JP2001343604A - 光走査用レンズ・光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査用レンズ・光走査装置および画像形成装置

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JP2001343604A
JP2001343604A JP2000161586A JP2000161586A JP2001343604A JP 2001343604 A JP2001343604 A JP 2001343604A JP 2000161586 A JP2000161586 A JP 2000161586A JP 2000161586 A JP2000161586 A JP 2000161586A JP 2001343604 A JP2001343604 A JP 2001343604A
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optical
scanning
optical scanning
light beam
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JP2000161586A
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Hiroyuki Suhara
浩之 須原
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レンズ内部に屈折率分布を有するにも拘わら
ず、光学特性上問題のない光走査用レンズを実現する。 【解決手段】光偏向器20により偏向される光束を被走
査面40近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる
光走査用レンズ30であって、プラスチック成形により
形成され、光束が通過するレンズ領域内において、レン
ズ内部に存在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、Δ
n(x)が極大値を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光走査用レンズ
・光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザプリンタ、デジタル複写装置等に
関連して広く知られた光走査装置は、光源側からの光束
を光偏向器により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系
により被走査面に向けて集光し、被走査面上に光スポッ
トを形成して光走査を行う。近来、走査結像光学系ある
いは「走査結像光学系の一部」としてプラスチック製の
光走査用レンズが使用されるようになってきている。プ
ラスチック製の光走査用レンズはプラスチック成形によ
り形成され、大量生産が容易で安価に製造できる。従っ
て、プラスチック製の光走査用レンズの使用は、走査結
像光学系ひいては光走査装置のコストを低減化する上で
有効である。また、プラスチック製の光走査用レンズ
は、プラスチック成形により、非球面に代表される特殊
なレンズ面形状を容易に形成できるため、走査結像光学
系の簡易化(レンズ枚数の少数化)や光学性能の向上を図
ることができる。このようなプラスチック製の光走査用
レンズの問題点の1つとして、形成された光走査用レン
ズの内部に屈折率分布が生じる問題がある。プラスチッ
ク成形では、熱溶融したプラスチック材料を金型内に射
出して成形し、金型内で冷却させるが、金型内で成形さ
れたプラスチックは金型に接している部分から冷却が始
まるため、プラスチック中心部は周辺部に比して相対的
に冷却が遅い。このためプラスチック内部に密度の不均
一な分布(冷却の速い部分の密度が、冷却の遅い部分の
密度に対して相対的に高くなる)を生じ、形成されたレ
ンズの内部で屈折率が均一にならない。形成されたレン
ズでは、その表面部分の密度が中心部の密度よりも高く
なるので、レンズ内に生じる屈折率の分布は一般にレン
ズ中心部で屈折率が低く、レンズ表面に近いほど屈折率
が高くなる。プラスチックレンズ内の「屈折率分布」を
後述する方法で測定してみると、レンズ光軸方向、主走
査方向、副走査方向について見ると、各方向とも略2次
曲線的な変化になっている。プラスチック製の光走査用
レンズは、内部の屈折率を均一として設計されるので、
レンズ内に屈折率分布があると設計通りの性能を発揮で
きない。即ち、具体的には、偏向光束の結像位置が設計
上の位置からずれる「デフォーカス」を生じ、偏向光束
のビームウエスト位置が被走査面に対して変化し、光ス
ポット径が増大する。上記の如きレンズ内部の屈折率分
布を軽減させるのに、例えば、成形後のプラスチックを
金型もろとも恒温室に入れ、ゆっくりと時間(例えば、
10数時間)をかけて冷却を行うことが考えられるが、
このような方法では当然に光走査用レンズの生産性が悪
くなり、生産コストも高くなるので、プラスチック製の
光走査用レンズの低コスト性という利点を生かせない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、レンズ内
部に比較的大きな屈折率分布を有するにも拘わらず、光
学特性上問題のない光走査用レンズの実現を課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査用レン
ズは「光偏向器により偏向される光束を被走査面近傍に
集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用レン
ズ」であって、プラスチック成形により形成され、光束
が通過するレンズ領域内において、レンズ内部に屈折率
分布:Δn(x)が存在する。「走査結像光学系」は上記
の如く、光偏向器により偏向される光束を被走査面近傍
に集光させる光学系であり、1枚のレンズとして構成す
ることも、複数枚のレンズとして構成することも、1枚
以上のレンズと結像機能を持つ鏡面(凹面・凸面)との
組合せとして構成することもできる。「光走査用レン
ズ」は、走査結像光学系の構成要素として用いられるレ
ンズであり、走査結像光学系中に1枚以上が配備され
る。走査結像光学系が1枚のレンズで構成される場合に
は「光走査用レンズ自体が走査結像光学系」である。光
走査用レンズの材料となるプラスチック材料としては、
アクリル系樹脂(PMMA、脂環状アクリル)、PC
(ポリカーボネート)、ポリオレフィン樹脂(通常ポリ
オレフィンと脂環状ポリオレフィン)等を用いることが
できる。これら樹脂材料をプラスチック成形してレンズ
を形成した場合、アクリル系樹脂は「光弾性定数が小さ
く複屈折が生じ難い」という長所を有する。PCは「高
