JP5348387B2 - 電解質膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜の製造方法に関し、さらに詳細には、金属酸化物を電解質膜に添加し、電解質膜の特性を向上させることが可能な電解質膜の製造方法に関する。
従来から、純水製造、食塩電解等のためのイオン交換膜として電解質膜が実用化されている。さらに、近年、電解質膜は、自動車用電源、家庭用電源、携帯電気機器用電源等のための燃料電池用途への実用化が加速し、電解質膜の特性をより優れたものに向上する技術が要請されている。
ところで、燃料電池の電解質膜の保水性(含水率)及び/又はプロトン伝導性(伝導度)を向上すると、燃料電池の発電性能が良好になるが、そのための方法として、特許文献1は、ゾルゲル法によって、電解質含有溶液に、金属アルコキシド由来の酸化金属(本明細書では「酸化金属」とは、金属アルコキシドに含まれる金属イオンと、酸素イオンとからなる酸化金属を指す)をゲル状に添加した電解質膜の製造方法を提示している。
ところが、この製造方法では、種々の金属アルコキシドの金属イオン種によりそれぞれ特有の特性の向上があり、各特性を活かした電解質膜を作製したいとの要請があるが、電解質膜に添加可能な酸化金属に係る金属アルコキシドが制限されてしまうといった問題があった。
以下、図4及び図5を用いて、この問題に関し、さらに具体的に説明する。
図4は、ゾルゲル法によって、金属アルコキシドとしてシリカアルコキシド(Siアルコキシド)を使用し、側鎖末端がスルホン酸基(−SOH基)の高分子ポリマーからなる電解質材料を含む電解質膜1にシリカ酸化物SiOを添加する従来の製造方法を説明するための模式的なフロー図である。
このフロー図を参照しながら説明すると、まず、側鎖末端がスルホン酸基(−SOH基)の高分子ポリマーを含む電解質膜1をアルコール溶液10に含浸し、アルコールを電解質膜に膨潤させ(工程a)、次に、アルコール膨潤した電解質膜を、シリカアルコキシドSi(OR)のアルコール溶液11に浸漬させる。このとき、スルホン酸基と水が触媒として機能し、以下の反応が進行する(参照符号bが指す模式図参照)。
すなわち、シリカアルコキシドSi(OR)を、スルホン酸基と水(−SOH/HO)からなる触媒により、上記反応が進行し、水酸化シリカSi(OH)を得る。この後、水酸化シリカSi(OH)を加熱し脱水縮合を行い、酸化シリカSiOが電解質膜中に形成される。
このようにして、酸化シリカSiOを電解質膜内に均一に生成し、酸化シリカSiOが添加された電解質膜(本明細書では、このように金属アルコキシドの金属酸化物が添加された、所定の特性を有する電解質膜(このように金属酸化物が添加された電解質膜を、適宜「添加電解質膜」と略す)が作製される。
特開2007−73202号公報
しかし、すべての金属アルコキシドが、シリカアルコキシドSi(OR)と同様の上記反応を示すわけではない。例えば、シリカアルコキシドSi(OR)の代わりに、チタンアルコキシドTi(OR)を用いると、不具合が生じる。
チタンアルコキシドTi(OR)を用いた場合に発生する当該不具合を、上述のシリカアルコキシドSi(OR)を用いた場合の図4の工程bに相当する工程を示す模式図(図5の(a)、(b))を参照しながら、説明する。
図5の(a)は、側鎖末端がスルホン酸基(−SOH基)の高分子ポリマーを含む電解質膜1をアルコール溶液に含浸し、アルコールを電解質膜に膨潤させ(不図示)、さらに、電解質膜1を、チタンアルコキシドTi(OR)のアルコール溶液16に浸漬する(図5の(a))。
そうすると、図5の(b)に示されるように、チタンアルコキシドTi(OR)のように反応性が(例えば上記のシリカアルコキシド(Si(OR))よりも)高い場合には、電解質膜1の表面付近のスルホン酸基(−SOH基)やその周辺のpH値が下がった溶液に、チタンアルコキシドTi(OR)が接触すると、すぐに加水分解が進行し、電解質膜1の表面付近に水酸化物(例えば、水酸化チタンTi(OH))が生成、堆積してしまい(参照番号が指す層)、その結果、電解質膜1の内部に向けてそれ以上、水酸化物が侵入することはない。その状態で、脱水縮合しても金属酸化物(酸化チタン)は、表面付近に形成されるだけである。
したがって、反応性の高いチタンアルコキシドTi(OR)のような金属アルコキシドを用いて、酸化金属(酸化チタンTiO)を電解質膜1の全体に亘り均一に添加することが困難であった。表面付近にのみ酸化金属が添加された電解質膜1を使用しても必要特性が向上しないことはいうまでもない。
このようにして、側鎖末端がスルホン酸基(−SOH基)の高分子ポリマーからなる電解質膜に、酸化物を添加する際、電解質膜の必要特性を向上させるために有効に作用する金属アルコキシド種が、その反応性の高低により限られてしまうといった不具合があった。
本発明の目的は、斯かる実情に鑑み、ゾルゲル法により、反応性の高い金属アルコキシドを使用しても、電解質膜の表面付近ばかりでなく全体に亘り、金属アルコキシド由来の金属酸化物を、電解質膜に均一に添加することができる電解質膜の製造方法を提供することにある。
