JP2012002847A - プラスチック光学素子、光走査装置並びに画像形成装置 - Google Patents

プラスチック光学素子、光走査装置並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層方向の複屈折の変動勾配及び各層における複屈折を抑制した二層一体型のプラスチック光学素子、該プラスチック光学素子を用いた光走査装置並びに該光走査装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】金型成形により、それぞれレーザー光が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部1aと第2レンズ部1bが一体に積層され、該第1レンズ部1aの非光学面1a3と第2レンズ部1bの非光学面1b3が対向配置されてなり、第1レンズ部1aの非光学面1a3と第2レンズ部1bの非光学面1b3それぞれが前記金型からの不完全転写部2a,2bを有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、金型により成形されるプラスチック光学素子及び該プラスチック光学素子を結像光学系に備える光走査装置、並びにレーザー方式のデジタル複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置に関するものである。
近年、カラー画像形成装置の高速、高画質化に対応する為、複数の光線で、出力紙の搬送方向に配列させた4つの感光体に同時露光し、各々異なる色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)の現像器で現像した画像を順次、転写し、重ね合わせてカラー画像を形成するタンデム光学系によるデジタル複写機やレーザープリンタが実用化されている。
このような画像形成装置を構成する書込み用光走査装置として、光源から出射された光線を光偏向器によって走査し、それぞれの光線ごとに設けられた結像光学素子を有する結像光学系によって、対応する感光体に結像する方法が実用化されている。
前記光走査装置においては、それぞれの光線ごとに結像光学系を設けるため、同形状の結像光学素子を複数(各結像光学系に結像光学素子1つ用いる単玉構成の場合は1種4つ。2枚玉構成の場合は2種8つ。)用いる必要がある。
前記光走査装置については、小型化を図るべく、複数の結像光学素子を積層して配置し、結像光学系同士を近接させて配置する方法が提案されている。また、このような構成において、コストダウン化を図るべく、結像光学素子を2つ積層する代わりに、二層一体型の結像光学素子を1つ用いることが提案されている(特許文献1参照。)。コストダウン効果としては、積層する場合には、結像光学素子同士を接着するなどして固定する必要があるが、二層一体型の結像光学素子を用いることによって、固定の工数を削減できる。
ところで、前記光走査装置に組み込まれる光学素子は、コストダウン化を図るべくプラスチック材料が用いられるようになってきている。また、光走査装置の複数の機能を最低限の素子によって実効させるべく、光学素子の鏡面形状は、複雑な非球面形状に形成されているものが知られている。このような光学素子は、機能に応じた特殊形状のキャビティを具備する金型により低コストで大量に生産することができる。
光学素子を樹脂成形するにあたっては、キャビティ内の溶融樹脂を冷却固化させる工程を経るが、このとき樹脂の内部歪みを低減するために、キャビティ内の樹脂圧力を低くする操作が行われる。しかし、キャビティ内の溶融樹脂を低圧化すると、その後の冷却固化工程において、樹脂が収縮して金型面から離れ、光学素子の光学機能面(光学面ともいう)にヒケが発生するという問題を生じる。
そこで、特許文献2では、光学機能面以外の面(非光学面)に不完全転写部を設ける、すなわち前記非光学面に優先的にヒケを発生させることにより、キャビティ内の溶融樹脂を低圧化しても光学機能面にヒケが発生しないようにする方法が提案されている。
具体的な方法としては、特許文献3に示されているように、光学機能面以外の面を転写するキャビティ駒の一部を摺動できるように設けておき、樹脂を軟化温度以下に冷却するときに、前記摺動自在に設けられたキャビティ駒を樹脂から離隔するように摺動させて、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を形成することにより、不完全転写部を設ける方法がある。この方法によると、不完全転写部が優先的に収縮する、すなわち不完全転写部にヒケが優先的に発生するため、光学機能面にはヒケが発生しないようにすることができる。
あるいは、光学機能面以外の面を転写するキャビティ駒に通気口を設けて置き、樹脂を軟化温度以下に冷却するときに前記通気口から圧縮空気を吹付けることによって、吹付けられた面に強制的にヒケを発生させる方法がある。特に、光線通過方向の厚さが比較的薄いプラスチック光学素子においては、特許文献2で示されている方法の場合、不完全転写部の面積を広く確保することができず、自然収縮だけでは収縮体積が不十分なため光学機能面にもヒケが発生してしまうことがある。このような場合には、圧縮空気を吹付けて強制的にヒケを発生させる方法が有効である。
しかしながら、上記のように光線非通過面である非光学面に不完全転写部を設けた二層一体型のプラスチックレンズにおいては、不完全転写部に近い側の複屈折は、絶対値及び勾配が小さいが、不完全転写部から遠い側の複屈折は、絶対値及び勾配が共に大きい。このとき、不完全転写部から遠い側では透過光線の波面が大きく乱れるため、ビームウェスト径の悪化を生じ、その結果、画像形成装置における画像品質の劣化を招くことになった。