屈折率で吸湿率も小さく、レンズの光学特性が環境変動
に影響され難い」という長所を有する。ポリオレフィン
系樹脂は「吸湿率も小さく、複屈折も生じ難い」という
長所を有する。プラスチック成形の過程でレンズ内に生
じる屈折率分布の観点からすると、上記材料は何れも屈
折率分布を生じるが、中でもポリオレフィン系樹脂では
屈折率分布の発生が顕著である。この発明の光走査用レ
ンズは、ポリオレフィン系樹脂を材料とする場合に効果
が顕著である。
【0005】上記「光束が通過するレンズ領域」は、光
偏向器により偏向された光束が「偏向に伴い光走査用レ
ンズを通過する領域」である。具体的には、主走査方向
に関しては「被走査面上の有効書込幅に対応して、レン
ズ上での偏向光束が通過する範囲」を言い、副走査方向
に対しては「光源の射出角のぶれや、偏光器の面倒れを
考慮した領域」を指す。副走査方向における「光束が通
過するレンズ領域」は、レーザプリンタ等の走査光学系
では通常、光軸を含み主走査方向に平行な面を中心とし
て±2mm程度とするのがよい。勿論、有効書込幅やビ
ームスポット径などの光学的な仕様が変われば、それに
応じて「光束が通過するレンズ領域」の大きさも変わ
る。上記レンズ領域内に存在する屈折率分布:Δn(x)
の定義は後述する。請求項1記載の光走査装置は「光束
が通過するレンズ領域内に存在する屈折率分布:Δn
(x)が極大値を有する」ことを特徴とする。ここに「Δ
n(x)が極大値を有する」とは、Δn(x)を「光束が通過
するレンズ領域内」で変数:xの3次以上(実用的には
4次以上10次以下の偶数次)の多項式で近似したとき
に「dn/dx=0、且つ、d2n/dx2<0」となる領
域を有することを意味する。以下の説明においても同様
である。請求項2記載の光走査用レンズは「光束が通過
するレンズ領域内に存在する屈折率分布:Δn(x)が、
極大値と極小値とを有する」ことを特徴とする。「Δn
(x)が極小値を有する」とは、Δn(x)を「光束が通過す
るレンズ領域内」で変数:xの3次以上(実用的には4
次以上10次以下の偶数次)の多項式で近似したときに
「dn/dx=0、且つ、d2n/dx2>0」となる領域
を有することを意味する。以下の説明においても同様で
ある。請求項3記載の光走査用レンズは「光束が通過す
るレンズ領域内における屈折率分布:Δn(x)の、上記
レンズ領域内における極大値:LMAX[Δn(x)]、最小
値:min[Δn(x)]が、条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たす領域を有する」ことを特徴とする。
【0006】請求項4記載の光走査用レンズは「光束が
通過するレンズ領域内において、レンズ内部に存在する
屈折率分布:Δn(x)の、上記レンズ領域内における極
大値:LMAX[Δn(x)]、最大値:max[Δn(x)]、最小
値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす領域を有する」ことを特徴とする。請求項5記
載の光走査用レンズは「光束が通過するレンズ領域内
で、主走査方向中心付近における1副走査断面において
レンズ内部に存在する屈折率分布をΔn(x)とすると
き、Δn(x)が極大値を有する」ことを特徴とする。「副
走査断面」は、光走査用レンズに対する「主走査方向に
直交する仮想的な平断面」を言う。同様に、「光軸を含
み主走査方向に平行な平断面」は「主走査断面」と称す
る。請求項6記載の光走査用レンズは「光束が通過する
レンズ領域内の、主走査方向中心付近における1副走査
断面においてレンズ内部に存在する屈折率分布;Δn
(x)が極大値と極小値とを有する」ことを特徴とする。
請求項7記載の光走査用レンズは「光束が通過するレン
ズ領域内の、主走査方向中心付近における1副走査断面
においてレンズ内部に存在する屈折率分布:Δn(x)の
極大値:LMAX[Δn(x)]、最小値:min[Δn(x)]が、条
件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たす」ことを特徴とする。請求項8記載の光走査用
レンズは「光束が通過するレンズ領域内の、主走査方向
中心付近における1副走査断面においてレンズ内部に存
在する屈折率分布:Δn(x)の極大値:LMAX[Δn(x)]、
最大値:max[Δn(x)]、最小値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす」ことを特徴とする。
【0007】請求項9記載の光走査用レンズは「光束が
通過するレンズ領域内の、主走査方向中心付近における
1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折率分
布:Δn(x)の極大値:LMAX[Δn(x)]、最大値:max[Δ
n(x)]、最小値:min[Δn(x)]が条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす」ことを特徴とする。この発明の光走査装置は
「光源側からの光束を偏向反射面を持つ光偏向器により
等角速度的に偏向させ、偏向光束を走査結像光学系によ
り被走査面上に光スポットとして集光して被走査面の等
速的な光走査を行なう光走査装置」である。「光源」と
しては、各種の固体レーザやガスレーザ、LED等を用
いることができるが、最も好適なものは「半導体レーザ」
である。「被走査面」は、実体的には感光媒体(例え
ば、光導電性の感光体等)の感光面である。請求項10
記載の光走査装置は「走査結像光学系の少なくとも一部
として、請求項1または2または3または4記載の光走
査用レンズを搭載した」ことを特徴とする。請求項11
記載の光走査装置は「走査結像光学系の少なくとも一部
として、請求項5または6または7または8または9記
載の光走査用レンズを搭載した」ことを特徴とする。こ
れら請求項10または11記載の光走査装置において
「光走査用レンズが走査結像光学系を構成する」ことが
できる(請求項12)。この発明の画像形成装置は「感光
媒体の感光面に光走査装置による光走査を行って潜像を
形成し、潜像を可視化して画像を得る画像形成装置」で
あって、感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置と
して、請求項10または11または12記載のものを用
いたことを特徴とする(請求項13)。
【0008】請求項13記載の画像形成装置において、
感光媒体を光導電性の感光体とし、感光面の均一帯電と
光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像をトナ
ー画像として可視化するように構成することができる
(請求項14)。トナー画像は、シート状の記録媒体
(転写紙や「OHPシート(オーバヘッドプロジェクタ
