JP2011057515A - ガラスゴブ及びガラス成形体の製造方法 - Google Patents

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和幸 小椋
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Abstract

【課題】滴下する溶融ガラス滴を変えることなく、適量のガラスからなるガラスゴブの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融ガラスを溶融ガラス滴として下型に滴下してガラスゴブを形成するガラスゴブの製造方法において、前記溶融ガラス滴を受ける前記下型に、該溶融ガラス滴を衝突させ、前記溶融ガラス滴の一部が前記下型に残るように分離させて、前記下型に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、前記下型に供給された前記溶融ガラスを冷却する冷却工程と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラスゴブ及びガラス成形体の製造方法に関する。
今日、ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズなどとして広範にわたって利用されている。
かかる光学素子は、加熱、軟化したガラス素材を成形型で加圧成形するプレス成形法により製造されることが多くなってきた。ガラス製の光学素子のプレス成形法として以下の液滴法が知られている。
液滴法は、予め上下の成形型を所定温度に加熱しておき、下型の表面に溶融したガラス素材を滴下して、滴下されたガラス素材が未だ変形可能な温度にある間に上下の成形型にて加圧成形してガラス成形体に光学機能面を転写させる方法である。
液滴法においては、光学素子をなす上で適量の溶融ガラスを下型に滴下する必要がある。例えば、溶融ガラスを貯留する溶融槽の下部に、溶融ガラス滴を滴下するための滴下ノズルが接続され、その滴下ノズルから溶融ガラス滴を下型に対して滴下する場合、滴下ノズルの最適化が重要である。すなわち、溶融ガラス滴が適量となるように、滴下ノズルの内径、長さ、温度等を十分に調整する必要がある。
このため、製造する光学素子の変更に際し、ガラス材料が同じであっても、下型に滴下する溶融ガラス滴の大きさ(質量)を変更しなければならない場合、変更の都度、滴下ノズルを十分に調整しなければならず、多大な費用と作業を要する。また、小さい溶融ガラス滴を得ることができない。
特許文献1には、貫通細孔を設けた部材上に溶融ガラス滴を滴下し、溶融ガラス滴の一部を微小滴として貫通細孔を通過させ、この貫通孔を通過した微小滴を冷却固化又は加圧成形することにより微小ガラス素材(ゴブ)又は微小ガラス素子を製造する方法が開示されている。この方法によれば、溶融ガラス滴の大きさを変更しないで、貫通細孔の大きさを変更することにより、押し出される微小滴の大きさを調整することができる。
特開2002−154834号公報
しかしながら、特許文献1において、所定の大きさの微小滴を得るためには所定の大きさに応じた貫通細孔を設けた部材が必要である。更に、貫通細孔と下型との相対的な位置ずれをなるべく小さくする必要があり、特に高精度な微小ガラス素子を得ようとする場合、貫通細孔を設けた部材と下型とを滴下方向に垂直な面内での位置を、例えば10μm程度の精度で調整を行う必要がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、滴下する溶融ガラス滴を変えることなく、適量のガラスからなるガラスゴブの製造方法及びガラス成形体の製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1.溶融ガラスを溶融ガラス滴として下型に滴下してガラスゴブを形成するガラスゴブの製造方法において、
前記溶融ガラス滴を受ける前記下型に、該溶融ガラス滴を衝突させ、前記溶融ガラス滴の一部が前記下型に残るように分離させて、前記下型に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
前記下型に供給された前記溶融ガラスを冷却する冷却工程と、を有することを特徴とするガラスゴブの製造方法。
2.前記下型に衝突し、前記下型に残らないで前記下型の周囲に落下した前記溶融ガラスを除去する余剰ガラス除去工程を有することを特徴とする前記1に記載のガラスゴブの製造方法。