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、積層方向の複屈折の変動勾配及び各層における複屈折を抑制した二層一体型のプラスチック光学素子、該プラスチック光学素子を用いた光走査装置並びに該光走査装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。なお、カッコ内に本発明を実施するための形態において対応する部位及び符号等を示す。
〔1〕 金型成形により、それぞれレーザー光(光線L1,L2)が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部(第1レンズ部1a)と第2レンズ部(第2レンズ部1b)が一体に積層され、該第1レンズ部の非光学面(非光学面1a3)と第2レンズ部の非光学面(非光学面1b3)が対向配置されてなるプラスチック光学素子において、前記第1レンズ部の非光学面と前記第2レンズ部の非光学面それぞれが前記金型(金型10,10’)からの不完全転写部(不完全転写部2a,2a’,2b,2b’)を有しており、前記第1レンズ部と第2レンズ部における両者が積層する方向の断面形状が該第1レンズ部と第2レンズ部の境界(境界S)を基準として線対称の関係となっていることを特徴とするプラスチック光学素子(プラスチック光学素子1、図4〜図10)。
〔2〕 金型成形により、それぞれレーザー光(光線L1,L2)が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部(第1レンズ部1a)と第2レンズ部(第2レンズ部1b)が一体に積層され、該第1レンズ部の非光学面(非光学面1a3)と第2レンズ部の非光学面(非光学面1b3)が対向配置されてなるプラスチック光学素子において、前記第1レンズ部の非光学面と前記第2レンズ部の非光学面それぞれが前記金型(金型10,10’)からの不完全転写部(不完全転写部2a,2a’,2a'',2b,2b’,2b'')を有していることを特徴とするプラスチック光学素子(プラスチック光学素子1、図4〜図12)。
〔3〕 前記第1レンズ部、第2レンズ部それぞれの非光学面における前記金型からの不完全転写部(不完全転写部2a,2a’,2b,2b’)は略同じひけ形状を有していることを特徴とする前記〔2〕に記載のプラスチック光学素子(図6〜図9)。
〔4〕 前記第1レンズ部、第2レンズ部それぞれの非光学面から該第1レンズ部、第2レンズ部それぞれにおいてレーザー光が透過する領域までの距離(距離b1,b2)が略同じであることを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載のプラスチック光学素子(図6〜図8)。
〔5〕 レーザー光を射出する光源と、前記光源からのレーザー光を偏向走査する偏向手段(ポリゴンミラー3)と、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のプラスチック光学素子(プラスチック光学素子1)を含み偏向走査されたレーザー光を被走査面に結像する結像光学系と、を備えることを特徴とする光走査装置(光走査装置100、図13)。
〔6〕 前記〔5〕に記載の光走査装置(光走査装置100)を搭載したことを特徴とする画像形成装置(画像形成装置200、図14)。
本発明のプラスチック光学素子によれば、2つの非光学面それぞれに不完全転写部を有するので、第1レンズ部及び第2レンズ部における複屈折率が、不完全転写部が1つの非光学面にのみ設けられた従来のプラスチック光学素子に比べて小さくなり、第1レンズ部、第2レンズ部それぞれにおける透過光線の波面の乱れを低減することができる。また、第1レンズ部と第2レンズ部における両者が積層する方向の断面形状が該第1レンズ部と第2レンズ部の境界を基準として線対称の関係となっているので、複屈折率が第1レンズ部と第2レンズ部でほぼ等しくかつ変動勾配が小さくなり、透過光線の波面の乱れをより低減でき、ビームウェスト径の悪化を抑制することが可能である。
また、本発明の光走査装置によれば、本発明のプラスチック光学素子を用いるので、感光体ドラムの被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、本発明の光走査装置を具備するので、正確な光走査が可能となり、高画質の画像を形成することができる。特に、カラーレーザープリンタやカラーデジタル複写機に適用した場合に、色ずれの少ない高画質のカラー画像を形成することができる。
従来のプラスチック光学素子の構成を示す図である。 従来のプラスチック光学素子の光学特性測定結果を示す図である。 従来のプラスチック光学素子を用いた光走査装置の構成を示す概略図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の外観構成を示す斜視図である。 本発明のプラスチック光学素子を製造するための金型の構成を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の構成を示す図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例1を示す図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例2を示す図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例3を示す図である。 本発明のプラスチック光学素子を製造するための金型の他の構成を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第2の実施形態の構成を示す図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の第2の実施形態の変形例を示す図である。 本発明に係る光走査装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