用のプラスチックシート」等)に定着される。請求項1
3記載の画像形成装置では、感光媒体として例えば「銀
塩写真フィルム」を用いることもできる。この場合、光
走査装置による光走査により形成された潜像は通常の銀
塩写真プロセスの現像手法で可視化できる。このような
画像形成装置は例えば「光製版装置」あるいは「光描画
装置」として実施できる。請求項14記載の画像形成装
置は、具体的にはレーザプリンタやレーザプロッタ、デ
ジタル複写装置、ファクシミリ装置等として実施でき
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は光走査装置の実施の1形態
を説明図的に示している。「光源」である半導体レーザ
10から放射された発散性の光束は、カップリングレン
ズ12により以後の光学系に適した光束形態(「平行光
束」等)に変換され、アパーチュア14の開口を通過し
て「ビーム整形」され、シリンダレンズ16により副走
査方向に集束されつつミラー18により反射され、「光
偏向器」である回転多面鏡20の偏向反射面近傍に主走
査方向に長い線像として結像する。偏向反射面により反
射された光束は、回転多面鏡20の等速回転に伴い等角
速度的に偏向しつつ「走査結像光学系」を構成する光走
査用レンズ30に入射し、同レンズ30の作用により被
走査面(実体的には「光導電性の感光体の感光面」等)
40近傍に集光され、被走査面40上に光スポットを形
成する。この光スポットにより被走査面40が主走査さ
れる。被走査面の実体をなす感光面が副走査方向(図面
に直交する方向)へ送られ、上記光走査が繰り返される
ことにより潜像の書込みが行われる。上記光スポットに
よる主走査は、走査結像光学系30の等速化特性の作用
により等速化される。この実施の形態においては、光走
査用レンズ30自体が走査結像光学系を構成している。
走査結像光学系が複数の光学素子(副数枚のレンズやレ
ンズと凹面鏡の組み合わせ等)で構成される場合には、
その中に1枚もしくは副数枚の光走査用レンズを含める
ことができる。光走査用レンズ30は「プラスチック材
料の成形」で形成されたものである。光走査用レンズ3
0は、光束が通過する領域(主走査方向に関しては、図
の有効書込幅:Wに対応する領域)内に「屈折率分布」を
有する。この屈折率分布を、図2に即して説明する。図
2において、符号1はプラスチック成形で形成された光
走査用レンズを示している。図2は「屈折率分布」を説
明するための図であり、光走査用レンズ1は「この発明
の光走査用レンズ」とは屈折率の分布状態が異なる。図
2(a)は、光走査用レンズ1を前述の「主走査断面」に
より仮想的に切断したときの仮想切断面上における屈折
率の分布を「等高線表示」で表している。レンズの内部ほ
ど屈折率は低い。図2(c)は、光走査用レンズ1を
「光軸を含む副走査断面」で仮想的に切断したときの仮想
切断面上における屈折率の分布を「等高線表示」で示し
ている。ここでも、レンズの内部ほど屈折率は低い。
【0010】ここで、図2(c)に示すようにx方向、
y方向を設定し、図面に直交する方向にz方向を設定す
る。y方向は「光軸方向」、x方向は「副走査方向」、
従ってz方向は「主走査方向」になる。主走査方向の任意
の位置(z)において副走査断面を考え、この副走査断
面内における各位置(x,y)における絶対屈折率:n
をn(x,y)と表す。絶対屈折率:n(x,y)のy軸
方向の平均を、x軸方向におけるレンズの肉厚をd
(x)として、 演算:[∫n(x,y)dy]/d(x) で定義する。積分は「レンズの肉厚:d(x)」にわたっ
て行う。上記演算の結果に対し「適当な基準値」を設定
し、この設置値と上記演算結果との差を取ると、上記
「光軸と副走査方向に平行なxy断面における2次元の
絶対屈折率の値をy軸方向に平均化し、x軸方向に対す
る1次元の相対屈折率として表現したもの」が得られ
る。これが屈折率分布:Δn(x)である。図2(e)に
示されているのは、この屈折率分布:Δn(x)である。
なお、図2の(b)は、演算:[∫n(y,z)dy]/
d(z)(d(z)は主走査方向の「光束の通過する領域の
長さ」の結果に対して、上記と同様の操作を加えたもの
を示しており、(d)は演算:[∫n(x,y)dx]/
d(y)(d(y)はレンズ厚さ)の結果に対し、上記と同
様の操作を加えたものを示している。図2(e)に示す
ように、図2の光走査用レンズ1の屈折率分布:Δn
(x)には極大が無い。この点で、光走査用レンズ1は
「この発明の光走査用レンズ」とは異なるのである。上
述のように、屈折率分布:Δn(x)は副走査方向の座標
変数:xの関数であり、一般に、xの多項式「A+Bx
2+Cx3+Dx4+・・」で表すことができる。光走査
用レンズの形状が光軸に関して副走査方向に対称的であ
り、屈折率の分布も光軸に関して副走査方向に対称的で
あると考えられることから、屈折率分布は、前述の如く
「4次以上10次以下の偶数次」の多項式即ち「a+b
2+cx4+dx6+ex8+fx10」で実用的には十分
に表現できる。
【0011】次ぎに、屈折率分布:Δn(x)が「光走査
用レンズの光学特性に与える影響」を説明する。この目
的のため、屈折率分布:Δn(x)を次ぎのように2次近
似で表す。 Δn(x)=n0+n1・x+Δn・x2+δ(x) この式の右辺においてδ(x)は「2次近似に伴う残差」
である。右辺の各項のうちで「光学性能に大きく影響を
与える」のは2次の係数:Δnである。1次の係数:n
1は、前述の対称性の考えに従い「おとす」ことがで
き、従って、上記式は、次ぎのように表すことができ
る。 Δn(x)≒n0+Δn・x2 これから、2次の係数:Δnを算出することができる。
上の式において、2次の係数:Δnは「レンズパワー」
として作用する。2次係数:Δnがレンズ作用に及ぼす
影響を、図3を参照して説明する。図3で、符号LNは
レンズ、符号E,Fはその前側および後側主点、符号P
は物点、符号Qは像点を示す。記号:fはレンズLNの
設計上の焦点距離(即ち、レンズ内の屈折率が均一であ
るとしたときの焦点距離)、記号:S,S’は設計上の
物体距離および像距離である。上述の如く、屈折率分布
は「レンズの作用をする」とみなせるので「屈折率分布
に等価なレンズ」を考えることができる。光偏向器の偏
向面から被走査面までの距離(共役距離)を、図1に示
すようにLとし、走査レンズ30の横倍率をβ、Δn
(x)の2次係数をΔn、レンズ肉厚をtとすると、デ
フォーカス量:ΔS’は近似的に次のように表せる。 ΔS′≒{β/(β―1)・L}2・(2Δn・t) 即ち、デフォーカス量:ΔS’と2次係数:Δnは近似
的に比例関係にある。
【0012】光走査用レンズ30が正のパワーを持つ
と、上記の如く「レンズ中心部に比べて周辺部の屈折率
が高くなる」場合、屈折率分布は凹レンズと等価に作用