(発明の態様)
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。
(1)側鎖末端がスルホン酸基の高分子ポリマーからなる第1電解質膜をアルカリ処理し、カチオン交換し、該スルホン酸基をスルホンアルカリ基に変換して、前記第1電解質膜の触媒作用と親水性とが失われた第2電解質膜とするアルカリ処理工程と、該アルカリ処理された第2電解質膜を、アルコール溶液に膨潤させ、さらに、金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬させて、金属アルコキシドを前記第2電解質膜全体に含浸させる膨潤・浸漬工程と、該金属アルコキシドのアルコール溶液が膨潤した電解質膜を乾燥させ、酸処理して、触媒作用と親水性とを取り戻した第3電解質膜とする乾燥・酸処理工程と、該酸処理された第3電解質膜を脱水縮合し、該金属アルコキシドに含まれる金属イオンと、酸素イオンとからなる金属酸化物を添加した電解質膜を作製する脱水縮合工程と、を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
本項によれば、まず、アルカリ処理工程により、デュポン社のナフィオン(商品名)に代表される側鎖末端がスルホン酸基(−SOH基)の高分子ポリマーからなる電解質膜(この出発時の電解質膜を「第1電解質膜」という)に、水酸化ナトリウムNaOH、水酸化カリウムKOH等のアルカリ性溶液を塗布又は含浸する。その結果、−SOH基が、カチオン交換により−SONa基(若しくは−SOK基、以下スルホンアルカリ基は「−SONa基」に代表させて説明する)に変換するため、第1電解質膜が本来有していた触媒作用が失われ、かつ、親水性も失う(この時点の電解質膜を「第2電解質膜」という)。
次に、浸漬・膨潤工程により、第2電解質膜を、金属アルコキシドが溶解しているエタノール、メタノール等のアルコール溶液に浸漬・膨潤させる。第2電解質膜を金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬すると、第2電解質膜が触媒作用がまだないため、反応性が高い金属アルコキシドであっても、第2電解質膜付近にとどまることなく、第2電解質膜全体に亘り均一に含浸していくようになる。
さらに、乾燥・酸処理工程により、第2電解質膜を乾燥し、さらに、乾燥した第2電解質膜を、酸溶液、例えば硫酸溶液に浸漬すると、第2電解質膜中の金属アルコキシドが分解し、かつ、−SONa基がプロトン化され、−SONa基が−SOH基に戻る(この時点の電解質膜を「第3電解質膜」という)。
そして、第3電解質膜を乾燥し、含有アルコール分を蒸発させる。そして乾燥した第3電解質膜を脱水縮合する。
このようにして、酸化金属が第3電解質膜中に均一に添加された、全体に亘り均質な添加電解質膜を作製することができる。
作製された添加電解質膜は、金属アルコキシド種の選択肢が拡大するため、未添加電解質膜に対して、より優れた保水性(含水率)及び/又はプロトン伝導性(伝導度)あるいはその他の好適な性質を示すものを臨機応変に作製することができる。このような添加電解質膜を燃料電池の電解質膜又は膜電極接合体(MEMBRANE ELECTRODE ASSEMBLY;以下「MEA」と略す)に使用すれば、保水性(含水率)及び/又はプロトン伝導性(伝導度)が向上するため、発電性能、耐久性等について、より優れた固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール型燃料電池を製造することができる。
(2)前記金属アルコキシドが、チタンアルコキシド、ジルコンアルコキシド、錫アルコキシド、又はシリカアルコキシドから選択される少なくとも1つであることを特徴とする(1)に記載の電解質膜の製造方法。
本項は、(1)項の金属アルコキシドを例示するものである。チタンアルコキシド、ジルコンアルコキシド、錫アルコキシド、又はシリカアルコキシドを用いると、(1)項の電解質膜の製造方法において、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化錫、又は酸化シリカが、側鎖末端がスルホン酸基の高分子ポリマーからなる電解質膜に添加され、電解質膜の保水性(含水率)及び/又は伝導性(伝導度)を向上させる。
(3) (1)又は(2)に記載の製造方法によって得られる電解質膜。
本項は、(1)又は(2)に記載の製造方法によって製造される電解質膜を示す。この電解質膜は、様々な産業上の分野に適用可能であり、特に、自動車用、家庭用電源(固定型電源)、携帯機器の燃料電池用の電解質膜として適用可能である。
(4) (3)に記載の電解質膜を含む膜電極接合体。
本項は、(1)又は(2)に記載の製造方法によって得られる電解質膜を膜電極接合体(MEA)中の電解質膜に適用可能であることを例示するものである。
(5) (3)又は(4)に記載の電解質膜又は膜電極接合体を含む燃料電池。
本項は、(3)又は(4)に記載の電解質膜又は膜電極接合体(MEA)が燃料電池に含まれ使用されることを例示するものである。