まず、従来のプラスチック光学素子について説明する。
図1は、従来のプラスチック光学素子の構成を示す図である。また、図1(a)が従来のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図1(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。なお、図1(b)における積層方向位置は図1(a)のプラスチック光学素子91の断面における位置に対応するように示している。
プラスチック光学素子91は、金型により成形される偏肉形状のfθレンズであって、図1(a)に示すように、少なくとも1本のレーザー光(光線)L1が透過する上層である第1レンズ部91aと、少なくとも1本のレーザー光(光線)L2が透過する下層である第2レンズ部91bが積層され、一体となった二層一体型のプラスチックレンズである。
ここで、第1レンズ部91aは、所定の曲率を有し光線L1が入射する入射面91a1と、所定の曲率を有し光線L1が出射される出射面91a2と、光線L1に関与しない非光学面91a3と、を有する。
また、第2レンズ部91bは、所定の曲率を有し光線L2が入射する入射面91b1と、所定の曲率を有し光線L2が出射される出射面91b2と、光線L2に関与しない非光学面91b3と、を有する。
また、入射面91a1,91b1及び出射面91a2,91b2は、金型成形時に金型の鏡面が転写されてなる転写面であり、入射面91a1と入射面91b1の境界、並びに出射面91a2と出射面91b2の境界はそれぞれ曲率が急激に変わる継ぎ目となっている。
また、非光学面91a3,91b3は対向配置されており、非光学面91a3には金型からの不完全転写部2aが設けられている。
以上の構成により、第1レンズ部91aと第2レンズ部91bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部91aと第2レンズ部91bの境界Sを基準として、線対称の関係にはない。
このようなプラスチック光学素子91の第1レンズ部91aと第2レンズ部91bの積層方向における複屈折率は、図1(b)に示すように、不完全転写部2a側では比較的小さいが、不完全転写部2aから離れるに従って徐々に大きくなる傾向がある。また、第1レンズ部91aの領域では複屈折率の変化率が小さく曲線の勾配がなだらかであるが、第2レンズ部91bの領域では複屈折率の変化率が大きく曲線の勾配が急になっている。
また、この構成のプラスチック光学素子91を複数作製し、その光学特性を測定したが、図2に示すように、その傾向はほぼ同じであり、第1レンズ部91aにおける光線L1の透過領域では複屈折率(位相差)が比較的小さいが、第2レンズ部91bにおける光線L2の透過領域では第1レンズ部91aよりも複屈折率(位相差)が大きくなっている。
このような光学特性をもつプラスチック光学素子91を図3に示す光走査装置において結像光学系として用いると、不完全転写部2aから遠い側となるレンズ部では透過光線の波面が大きく乱れることとなり、図中光線L11,L22に関して感光体5の被走査面におけるビームウェスト径の悪化を生じ、その結果、画像形成装置における画像品質の劣化を招くことになった。
発明者らは、これらの知見からこの問題を解決すべく、プラスチック光学素子の光学特性の改善に取り組み、鋭意検討を行い本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係るプラスチック光学素子は、金型成形により、それぞれレーザー光が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部と第2レンズ部が一体に積層され、該第1レンズ部の非光学面と第2レンズ部の非光学面が対向配置されてなるプラスチック光学素子において、前記第1レンズ部の非光学面と前記第2レンズ部の非光学面それぞれが前記金型からの不完全転写部を有しているものである。
以下に、本発明に係るプラスチック光学素子の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態において、透明性が要求される光学素子を成形するために使用される樹脂として、軟化温度がそのガラス転移温度である非晶性樹脂、例えばポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状ポリオレフィンコポリマー(例、日本ゼオン(株)、商品名:ゼオネックス)等が挙げられる。
まず、本発明に係るプラスチック光学素子の基本的構成について説明する。
図4は、本発明に係るプラスチック光学素子の外観構成を示す斜視図である。
プラスチック光学素子1は、図4に示すように、偏肉形状のfθレンズであって、長手方向の中央が厚肉となるように孤状に湾曲させた図中下面となる光学面である入射面1a1,1b1と、図中上面となる光学面である射出面1a2,1b2と、前記入射面1a1,1b1及び射出面1a2,1b2に隣接するとともに対向配置された平面状の側面である非光学面1a3,1b3と、を有する。このプラスチック光学素子1をレーザープリンタ等の画像形成装置における光走査装置に組み込まれて使用される場合には、図中下面の入射面1a1,1b1から上面の射出面1a2,1b2に向かってレーザー光が透過するようになる。