3.前記下型は複数あり、前記溶融ガラスの一滴で複数の前記下型に前記溶融ガラスを供給することを特徴とする前記1又は2に記載のガラスゴブの製造方法。
4.溶融ガラスを下型に滴下し、滴下された溶融ガラス滴を前記下型と該下型に対向する上型とで加圧成形してガラス成形体を形成するガラス成形体の製造方法において、
前記溶融ガラス滴を受ける前記下型に、該溶融ガラス滴を衝突させ、前記溶融ガラス滴の一部が前記下型に残るように分離させて、前記下型に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
前記下型に供給された前記溶融ガラスを、前記上型を用いて加圧成形する加圧成形工程と、を有することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
5.前記下型に衝突し、前記下型に残らないで前記下型の周囲に落下した前記溶融ガラスを除去する余剰ガラス除去工程を有することを特徴とする前記4に記載のガラス成形体の製造方法。
6.前記下型及び前記上型は複数組あり、前記溶融ガラスの一滴で複数の前記下型に前記溶融ガラスを供給することを特徴とする前記4又は5に記載のガラス成形体の製造方法。
本発明によれば、溶融ガラス滴を下型の成形面に衝突させ、分離させて溶融ガラス滴の一部を下型に残るようにすることにより、下型に適量の溶融ガラスを供給することができる。従って、滴下する溶融ガラス滴を変えることなく、適量のガラスからなるガラスゴブの製造方法及びガラス成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態におけるガラスゴブの製造方法を示すフローチャートである。 ガラスゴブの製造装置の模式図である。 ガラスゴブの製造装置における、溶融ガラス滴が下型に衝突する前後を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるガラス成形体の製造方法を示すフローチャートである。 ガラス成形体の製造方法において、溶融ガラス滴を滴下し、下型に衝突させる工程における状態を示す図である。 ガラス成形体の製造方法において、下型と上型とで溶融ガラスを加圧成形する工程における状態を示す図である。 複数の下型に1つの溶融ガラス滴を滴下する状態を示す図である。 余剰ガラスを除去する除去部材の例を説明する図である。 余剰ガラスを除去する除去部材の例を説明する図である。 実施例1及び2における下型、上型の形状を説明する図である。
本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
本発明は、滴下した溶融ガラスを下型に衝突させ、溶融ガラスの一部を下型に残すことにより、滴下する溶融ガラスの量を変えることなく適量の溶融ガラスを下型に供給し、ガラスゴブやガラス成形体を形成する技術に関するものである。適量の溶融ガラスとは、ガラスゴブやガラス成形体を形成する上で、必要十分な量の溶融ガラスである。
(第1の実施形態)
(ガラスゴブの製造方法)
本発明の第1の実施形態であるガラスゴブの製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。
ガラスゴブとは、溶融ガラスを所定容量(適量)に分割したガラス塊であって、滴下ガラスを受ける下型の面形状が転写された下面、及び、下面に対して反対面であって表面張力等により形成される自由面である上面を持つガラス塊を言う。このガラスゴブは、再加熱法による各種精密光学素子の製造に用いるガラスプリフォーム(ゴブプリフォーム)などとして用いることができ、ガラスの種類には特に制限はない。
図1は、ガラスゴブの製造方法を示すフローチャートである。また、図2は本実施形態に用いるガラスゴブの製造装置の模式図であり、滴下ノズル23から滴下した溶融ガラス滴20が下型11に向かって落下している様子を示している。溶融ガラス22を貯留する溶融槽21の下部に、溶融ガラス滴20を滴下するための滴下ノズル23が接続されている。滴下ノズル23の下方に、溶融ガラス滴20を受けるための下型11が配置されている。図3(a)〜(c)は、溶融ガラス滴20が下型11に衝突する前後を模式的に示している。
以下の説明において、溶融ガラス滴20が下型11に衝突し、下型11の上に残った溶融ガラスを供給ガラス20aと呼び、下型11の周囲に落下した溶融ガラスを余剰ガラス20bと呼ぶ。
