JP2006273661A - ガラス成形装置、ガラス素材保持治具およびガラス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】型に対してガラス素材が正確に位置決され、かつ、キャビティ部がしっかりと固定されるガラス成形装置を提供すること。
【解決手段】本ガラス成形装置は、ガラスブランク3を押圧してガラスレンズ3Aを成形する一対の型1,2と、ガラスブランク3を保持しながら、一対の型1,2がガラスブランク3を押圧成形可能なように上記一対の型の一方の型2に嵌合する嵌合部4bをもつブランク保持リング4とを有しており、ガラスブランク3を保持した状態のガラス保持リング4の嵌合部4bを一方の型2に嵌合させ、成型時の加熱状態でガラス保持リング4を熱膨張の差により固定保持状態として、一対の型1,2によって上下面を押圧成形し、ブランク保持リング4のテーパ部4cとブランク挿入穴4aとで形成される空間をキャビティ部として成形することによって高精度のガラスレンズ3Aが得られる。
【選択図】図5
【解決手段】本ガラス成形装置は、ガラスブランク3を押圧してガラスレンズ3Aを成形する一対の型1,2と、ガラスブランク3を保持しながら、一対の型1,2がガラスブランク3を押圧成形可能なように上記一対の型の一方の型2に嵌合する嵌合部4bをもつブランク保持リング4とを有しており、ガラスブランク3を保持した状態のガラス保持リング4の嵌合部4bを一方の型2に嵌合させ、成型時の加熱状態でガラス保持リング4を熱膨張の差により固定保持状態として、一対の型1,2によって上下面を押圧成形し、ブランク保持リング4のテーパ部4cとブランク挿入穴4aとで形成される空間をキャビティ部として成形することによって高精度のガラスレンズ3Aが得られる。
【選択図】図5
Description
本発明は、ガラス素材を押圧して光学素子を成形するガラス成形装置、および、上記ガラス成形装置に用いられるガラス素材保持治具、さらに、上記ガラス成形装置によるガラス成形方法に関する。
従来、ガラス素材を押圧して光学素子を成形するガラス成形装置においては、成形に際してオートローダによってガラスブランク(ガラス素材)は、下型の成形面中央に位置決めして載置され、該ガラスブランクを加熱軟化状態のもとで一対の上,下型によって押圧成形して光学素子であるガラスレンズが得られる。上記ガラスブランクの下型への載置位置、および、押圧時の外周規制位置は、該ブランクの型のキャビティ外へのはみ出しをなくして型形状を正確に転写するために非常に重要である。
上述のようなガラス成形装置に関して特許文献1に開示されたものは、特に成形される光学素子の表面の欠陥発生を防止できる成形装置に関するものである。
特許文献1は、特開平10−330121号公報である。
特許文献1に開示されたガラス成形装置においては、ガラスブランクは、下型の凹状成形面中央位置に載置されるが、載置後、上記ガラスブランクを位置規制するための部材は特に設けられていない。従って、型押圧開始、さらに、押圧成形時、上記ガラスブランクが位置ずれすることなく押圧されるとは限らない。上記位置ずれがあると前述したようにブランクのキャビティ外へのはみ出しが生じて高精度の型形状の転写ができないとか、成形ガラスレンズの心出し精度が低下するなどのおそれがある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ガラス成形装置において、型に対してキャビティティがしっかりと固定され、ガラス素材を正確に位置決めされるガラス成形装置、および、ガラス成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のガラス成形装置は、ガラス素材を押圧して光学素子を成形する一対の型と、上記ガラス素材を上記一対の型の一方の型に保持しながら、上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように上記一方の型に嵌合するガラス素材保持部材とを具備する。
本発明の請求項2に記載のガラス成形装置は、請求項1に記載のガラス成形装置において、上記ガラス素材保持部材は、上記ガラス素材を保持するための開口空間部を有した枠状部材であって、一方の開口端面近傍には上記一方の型に嵌合する嵌合部と、他方の開口端面近傍にはテーパ部を有し、該テーパ部の最小径部が上記一対の型の他方の型側にあるように構成されている。
本発明の請求項3に記載のガラス成形装置は、請求項1、または、2に記載のガラス成形装置において、上記ガラス素材保持部材は、上記一方の型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有する。