ここで、入射面1a1,1b1及び射出面1a2,1b2は、プラスチック光学素子1成形時に金型の鏡面が転写されてなる光学鏡面である。また、非光学面1a3,1b3は、それぞれ金型からの不完全転写部(ひけ)2a,2bを有している。
図5に、プラスチック光学素子1を製造するための金型の断面構成を示す。ここでは、図4のA−A断面に対応する断面構成を示している。
プラスチック光学素子1を製造するための射出成形用金型10は、プラスチック光学素子1の入射面1a1,出射面1a2を転写形成する転写面を備えた一対の金型部材12,12と、入射面1b1,出射面1b2を転写形成する転写面を備えた一対の金型部材13,13と、非光学面1a3を転写形成する転写面を有し金型部材12,12の側面側に位置する金型部材11と、非光学面1b3を転写形成する転写面を有し金型部材13,13の側面側に位置する金型部材14と、を備え、各転写面間で形成される空間によってキャビディ15が形成されている。
また、金型部材11は、固定される固定部材11a,11cと、固定部材11a,11cの間であって金型部材11のキャビティ15を画成する壁面の一部に摺動自在に設けられる可動入子11bと、からなる。
また、金型部材14は、固定される固定部材14a,14cと、固定部材14a,14cの間であって金型部材14のキャビティ15を画成する壁面の一部に摺動自在に設けられる可動入子14bと、からなる。
プラスチック光学素子1の成形はつぎのように行われる。
まず、図5に示した構成の射出成形用金型10を射出成形機にセットし、該金型10を使用樹脂の溶融温度未満の温度に加熱して保持する。つぎに、射出成形機から軟化温度以上に加熱され溶融した樹脂部分をキャビティ15内に射出して充填する。このとき、樹脂部分は射出圧力により、金型部材11,12,13,14の転写面に密着するまで充填される。
つぎに、キャビティ15内に導入された樹脂部分を軟化温度以下に冷却し、固化させる。ついで、樹脂成分の圧力が所定圧力になる一定時間後に可動入子11b,14bを樹脂から離隔する方向に移動(後退)させ、可動入子11b,14bとの間に空隙を設ける。このとき、樹脂内圧が大気圧以下であればこの空隙を設けた樹脂部分(離隔部)は自由面となって動き易く、また熱が逃げにくいことから他のキャビティ15に接触している部分よりも高温となり、優先的に樹脂移動と収縮が生じて、離隔部形状に概略相似の凹形状(ひけ)が形成され、不完全転写部2a,2bとなる。また、このときの不完全転写部2a,2bは可動入子11b,14bの断面形状に準ずる形状となる。
ついで、固化したプラスチック光学素子1を射出成形用金型から取り出し、室温にて放冷する。
これにより、低圧の射出成形が可能となり、成形残留応力の低下により、取り出し後の形状変形が抑えられることで、高い形状精度の入射面1a1,1b1及び出射面1a2,1b2となったプラスチック光学素子1を得ることができる。また、内部応力を低くすることで、複屈折発生を抑制した成形品を得ることができる。なお、本発明の根幹は、不完全転写部(ひけ)2a,2bを対向する非光学部1a3,1b3に設けることであり、ひけ発生方法の如何には関係しない。
(第1の実施形態)
図6は、本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の構成を示す図である。図6(a)は図4のA−A断面であって本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図6(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
プラスチック光学素子1は、図6(a)に示すように、金型成形により、それぞれレーザー光が少なくとも1本ずつ透過する上層である第1レンズ部1aと下層である第2レンズ部1bが一体に積層されている。また、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bは層としての厚さがほぼ等しい。
ここで、第1レンズ部1aは、所定の曲率を有し光線L1が入射する入射面1a1と、所定の曲率を有し光線L1が出射される出射面1a2と、光線L1に関与しない非光学面1a3と、を有する。
また、第2レンズ部1bは、所定の曲率を有し光線L2が入射する入射面1b1と、所定の曲率を有し光線L2が出射される出射面1b2と、光線L2に関与しない非光学面1b3と、を有する。
また、入射面1a1,1b1及び出射面1a2,1b2は、前述の通り、金型成形時に金型10の金型部材12,13の鏡面が転写されてなる転写面であり、入射面1a1と入射面1b1の境界、並びに出射面1a2と出射面1b2の境界はそれぞれ曲率が急激に変わる継ぎ目となっている。
また、非光学面1a3,1b3は対向配置されており、非光学面1a3には金型10からの不完全転写部2aが設けられ、非光学面1b3には金型10からの不完全転写部2bが設けられている。
また、この不完全転写部2a,2bは略同じひけ形状を有しており、例えば図6(a)において、不完全転写部2aの非光学面1a3からの最深部深さa1と、不完全転写部2bの非光学面1b3からの最深部深さa2が等しくなっている。また、不完全転写部2aは、非光学面1a3からの最深部を中心として入射面1a1側,出射面1a2側それぞれに向かうにつれて非光学面1a3からの深さが同程度に徐々に浅くなっており、不完全転写部2bは、非光学面1b3からの最深部を中心として入射面1b1側,出射面1b2側それぞれに向かうにつれて非光学面1b3からの深さが同程度に徐々に浅くなっている。