以下、図1に示したフローチャートに従って、各工程を順に説明する。
先ず、下型11を所定温度に加熱する(工程S101)。下型11の温度が低すぎると、下型11上の供給ガラス20aのひけが大きくなって不均一に縮まってしまい、しわが発生しやすく、また、急速に冷却されることによってガラスゴブにワレやクラックが発生する場合がある。逆に、必要以上に温度を高くしすぎると、供給ガラス20a又はガラスゴブ31と下型11との間に融着が発生したり、下型11の寿命が短くなったりするおそれがある。実際には、ガラスの種類や、形状、大きさ、下型11の材質、大きさ等種々の条件によって適正な温度が異なるため、実験的に適正な温度を求めておくことが好ましい。
このため、下型11は、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段は、公知の加熱手段の中から適宜選択して用いることができる。例えば、下型11の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、下型11の外側に接触させて使用するシート状のヒーター、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。
下型11の材料は、溶融ガラスの受け型や成形金型の材料として公知の材料の中から、条件に応じて適宜選択して用いることができる。好ましく用いることができる材料として、例えば、各種耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含んだ複合材料等が挙げられる。
また、下型11の更なる耐久性向上やガラスとの融着防止などのため、表面に被覆層を設けておくことも好ましい。被覆層の材料にも特に制限はなく、例えば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタン等)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素等)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン等)等を用いることができる。被覆層の成膜方法にも制限はなく、公知の成膜方法の中から適宜選択して用いればよい。例えば、真空蒸着、スパッタ、CVD等が挙げられる。
次に、滴下ノズル23から溶融ガラス滴20を滴下し、下型11に衝突させる(工程S102)。溶融槽21は図示しないヒーターによって加熱され、内部に溶融ガラス22が貯留されている。その状態で、滴下ノズル23を所定温度に加熱すると、溶融ガラス22が自重によって滴下ノズル23の内部に設けられた流路を通過し、表面張力によって先端部に溜まる。一定質量の溶融ガラスが溜まると、滴下ノズル23の先端部から自然に分離し、一定質量の溶融ガラス滴20が下方に滴下する。
滴下ノズル23の温度が高すぎる場合は、白金等のノズル材質の耐性が劣化する問題がり、また、溶融ガラス滴20が下型11へ衝突後、下型11の上に残された供給ガラス20aの形状に影響し、粘度が低くなりすぎて平べったい形状になったり、下型11への融着が生じたりする。
また、滴下ノズル23の温度が低すぎる場合は、失透が生じたり、溶融ガラス滴20が下型11に衝突した際に溶融ガラスが冷えすぎて粘度が高くなって分離できなくなったり、分離のための衝突の際の衝撃を大きくする必要がある。
滴下ノズル23から滴下する溶融ガラス滴20の質量は、下型11の上に残る供給ガラス20aの質量よりも大きいことが必要であり、下型11の上に残る供給ガラス20aの質量の1.5倍以上とすることが好ましい。溶融ガラス滴20と供給ガラス20aとの質量差が小さいと得られる供給ガラス20aの質量のばらつきが大きくなる傾向がある。
滴下された後の溶融ガラス滴20の直径は、他の条件にもよるが、概ね5mmから10mm程度の範囲であり、これに対し下型11の直径は、概ね1mmから20mm程度の範囲である。
滴下ノズル23から滴下する溶融ガラス滴20の質量は、例えば、溶融ガラスの種類(粘度、表面張力、比重)、温度等の影響を受けるが、調整可能であり、0.1gから2g程度の溶融ガラス滴20を滴下することができる。溶融ガラス滴20の滴下間隔(サイクル)は、滴下ノズル23の内径、長さ、温度などによって調整することができ、溶融ガラス滴20の温度は、滴下ノズル23の温度により調整することができる。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。
