JP5357763B2 - イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびピラゾロ[1,5−a]ピリダジン誘導体およびプロテインキナーゼインヒビターとしてのこれらの使用 - Google Patents

イミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびピラゾロ[1,5−a]ピリダジン誘導体およびプロテインキナーゼインヒビターとしてのこれらの使用 Download PDF

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Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2006年11月6日に出願された、米国仮特許出願第60/864,566号、2007年3月1日に出願された、米国仮特許出願第60/892,523号、および2007年8月24日に出願された、米国仮特許出願第60/957,988号に関し、これらの出願の各々は、その全体を本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
(技術分野)
本発明は、一般に、プロテインキナーゼ活性を阻害する化合物、ならびにこの化合物に関する組成物および方法に関する。
(関連技術の説明)
癌(および他の増殖性疾患)は、制御されない細胞増殖によって特徴づけられる。この細胞増殖の正常な制御の喪失は、しばしば、細胞周期を介して進行を制御する細胞経路に対する遺伝的損傷の結果として現れるようである。上記細胞周期は、DNA合成(S期)、細胞分裂または有糸分裂(M期)、ならびにギャップ1(G1)およびギャップ2(G2)といわれる非合成期からなる。このM期は、有糸分裂および細胞質分裂(2細胞への分離)から構成される。上記細胞周期における全ての工程は、タンパク質リン酸化の規則的なカスケードによって制御され、タンパク質キナーゼのいくつかのファミリーは、これらのリン酸化工程を実施することに関与する。さらに、多くのプロテインキナーゼの活性は、正常組織と比較して、ヒト腫瘍において増大し、この増大した活性は、多くの要因(キナーゼの増大したレベルあるいはコアクチベーターまたは阻害性タンパク質の発現における変化が挙げられる)に起因し得る。
細胞は、細胞周期のある期からもう一つの期への移行を支配するタンパク質を有する。例えば、サイクリンは、細胞周期全体を通じて濃度が増減するタンパク質のファミリーである。適切な時期に、サイクリンは、種々のサイクリン依存性プロテインキナーゼ(CDK)を刺激し、このサイクリン依存性プロテインキナーゼは、細胞周期を介した進行に必須の基質をリン酸化する。特定の時間における特定のCDKの活性は、開始および細胞周期を介して調整された進行の両方に必須である。例えば、CDK1は、M期活性を調整する最も顕著な細胞周期レギュレーターである。しかし、M期に関与する多くの他の有糸分裂プロテインキナーゼが同定され、この有糸分裂性プロテインキナーゼとしては、polo、aurora、およびNIMA(Never−In−Mitosis−A)ファミリーのメンバー、ならびに有糸分裂チェックポイント、有糸分裂から出ること、および細胞質分裂に関与するキナーゼが挙げられる。
Pimキナーゼ(例えば、Pim−1キナーゼ、Pim−2キナーゼ、Pim−3キナーゼ)は、腫瘍形成性セリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。Pim−1キナーゼは、下流のエフェクタとして、多くのサイトカインシグナル伝達経路に関与することが公知である。一旦活性化されると、Pim−1キナーゼは、細胞周期の進行、アポトーシスの阻害、および他のシグナル伝達経路の調節(Pim−1キナーゼ自体のものを含む)を引き起こす。Pim−1キナーゼは、転写因子(例えば、NFAT、p100、c−MybおよびPap−1)の活性化、および他のもの(例えば、HP1)の阻害をもたらすことも公知である。Pim−1キナーゼの正常の発現は、造血起源の細胞(例えば、胎児肝、胸腺、脾臓および骨髄)において認められる。さらに、発現は、前立腺および口腔上皮細胞において認められる。Pim−1キナーゼは、悪性形質転換の開始または進行に関与し、悪性疾患(とりわけ、バーキットリンパ腫、前立腺癌、口腔癌、およびびまん性大細胞型リンパ腫が挙げられる)に至ると考えられる。
多くのヒト悪性疾患におけるそれらの関与に基づいて、Pimキナーゼプロテインで媒介されるおよび/またはPimキナーゼプロテインと関連する、癌および他の状態の処置のための特定のかつ選択的インヒビターの合理的設計が必要である。本発明は、これらの必要性を満たし、他の関連する利点を提供する。
本発明は、一般に、化合物、および上記化合物を含む薬学的組成物に関し、ここで上記化合物は、以下の一般構造(I)および(II)を有し:
Figure 0005357763
(その立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含む)、ここでR、R、RおよびXは、本明細書中に定義されるとおりである。
これら本発明の化合物は、広い範囲の治療的適用にわたる有用性を有し、プロテインキナーゼ活性によって少なくとも一部分媒介される疾患(例えば、癌)を処置するために使用され得る。従って、本発明の一局面において、本明細書に記載の化合物は、これが必要な被験体に投与するために薬学的に受容可能な組成物として処方される。
別の局面において、本発明は、プロテインキナーゼ媒介性疾患(例えば、癌)を処置または予防するための方法を提供し、この方法は、このような処置が必要な患者に、治療有効量の本明細書に記載の化合物または上記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。特定の実施形態において、上記プロテインキナーゼ媒介性疾患は、Pimキナーゼ媒介性疾患(例えば、Pim−1キナーゼを発現する癌)である。
本発明の別の局面は、生物学的サンプル中のプロテインキナーゼ活性を阻害することに関し、この方法は、上記生物学的サンプルと、本明細書に記載の化合物または上記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物とを接触させる工程を包含する。特定の実施形態において、上記プロテインキナーゼは、Pimキナーゼである。
本発明の別の局面は、患者においてプロテインキナーゼ活性を阻害するための方法に関し、この方法は、本明細書に記載の化合物または上記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を上記患者に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、上記プロテインキナーゼは、Pimキナーゼである。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を言及すれば明らかである。そのために、特定の特許および他の文書が、本発明の種々の局面をより具体的に示すために、本明細書に引用される。これら文書の各々は、それら全体が本明細書に参考として援用される。
(項目1)
以下の構造(I)または構造(II):
Figure 0005357763

に従う構造を有する化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩であって、
ここで:
XはNHであり;
RはH、−OH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
は、フェニルまたは置換されたフェニルであり;そして
は、−(CH 1,2 −ピペリド−4−イル、置換された−(CH 1,2 −ピペリド−4−イル、−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イル、または置換された−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イルである、
化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩。
(項目2)
Rは水素である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Rはメチルである、項目1に記載の化合物。
(項目4)
は、−OCF 、−OCHF 、−CF 、−OCH 、および−OHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルである、項目1に記載の化合物。
(項目5)
は以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目6)
は、アルキルから選択される1個または2個の置換基を有する、置換された−(CH 1,2 −ピペリド−4−イルまたは置換された−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イルである、項目1に記載の化合物。
(項目7)
は以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目6に記載の化合物。
(項目8)
前記化合物は以下である、項目1に記載の化合物:
N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−29);
N−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−31);
7−メチル−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−37);または
N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−39)。
(項目9)
項目1に記載の化合物を、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
(項目10)
以下の構造(I)または構造(II):
Figure 0005357763

に従う構造を有する化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩であって、
ここで:
XはOであり;
Rは、H、−OH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
は、フェニルまたは置換されたフェニルであり;そして
は、−(CH −シクロプロピル、−(CH −シクロペンチル、−(CH −シクロヘキシル、−SO −CH 、−SO −(CH CH 、−(CH −ピペロニル、−(CH −ピペリジル、−(CH −ピペラジニル、−(CH −フリル、−(CH −チオフェン、−(CH −ピリジル、−(CH −ピリミジル、−(CH OCH 、−(CH OH、または−(CH N(CH であり、ここでnは0、1、2、3もしくは4であり、上記部分の各々は、必要に応じて、1個以上の置換基で置換される、
化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩;
あるいは以下から選択される構造:
Figure 0005357763

を有する化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩。
(項目11)
Rは水素である、項目10に記載の化合物。
(項目12)
Rはメチルである、項目10に記載の化合物。
(項目13)
は、−OCF 、−OCHF 、−CF 、−OCH 、および−OHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルである、項目10に記載の化合物。
(項目14)
は、以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目10に記載の化合物。
(項目15)
は、アルキルから選択される1個または2個の置換基を有する、置換された−(CH 1,2 −ピペリド−4−イルまたは置換された−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イルである、項目10に記載の化合物。
(項目16)
は、以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目15に記載の化合物。
(項目17)
は以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目10に記載の化合物。
(項目18)
前記化合物は以下である、項目10に記載の化合物:
(R)−1−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルオキシ)ブタン−2−アミン(化合物7−18);
(S)−1−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルオキシ)ブタン−2−アミン(化合物7−19);
6−((1−メチルピペリジン−4−イル)メトキシ)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(化合物7−33);または
7−メチル−6−((1−メチルピペリジン−4−イル)メトキシ)−3−(3(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(化合物7−34)。
(項目19)
項目10に記載の化合物を、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
(項目20)
以下の構造(I)または構造(II):
Figure 0005357763

に従う構造を有する化合物またはその立体異性体もしくはその薬学的に受容可能な塩であって、
ここで:
XはS、SOまたはSO であり;
は、フェニルまたは置換されたフェニルであり;そして
は、2−ブタン−1−オール、−(CH −シクロプロピル、−(CH −シクロペンチル、−(CH −シクロヘキシル、−SO −CH 、−SO −(CH CH 、−(CH −ピペロニル、−(CH −ピペリジル、−(CH −ピペラジニル、−(CH −フリル、−(CH −チオフェン、−(CH −ピリジル、−(CH −ピリミジル、−(CH OCH 、−(CH OH、または−(CH N(CH であり、ここでnは、0、1、2、3または4であり、上記部分の各々は、必要に応じて、1個以上の置換基で置換される化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に受容可能な塩;
あるいは以下から選択される構造:
Figure 0005357763

を有する化合物またはその立体異性体もしくはその薬学的に受容可能な塩。
(項目21)
Rは水素である、項目20に記載の化合物。
(項目22)
Rはメチルである、項目20に記載の化合物。
(項目23)
は、−OCF 、−OCHF 、−CF 、−OCH 、および−OHから選択される、少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルである、項目20に記載の化合物。
(項目24)
は、以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目20に記載の化合物。
(項目25)
は、アルキルから選択される1個または2個の置換基を有する、置換された−(CH 1,2 −ピペリド−4−イルまたは置換された−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イルである、項目20に記載の化合物。
(項目26)
は以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目25に記載の化合物。
(項目27)
は以下:
Figure 0005357763

から選択される、項目20に記載の化合物。
(項目28)
項目20に記載の化合物を、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
(項目29)
プロテインキナーゼ媒介性疾患を処置するための方法であって、該方法は、該処置の必要な被験体に、治療上有効な量の項目9に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目30)
前記プロテインキナーゼ媒介性疾患は、Pim−1キナーゼを発現する癌である、項目29に記載の方法。
(項目31)
プロテインキナーゼ媒介性疾患を処置するための方法であって、該方法は、該処置の必要な被験体に、治療上有効な量の項目19に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目32)
前記プロテインキナーゼ媒介性疾患は、Pim−1キナーゼを発現する癌である、項目31に記載の方法。
(項目33)
プロテインキナーゼ媒介性疾患を処置するための方法であって、該方法は、該処置の必要な被験体に、治療上有効な量の項目28に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目34)
前記プロテインキナーゼ媒介性疾患は、Pim−1キナーゼを発現する癌である、項目33に記載の方法。
図1は、例示的化合物のPim−1キナーゼ阻害活性を示す。 図2は、放射測定アッセイにおける一団のセリン/スレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼに対する選択性に関して、化合物7−29(表VII)のスクリーニングの結果を示す。(SGI−1776)のスクリーニング結果を示す。 図3は、化合物7−19(SGI−1763.HCl)で処理したMV−4−11細胞に対するホスホ−Bad染色についての結果を示す。 図4は、化合物7−29(SGI−1776.HCl)で処理したMV−4−11細胞に対するホスホBad染色についての結果を示す。 図5は、化合物7−31(SGI−1778.HCl)で処理したMV−4−11細胞に対するホスホ−Bad染色についての結果を示す。
(発明の詳細な説明)
本発明の一般的局面によれば、プロテインキナーゼインヒビターとして有用な化合物、ならびに上記化合物に関する組成物および方法が提供される。本発明の化合物は、以下の式(I)または(II)に示される構造:
Figure 0005357763
(その立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含む)
を有し、
ここで
Xは、NH、S、O、SOまたはSOであり;
Rは、H、−OH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
は、炭素環(carbocycle)、置換された炭素環、複素環、または置換された複素環であるか;あるいは以下から選択される構造:
Figure 0005357763
であり、
ここでR’は、ハロ、−OCF、−OCHF、−CF、−OCH、−NH、−NO、−OH、−COCH、−NHSOCHまたは−N(CH.のうちの1個以上の存在によるp置換、o置換またはm置換であり、
は、−(CH−シクロプロピル、−(CH−シクロペンチル、−(CH−シクロヘキシル、−SO−CH、−SO−(CHCH、−(CH−ピペロニル、−(CH−ピペリジル、−(CH−ピペラジニル、−(CH−フリル、−(CH−チオフェン、−(CH−ピリジル、−(CH−ピリミジル、−(CHOCH、−(CHOH、または−(CHN(CHであり、ここでnは0、1、2、3または4であり、かつ上記部分の各々は、必要に応じて、1個以上の置換基で置換されるか;あるいは以下:
Figure 0005357763
から選択される構造であり、ここでLは任意であり、そして存在する場合には、NH、S、O、SOまたはSOであり;Rは、1個以上の任意の置換基であり;そしてCyclは炭素環、置換された炭素環、複素環または置換された複素環である。
別段示されない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される以下の用語は、以下で議論される意味を有する:
「アルキル」とは、1から6個の炭素原子、好ましくは、1から4個の炭素原子の飽和した直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、または2−プロピル)をいう。代表的な飽和直鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられる;一方、飽和分枝鎖アルキルとしては、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。代表的な飽和環状アルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシルなどが挙げられる;一方、不飽和環状アルキルとしては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、−CH−シクロヘキセニルなどが挙げられる。環状アルキルとは、本明細書において「シクロアルキル」ともいわれる。不飽和アルキルは、隣り合う炭素原子の間に少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む(それぞれ、「アルケニル」または「アルキニル」といわれる)。代表的な直鎖および分枝鎖のアルケニルとしては、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられる;一方で、代表的な直鎖および分枝鎖のアルキニルとしては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどが挙げられる。
「アルキレン」とは、1個から6個の炭素原子の直鎖の飽和した二価の炭化水素基、または3個から6個の炭素原子の分枝鎖の飽和した二価の炭化水素基(例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなど、好ましくは、メチレン、エチレン、またはプロピレンを意味する。
「シクロアルキル」とは、3個から8個の炭素原子の飽和環式炭化水素基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)をいう。
「アルコキシ」とは、基−ORであって、Rは、上記で定義されるとおりのアルキルであるもの(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)を意味する。
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、好ましくは、フルオロおよびクロロを意味する。
「ハロアルキル」とは、1個以上の、好ましくは、1個、2個または3個の、同じまたは異なるハロ原子で置換されたアルキル(例えば、−CHCl、−CF、−CHCF、−CHCClなど)を意味する。
「ハロアルコキシ」とは、基−ORであって、Rは、上記で定義されるとおりのハロアルキルであるもの(例えば、トリフルオロメトキシ、トリクロロエトキシ、2,2−ジクロロプロポキシなど)を意味する。
「アシル」とは、基−C(O)Rであって、Rは、水素、上記で定義されるとおりのアルキルまたはハロアルキルであるもの(例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ブタのイルなど)を意味する。
「アリール」とは、完全に共役したπ電子系を有する6個から12個の炭素原子の、全炭素の単環式または縮合環の多環式(すなわち、隣り合う炭素原子対を共有する環)基をいう。アリール基の例としては、限定することなく、フェニル、ナフチルおよびアントラセニルである。上記アリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合、上記アリール基は、アルキル(ここで上記アルキルは、必要に応じて、1個または2個の置換基で置換されていてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環(ここで上記アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環は、必要に応じて置換されていてもよい)からなる群より独立して選択される1個以上の置換基(この用語は以下で定義されるとおりである)、より好ましくは、1個、2個または3個の置換基、さらにより好ましくは、1個または2個の置換基で置換される。
「ヘテロアリール」とは、N、O、またはSから選択される1個、2個、3個または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は、Cであり、そしてさらに、完全に共役したπ電子系を有する、5個から12個の環原子の単環式環または縮合環(すなわち、隣り合う原子対を共有する環)の基をいう。非置換のヘテロアリール基の例は、限定することなく、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン、およびカルバゾールである。上記ヘテロアリール基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合、上記ヘテロアリール基は、アルキル(ここで上記アルキルは、必要に応じて、1個または2個の置換基で置換されていてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環(ここで上記アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環は、必要に応じて、置換されていてもよい)からなる群より独立して選択される、1個以上の置換基(この用語は、以下で定義されるとおりである)、より好ましくは、1個、2個または3個の置換基、さらにより好ましくは、1個または2個の置換基で置換される。
「炭素環」とは、3個から14個の環炭素原子を有する飽和、不飽和、または芳香族の環系をいう。用語「炭素環」はまた、飽和であろうが部分不飽和であろうが、必要に応じて置換されている環をいう。用語「炭素環」は、アリールを包含する。用語「炭素環」はまた、基または付着点が脂肪族環上にある1個以上の芳香族環もしくは非芳香族環に(デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルにおけるような)縮合している脂肪族環を包含する。上記炭素環基は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合、上記炭素環基は、アルキル(ここで上記アルキルは、必要に応じて、1個または2個の置換基で置換されていてもよい)、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環(ここで上記アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環は、必要に応じて、置換されていてもよい)からなる群より独立して選択される、1個以上の置換基(この用語は、以下で定義されるとおりである)、より好ましくは、1個、2個または3個の置換基、さらにより好ましくは、1個または2個の置換基で置換されている。
「複素環」とは、3個から14個の環原子を有する飽和、不飽和、または芳香族環の環系であって、1個、2個または3個の環原子が、N、O、またはS(O)(ここでmは0から2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、その残りの環原子がCである(ここで1個または2個のC原子が、必要に応じて、カルボニル基で置換されていてもよい)ものをいう。用語「複素環」は、ヘテロアリールを包含する。上記ヘテロ環式環は、必要に応じて、アルキル(ここで上記アルキルは、必要に応じて、1個または2個の置換基で置換されていてもよい)、ハロアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、シクロアルキルアルキルアミノアルキル、シアノアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環(ここで上記アリール、ヘテロアリール、炭素環または複素環は、必要に応じて、置換されていてもよい)、アラルキル、ヘテロアラルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクロアミノ、飽和もしくは不飽和のヘテロシクロアミノアルキル、および−COR(ここでRはアルキルである)から選択される、1個以上の置換基(この用語は、以下において定義されるとおりである)、好ましくは、1個、2個、または3個の置換基で独立して置換され得る。より具体的には、用語は、ヘテロシクリルとしては、テトラヒドロピラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、ピペリジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−3−イル、ピロリジノ、モルホリノ、4−シクロプロピルメチルピペラジノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、4−エチルオキシカルボニルピペラジノ、3−オキソピペラジノ、2−イミダゾリドン、2−ピロリジノン、2−オキソホモピペラジノ、テトラヒドロピリミジン−2−オン、およびこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、上記複素環基は、必要に応じて、ハロ、アルキル、カルボキシで置換されたアルキル、エステル、ヒドロキシ、アルキルアミノ、飽和もしくは不飽和のヘテロシクロアミノ、飽和もしくは不飽和のヘテロシクロアミノアルキル、またはジアルキルアミノから独立して選択される、1個または2個の置換基で置換される。
「任意の」または「必要に応じて」とは、後に記載される事象または状況が起こり得るが、必ずしも起こらなくてもよく、かつその記載が、上記事象もしくは状況が起こる場合および起こらない場合を包含することを意味する。例えば、「必要に応じて、アルキル基で置換される複素環式基」とは、上記アルキルが、存在していてもよいが、必ずしも存在する必要はなく、かつその説明が、上記複素環基がアルキル基で置換されている場合および上記複素環基がアルキル基で置換されていない場合を包含することを意味する。
最後に、用語「置換(される、された、されている)」とは、本明細書において使用される場合、少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されている上記基(例えば、アルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環など)のうちのいずれかを意味する。オキソ置換基(「=O」)の場合では、2個の水素原子が置換されている。本発明の状況の範囲内の「置換基」としては、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、複素環、置換された複素環、複素環アルキル、置換された複素環アルキル、−NR、−NRC(=O)Rf、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR、―NRSO、−OR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)NR、−SH、−SR、−SOR、−S(=O)NH、−S(=O)、−OS(=O)、−S(=O)OR(ここでRおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、かつ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、複素環、置換された複素環、複素環アルキルまたは置換された複素環アルキルである)が挙げられる。
本明細書に記載されるような使用のための、構造(I)および(II)に従う特定の例示的化合物は、以下に記載される。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、0〜3個のヘテロ原子(ここでこのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から選択される)を有する5〜6員の飽和、部分飽和もしくは、完全不飽和の単環式環である。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、−F、−Cl、−CF、−OCF、−OCH、−CH、NO、−N(CH、−NH、−NHSOCH、−NHSOCHCH、−COCH、−COOH、−CHNH、−OH、−SONH、−SCH、ピペラジンもしくはモルホリンのうちの1個以上の存在を有するp置換、o置換もしくはm置換のフェニルである。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、必要に応じて置換された、ピラゾリル、フリル、チオフェン、ピリジル、ピリミジル、またはインドリル基である。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、以下の構造を有する:
Figure 0005357763
ここでR’は、1個以上の任意の置換基を表すか、またはより具体的な実施形態において、ハロ、−OCF、−CF、−OCH、−OCHF、NH、NO、OH、−COCH、−NHSOCH、または−N(CHのうちの1個以上の存在を有するp置換、o置換またはm置換である。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、2−ブタン−1−オール、−SOCH、−SOCHCH、−CHCHOCH、−CHCHCHOH、または−CHCHN(CHである。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、必要に応じて置換された、−(CH−シクロプロピル、−(CH−シクロペンチル、−(CH−シクロヘキシル、−(CH−ピペロニル、−(CH−ピペリジル、−(CH−ピペラジニル、−(CH−フリル、−(CH−チオフェン、−(CH−ピリジル、または−(CH−ピリミジルである。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、以下から選択される構造を有する:
Figure 0005357763
ここでLは、任意であり、そして存在する場合、NH、S、O、SOまたはSOであり;Rは、1個以上の任意の置換基であり;そしてCyclは、炭素環、置換された炭素環、複素環または置換された複素環である。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、以下の構造を有する:
Figure 0005357763
ここでLは任意であり、そして存在する場合には、NH、S、O、SOまたはSOであり;そしてCyclは、炭素環、置換された炭素環、複素環または置換された複素環であり、そしてより具体的な実施形態において、Cyclは、0〜3個のヘテロ原子(ここでこのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から選択される)を有する、5〜6員の飽和、部分不飽和もしくは完全不飽和の単環式環である。
上記構造(I)および(II)のより具体的な局面において、Rは、以下から選択される構造を有する:
構造(I)および(II)のさらに具体的な実施形態において、XはNHであり、Rは置換されたかまたは置換されていないフェニル(ここでRは、上記で定義されるとおりであり、かつR’は、存在しないかまたは1個以上の置換基を表す)であり、上記化合物は、それぞれ、以下の構造(I−A)および(II−A)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)。
(I−A)および(II−A)のより具体的な実施形態において、Rはアルキル(例えば、メチル)であり、そして上記化合物は、以下の構造(I−Aa)および(II−Aa)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)。
(I−A)、(II−A)、(I−Aa)および(II−Aa)のより具体的な実施形態において、Rは、ハロ、−OCF、−OCHF、−CF、−OCH、−NH、−NO、−OH、−COCH、−NHSOCHおよび−N(CHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態において、Rは、−OCF、−OCHF、−CF、−OCHおよび−OHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態において、Rは、以下から選択される:
Figure 0005357763
(I−A)、(II−A)、(I−Aa)および(II−Aa)のより具体的な実施形態において、Rは、−(CH1,2−ピペリド−4−イル、置換された−(CH1,2−ピペリド−4−イル、−(CH1,2−ピペラジン−1−イル、または置換された−(CH1,2−ピペラジン−1−イル(例えば、以下から選択される部分:
Figure 0005357763
)である。
より具体的には、Rは、以下から選択される:
Figure 0005357763
構造(I)および(II)のなおさらなる具体的実施形態において、XはOであり、Rは、置換されているかまたは置換されていないフェニル(ここでRは上記で定義されるとおりであり、R’は、存在しないかまたは1個以上の置換基を表す)であり、上記化合物は、それぞれ、以下の構造(I−B)および(II−B)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)
(I−B)および(II−B)のより具体的な実施形態において、Rはアルキル(例えば、メチル)であり、そして上記化合物は、以下の構造(I−Bb)および(II−Bb)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)。
(I−B)、(II−B)、(I−Bb)および(IIB−b)のより具体的な実施形態において、Rは、ハロ、−OCF、−OCHF、−CF、−OCH、−NH、−NO、−OH、−COCH、−NHSOCHおよび−N(CHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態において、Rは、−OCF、−OCHF、−CF、−OCHおよび−OHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態において、Rは、以下から選択される:
Figure 0005357763
構造(I−B)、(II−B)、(I−Bb)および(II−Bb)のより具体的な実施形態において、Rは、−(CH−シクロプロピル、−(CH−シクロペンチル、−(CH−シクロヘキシル、−SO、−CH、−SO−(CHCH、−(CH−ピペロニル、−(CH−ピペリジル、−(CH−ピペラジニル、−(CH−フリル、−(CH−チオフェン、−(CH−ピリジル、−(CH−ピリミジル、−(CHOCH、−(CHOH、または−(CHN(CHであり、ここでnは、0、1、2、3または4であり、上記部分の各々は、必要に応じて、1個以上の置換基で置換されているか;または以下から選択される構造である:
Figure 0005357763
(I−B)、(II−B)、(I−Bb)および(II−Bb)のより具体的な実施形態において、Rは、−(CH1,2−ピペリド−4−イル、置換された−(CH1,2−ピペリド−4−イル、−(CH1,2−ピペラジン−1−イル、または置換された−(CH1,2−ピペラジン−1−イル(例えば、以下から選択される部分:
Figure 0005357763
)である。
より具体的には、Rは、以下から選択される:
Figure 0005357763
構造(I)および(II)のなおさらなる具体的な実施形態において、Xは、S、SOまたはSOであり、そしてRは、置換されているかまたは置換されていないフェニル(ここで以下のR’は、存在しないかまたは1個以上の置換基を表す)であり、そして上記化合物は、それぞれ、以下の構造(I−C)および(II−C)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)。
(I−C)および(II−C)のより具体的な実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)であり、そして上記化合物は、以下の構造(I−Cc)および(II−Cc)を有する:
Figure 0005357763
(またはその立体異性体、プロドラッグまたは薬学的に受容可能な塩)。
(I−C)、(II−C)、(I−Cc)および(II−Cc)のより具体的な実施形態において、Rは、ハロ、−OCF、−OCHF、−CF、−OCH、−NH、−NO、−OH、−COCH、−NHSOCHおよび−N(CHから選択される、少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態においてRは、−OCF、−OCHF、−CF、−OCHおよび−OHから選択される少なくとも1個のp置換基、o置換基またはm置換基を有する置換されたフェニルであり、そしてより具体的な実施形態において、Rは、以下から選択される:
Figure 0005357763