なお、図6(a)に示すように、光線L1、L2は平行であって、その進行方向は第1レンズ部1aと第2レンズ部2bの積層方向に直交する方向となっており、第1レンズ部1aにおける非光学面1a3からレーザー光(光線L1)が透過する領域までの距離b1と、第2レンズ部1bにおける非光学面1b3からレーザー光(光線L2)が透過する領域までの距離b2とが等しくなっている。
以上の構成により、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称の関係となっている。なお、境界Sは第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの継ぎ目であり、図6(a)では光軸方向に延びる直線(仮想の線)として示している。
このようなプラスチック光学素子1の第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、該積層方向の両端に不完全転写部2a,2bが存在することにより、図6(b)に示すように、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さく、とくに図4(b)と比べると、第2レンズ部1b側の複屈折率が小さく抑えられている。また、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称な複屈折率の分布となっている。
ここで、非光学面1a3からの光線L1までの距離b1と非光学面1b3からの光線L2までの距離b2が等しくなる関係で、光線L1,L2それぞれがプラスチック光学素子1内を透過するようにすると、光線L1,L2に対する複屈折率はほぼ等しくなる。
このような光学特性をもつプラスチック光学素子1を光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
図7は、本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例1を示す図である。図7(a)は本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図7(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
図7(a)に示すプラスチック光学素子1は、図6(a)に示したものにおいて光線L1,L2の出射側として第1レンズ部1a,第2レンズ部1b共通の出射面1ab2を有する点で異なり、それ以外の点は図6(a)に示したものと同じである。なお、射出面1ab2は、図5に示した金型10において一方の金型部材12,13が1つの金型部材とされ、その鏡面が転写されてなる転写面である。
以上の構成により、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称の関係となっている(図7(a))。
このようなプラスチック光学素子1においても、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、図6(b)と同様に、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さくなっており(図7(b))、光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
図8は、本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例2を示す図である。図8(a)は本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図8(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
図8(a)に示すプラスチック光学素子1は、図6(a)に示したものにおいて光線L1,L2の入射側として第1レンズ部1a,第2レンズ部1b共通の入射面1ab1を有する点で異なり、それ以外の点は図6(a)に示したものと同じである。なお、入射面1ab1は、図5に示した金型10において一方の金型部材12,13が1つの金型部材とされ、その鏡面が転写されてなる転写面である。
以上の構成により、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称の関係となっている(図8(a))。
このようなプラスチック光学素子1においても、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、図6(b)と同様に、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さくなっており(図8(b))、光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
図9は、本発明に係るプラスチック光学素子の第1の実施形態の変形例3を示す図である。図9(a)は本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図9(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
図9(a)に示すプラスチック光学素子1は、図6(a)に示したものにおいて光線L1,L2が入射側で両者の間隔が狭く、出射側で両者の間隔が広くなるように非平行な状態で内部を透過することに対応して、不完全転写部2a’,2b’の形状が異なり、それ以外の点は図6(a)に示したものと同じである。なお、ここでは光線L1,L2は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称となる領域を透過するように設計されている。