本発明の請求項4に記載のガラス素材保持治具は、ガラス成形装置に用いられる部材であって、ガラス素材を押圧して光学素子を成形する一対の型の一方の型に上記ガラス素材を保持しなから上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように該一方の型に嵌合する。
本発明の請求項5に記載のガラス素材保持治具は、請求項4に記載のガラス素材保持治具において、上記ガラス素材を保持するための開口空間部を有した枠状部材てあって、一方の開口端面近傍には上記一方の型に嵌合する嵌合部と、他方の開口端面近傍にはテーパ部を有し、該テーパ部の最小径部が上記一対の型の他方の型側にあるように構成されている。
本発明の請求項6に記載のガラス素材保持治具は、請求項4、または、5に記載のガラス素材保持治具において、上記他方の型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有する。
本発明の請求項7に記載のガラス成形方法は、ガラス素材を成形して光学素子を形成するガラス成形方法において、上記ガラス素材を一対の型の一方の型に保持しなから上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように該一方の型に嵌合するガラス素材保持治具を備え、上記ガラス素材を上記一対の型で押圧して光学素子を成形する。
本発明によれば、型に対してキャビティ部がしっかりと固定され、ガラス素材が正確に位置決めされるガラス成形装置、また、該ガラス成形装置に適用されるガラス素材保持治具、および、ガラス成形方法を提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるガラス成形装置の主要部を示す断面図である。図2は、上記ガラス成形装置に適用されるブランク保持リング(ガラス素材保持治具)の断面図である。図3は、上記ガラス成形装置において、上記ブランク保持リングを用いてガラスブランク(ガラス素材)を下型上に位置決めして載置した状態を示す断面図である。図4は、搬送装置によりガラスブランクをパレットから上記ガラス成形装置へ搬送する動作状態を示す図であって、図4(A)は、上記搬送装置によりブランク保持リングを掴んだ状態を示し、図4(B)は、上記搬送装置により上記ブランク保持リングを上記ガラスブランクに挿入した状態を示し、図4(C)は、上記ブランク保持リングに挿入された上記ガラスブランクを吸着パッドで持ち上げた状態を示す。図5は、図4(C)の状態に続いて上記ガラス成形装置におけるガラスブランクの載置から成形後、ガラスレンズをパレットに戻すまでの動作状態を示す図であって、図5(A)は、上記ガラスブランクを下型上に載置した状態を示し、図5(B)は、押圧成形が終了した型閉じ状態を示し、図5(C)は、成形後、型開きを行って、上記ガラスレンズをブランク保持リングと共に持ち上げた状態を示し、図5(D)は、上記ガラスレンズをパレット上に戻した状態を示す。
図1は、本発明の一実施形態であるガラス成形装置の主要部を示す断面図である。図2は、上記ガラス成形装置に適用されるブランク保持リング(ガラス素材保持治具)の断面図である。図3は、上記ガラス成形装置において、上記ブランク保持リングを用いてガラスブランク(ガラス素材)を下型上に位置決めして載置した状態を示す断面図である。図4は、搬送装置によりガラスブランクをパレットから上記ガラス成形装置へ搬送する動作状態を示す図であって、図4(A)は、上記搬送装置によりブランク保持リングを掴んだ状態を示し、図4(B)は、上記搬送装置により上記ブランク保持リングを上記ガラスブランクに挿入した状態を示し、図4(C)は、上記ブランク保持リングに挿入された上記ガラスブランクを吸着パッドで持ち上げた状態を示す。図5は、図4(C)の状態に続いて上記ガラス成形装置におけるガラスブランクの載置から成形後、ガラスレンズをパレットに戻すまでの動作状態を示す図であって、図5(A)は、上記ガラスブランクを下型上に載置した状態を示し、図5(B)は、押圧成形が終了した型閉じ状態を示し、図5(C)は、成形後、型開きを行って、上記ガラスレンズをブランク保持リングと共に持ち上げた状態を示し、図5(D)は、上記ガラスレンズをパレット上に戻した状態を示す。
