を説明する正面断面図である。
【図7】従来の成形用金型に係るもので、(a)は要部構造を示す正面断面図、(b)は作用を説明する正面断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 キャビティ
1a キャビティ内樹脂
2 転写面
4 押圧装置
5 成形面
6 固定駒(キャビティ駒)
7a〜7d 固定駒(キャビティ駒)
10 金型
11 上型
12 下型
13 摺動駒(キャビティ駒)
14 押圧装置
18 空隙
19 隙間
20 摺動面
21 突起
23 摺動駒
33 摺動駒
33a ピン
43 摺動駒
53 摺動駒
100 金型
101 キャビティ
101a キャビティ内樹脂
102 摺動駒(キャビティ駒)
103〜106 固定駒(キャビティ駒)
110 空隙

Claims (5)

  1. 摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとともに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面となし、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記転写面を樹脂に転写する射出成形用金型を樹脂の軟化点温度未満の温度に保持してキャビティに溶融樹脂を射出充填した後、溶融樹脂が軟化温度未満まで冷却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺動させることにより、この摺動駒のキャビティ面とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成するプラスチックの成形方法において、
    前記射出充填工程では、摺動駒がキャビティ内に発生する樹脂圧力によって前記空隙形成の向きに摺動しないように、この摺動駒に押圧力を付与して固定するとともに、この押圧力が前記固定駒に及ばないようにし、
    さらに前記射出充填工程を、前記摺動駒のキャビティ面が固定駒に当接しない状態で、かつ前記摺動駒の前端面と固定駒との間に隙間を形成した状態で行うことを特徴とするプラスチック成形方法。
  2. 前記隙間を50μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記射出充填工程においては、摺動駒のキャビティ面をキャビティ内樹脂の側面の一部と接触させるとともに、固定駒に当接させないことを特徴とする請求項1または2に記載の成形方法。
  4. 前記摺動駒を金型外部に設けた押圧装置によって摺動させるとともに、前記射出充填工程における摺動駒の固定位置を前記押圧装置の作動を制御する圧力制御機構のストローク量によって制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成形方法。
  5. 摺動自在に設けたキャビティ駒(摺動駒)と固定配備したキャビティ駒(固定駒)とにより、複数のキャビティ面からなるキャビティを画成するとともに、これらキャビティ面の少なくとも一つを転写面となし、キャビティに溶融樹脂を射出充填した後これを冷却する間に、前記摺動駒をキャビティ内樹脂から離隔摺動させることにより、この摺動駒のキャビティ面とキャビティ内樹脂との間に空隙を形成するようにしたプラスチックの射出成形用金型において、
    前記摺動駒に前記空隙形成の向きと逆向きの押圧力を付与する押圧装置を設けるとともに、該押圧力付与時に摺動駒が固定駒に当接しない構造とし、
    さらに前記摺動駒の摺動方向前方部に、この摺動駒の前進摺動時に当接する当接部材を設けるか、または当接部を形成し、前記当接により摺動駒の前端面と固定駒との間に間隙を形成するようにしたことを特徴とする成形用金型。
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