ここで、不完全転写部2a’,2b’は、それぞれ光線L1,L2の第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sに対する傾斜に対応するひけ形状となっている。すなわち、図9(a)において、不完全転写部2a’の非光学面1a3からの最深部深さa1’と、不完全転写部2b’の非光学面1b3からの最深部深さa2’は等しくなっているが、不完全転写部2a’は、非光学面1a3からの最深部を中心として入射面1a1側に向かうにつれて非光学面1a3からの深さが浅くなる程度が出射面1a2側に向かう場合よりも小さくなっている。また、不完全転写部2b’は、非光学面1b3からの最深部を中心として入射面1b1側に向かうにつれて非光学面1b3からの深さが浅くなる程度が出射面1b2側に向かう場合よりも小さくなっている。
すなわち、不完全転写部2a’、2b’のひけ形状はほぼ等しく、且つこのひけ形状の光軸方向の傾きがそれぞれ対応する光線L1,L2と平行となっており(例えば、図9(a)において距離b1’=b2’)、光軸方向の任意の位置における不完全転写部2a’、2b’の底面から対応する光線L1,L2までの距離が等しくなっている。
このような不完全転写部2a’,2b’は、図10に示すように、金型10(図5)における可動入子11b,14bのキャビティ15側の壁面が該キャビティ15内に突出する形状となるように変更した金型10’を使用することにより形成される。すなわち、図10において、可動入子11b’,14b’はキャビティ15’内に壁面が傾斜した状態で突出しており、この状態で溶融した樹脂部分をキャビティ15’内に射出して充填し、樹脂成分の圧力が所定圧力になる一定時間後に可動入子11b’,14b’を樹脂から離隔する方向に移動(後退)させることにより、不完全転写部2a’,2b’を形成する。
なお、可動入子11b’の壁面は、金型10’で形成されるプラスチック光学素子1において透過する光線L1と距離b1’の間隔で平行となるように傾斜が設けられ、可動入子14b’の壁面は、金型10’で形成されるプラスチック光学素子1において透過する光線L2と距離b2’の間隔で平行となるように傾斜が設けられている(図9(a))。
以上の構成により、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称の関係となっている(図9(a))。
このようなプラスチック光学素子1においても、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、図6(b)と同様に、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さくなっており(図9(b))、光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明に係るプラスチック光学素子の第2の実施形態の構成を示す図である。図11(a)は図4のA−A断面であって本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図11(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
図11(a)に示すプラスチック光学素子1は、図6(a)に示したものにおいて深さの異なる不完全転写部2a’’,2b’’を有する点で異なり、それ以外の点は図6(a)に示したものと同じである。
すなわち、この不完全転写部2a'',2b''は異なるひけ形状を有しており、例えば図11(a)において、不完全転写部2a''の非光学面1a3からの最深部深さa1''と、不完全転写部2b''の非光学面1b3からの最深部深さa2''が異なっている(図11(a)ではa1''<a2'')。また、不完全転写部2a''は、非光学面1a3からの最深部を中心として入射面1a1側,出射面1a2側それぞれに向かうにつれて非光学面1a3からの深さが同程度に徐々に浅くなっており、不完全転写部2b''は、非光学面1b3からの最深部を中心として入射面1b1側,出射面1b2側それぞれに向かうにつれて非光学面1b3からの深さが同程度に徐々に浅くなっている。
不完全転写部2a'',2b''のひけ形状の違いは、図5に示した金型10において、キャビティ15内への樹脂部分の導入後の可動入子11b,14bそれぞれの樹脂から離隔するタイミングの違い、あるいは樹脂と可動入子11b,14bそれぞれとの間に設けられる空隙の大きさの違い等に起因する。
このような構成により、プラスチック光学素子1の第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、該積層方向の両端に不完全転写部2a'',2b''が存在することにより、図11(b)に示すように、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さく、とくに図4(b)と比べると、第2レンズ部1b側の複屈折率が小さく抑えられている。なお、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向(後述の光走査装置における副走査方向)における断面形状は、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称の関係とはなっていないため、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、第1レンズ部1a、第2レンズ部1bそれぞれにおける複屈折率の分布はわずかに異なっているが、結像光学系としての悪影響はほとんどない。
このような光学特性をもつプラスチック光学素子1を光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