本実施形態のガラス成形装置20は、ガラス素材であるガラスブランク3を加熱軟化させ、一対の成形型で押圧し、冷却後に上記一対の成形型間を開くことで所望の面形状を有する光学素子であるガラスレンズ3Aを得るガラス成形方法を適用可能な成形装置である。このガラス成形装置20は、主要構成部材として図1に示すように一対の成形型である上型1,下型2と、下型2に支持されるガラス素材保持部材(ガラス素材保持治具)であるブランク保持リング4と、上型1,下型2を覆うスリーブ5と、上型1を支持する上軸6と、下型2を支持する下軸7と、上型1,下型2,スリーブ5の周囲に配される型加熱用熱源の1つである複数の赤外線ランプヒータ11と、密閉炉8と、支持台9と、支持台9に支持され、上軸6を上下方向に移動させるサーボモータ、または、エアーシリンダからなる駆動装置10とを有してなり、さらに、ガラスブランクおよびガラスレンズの搬送装置31が装備されている。
上型1,下型2は、ガラスブランク3からガラスレンズ3Aを成形するに足る温度領域で十分な強度を有する材料である超硬合金によって形成され、その線膨張係数は、6.6×10−6/℃である。上型1に形成される凸状成形面1aと下型2に形成される凹状成形面2aは、鏡面になっている。上型1,下型2内部には、それぞれ型加熱用熱源であるカートリッジヒータ12,13、および、型温度検出用の熱電対14,15が埋め込まれている。なお、図3に示すように下型2の凹部成形面2aの外周に該成形面と同軸心の嵌入軸部2bが形成される。
ブランク保持リング4は、枠状部材であって、ガラスブランク3を成形するに足る温度領域で十分な強度を有した超硬合金からなる。その線膨張係数は、下型2のそれより小さい値であって、5.5×10−6/℃である。
このブランク保持リング4には、図2,3に示すように一方側(下型側)の開口端部近傍に下型2の嵌入軸部2bに嵌入可能な嵌合部として内側に嵌合穴部(軸受け部)4bと、さらに、その上方部に段部を介して形成され、内側に嵌合穴部より小さい径の開口空間部を形成するブランク挿入穴4aと、該ブランク挿入穴4aの上側に連接し、内周面に設けられ、該挿入穴4aから徐々に内径を小さくいくテーパ部4cとが設けられる。そして、他方側(上型側)であるテーパ部4cの上端部に開口4dが形成されている。
嵌合穴部4bは、後述するようにブランク保持リング4に挿入されたガラスブランク3の載置時における加熱前の温度状態で下型2の嵌入軸部2bに対して遊嵌状態で嵌入可能な穴径を有しており、該温度状態では下型2に挿入可能である。そして、下型2およびガラスブランク3が後述する成形時にねらいの温度に到達したとき、嵌合穴部4bは、嵌入軸部2bに対して上述したそれぞれの線膨張係数の差(ブランク保持リング4の方が小さい)によって隙間が詰まり、圧入嵌合状態、あるいは、少なくとも隙間のない嵌合状態となる。
ブランク挿入穴4aは、加熱前の状態でガラスブランク3の外周3aが隙間のある状態で挿入可能であり、成形ガラスレンズ3Aの外径を決める寸法を有する。そして、ガラスブランク3をブランク挿入穴4aに挿入した状態で持ち上げた場合(図4(C)の状態)、ガラスブランク3の上面エッヂ部3cにブランク保持リング4のテーパ部4cが自重で当接した状態となり、ブランク保持リング4とガラスブランク3とが同心状態で支持される。
テーパ部4cは、内径側に向けて上方に傾斜する円錐面(内面)状のテーパ面で形成されている。なお、嵌合穴部4bとブランク挿入穴4aとテーパ部4cとは、同軸心上にある。テーパ部4cの内周側となる開口部4dは、ガラスブランク3の外周3aより小さく、かつ、上型1の凸状成形面1aの実際に成形を行う部分が挿入可能な大きさを有している。
なお、ブランク保持リング4のブランク挿入穴4a,テーパ部4c,開口部4dおよび上型の成形面1aと下型の成形面2aは、ブランク成形のためのキャビティ部(キャビティティ空間部)を形成するので挿入穴4a,テーパ部4c,開口部4dの形状は、ガラスレンズ3Aの外形を考慮して決定される。
上軸6は、上型1を固定支持しており、駆動装置10によって下方向D1 、または、上方向D2 に駆動される。下軸7は、下型2を固定支持しており、本成形装置20の支持台9の下部に固定支持されている。なお、上軸,下軸6,7の内部には、それぞれ型冷却用の冷媒である純水が流通可能な冷却経路(図示せず)が設けられている。
駆動装置10は、上軸6,上型1を上下駆動すると同時に密閉炉8を連動駆動する駆動装置である。駆動装置10を上昇駆動したとき、上軸6の段部6aで密閉炉8の嵌合部を引っ掛けて該密閉炉8を上昇させ、開放状態とする。駆動装置10を降下させると、密閉炉8は、上軸6と共に降下して下軸側支持板に当接して内部が密閉状態となる。その後の上軸6の降下過程では密閉炉8は影響を受けず、密閉状態を保つ。