し、被走査面上に集光すべき光スポットの実際の集光位
置を「設計上の位置よりも光偏向器から遠ざかる方向に
ずらす」ように作用する。図4において、縦軸は光スポ
ット径、横軸はデフォーカス量(光スポットの結像位置
(集光位置)と被走査面位置の差)を示している。縦軸
は被走査面としての感光面と合致している。光走査用レ
ンズ内部に屈折率分布がなく「屈折率がいたるところ均
一である」ときは、デフォーカス量と光スポット径の関
係は破線で示すように、被走査面位置(デフォーカス
量:0の位置、実際は感光体面)で光スポット径が最小
になるが、屈折率分布が存在すると、デフォーカス量と
光スポット径の関係は「実線で示す」ようになり、被走
査面上における光スポット径は「ビーム太り」により設
計上の大きさ(破線と縦軸の交点)よりも大きくなって
しまう。上記の如く、デフォーカス量:ΔS’と2次係
数:Δnは近似的に比例関係にあるから、デフォーカス
量;ΔS’を小さくするには、2次係数:Δnを小さく
すればよい。上述の式: Δn(x)≒n0+Δn・x2 は「放物線」を表し、2次係数:Δnが小さいほど、変
数:xの変化に対する屈折率分布の変化率が小さい。換
言すれば、レンズ内における屈折率の分布が「均一に近
い」ほどデフォーカス量は小さいのであり、これは当然
のことである。説明を先に進める前に、ここで、屈折率
分布:Δn(x)の測定方法を説明しておく。以下に説明
する測定方法は、発明者らにより提案されたものである
(特開平11−044641号公報)。図5は、上記測
定方法を実施する「マッハツェンダ型の干渉計を基本構
成とする屈折率分布測定装置」を説明図的に示してい
る。
【0013】可干渉性の光であるレーザ光束がレーザ光
源1Aから放射され、ビームエキスパンダ3により「光
束径を拡大された平行光束」となり、ビームスプリッタ
5に入射する。ビームスプリッタ5は入射してくるレー
ザ光束を2分割する。即ち、ビームスプリッタ5によっ
て直角に曲げられて参照波aとなるレーザ光束と、ビー
ムスプリッタ5を直進的に透過して反射ミラー9に反射
された後、被検物Aとしての「位相物体」を透過して被
検波bとなる他方のレーザ光束とに分割する。参照波a
と被検波bとは「それぞれの強度が略1:1となる」よ
うに分割される。反射ミラー7はピエゾ素子等による電
気・位置変位変換素子19により支持され、位相シフト
法による干渉縞解析を行うため、参照波aの光路長を波
長オーダで変更できるように配置されている。参照波a
は反射ミラー7で反射されてビームスプリッタ11に達
する。被検波bは反射ミラー9で反射され、被検物Aを
透過してビームスプリッタ11に達する。ビームスプリ
ッタ11は参照波aと被検波bを合流させて合流光束
(a+b)とし、この合流光束を2分割する。電気・位置
変位変換素子19は、合流される参照波aと被検波bの
光路長間に「mを整数としてmπ/2の位相差」ができ
るように調整される。ビームスプリッタ11で分割され
た一方の合流光束は結像レンズ13に入射し、干渉縞検
出器15の撮像面に(参照波aと被検波bとの)干渉縞
を結像する。干渉縞検出器15には「干渉縞と直交する
方向に配置されたリニアCCDやアレイ状のセンサ」を
用いる。ビームスプリッタ11で分割された他方の合流
光束は結像レンズ31を経てモニター用のCCDカメラ
23の撮像面に干渉縞を結像する。被検物Aの屈折率は
空気の屈折率とはかなり相違しており、被検物Aの入射
側面と射出側面とが平行でない限り、被検物Aを透過し
た被検波bは、被検物Aの形状に応じて不規則に収束・
発散する。干渉縞検出器15の受光面上で干渉縞を結像
させるには被検波bは「略平行な光束」となっていなけ
ればならない。そこで、被検物Aの形状に拘らず、被検
物Aを透過した被検波bが略平行な光束となるようにす
るため以下のようにする。
【0014】即ち、被検物Aを、被検波bの光路上に設
けられたセル21内に設置し、セル21内に「屈折率を
被検物Aの屈折率と略等しく調合」された試液Bを満た
す。セル21の両端、即ち、被検波bの入射窓25と射
出窓27には、互いに平行でそれぞれに面精度が高いオ
プチカルフラット28,29が取り付けられ、セル内は
液密にシールドされる。従って、被検物Aと試液Bで充
填されたセル21は「全体として均一な屈折率の物体」
となり、入射面と射出面とが平行なので、セル21内を
透過した被検波bは略平行な光束となって射出される。
このとき、被検物A内の屈折率の分布が不均一である
と、セル21から射出した被検波bの波面は「屈折率分
布に応じた曲面形状」となる。干渉縞検出器15の受光
面に結像する干渉縞は、上記曲面形状の検出波bと平面
波である参照波aとの干渉により生じるものであり、こ
れを周知の干渉縞解析で解析することにより、被検波b
の曲面形状を測定することができる。干渉縞像は干渉縞
検出器15で検出され、光電変換されて電気的な画像信
号となり、A/D変換器33でデジタル信号化されて演
算装置17に入力される。演算装置17は、干渉縞像の
解析によって透過波面(被検波bの波面形状)の計測演
算を行う透過波面計測部35を含んでいる。即ち、この
演算装置17はパーソナルコンピュータ等「CPUを有
し、ハードディスク等にインストールされたプログラム
にしたがって各種の演算処理を行うもの」である。
【0015】被検物Aとしての光走査用レンズの屈折率
分布は以下の如くに計測される。光走査用レンズは、外
形形状と屈折率データの設計値が分かっていることが望
ましい。屈折率分布の計測において、外形形状で必要な
データは光軸方向の肉厚であるが、結果は肉厚に反比例
する量として求められるので、光軸方向の肉厚を与える
場合、与えた肉厚に誤差があっても結果に対する誤差と
しての影響は小さい。屈折率データは、屈折率が、被検
物と略等しい最適な試液Bを選択するときに用いるが、
計測誤差としての影響は小さい。被検物Aとして光走査
用レンズをセル21内にセットし、レーザ光源1からの
コヒーレント光を照射して、前述の如く干渉縞検出器1
5上に干渉縞像を結像させる。干渉縞検出器15が出力
する干渉縞像の画像信号を演算処理装置17に取り込
み、演算処理装置内部の透過波面計測部35により「干
渉縞像の解析」を行い、透過波面:WF(x)を計測す
る。x軸は干渉縞と直交する方向、即ち、干渉縞検出器
15にリニアCCDを用いた場合、その長手方向がx軸
となるが、光走査用レンズに関して先に説明したx方向
(副走査方向)に対応させる。被検物である光走査用レ
ンズの光軸方向の肉厚:d(x)は、光走査用レンズの設
計データ等により予め求めておく。上記の如く、干渉縞
検出器15のリニアCCDの出力に基づき、透過波面計
測部18により透過波面:WF(x)を計測したら、リニ
アCCDの任意の位置をx=0として基準の透過波面:
WF(0)を求め、次式: Δn(x)={WF(x)−WF(0)}・λ/d(x) によりΔn(x)を算出する。このようにして、任意の測
定断面について屈折率分布:Δn(x)を算出することが
できる。測定断面の(主走査方向(z方向))への変更は
リニアCCDをz方向へ変位させることにより行われ
る。上述の測定方式で、Δn(x)は「光軸方向の厚み方
向に積算された透過波面」から算出されるので、図2
(d)に示す如き「光軸方向の屈折率の分布状態」は把握
できないが、それを光軸方向に積算した平均的なデー
タ:Δn(x)でも、光走査用レンズの光学特性を把握す
るには十分である。またΔn(x)は1次元であるため評
価項目として管理し易い利点がある。上の式で、Δn
(x)はxのみの関数であるが、(x,z)を変数とする2
次元計測も可能である。
【0016】上記により算出したΔn(x)は前述の如
く、多項式即ち「a+bx2+cx4+dx6+ex8+f
10」で実用的には十分に表現することができる。そし
て、各係数a、b、c等を(最小2乗法等で)求めれ
ば、x軸上の位置の座標:xの位置における屈折率分
布:Δn(x)を直ちに求めることができる。上記の如き
測定方法で、プラスチック成形により形成された光走査
用レンズの内部の屈折率分布:Δn(x)の非破壊測定が
可能になった。発明者はこのような測定を通じ、光走査
用レンズの屈折率分布:Δn(x)が、光走査用レンズの
製造条件、就中「加熱されて金型内に注入されて成形さ
れた樹脂の冷却条件」により種々に変化することを見出
した。成形後、金型を常温室内に放置して自然冷却する
と、光走査用レンズの型抜きが可能な程度までの冷却は
1〜数分で完了し、冷却時間が短いため、製造の効率も
よいが、このような冷却方法であると図2に示したよう
な「放物線状」の屈折率分布が生じる。成形後、光走査用
レンズを金型から取り出して(あるいは金型に入れたま
ま)恒温室に入れ、10数時間をかけて徐々に冷却する
と、光走査用レンズ内に生じる屈折率分布は極めて小さ
くなる。しかしこの冷却方法では製造の効率が悪い。成
形後、光走査用レンズを金型から取り出して(あるいは
金型に入れたまま)恒温室にいれ、室内の温度を徐々に
落とし、10〜60分程度かけて冷却を行うと屈折率分
布に「極大」が現れることが見出された。このように
「屈折率分布:Δn(x)が極大を有する」点が、この発
明の光走査用レンズの特徴である。図2に即して説明し
た従来の屈折率分布形状では、一般的に「中心ほど屈折
率が小さくなる2次曲線」となるので、2次の係数:Δ
nの大きさがそのままデフォーカス量の増大につながっ
てしまう。デフォーカス量低減のためには、屈折率分
布:Δn(x)における最大値:max[Δn(x)]と最小値:m
in[Δn(x)])の差:max[Δn(x)]-min[Δn(x)]を小さくす
ればよいが、このためには、上記の如く、冷却に長時間
を要し、加工上・コスト上の問題を無視できない。これ
に対し、この発明の光走査用レンズのように、屈折率分
布:Δn(x)が極大値をもっていると、上記max[Δn
(x)]-min[Δn(x)]自体は大きくても、デフォーカス量と
して影響を与える2次係数:Δnは小さくてすむ。
【0017】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げる。以下の、実
施例1〜4の光走査用レンズは、図1に示す光走査装置
の光走査用レンズ30としての使用を前提としている。
実施例1〜4のうち、実施例1〜3は「極大を有する屈
折率分布:Δn(x)として典型的なもの」をシミュレー
ションにより生成したものである。 実施例1 図6に、実施例1の光走査用レンズの屈折率分布(シミ
ュレーション)を示す。図の縦軸は屈折率分布:Δn
(x)を示す。横軸は光走査用レンズの「短手方向位置」
即ち、副走査方向の位置であり前述したx方向である。
6図に示されている屈折率分布:Δn(x)は「光走査用
レンズの光軸を含む副走査断面」上におけるものであ
る。従って、横軸の原点は光軸に合致する。横軸のスケ
ールは「副走査方向の有効径(光束が通過する領域)を
1に規格化」して表しており、実長としては±2mm程
度(スケール上で±1)を想定している。曲線6−1は、
実施例1の光走査用レンズにおける上記屈折率分布:Δ
n(x)を示している。曲線6−1は横軸の原点位置に極
大値:LMAX[Δn(x)]=0.16×10-5を有する。また、横
軸の±0.6の近傍に極小値:0を有する。この極小値
はまた、Δn(x)の最小値:min[Δn(x)]である。Δn
(x)の最大値:max[Δn(x)]は横軸の±1の部分の値で
0.71×10-5である。曲線6−2は曲線6−1を前述の2
次式「Δn(x)≒n0+Δn・x2」で近似したものであ
り、このとき2次係数:Δn=0.1である。曲線6−
0は、実施例1の光走査用レンズの光学性能から要求さ
れる、屈折率分布形状を表す曲線である。即ち、実施例
1の光走査用レンズを実際の使用する状況において「許
容されるデフォーカスに対応する2次の係数:Δn」を
求め、このように求められた係数:Δnを用いて「Δn
(x)≒n0+Δn・x2」を表したものである。なお、n
0=0、Δn=0.1である。「実施例1の光走査用レ
ンズの光学性能から要求される、屈折率分布形状を表す
曲線(即ち、上記曲線6−3)」は勿論、光学仕様によっ
て変わる。ここで示したのは、屈折率分布の最大値:ma
x[Δn(x)]=0.4×10-5の場合である。
【0018】曲線6−0と曲線6−2とを比較すれば明
らかなように、実施例1の光走査用レンズはそのレンズ
内に、実際には曲線6−1で示されるような大きな屈折
率の不均一「0.71×10-5」を有するにも拘わらず、実際
に光学特性(デフォーカス)を決定付ける曲線6−2は
「光走査用レンズの光学性能から要求される屈折率分布
形状」である曲線6−0と実質的に同じであり、実施例
1の光走査用レンズはレンズ内における「屈折率分の大
きさ」にも拘わらず、光走査用レンズとして必要な光学
特性を備えている。屈折率分布:Δn(x)の最大値・最
小値の差について見ると、光学特性上の曲線6−0を満
足すべきレンズに比して、1.8(=0.71/0.4)倍、最
大値・最小値の差が大きい成形品であっても、デフォー
カス量は曲線6−0を満足すべきレンズと同等であり、
換言すれば、屈折率分布:Δn(x)の最大値・最小値の
差に関する許容量を1.8倍緩くできたことになる。実
施例1では、条件(1)、(2)の値は、 LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]=0.16×10-5 {max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min
[Δn(x)]}=4.4 である。 実施例2 図7に、実施例2の光走査用レンズの屈折率分布(シミ