これまで説明した条件を適切に設定することで、所望のガラス材料における所定の質量の溶融ガラス滴20を所望の間隔で滴下させることが可能である。
次に、溶融ガラス滴20が滴下され、下型11の受け面に衝突すると、その衝撃によって適量の溶融ガラス滴20の一部が下型11の上に供給ガラス20aとして残る。
下型11上の供給ガラス20aは、下型11に接している側と反対側の面は表面張力等により自由面となり、そのまま冷却・固化させてガラスゴブ31を形成する(工程S103)。溶融ガラス滴の下型11の上に残らない他の部分は、余剰ガラス20bとして、下型11の周辺に配置されたガラス除去部材12a、12bに落下し、冷却・固化させる。ガラス除去部材12a、12bの詳細は後述する。
滴下ノズル23と下型11との間の距離Hは、近すぎると溶融ガラス滴20が下型11に衝突する際の衝撃が小さくなり、供給ガラス20aが適量で下型11に残るように溶融ガラス滴20を分離できない。また、遠すぎると溶融ガラス滴20が冷えてしまい、供給ガラス20aが適量で下型11に残るように溶融ガラス滴20を分離できない。この距離Hは、実用的な範囲として、100mmから2000mmの範囲で実験等により適宜決めればよい。
下型11の受け面(成形面)の形状においては、凹面や平面では特に制約は無いが、凸型は、その成形面の最大傾斜角度が30°を超えないことが好ましい。成形面の最大傾斜角度が30°を超えて大きくなると、衝突した溶融ガラス滴20を下型11の上に適量溜めることが困難となる。
下型11の受け面に衝突した溶融ガラス滴20は、下型11の受け面上で広がり、下型11の受け面より広がり過ぎた溶融ガラスは、下型11の受け面に衝突しなかった溶融ガラスと共に下型11の周囲に落下する。供給ガラス20aの質量は、主に、下型11の受け面の大きさ、衝突直前の溶融ガラス滴の温度及び距離Hにより決まる。
溶融ガラス滴20は、下型11の受け面の全面に衝突するのがより好ましい。全面に衝突することにより、下型11の上に安定した適量の供給ガラス20aを残すことができる。
溶融ガラス滴20の滴下位置と下型11との位置関係は、下型11の上に溶融ガラス滴20が衝突すればよく、高精度な位置調整は必要としない。このため、図7に示すように、溶融ガラス滴20の滴下範囲に複数の下型、例えば下型11a〜11bを配置することにより、一滴の溶融ガラス滴20から複数個のガラスゴブを同時に得ることができる。また、以降の第2の実施形態で説明する様に上型を用いることにより複数個のガラス成形体を得ることもできる。
次に、下型11の上で供給ガラス20aを冷却・固化する(工程S103)。供給ガラス20aは、下型11の上で所定時間放置される間に、下型11との接触面や、周囲への放熱等によって冷却・固化し、ガラスゴブ31となる。
次に、固化したガラスゴブ31を回収し(工程S104)、下型11の周辺の余剰ガラス20bを除去して(工程S105)、ガラスゴブ31の製造が完成する。
余剰ガラス20bが下型11の周辺に堆積していくと、下型11の温度に変化を生じ、下型11の上に供給される供給ガラス20aの量が変化する等の不具合が生じる。このため、余剰ガラス20bは、除去するのが好ましく、溶融ガラス滴20の滴下の都度行うのがより好ましい。余剰ガラス20bの除去は、例えば、図2や図3に示すような、下型11の周囲に除去部材12a、12bを設ける。
除去部材12a、12bに関して図8(a)、(b)を用いて説明する。図8は、下型11と除去部材12a、12bとを側面から見た様子を示す。図8(a)に示すように、除去部材12a、12bは、それぞれ水平に配置された、互いに接離可能なように配置された板状部材である。除去部材12aと除去部材12bとは、下型11の中央を挟んで先端同士が付き合わされた状態で下型11の周囲を隙間無く囲むことができる。溶融ガラス滴20が下型11の上に衝突し、余剰ガラス20bが除去部材12a、12bに落下した後、除去部材12a、12bは、図8(b)に示すように、互いに離れる方向に移動させ、余剰ガラス20bを除去部材12a、12bと共に下型11から待避させる。除去部材12a、12bの待避後、エアーで吹き飛ばす、除去部材12a、12bを上下反転して落下させる、吸着して除去する、挟み取る等の方法の中から適宜選択して余剰ガラス20bを除去部材12a、12bから除去すればよい。