スリーブ5は、円筒形状の超硬合金、または、セラミックス材料で形成され、上方部が上型1に固着され、かつ、精密嵌合(隙間5μmまたはそれ以下の極めて少ない状態)し、同時に下型2に対してスライド可能に精密嵌合(隙間5μm程度の極めて少ない状態)している。従って、スリーブ5によって上型1と下型2との心合わせがなされ、かつ、上型1,下型2,ガラスブランク3を保温すると同時に赤外線ランプヒータ11による照射熱が効率よく型側に伝達される。
カートリッジヒータ12,13は、上型1,下型2を熱伝導により加熱し、かつ、上記型を介してガラスブランク3を加熱する。
赤外線ランプヒータ11は、密閉炉8の内側壁に固定支持されており、密閉炉8が密閉状態にあるときスリーブ5の外周に沿って位置する。
カートリッジヒータ12,13や赤外線ランプヒータ11、また、上記冷媒は、熱電対14,15によって検出される型温度に基づいて成型装置20の図示しない制御部により制御され、各工程時におけるガラスブランク3および上,下型1,2の温度制御が行われる。
密閉炉8は、上軸6に対して所定量摺動可能に支持され、上述したように上軸6を介して駆動装置10によって連動駆動される。すなわち、上軸6の段部6aと当接した状態のもとでは上軸6とともに上下方向に駆動され、その連動移動により上型1,下型2,スリーブ5の周囲空間を密閉、または、開放する。成形時、密閉状態にあるとき、真空または非酸化雰囲気で充満できるように摺動し、接触部にはシールが施されている。また、密閉炉8には、ガスの排気口と導入口とが設けてあり、成形中、該排気口,導入口を介して炉内は真空排気、さらに、非酸化性ガス導入が可能である。
ガラスレンズ3Aは、例えば、ランタン系ガラス等のガラスブランク3により成形されるガラス成形体(光学素子)であって、上面側が非球面の凹形状を有し、下面側が非球面の凸形状をもつメニスカスレンズである。なお、ガラスブランク3は、予め研削、研磨によりガラスレンズ3Aの近似形状に加工されている。
搬送装置31は、ガラスブランク3、あるいは、成形後のガラスレンズ3Aのパレット35,下型2間における搬入,排出を行う装置であって、ガラス成形装置20に併設して配置されている。この搬送装置31は、搬送アームと、該アームに支持され、ブランク保持リング4を掴むための把持部32およびガラスレンズ3Aを吸着するための吸着パッド34と、吸着パッド34を駆動する駆動部33とを有している。
次に、上述した構成を有するガラス成形装置20によるガラスレンズ3Aの搬送,成形工程について、図4(A)〜4(C),図5(A)〜5(D)を用いて説明する。
まず、図4(A),(B)に示すように搬送装置31の搬送アームの把持部32で把持されているブランク保持リング4をパレット35上にあるガラスブランク3の上方位置に移動させる。そこで、把持部32を降下させてガラスブランク3をブランク保持リング4のブランク挿入穴4aに挿入する。続いて、吸着パッド34をガラスブランク3に当接させ、吸着し、把持部32をブランク保持リング4から開放する。そして、図4(C)に示すように吸着パッド34でガラスブランク3を持ち上げる。この状態では、ガラスブランク3は、上面エッヂ部3cがブランク保持リング4のテーパ部4cに該リング4の自重で当接し、ガラスブランク3は、その軸心がブランク保持リング4の軸心とが略一致した状態に保持される。
続いて、図5(A)に示すように搬送装置31を駆動してブランク保持リング4に保持されたガラスブランク3を未加熱状態にあるガラス成形装置20の下型2の凹状成形面2a上に移動させ、ブランク保持リング4の嵌合穴部4bを下型2の嵌入軸部2bに嵌合させる。搬送装置31は、吸着パッド34のガラスブランク3に対する吸着を解除して吸着パッド34からガラスブランク3を離間させた後、ガラス成形装置20の外方に退避させる。この状態では、嵌合穴部4bと嵌入軸部2bとは僅かな嵌合隙間のある状態で嵌合しており、未だブランク保持リング4は、下型2に対して完全に位置決め固定された状態ではない。
上軸6をD1 方向に降下させ、上軸6に連動させて密閉炉8も降下させ、密閉状態とする。上型1の凸状成形面1aがガラスブランク3に対して所定の離間距離に到達した状態で上軸6の降下を一旦停止させる。そこで、密閉炉8内を真空状態とし、非酸化性ガスである窒素ガスで置換する。そして、ガラス成形装置20の上記制御部のコントロールのもとでカートリッジヒータ12,13や赤外線ランプヒータ11に通電し、上型1,ブランク保持リング4,下型2,スリーブ5、および、ガラスブランク3の加熱を開始する。ねらいの温度(ガラス素材の転移点を上回る温度、例えば、500°C〜600°C)に到達したら上型1をD1 方向に再降下させて、凸状成形面1a,凹状成形面2aによりガラスブランク3を押圧を開始する。