構造(I−C)、(II−C)、(I−Cc)および(II−Cc)のより具体的な実施形態において、Rは、−(CH−シクロプロピル、−(CH−シクロペンチル、−(CH−シクロヘキシル、−SO−CH、−SO−(CHCH、−(CH−ピペロニル、−(CH−ピペリジル、−(CH−ピペラジニル、−(CH−フリル、−(CH−チオフェン、−(CH−ピリジル、−(CH−ピリミジル、−(CHOCH、−(CHOH、または−(CHN(CHであり、ここでnは、0、1、2、3または4であり、そして上記部分の各々は、必要に応じて、1個以上の置換基で置換されているか;または以下から選択される構造である:
Figure 0005357763
(I−C)、(II−C)、(I−Cc)および(II−Cc)のより具体的な実施形態において、Rは、−(CH1,2−ピペリド−4−イル、置換された−(CH1,2−ピペリド−4−イル、−(CH1,2−ピペラジン−1−イル、または置換された−(CH1,2−ピペラジン−1−イル(例えば、以下から選択される部分:
Figure 0005357763
)である。
より具体的には、Rは以下から選択される:
Figure 0005357763
上記構造(I)のより具体的な局面において、上記化合物は、表II(化合物2−1から2−22)に示される構造を有する。
上記構造(II)のより具体的な局面において、上記化合物は、表III(化合物3−1から3−13)に示される構造を有する。
上記構造(II)のより具体的な局面において、表IV(化合物4−1から4−22)に示される構造を有する化合物が提供される。
上記構造(I)のより具体的な実施形態において、表VII(化合物7−1から7−51)に示される構造を有する化合物が提供される。
同一の分子式を有するが、それら原子の結合の性質もしくは順番、または空間におけるそれら原子の配置において異なる化合物は、「異性体」といわれる。空間におけるそれら原子の配置において異なる異性体は、「立体異性体」といわれる。互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」といわれ、互いに重ね合わせられない鏡像であるものは、「鏡像異性体」といわれる。ある化合物が不斉中心を有する場合、例えば、この化合物が、4つの異なる基に結合されている場合、1対の鏡像異性体が考えられる。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特徴づけられ得、そしてCahnおよびPrelog(Cahn,R.,Ingold,C.,およびPrelog,V.Angew.Chem.78:413−47,1966;Angew.Chem.Internat.Ed.Eng.5:385−415,511,1966)のR−順位規則およびS−順位規則によって記載されるか、またはその分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、そして右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ、(+)−異性体または(−)−異性体)といわれる。キラル化合物は、個々の鏡像異性体またはこれらの混合物のいずれかとして存在し得る。上記鏡像異性体の等しい割合を含む混合物は、「ラセミ混合物」といわれる。
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を有し得る;従って、このような化合物は、個々の(R)−立体異性体または(S)−立体異性体として、あるいはこれらの混合物として生成され得る。別段示されない限り、本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記載および命名は、個々の鏡像異性体およびこれらの混合物(ラセミ混合物または別の混合物)の両方を含むことが意図される。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当該分野で周知である(Advanced Organic Chemistry,4th edition,March,J.,John Wiley and Sons,New York City,1992の第4章における考察を参照のこと)。
本発明の化合物は、互変異性の現象および構造的異性を示し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、2−インドリノン部分をピロール部分につなぐ二重結合についてのE配置またはZ配置を採用し得るか、またはEおよびZの混合物であり得る。本発明は、aurora−2キナーゼ活性を調節する能力を有する任意の互変異性体形態または構造異性体形態およびこれらの混合物を包含し、任意の1つの互変異性体形態にも構造異性体形態にも限定されない。
本発明の化合物は、生物(例えば、ヒト)の身体中の酵素によって代謝されて、プロテインキナーゼの活性を調節し得る代謝産物を生成することが企図される。このような代謝産物は、本発明の範囲内である。
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、それ自体ヒト患者に投与され得るか、または前述の物質が適切なキャリアもしくは賦形剤と混合されている薬学的組成物において投与され得る。薬物の処方および投与の技術は、例えば、Remington’s Pharmacological Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,最新版において見いだされ得る。
「薬学的組成物」とは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグのうちの1種以上と、他の化学的成分(例えば、薬学的に受容可能な賦形剤)との混合物をいう。薬学的組成物の目的は、生物への化合物の投与を促進することである。
「薬学的に受容可能な賦形剤」とは、化合物の投与をさらに促進するために薬学的組成物に添加される不活性物質をいう。賦形剤の例としては、限定されることなく、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、ならびにデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、およびポリエチレングリコールのタイプが挙げられる。
「薬学的に受容可能な塩」とは、親化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩をいう。このような塩としては、(1)親化合物の遊離塩基と無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などと、または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、(D)−リンゴ酸もしくは(L)−リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸など、好ましくは、塩酸もしくは(L)−リンゴ酸)との反応によって得られる酸付加塩;あるいは(2)親化合物において存在する酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(alkaline earth ion)、またはアルミニウムイオン)で置換される場合に形成される塩;有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなど)との配位物(coordinates)が挙げられ得る。
本発明の化合物はまた、プロドラッグとして作用し得るか、またはプロドラッグとして作用するように設計され得る。「プロドラッグ」とは、インビボで親薬物に変換される薬剤をいう。プロドラッグはしばしば有用である。なぜなら、いくつかの状況において、プロドラッグは、親薬物より投与しやすい可能性があるからである。例えば、プロドラッグは、経口投与によって生物学的に利用可能であり得るのに対して、親化合物ではそうではないかもしれない。上記プロドラッグはまた、親薬物より薬学的組成物において改善された可溶性を有し得る。プロドラッグの例は、限定されることなく、エステル(上記「プロドラッグ」)、ホスフェート、アミド、カルバメートまたは尿素として投与される本発明の化合物である。
「治療上有効な量」とは、ある程度、障害の症状のうちの1種以上が処置されるように和らげられる、投与される化合物の量をいう。癌の処置に対する言及において、治療上有効な量とは、(1)腫瘍の大きさを縮小させる;(2)腫瘍転移を阻害する;(3)腫瘍増殖を阻害する;および/または(4)がんと関連する1種以上の症状を和らげる、という高価を有する量をいう。
用語「プロテインキナーゼ媒介性状態または疾患」とは、本明細書に記載される場合、プロテインキナーゼが役割を果たすことが公知である任意の疾患または他の有害な状態を意味する。用語「プロテインキナーゼ媒介性状態または疾患」とはまた、プロテインキナーゼインヒビターでの処置によって緩和される疾患または状態を意味する。このような状態としては、Pimキナーゼ、特に、Pim−1キナーゼを発現する癌、およびPimキナーゼ発現と関連する他の増殖性障害が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、上記癌は、結腸、乳房、胃、前立腺、膵臓または卵巣組織の癌である。
用語「Pimキナーゼ媒介性状態または疾患」とは、本明細書において使用される場合、Pim 1キナーゼ、Pim 2キナーゼおよび/またはPim 3キナーゼが発現されるおよび/または役割を果たすことが公知である任意の疾患または他の有害な状態を意味する。用語「Pimキナーゼ媒介性状態または疾患」とはまた、Pimキナーゼインヒビターでの処置によって緩和される疾患または状態を意味する。
本明細書において使用される場合、「投与する」または「投与」とは、プロテインキナーゼ関連障害の予防もしくは処置の目的で、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩または本発明の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を含む薬学的組成物を生物に送達することをいう。
適切な投与経路としては、経口投与、直腸投与、経粘膜投与もしくは非経口投与、または筋肉内注射、皮下注射、髄内注射、鞘内注射、直接脳室内注射(direct intraventricular)、静脈内注射、ガラス体内注射、腹腔内注射、鼻内注射、または眼内注射が挙げられ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態において、好ましい投与経路は、経口および静脈内である。
あるいは、全身的様式よりむしろ局所的様式において(例えば、固形腫瘍への化合物の直接注射を介して、しばしば、デポー処方物または徐放性処方物において)上記化合物を投与し得る。
さらに、標的化された薬物送達系において(例えば、腫瘍特異的抗体でコーティングされたリポソームにおいて)上記薬物を投与し得る。このようにして、上記リポソームは、腫瘍へ標的化され得かつ腫瘍によって選択的に取り込まれ得る。
本発明の薬学的組成物は、当該分野で周知のプロセスによって(例えば、従来の混合プロセス、溶解プロセス、顆粒化プロセス、糖衣錠作製プロセス、すりつぶし(levigating)プロセス、乳化プロセス、被包化(encapsulating)プロセス、捕捉プロセスまたは凍結乾燥プロセスによって)製造され得る。
本発明に従って使用するための薬学的組成物は、1種以上の生理学的に受容可能なキャリア(活性化合物を薬学的に使用され得る調製物へ処理するのを促進する賦形剤および補助物質を含む)を使用して、任意の従来の様式において処方され得る。適切な処方は、選択される投与経路に依存する。
注射に関しては、本発明の化合物は、水溶液中に、好ましくは、生理学的に適合し得る緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水)中に処方され得る。経粘膜投与に関しては、透過されるべき障壁に適した浸透剤が、処方物において使用される。このような浸透剤は、当該分野で一般に公知である。
経口投与に関しては、上記化合物は、活性化合物と、当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアとを組み合わせることによって処方され得る。このようなキャリアは、本発明の化合物が錠剤、丸剤、ロゼンジ、糖衣錠、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁液などとして、患者による経口摂取のために処方されることを可能にする。経口用途のための薬学的調製物は、固体賦形剤を使用して、必要に応じて、得られた混合物をすりつぶし、所望される場合には他の適切な補助物質を添加した後に、顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって作製され得る。有用な賦形剤は、特に、増量剤(filler)(例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールが挙げられる)、セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、および馬鈴薯デンプン)、ならびに他の物質(例えば、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニル−ピロリドン(PVP))である。所望であれば、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸)が添加され得る。アルギン酸ナトリウムのような塩がまた、使用され得る。
糖衣錠コアは、適切なコーティングとともに提供される。この目的のために、濃縮糖溶液が使用され得、この溶液は、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液(lacquer solution)、ならびに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含み得る。染料または顔料は、同定するために、または活性化合物用量の種々の組み合わせを特徴付けるために、上記錠剤または糖衣錠コーティングに添加され得る。
経口的に使用され得る薬学的組成物としては、ゼラチンから作られた押し込みばめ(push−fit)カプセル剤、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)から作られた軟質の密封カプセル剤が挙げられる。上記押し込みばめカプセル剤は、増量剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えば、デンプン)、および/または滑沢剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウム)、ならびに必要に応じて、安定化剤と混合して、上記活性成分を含み得る。軟質カプセル剤において、上記活性化合物は、適切な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール)中に溶解または懸濁され得る。安定化剤はまた、これらの処方物中に添加され得る。同様に使用され得る薬学的組成物としては、硬質ゼラチンカプセル剤が挙げられる。上記カプセル剤または丸剤は、褐色ガラスまたはプラスチックボトルの中へとパッケージングされて、上記活性化合物を遮光し得る。上記活性化合物カプセル剤処方物を含む容器は、好ましくは、制御された室温(15〜30℃)で保存される。
吸入による投与に関しては、本発明に従って使用するための化合物は、加圧パックまたはネブライザおよび適切な推進剤(例えば、限定することなく、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素)を使用して、エアロゾルスプレーの形態で従来どおりに送達され得る。加圧エアロゾルの場合において、投与単位は、計測量を送達するためにバルブを提供することによって制御され得る。例えば、吸入器(inhaler)または吸入器(insufflator)において使用するためのゼラチンのカプセル剤および薬包が処方され得、これらは、上記化合物および適切な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプン)の粉末混合物を含む。
上記化合物はまた、非経口投与(例えば、ボーラス注射または連続注入による)のために処方され得る。注射用の処方物は、添加された保存剤とともに単位投与形態において(例えば、アンプル中、または複数用量容器において)、提示され得る。上記組成物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクルにおいて、懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形態をとり得、処方する材料(例えば、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤)を含み得る。
非経口投与のための薬学的組成物は、水溶性形態(例えば、限定することなく、上記活性化合物の塩)の水溶液を包含する。さらに、上記活性化合物の懸濁液は、親油性ビヒクル中に調製され得る。適切な親油性ビヒクルは、脂肪油(例えば、ごま油)、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびトリグリセリド)または脂肪性材料(例えば、リポソーム)を含む。水溶性注射懸濁液は、懸濁液の粘性を増大させる物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストラン)を含み得る。必要に応じて、上記懸濁液はまた、適切な安定化剤および/または上記化合物の溶解性を増大させて高濃縮溶液の調製を可能にする薬剤を含み得る。
あるいは、上記活性成分は、使用前に、適切なビヒクル(例えば、滅菌の発熱物質を含まない水)で構成するために、粉末形態で存在し得る。
上記化合物はまた、例えば、従来の坐剤基剤(例えば、カカオ脂または他のグリセリド)を使用して、直腸組成物(例えば、坐剤または保持浣腸(retention enema)において処方され得る。
先に記載される処方物に加えて、上記化合物はまた、デポー調製物として処方され得る。このような長期作用性処方物は、移植によって(例えば、皮下にまたは筋肉内に)または筋肉内注射によって投与され得る。本発明の化合物は、適切なポリマー性または疎水性物質(例えば、薬理学的に受容可能な油とのエマルジョンにおいて)とともに、イオン交換樹脂とともに、または溶解度が乏しい誘導体(例えば、限定することなく、溶解度が乏しい塩)として、この投与経路のために処方され得る。
本発明の疎水性化合物のための薬学的キャリアの非限定的な例は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相(例えば、VPD共溶媒系)を含む共溶媒系である。VPDは、3% w/v ベンジルアルコール、8% w/vの非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65% w/v ポリエチレングリコール300の溶液(無水エタノールで容量になるように補われる)である。上記VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5% デキストロース水溶液で1:1希釈されたVPDからなる。この共溶媒系は、疎水性化合物をよく溶かし、それ自体、全身投与の際に低毒性を生じる。当然のことながら、このような共溶媒系の割合は、その溶解性および毒性の特徴を無効にすることなく、かなり変動し得る。さらに、共溶媒成分の本体は、変動し得る:例えば、他の低毒性非極性界面活性剤が、ポリソルベート80の代わりに使用され得る。ポリエチレングリコールの画分サイズは、変化し得、他の生物適合性ポリマーが、ポリエチレングリコールにとって代わり得る(例えば、ポリビニルピロリドン)。そして他の糖またはポリサッカリドが、デキストロースの代わりに使用され得る。
あるいは、疎水性薬学的化合物のための他の送達系がまた、使用され得る。リポソームおよびエマルジョンは、疎水性薬物のための送達ビヒクルまたはキャリアの周知の例である。さらに、特定の有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)がまた使用され得るが、しばしば、より大きな毒性という犠牲を払う。
さらに、上記化合物は、徐放系(例えば、治療剤を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリクス)を使用して送達され得る。種々の徐放性材料が確立されており、当業者に周知である。徐放性カプセル剤は、それらの化学的性質に依存して、数週間から最大100日を超えるまで化合物を放出し得る。治療的試薬の化学的性質および生物学的安定性に依存して、タンパク質安定化のためのさらなるストラテジーが、使用され得る。