ュレーション)を示す。図7は、実施例1に関する図6
に倣って描かれており、曲線7−1、7−2、7−0が
それぞれ、図6における曲線6−1、6−2、6−0に
対応する。実施例2でも曲線7−2と曲線7−0におけ
る2次の係数:Δnの値は0.1である。条件(1)、
(2)の値は、 LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]=2.2×10-5 {max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min
[Δn(x)]}=0.66 と高い極大値を有し、屈折率分布における最大値・最小
値の差の比率は8.4(=3.4/0.4)となる。即ち、光
学特性上の曲線7−0を満足すべきレンズに比して、
8.4倍だけ、屈折率分布:Δn(x)の最大値・最小値
の差に関する許容量を緩くできたことになる。
【0019】実施例3 図8に、実施例3の光走査用レンズの屈折率分布(シミ
ュレーション)を示す。図8も、実施例1に関する図6
に倣って描かれており、曲線8−1、8−2、8−0が
それぞれ、図6における曲線6−1、6−2、6−0に
対応する。実施例3では曲線8−2と曲線8−0におけ
る2次の係数:Δnの値は3.0である。条件(1)、
(2)の値は、 LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]=1.0×10-5 {max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min
[Δn(x)]}=14.5 であり、屈折率分布における最大値・最小値の差の比率
は1.2(=14.5/12)となる。即ち、光学特性上の曲
線8−0を満足すべきレンズに比して、屈折率分布:Δ
n(x)の最大値・最小値の差に関する許容量を20%程
度緩くできたことになる。上記実施例1〜3を勘案する
と、パラメータ:LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]の範囲は
設計上及び加工上、条件(1)に示すように、 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 が好ましい。下限値:0.1×10-5を下回ると極大値が小
さくなるため「デフォーカス量低減の効果」が小さく、
計測誤差も無視できなくなる。上限値:4×10-5を上回
ると加工がコスト上難しくなるだけでなく、例えば肉
厚:5mmのレンズでも波面収差が約0.3λとなり、波
面収差劣化に伴うビーム太りの懸念も生じてくる。上記
実施例2では、有効径の範囲を相対値で±1としたが、
有効径の範囲を0.8に設定すると、レンズ内部に屈折
率分布は生じていても2次の係数:Δnは「実質的に殆
ど無」くデフォーカスを生ぜず、さらに望ましい。この
場合、 {max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min
[Δn(x)]}≒1 となる。従って、パラメータ:{max[Δn(x)]-min[Δn
(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}の望ましい範
囲は、条件(2)に示すように 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]
-min[Δn(x)]}<15 となる。上限値:15(実施例3がこれに近い)より大き
くなると、極大を持たせたことによるデフォーカス量低
減の効果が殆ど見られなくなる。
【0020】更に、有効径の範囲を±0.5と設定し直
すと「極小値となる領域」が存在しない。この場合には
僅かながら「逆方向にデフォーカス量を発生」する。こ
の場合でも、条件(1)の範囲: 0.1×10-5 < LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)] <4×10-5 を満足すれば、性能上の問題はない。しかし「極大値と
極小値の両方が存在」する方が、デフォーカス量低減の
効果が大きいことはいうまでもない。レンズ内に生じる
屈折率の分布は「冷却速度に依存」する。図2を参照す
ると明らかなように、光走査用レンズは一般に、主走査
方向に長い短冊状である。そして光軸方向の肉厚は光軸
から離れるに従い減少する傾向を有するのが一般であ
り、副走査方向(x方向)の幅は主走査方向に一定であ
る。換言すると、成形したプラスチックが冷却されると
き、熱の移動が生じ易いのは副走査方向と肉厚方向であ
り、主走査方向の熱移動は起こり難い。このため、レン
ズ内部の屈折率の分布は図2(b)に示すように、主走
査方向においては比較的小さい。また、主走査方向の周
辺部では一般にレンズ肉厚が減少することを考えると、
デフォーカスの原因となる2次の係数:Δnは、主走査
方向において光軸から周辺部に向かうに従い減少してい
くものと考えられる。このように考えると、屈折率分
布:Δn(x)が極大値や極大値と極小値を有すること、
条件(1)および/または(2)を満足すべきことは、
光走査用レンズの主走査方向の有効領域(光束の通過す
る領域)の全域に渡って満足することは必ずしも必要で
はない。即ち、主走査方向における光軸近傍の領域(例
えば、光軸両側の2〜5mm)の範囲で「屈折率分布:
Δn(x)が極大値や極大値と極小値を有すること、条件
(1)および/または(2)を満足する」のみでも実用
上の問題は無い。さらに、屈折率分布:Δn(x)の主走
査方向の変化が連続かつ緩慢であることを考えると「光
束が通過するレンズ領域内で、主走査方向中心付近にお
ける1副走査断面」において、屈折率分布:Δn(x)が
極大値や極大値と極小値を有し、条件(1)および/ま
たは(2)を満足すれば、そのような光走査用レンズ
は、デフォーカスに関しては何ら問題無く使用可能であ
ることになる。
【0021】このように、主走査方向中心付近における
1副走査断面でのみ光走査用レンズの適否を検査できる
と、量産検査工程において特に有効である。因みに、上
述の実施例1〜3に関して図6〜図8に示した屈折率分
布の曲線6−1,曲線7−1,曲線8−1は何れも「光
軸を含む副走査断面」におけるものである。 実施例4 図9に、実施例4の光走査用レンズの屈折率分布を、実
施例1に関する図6に倣って示す。図9におけるグラフ
線9Aは、実施例4の光走査用レンズの「光軸を含む副
走査断面」における屈折率分布の「実測値」を示してい
る。この実測値を、前述の多項式「a+bx2+cx4
dx6+ex8+fx10」を用いて表した曲線が、図9に
鎖線で示す曲線9−1であって、図6における曲線6−
1に相当するものである。曲線9−1は、LMAX[Δn
(x)]=0.215、min[Δn(x)]=0.03、{max[Δn(x)]=0.