図12は、本発明に係るプラスチック光学素子の第2の実施形態の変形例を示す図である。図12(a)は本実施形態のプラスチック光学素子の積層方向の断面図、図12(b)が該プラスチック光学素子の光学特性図である。
図12(a)に示すプラスチック光学素子1は、図11(a)に示したものにおいて光線L1,L2が入射側で両者の間隔が狭く、出射側で両者の間隔が広くなるように非平行な状態、かつ第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの境界Sを基準として、線対称となる状態で内部を透過するように設計されている点で異なり、それ以外の点は図11(a)に示したものと同じである。
このようなプラスチック光学素子1においても、第1レンズ部1aと第2レンズ部1bの積層方向における複屈折率は、図11(b)と同様に、全体的に絶対値及び曲線の勾配が比較的小さくなっており(図12(b))、光走査装置(後述)において結像光学系として用いると、透過光線の波面の乱れが低減できるので、被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
つぎに、本発明に係る光走査装置の構成について説明する。
図13は、レーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に搭載される光走査装置100の概略断面図である。この光走査装置100は、複数のレーザー光の光線L11,L12,L21,L22を出射する半導体レーザー等の光源装置(不図示)、該光源装置からの光を所定角度範囲で等角速度的に偏向する偏向面を有する変更手段としての2つのポリゴンミラー3、ポリゴンミラー3にて偏向された光線L11,L12,L21,L22を等速度的な光に変換するとともに4つの感光体ドラム5の被走査面に結像する結像光学系としての2つのプラスチック光学素子1、及びプラスチック光学素子1からの光線L11,L12,L21,L22の方向をそれぞれ対応する感光体ドラム5側に変更する4つの折り返しミラー4等を備えている。
ここで、結像光学系として用いる本発明のプラスチック光学素子1は、前述した第1の実施形態のもの(図6〜図9)、第2の実施形態のもの(図11,図12)のいずれのものを用いてもよい。
光走査装置100の動作を以下に示す。
光源装置から出射された複数の光(ここでは4本の光線L11,L12,L21,L22)は、ポリゴンミラー3の偏向面近傍に一旦結像される。ポリゴンミラー3は一定の角速度で走査方向に応じて一方向に回転しており、偏向面近傍に結像された光はポリゴンミラー3の回転に伴って等角速度的に偏向される。
偏向された光線L11,L12,L21,L22は、それぞれプラスチック光学素子1を透過することで等速度的な光に変換され、折り返しミラー4で反射されて走査対象である感光体ドラム5表面を走査する。例えば光走査装置100がデジタル複写機に使用された場合には、前記光源装置の光は、複写画像に対応する画像情報によって、その光強度が変調されており、この光が感光体ドラム5表面に結像することによって、感光体表面に複写画像の静電潜像が形成される。
このような構成の光走査装置100では、本発明のプラスチック光学素子1を用いているので、第1レンズ部1a、第2レンズ部1bにおける透過光線(光線L11,L12,L21,L22)の波面の乱れを低減でき、感光体ドラム5の被走査面におけるビームウェスト径の悪化を防止することができる。
つぎに、本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。
図14は、本発明に係る画像形成装置の構成を示すものであり、本発明の光走査装置を用いた画像形成装置の全体側面図である。
図14において、電子写真装置である画像形成装置200は、各色の画像形成ユニット110,120,130,140を中間転写ベルト151上に配置し、中間転写ベルト151上にトナーによるカラー像を形成し、そのカラー像を給紙装置170から搬送される記録媒体である用紙に転写し、定着装置160で熱と圧力でトナーを溶融定着してカラー画像を形成する。
画像形成ユニット110,120,130,140は4式あり、それぞれ黒色トナーを有するK現像ユニット110、シアン色トナーを有するC現像ユニット120、マゼンタ色トナーを有するM現像ユニット130、イエロー色トナーを有するY現像ユニット140である。
そして、例えば画像形成ユニット110として、感光体ドラム111(図13でいう感光体ドラム5である)と、感光体ドラム111の周囲に感光体ドラム111表面を高圧に帯電する帯電装置112、入力された画像データに基づいた本発明の光走査装置100の光書込みにより感光体ドラム111上に記録された静電潜像に現像ローラ114aから帯電したトナーを付着させて顕像化する現像装置114、感光体ドラム111に残ったトナーを掻き取って備蓄するクリーニング装置115が配置されている。画像形成ユニット120,130,140についても同様である。なお、前述したような光走査装置100によるリアルタイムな走査線の位置ずれ補正を、画像形成ユニット110,120,130,140のすべてに適用するとよい。
中間転写ベルト151は、複数のローラに張架され回動される無端状のベルトであり、各画像形成ユニット110,120,130,140の感光体ドラム及び二次転写ローラ150と接触している。また、一次転写ローラ(不図示)は、感光体ドラム111などに対向して中間転写ベルト151内側に感光体ドラム111等に対向して配置される。