本明細書中の薬学的組成物はまた、適切な固体またはゲル相のキャリアまたは賦形剤を含み得る。このようなキャリアまたは賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のプロテインキナーゼ調節化合物の多くは、生理学的に受容可能な塩として提供され得る。ここで本願発明の化合物は、負に荷電した種または正に荷電した種を形成し得る。上記化合物が上記正に荷電した部分を形成する塩の例としては、4級アンモニウム(本明細書において定義されるとおりである)、塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩)が挙げられるが、これらに限定されない。ここで上記4級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した、本発明の選択された化合物の窒素である。本発明の化合物が負に荷電した種を形成する塩としては、化合物中のカルボン酸基と、適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))など)との反応によって形成される、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において使用するために適した薬学的組成物は、上記活性成分が、意図された目的(例えば、プロテインキナーゼ活性の調節および/またはプロテインキナーゼ関連障害の処置もしくは予防)を達成するに十分な量で含まれる組成物を含む。
より具体的には、治療上有効な量とは、疾患の症状を予防、緩和または改善する、あるいは処置される被験体の生存を長期化させるに有効な、化合物の量を意味する。
治療上有効な量の決定は、特に、本明細書に提供される詳細な開示に鑑みれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
本発明の方法において使用される任意の化合物に関して、治療上有効な量または用量は、最初に、細胞培養アッセイから概算され得る。その後、投与量は、細胞培養物において決定されたIC50(すなわち、プロテインキナーゼ活性の半最大阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて使用するために処方され得る。その後、このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。
本明細書に記載の化合物の毒性および治療的有効性は、細胞培養物または実験動物において標準的薬学的手順によって(例えば、対象化合物についてのIC50およびLD50(その両方とも、本明細書の他の箇所で考察される)を決定することによって)、決定され得る。これら細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のための投与量範囲を処方することにおいて使用され得る。上記投与量は、使用される投与形態および利用される投与経路に依存して、変動し得る。正確な処方、投与経路、および投与量は、患者の状態に鑑みて、個々の医師によって選択され得る(例えば、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ch.3,第9版,Hardman,J.およびLimbard,L.編,McGraw−Hill,New York City,1996,p.46を参照のこと)。
投与量および投与間隔は、キナーゼ調節効果を維持するために十分である活性種の血漿レベルを提供するために、個々に調節され得る。これら血漿レベルは、最小有効濃度(MEC)といわれる。上記MECは、各化合物について変動するが、インビトロデータから概算され得る。例えば、キナーゼの50〜90%阻害を達成するために必要な濃度は、本明細書に記載されるアッセイを使用して確認され得る。上記MECを達成するために必要な投与量は、個々の特性および投与経路に依存する。HPLCアッセイまたはバイオアッセイは、血漿濃度を決定するために使用され得る。
投与間隔はまた、MEC値を使用して決定され得る。化合物は、その時間の10〜90%の間、好ましくは、30〜90%の間、および最も好ましくは、50〜90%の間に、MECを超える血漿濃度を維持するレジメンを使用して、投与されるべきである。
現時点で、本発明の化合物の治療上の有効量は、1日あたり、約2.5mg/m〜1500mg/mの範囲に及び得る。さらなる例示的な量は、0.2〜1000mg/qid、2〜500mg/qid、および20〜250mg/qidの範囲に及ぶ。
局所投与または選択的取り込みの場合に、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関連しなくてもよく、当該分野で公知の他の手順は、正確な投与量および投与間隔を決定するために使用され得る。
投与される組成物の量は、当然のことながら、処置される被験体、苦痛の重篤度、投与様式、指示する医師の判断などに依存する。
上記組成物は、所望される場合、上記活性成分を含む1以上の単位投与形態を含み得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キット)において提示され得る。上記パックは、例えば、金属箔またはプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)を含み得る。上記パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための指示書が付随し得る。上記パックまたはディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用または販売を管轄する政府当局によって指示される形態において容器に関連づけられた通知が付随し得、この通知は、上記組成物の形態の、またはヒトもしくは家畜(veterinary)投与の機関による承認を示す。このような通知は、例えば、処方薬(prescription drug)に関する、または承認された製品挿入物の、米国食品医薬品局によって承認されたラベルの通知であり得る。適合性の薬学的キャリア中に処方される、本発明の化合物を含む組成物はまた、適切な容器中に調製され、配置され、そして示された状態の処置のためにラベルが貼られ得る。上記ラベルに示される適切な状態としては、腫瘍の処置、脈管形成の阻害、線維症の処置、糖尿病などが挙げられ得る。
上記のように、本発明の化合物および組成物は、プロテインキナーゼによって媒介される広い範囲の疾患および状態(aurora−2キナーゼによって媒介される疾患および状態が挙げられる)において有用性が見いだされる。このような疾患としては、例示であってかつ限定ではなく、癌(例えば、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、燕麦細胞癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、隆起性皮膚線維肉腫、頭部および頸部の癌、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科系の腫瘍(例えば、子宮肉腫、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫または外陰部の癌腫)、ホジキン病、肝細胞癌、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺癌、膵臓癌、上皮小体癌、または副腎癌)、軟組織の肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌(特に、ホルモン無反応性)、慢性白血病もしくは急性白血病、幼児期の固形腫瘍、過好酸球増加症、リンパ性リンパ腫(lymphocytic lymphoma)、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌(例えば、腎細胞癌腫、腎盂の癌腫)、小児科の悪性腫瘍、中枢神経系の新生物(例えば、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)、髄芽腫、脳幹部神経膠腫、または下垂体腺腫)、バレット食道(前癌性症候群)、新生物性皮膚疾患、乾癬、菌状息肉症、および良性前立腺肥大、糖尿病関連疾患(例えば、糖尿病性網膜症、網膜虚血、および網膜血管新生)、肝硬変、脈管形成、心血管疾患(例えば、アテローム性硬化症)、免疫学的疾患(例えば、自己免疫疾患)ならびに腎疾患が挙げられ得る。
本発明の化合物は、1種以上の他の化学療法剤と組み合わせて使用され得る。一実施形態において、上記化学療法剤は、有糸分裂インヒビター、アルキル化剤、代謝拮抗物質、細胞周期インヒビター、酵素、トポイソメラーゼインヒビター(例えば、CAMPTOSAR(イリノテカン))、生物学的応答改変剤(biological response modifier)、抗ホルモン、抗脈管形成剤(例えば、MMP−2インヒビター、MMP−9インヒビターおよびCOX−2インヒビター)、抗男性ホルモン物質、白金配位錯体(シスプラチンなど)、置換された尿素(例えば、ヒドロキシ尿素);メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン);副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)、ホルモンおよびホルモンアンタゴニスト(例えば、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン)、およびアロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール)、ならびにAROMASIN(エキセメスタン)からなる群より選択される。
上記方法が組み合わせて実施され得るアルキル化の例としては、フルオロウラシル(5−FU)(単独で、またはロイコボリンとさらに組み合わせて);他のピリミジンアナログ(例えば、UFT、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビン)、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン(慢性顆粒球性白血病の処置において使用される)、インプロスルファンおよびピポスルファン(piposulfan);アジリジン(例えば、ベンゾデパ(benzodepa)、カルボコン、メツレデパ(meturedepa)およびウレデパ(uredepa));エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、アルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロールメラミン);ならびにナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、および非ホジキンリンパ腫の処置において使用される)、シクロホスファミド(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、および横紋筋肉腫の処置において使用される)、エストラムスチン、イホスファミド、ノベンブリチン(novembrichin)、プレドニムスチン(prednimustine)およびウラシルマスタード(原発性血小板増加症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病および卵巣癌の処置において使用される);ならびにトリアジン(例えば、ダカルバジン(軟組織肉腫の処置において使用される)が挙げられるが、これらに限定されない。
上記方法が組み合わせて実施され得る代謝拮抗物質化学療法剤の例としては、葉酸アナログ(例えば、メトトレキセート(急性リンパ性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、乳癌、頭部および頚部癌、ならびに骨肉腫の処置において使用される)およびプテロプテリン(pteropterin));ならびにプリンアナログ(例えば、急性顆粒球性白血病、急性リンパ性白血病および慢性顆粒球性白血病の処置における用途が見いだされる、メルカプトプリンおよびチオグアニン)が挙げられるが、これらに限定されない。
上記方法が組み合わせて実施され得る天然産物ベースの化学療法剤の例としては、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(乳癌および精巣癌の処置において使用される)、ビンクリスチンおよびビンデシン);エピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxin)(例えば、エトポシドおよびテニポシド)(これらはともに、精巣癌およびカポージ肉腫の処置において有用である);抗生物質系化学療法剤(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン(胃癌、子宮頚癌、結腸癌、乳癌、膀胱癌および膵臓癌を処置するために使用される)、ダクチノマイシン、テモゾロミド、プリカマイシン、ブレオマイシン(皮膚癌、食道癌、および尿生殖路癌の処置において使用される);ならびに酵素系化学療法剤(例えば、L−アスパラギナーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。
有用なCOX−IIインヒビターの例としては、Vioxx、CELEBREX(セレコキシブ)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パラコキシブ(paracoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、およびCox 189が挙げられる。
有用なマトリクスメタロプロテイナーゼインヒビターの例は、WO96/33172(1996年10月24日公開)、WO96/27583(1996年3月7日公開)、欧州特許出願番号第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願番号第99308617.2号(1999年10月29日出願)、WO98/07697(1998年2月26日公開)、WO98/03516(1998年1月29日公開)、WO98/34918(1998年8月13日公開)、WO98/34915(1998年8月13日公開)、WO98/33768(1998年8月6日公開)、WO98/30566(1998年7月16日公開)、欧州特許公報606,046号(1994年7月13日公開)、欧州特許公報931,788号(1999年7月28日公開)、WO90/05719(1990年5月31日公開)、WO99/52910(1999年10月21日公開)、WO99/52889(1999年10月21日公開)、WO99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願番号PCT/IB98/01113(1998年7月21日出願)、欧州特許出願番号第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特許出願番号第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)、および欧州特許公開第780,386号(1997年1月25日公開)に記載されており、これらは全て、それら全体が本明細書に参考として援用される。好ましいMMP−2インヒビターおよびMMP−9インヒビターは、MMP−1を阻害する活性をほとんど有しないかまたは全く有しないものである。より好ましいのは、他のマトリクスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)と比較して、MMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものである。
本発明において有用なMMPインヒビターのいくつかの具体例は、AG−3340、RO 32−3555、RS 13−0830、および以下から選択される化合物である:3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R) 1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチルベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[(4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;ならびにこれら化合物の薬学的に受容可能な塩および溶媒和物。
他の抗脈管形成剤、他のCOX−IIインヒビターおよび他のMMPインヒビターはまた、本発明において使用され得る。
本発明の化合物はまた、他のシグナル伝達インヒビター(例えば、EGFR(上皮増殖因子レセプター)応答を阻害し得る薬剤(例えば、EGFR抗体、EGF抗体、およびEGFRインヒビターである分子);VEGF(血管内皮細胞増殖因子)インヒビター;およびerbB2レセプターインヒビター(例えば、erbB2レセプターに結合する有機分子または抗体(例えば、HERCEPTIN(Genentech,Inc.,South San Francisco,CA)))とともに使用され得る。EGFRインヒビターは、例えば、WO95/19970(1995年7月27日公開)、WO98/14451(1998年4月9日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)、および米国特許第5,747,498号(1998年5月5日発行)において記載され、このような物質は、本明細書に記載される本発明において使用される。
EGFR阻害剤としては、モノクローナル抗体C225および抗EGFR 22Mab(ImClone Systems,Inc.,New York,NY)、化合物ZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex Inc.,Annandale,NJ)、およびOLX−103(Merck & Co.,Whitehouse Station,NJ)、ならびにEGF融合毒素(Seragen Inc.,Hopkinton,MA)が挙げられるが、これらに限定されない。
これらおよび他のEGFR阻害剤は、本発明において使用され得る。VEGFインヒビター(例えば、SU−5416およびSU−6668(Sugen Inc.,South San Francisco,CA))はまた、本発明の化合物と組み合わせられ得る。VEGFインヒビターは、例えば、WO01/60814 A3(2001年8月23日公開)、WO99/24440(1999年5月20日公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日発行)、WO01/60814、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日発行)、米国特許第5,792,783号(1998年8月11日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年1月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)、およびWO98/02437(1998年1月22日公開)において記載され、これらは全て、それら全体が本明細書に参考として援用される。本発明において有用ないくつかの具体的VEGFインヒビターの他の例は、IM862(Cytran Inc.,Kirkland,WA);Genentech,Inc.の抗VEGFモノクローナル抗体;ならびに脈管酵素(angiozyme)、Ribozyme(Boulder,CO)およびChiron(Emeryville,CA)の合成リボザイムである。これらおよび他のVEGFインヒビターは、本明細書において記載されるように、本発明において使用され得る。pErbB2レセプターインヒビター(例えば、GW−282974(Glaxo Wellcome plc))、およびモノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.,The Woodlands,TX)および2B−1(Chiron))は、本発明の化合物(例えば、WO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)、および米国特許第5,877,305号(1999年3月2日発行)に記載されるもの(これらは全て、それら全体が本明細書に参考として援用される))とさらに組み合わせられ得る。本発明において有用なErbB2レセプターインヒビターはまた、米国特許第6,284,764号(2001年9月4日発行)(その全体が本明細書に参考として援用される)に記載される。上記erbB2レセプターインヒビター化合物および前述のPCT出願、米国特許、および米国仮特許出願に記載される物質、ならびにerbB2レセプターを阻害する他の化合物および物質は、本発明に従って、本発明の化合物とともに使用され得る。
