JP5326276B2 - プラスチックレンズの成型用金型、プラスチックレンズ、及びこれを具備する光走査装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、光書込み用ユニットの複数の機能を最低限の素子によって実効させるべく、光学素子の鏡面形状は、複雑な非球面形状に形成されているものが知られている。
また、上記光学素子がレンズである場合、長手方向の厚さが一定でない偏肉形状に設計されているものも知られている。
このような光学素子は、機能に応じた特殊形状のキャビティを具備する金型により低コストで大量に生産することができる。
また、厚肉で、かつ偏肉形状の光学素子を成型する場合には、樹脂の冷却速度が必然的に部位によって偏ってしまうため、樹脂の収縮量に偏りを生じ、形状精度の悪化や内部歪みを生じるという問題がある。
また、「通気口」の形状が画一的であると、操作の自由度は必然的に狭くなるため、非光線入出射面にヒケを誘導するような操作が困難になるという問題もある。
また更には、プラスチックレンズの中心部分即ち樹脂の冷却速度の最も遅い部分を優先的に冷却することも操作上困難であるために樹脂温度分布が不均一になってしまうという問題もあった。
前記非光線通過面を転写する入れ子のうちの少なくとも一つには、前記光線入射面光線出射面の主走査方向に長いスリット状の通気口が設けられている。この通気口は、前記光線入射面及び前記光線出射面から、略等距離の位置に沿って光線有効範囲以上の長さに亘って設けられている。
本発明のプラスチックレンズ成型用金型は、溶融樹脂の冷却固化工程において前記通気口から空気を吹き付けて樹脂冷却を促進する成型工程に適用されるものである。
本発明の成型用金型について、図を参照して具体的に説明する。
図1に、プラスチックレンズを成形する金型のキャビティを、目的とするレンズの長手方向から見た状態の概略図を示す。
図1中、符号1は樹脂が充填されるキャビティ、符号2〜5はキャビティの構成部品で、入れ子である。
符号2、3は、目的とする光学素子、すなわちプラスチックレンズの非光線通過面を転写する入れ子である。
符号4、5は、光線入出射面を転写する入れ子である。
この例においては、光線入射面4aと光線出射面5aとから、略等距離の位置に沿って通気口6が形成されている。
この例における入れ子2’は、通気口6’が直線形状となっており、通気口6’は両端部分ほど光線出射面5aに接近している。
このような通気口6’を通じて空気を吹き付けると、図中破線のプラスチックレンズの外周部分、特にプラスチックレンズの光線入射面及び光線出射面付近にまで空気が流入・噴射されることになり、かかる光線入出射面にヒケを生じさせ、かつ非光線入出射面にヒケを誘導することができない。
また更には、プラスチックレンズの中心部分、すなわち樹脂が肉厚で冷却速度が最も遅い部分を優先的に冷却することができず、樹脂温度が不均一となってしまう。
他方、上述した図2の構成の場合には、通気口6が光線入射面4a及び光線出射面5aから略等距離の位置に沿って形成されている場合には、光線入出射面に空気が流入してしまうことが回避される。これによりかかる領域において樹脂のヒケの発生が防止でき、かつ噴射する空気圧を高く設定することもできるので、樹脂のヒケが発生した場合にも、これを容易に誘導することが可能である。
従って、所定の面の中央部分に冷却用の空気を噴きつけ、かかる部分を優先的に冷却させるようにすれば、樹脂全体の温度が不均一になることを効果的に防止することができる。
なお、前記所定の面の中央部分とは、図示したプラスチックレンズの光線入射面及び光線出射面から等距離の位置にある部分を意味し、かかる部分に沿って形成されたキャビティの入れ子の通気口から空気を噴射すれば、プレスチックレンズの非光線通過面の中央部分を優先的に冷却することができ、最終的に目的とするプラスチックレンズの形状精度の向上や内部歪みの低減化を図ることができる。
図4及び図5中の符号6は、それぞれキャビティの入れ子2に形成された通気口である。