上記押圧開始時、ブランク保持リング4と下型2とはともに上記ねらいの温度に加熱されており、上述したそれぞれの線膨張係数に対応して膨張している。線膨張係数がより大きい方の下型2の嵌入軸部2bがブランク保持リング4の嵌合穴部4bより大きく膨張する。従って、嵌入軸部2bと嵌入軸部2bとの嵌合隙間がなくなり、ブランク保持リング4の断面には、円周方向に引張り応力が発生した圧入状態となるので、ブランク保持リング4は、下型2に対して径方向にガタなく、すなわち、隙間なく固定され、かつ、互いの軸心が一致した状態になる。したがって、ガラスブランク3が押圧され、変形するときにブランク保持リング4のずれが生じない。
以後、図5(B)に示すように上型1の降下によりガラスブランク3が所定の厚みまで押圧されると上型1の降下を停止する。上述のようにしっかり固定されたブランク保持リング4の内部でガラスレンズ3Aは、その上下面が上,下型の成形面1a,2aにより転写形成され、また、ブランク保持リング4のブランク挿入穴4aとテーパ部4cとで形成される空間がキャビティ部として機能し、特にテーパ部4cがガラスブランク3の流れを規制し、外部へのはみ出しを抑制する。
上記押圧成形後、カートリッジヒータ12,13および赤外線ランプヒータ11の通電を停止させる。一方、冷却経路に冷媒としての純水を通して冷却工程に入り、型の冷却を開始する。上記冷却により上,下型およびガラスレンズの熱は、上記冷媒を介して系外に放出される。
上,下型温度が所定の温度(転移点以下)まで下がったとき、押圧を終了し、上型1を駆動装置10によって上昇させて型開きを行うが、その上昇量は、成形初期に上型1を降下させた距離よりも少なく、密閉炉8に上軸6の段部6aが当接する直前であって、まだ密閉炉8を引き上げない程度とする。その後、上,下型1,2の型温度が酸化しない温度(200°C)まで下がったとき、駆動装置10によって上軸6を上昇させ、上軸6の段部6aを介して密閉炉8を持ち上げ、炉開放状態とする。この冷却状態で嵌合穴部4bと嵌入軸部2bとは、下型2の収縮がブランク保持リング4の収縮より大きいため、再び遊嵌状態に戻り、ブランク保持リング4を下型2から抜き出し可能となる。また、ガラスレンズ3Aは、ブランク保持リング4ともに下型2から離型可能状態となる。
そこで、図5(C)示すように搬送装置31を下型2の上方に挿入し、吸着パッド34によりガラスレンズ3Aを吸着してブランク保持リング4と共に持ち上げる。さらに、図5(D)に示すように搬送装置31によってガラスレンズ3Aとブランク保持リング4をガラス成形装置20からパレット35上まで移動させ、把持部32でブランク保持リング4を把持した状態とし、吸着パッド34の吸着力を解除すると、ガラスレンズ3Aは、冷却によりブランク保持リング4に対して遊嵌状態にあることからパレット35上に落下する。以上の動作によりガラスレンズ3Aの成形工程の一サイクルが終了する。
上述した本実施形態のガラス成形装置20によれば、ガラス素材であるガラスブランク3の下型2に対する位置決め及び固定保持をガラス素材保持治具としてのブランク保持リング4を適用することによってガラスブランク3のはみ出しが防止され、精度よく型の転写が行える。すなわち、ガラスブランク3をブランク保持リング4で保持した状態で下型2に載置し、成形に際して下型2とブランク保持リング4との線膨張係数の差を利用することでキャビティ部となるブランク保持リング4がガタのない状態でしっかりと固定される。そして、ガラスブランク3も該リング4を介して軸心ずれの少ない状態に保持される。そのような保持状態のもとで成形を行うことによって成形時のキャビティ部を形成することからガラスブランク3のはみ出しも防止でき、精度よく凸,凹成形面が転写され、心ずれの少ないガラスレンズ3Aを得ることができる。
なお、本実施形態のガラス成形装置20では、上型1側を可動型としてが、これに限らず、上型1側を固定型とし、下型2側を可動型として、他は同様な構成を適用しても同様の効果を得ることができる。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によるガラス成形装置、または、ガラス成型方法は、型に対してガラス素材を正確に位置決めされるため、型転写精度のよい光学素子が得られるものとして利用可能である。
1 …上型(一対の型)
2 …下型(一対の型,一方の型)
3 …ガラスブランク(ガラス素材)
3A…ガラスレンズ(光学素子)
4 …ブランク保持リング
(ガラス素材保持部材,
ガラス素材保持治具,枠状部材)
4a…ブランク挿入穴(開口空間部)
4b…嵌合穴部(嵌合部)
4c…テーパ部
代理人 弁理士 伊 藤 進
2 …下型(一対の型,一方の型)