69を有する。従って、条件(1)、(2)の値は、 LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]=0.19×10-5 {max[Δn(x)]-min[Δn(x)]}/{LMAX[Δn(x)]-min
[Δn(x)]}=3.47 また、曲線9−2は、曲線9−1を2次式「Δn(x)≒
0+Δn・x2」で近似したものであり、このとき2次
係数:Δn=0.1である。実施例4の光走査用レンズ
の材料樹脂はポリオレフィン樹脂であり、成形後、金型
から取り出した光走査用レンズを恒温室に入れ、略1時
間かけて徐々に冷却した。実施例4は、シミュレーショ
ンとして生成された実施例1の屈折率分布に近く、実施
例1と略同様の効果を有する。因みに、シミュレーショ
ンを示した実施例1〜3の光走査用レンズは、実施例4
の光走査用レンズの製造に用いた金型を用い、ポリオレ
フィン樹脂を材料とすることが前提とされている。上に
図1,図6〜図9に即して説明した実施例1〜4の光走
査用レンズは、光偏向器20により偏向される光束を被
走査面40近傍に集光させる走査結像光学系に用いられ
る光走査用レンズ30であって、プラスチック成形によ
り形成され、光束が通過するレンズ領域内において、レ
ンズ内部に存在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、
Δn(x)が極大値を有する(請求項1)。また、屈折率分
布:Δn(x)は極大値と極小値とを有し(請求項2)、光
束が通過するレンズ領域内における屈折率分布:Δn
(x)の極大値:LMAX[Δn(x)]と最小値:min[Δn(x)]
が、条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たす領域を有し(請求項3)、上記極大値:LMAX
[Δn(x)]、Δn(x)の最大値:max[Δn(x)]、上記最小
値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす領域を有する(請求項4)。また、光束が通過す
るレンズ領域内で、主走査方向中心付近における1副走
査断面においてレンズ内部に存在する屈折率分布:Δn
(x)が極大値を有し(請求項5)、さらに、Δn(x)が極大
値と極小値とを有し(請求項6)、プラスチック成形によ
り形成され、該Δn(x)の極大値:LMAX[Δn(x)]、Δn
(x)の最小値:min[Δn(x)]が、条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たし(請求項7)、該Δn(x)の極大値:LMAX[Δn
(x)]、Δn(x)の最大値:max[Δn(x)]、Δn(x)の最小
値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす(請求項8)。
【0022】さらに、実施例1〜4の光走査用レンズ
は、主走査方向中心付近における1副走査断面において
レンズ内部に存在する屈折率分布:Δn(x)の極大値:L
MAX[Δn(x)]、最大値:max[Δn(x)]、最小値:min[Δ
n(x)]が条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす(請求項9)。従って、図1に示す光走査装置に
おける光走査用レンズ30として、実施例1〜4の任意
の1のものを用いた光走査装置は、光源10側からの光
束を偏向反射面を持つ光偏向器20により等角速度的に
偏向させ、偏向光束を走査結像光学系30により被走査
面40上に光スポットとして集光して被走査面40の等
速的な光走査を行なう光走査装置において、走査結像光
学系の少なくとも一部として、請求項1または2または
3または4記載の光走査用レンズを搭載したものであり
(請求項10)、走査結像光学系の少なくとも一部とし
て、請求項5または6または7または8または9記載の
光走査用レンズを搭載したものである(請求項11)。そ
して、光走査用レンズ30が走査結像光学系を構成する
(請求項12)。なお、この発明の光走査装置は所謂「マ
ルチビーム走査装置」として実施することも可能であ
る。最後に、図10を参照して画像形成装置の実施の1
形態を説明する。この画像形成装置は「レーザプリン
タ」である。レーザプリンタ100は感光媒体111と
して「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有して
いる。感光媒体111の周囲には、帯電手段としての帯
電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、
クリーニング装置115が配備されている。帯電手段と
しては周知の「コロナチャージャ」を用いることもでき
る。また、レーザ光束LBによる光走査装置117が設
けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で
「光走査による露光」を行うようになっている。図9に
おいて、符号116は定着装置、符号118はカセッ
ト、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙
コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ
対、符号123はトレイ、符号Pは記録媒体としての転
写紙を示している。画像形成を行うときは、光導電性の
感光体である感光媒体111が時計回りに等速回転さ
れ、その表面が帯電ローラ112により均一帯電され、
光走査装置117の光走査による露光を受けて静電潜像
が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」
であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像
装置113により反転現像され、感光媒体111上にト
ナー画像が形成される。転写紙Pを収納したカセット1
18は、画像形成装置100本体に着脱可能であり、図
の如く装着された状態において、収納された転写紙Pの
最上位の1枚が給紙コロ120により給紙される。給紙
された転写紙Pは先端部をレジストローラ対119に銜
えられる。レジストローラ対119は、感光媒体111
上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを
あわせて、転写紙Pを転写部へ送りこむ。送りこまれた
転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせら
れ、転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転
写される。トナー画像を転写された転写紙Pは定着装置
116へ送られ、定着装置116においてトナー画像を
定着され、搬送路121を通り、排紙ローラ対122に
よりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写さ
れた後の感光媒体111の表面はクリーニング装置11
5によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去
される。なお、転写紙に代えて前述のOHPシート等を
用いることもでき、トナー画像の転写は、中間転写ベル
ト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすることも
できる。光走査装置117として、上記各実施例に示し
た光走査用レンズ30を搭載した図1の如き光走査装置
を用いることにより良好な画像形成を実行することがで
きる。従って、この画像形成装置は、感光媒体111の
感光面に光走査装置117による光走査を行って潜像を
形成し、潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であ
って、感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置11
7として、前述の請求項10または11または12記載
のものを用いることができるものである(請求項1
3)。そして、この画像形成装置は、感光媒体111が
光導電性の感光体であり、感光面の均一帯電と光走査装
置の光走査とにより形成される静電潜像が、トナー画像
として可視化される(請求項14)。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、新規な光走査用レンズ・光走査装置および画像形成
装置を実現できる。この発明の光走査用レンズは、レン
ズ内部に比較的大きな屈折率分布を有するにも拘わら
ず、実用的に問題のない光学特性を発揮する。従って、
このような光走査用レンズを搭載した光走査装置を用い