本発明の化合物はまた、癌を処置することにおいて有用な他の薬剤(抗腫瘍免疫応答を増強し得る薬剤(例えば、CTLA4(細胞傷害性リンパ球抗原4)抗体が挙げられるが、これらに限定されない)、およびCTLA4をブロックし得る他の薬剤;ならびに抗増殖性薬剤(例えば、他のファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター(例えば、米国特許第6,258,824 B1号の「背景」節に引用されている参考文献に記載されるファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター))とともに使用され得る。
上記方法はまた、放射線療法と組み合わせて実施され得、ここで放射線療法との組み合わせにおける本発明の化合物の量は、上記疾患を処置することにおいて有効である。
放射線療法を施すための技術は、当該分野で公知であり、これら技術は、本明細書に記載される併用療法において使用され得る。この併用療法における本発明の化合物の投与は、本明細書に記載されるように決定され得る。
本発明は、以下の非限定的実施例を考慮すればさらに理解される。
(実施例1:コンピューターベースのリード同定)
バーチャルスクリーニング計算(virtual screening calculation)(Friesnerら,J.Med.Chem.47,1739−1749,2004;Schrodinger.L.L.C.,New York(http://www.schrodinger.com);Schrodinger LLC. First Discovery Technical Notes;Schrodinger Press:Portland,2003)を、テンプレートとしてのAMP−PNPとの複合体においてPIM−1キナーゼの結晶構造に基づいて行った(Qianら,J.Biol.Chem.280,6130−6137,2005;Jacobsら,J.Biol.Chem.280,13728,2005;Kumarら,J.Mol.Biol.348,183,2005;Bullockら,J.Med.Chem.48,7604−7614,2005;Ryanら,PCT公開WO2004/024895;Jeremyら,PCT公開 WO2004/058769)。Life Chemicals、Maybridge、TimTec、BioFocus、ComGenexおよびAmbinterのライブラリーから絞ったおよび/または多様な薬物様化合物約150万個のコンピュータースクリーニングは、もっぱらBioFocusライブラリー(BioFocus,2464,Massachusetts Avenue,Cambridge,MA 02140,USA,www.biofocus.com)からの63個の候補化合物の選択をもたらした。9つの化合物が、低マイクロモル範囲(8〜10μM)で活性であることが見いだされ、そのうちの2個が、直接PIM−1キナーゼ結合アッセイにおいて<8μMの活性であることが見いだされた。特異的Pim−1キナーゼ活性にとって重要な分子領域の同定のために最も活性な化合物は、両方とも、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(Beswickら,PCT公開WO1996/9631509;Raboissonら,Tetrahedron 59,5869−5878,2003)およびピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(Williamsonら,Bioorganic & Med.Chem.Letters 15,863−867,2005)のクラスに属する。以下に記載されるように、バーチャルスクリーニングから選択された化合物を、結合様式、QikProp(Schrodinger.L.L.C.,New York(http://www.schrodinger.com);Schrodinger LLC.QikProp Technical Notes;Schrodinger Press:Portland,2003)(溶解性、透過性) Lipinski様基準(CA Lipinski,Adv.Drug Del.Rev.23,3,1997)および所望のファーマコア基の存在に基づいてフィルターにかけた。これらのクラスの化合物を、リード最適化、合成およびPIM−1キナーゼスクリーニングのためのテンプレート構造として供した。
1. 三次元リガンドデータベースの前処理
Life Chemicals(16173)、Maybridge(Hitfinderおよびスクリーニングコレクション;16000、58855)、TimTec(Actimol Collection;82000)、BioFocus(45842)、ComGenex(4573)およびAmbinter(5534)からのsdf形式ファイルにおける、ならびにmae形式におけるそれらの三次元座標の外部データベースを、Schrodingerソフトウェアパッケージ内のLigPrepモジュールを使用して、sdfファイルの各々について生成した。最終座標を、マルチmaeファイルで保存した。LigPrepは、7.4の生理学的pHでイオン化されると想定される、選択される全てのリガンドのイオン化可能基(例えば、アミン、アミド、カルボン酸)のプロトン化状態に関する特別な注意を使用する。QikPropおよびGlideバーチャルスクリーンに適切な別個のマルチmae形式ファイルを生成した。上記データベースの各々を、1,54122分子の最終ライブラリーと一緒に、バーチャルスクリーニングに考究した。
2.タンパク質座標の作成および活性部位の定義
Glideバーチャルスクリーニングに使用される基準タンパク質座標を、AMP−PNPとの複合体(pdbエントリー:1XR1)におけるPIM−1キナーゼのX線構造からとった。次いで、水分子を除去し、見えない結合順序(missing bond order)および外面的形態(geometry)を、編集した。水素原子を追加し、組み合わせた複雑な構造を、タンパク質調製計算のために供した。結合したAMP−PNP分子を有する最終的に精密にした構造を、Grid計算にさらに供して、結合したリガンドを中心にした12Å半径の球内に囲われるアミノ酸の集まりとして活性部位を定義した。
3.Glideを使用してQikPropフィルターをかけたライブラリーのバーチャルスクリーニング
代表的には、各マルチmaeファイル分子を、QikProp計算に供した。上記データベース内での類似化合物の選択基準としてのTanimoto係数を実行し、このことにより、バーチャルスクリーニングに関する各データベースから、9267個、26593個、16394個、29394個、13258個および3964個の最終分子の選択がもたらされた。
4.後処理および化合物選択基準
所望のGlideスコア、水素結合形成および疎水性相互作用を有する化合物を、さらなる分析のために原子間距離によって評価した。各候補物の配座安定性も、複合体化した配座(complexed conformation)と自由に最小化した配座(freely minimized conformation)との間の力場エネルギー差(force field energy difference)によって評価し、この範疇から最高のスコアを付けた化合物を、さらなる分析のために選択した。3つの範疇の各々における化合物を視覚的に調べて、理想的な水素結合ジオメトリーも、疎水性分子表面も、ねじれ角も有しない候補物を排除した。得られた236個の構造を、QikProを使用してさらに分析して、logS、透過性、MWおよびLipinski様基準を計算した。このことによって、化合物数を69へとさらに減少させた。これら候補物をプールし、同じ化学構造を有する冗長なエントリーを、単一のエントリーによって示した。6個のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体および13個のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体を選択し、それらがインビトロアッセイにおいてPIM−1キナーゼ活性を阻害する能力を評価した。
5.結果
BioFocusライブラリーのイミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを、表Iおよび表IIIにまとめる。結合予想(docking prediction)からのこれらの足場の結合様式によって、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン部分がアデニンのものと同様に位置し、ヒンジ領域残基Glu121、Arg122およびPro123と相互作用することが明らかになった。R位置の芳香族基と3位の種々の置換基とは、より有利であるようであり、かつPIM−1キナーゼポケットにおけるものに対してより安定な配座を示す。そのC−8置換は、C−6置換より都合がよい。これら2つの足場についてのコンピューターデータは、R1置換およびR2置換が、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンと比較した場合に強い結合エネルギーを示すことを示唆した。これらの分析に基づいて、本発明者らは、BioFocusライブラリーにおいて同定された化合物を最適化し、表IIおよび表IVに示される新たな化合物を創り出した。
表I 例示的イミダゾ[1,2−b]ピリダジンPIM−1キナーゼインヒビター
Figure 0005357763
表II 例示的イミダゾ[1,2−b]ピリダジンPim−1キナーゼインヒビター
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
表III 例示的ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンPIM−1キナーゼインヒビター
Figure 0005357763
Figure 0005357763
表IV 例示的ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンPim−1キナーゼインヒビター
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
(実施例2:イミダゾ[1,2−B]ピリダジン化合物の合成)
本発明の特定の例示的化合物を、以下の反応スキームおよび詳細な合成実施例に示されるように作製した。
Figure 0005357763
1. ブロモアセトアルデヒド(2)の調製
Figure 0005357763
1,4−ジブロモ−trans−2−ブテン(1)(10g,0.046mol)を、乾燥CHCl(100ml)中に溶解し、−78℃に冷却し、青色が消えずに残るまで(約30分間)、オゾンガスを通気した。窒素流を、その青色が消失するまでその溶液に通し、無色の溶液を得た。トリフェニルホスフィン(12.9g,0.046mol)を1時間にわたって、一部ずつ添加した。その反応混合物を0℃にし、冷凍庫中で15時間保持した。溶媒(CHCl)をその反応混合物から(真空を適用することなく)除去し、その濃残渣を真空下(1mmHg)で、40℃で蒸留(distill)し、−78℃で、受容するフラスコの温度を維持した(蒸留の間、特別の注意を払って、冷水循環(約0℃から−5℃)を維持した)。そのブロモアセトアルデヒド(2)(2.8g,収率=50%)を淡黄色液状物として得、これは非常に催涙性であった。
2. 6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)
Figure 0005357763
3−アミノ−6−クロロピリダジン(1.5g,0.0116mol)をn−ブタノール(12ml)中に溶解し、0℃に冷却し、ブロモアセトアルデヒド(2.8g,0.023mol)を添加した。その反応系を20時間還流し、n−ブタノールを減圧下で除去した。その反応混合物に、水を添加し、EtOAc(5×20ml)で抽出した。その合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)(690mg,収率=40%)を得た。
3. 3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)
Figure 0005357763
上記6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)(500mg,0.0032mol)を、氷酢酸(5ml)中にとり、臭素(0.4ml)を室温でゆっくりと添加した。20分後、固体が析出したので、濾過した。その固体をエーテル(3×15ml)で洗浄し、風乾して、3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)(400mg,収率=60%)を得た。
4. 4−(6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−ジメチルアミン(6)
Figure 0005357763
2つ首丸底フラスコの中に、Pd(PPh(0.07g,0.068mmol)およびCsF(0.31g,0.0020mol)を無水PhCH(1.6ml)中にとった。その反応混合物にアルゴンを10分間通気し、その後、3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)、続いてボロン酸を添加した。その反応混合物を、20時間還流した。溶媒を、減圧下でその反応混合物から除去した。その残渣をEtOAc(20ml)中にとり、セライトを通して濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、その残渣を得た。その残渣を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/CHCl)によって濾過して、[4−(6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−ジメチルアミン(6)(50mg,収率=30%)を得た。
5. 2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル(±)−2−アミノ]ブタン−1−オール(7)
Figure 0005357763
2つ首丸底フラスコの中に、Pd(dba)(0.001g,0.0009mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.02g,0.256mmol)およびリガンド(0.001g,0.0027mmol)を、無水PhCH中にとった。その反応混合物にアルゴンを10分間通し、その後、[4−(6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−ジメチルアミン(6)(0.05g,0.18mmol)および(±)−2−アミノ−1−ブタノール(0.02g,0.22mmol)を添加した。その反応系を24時間還流した。その反応混合物から、減圧下でトルエンを除去し、その残渣をEtOAc(25ml)中にとり、セライトを通して濾過した。その濾液を、減圧下で濃縮し、その残渣を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/CHCl)によって精製して、2−[3−(4−ジメチルアミノフェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル(±)−2−アミノ]ブタン−1−オール(7)(15mg,収率=31%,HPLC純度=97%)を得た。
6.化合物9および化合物10の合成についての一般的スキームおよび手順
スキーム3
Figure 0005357763
2つ首丸底フラスコの中に、Pd(PPh(0.068mmol)およびCsF(0.0020mol)を無水PhCH(1.6ml)中にとった。その反応混合物にアルゴンを10分間通気し、その後、3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)、続いて、3−置換または4−置換のボロン酸を添加した。その反応混合物を20時間還流した。その反応混合物から、減圧下で溶媒を除去した。その残渣をEtOAc(20ml)中にとり、セライトを通して濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、その残渣を得た。その残渣を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/CHCl)によって精製して、6:4の比率で[3または4−(置換)−(6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−フェニル]−ジメチルアミン9および10を得た。
7. 2−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル(±)−2−アミノ)−ブタン−1−オール(化合物7−17)(SGI−1763RS)の合成についてのスキーム
スキーム4
Figure 0005357763
a. 6−クロロ−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(化合物7−12,7−13))(SGI−1759a,SGI−1759b)の合成
アルゴン下で脱気したMeOH/トルエン(1:4,5mL)溶媒および2MのNaCO(0.215mL,0.430mmol)に、3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(100mg,0.430mmol)、3−フルオロメトキシフェニルボロン酸(98mg,0.430mmol)およびPd(PPh(8.95mg,7.74μM,0.018当量)を添加した。その得られた反応混合物を加熱して一晩(12時間)還流した。TLC(5%MeOH/DCM,Rf=0.2)によって、出発物質3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン、および強い蛍光を有するさらに2つの新たなスポットの存在が示された。その反応混合物を濃縮し、その粗製生成物を、0%〜70% EtOAc/ヘキサン 40分間(流速18mL/分間で4g 通常相RediSep Flashカラム)溶媒系を使用するCombiFlash Companionによって精製し、2つの生成物を分離すると、化合物7−12の63mg(46.7%)および化合物7−13の13mg(6.88%)を得た。
b. 2−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)−ブタン−1−オール(化合物7−17)
(SGI−1763RS)の合成
トルエン溶媒に、7−12(30mg)、2−アミノ−1−ブタノール(18.08μM,2当量)、リガンド(5.65mg,0.15当量)、Pd(dba)(6.57,0.05当量)およびNaOtBu(13.05mg,1.42当量)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して一晩(12時間)還流した。その粗製生成物を濃縮し、分取用TLCを10% MeOH/DCM溶媒系で行って、10mgのラセミ化合物7−17(28.5%)を得た。
9. 化合物7−27および(SGI−1772)および化合物7−28の合成のためのスキーム(SGI−1773)の合成のためのスキーム
スキーム5
Figure 0005357763
10. tert−ブチル 4−((3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物7−27)(SGI−1772)の合成
トルエン溶媒に、7−12(100mg,0.319mmol)、4−アミノメチル−1−Boc−ピペリジン(68.3mg,0.319mmol)、リガンド(18.8mg,0.048mmol)、Pd(dba)(0.05当量)およびNaOtBu(1.5当量)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して一晩(12時間)還流した。その粗製生成物を濃縮し、分取用TLCを10% MeOH/DCM溶媒系で行って、84mgの7−27(53.6%)を得た。