これらにおいてはいずれも、最終的に目的とするプラスチックレンズ(図中破線)の、光線入射面4aと光線出射面5aとの双方から略等距離の位置に沿って形成されている。
これらの例においても、キャビティの入れ子の通気口から空気を噴射すれば、プレスチックレンズの非光線通過面の中央部分を優先的に冷却でき、最終的に目的とするプラスチックレンズの形状精度の向上や内部歪みの低減化を図ることができる。
これらにおいては、いずれもプラスチックレンズの光線入射面4a及び光線出射面5aから略等距離の位置に沿って通気口6が設けられているとともに、レンズの厚さに対応して通気口6の幅や径、長さを変化させている。
図6、図7においては、プラスチックレンズの肉厚部分に対応する位置ほど通気口6の幅が太くなるように形成されている。
図8においては、通気口6を各々独立した穴状に形成した例を示すが、この例においては、プラスチックレンズの肉厚部分に対応する位置ほど、通気口6の径が大きくなるように形成されている。
図9においては、通気口6を各々独立した縦長のスリット状に形成した例を示すが、この例においては、プラスチックレンズの肉厚部分に対応する位置ほど、通気口6が長く形成されている。
図6〜図9のいずれにおいても、通気口から冷却用空気を吹き付けることにより、薄肉部分に比べて肉厚部分へ当る空気量を多することができ、かかる部分の冷却効率の向上効果が得られる。
図10に、プラスチックレンズを成形する金型のキャビティを、目的とするレンズの長手方向から見た状態の概略図を示す。
図10中、符号1は樹脂が充填されるキャビティ、符号2〜5はキャビティの構成部品で、入れ子である。
符号2、3は、目的とするプラスチックレンズの非光線通過面を転写する入れ子である。
符号4,5は、光線入出射面を転写する入れ子である。
この例においては、レンズの非光線通過面を転写する入れ子2は、樹脂から離れる方向に摺動可能とする摺動部2aを具備している。
また、図11に図10のキャビティをBの方向から見た状態の概略図を示す。
この図においては、キャビティの入れ子2に設けられた通気口6及び摺動部2aの、プラスチックレンズ(図中破線)との対応位置関係を示している。
光線入射面4aと光線出射面5aとから、略等距離の位置に沿って通気口6が形成されている。
よって、図示のように、レンズの非光線通過面を転写する入れ子に設けられた摺動部2aを、成型用樹脂から離れる方向に摺動させ空隙を設けるようにすることにより、樹脂の中央部分を優先的に冷却させることができ、空隙に接する面と金型に接する面の温度差を効果的に低減化でき、最終的に目的とするレンズの形状精度を高めることができる。
この例においては、キャビティの入れ子の通気口6は、弧状であり対応するプラスチックレンズの光線入出射面4a、5aからほぼ等距離の位置に沿っている。
この例においても、レンズの非光線通過面を転写する入れ子に設けられた摺動部2aを、成型用樹脂から離れる方向に摺動させ、空隙を設けるようにすることにより、樹脂の中央部分を優先的に冷却させることができ、空隙に接する面と金型に接する面の温度差を効果的に低減化でき、最終的に目的とするレンズの形状精度を高めることができる。
図13に、プラスチックレンズを成形する金型のキャビティを、目的とするレンズの長手方向から見た状態の概略図を示す。
図13中、符号1は樹脂が充填されるキャビティ、符号2〜5はキャビティの構成部品である。
符号2、3は、目的とするプラスチックレンズの非光線通過面を転写する入れ子である。
符号4,5は、光線入出射面を転写する入れ子である。
この例においては特に、樹脂を介して対向する位置関係にある二つの入れ子2、3の双方に通気口6、7が設けられている。
図14に、プラスチックレンズを成形する金型のキャビティを、目的とするレンズの長手方向から見た状態の概略図を示す。
図14中、符号1は樹脂が充填されるキャビティ、符号2〜5はキャビティの構成部品である。
符号2、3は、目的とするプラスチックレンズの非光線通過面を転写する入れ子である。
符号4、5は、光線入出射面を転写する入れ子である。