用紙は、用紙を堆積した給紙装置170からピックアップローラ171で1枚ずつ引き出され、レジストローラ172を経て、二次転写ローラ150とその対向ローラにより押し付けられながら中間転写ベルト151と接触して画像が転写され、搬送ベルトを介して定着装置160へ至る。
定着装置160では、所定温度に加熱された定着部材と加圧部材とが所定の圧力で当接してニップ部が形成されており、ニップ部を通過する用紙に熱と圧力が付与されるようになっている。
画像形成装置200において画像を形成する場合、例えば画像形成ユニット110では感光体ドラム111上を帯電装置112で帯電させ、光走査装置100で画像に応じた光をあてて、感光体ドラム111上の電位を落とす。その部位が感光体ドラム111の回転により、現像装置114に達し、現像ローラ114a上のトナー層と接すると帯電しているトナーが画像位置に付着する。
感光体ドラム111上のトナー画像は、一次転写ローラが中間転写ベルト151を感光体ドラム111に向かって押し付ける部位で、中間転写ベルト151上に転写される。各画像形成ユニット120、130、140でも同様にして感光体ドラム上のトナー画像が中間転写ベルト151上に転写され、カラーのトナー画像が形成される。そして、中間転写ベルト151の搬送により、二次転写ローラ150の部位で搬送されてきた用紙上にトナー画像は転写される。トナー画像が転写された用紙は、定着装置160に搬送され、熱と圧力により、トナーが溶融定着されカラー画像が形成され、排紙ローラ191により排紙トレイ190に排出される。
以上のように、本発明の画像形成装置によれば、本発明の光走査装置100を用いるので、正確な光走査が可能となり、高画質の画像を形成することができる。特に、カラーレーザープリンタやカラーデジタル複写機に適用した場合に、色ずれの少ない高画質のカラー画像を形成することができる。
このように、本発明のプラスチック光学素子を走査レンズとして使用することで、焦点位置ずれが少なく、光学特性に優れ、従来にない高画質を達成できる画像形成装置を製造することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1,91 プラスチック光学素子
1a,91a 第1レンズ部
1b,91b 第2レンズ部
1a1,1b1,1ab1,91a1,91b1 入射面
1a2,1b2,1ab2,91a2,91b2 出射面
1a3,1b3,91a3,91b3 非光学面
2a,2a’,2a'',2b,2b’,2b'' 不完全転写部
3 ポリゴンミラー
4 折り返しミラー
5 感光体ドラム(感光体)
10,10’ 金型
11,12,13,14 金型部材
11a,11c,14a,14c 固定部材
11b,11b’,14b,14b’ 可動入子
15,15’ キャビティ
100 光走査装置
110,120,130,140 画像形成ユニット
111 感光体ドラム
112 帯電装置
114 現像装置
114a 現像ローラ
115 クリーニング装置
150 二次転写ローラ
151 中間転写ベルト
160 定着装置
170 給紙装置
171 ピックアップローラ
172 レジストローラ
190 排紙トレイ
191 排紙ローラ
200 画像形成装置
L1,L2,L11,L12,L21,L22 光線
S 境界
特許第4053716号公報 特開2006−51822号公報 特許第3512595号公報

Claims (6)

  1. 金型成形により、それぞれレーザー光が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部と第2レンズ部が一体に積層され、該第1レンズ部の非光学面と第2レンズ部の非光学面が対向配置されてなるプラスチック光学素子において、
    前記第1レンズ部の非光学面と前記第2レンズ部の非光学面それぞれが前記金型からの不完全転写部を有しており、
    前記第1レンズ部と第2レンズ部における両者が積層する方向の断面形状が該第1レンズ部と第2レンズ部の境界を基準として線対称の関係となっていることを特徴とするプラスチック光学素子。
  2. 金型成形により、それぞれレーザー光が少なくとも1本ずつ透過する第1レンズ部と第2レンズ部が一体に積層され、該第1レンズ部の非光学面と第2レンズ部の非光学面が対向配置されてなるプラスチック光学素子において、
    前記第1レンズ部の非光学面と前記第2レンズ部の非光学面それぞれが前記金型からの不完全転写部を有していることを特徴とするプラスチック光学素子。
  3. 前記第1レンズ部、第2レンズ部それぞれの非光学面における前記金型からの不完全転写部は略同じひけ形状を有していることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック光学素子。
  4. 前記第1レンズ部、第2レンズ部それぞれの非光学面から該第1レンズ部、第2レンズ部それぞれにおいてレーザー光が透過する領域までの距離が略同じであることを特徴とする請求項2または3に記載のプラスチック光学素子。
  5. レーザー光を射出する光源と、
    前記光源からのレーザー光を偏向走査する偏向手段と、
    請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック光学素子を含み偏向走査されたレーザー光を被走査面に結像する結像光学系と、を備えることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項5に記載の光走査装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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