11. N−(ピペリジン−4−イルメチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン 2,2,2−トリフルオロアセテート(化合物7−28(SGI−1773))の合成
1mLのDCMおよび1mLのTFA(0.098mmol)を、7−27(48mg,0.0)に、順に添加した。その反応は、室温において1時間で完了した。TLC(20% MeOH/DCM) Rf=0.1。濃縮してTFAを完全に除去すると、粗製7−28TFA塩を得た。分取用TLC(20% MeOH/DCM)によって、48mg(97%)の無色固体を得た。
12. 7−29(SGI−1776)の合成についてのスキーム
スキーム6
Figure 0005357763
13. N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−29)(SGI−1766)の合成:
トルエン(5mL)溶媒に、7−12(SGI−1759a)(40mg,0.128mmol)、(1−メチルピペリジン−4−イル)メタンアミン(24.53,0.191mmol)、リガンド(7.53mg,0.019mmol)、Pd(dba)(8.76,9.56mmol)およびNaOtBu(17.40mg,0.181mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して一晩(12時間)還流した。その粗製生成物を濃縮し、10% MeOH/DCM溶媒系で分取用TLCを行って、17.6mgの7−23(SGI−1766)(50%)を得た。
14. 化合物7−31の合成についてのスキーム
スキーム7
Figure 0005357763
15.±N−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−31)
(SGI−1778)
トルエン(5mL)溶媒に、7−12(SGI−1759a)(40mg,0.128mmol)、(±)2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブタン−1−アミン(0.191mmol)、リガンド(0.019mmol)、Pd(dba)(9.56mmol)およびNaOtBu(0.181mmol)を添加した。その得られた反応混合物を、アルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して一晩(12時間)還流した。その粗製生成物を濃縮し、分取用TLCを、10% MeOH/DCM溶媒系を用いて行って、22mgの7−31を得た。
(SGI−1778)を得た。
(実施例3:PIM−1キナーゼ活性アッセイ)
A. Pim−1キナーゼ阻害アッセイ
Pim−1キナーゼ活性が決定され得る1つの例示的様式は、インビトロPim−1キナーゼ反応の後に溶液中に残っているATPの量を定量することによる。Kinase−Glo Assay Kit(Promega,Inc.,Madison,WI)は、このことを可能にする。キナーゼ反応の後に溶液中に残っているATPの量は、ルシフェラーゼがルシフェリンに触媒作用を起こして、オキシルシフェリンと1つの光子(photon of light)にする基質として働く。従って、Luminoskan Ascent Instrument(Thermo Electron Corp.,Milford,MA)によって読み取られる発光シグナルは、キナーゼ反応の後に存在するATPの量と相関し、キナーゼ活性(kinase acitivity)の量と逆相関する。このアッセイは、Pim−1キナーゼに対するキナーゼインヒビターのIC50値を決定することにおいて効率的である。これらのアッセイは、白色の平底96ウェルプレートにおいて二連の50μl容積において設定される。インヒビターを、1×キナーゼ緩衝液、10μM ATP、100μM Pim−1特異的基質、50ngの活性Pim−1酵素、および水の溶液に(マイクロモル濃度からナノモル濃度に及ぶ段階希釈で)添加する。この溶液を、30℃で360rpmにおいて2時間インキュベートする。インキュベートした後、50μlのKinase−Glo試薬を各ウェル(全ての陽性コントロールウェルおよび陰性コントロールウェルを含む)に添加し、室温で15分間インキュベートする。次いで、このプレートを、Luminoskan Ascent instrumentで読み取り、その結果を、Ascent Software バージョン2.6でディスプレイする。次いで、そのIC50値を、各試験インヒビターについて計算し得る。
あるいは、Pim−1キナーゼ活性を、別のインビトロアッセイにおいて既知のPim−1基質のリン酸化を定量することによって決定し得る。Z−Lyteプロテインキナーゼアッセイキット(Invitrogen,Madison WI.)は、蛍光共鳴エネルギー転移(Fluorescent Resonance Energy Transfer)(FRET)手順を使用して、このことを可能にする。簡潔には、既知のPim−1基質(Invitrogenのセリン−スレオニン基質7)(これは、対向する末端に2つの蛍光団(クマリンおよびフルオレセイン)を有する)を、Pim−1酵素および潜在的インヒビターとともにインキュベートする。この後に、キナーゼ反応を停止させ、発色試薬を添加する。この試薬(プロテアーゼ)は、リン酸化されていない基質のみを切断し、2つの蛍光団を分離し、それらの間に存在し得るFRETの量を減少させる。次いで、FRETを、分光光度計(例えば、Gemini EM(Molecular Devices))を用いて測定され得る。FRETにおける減少は、活性インヒビターの指標である。
B. 細胞ベースのPim−1キナーゼインヒビターアッセイ:
細胞培養物ベースのアッセイを、本発明の化合物が1つ以上の細胞活動(例えば、癌細胞増殖および/または生存)を阻害する能力を評価するために使用し得る。多くの癌細胞株を、American Type Culture Collection(ATCC)および他の供給源から入手し得る。簡潔には、細胞増殖の速度に依存して、100μlの適切な増殖培地(ATCCによって決定される)中、1ウェルあたり5000細胞から10000細胞の間で、細胞を96ウェルの組織培養処理した不透明の白色プレート(Thermo Electron,Vantaa,Finland)に播種する。次いで、細胞を適切な濃度の薬物または等量のDMSO(薬物希釈液)に曝し、96時間それを存在させて増殖させる。この後に、100μlのCell−Titer−Glo試薬(Promega,Inc.,Madison,WI)を各ウェルに添加する。次いで、プレートを室温で2分間振盪して、細胞溶解を可能にし、そして室温で10分間インキュベートして、発光シグナルを安定させる。PromegaのKinase−Gloアッセイ試薬と同様に、この試薬は、ルシフェラーゼ酵素およびその基質であるルシフェリンの両方を含む。細胞溶解物においてATPによって活性化されるルシフェラーゼは、ルシフェリンの、オキシルシフェリンへの変換(発光させる反応)を触媒する。発光量は、細胞溶解物中のATPの量に比例し、ATPの量は、それ自体細胞数に比例し、細胞増殖の指標を与える。
細胞培養物におけるPim−1酵素の特異的阻害を検出するために、ウェスタンブロットアッセイもまた行う。このために、潜在的なPim−1インヒビターで処理された細胞を、タンパク質の分離および貯蔵に特異的な緩衝液(1% Nonidet P−40、150mM NaCl、50mM Tris pH 8.0、5mM EDTA、1:500プロテアーゼインヒビターカクテルIII[Calbiochem]、100mM NaF、100mM オルトバナジン酸ナトリウム)で溶解する。次いで、これら溶解物中のタンパク質濃度を、BCAプロテインアッセイキット(Pierce)を使用して定量する。既知量のタンパク質(例えば、10μg)を、12% SDS−ポリアクリルアミドゲルにのせ、還元型変性SDS−PAGEに供する。電気泳動したタンパク質をニトロセルロース膜に転写し、次いで、この膜をp−21に対する抗体およびホスホ(Thr 145)p−21でプローブする。p−21タンパク質のスレオニン−145はPim−1の基質であるので、処理細胞におけるこの部位でのリン酸化の量の測定は、本発明者らのPim−1インヒビターの効力を評価する手段を提供するはずである。
C. Pim−1キナーゼ比活性データ:
上記に本質的に記載される手順を使用して、例示的化合物を、Pim−1キナーゼ活性の阻害について試験した。図1は、Z−LYTEアッセイを使用して、10μMにおいてスクリーニングした例示的化合物についての結果を示す。値を、未処理コントロールに対する%として示す。図1に示されるように、上記化合物は、このアッセイによって、Pim−1キナーゼ活性を阻害するために有効であった。
さらに、IC50値を、Promega Kinase−Gloアッセイを使用して、Pim−1キナーゼに対する例示的化合物について決定した。その結果を、以下の表Vにまとめる。さらになお例示的化合物を、Pim−1を発現する細胞において細胞ベースの活性について評価した。IC50値(細胞増殖を、未処理の50%まで阻害するために必要とされる濃度を表す)を、以下の表VIにおいてμMで提供する。従って、複数アッセイによって、上記化合物は、Pim−1キナーゼの活性インヒビターを表し、細胞増殖を阻害し得る。
表V 新規化合物のキナーゼインヒビター活性
Figure 0005357763
表VI 例示的化合物の細胞ベースの活性
Figure 0005357763
(実施例4:イミダゾ[1,2−B]ピリダジン化合物の合成)
本発明の他の化合物(表VIIに示される例示的化合物を含む)を、以下の合成実施例に従って作製した。
1.ブロモアセトアルデヒド(2)の調製
Figure 0005357763
1,4−ジブロモ−trans−2−ブテン(1)(10g,0.046mol)を乾燥CHCl(100ml)中に溶解し、−78℃に冷却し、青色が消えずに残るまで(約30分間)、オゾンガスを通気した。窒素流を、その青色が消失するまでその溶液に通し、無色の溶液を得た。トリフェニルホスフィン(12.9g,0.046mol)を1時間にわたって、一部ずつ添加した。その反応混合物を0℃にし、冷凍庫中で15時間保持した。溶媒(CHCl)をその反応混合物から(真空を適用することなく)除去し、その濃残渣を真空下(1mmHg)で、40℃で蒸留し、−78℃で、受容するフラスコの温度を維持した[注:蒸留の間、特別の注意を払って、冷水循環(約0℃から−5℃)を維持した]。そのブロモアセトアルデヒド(2)(2.8g,収率=50%)を淡黄色液状物として得、これは非常に催涙性であった。
2. 6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)
Figure 0005357763
3−アミノ−6−クロロピリダジン(1.5g,0.0116mol)をn−ブタノール(12ml)中に溶解し、0℃に冷却し、ブロモアセトアルデヒド(2.8g,0.023mol)を添加した。その反応系を20時間還流し、n−ブタノールを減圧下で除去した。その反応混合物に、水を添加し、EtOAc(5×20ml)で抽出した。その合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)(690mg,収率=40%)を得た。
3. 3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)
Figure 0005357763
上記6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(4)(500mg,0.0032mol)を、氷酢酸(5ml)中にとり、臭素(0.4ml)を室温でゆっくりと添加した。20分後、固体が析出したので、濾過した。その固体をエーテル(3×15ml)で洗浄し、風乾して、3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(5)(400mg,収率=60%)を得た。
Figure 0005357763
4. 6−クロロ−3−置換−イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを作製する一般的手順
5mLのトルエン−MeOH(4:1)中に、3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(0.43mmol)、ボロン酸(0.43mmol)、Pd(PhP(7.74μmol,0.018当量)およびNaCO(2M,0.43mmol)を含む反応混合物をアルゴンで10分間脱気した。その反応系を一晩還流した。その混合物を、MgSOを通して濾過し、真空下で濃縮した。その残渣を、コンビフラッシュ(combiflash)(0%〜70% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物を得た。
5. 3,6−二置換−イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを作製する一般的手順
5mLのトルエン中の、6−クロロ−3−置換−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(0.096mmol)、アミン(0.191mmol)、リガンド(0.014mmol,0.15当量)、Pd(dba)(7.17μmol,0.075当量)およびNaOtBu(0.136mmol,1.4当量)を含む反応混合物を、アルゴンで10分間脱気した。その混合物を一晩還流した。濃縮および分取用TLC精製によって、所望の生成物を得た。
12−(3−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール(化合物7−4)(SGI−1753)
H−NMR:(400MHz,CDOD) 7.92(m,2H),7.65(s,1H),7.30(m,2H),6.94(d,J=10Hz,1H),6.81(m,1H),4.26(m,1H),4.20(m,1H),3.01(s,6H),1.04(t,J=7.6Hz,3H),MS m/z: 326.1,255.2。
2−(3−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール(化合物7−10)
(SGI−1757)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.09(m,2H),7.92(m,2H),7.25(t,J=8.5Hz,2H),6.97(d,J=9.4Hz,1H),4.45(m,1H),4.21(m,1H),3.17(m,1H),1.68(m,1H),1.52(m,1H),1.06(t,J=7.5Hz,3H)。
2−(3−(3−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール (化合物 7−11)(SGI−1758)
H−NMR (400MHz,CDOD) 7.96(m,3H),7.88(d,J=7.8Hz,1H),7.50(m,1H),7.13(m,1H),7.00(d,J=8.6Hz,1H),4.50(m,1H),4.23(m,1H),3.21(m,1H),1.70(m,1H),1.54(m,1H),1.06(t,J=7.6Hz,3H)。
N−シクロペンチル−3−(3−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−15)
(SGI−1761)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.17(d,J=11.3Hz,1H),7.90(d,J=6.8Hz,1H),7.82(s,1H),7.61(d,J=8.5Hz,1H),7.4(m,1H),7.03(m,1H),6.72(d,J=9.5Hz,1H),4.16(m,1H),1.77(m,4H),1.66(m,4H)。
2−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール(化合物7−17)
(SGI−1763)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.24(s,1H),8.04(s,1H),7.97(m,2H),7.57(t,J=6.2Hz,1H),7.27(d,J=8.2Hz,1H),7.02(dd,J=1.4Hz,J=9.6Hz,1H),4.78(d,J=10.9Hz,1H),4.25(t,J=8.9Hz,1H),1.64(m,2H),1.08(t,J=7.6Hz,3H)。
(R)−1−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルオキシ)ブタン−2−アミン(化合物7−18)
(SGI−1763R)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.24(s,1H),8.02(s,1H),7.98(t,J=9.57Hz,2H),7.58(t,J=7.8Hz,1H),7.27(d,J=9.57Hz,1H),7.02(d,J=9.57Hz,1H),4.48(m,1H),4.25(m,1H),1.71〜1.56(m,2H),1.08(m,3H)。
(S)−1−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルオキシ)ブタン−2−アミン(化合物7−19)
(SGI−1763S)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.22(s,1H),8.02(s,1H),7.95(m,2H),7.55(t,J=8.2Hz,1H),7.27(m,1H),7.00(dd,J1=9.9Hz,1H),4.42(m,1H),4.18(m,1H),1.67〜1.51(m,2H),1.06(m,3H)。
N−(シクロプロピルメチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−20)
(SGI−1764)
H−NMR (400MHz,CDOD) 8.43(s,1H),7.97(d,J=7.8Hz,1H),7.85(s,1H),7.62(d,J=9.5Hz,1H),7.52(t,J=8.2Hz,1H),7.20(d,J=7.5Hz,1H),6.75(d,J=9.3Hz,1H),3.21(d,J=6.8Hz,2H),1.2(m,1H),0.55(m,2H),0.28(m,2H)。
N−(3−(6−(1−ヒドロキシブタン−2−イルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物7−23)
(SGI−1766)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.29(s,1H),7.95(s,1H),7.92(m,1H),7.74(d,J=7.8Hz,1H),7.44(t,J=7.8Hz,1H),7.18(m,1H),6.96(m,1H),4.51(m,1H),4.36(m,1H),3.24(m,1H),3.00(s,3H),1.74(m,1H),1.60(m,1H),1.05(t,J=7.5Hz,3H)。
2−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール(化合物7−24)
(SGI−1767)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.64(s,1H),8.22(s,1H),8.06(s,1H),7.94(m,1H),7.65(s,2H),7.00(d,J=9.9Hz,1H),4.45(m,1H),4.19(t,J=8.2Hz,1H),3.20(m,1H),1.60(m,2H),1.04(t,J=8.5Hz,3H)。
N−(シクロプロピルメチル)−3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−25)
(SGI−1768)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.82(s,1H),8.19(s,1H),7.86(s,1H),7.60(m,3H),6.74(m,1H),3.20(m,2H),1.18(m,1H),0.55(m,2H),0.26(m,2H)。
tert−ブチル 4−((3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート 化合物(7−27)