溶融ガラス滴20を受ける際の除去部材12a、12bが付き合わさる先端部は、溶融ガラス滴20を受ける側に溝を構成する、又は、隙間を設けるのが好ましい。こうした先端部にしておくことにより、除去部材12a、12bを互いに離れる方向に移動させた時に、除去部材12a、12bの上側で固化した余剰ガラス20bを容易に2つに分離することができる。
また、余剰ガラス20bの除去方法の他の例として、上記のような移動を伴う機構の他、図9に示すように傾斜面を持たせた三角柱形状の除去部材13がある。除去部材13は、余剰ガラス20bの落下時、余剰ガラス20bを除去部材13の中央の峰部分で2つに分離させ、そのまま傾斜面を滑らせて下型11から離れた位置に落下させる。余剰ガラス20bの分離や分離後の落下の際、エアーを余剰ガラス20bに吹き付けて分離、落下を促すようにしてもよい。
上記の除去部材12a、12b及び除去部材13は、図7に示す複数の下型11a〜11cが一列に並んでいる場合にも利用できる。複数の下型が複数列で2次元に配置される場合、除去部材は、溶融ガラス滴が落下する重力方向に及びこれに対して垂直方向に移動可能とし、まず、余剰ガラス20bを上方に移動させた後、左右何れかの方向に移動させて除去することができる。
その後、更に引き続いてガラスゴブの製造を行う場合(工程106 Yes)は、工程S102〜工程S105を繰り返せばよい。
尚、本第1の実施形態において、下型11の溶融ガラス滴20を受ける成形面は、円形状として説明したが、必ずしも円形である必要はない。例えば四角形状とした場合、滴下方向に垂直な面内での形状が四角に近似な形状のガラスゴブを得ることができる。このような概四角形状のガラスゴブは、従来の貫通細孔を設けた部材を使用した方法では得ることができない。
以上説明したように、本実施形態において、滴下した溶融ガラス滴を下型11に衝突させることにより、下型11の上に適量の溶融ガラスを供給することができ、容易に品質が十分に安定したガラスゴブを得ることができる。
(第2の実施形態)
(ガラス成形体の製造方法)
次に、本発明のガラス成形体の製造方法について図4〜図6を参照しながら説明する。本発明のガラス成形体の製造方法は、溶融ガラス滴20を下型11に滴下、衝突させ、溶融ガラス滴20の一部を下型11の上に残した後、更に、下型11と上型15とで加圧成形してガラス成形体32を製造する方法である。
溶融ガラス滴20を下型11に滴下、衝突させ、溶融ガラス滴20の一部として供給ガラス20aを下型11の上に残すことに関しては、上述の第1の実施形態と同じである。
図4は、ガラス成形体の製造方法を示すフローチャートである。また、図5、図6は本実施形態に用いるガラス成形体32の製造装置の模式図である。図5は、溶融ガラス滴20を滴下し、下型11に衝突させる工程(工程S203)における途中の状態を示している。また、図6は、下型11と上型15とで下型11に残った供給ガラス20aを加圧成形する工程(工程S206)における状態を示している。
図5、図6に示すガラス成形体32の製造装置は、図2に示したガラスゴブの製造装置の構成に加えて、下型11と共に供給ガラス20aを加圧成形するための上型15を有している。上型15は、下型11と同様に、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。下型11と上型15とをそれぞれ独立して温度制御することができる構成であることが好ましい。また、上型15の材料は、下型11の場合と同様の材料の中から適宜選択することができる。下型11と上型15の材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、下型11は、図示しない駆動手段により、滴下ノズル23の下方で溶融ガラス滴20を受けるための位置(滴下位置P1)と、上型15と対向して加圧成形を行うための位置(加圧位置P2)との間で移動可能に構成されている。また上型15は、図示しない駆動手段により、供給ガラス20aを加圧する方向(図5の上下方向)に移動可能に構成されている。
以下、図4に示したフローチャートに従って、各工程を順に説明する。尚、上述のガラスゴブの製造方法の場合と同様の工程については、詳しい説明を省略する。
先ず、下型11及び上型15を所定温度に加熱する(工程S201)。所定温度とは、上述の第1の実施形態における工程S101の場合と同様であり、加圧成形によってガラス成形体32に良好な転写面を形成できる温度を適宜選択すればよい。下型11と上型15の加熱温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、下型11を滴下位置P1に移動した後(工程S202)、滴下ノズル23から溶融ガラス滴20を滴下し、滴下した溶融ガラス滴20を下型11に衝突させる(工程S203)。工程S203の詳細については、上述の第1の実施形態の場合の工程S102と同様である。