この例においては特に、樹脂を介して対向する位置関係にある二つの入れ子2、3の双方に通気口6、7が設けられており、通気口6形成側の入れ子2に、樹脂から離れる方向に摺動可能な摺動部2aが設けられている。
図15に、プラスチックレンズを成形する金型のキャビティを、目的とするレンズの長手方向から見た状態の概略図を示す。
図15中、符号1は樹脂が充填されるキャビティ、符号2〜5はキャビティの構成部品である。
符号2、3は、目的とするプラスチックレンズの非光線通過面を転写する入れ子である。
符号4、5は、光線入出射面を転写する入れ子である。
この例においては特に、樹脂を介して対向する位置関係にある二つの入れ子2、3の双方に通気口6、7が設けられており、通気口6、7を形成した入れ子2、3の双方に、樹脂から離れる方向に摺動可能な摺動部2a、3aが設けられている。
図16は、レンズの光線入出射面のほぼ中心に沿った通気口を有する金型を用いて成形されたプラスチックレンズ10の概略斜視図を示す。
このレンズにおいては、キャビティの入れ子に設けられた通気口の形状がレンズに転写され、同形状のスジ11及びヒケ誘導面12が形成される。
図17は、レンズの光線入出射面のほぼ中心に沿った通気口及び摺動部を有する金型を用いて形成されたプラスチックレンズ10の概略斜視図を示す。
このレンズにおいては、キャビティの入れ子に設けられた通気口と摺動部の形状がレンズに転写され、これらと同形状のスジ11と、摺動部の外形と同形のヒケ誘導面13が形成される。
この光走査装置は、上述した本発明に係るプラスチックレンズの成型用金型であってレンズの光線入出射面のほぼ中心に沿った通気口を具備する成型用金型を用いて作製されたプラスチックレンズ10a,10b、複数の光源手段14a,14b、光偏向器15が搭載された構成を有している。
この光走査装置は、上述した本発明に係るプラスチックレンズの成型用金型であってレンズの光線入出射面のほぼ中心に沿った通気口を具備する成型用金型を用いて作製されたプラスチックレンズ10a,10b、複数の光源手段14a,14b、複数の光偏向器15a,15bが搭載された構成を有している。
2〜5 入れ子
2’ 入れ子
2a 摺動部
4a 光線入射面
5a 光線出射面
6 通気口
6’通気口
7 通気口
10,10a,10b プラスチックレンズ
14a,14b 光源手段
15 光偏向器
Claims (6)
- 光線入射面及び光線出射面を転写する入れ子と、
前記光線入射面及び光線出射面を転写する入れ子の両端部に設けられ、かつ光線方向に平行で対向する、非光線通過面を転写する対の入れ子とを具備するプラスチックレンズ成型用金型であって、
前記非光線通過面を転写する入れ子のうちの少なくとも一つに、前記光線入射面、及び光線出射面の主走査方向に長いスリット状の通気口が設けられており、
前記通気口は、前記光線入射面及び前記光線出射面から、略等距離の位置に沿って光線有効範囲以上の長さに亘って設けられており、
溶融樹脂の冷却固化工程においては前記通気口から空気を吹き付けることによって、樹脂冷却の促進が図られるようになされることを特徴とするプラスチックレンズ成型用金型。 - 前記非光線通過面を転写する入れ子のうちの少なくとも一つは、転写面の一部を前記溶融樹脂から離れる方向に摺動可能となされていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックレンズ成型用金型。
- 請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ成型用金型を用いて作製されたことを特徴とするプラスチックレンズ。
- レーザ光照射用レンズであることを特徴とする請求項3に記載のプラスチックレンズ。
- 請求項3又は4に記載のプラスチックレンズが搭載されていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項5に記載の光走査装置が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
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