(SGI−1772)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.39(s,1H),7.96(d,J=8.2Hz,1H),7.85(s,1H),7.62(dd,J1=2.0Hz,J2=9.9Hz,1H),7.49(m,1H),7.21(d,J=8.2Hz,1H),6.71(dd,J1=2.0Hz,J2=9.57Hz,1H),4.07(m,4H),3.26(m,4H),1.82(d,J=12.7Hz,2H),1.42(s,9H),1.57(m,1H)。
N−(ピペリジン−4−イルメチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−28)
(SGI−1773)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.37(s,1H),7.99(d,J=8.2Hz,1H),7.88(s,1H),7.66(d,J=9.2Hz,1H),7.54(t,J=8.2Hz,1H),7.24(d,J=7.24Hz,1H),6.75(d,J=9.5Hz,1H),2.94(m,4H),2.04(m,4H),1.44(m,1H)。
N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−29)
(SGI−1776)
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.38(s,1H),8.00(d,J=7.9Hz,1H),7.86(s,1H),7.64(m,1H),7.53(t,J=8.2H,1H),7.22(d,J=7.5Hz,1H),6.74(d,J=9.9Hz,1H),3.00(d,J=12Hz,2H),2.30(s,3H),1.90(d,J=12.6Hz,3H),1.38(m,2H) 2.20(t,J=11.6Hz,2H)。
N−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン 化合物(7−30)
(SGI−1777)
H−NMR(400MHz,CDOD): 8.29(s,1H),8.02(d,J=7.6Hz,1H),7.84(s,1H),7.64(d,J=9.6Hz,1H),7.53(t,J=8hz,1H),7.31(m,1H),7.22(d,J=8.4Hz,1H),6.74(d,J=9.6Hz,1H),3.56(t,J=6.8Hz,2H),2.81(t,J=6.8Hz,2H),2.63(s,4H),1.81(m,4H)。
(実施例5:イミダゾ[1,2−B]ピリダジン化合物および7−メチル−イミダゾ[1,2−B]ピリダジン化合物の合成)
本発明のさらなる化合物(表VIIに示される例示的化合物を含む)を、以下の合成実施例に従って作製した。これらの実施例において、化合物7−12を上記の実施例2に記載されるように調製し、その一方で、化合物11を、以下のように調製した:
6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−アミン7(SGI−1781):
Figure 0005357763
3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン6(1g)を、5mLのエタノールに溶解し、水酸化アンモニウム(10mL)を添加した。その得られた反応混合物を加圧ボトル中に密封し、100℃に48時間加熱した。その反応混合物を冷却し、その溶媒をエバポレートし、ヘキサン/DCM 40:60溶媒系(流速18mL/分で運転時間 分での4g 正常相 RediSep Flashカラム)を使用して、CombiFlash Companionによって精製して、0.640g(72.7%)の7を黄色固体として得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 7.08(s,1H),4.72(s,2H),2.27(s,3H),ESI−MS m/z 143.9 (M+H)
6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン 8(SGI−1782):
Figure 0005357763
6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−アミン7(0.6g,4.18mmol)を、n−ブタノール(10ml)中に溶解し、クロロアセトアルデヒド(0.328g,4.18mmol)を添加した。その反応系を6時間還流し、n−ブタノールを減圧下で除去した。その粗製生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM/ヘキサン,70:30)によって精製して、化合物8(0.234g,収率=33.4%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 8.66(s,1H),8.05(d,J=1.7Hz,1H),7.96(d,J=8.2Hz,1H),2.58(s,3H),ESI−MS m/z 167.8(M+H)
3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン9(SGI−1783):
Figure 0005357763
上記6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン8(0.230g,1.372mmol)を氷酢酸(10ml)中にとり、臭素(0.070ml,1.372mmol)を、室温でゆっくりと添加した。20分後、その溶媒をエバポレートし、得られた褐色固体をエーテル(3×15ml)で洗浄し、風乾させて、化合物9(0.236g,収率69.8%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 7.79(d,J=7.32Hz,1H),6.93(s,1H),2.64(s,3H),ESI−MS m/z 247.9(M+H)
6−クロロ−7−メチル−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン11(SGI 1784):
Figure 0005357763
3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン9(100mg,0.406mmol)を、1,4−ジオキサン(10mL)中に溶解し、3−フルオロメトキシボロン酸10(84mg,0.406mmol)、Pd(PPh(9.38mg,8.11μM)およびNaCO(47.3mg,0.446mmol)を添加した。その反応混合物を、150℃で30分間マイクロ波を用いて加熱した。TLC(6%MeoH/DCM)は、反応の完了を示した。濃縮および分取用TLC(6% MeOH/DCM)によって、化合物11を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl) 8.01(d,J=1.2Hz,1H),7.95(m,2H),7.51(t,J=8.1Hz,1H),7.21(m,1H),6.96(m,1H),2.69(s,3H),1.54(s,3H)。19F−NMR(300MHz,CDCl3) −59.08。
(S)−2−(3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)ブタン−1−オール(化合物7−32)(SGI−1779S):
Figure 0005357763
トルエン(10mL)溶媒に、化合物7−12(100mg,0.319mmol)、N−Boc−(S)−(+)−2−アミノ−1−ブタノール12(121mg,0.638mmol)、リガンド(18.82mg,0.048mmol)、NaOtBu(43.5mg,0.453mmol)およびPd(dba)(21.90,0.024mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、165℃で1時間、マイクロ波にかけた。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、化合物13および化合物7−32を得た。NMRによって、7−32はBoc除去された生成物であることが示された。その粗製生成物を濃縮し、分取用TLCを10% MeOH/DCM溶媒系で行ったところ、27mgの7−32を黄色固体(23.12%)として得た。
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.30(s,1H),8.02(d,J=7.8Hz,1H),7.84(s,1H),7.62(d,J=9.6Hz,1H),7.53(t,J=8.2Hz,1H),7.21(d,J=8.5Hz,1H),6.78(d,J=9.6Hz,1H),3.93(t,J=5.8Hz,1H),3.76(m,1H),3.65(m,1H),1.73(m,2H),1.03(t,J=7.5Hz,3H)。ESI−MS m/z 367.13 (M+H)
6−((1−メチルピペリジン−4−イル)メトキシ)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(化合物7−33)(SGI−1780):
Figure 0005357763
トルエン(5mL)溶媒に、化合物7−12(50mg,0.159mmol)、(1−メチルピペリジン−4−イル)メタノール14(30.9mg,0.239mmol)、リガンド(9.41mg,0.024mmol)、NaOtBu(21.75mg,0.226mmol)およびPd(dba)(10.95,0.012mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して12時間還流した。の濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、17.6mgの化合物7−33を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD) 8.30(s,1H),8.05(s,1H),7.97(m,3H),7.58(t,J=8.2Hz,1H),6.96(d,J=9.9Hz,1H),4.29(d,J=6.5Hz,2H),3.94(d,J=6.15Hz,1H),3.07(t,J=12.64Hz,4H),2.33(t,J=12.30Hz,4H),2.02(s,3H)。ESI−MS m/z 407.18 (M+H)
7−メチル−6−((1−メチルピペリジン−4−イル)メトキシ)−3−(3(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(化合物7−34)(SGI−1785):
Figure 0005357763
トルエン(5mL)溶媒に、化合物11(80mg,0.224mmol)、(1−メチルピペリジン−4−イル)メタノール14(47.3mg,0.366mmol)、リガンド(14.41mg,0.037mmol)、NaOtBu(33.3mg,0.347mmol)およびPd(dba)(16.77,0.018mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、165℃においてマイクロ波で加熱した。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、111.5mg(11.2 %)の化合物7−34を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 8.27(s,1H),7.96(m,2H),7.55(m,1H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),6.76(s,1H),4.18(s,2H),2.96(d,J=11.7Hz,1H),2.56(s,3H),2.31(s,3H),2.11(t,J=12.3Hz,2H),1.88(d,J=12.3Hz,4H),1.44(d,J=12.6Hz,2H)。ESI−MS m/z 421.18 (M+H)
N−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−35)(SGI−1786):
Figure 0005357763
トルエン(10mL)溶媒に、化合物7−12(10mg,0.319mmol)、(1−イソプロピルピペリジン−4−イル)メタンアミン15(74.9mg,0.478mmol)、リガンド(18.82mg,0.048mmol)、NaOH(43.5mg,0.453mmol)およびPd(dba)(21.90,0.024mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して12時間還流した。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、11mg(7.96%)の化合物7−35を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 7.60(s,1H),7.18(d,J=9.3Hz,1H),7.07(s,1H),6.84(d,J=9.3Hz,1H),6.73(t,J=8.1Hz,1H),6.43(d,J=6.3Hz,1H),5.94(d,J=9.9Hz,1H),2.85(s,1H),2.14(m,3H),1.93(m,2H),1.42(m,3H),1.07(m,4H),0.286(2s,2CH) ESI−MS m/z 434.23 (M+H)
シクロプロピル(4−((3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルアミノ)メチル)ピペリジン−1−イル)メタノン(化合物7−36)(SGI−1787):
Figure 0005357763
トルエン(10mL)溶媒に、化合物7−12(10mg,0.319mmol)、(1−シクロプロピルカルボニルピペリジン−4−イル)メタンアミン16(69.7mg,0.383mmol)、rac−BINAP(7.94mg,0.013mmol)およびPd(dba)(5.84,6.38μM)を得た。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、加熱して、12時間還流した。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、29mg(19.8%)の化合物7−36を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 7.59(s,1H),7.16(d,J=7.2Hz,1H),7.04(d,J=6.3Hz,1H),6.81(m,1H),6.70(m,1H),6.40(d,J=6.3Hz,1H),5.90(m,1H),3.70(m,1H),3.54(m,1H),2.36(m,1H),1.83(m,1H),1.28(m,1H),1.12(m,3H),0.4(m,2H),0.027(m,4H)。ESI−MS m/z 460.20 (M+H)
7−メチル−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−37)(SGI−1788):
Figure 0005357763
トルエン(5mL)溶媒に、化合物11(57mg,0.174mmol)、(1−メチルピペリジン−4−イル)メタンアミン17(26.8mg,0.209mmol)、リガンド(10.27mg,0.026mmol)、NaOtBu(23.40mg,0.244mmol)およびPd(dba)(11.95,0.013mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、150℃において1時間、マイクロ波で加熱した。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、5.3mg(7.26%)の化合物7−37を得た。
H−NMR(300MHz,CD3OD) 8.35(s,1H),8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.83(s,1H),7.51(t,J=7.8Hz,2H),7.21(d,J=8.1Hz,2H),3.65(m,2H),2.36(m,3H),2.98(d,J=11.4Hz,2H),2.48(m,2H),2.26(d,J=0.9Hz,3H),2.24(s,3H),1.91(m,4H),1.32(m,1H)。19F−NMR(300Hz,CD3OD) −56.456,FTMS+p MALDI: 420.20113 (M+H),理論精密質量:420.20112。
N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−7−メチル−3−((トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−38)
(SGI−1791)
Figure 0005357763
トルエン(5mL)溶媒に、 化合物11(50mg,0.153mmol)、(1−エチルピペリジン−4−イル)メタンアミン18(26mg,0.183mmol)、リガンド(9.01mg,0.023mmol)、NaOtBu(20.53mg,0.214mmol)およびPd(dba)(10.48,0.011mmol)を添加した。その得られた反応混合物をアルゴン下で10分間脱気し、次いで、150℃において1.5時間、マイクロ波で加熱した。濃縮および分取用TLC(10% MeOH/DCM)によって、11.9mg(17.99%)の化合物7−38を得た。
H−NMR(300MHz,CDOD) 8.335(s,1H),7.99(d,J=7.8Hz,1H),7.81(s,1H),7.49(t,J=7.8Hz,2H),7.21(m,1H),3.34(m,2H),3.00(d,J=11.1Hz,2H),2.44(m,4H),2.26(s,3H),1.91(m,4H),1.32(m,1H),1.08(t,J=6.9Hz,3H)。19F−NMR(300Hz,CDOD) −56.423, FTMS+p MALDI: 434.36365 (M+H),理論精密質量: 433.20895。
N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−39)(SGI−3762):
Figure 0005357763
トルエン(10mL)中の、化合物7−12(0.250g,0.797mmol)および(1−エチルピペリジン−4−イル)メタンアミン18(0.113g,0.797mmol)の溶液に、4級ナトリウムブトキシド(0.138g,1.435mmol)、rac−BINAP(0.030g,0.048mmol)およびPd(dba)(0.022g,0.024mmol)を添加し、その混合物を、100℃において一晩加熱した。16時間後、その得られた暗褐色溶液を冷却し、減圧下で濃縮した。その固体を、combiflashクロマトグラフィー(6g カラム)、溶出液:酢酸エチル/ヘキサン(10−100)中5% TEA(不純物除去)および酢酸エチル/CHOH(90:10)中の5% TEAを使用することによってさらに精製して、化合物7−39(89%)を得た。
H−NMR(DMSO−d6/300MHz): 8.50(s,1H),8.06(d,J=13.2Hz,1H),7.77(d,J=9.9Hz,1H),7.57(t,J=7.8Hz,1H),7.28(m,2H),6.76(d,J=9.9Hz,1H),3.35(m,2H),3.16(m,2H),2.87(d,J=9.9Hz,2H),2.27(m,2H),1.76(m,4H),1.22(m,1H),0.97(t,J=6.9Hz,3H)。ESI−MS m/z 420.2 (M+H)
化合物7−40から化合物7−51を、以下の一般的方法に従って調製した:
トルエン(5mL)中の、6−クロロ−3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシル)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンまたは6−クロロ−3−(2−メトキシ−4−(トリフルオロメトキシル)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(0.149g,0.434mmol)およびアミン(0.434mmol)の溶液に、4級ナトリウムブトキシド(0.075g,0.780mmol)、rac−BINAP(0.012g,0.013mmol)およびPd(dba)(0.016g,0.026mmol)を添加し、その混合物を、100℃において一晩加熱した。16時間後、その得られた暗褐色溶液を冷却し、減圧下で濃縮した。その固体を、combiflashクロマトグラフィー(6g カラム):溶出液:酢酸エチル/ヘキサン(10−100)中5% TEA(不純物除去)および酢酸エチル/CHOH(90:10)中5% TEA(所望のメトキシ生成物溶出)を使用することによって、さらに精製した。