第1の実施形態と同じく、滴下した溶融ガラス滴20は、下型11の成形面上に衝突し、その成形面に適量の溶融ガラス滴20の一部を供給ガラス20aとして残し、他の溶融ガラス滴20は下型11の周辺に落下する。溶融ガラス滴20の滴下位置と下型11とを高精度に配置する必要がなく、また下型11の上にばらつきが少なく適量の溶融ガラスを供給することができる。
次に、下型11を加圧位置P2に移動し(工程S204)、上型15を下方に移動して、下型11と上型15とで供給ガラス20aとして加圧成形する(工程S205)。
下型11に滴下され、残された供給ガラス20aは、加圧成形される間に下型11や上型15との接触面からの放熱によって冷却し、固化する。固化して得られたガラス成形体32が、下型11や上型15による転写面の形状が崩れない温度にまで冷却された後、加圧を解除する。ガラスの種類や、ガラス成形体32の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常はガラスのTg近傍の温度まで冷却されていればよい。
加圧成形の際に負荷する荷重は、常に一定であってもよいし、時間的に変化させてもよい。負荷する荷重の大きさは、製造するガラス成形体32のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。また、上型15を上下移動させる駆動手段に特に制限はなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。
次に、上型15を退避させてガラス成形体32を回収し(工程S206)、第1の実施形態で説明した方法と同様な方法により余剰ガラス20bを除去して(工程S207)、ガラス成形体32の製造が完成する。その後、引き続いてガラス成形体32の製造を行う場合(工程S208 Yes)は、下型11を再び滴下位置P1に移動し(工程S202)、工程S202〜工程S207を繰り返せばよい。
尚、製造するガラス成形体32は、必ずしも使用する上での最終的な形状である必要はなく、ガラス成形体32において、芯取りして最終的な形状とする場合がある。この場合、供給ガラス20aは、最終的な形状における所定の質量である必要はなく、最終的な形状を得る上で、芯取りを想定した必要十分なガラス成形体32を得ることができる、適量であればよい。
また、本発明のガラス成形体の製造方法は、ここで説明した以外の別の工程を含んでいてもよい。例えば、ガラス成形体を回収する前にガラス成形体の形状を検査する工程や、ガラス成形体を回収した後に下型11や上型15をクリーニングする工程等を設けてもよい。
以上説明したように、本実施形態において、滴下した溶融ガラス滴を下型11に衝突させることにより、下型11の上に適量の溶融ガラスを供給することができ、更に、上型15で加圧成形することにより、容易に品質が十分に安定したガラス成形体32を得ることができる。
本実施形態の製造方法により製造されたガラス成形体32は、デジタルカメラ等の撮像レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、光通信用のカップリングレンズ等の各種光学素子として用いることができる。また、リヒートプレス法により光学素子を製造するためのガラスプリフォームとしても用いることができる。
(実施例1)
第1の実施形態において説明したガラスゴブの製造方法により滴下ノズル23から滴下した溶融ガラス滴20を下型11に衝突させて、ガラスゴブ31を作製した。
硝材は、リン酸系ガラス(転移点Tg=427℃、屈伏点At=474℃、比重ρ=3.2)を使用した。
下型11は、図10(a)に示す通り、直径D=φ7mmの上面(受け面)で、平坦面の中央に直径d1=φ4mm、深さdp1=1mmの球の一部の窪みを有している。この下型11を用いて作製するガラスゴブ31は、外観は図3(c)のガラスゴブ31に示すようであり、外径φ7mm、厚み2.5mmであり、下側凸形状の外周径4mm、コバの平坦面からの高さ1mm、該コバの平坦面から上側凸形状の高さ1.5mmとした。