る画像形成装置では、良好な画像形成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査装置の実施の1形態を説明す
るための図である。
【図2】光走査用レンズ内部の屈折率の分布を説明する
ための図である。
【図3】光走査用レンズ内の屈折率分布の、光学特性へ
の影響を説明するための図である。
【図4】光走査用レンズ内に存在する屈折率分布の影響
による光スポットのスポット径の増大を説明するための
図である。
【図5】レンズ内の屈折率分布の測定方法を説明するた
めの図である。
【図6】実施例1における屈折率分布の様子を示す図で
ある。
【図7】実施例2における屈折率分布の様子を示す図で
ある。
【図8】実施例3における屈折率分布の様子を示す図で
ある。
【図9】実施例4における屈折率分布の様子を示す図で
ある。
【図10】画像形成装置の実施の1形態を説明するため
の図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザ(光源) 20 回転多面鏡(光偏向器) 30 光走査用レンズ 40 被走査面

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、 光束が通過するレンズ領域内において、レンズ内部に存
    在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、Δn(x)が極大
    値を有することを特徴とする光走査用レンズ。
  2. 【請求項2】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、 光束が通過するレンズ領域内において、レンズ内部に存
    在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、Δn(x)が極大
    値と極小値とを有することを特徴とする光走査用レン
    ズ。
  3. 【請求項3】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、 光束が通過するレンズ領域内において、レンズ内部に存
    在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、上記レンズ領
    域内におけるΔn(x)の極大値:LMAX[Δn(x)]、Δn
    (x)の最小値:min[Δn(x)]が、条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たす領域を有することを特徴とする光走査用レン
    ズ。
  4. 【請求項4】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、 光束が通過するレンズ領域内において、レンズ内部に存
    在する屈折率分布をΔn(x)とするとき、該Δn(x)の極
    大値:LMAX[Δn(x)]、Δn(x)の最大値:max[Δn
    (x)]、Δn(x)の最小値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たす領域を有することを特徴とする光走査用レン
    ズ。
  5. 【請求項5】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、光
    束が通過するレンズ領域内で、主走査方向中心付近にお
    ける1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折率
    分布をΔn(x) とするとき、Δn(x)が極大値を有する
    ことを特徴とする光走査用レンズ。
  6. 【請求項6】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、光
    束が通過するレンズ領域内の、主走査方向中心付近にお
    ける1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折率
    分布をΔn(x)とするとき、Δn(x)が極大値と極小値と
    を有することを特徴とする光走査用レンズ。
  7. 【請求項7】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、光
    束が通過するレンズ領域内の、主走査方向中心付近にお
    ける1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折率
    分布をΔn(x)とするとき、該Δn(x)の極大値:LMAX
    [Δn(x)]、Δn(x)の最小値:min[Δn(x)]が、条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 を満たすことを特徴とする光走査用レンズ。
  8. 【請求項8】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、光
    束が通過するレンズ領域内の、主走査方向中心付近にお
    ける1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折率
    分布をΔn(x)とするとき、該Δn(x)の極大値:LMAX
    [Δn(x)]、Δn(x)の最大値:max[Δn(x)]、Δn(x)
    の最小値:min[Δn(x)]が条件: (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たすことを特徴とする光走査用レンズ。
  9. 【請求項9】光偏向器により偏向される光束を被走査面
    近傍に集光させる走査結像光学系に用いられる光走査用
    レンズであって、プラスチック成形により形成され、 光束が通過するレンズ領域内の、主走査方向中心付近に
    おける1副走査断面においてレンズ内部に存在する屈折
    率分布をΔn(x)とするとき、該Δn(x)の極大値:LMAX
    [Δn(x)]、Δn(x)の最大値:max[Δn(x)]、Δn(x)
    の最小値:min[Δn(x)]が条件: (1) 0.1×10-5<LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]<4×10-5 (2) 1≦{max[Δn(x)]-min[Δn(x)]} /{LMAX[Δn(x)]-min[Δn(x)]}<15 を満たすことを特徴とする光走査用レンズ。
  10. 【請求項10】光源側からの光束を偏向反射面を持つ光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向光束を走査結
    像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して
    上記被走査面の等速的な光走査を行なう光走査装置にお
    いて、 走査結像光学系の少なくとも一部として、請求項1また
    は2または3または4記載の光走査用レンズを搭載した
    ことを特徴とする光走査装置。
  11. 【請求項11】光源側からの光束を偏向反射面を持つ光
    偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向光束を走査結
    像光学系により被走査面上に光スポットとして集光して
    上記被走査面の等速的な光走査を行なう光走査装置にお
    いて、 走査結像光学系の少なくとも一部として、請求項5また
    は6または7または8または9記載の光走査用レンズを
    搭載したことを特徴とする光走査装置。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の光走査装置
    において、 光走査用レンズが走査結像光学系を構成することを特徴
    とする光走査装置。
  13. 【請求項13】感光媒体の感光面に光走査装置による光
    走査を行って潜像を形成し、上記潜像を可視化して画像
    を得る画像形成装置であって、 感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置として、請
    求項10または11または12記載の光走査装置を用い
    たことを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】請求項13記載の画像形成装置におい
    て、 感光媒体が光導電性の感光体であり、感光面の均一帯電
    と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像が、
    トナー画像として可視化されることを特徴とする画像形
    成装置。
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