(6)固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池であることを特徴とする(5)に記載の燃料電池。
本項は、(3)又は(4)に記載の電解質膜又は膜電極接合体(MEA)を含む燃料電池が、固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池であるであることを例示するものである。
本発明に係る電解質膜の製造方法によれば、金属アルコキシドの反応性の高低にかかわらず、金属アルコキシド由来の酸化金属を、電解質膜の表面ばかりでなく電解質膜中全体に均一に添加できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
<実施形態>
図1は、発明を実施する形態の一例であって、本発明に係る電解質膜の製造方法を説明するためのフローの概念図であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。この製造方法の各工程を、フローに沿って以下説明する。
アルカリ処理工程:本工程は、側鎖末端がスルホン酸基の高分子ポリマーからなる電解質膜をアルカリ処理し、カチオン交換することにより、該スルホン酸基をスルホンアルカリ基に変換する工程である。
「側鎖末端がスルホン酸基の高分子ポリマーからなる電解質膜」には、ナフィオン、フレミオン、アシプレックス、ダウ膜(以上、商標名)等の市販のパーフルオロスルホン酸膜を用いることができる。
「アルカリ処理」は、水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液のような強アルカリ性の水溶液を用いることが好ましく、その濃度は、変換が十分行われば特に限定するものではないが、0.01モル/リットルから10モル/リットルとすることが好ましい。
「カチオン交換」は、スルホン酸基−SOHの、水素イオンを、アルカリイオン(例えばナトリウムイオン又はカリウムイオン)に交換することを意味する。すなわち、アルカリ処理工程では、カチオン交換により、スルホン酸基をスルホンアルカリ基に変換し、その結果、一時的に、スルホン酸基の持つ触媒作用が消失する。このとき、スルホン酸基が元々親水性をもたらすものであったため、同時に、親水性もまた消失する。
膨潤・浸漬工程:本工程は、該アルカリ処理された電解質膜を、アルコール溶液に膨潤させ、さらに、金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬させる工程である。
該アルカリ処理された電解質膜を、アルコール溶液に膨潤させることによって、金属アルコキシドを電解質内部に導入する。このアルコール溶液は、エタノール、メタノール、プロパノール等を使用できるが、金属アルコキシドが安定して膜に導入されるためには、それに対応するアルコール種を用いることがより好ましい。
このようにアルカリ処理された電解質膜を、チタンアルコキシドTi(OR)、ジルコンアルコキシドZr(OR)、錫アルコキシドSn(OR)、又はシリカアルコキシドSi(OR)等の金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬させる。この段階の電解質膜は、触媒作用を消失しているため、このように、反応性の高低にかかわらず、金属アルコキシドは、電解質の内部まで含浸していき、電解質膜内で水酸化金属、すなわちTi(OH)、Zr(OH)、Sn(OH)又はSi(OH)の形態で存在する。金属アルコキシドのアルコール溶液濃度は、特に限定されるものではないが、0.01vol%から90vol%の間であることが好ましい。
乾燥・酸処理工程:本工程は、該金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬された電解質膜を乾燥させ、そして、酸処理する工程である。
該金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬された電解質膜を乾燥させるのは、主に余分なアルコール除去のためである。この金属アルコキシドが全体に亘り含浸し、かつ乾燥した電解質膜を酸処理するために、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等の酸溶液に浸漬させる。酸処理は、電解膜中の金属アルコキシドから金属イオンが分解するようにし、分解した金属イオンを、−SONa基、−SOK基等をプロトン化して、−SOH基、−SOH基等に戻すためである。このときの酸処理時の酸濃度は、処理が十分行われれば特に限定するものではないが、0.01モル/リットルから10モル/リットルの間であることが好ましい。
脱水縮合工程:本工程は、該酸処理された電解質膜中のについて脱水縮合を行うことにより、該金属アルコキシドに含まれる金属イオンと酸素イオンとからなる金属酸化物を添加した電解質膜を作製する工程である。水酸化金属、すなわちTi(OH)、Zr(OH)、Sn(OH)又はSi(OH)を含む電解質膜を、50?から200?で、乾燥して脱水縮合し、酸化金属TiO、ZrO、SnO又はSiOに変換する。