下型11の温度は、450℃〜520℃の範囲で実験により適宜調整し、490℃に設定し、滴下ノズル23と下型11との間の距離H(図2参照)は、実験より800mmに設定した。滴下ノズル23の温度は、900〜1050℃の範囲で実験により適宜調整し、1000℃に設定した。滴下ノズル23の先端径は、これまでの経験等より直径(内径)φ8mmとした。
上記の条件設定より、約400mgの溶融ガラス滴20がサイクル約12秒で滴下され、下型11に衝突させることができる。
下型11に滴下、衝突させ、冷却・固化させ、ガラスゴブを100個製作し、その質量を測定した。その結果、全てのガラスゴブは、120±0.5mgの範囲内となり、質量のばらつき範囲が実用上十分な範囲内となっており、外観も問題ないことが確認できた。
また、余剰ガラス20bは、図3に示す除去部材12a、12bを使用し、成形の都度稼動させることにより問題なく除去できた。
(実施例2)
第2の実施形態で説明したガラス成形体の製造方法により滴下ノズル23から滴下した溶融ガラス滴20を下型11に衝突させて、上型15とで加圧成形してガラス成形体32を作製した。
作製の条件は、実施例1で説明した条件に加え、図10(b)に示す通り、直径D=φ7mm、直径d2=φ3mm、深さdp2=0.3mmの上型15を用いた。上型15の温度は430〜500℃の範囲で適宜調整し、480℃とした。また、下型11と上型15とで加圧成形する際の成形圧を196N〜980Nの範囲で適宜調整し、294Nとした。この成形圧により、下型11と上型15の平坦部の間の距離Lは1mmとなるように制御し、ガラス成形体の厚み(芯厚)は、2.3mmとした。
上記の条件設定より、ガラス成形体を100個製作し、その質量を測定した。その結果、全てのガラスゴブは、120±0.5mgの範囲内となり、質量のばらつき範囲が実用上十分な範囲内となっていることが確認できた。また、全ての芯厚は、2.3mm±0.02mmの範囲内であり、成形面は透過波面で確認したところ全て良好であった。
11 下型
12a、12b、13 除去部材
15 上型
20 溶融ガラス滴
21 溶融槽
22 溶融ガラス
23 滴下ノズル
20a 供給ガラス
20b 余剰ガラス
31 ガラスゴブ
32 ガラス成形体
P1 滴下位置
P2 加圧位置

Claims (6)

  1. 溶融ガラスを溶融ガラス滴として下型に滴下してガラスゴブを形成するガラスゴブの製造方法において、
    前記溶融ガラス滴を受ける前記下型に、該溶融ガラス滴を衝突させ、前記溶融ガラス滴の一部が前記下型に残るように分離させて、前記下型に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
    前記下型に供給された前記溶融ガラスを冷却する冷却工程と、を有することを特徴とするガラスゴブの製造方法。
  2. 前記下型に衝突し、前記下型に残らないで前記下型の周囲に落下した前記溶融ガラスを除去する余剰ガラス除去工程を有することを特徴とする請求項1に記載のガラスゴブの製造方法。
  3. 前記下型は複数あり、前記溶融ガラスの一滴で複数の前記下型に前記溶融ガラスを供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスゴブの製造方法。
  4. 溶融ガラスを下型に滴下し、滴下された溶融ガラス滴を前記下型と該下型に対向する上型とで加圧成形してガラス成形体を形成するガラス成形体の製造方法において、
    前記溶融ガラス滴を受ける前記下型に、該溶融ガラス滴を衝突させ、前記溶融ガラス滴の一部が前記下型に残るように分離させて、前記下型に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
    前記下型に供給された前記溶融ガラスを、前記上型を用いて加圧成形する加圧成形工程と、を有することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  5. 前記下型に衝突し、前記下型に残らないで前記下型の周囲に落下した前記溶融ガラスを除去する余剰ガラス除去工程を有することを特徴とする請求項4に記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記下型及び前記上型は複数組あり、前記溶融ガラスの一滴で複数の前記下型に前記溶融ガラスを供給することを特徴とする請求項4又は5に記載のガラス成形体の製造方法。
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