3 …ガラスブランク(ガラス素材)
3A…ガラスレンズ(光学素子)
4 …ブランク保持リング
(ガラス素材保持部材,
ガラス素材保持治具,枠状部材)
4a…ブランク挿入穴(開口空間部)
4b…嵌合穴部(嵌合部)
4c…テーパ部
代理人 弁理士 伊 藤 進
Claims (7)
- ガラス素材を押圧して光学素子を成形する一対の型と、
上記ガラス素材を上記一対の型の一方の型に保持しながら、上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように上記一方の型に嵌合するガラス素材保持部材と、
を有することを特徴とするガラス成形装置。 - 上記ガラス素材保持部材は、上記ガラス素材を保持するための開口空間部を有した枠状部材であって、一方の開口端面近傍には上記一方の型に嵌合する嵌合部と、他方の開口端面近傍にはテーパ部を有し、該テーパ部の最小径部が上記一対の型の他方の型側にあるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス成形装置。
- 上記ガラス素材保持部材は、上記一方の型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とする請求項1、または、2に記載のガラス成形装置。
- ガラス成形装置に用いられる部材であって、ガラス素材を押圧して光学素子を成形する一対の型の一方の型に上記ガラス素材を保持しなから上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように該一方の型に嵌合することを特徴とするガラス素材保持治具。
- 上記ガラス素材保持治具は、上記ガラス素材を保持するための開口空間部を有した枠状部材てあって、一方の開口端面近傍には上記一方の型に嵌合する嵌合部と、他方の開口端面近傍にはテーパ部を有し、該テーパ部の最小径部が上記一対の型の他方の型側にあるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス素材保持治具。
- 上記ガラス素材保持治具は、上記他方の型の線膨張係数より小さい線膨張係数を有することを特徴とする請求項4、または、5に記載のガラス素材保持治具。
- ガラス素材を成形して光学素子を形成するガラス成形方法において、
上記ガラス素材を一対の型の一方の型に保持しなから上記一対の型が上記ガラス素材を押圧成形可能なように該一方の型に嵌合するガラス素材保持治具を備え、上記ガラス素材を上記一対の型で押圧して光学素子を成形することを特徴とするガラス成形方法。
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JP2005095717A Pending JP2006273661A (ja) | 2005-03-29 | 2005-03-29 | ガラス成形装置、ガラス素材保持治具およびガラス成形方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012076975A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Olympus Corp | 光学素子の成形用型セット |
CN110615600A (zh) * | 2018-06-20 | 2019-12-27 | 欣弘元科技股份有限公司 | 玻璃成形炉 |
CN113891862A (zh) * | 2019-07-05 | 2022-01-04 | Hoya株式会社 | 玻璃透镜成型模具 |
-
2005
- 2005-03-29 JP JP2005095717A patent/JP2006273661A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012076975A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Olympus Corp | 光学素子の成形用型セット |
CN110615600A (zh) * | 2018-06-20 | 2019-12-27 | 欣弘元科技股份有限公司 | 玻璃成形炉 |
CN113891862A (zh) * | 2019-07-05 | 2022-01-04 | Hoya株式会社 | 玻璃透镜成型模具 |
CN113891862B (zh) * | 2019-07-05 | 2024-02-13 | Hoya株式会社 | 玻璃透镜成型模具 |
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