このようにして、ゾルゲル法を用いつつ、一定の間に触媒作用を消失させて、その間に金属アルコキシドをドープして、最終的に、金属酸化物を電解質膜に添加することができる。このとき反応性が高い金属アルコキシド(例えばチタンアルコキシド)を用いても触媒作用が消失しているため、電解質膜全体に十分均一に含浸させることができ、使用する金属アルコキシドを、反応性の高低によって限定する必要がなくなる。ひいては、保水性及び/又はプロトン伝導性、さらには金属アルコキシド由来の酸化金属の特性次第で他の好適な特性を、電解質膜に付与することを可能とする。
<実施例、比較例>
保水性の比較:本発明に係る実施例1と、従来技術に係る比較例1、2について、保水性(含水率)の比較を行った。そのときの条件は以下の通りある。
実施例1では、ナフィオン112を水酸化ナトリウム溶液でアルカリ処理をした後、プロパノールで膨潤し、チタン酸テトラエチルを加えて一定時間放置後、ナフィオン112を取り出してさらに硫酸で酸処理して乾燥し、添加電解質膜を得た。比較例1では、電解質膜(出発材料)としてナフィオン112(商品名。以下同様)を使用した。比較例2では、ナフィオン112をプロパノールで膨潤し、チタン酸テトラエチルを加えて一定時間放置後、ナフィオン112を取り出してさらに硫酸で酸処理して乾燥し、添加電解質膜を得た。
以上の条件により得られた電解質膜又は添加電解質膜の含水率の相対値を、図2のグラフに示した。図2のグラフから分かるように、本発明に係る実施例1が一番含水率が高く、もって、保水性が向上していることが分かった。
プロトン伝導性の比較:次に、本発明に係る実施例2と、従来技術に係る比較例3、4について、プロトン伝導性(プロトン伝導度)の比較を行った。そのときの条件は以下の通りである。
実施例2は、上記の実施例1と同様の処方のものである。よってその処方の説明を省略する。比較例3では、比較例2では、ナフィオン112をプロパノールで膨潤し、オルトケイ酸テトラエチルを加えて一定時間放置後、ナフィオン112を取り出してさらに硫酸で酸処理して乾燥し、添加電解質膜を得た。比較例4は、上記の比較例2と同様の処方のものである。よって同様にしてその処方の説明を省略する。
以上の条件により得られた添加電解質膜の伝導度の相対値を、図3のグラフに示した。図3のグラフから分かるように、本発明に係る実施例2が一番伝導度が高く、もって、プロトン伝導度(若しくはイオン伝導度)が向上していることが分かった。特に、従来技術に係る比較例4は、実施例2とドープされた金属酸化物が同種の酸化チタンであるが、実施例2よりも伝導度が低いという結果が得られた。
尚、本発明の電解質膜の製造方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明の電解質膜の製造方法を説明するための概念図である。 図2は、含水率に関し、実施例と比較例を比較するためのグラフを示す図である。 図3は、伝導度に関し、実施例と比較例を比較するためのグラフを示す図である。 図4は、従来の電解質膜の製造方法の従来の問題点を説明するための概念図である。 図5は、従来の電解質膜の製造方法の従来の問題点を説明するための概念図である。
符号の説明
S1:アルカリ処理工程、S2、S3:膨潤・浸漬工程、S4、S5:乾燥・酸処理工程、S6:脱水縮合工程

Claims (6)

  1. 側鎖末端がスルホン酸基の高分子ポリマーからなる第1電解質膜をアルカリ処理し、カチオン交換し、該スルホン酸基をスルホンアルカリ基に変換して、前記第1電解質膜の触媒作用と親水性とが失われた第2電解質膜とするアルカリ処理工程と、
    該アルカリ処理された第2電解質膜を、アルコール溶液に膨潤させ、さらに、金属アルコキシドのアルコール溶液に浸漬させて、金属アルコキシドを前記第2電解質膜全体に含浸させる膨潤・浸漬工程と、
    該金属アルコキシドのアルコール溶液が膨潤した電解質膜を乾燥させ、酸処理して、触媒作用と親水性とを取り戻した第3電解質膜とする乾燥・酸処理工程と、
    該酸処理された第3電解質膜を脱水縮合し、該金属アルコキシドに含まれる金属イオンと、酸素イオンとからなる金属酸化物を添加した電解質膜を作製する脱水縮合工程と、を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
  2. 前記金属アルコキシドが、チタンアルコキシド、ジルコンアルコキシド、錫アルコキシド、又はシリカアルコキシドから選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の製造方法によって得られる電解質膜。
  4. 請求項3に記載の電解質膜を含む膜電極接合体。
  5. 請求項3に記載の電解質膜、又は請求項4に記載の膜電極接合体を含む燃料電池。
  6. 固体高分子形燃料電池又はダイレクトメタノール形燃料電池であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
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