メトキシ基を、無水ジクロロメタン(DCM)(3mL)中に上記メトキシ化合物(0.222mmol)を溶解し、BBr(DCM(0.667mL)中1.0M)を−78℃で添加し、室温において一晩攪拌することによって、除去した。16時間後、その得られた暗褐色溶液を、NaHCOでクエンチした。HPLC分析によって、変換の完了が示された。DCMで抽出しかつ乾燥させた後、その残渣を、combiflashクロマトグラフィー,溶出液:メタノール/酢酸エチル(5% TEA),比率5〜50%を使用することによって精製した。R=0.23, 50% 酢酸エチル(5% TEA)/CHOH;その構造を、H−NMRおよび質量分析法(MS)によって確認した。
3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−40)(SGI−3744):
Figure 0005357763
H−NMR(CDOD/400MHz): 8.36(d,J=2.1Hz,1H),7.79(s,1H),7.68(s,1H),7.64(s,1H),7.54(dd,J=8.5,1.7Hz,2H),6.87(m,3H),3.92(s,3H),3.12(t,J=18.3Hz,4H),2.62(t,J=18.3Hz,4H),2.33(s,3H)。ESI−MS (ES+, m/z): 483.2 (M+1, 100.0)。
3−(2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−41)(SGI−3748):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/400MHz): 9.28(s,1H),8.29(d,J=2.1Hz,1H),7.90(d,J=9.9Hz,1H),7.81(s,1H),7.77(dd,J=8.6,2.1Hz,1H),7.55(d,J=8.9Hz,2H),7.40(d,J=8.6Hz,1H),6.90(t,J=9.9Hz,3H),3.64(d,J=12.3Hz,4H),3.50(d,J=13.3Hz,4H),2.33(s,3H)。ESI−MS(ES+,m/z): 469.3 (M+1, 10.0)。
3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−42)(SGI−3747):
Figure 0005357763
H−NMR(CDOD/400MHz): 8.46(d,J=2.4Hz,1H),7.94(s,1H),7.64(d,J=9.6Hz,1H),7.23(dt,J=9.2,2.0Hz,1H),7.18(d,J=9.3Hz,1H),6.73(d,J=9.6Hz,1H),3.95(s,3H),3.27(m,J=18.3Hz,2H),3.15(m,J=18.3Hz,2H),2.48(s,3H),2.41(t,J=18.3Hz,2H),1.90(m,J=18.3Hz,3H),1.29(m,J=18.3Hz,2H)。ESI−MS(ES+,m/z): 436.2(M+1,100.0)。
3−(2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−43)(SGI−3749):
Figure 0005357763
H−NMR(CDOD/400MHz): 8.60(d,J=2.4Hz,1H),8.04(s,1H),7.74(d,J=9.9Hz,1H),7.13(m,J=9.2,2.0Hz,2H),7.04(d,J=8.9Hz,1H),6.72(d,J=9.6Hz,1H),3.13(t,J=6.5Hz,4H),2.75(d,J=11.3Hz,2H),2.48(s,3H),1.81(t,J=12.0Hz,2H),1.72(d,J=12.0Hz,2H),1.60(m,J=18.3Hz,1H)。ESI−MS(ES+,m/z): 422.2 (M+1,100.0)。
3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−N−(2−(1−メチルピペリジン−4−イル)エチル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−44)(SGI−3754):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.53(d,J=2.7Hz,1H),7.93(s,1H),7.75(d,J=9.6Hz,1H),7.30(dd,J=8.7,3.0Hz,1H),7.22(d,J=9.3Hz,1H),6.97(t,J=5.1Hz,1H),6.77(d,J=9.3Hz,1H),3.91(s,3H),2.81(d,J=11.7Hz,2H),2.48(s,3H),1.89(t,J=11.7Hz,2H),1.52(d,J=12.3Hz,2H),1.27(m,1H),1.17(m,2H),0.84(m,4H)。ESI−MS(ES+,m/z): 450.2(M+1,20.0)。
3−(2−ヒドロキシル−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−N−(2−(1−メチルピペリジン−4−イル)エチル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−45)(SGI−3756):
Figure 0005357763
H−NMR(CDOD+CDCl/300MHz): 8.01(d,J=3.1Hz,1H),7.88(s,1H),7.63(d,J=9.6Hz,1H),7.07(dd,J=8.9,1.7Hz,1H),6.97(d,J=8.7Hz,1H),6.70(d,J=9.6Hz,1H),3.34(s,3H),2.90(t,J=6.5Hz,2H),2.37(t,J=11.2Hz,2H),1.69(d,J=12.3Hz,2H),1.45(m,1H),1.28(m,2H),0.93(m,4H)。ESI−MS(ES+,m/z): 436.3(M+1,20.0)。
N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−46)(SGI−3755):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/400MHz): 8.27(s,1H),7.98(s,1H),7.78(d,J=9.9Hz,1H),7.33(d,J=8.9Hz,1H),7.25(d,J=9.2Hz,1H),7.15(t,J=5.2Hz,1H),6.77(d,J=9.6Hz,1H),3.95(s,3H),3.15(t,J=5.8Hz,4H),2.88(d,J=11.3Hz,2H),2.30(q,J=7.2Hz,2H),1.82(t,J=10.9Hz,2H),1.75(d,J=13.3Hz,2H),1.65(m,1H),0.99(t,J=7.2Hz,3H)。ESI−MS(ES+,m/z): 450.2(M+1,20.0)。
N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−47)(SGI−3757):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.60(s,1H),7.96(d,J=3.6Hz,1H),7.75(dd,J=9.9,3.6Hz,1H),7.30(d,J=8.7Hz,1H),7.23(d,J=9.0Hz,1H),7.14(s,1H),6.76(d,J=9.9Hz,1H),3.16(m,4H),2.78(m,2H),2.30(q,J=7.2Hz,2H),1.82(m,2H),1.76(m,2H),1.67(m,1H),0.99(t,J=7.2Hz,3H)。ESI−MS(ES+,m/z): 436.2(M+1,100.0)。
N−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−48)(SGI−3758):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.52(d,J=2.1Hz,1H),7.88(s,1H),7.66(d,J=10.7Hz,1H),7.24(d,J=9.0Hz,1H),7.14(d,J=13.7Hz,1H),7.04(t,J=5.2Hz,1H),6.68(d,J=9.4Hz,1H),3.84(s,3H),3.06(t,J=5.9Hz,4H),2.71(d,J=8.9Hz,2H),2.55(t,J=6.5Hz,2H),1.99(t,J=9.2Hz,2H),1.68(d,J=13.3Hz,1H),1.53(m,1H),0.84(d,J=7.2Hz,6H)。ESI−MS(ES+,m/z): 464.2(M+1,50.0)。
N−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−49)(SGI−3760):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.59(s,1H),8.04(d,J=2.4Hz,1H),7.75(dd,J=9.8,2.0Hz,1H),7.13(d,J=8.3Hz,2H),7.03(d,J=6.8Hz,1H),6.73(d,J=7.8Hz,1H),3.13(m,4H),2.87(m,2H),2.25(m,2H),1.74(m,4H),0.98(d,J=6.8Hz,6H)。ESI−MS(ES+,m/z): 450.2(M+1,40.0)。
N−(2−(1−エチルピペリジン−4−イル)エチル)−3−(2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−50)(SGI−3759):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.58(d,J=2.7Hz,1H),7.95(s,1H),7.76(d,J=9.7Hz,1H),7.30(dd,J=8.5,2.0Hz,1H),7.22(d,J=9.3Hz,1H),6.98(t,J=5.2Hz,1H),6.77(d,J=9.3Hz,1H),3.91(s,3H),3.21(m,2H),2.82(m,2H),2.29(t,J=7.4Hz,2H),1.78(m,2H),1.66(m,2H),1.50(m,2H),1.28(m,1H),1.15(m,2H),0.94(t,J=7.2Hz,3H)。ESI−MS(ES+,m/z): 464.2(M+1,20.0)。
N−((1−イソプロピルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−51)(SGI−3767):
Figure 0005357763
H−NMR(DMSO−d/300MHz): 8.32(dt,J=9.8,2.4Hz,2H),7.93(s,1H),7.75(d,J=9.3Hz,1H),7.44(d,J=8.3Hz,2H),7.19(t,J=5.4Hz,1H),6.74(d,J=9.8Hz,1H),3.14(t,J=4.9Hz,4H),2.79(d,J=11.2Hz,2H),2.63(m,1H),2.04(t,J=10.3Hz,2H),1.74(m,2H),1.23(m,1H),0.91(d,J=6.3Hz,6H)。ESI−MS(ES+,m/z): 434.3(M+1,40.0)。
(実施例6:例示的イミダゾ[1,2−B]ピリダジンPIM−1キナーゼインヒビター)
本発明に従って同定されかつ本明細書に記載の合成手順に従って合成されるさらなるPim−1キナーゼインヒビターの構造は、以下の表VIIに示される。
表VII 例示的イミダゾ[1,2−b]ピリダジン Pim−1キナーゼインヒビター
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
Figure 0005357763
(実施例7:PIM−1キナーゼ活性アッセイ)
IC50値を、Promega Kinase−Gloアッセイを使用して、(例えば、表VIIの)例示的化合物について決定し、その結果を以下の表VIIIにまとめる。さらに、例示的化合物を、Pim−1を発現する細胞において、細胞ベースの活性について評価した。IC50値(細胞増殖を未処理のものの50%まで阻害するのに必要とされる濃度を表す)を、以下の表IXにおいてμM単位で提供する。従って、複数のアッセイによって、これら例示的化合物は、Pim−1キナーゼの活性なインヒビターを表し、腫瘍細胞増殖を阻害し得る。
表VIII 代表的化合物のキナーゼ阻害活性
Figure 0005357763
Figure 0005357763

表IX 代表的化合物の細胞ベースの活性
Figure 0005357763
Figure 0005357763


(実施例8:特定のプロテインキナーゼに対する化合物7−29の選択性)
化合物7−29(表VII)(SGI−1776)を、1mMにおいて、放射分析アッセイで、Ser/Thrキナーゼおよびチロシンキナーゼの一団に対する選択性について評価した。その結果を図2にまとめる。試験したSer/Thrキナーゼに対して、化合物7−29は、他の試験したキナーゼより>100倍のPim1キナーゼ選択性を示した。しかし、化合物7−29は、Flt3,Mek1およびTrkAに対する選択性も示した。この化合物は、他のSer/Thrキナーゼ(Aurora−A、CDK1、CDK2、Plk3およびNek2を含む)およびチロシンキナーゼ(Able、c−Kit、EGFRおよびJak2を含む)の一団に対する有意な選択性は示さなかった。
(実施例9)
この実施例は、例示的化合物7−19のHCl塩(SGI−1763.HCl)、化合物7−29のHCl塩(SGI−1776.HCl)および化合物7−31のHCl塩(SGI−1778.HCl)のPim−1キナーゼ阻害活性を実証する。
Figure 0005357763
Pim−1キナーゼの活性に対するPim−1インヒビターの効果を決定するための1つの例示的様式は、セリン残基112(S112)におけるタンパク質Badのリン酸化レベル(ホスホ−BadまたはpBad)を測定することである。Pim−1は、Badを不活性化しかつその抗アポトーシスBcl−2ファミリーメンバーとの会合を阻害し、それによって、これらBcl−2ファミリーメンバーがアポトーシスシグナルをさらに阻害することを可能にするために、S112においてBadのリン酸化を引き起こすことが公知である。
簡潔には、MV−4−11(二表現型のB骨髄単球性白血病)細胞を、1.5×10細胞/mlにおいて無血清培地(SFM)中、T25フラスコにプレートし、24時間増殖させた。24時間後、Pim−1インヒビター(10μM、5μM、1μM、0.5μM、0.1μM、または0.01μM濃度)を、個々のフラスコに添加した。Pim−1インヒビターでの処理を、1時間の期間にわたって続けた。1時間の処理後に細胞を回収し、細胞溶解物を各サンプルについて作製した。上記溶解物から等量の総タンパク質を、SDS−PAGE分析のために、10% Tris−グリシンゲル(Invitrogen)上にのせた。タンパク質をSDS−PAGEによって分離した後、ウェスタンブロットのために、それらをニトロセルロース膜(Invitrogen)に転写した。ホスホ−Bad(S112)に対する一次抗体(Cell Signaling Technologies)を、ホスホ−Bad(S112)のレベルについてプローブするために使用した。Bad(S112)のリン酸化に対するインヒビターのEC50を計算するために、総Badタンパク質レベルを決定した。これを行うために、もとのウェスタンブロットを、抗体のストリップに分け、Badタンパク質のリン酸化状態を区別しない上記Badタンパク質を認識する抗体(Cell Signaling Technologies)を用いて再プローブした。濃度計を使用して、上記ウェスタンブロット上の各バンドのレベルを定量し、そしてこれを使用して、ホスホ−Badタンパク質レベルを変化させるPim−1インヒビターのEC50を決定した。
図3〜図5は、それぞれ、化合物7−19、(SGI−1763.HCl)、化合物7−29、および(SGI−1776.HCl)、および化合物7−31の(SGI−1778.HCl)で処理したMV−4−11細胞に関するホスホ−染色の結果を示す。上記Pim−1インヒビターで1時間処理した後、pBadのレベルは、用量依存性様式で減少し、最高レベルで、pBadがほぼ完全にないことを示す。総Badのレベルは、処置群にわたって類似であった。化合物7−19、(SGI−1763.HCl)、化合物7−29、および(SGI−1776.HCl)および化合物7−31の(SGI−1778.HCl)についてのEC50値が、それぞれ、635nM、7.9nM、および57.4nMであると決定した。

Claims (11)

  1. 以下の構造(I
    Figure 0005357763
    に従う構造を有する化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって
    ここで:
    Xは、NHあり;
    Rは、H、−OH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
    は、フェニルまたは置換されたフェニルであり、
    −(CH−ピペリジル、置換された−(CH −ピペリジル、−(CH−ピペラジニル、または置換された−(CH −ピペラジニルであり、ここでnは1または2である、
    化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩
  2. RはHである、請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩
  3. は、−OCF 、−OCHF 、−CF 、−OCH 、および−OHから選択される少なくとも1個の置換基で置換されているフェニルである、
    請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩
  4. は:
    Figure 0005357763
    である、請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩
  5. 請求項に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩を、薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
  6. 処置の必要な患者におけるPim−1キナーゼを発現する癌を処置するための、請求項に記載の組成物。
  7. Rはメチルである、請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
  8. は以下の構造
    Figure 0005357763
    の1つから選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
  9. は、アルキルから選択される1個または2個の置換基を有する、置換された−(CH 1,2 −ピペリド−4−イルまたは置換された−(CH 1,2 −ピペラジン−1−イルである、
    請求項1に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
  10. は、以下の
    Figure 0005357763
    から選択される、請求項9に記載の化合物もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
  11. N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−29);
    N−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−31);
    7−メチル−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−37);または
    N−((1−エチルピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(化合物7−39)
    である請求項1に記載の化合物、もしくはその立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
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